JP2004298023A - 醸造粕濃縮物および醸造粕乾燥物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】複雑な工程や設備、多大なエネルギーを必要とせずに、醸造粕から飼料等の原料となる醸造粕濃縮物や醸造粕乾燥物を効率良く製造する方法を提供すること。
【解決手段】醸造粕濃縮物は、醸造粕から得られる液を、セルラーゼを主成分とし、キシラナーゼを含有する酵素により処理した後、濃縮することにより製造される。好ましくはキシラナーゼは、そのキシラナーゼ活性がセルラーゼによるCMC活性に対して1/2以上となるように含まれている。酵素は、トリコデルマ属の糸状菌、アスペルギルス属の糸状菌およびイルペックス属の糸状菌よりなる群から選ばれる1種または2種以上の微生物から、それぞれ単独で、あるいはセルラーゼ−キシラナーゼ混合物として得られたものを用いる。
【選択図】 図1
【解決手段】醸造粕濃縮物は、醸造粕から得られる液を、セルラーゼを主成分とし、キシラナーゼを含有する酵素により処理した後、濃縮することにより製造される。好ましくはキシラナーゼは、そのキシラナーゼ活性がセルラーゼによるCMC活性に対して1/2以上となるように含まれている。酵素は、トリコデルマ属の糸状菌、アスペルギルス属の糸状菌およびイルペックス属の糸状菌よりなる群から選ばれる1種または2種以上の微生物から、それぞれ単独で、あるいはセルラーゼ−キシラナーゼ混合物として得られたものを用いる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、醸造工業において廃棄物として生み出される焼酎粕などの醸造粕から、例えば飼料や肥料の原料等として有用な醸造粕濃縮物または醸造粕乾燥物を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
焼酎、ウィスキー等の発酵工程で発生する醸造粕の海洋投棄が禁止されるにあたって、これらの処理が醸造業界全体の問題になっている。今後は醸造粕中に含まれる有効成分に着目し、固液分離、濃縮、抽出等の操作を用いて、醸造粕を飼料や肥料などの原料として有効活用することが従来にも増して期待される。
【0003】
従来、醸造粕から飼料等の原料となる醸造粕濃縮物や醸造粕乾燥物を得るには、振動篩、スクリュープレス、デカンター等の分離装置で固液分離操作を行った後、固形物を乾燥する工程と清澄液を濃縮し乾燥する工程を別々に行う複雑なプロセスが必要であった[例えば、非特許文献1参照]。このような複雑な工程を必要とする理由は、醸造粕濃縮工程での粘度上昇が顕著であるため、含まれている固形物を物理的処理により除去しなければ高濃度濃縮が不可能であるという醸造粕特有の物性から来ている。
【0004】
すなわち、醸造粕を有効利用する場合、濃縮工程の前処理として篩い分けなどの簡単な単位操作により焼酎粕中に含まれている大型の固形分(麦のヘコ、芋の根など)を除去するだけでは、濃縮操作の過程で固形分20%以上の濃度になると濃縮液の粘度が上昇し、それ以上濃縮度を上げることができなくなる。濃縮が不十分な場合、濃縮物は腐敗しやすく保存が困難になり、飼料原料等としては不都合である。濃縮物の保存性は乾燥物とすることにより改善するが、低い濃縮度のものを直接乾燥しようとすると消費エネルギーが極めて大きくなり、実用性に乏しい。そのため、スクリュープレス、デカンターなど複雑な固液分離操作で微細な固形分を除いた後に濃縮する操作が必要となり、設備や工程が複雑化するという問題があった。しかも、従来の処理方法では、固液分離操作で水分を多く含む固形物が発生するため、これを乾燥する工程で多くのエネルギーを消費するという問題もあった。
【0005】
【非特許文献1】
焼酎蒸留残渣処理設備−全リサイクル型処理設備の開発;
「産業機械」、2001年7月、p.62−63
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、複雑な工程や設備、多大なエネルギーを必要とせずに、醸造粕から飼料等の原料となる醸造粕濃縮物や醸造粕乾燥物を効率良く製造する方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の醸造粕濃縮物の製造方法の発明は、醸造粕から得られる液を、セルラーゼを主成分とし、キシラナーゼを含有する酵素により処理した後、濃縮することを特徴とする。
この醸造粕濃縮物の製造方法の発明によれば、醸造粕から得られる液をセルラーゼを主成分とし、キシラナーゼを含有する酵素により処理することによって、液の粘度を大きく低下させることが出来るので、濃縮工程での濃縮度を高くすることができる。
すなわち、セルラーゼとキシラナーゼを組み合わせて酵素処理を行うことにより、セルラーゼ単独の場合に比べて醸造粕中に含まれる植物体由来の不溶物の可溶化が促進され、液の粘度を低下させる効果が大きい。よって、高い濃縮度までの濃縮が可能になる。濃縮物中の全固形分が30%を超えると、腐敗が起こり難くなり、常温でも半年〜1年程度の保存が可能になるが、本発明方法によって得られる醸造粕濃縮物は、全固形分が30%以上の濃度まで濃縮可能なため、保存性が高いものとなる。また、本発明方法は、酵素反応を利用して液の粘度を低下させるため、複雑な工程や設備、多くのエネルギーを必要とせず、低コストで醸造粕濃縮物を製造することが可能になる。
【0008】
請求項2に記載の醸造粕濃縮物の製造方法の発明は、請求項1において、前記キシラナーゼは、そのキシラナーゼ活性がセルラーゼのCMC活性に対して1/2以上となるように含まれていることを特徴とする。この特徴によれば、キシラナーゼ活性がセルラーゼによるCMC活性に対して1/2以上となるような量でキシラナーゼを含むことにより、キシラナーゼによる可溶化促進効果が十分に得られる。
【0009】
請求項3に記載の醸造粕濃縮物の製造方法の発明は、請求項1または請求項2において、前記セルラーゼおよび前記キシラナーゼは、トリコデルマ属の糸状菌、アスペルギルス属の糸状菌およびイルペックス属の糸状菌よりなる群から選ばれる1種または2種以上の微生物から、それぞれ単独で、あるいはセルラーゼ−キシラナーゼ混合物として得られるものであることを特徴とする。この特徴によれば、トリコデルマ属、アスペルギルス属およびイルペックス属の微生物は、セルラーゼおよび/またはキシラナーゼの起源として有用であり、かつ酵素の入手も容易である。また、必要に応じてこれらの内、二種以上の微生物由来の酵素を組み合わせて使用することによって、優れた粘度低下作用が奏される。
【0010】
請求項4に記載の醸造粕濃縮物の製造方法の発明は、請求項1から請求項3のいずれか1項において、酵素処理は、pH3〜6で、液中の固形分重量当たり0.01〜0.4重量%の酵素を添加し、40〜60℃で12〜48時間反応させることを特徴とする。
この特徴によれば、上記条件で酵素処理を行うことにより、酵素反応が十分に進行し、所望のレベルまで液の粘度を低下させることが可能になり、その後の濃縮が容易になる。
【0011】
請求項5に記載の醸造粕濃縮物の製造方法の発明は、請求項1から請求項4のいずれか1項において、前記醸造粕が、芋焼酎粕、麦焼酎粕、米焼酎粕、またはそれらの混合物であることを特徴とする。この特徴によれば、植物体由来の不溶物が多量に含まれている上記焼酎粕においても、十分な液粘度の低下が可能であり、醸造粕濃縮物として有効利用を図ることができる。
【0012】
請求項6に記載の醸造粕乾燥物の製造方法の発明は、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の製造方法により得られる醸造粕濃縮物を乾燥することを特徴とする。この醸造粕乾燥物の製造方法の発明によれば、上記本発明方法により得られる醸造粕濃縮物を乾燥することにより、効率よく醸造粕乾燥物を製造できる。つまり、請求項1から請求項5に記載の製造方法によって得られる醸造粕濃縮物は、粘度が低く高濃度まで濃縮が可能なため、乾燥する際の消費エネルギーが少なくてすみ、乾燥工程の時間も短くなる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の醸造粕濃縮物の製造方法は、醸造粕から得られる液を、セルラーゼを主成分とする酵素により処理した後、濃縮することによって実施される。
【0014】
本発明における醸造粕は、蒸留酒の製造過程でアルコール分を蒸留した後に残存する固形分を多く含んだ液状物のことであり、例えば芋焼酎粕、麦焼酎粕、米焼酎粕、またはそれらの混合物などの焼酎粕や、ウィスキーの醗酵過程で生成する蒸留粕などが含まれる。
【0015】
本発明方法では、まず前処理工程として、醸造粕から大型の固形物を分別し、除去する。固形物の分別除去は、例えば、篩い分け、濾過、遠心分離など既知の方法によって行うことが可能である。ここで、大型の固形物とは、例えば醸造粕中に含まれる麦のヘコ、芋の根などである。酵素は処理対象物に吸着してから作用するため、醸造粕中に大型の固形物を含んだまま後の酵素処理へ移行すると多量の酵素が必要になる。従って、この分別除去工程は主として経済的理由から実施するものである。
【0016】
この分別除去工程では、所定の大きさ以上、例えば概ね1mm以上の固形物を対象として除去すれば足り、除去方法としては篩い分けが適している。なお、醸造粕中に1mm以上の固形物を含まない場合はこの工程は不要である。
【0017】
次に酵素処理工程として、醸造粕から固形物を除去して得られる液(以下、便宜上「分別液」と記すことがある)を、セルラーゼを主成分とし、キシラナーゼを含有する酵素(以下、便宜上「酵素混合物」を記すことがある)により処理する。ここで「セルラーゼを主成分とする」とは、酵素蛋白の量的比率においてセルラーゼが主であることを意味する。このようにセルラーゼにキシラナーゼを組み合わせることにより、セルラーゼ単独で使用する場合に比べて、分別液中に含まれる植物由来の不溶物を効率よく可溶化することができる。
【0018】
セルラーゼは、セルロースのβ―1,4−グリコシド結合を加水分解する反応に関与する酵素の総称であり、また、キシラナーゼは、キシランを加水分解する酵素の総称である。これらの酵素は、起源となる微生物から既知の手法で入手し、あるいは遺伝子工学的手法で生産することができるが、起源となる生物種の相違や、微生物株の相違、生産方法などにより、少しずつ性質が異なることが知られている。
【0019】
本発明ではセルラーゼおよびキシラナーゼとして各種生物由来のもの、あるいは遺伝子工学的手法によって生産されたものを使用可能であり、異なる起源から別個に単離されたセルラーゼとキシラナーゼを組み合わせて酵素混合物としてもよく、あるいは同一起源から酵素混合物として分離されたものを用いてもよい。各酵素の起源としては、例えば、トリコデルマ(Trichoderma)属の糸状菌、アスペルギルス(Aspergillus)属の糸状菌、イルペックス(Irpex)属の糸状菌等の微生物由来のものが好ましい。これらの微生物由来の酵素は、飼料安全法「飼料の安全性の確保及び品質の改善に関する法律」に基き飼料添加物として認められた酵素であり、濃縮物、またはその乾燥物の飼料化に当って、安全性が保証されている。
【0020】
また、例えばトリコデルマ属由来の酵素混合物と、アスペルギルス属由来の酵素混合物とを組合せると、トリコデルマ属由来の酵素混合物を単独で用いる場合に比べて芋焼酎粕に対して優れた効果が発揮されることが確認されており、由来の異なる酵素混合物同士を組合せることによって良好な結果が得られる場合もある。その結果は後述する試験例1に示す。
【0021】
酵素混合物中には、キシラナーゼを、そのキシラナーゼ活性がセルラーゼによるカルボキシメチルセルロースナトリウム活性(本発明において、「CMC活性」と記す)に対して1/2以上となるように含めることが好ましい。
具体的には、例えば、キシラナーゼ活性がセルラーゼによるCMC活性に対して1/2以上となる量でキシラナーゼを含むトリコデルマ(Trichoderma)属の糸状菌由来の酵素混合物、キシラナーゼ活性がセルラーゼによるCMC活性に対して1/2以上となる量でキシラナーゼを含むアスペルギルス(Aspergillus)属の糸状菌由来の酵素混合物、キシラナーゼ活性がセルラーゼによるCMC活性に対して1/2以上となる量でキシラナーゼを含むイルペックス(Irpex)属の糸状菌由来の酵素混合物、またはこれらの酵素混合物の二つ以上の組合せを挙げることができる。
【0022】
なお、CMC活性はセルラーゼ活性を評価する一つの方法であり、農林水産省畜産局衛生課監修「飼料添加物の成分規格等収載書 第10版」(発行元:社団法人日本科学飼料協会)の「14.酵素力試験法 ▲4▼繊維糖化力試験法」(第52頁〜第54頁)により測定できる。この繊維糖化力試験法は、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC)にセルラーゼが作用するときに、加水分解に伴って増加する還元力によりセルラーゼの量を測定する方法であり、その単位は繊維糖化力単位で示される。
【0023】
また、キシラナーゼ活性は、上記「飼料添加物の成分規格等収載書 第10版」の「14.酵素力試験法 ▲1▼キシラン糖化力試験法」(第49頁〜第50頁)により測定できる。このキシラン糖化力試験法は、キシランにキシラナーゼが作用する時に、加水分解に伴って増加する還元力によりキシラナーゼの量を測定する方法であり、その単位は、キシラン糖化力単位で示される。
【0024】
酵素混合物としては、「セルラーゼ」の名称で市販されているものを使用することも可能である。つまり、市販されている「セルラーゼ」には、一定量のキシラナーゼを含んでいることがあり、これらをそのまま使用することができる。これらの市販品は、セルラーゼとキシラナーゼの混合比や由来微生物によって酵素としての特徴が異なっており、その中でキシラナーゼ活性の高いものを用いることが好ましい。セルラーゼとして市販されている酵素混合物の好ましい例としては、「E−CEL協和」(商品名)[協和発酵工業株式会社;トリコデルマ属由来]、「ドリセラーゼ20」(商品名)[協和発酵工業株式会社;イルペックス属由来]、「スミチームAC(4000)」(商品名)[新日本化学工業株式会社;アスペルギルス属由来]などを挙げることができる。
【0025】
酵素処理工程の条件は以下のとおりである。
まず、分別液をpH3〜6、好ましくはpH5前後に調整し、調整後の分別液に液中の固形分重量当たり0.01〜0.4重量%の酵素を添加し、酵素添加液を40〜60℃、好ましくは40〜50℃で、12〜48時間、好ましくは16〜24時間反応させる。セルラーゼとキシラナーゼの至適pH範囲は、互いに少しずれているが、上記範囲であれば酵素混合物として良好な酵素活性が発揮される。また、上記した酵素混合物の配合量の上限は経済的観点からのものであり、上記範囲を超えて使用すればある程度効果が向上する。従って、上記範囲を超える量の酵素混合物の添加を妨げるものではない。
【0026】
酵素処理をした分別液は、粘度が低下しているため、高濃度までの濃縮が可能になる。濃縮工程は、既知の濃縮装置を用いて実施できるが、濃縮度が進むに従い液の粘度が増加してくるため、例えば、三井造船株式会社製の減圧強制循環式多重効用型濃縮装置等を使用することが好ましい。
【0027】
この装置は、高濃度濃縮液の流動性を保ち、かつ装置内でのスケーリング発生を最小限にするため、加熱器内での蒸発は避け飽和濃度の液として装置内を強制循環させる方式である。真空下での低温蒸発なので濃縮物の熱変性が少なく、また蒸発蒸気を自己および次缶の蒸発熱源に利用できるので、ボイラ蒸気の使用量を単効用式に比べ数分の一に減らすことができる。この濃縮装置は、「加熱部」と「蒸発部」を別々に設置している。加熱器内の液圧を正圧にし、加熱器内では液の蒸発を防ぐ構造となっている。加熱された液は、負圧に保たれている蒸発缶内で蒸発する。このシステムにより、加熱器内でのスケーリングの発生を最少に抑えることができ、酵素濃縮液の全固形分(沸点が105℃以上の蒸発残留物)濃度を30重量%から60重量%程度まで濃縮することが可能である。全固形分が30重量%以上の濃度になると半年〜1年程度まで常温保存が可能になるので、品質管理上有利であり保管経費も節減できる。
【0028】
以上のようにして製造される本発明の醸造粕濃縮物は、前記したように適度の保存性を備えており、醸造過程でかびや酵母の働きによって生産された各種の栄養素が豊富に含まれているとともに、酵素混合物の作用により繊維の大部分が吸収しやすい糖類まで分解されているため、そのまま飼料や肥料の原料として利用できる。
【0029】
図1に、本発明の醸造粕濃縮物の製造方法の一例の概要を図示する。
分別除去工程では、醸造粕中の大型の固形分は、回転式スクリーン10により除去される。なお、除去された大型の固形分は、脱水ケーキとして乾燥設備等へ送られる。
【0030】
次に、分別液は、酵素反応タンク20に送られ、そこで酵素が添加され所定条件で反応が行われる。濃縮装置30に送られた反応液は、濃縮工程に付され、所望の濃度まで濃縮されて醸造粕濃縮物となる。なお、濃縮中に気化したアルコール分は、アルコール回収設備で回収できる。
【0031】
図2に、本発明で好適に使用できる濃縮装置30を例示する。濃縮装置30は、第一蒸発缶31、第二蒸発缶32、第三蒸発缶33を含み、各缶内で流体を強制循環させる強制循環方式の三重効用缶である。
【0032】
以上の如く得られる醸造粕濃縮物は、そのまま飼料や肥料等の原料として利用できるが、必要に応じて更に乾燥工程に付すことにより、醸造粕乾燥物とすることも可能である。
すなわち、本発明の醸造粕乾燥物の製造方法は、醸造粕濃縮物を乾燥することにより実施できる。乾燥は、既知の直接式または間接式伝熱乾燥装置などを用いて行うことが可能である。
【0033】
本発明製造方法により得られる醸造粕濃縮物は、前記したように濃縮度が高いため、乾燥も容易で、乾燥に要するエネルギーは少なくてすみ、時間も短くてすむ。また、乾燥させることにより、保存性がより高められ、軽量化・減量化が可能になるため、飼料や肥料の原料としていっそう有利になる。
【0034】
【作用】
本発明の醸造粕濃縮物の製造方法においては、濃縮工程の前工程として残存する植物体由来の不溶物を酵素処理して分解、可溶化する際、セルラーゼを主成分とし、キシラナーゼを含有する酵素を用いる。このように酵素混合物を用いることにより、セルラーゼ単独で処理する場合に比べ可溶化がより進行し、分別液の粘度を大幅に低下させることが可能になる。この効果は、後記試験例に示すようにセルラーゼと他の酵素(アミラーゼなど)との組合せでは得られない。
【0035】
酵素混合物を用いることによる作用機構は未だ解明されていなが、以下のように考えれば合理的な説明が可能である。
すなわち、植物体中にはセルロースを架橋し補強する成分としてアラビノキシランが存在している。キシラーゼはこのアラビノキシランを特異的に加水分解するため、セルラーゼとともに作用させることによって、共役的あるいは複合的に酵素反応が進行し、容易に不溶物が可溶化するものと推測される。
【0036】
実際、上記のような酵素反応の効果は反応液の顕微鏡観察により確認される。分別液中には、直径250μm程度の植物体由来の不溶物粒子(周囲に膜を有する細胞様の塊)が多数存在している。セルラーゼ単独での処理によっては該粒子は十分に分解されないが、セルラーゼとキシラーゼの混合物を作用させた場合には、粒子は分解し、ほぼ消失する。
【0037】
また、上記のような共役的あるいは複合的な酵素反応の効果は、単に不溶物の低減のみに効果を有するだけでなく、可溶化された溶液中のアラビノキシランなどの高分子物質が低分子化されることにより、濃縮工程において高濃度濃縮を阻害する不溶物を析出させたり、溶液粘度を低下させたりする効果を持ち、これらが総合的に作用して醸造粕の高濃度濃縮が可能になるものと推測される。
【0038】
【実施例】
次に、実施例、試験例により、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに制約されるものではない。
【0039】
実施例1
麦焼酎粕101リットルを篩い(目開き1mm)で篩い分けして麦のヘコなど1mm以上の大型の不溶物を除き、濾液100リットルを得た。濾液を苛性ソーダを用いてpH4.9に調整した後、セルラーゼのCMC活性に対する比率で2.5倍のキシラナーゼを含む酵素混合物(トリコデルマ属由来)8.25gを加え、温度50℃で20時間反応させた[反応液中の固形分(ss;サスペンデッド・ソリッド)は35g/リットルから19g/リットルに減少し、粘度は63cpから17cpに減少した]。酵素反応液を強制循環式減圧蒸発装置(三井造船株式会社製)で濃縮し、濃縮液23リットルを得た。濃縮液の濃度は、全固形分として46.5%であった。この濃縮液20リットルを気流式乾燥機で乾燥し、製品7.8kgを得た。濃縮液中の粗蛋白質は、乾物重量に対し30%であり飼料原料として高品質な成分であった。また、濃縮液を室温で6ヶ月間保存しても、腐敗などの変質は認められなかった。一方、酵素反応を行わない場合、濃縮液の濃度は25%が限界であった。この濃縮液を室温で保存したところ2週間でガスが発生し腐敗が認められた。
【0040】
実施例2
芋焼酎粕102リットルを篩い(目開き1mm)で篩い分けし1mm以上の大型の固形物を除き、濾液100リットルを得た。濾液を苛性ソーダを用いてpH4.9に調整した後、セルラーゼのCMC活性に対する比率で2.5倍のキシラナーゼを含む酵素混合物(トリコデルマ属由来)9.15g、および、セルラーゼのCMC活性に対する比率で0.75倍のキシラナーゼを含む酵素混合物(アスペルギルス属由来)9.15gを加え、温度50℃で17時間反応させた。反応液中の繊維分は32g/リットルから27g/リットルに減少し、粘度は64cpから20cpに減少した。酵素反応液を減圧強制循環式多重効用型濃縮装置で濃縮し、濃縮液15 リットルを得た。濃縮液の濃度は31.0%であった。濃縮液中の粗蛋白質は乾物重量に対し26%であり、飼料原料として高品質な成分であった。この濃縮液を室温で6ヶ月保存したが腐敗などの変質は認められなかった。
【0041】
一方、酵素反応を行わない場合、濃縮液の濃度は15%が限界であった。濃度15%の液は2週間後にガス発生があり腐敗した。
【0042】
実施例3
米焼酎粕6リットルをふるい(目開き1mm)で篩い分けし1mm以上の大型の固形分を除き、濾液5.95リットルを得た。濾液を苛性ソーダを用いてpH5.0に調整した後、セルラーゼのCMC活性に対する比率で2.5倍のキシラナーゼを含む酵素混合物(トリコデルマ属由来)0.45gを加え、温度50℃で24時間反応させた。この酵素反応液をエバポレーターで濃縮すると濃度57%の濃縮液が得られた。一方、酵素反応を行わない場合、米焼酎粕の濃縮度は濃度25%が限界であった。
【0043】
試験例1
芋焼酎粕1リットルを篩い分けした後、分別液にトリコデルマ属由来の酵素混合物[セルラーゼ E−CEL協和(商品名:協和発酵工業株式会社)]およびアスペルギルス属由来の酵素混合物[セルラーゼ スミチームAC(商品名:新日本化学工業株式会社)]をそれぞれ表1に示す量で添加し、50℃で20時間反応させた。次に、反応液(全固形分4.9%)の粘度を測定した後、全固形分が25%になるまで濃縮した。反応液および濃縮液の粘度の測定結果を表1に併記する。なお、比較のため酵素処理を行わない場合についても同様に粘度を測定した。
【0044】
【表1】
【0045】
表1から、酵素混合物を添加した場合は、反応液、濃縮液の粘度を大幅に低下させることが可能になるとともに、由来の異なる2種類の酵素混合物を組み合わせて使用することによって、粘度を低下させる作用がいっそう向上することが示された。
【0046】
試験例2
麦焼酎粕(全固形分10重量%;pH5に調整したもの)500gに、トリコデルマ属由来の酵素混合物[セルラーゼ E−CEL協和(商品名:協和発酵工業株式会社)]を表3中に示す量(全固形分に対する比率)で添加した。E−CEL協和0.05重量%の区分については、さらに表2に示す量の酵素A〜Fを組合せて添加したものも調製した。酵素添加後、50℃で16時間反応させ、麦のヘコを分離後濃縮して全固形分25%、30%、35%における粘度を測定した。その結果を表3に示した。
【0047】
【表2】
【0048】
【表3】
【0049】
表3の結果から、セルラーゼとキシラナーゼを含む酵素混合物に他の種類の酵素を添加しても粘度低下に特段の効果は得られないことが判明した。
【0050】
【発明の効果】
本発明の醸造粕濃縮物の製造方法によれば、醸造粕から得られる液をセルラーゼを主成分とし、キシラナーゼを含有する酵素により処理することによって、液の粘度を低下させることが出来るので、濃縮工程での濃縮度を高くすることができる。
すなわち、セルラーゼとキシラナーゼを組み合わせて酵素処理を行うことにより、セルラーゼ単独の場合に比べて醸造粕中に含まれる植物体由来の不溶物の可溶化が促進され、液の粘度を低下させる効果が大きい。よって、高い濃縮度までの濃縮が可能になる。濃縮物中の全固形分が30%を超えると、腐敗が起こり難くなり、常温でも半年〜1年程度の保存が可能になるが、本発明方法によって得られる醸造粕濃縮物は、全固形分が30%以上の濃度まで濃縮可能なため、保存性が高いものとなる。また、本発明方法は、酵素反応を利用して液の粘度を低下させるため、複雑な工程や設備、多くのエネルギーを必要とせず、低コストで醸造粕濃縮物を製造することが可能になる。
従って、本発明の醸造粕濃縮物の製造方法、または醸造粕乾燥物の製造方法により、従来廃棄されることが主であった醸造粕の有効利用が図られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】醸造粕濃縮物の製造方法の一例の概要を説明する図面である。
【図2】濃縮装置の概要を模式的に説明する図面である。
【符号の説明】
10 回転式スクリーン
20 酵素反応タンク
30 濃縮装置
31 第一蒸発缶
32 第二蒸発缶
33 第三蒸発缶
61,62,63 反応液経路
64,65,66 蒸気経路
71,72,73 加熱器
【発明の属する技術分野】
本発明は、醸造工業において廃棄物として生み出される焼酎粕などの醸造粕から、例えば飼料や肥料の原料等として有用な醸造粕濃縮物または醸造粕乾燥物を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
焼酎、ウィスキー等の発酵工程で発生する醸造粕の海洋投棄が禁止されるにあたって、これらの処理が醸造業界全体の問題になっている。今後は醸造粕中に含まれる有効成分に着目し、固液分離、濃縮、抽出等の操作を用いて、醸造粕を飼料や肥料などの原料として有効活用することが従来にも増して期待される。
【0003】
従来、醸造粕から飼料等の原料となる醸造粕濃縮物や醸造粕乾燥物を得るには、振動篩、スクリュープレス、デカンター等の分離装置で固液分離操作を行った後、固形物を乾燥する工程と清澄液を濃縮し乾燥する工程を別々に行う複雑なプロセスが必要であった[例えば、非特許文献1参照]。このような複雑な工程を必要とする理由は、醸造粕濃縮工程での粘度上昇が顕著であるため、含まれている固形物を物理的処理により除去しなければ高濃度濃縮が不可能であるという醸造粕特有の物性から来ている。
【0004】
すなわち、醸造粕を有効利用する場合、濃縮工程の前処理として篩い分けなどの簡単な単位操作により焼酎粕中に含まれている大型の固形分(麦のヘコ、芋の根など)を除去するだけでは、濃縮操作の過程で固形分20%以上の濃度になると濃縮液の粘度が上昇し、それ以上濃縮度を上げることができなくなる。濃縮が不十分な場合、濃縮物は腐敗しやすく保存が困難になり、飼料原料等としては不都合である。濃縮物の保存性は乾燥物とすることにより改善するが、低い濃縮度のものを直接乾燥しようとすると消費エネルギーが極めて大きくなり、実用性に乏しい。そのため、スクリュープレス、デカンターなど複雑な固液分離操作で微細な固形分を除いた後に濃縮する操作が必要となり、設備や工程が複雑化するという問題があった。しかも、従来の処理方法では、固液分離操作で水分を多く含む固形物が発生するため、これを乾燥する工程で多くのエネルギーを消費するという問題もあった。
【0005】
【非特許文献1】
焼酎蒸留残渣処理設備−全リサイクル型処理設備の開発;
「産業機械」、2001年7月、p.62−63
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、複雑な工程や設備、多大なエネルギーを必要とせずに、醸造粕から飼料等の原料となる醸造粕濃縮物や醸造粕乾燥物を効率良く製造する方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の醸造粕濃縮物の製造方法の発明は、醸造粕から得られる液を、セルラーゼを主成分とし、キシラナーゼを含有する酵素により処理した後、濃縮することを特徴とする。
この醸造粕濃縮物の製造方法の発明によれば、醸造粕から得られる液をセルラーゼを主成分とし、キシラナーゼを含有する酵素により処理することによって、液の粘度を大きく低下させることが出来るので、濃縮工程での濃縮度を高くすることができる。
すなわち、セルラーゼとキシラナーゼを組み合わせて酵素処理を行うことにより、セルラーゼ単独の場合に比べて醸造粕中に含まれる植物体由来の不溶物の可溶化が促進され、液の粘度を低下させる効果が大きい。よって、高い濃縮度までの濃縮が可能になる。濃縮物中の全固形分が30%を超えると、腐敗が起こり難くなり、常温でも半年〜1年程度の保存が可能になるが、本発明方法によって得られる醸造粕濃縮物は、全固形分が30%以上の濃度まで濃縮可能なため、保存性が高いものとなる。また、本発明方法は、酵素反応を利用して液の粘度を低下させるため、複雑な工程や設備、多くのエネルギーを必要とせず、低コストで醸造粕濃縮物を製造することが可能になる。
【0008】
請求項2に記載の醸造粕濃縮物の製造方法の発明は、請求項1において、前記キシラナーゼは、そのキシラナーゼ活性がセルラーゼのCMC活性に対して1/2以上となるように含まれていることを特徴とする。この特徴によれば、キシラナーゼ活性がセルラーゼによるCMC活性に対して1/2以上となるような量でキシラナーゼを含むことにより、キシラナーゼによる可溶化促進効果が十分に得られる。
【0009】
請求項3に記載の醸造粕濃縮物の製造方法の発明は、請求項1または請求項2において、前記セルラーゼおよび前記キシラナーゼは、トリコデルマ属の糸状菌、アスペルギルス属の糸状菌およびイルペックス属の糸状菌よりなる群から選ばれる1種または2種以上の微生物から、それぞれ単独で、あるいはセルラーゼ−キシラナーゼ混合物として得られるものであることを特徴とする。この特徴によれば、トリコデルマ属、アスペルギルス属およびイルペックス属の微生物は、セルラーゼおよび/またはキシラナーゼの起源として有用であり、かつ酵素の入手も容易である。また、必要に応じてこれらの内、二種以上の微生物由来の酵素を組み合わせて使用することによって、優れた粘度低下作用が奏される。
【0010】
請求項4に記載の醸造粕濃縮物の製造方法の発明は、請求項1から請求項3のいずれか1項において、酵素処理は、pH3〜6で、液中の固形分重量当たり0.01〜0.4重量%の酵素を添加し、40〜60℃で12〜48時間反応させることを特徴とする。
この特徴によれば、上記条件で酵素処理を行うことにより、酵素反応が十分に進行し、所望のレベルまで液の粘度を低下させることが可能になり、その後の濃縮が容易になる。
【0011】
請求項5に記載の醸造粕濃縮物の製造方法の発明は、請求項1から請求項4のいずれか1項において、前記醸造粕が、芋焼酎粕、麦焼酎粕、米焼酎粕、またはそれらの混合物であることを特徴とする。この特徴によれば、植物体由来の不溶物が多量に含まれている上記焼酎粕においても、十分な液粘度の低下が可能であり、醸造粕濃縮物として有効利用を図ることができる。
【0012】
請求項6に記載の醸造粕乾燥物の製造方法の発明は、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の製造方法により得られる醸造粕濃縮物を乾燥することを特徴とする。この醸造粕乾燥物の製造方法の発明によれば、上記本発明方法により得られる醸造粕濃縮物を乾燥することにより、効率よく醸造粕乾燥物を製造できる。つまり、請求項1から請求項5に記載の製造方法によって得られる醸造粕濃縮物は、粘度が低く高濃度まで濃縮が可能なため、乾燥する際の消費エネルギーが少なくてすみ、乾燥工程の時間も短くなる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の醸造粕濃縮物の製造方法は、醸造粕から得られる液を、セルラーゼを主成分とする酵素により処理した後、濃縮することによって実施される。
【0014】
本発明における醸造粕は、蒸留酒の製造過程でアルコール分を蒸留した後に残存する固形分を多く含んだ液状物のことであり、例えば芋焼酎粕、麦焼酎粕、米焼酎粕、またはそれらの混合物などの焼酎粕や、ウィスキーの醗酵過程で生成する蒸留粕などが含まれる。
【0015】
本発明方法では、まず前処理工程として、醸造粕から大型の固形物を分別し、除去する。固形物の分別除去は、例えば、篩い分け、濾過、遠心分離など既知の方法によって行うことが可能である。ここで、大型の固形物とは、例えば醸造粕中に含まれる麦のヘコ、芋の根などである。酵素は処理対象物に吸着してから作用するため、醸造粕中に大型の固形物を含んだまま後の酵素処理へ移行すると多量の酵素が必要になる。従って、この分別除去工程は主として経済的理由から実施するものである。
【0016】
この分別除去工程では、所定の大きさ以上、例えば概ね1mm以上の固形物を対象として除去すれば足り、除去方法としては篩い分けが適している。なお、醸造粕中に1mm以上の固形物を含まない場合はこの工程は不要である。
【0017】
次に酵素処理工程として、醸造粕から固形物を除去して得られる液(以下、便宜上「分別液」と記すことがある)を、セルラーゼを主成分とし、キシラナーゼを含有する酵素(以下、便宜上「酵素混合物」を記すことがある)により処理する。ここで「セルラーゼを主成分とする」とは、酵素蛋白の量的比率においてセルラーゼが主であることを意味する。このようにセルラーゼにキシラナーゼを組み合わせることにより、セルラーゼ単独で使用する場合に比べて、分別液中に含まれる植物由来の不溶物を効率よく可溶化することができる。
【0018】
セルラーゼは、セルロースのβ―1,4−グリコシド結合を加水分解する反応に関与する酵素の総称であり、また、キシラナーゼは、キシランを加水分解する酵素の総称である。これらの酵素は、起源となる微生物から既知の手法で入手し、あるいは遺伝子工学的手法で生産することができるが、起源となる生物種の相違や、微生物株の相違、生産方法などにより、少しずつ性質が異なることが知られている。
【0019】
本発明ではセルラーゼおよびキシラナーゼとして各種生物由来のもの、あるいは遺伝子工学的手法によって生産されたものを使用可能であり、異なる起源から別個に単離されたセルラーゼとキシラナーゼを組み合わせて酵素混合物としてもよく、あるいは同一起源から酵素混合物として分離されたものを用いてもよい。各酵素の起源としては、例えば、トリコデルマ(Trichoderma)属の糸状菌、アスペルギルス(Aspergillus)属の糸状菌、イルペックス(Irpex)属の糸状菌等の微生物由来のものが好ましい。これらの微生物由来の酵素は、飼料安全法「飼料の安全性の確保及び品質の改善に関する法律」に基き飼料添加物として認められた酵素であり、濃縮物、またはその乾燥物の飼料化に当って、安全性が保証されている。
【0020】
また、例えばトリコデルマ属由来の酵素混合物と、アスペルギルス属由来の酵素混合物とを組合せると、トリコデルマ属由来の酵素混合物を単独で用いる場合に比べて芋焼酎粕に対して優れた効果が発揮されることが確認されており、由来の異なる酵素混合物同士を組合せることによって良好な結果が得られる場合もある。その結果は後述する試験例1に示す。
【0021】
酵素混合物中には、キシラナーゼを、そのキシラナーゼ活性がセルラーゼによるカルボキシメチルセルロースナトリウム活性(本発明において、「CMC活性」と記す)に対して1/2以上となるように含めることが好ましい。
具体的には、例えば、キシラナーゼ活性がセルラーゼによるCMC活性に対して1/2以上となる量でキシラナーゼを含むトリコデルマ(Trichoderma)属の糸状菌由来の酵素混合物、キシラナーゼ活性がセルラーゼによるCMC活性に対して1/2以上となる量でキシラナーゼを含むアスペルギルス(Aspergillus)属の糸状菌由来の酵素混合物、キシラナーゼ活性がセルラーゼによるCMC活性に対して1/2以上となる量でキシラナーゼを含むイルペックス(Irpex)属の糸状菌由来の酵素混合物、またはこれらの酵素混合物の二つ以上の組合せを挙げることができる。
【0022】
なお、CMC活性はセルラーゼ活性を評価する一つの方法であり、農林水産省畜産局衛生課監修「飼料添加物の成分規格等収載書 第10版」(発行元:社団法人日本科学飼料協会)の「14.酵素力試験法 ▲4▼繊維糖化力試験法」(第52頁〜第54頁)により測定できる。この繊維糖化力試験法は、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC)にセルラーゼが作用するときに、加水分解に伴って増加する還元力によりセルラーゼの量を測定する方法であり、その単位は繊維糖化力単位で示される。
【0023】
また、キシラナーゼ活性は、上記「飼料添加物の成分規格等収載書 第10版」の「14.酵素力試験法 ▲1▼キシラン糖化力試験法」(第49頁〜第50頁)により測定できる。このキシラン糖化力試験法は、キシランにキシラナーゼが作用する時に、加水分解に伴って増加する還元力によりキシラナーゼの量を測定する方法であり、その単位は、キシラン糖化力単位で示される。
【0024】
酵素混合物としては、「セルラーゼ」の名称で市販されているものを使用することも可能である。つまり、市販されている「セルラーゼ」には、一定量のキシラナーゼを含んでいることがあり、これらをそのまま使用することができる。これらの市販品は、セルラーゼとキシラナーゼの混合比や由来微生物によって酵素としての特徴が異なっており、その中でキシラナーゼ活性の高いものを用いることが好ましい。セルラーゼとして市販されている酵素混合物の好ましい例としては、「E−CEL協和」(商品名)[協和発酵工業株式会社;トリコデルマ属由来]、「ドリセラーゼ20」(商品名)[協和発酵工業株式会社;イルペックス属由来]、「スミチームAC(4000)」(商品名)[新日本化学工業株式会社;アスペルギルス属由来]などを挙げることができる。
【0025】
酵素処理工程の条件は以下のとおりである。
まず、分別液をpH3〜6、好ましくはpH5前後に調整し、調整後の分別液に液中の固形分重量当たり0.01〜0.4重量%の酵素を添加し、酵素添加液を40〜60℃、好ましくは40〜50℃で、12〜48時間、好ましくは16〜24時間反応させる。セルラーゼとキシラナーゼの至適pH範囲は、互いに少しずれているが、上記範囲であれば酵素混合物として良好な酵素活性が発揮される。また、上記した酵素混合物の配合量の上限は経済的観点からのものであり、上記範囲を超えて使用すればある程度効果が向上する。従って、上記範囲を超える量の酵素混合物の添加を妨げるものではない。
【0026】
酵素処理をした分別液は、粘度が低下しているため、高濃度までの濃縮が可能になる。濃縮工程は、既知の濃縮装置を用いて実施できるが、濃縮度が進むに従い液の粘度が増加してくるため、例えば、三井造船株式会社製の減圧強制循環式多重効用型濃縮装置等を使用することが好ましい。
【0027】
この装置は、高濃度濃縮液の流動性を保ち、かつ装置内でのスケーリング発生を最小限にするため、加熱器内での蒸発は避け飽和濃度の液として装置内を強制循環させる方式である。真空下での低温蒸発なので濃縮物の熱変性が少なく、また蒸発蒸気を自己および次缶の蒸発熱源に利用できるので、ボイラ蒸気の使用量を単効用式に比べ数分の一に減らすことができる。この濃縮装置は、「加熱部」と「蒸発部」を別々に設置している。加熱器内の液圧を正圧にし、加熱器内では液の蒸発を防ぐ構造となっている。加熱された液は、負圧に保たれている蒸発缶内で蒸発する。このシステムにより、加熱器内でのスケーリングの発生を最少に抑えることができ、酵素濃縮液の全固形分(沸点が105℃以上の蒸発残留物)濃度を30重量%から60重量%程度まで濃縮することが可能である。全固形分が30重量%以上の濃度になると半年〜1年程度まで常温保存が可能になるので、品質管理上有利であり保管経費も節減できる。
【0028】
以上のようにして製造される本発明の醸造粕濃縮物は、前記したように適度の保存性を備えており、醸造過程でかびや酵母の働きによって生産された各種の栄養素が豊富に含まれているとともに、酵素混合物の作用により繊維の大部分が吸収しやすい糖類まで分解されているため、そのまま飼料や肥料の原料として利用できる。
【0029】
図1に、本発明の醸造粕濃縮物の製造方法の一例の概要を図示する。
分別除去工程では、醸造粕中の大型の固形分は、回転式スクリーン10により除去される。なお、除去された大型の固形分は、脱水ケーキとして乾燥設備等へ送られる。
【0030】
次に、分別液は、酵素反応タンク20に送られ、そこで酵素が添加され所定条件で反応が行われる。濃縮装置30に送られた反応液は、濃縮工程に付され、所望の濃度まで濃縮されて醸造粕濃縮物となる。なお、濃縮中に気化したアルコール分は、アルコール回収設備で回収できる。
【0031】
図2に、本発明で好適に使用できる濃縮装置30を例示する。濃縮装置30は、第一蒸発缶31、第二蒸発缶32、第三蒸発缶33を含み、各缶内で流体を強制循環させる強制循環方式の三重効用缶である。
【0032】
以上の如く得られる醸造粕濃縮物は、そのまま飼料や肥料等の原料として利用できるが、必要に応じて更に乾燥工程に付すことにより、醸造粕乾燥物とすることも可能である。
すなわち、本発明の醸造粕乾燥物の製造方法は、醸造粕濃縮物を乾燥することにより実施できる。乾燥は、既知の直接式または間接式伝熱乾燥装置などを用いて行うことが可能である。
【0033】
本発明製造方法により得られる醸造粕濃縮物は、前記したように濃縮度が高いため、乾燥も容易で、乾燥に要するエネルギーは少なくてすみ、時間も短くてすむ。また、乾燥させることにより、保存性がより高められ、軽量化・減量化が可能になるため、飼料や肥料の原料としていっそう有利になる。
【0034】
【作用】
本発明の醸造粕濃縮物の製造方法においては、濃縮工程の前工程として残存する植物体由来の不溶物を酵素処理して分解、可溶化する際、セルラーゼを主成分とし、キシラナーゼを含有する酵素を用いる。このように酵素混合物を用いることにより、セルラーゼ単独で処理する場合に比べ可溶化がより進行し、分別液の粘度を大幅に低下させることが可能になる。この効果は、後記試験例に示すようにセルラーゼと他の酵素(アミラーゼなど)との組合せでは得られない。
【0035】
酵素混合物を用いることによる作用機構は未だ解明されていなが、以下のように考えれば合理的な説明が可能である。
すなわち、植物体中にはセルロースを架橋し補強する成分としてアラビノキシランが存在している。キシラーゼはこのアラビノキシランを特異的に加水分解するため、セルラーゼとともに作用させることによって、共役的あるいは複合的に酵素反応が進行し、容易に不溶物が可溶化するものと推測される。
【0036】
実際、上記のような酵素反応の効果は反応液の顕微鏡観察により確認される。分別液中には、直径250μm程度の植物体由来の不溶物粒子(周囲に膜を有する細胞様の塊)が多数存在している。セルラーゼ単独での処理によっては該粒子は十分に分解されないが、セルラーゼとキシラーゼの混合物を作用させた場合には、粒子は分解し、ほぼ消失する。
【0037】
また、上記のような共役的あるいは複合的な酵素反応の効果は、単に不溶物の低減のみに効果を有するだけでなく、可溶化された溶液中のアラビノキシランなどの高分子物質が低分子化されることにより、濃縮工程において高濃度濃縮を阻害する不溶物を析出させたり、溶液粘度を低下させたりする効果を持ち、これらが総合的に作用して醸造粕の高濃度濃縮が可能になるものと推測される。
【0038】
【実施例】
次に、実施例、試験例により、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに制約されるものではない。
【0039】
実施例1
麦焼酎粕101リットルを篩い(目開き1mm)で篩い分けして麦のヘコなど1mm以上の大型の不溶物を除き、濾液100リットルを得た。濾液を苛性ソーダを用いてpH4.9に調整した後、セルラーゼのCMC活性に対する比率で2.5倍のキシラナーゼを含む酵素混合物(トリコデルマ属由来)8.25gを加え、温度50℃で20時間反応させた[反応液中の固形分(ss;サスペンデッド・ソリッド)は35g/リットルから19g/リットルに減少し、粘度は63cpから17cpに減少した]。酵素反応液を強制循環式減圧蒸発装置(三井造船株式会社製)で濃縮し、濃縮液23リットルを得た。濃縮液の濃度は、全固形分として46.5%であった。この濃縮液20リットルを気流式乾燥機で乾燥し、製品7.8kgを得た。濃縮液中の粗蛋白質は、乾物重量に対し30%であり飼料原料として高品質な成分であった。また、濃縮液を室温で6ヶ月間保存しても、腐敗などの変質は認められなかった。一方、酵素反応を行わない場合、濃縮液の濃度は25%が限界であった。この濃縮液を室温で保存したところ2週間でガスが発生し腐敗が認められた。
【0040】
実施例2
芋焼酎粕102リットルを篩い(目開き1mm)で篩い分けし1mm以上の大型の固形物を除き、濾液100リットルを得た。濾液を苛性ソーダを用いてpH4.9に調整した後、セルラーゼのCMC活性に対する比率で2.5倍のキシラナーゼを含む酵素混合物(トリコデルマ属由来)9.15g、および、セルラーゼのCMC活性に対する比率で0.75倍のキシラナーゼを含む酵素混合物(アスペルギルス属由来)9.15gを加え、温度50℃で17時間反応させた。反応液中の繊維分は32g/リットルから27g/リットルに減少し、粘度は64cpから20cpに減少した。酵素反応液を減圧強制循環式多重効用型濃縮装置で濃縮し、濃縮液15 リットルを得た。濃縮液の濃度は31.0%であった。濃縮液中の粗蛋白質は乾物重量に対し26%であり、飼料原料として高品質な成分であった。この濃縮液を室温で6ヶ月保存したが腐敗などの変質は認められなかった。
【0041】
一方、酵素反応を行わない場合、濃縮液の濃度は15%が限界であった。濃度15%の液は2週間後にガス発生があり腐敗した。
【0042】
実施例3
米焼酎粕6リットルをふるい(目開き1mm)で篩い分けし1mm以上の大型の固形分を除き、濾液5.95リットルを得た。濾液を苛性ソーダを用いてpH5.0に調整した後、セルラーゼのCMC活性に対する比率で2.5倍のキシラナーゼを含む酵素混合物(トリコデルマ属由来)0.45gを加え、温度50℃で24時間反応させた。この酵素反応液をエバポレーターで濃縮すると濃度57%の濃縮液が得られた。一方、酵素反応を行わない場合、米焼酎粕の濃縮度は濃度25%が限界であった。
【0043】
試験例1
芋焼酎粕1リットルを篩い分けした後、分別液にトリコデルマ属由来の酵素混合物[セルラーゼ E−CEL協和(商品名:協和発酵工業株式会社)]およびアスペルギルス属由来の酵素混合物[セルラーゼ スミチームAC(商品名:新日本化学工業株式会社)]をそれぞれ表1に示す量で添加し、50℃で20時間反応させた。次に、反応液(全固形分4.9%)の粘度を測定した後、全固形分が25%になるまで濃縮した。反応液および濃縮液の粘度の測定結果を表1に併記する。なお、比較のため酵素処理を行わない場合についても同様に粘度を測定した。
【0044】
【表1】
【0045】
表1から、酵素混合物を添加した場合は、反応液、濃縮液の粘度を大幅に低下させることが可能になるとともに、由来の異なる2種類の酵素混合物を組み合わせて使用することによって、粘度を低下させる作用がいっそう向上することが示された。
【0046】
試験例2
麦焼酎粕(全固形分10重量%;pH5に調整したもの)500gに、トリコデルマ属由来の酵素混合物[セルラーゼ E−CEL協和(商品名:協和発酵工業株式会社)]を表3中に示す量(全固形分に対する比率)で添加した。E−CEL協和0.05重量%の区分については、さらに表2に示す量の酵素A〜Fを組合せて添加したものも調製した。酵素添加後、50℃で16時間反応させ、麦のヘコを分離後濃縮して全固形分25%、30%、35%における粘度を測定した。その結果を表3に示した。
【0047】
【表2】
【0048】
【表3】
【0049】
表3の結果から、セルラーゼとキシラナーゼを含む酵素混合物に他の種類の酵素を添加しても粘度低下に特段の効果は得られないことが判明した。
【0050】
【発明の効果】
本発明の醸造粕濃縮物の製造方法によれば、醸造粕から得られる液をセルラーゼを主成分とし、キシラナーゼを含有する酵素により処理することによって、液の粘度を低下させることが出来るので、濃縮工程での濃縮度を高くすることができる。
すなわち、セルラーゼとキシラナーゼを組み合わせて酵素処理を行うことにより、セルラーゼ単独の場合に比べて醸造粕中に含まれる植物体由来の不溶物の可溶化が促進され、液の粘度を低下させる効果が大きい。よって、高い濃縮度までの濃縮が可能になる。濃縮物中の全固形分が30%を超えると、腐敗が起こり難くなり、常温でも半年〜1年程度の保存が可能になるが、本発明方法によって得られる醸造粕濃縮物は、全固形分が30%以上の濃度まで濃縮可能なため、保存性が高いものとなる。また、本発明方法は、酵素反応を利用して液の粘度を低下させるため、複雑な工程や設備、多くのエネルギーを必要とせず、低コストで醸造粕濃縮物を製造することが可能になる。
従って、本発明の醸造粕濃縮物の製造方法、または醸造粕乾燥物の製造方法により、従来廃棄されることが主であった醸造粕の有効利用が図られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】醸造粕濃縮物の製造方法の一例の概要を説明する図面である。
【図2】濃縮装置の概要を模式的に説明する図面である。
【符号の説明】
10 回転式スクリーン
20 酵素反応タンク
30 濃縮装置
31 第一蒸発缶
32 第二蒸発缶
33 第三蒸発缶
61,62,63 反応液経路
64,65,66 蒸気経路
71,72,73 加熱器
Claims (6)
- 醸造粕から得られる液を、セルラーゼを主成分とし、キシラナーゼを含有する酵素により処理した後、濃縮することを特徴とする、醸造粕濃縮物の製造方法。
- 前記キシラナーゼは、そのキシラナーゼ活性がセルラーゼのCMC活性に対して1/2以上となるように含まれていることを特徴とする、請求項1に記載の醸造粕濃縮物の製造方法。
- 前記セルラーゼおよび前記キシラナーゼは、トリコデルマ属の糸状菌、アスペルギルス属の糸状菌およびイルペックス属の糸状菌よりなる群から選ばれる1種または2種以上の微生物から、それぞれ単独で、あるいはセルラーゼ−キシラナーゼ混合物として得られるものである、請求項1または請求項2に記載の醸造粕濃縮物の製造方法。
- 酵素処理は、pH3〜6で、液中の固形分重量当たり0.01〜0.4重量%の酵素を添加し、40〜60℃で12〜48時間反応させることを特徴とする、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の醸造粕濃縮物の製造方法。
- 前記醸造粕が、芋焼酎粕、麦焼酎粕、米焼酎粕、またはそれらの混合物である請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の醸造粕濃縮物の製造方法。
- 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の製造方法により得られる醸造粕濃縮物を乾燥することを特徴とする、醸造粕乾燥物の製造方法。
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