JP3898403B2 - 通信装置およびスペクトラム拡散通信方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は通信装置およびスペクトラム拡散通信方法に関し、特に周波数ホッピングによってスペクトラム拡散通信を行う通信装置およびスペクトラム拡散通信方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、無線LANや移動通信の分野では、耐ノイズ性の向上等の目的から、スペクトラム拡散通信が利用され始めている。スペクトラム拡散は、1次変調によって得られた侠帯域変調信号の周波数帯域幅を2次変調によって広域な周波数帯域に広げて送信する通信方式であり、直接拡散方式と、周波数ホッピング方式とが知られている。
【0003】
周波数ホッピング方式はホッピングパターンを規定する拡散符号列に従って搬送周波数を時間と共に変化させながら信号を伝送する方式であり、搬送周波数を伝送帯域範囲内で変化させることにより、結果的に侠帯域変調信号を広帯域な信号に拡散することができる。この周波数ホッピング方式により、同一伝送帯域範囲内に存在する他の干渉波による影響を容易に少なくすることができる。
【0004】
最近では、BluetoothやHomeRFなどの短距離の無線通信規格にも周波数ホッピング方式が採用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、周波数ホッピング方式では、使用可能な伝送帯域幅を複数のチャネルに分割してホッピングしているので、チャネル間の重なりが防止されるように1チャネル当たりの帯域も適正な値に制限することが必要とされる。このような帯域制限のもとで1度に多くの情報を送信する為には、1次変調を多値変調とする必要がある。ところが、多値変調を行うと、情報伝送レートを上げることはできるが、その反面、誤りの発生確率が増大してしまう危険がある。
【0006】
本発明は上述の事情に鑑みてなされたものであり、誤りの発生確率を増大させることなく、周波数ホッピング方式によるスペクトラム拡散通信の情報伝送レートを高めることが可能な通信装置およびスペクトラム拡散通信方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するため、本発明は、周波数ホッピングを用いたスペクトラム拡散通信によって信号を送信する通信装置であって、第1および第2の信号を一次変調する一次変調手段と、前記一次変調手段によって得られた第1および第2の変調信号が互いに周波数の異なる第1および第2のキャリアを用いて並列に伝送されるように、一つの拡散符号列で規定されるホッピングパターンに従って、前記第1および第2のキャリアそれぞれの周波数を時間と共に変化させる周波数ホッピング制御手段とを具備し、前記周波数ホッピング制御手段は、前記第1および第2のキャリア間の周波数の差分が一定に保持され、且つ前記第1および第2のキャリアが共に所定の伝送周波数帯域内に収まるように、前記拡散符号列で規定されるホッピングパターンに従って前記第1のキャリアの周波数を変化させると共に、前記第1のキャリアの周波数の値の変化に応じて、前記第1のキャリアよりも所定値高い周波数または所定値低い周波数を前記第2のキャリアの周波数として使用することを特徴とする。
【0008】
この通信装置においては、第1および第2の2つのキャリアを同時に周波数ホッピングして使用することにより、2チャンネル分の信号伝送を同時に行うことができる。また、一つの拡散符号列で規定されるホッピングパターンに従って2つのキャリアの周波数ホッピングが制御されるので、ホッピングのための拡散符号列については2チャネル分用意する必要はなく、1つのキャリアのみを変化させる通常の周波数ホッピング方式と同様、1つの拡散符号列のみを用意すればよい。よって、簡単な構成で、誤りの発生確率を増大させることなく、周波数ホッピング方式によるスペクトラム拡散通信の情報伝送レートを高めることが可能となる。
【0009】
また、第1および第2のキャリアの周波数の差分を一定に保つことにより、受信側の装置においても、復調すべき2つの信号の周波数の関係を予め把握することができるので、1つの拡散符号列のみで2つの信号を正しく復調することが可能となる。この場合、拡散符号列で規定されるホッピングパターンに従って第1のキャリアの周波数を変化させ、その第1のキャリアの周波数の値の変化に連動して第2のキャリアの周波数を変化させればよい。もちろん、差分を一定に保たずとも、第1のキャリアのポッピングパターンと第2のキャリアのポッピングパターンとの間に予め決められた何らかの関係を持たせておけば、1つの拡散符号列のみで2つの信号の復調を行うことが可能となる。
【0010】
また、ホッピング可能な伝送周波数帯域は制限されているので、第1および第2のキャリア間の周波数の差分を一定に保持するように構成した場合には、第1および第2のキャリアが共に所定の伝送周波数帯域内に収まるように、第1のキャリアの周波数の値の変化に応じて、第1のキャリアよりも所定値高い周波数または所定値低い周波数を第2のキャリアの周波数として決定することが好ましい。これにより、一定の差分を保ちながら、伝送周波数帯域内での周波数ホッピングが可能となる。
【0011】
また、このように第1のキャリアよりも所定値高い周波数または所定値低い周波数を第2のキャリアとして使用した場合でも、受信装置側では、第1の周波数成分の信号を抽出する第1のフィルタ手段と、第1および第2の発振周波数の差分だけ第1の変調信号よりも高い周波数成分と低い周波数成分をそれぞれ抽出する第2のフィルタ手段とを設けること等により、逆拡散によって得られた出力信号から目的の周波数成分を容易に抽出して復調することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
【0013】
図1には、本発明の一実施形態に係る通信装置の構成が示されている。この通信装置は周波数ホッピングによってスペクトラム拡散通信を行うための送受信装置であり、例えば無線LANや、Bluetooth、HomeRFなどの無線通信システムで使用される。
【0014】
この通信装置では、2以上のキャリアを同時に周波数ホッピングして使用することにより、複数チャンネル分の信号伝送を同時に行うことができる。このようなマルチキャリア・周波数ホッピングは、比較的高い情報転送レートが必要とされるコンピュータなどの情報処理機器間の無線通信に有効に適用することができる。
【0015】
以下、同時伝送するチャンネル数が2チャンネルである場合を想定して、通信装置の構成を説明する。
【0016】
図1に示されているように、本実施形態の通信装置は、シリアルパラレル変換装置101、1次変調装置102,103、周波数シンセサイザ104、拡散変調器105,106、加算器107、電力増幅器108、方向性結合器109、フィルタ110,114,115、アンテナ111、ロウノイズアンプ112、逆拡散復調器113、1次復調装置116,117、およびパラレルシリアル変換装置118から構成されている。
【0017】
(送信部)
まず、送信部側の構成および動作について説明する。
【0018】
入力端子に入力される音声、映像、ディジタルデータ等が含まれる情報信号は、次段に接続されたシリアルパラレル変換装置101に入力され、そこでシリアル/パラレル変換される。このシリアル/パラレル変換により、情報信号は2系統のビット列に分割される。2系統のビット列は、それぞれポート131とポート132より並行して出力される。図2にシリアルパラレル変換装置101の入出力関係を示す。
【0019】
図2において、縦軸は電圧振幅、横軸は時間を表している。また、信号Aは入力信号、信号Bはポート131から出力される信号、信号Cはポート132から出力される信号であり、図内の丸数字は各ビットの時間に対するシリアル番号を示している。シリアルパラレル変換がなされると、ポート131には奇数番号のビット情報が出力され、ポート132には偶数番号のビット情報が出力される。各ポートより出力される信号の伝送レートは、入力される信号の伝送レートと比較して半分になる。このことは、各ポートより出力される信号の伝送レートは使用可能な1チャネル当たりの帯域幅等により決定される通常の伝送レートであるので、その2倍の伝送レートの信号Aが入力できることを意味している。
【0020】
シリアルパラレル変換装置101のポート131,132より出力された信号は次段に接続された1次変調装置102,103に入力され、そこでPSKやFSKといった1次変調が施される。1次変調によって得られた2系統の侠帯域1次変調信号は拡散変調器105,106に送られ、そこで周波数シンセサイザ104で生成された中間周波数信号G,Hが乗算(ミキシング)されることにより、無線伝送帯域のRF信号周波数にそれぞれ周波数変換(アップコンバート)される。
【0021】
周波数シンセサイザ104では、ホッピングパターンを決める拡散符号列に基づき、出力ポート141から出力される信号Gの発振周波数が時間と共に変化される。また、周波数シンセサイザ104の出力ポート142からは、出力ポート141より出力される信号Gの発振周波数よりも常にfoffsetだけ離れた周波数にて発振する信号Hが出力される。つまり、信号Gの発振周波数は拡散符号列で規定されたホッピングパターンに従って時間と共に変化されるが、その信号Gの発振周波数の変化に合わせて、信号Hの発振周波数も信号Gよりもfoffsetだけ離れた周波数となるように時間と共に変化される。
【0022】
従って、信号Gの発振周波数fg(t)と信号Hの発振周波数fh(t)は、
fg(t)+foffset=fh(t)
の関係にある。しかし、使用可能な無線伝送帯域は制限されているので、アップコンバートによって得られた2つのキャリアの周波数が共にその無線伝送帯域を越えないようにすることが必要とされる。2つのキャリアそれぞれの周波数は信号G,Hそれぞれの発振周波数に基づいて決定されるため(実際には1次変調信号と信号GまたはHとのミキシング結果)、ある時刻においてfg(t)+foffsetが周波数ホッピング利用帯域を越えてしまう場合、つまり拡散変調器106による乗算によって得られたキャリア周波数が無線伝送帯域を越えてしまう場合は、信号Hの発振周波数fh(t)は逆にfg(t)からfoffsetだけ低い周波数に設定される。すなわち、
fg(t)−foffset=fh(t)
となる。前者の信号Gと信号Hとのある時間における関係をスペクトルにて表わしたのが図3である。また、後者の信号Gと信号Hとのある時間における関係をスペクトルにて表したのが図4である。これら図3,図4において、縦軸は出力電力、横軸は周波数を表している。図4では、fg(t)+foffsetが周波数ホッピング利用帯域を超えてしまう為、fg(t)−foffsetの周波数に信号Hが現れる。
【0023】
この様に信号Hの発振周波数を信号Gよりもfoffsetだけ高い周波数または低い周波数に設定することにより、予め定められた伝送帯域外にキャリアが現れないよう制御することができる。
【0024】
かくの如く制御された周波数シンセサイザ104からの出力信号G及びHは、前述したように拡散変調器105及び106にそれぞれ入力される。また、1次変調装置102及び103より出力された1次変調信号もそれぞれ拡散変調器105及び106に入力される。拡散変調器105及び106においては、時間と共に発振周波数が変化される出力信号G及びHによって2系統の1次変調信号がそれぞれ周波数変換され、これによりそれら2系統の1次変調信号が周波数ホッピング変調によって広帯域化される。
【0025】
このようにして、拡散変調器105及び106から出力される2つの広帯域の拡散変調信号は加算器107にて足し合わされ、次段に接続された電力増幅器108に入力される。電力増幅器108により電力増幅された信号は、方向性結合器109を介してバンドパスフィルタ110に送られ、そこで帯域制限された後にアンテナ111より無線信号として放射される。
【0026】
このように、送信部においては、周波数シンセサイザ101から出力される発振周波数の差分を一定にする事により、2つの拡散変調信号のキャリア周波数の差分を一定に保ちながら周波数ホッピングすることが可能となる。本通信装置における周波数ホッピング変調方式による出力、周波数、時間の関係を図5に示す。
【0027】
図5(a)は1単位時間当たり1つのキャリアのみを使用する通常の周波数ホッピング変調方式であり、図5(b)は本通信装置におけるマルチキャリア・周波数ホッピング変調方式である。図5(b)から分かるように、本通信装置では、同時に2つのキャリアの周波数ホッピングが行われる。また、それら2つのキャリアの周波数の差分は常に一定に保たれる。よって、同一のホッピングパターンを用いて、2つのキャリアの周波数ホッピングが行われることになる。
【0028】
(受信部)
次に、上述のようなマルチキャリア・周波数ホッピング変調方式でスペクトル拡散されて送信される信号を受信するための受信部側の構成について説明する。
【0029】
アンテナ111より受信されたRF信号は、キャリア周波数の異なる2つの拡散変調信号を含んでいる。このRF信号は、バンドパスフィルタ110にて帯域制限された後、方向性結合器109を介してロウノイズアンプ112に入力される。ロウノイズアンプ112にて増幅された受信信号は逆拡散変調器113に送られ、そこで、送信装置側と同じ拡散符号列に基づいて発振周波数が変化される周波数シンセサイザ104からの出力信号と乗算されることにより、中間周波数信号に周波数変換(ダウンコンバート)される。
【0030】
周波数シンセサイザ104からの出力信号は送信装置側での拡散変調で用いた拡散符号列と同じ周波数および同じパターンでホッピングされ、これにより受信信号に含まれる2つの拡散変調信号が同時に逆拡散されることになる。
【0031】
図6の(a),(b)に逆拡散変調におけるそれぞれの信号の関係を表す。縦軸は出力電力、横軸は周波数を表している。また、信号イと信号ロはロウノイズアンプ112から出力される受信信号であり、それぞれ送信側で言うところの信号Gと信号Hによってアップコンバートされた拡散変調信号に相当する。信号ハは周波数シンセサイザ104から出力される信号、信号ニと信号ホは逆拡散変調器113より出力されるダウンコンバート後の中間周波信号をそれぞれ表している。更にまた、図6(a)は信号イの周波数よりfoffsetだけ高い周波数に信号ロが現れる場合を、逆に図6(b)は信号のイの周波数よりfoffsetだけ低い周波数に信号ロが現れる場合を示している。
【0032】
周波数シンセサイザ104より出力される信号ハは、前述の信号Gに相当するものであり、信号イとの周波数の差分が必ず固定の中間周波数fifとなるように、送信装置側と同じ拡散符号列に基づきその発振周波数が変化する。つまり、信号ハの発振周波数は送信装置側の信号Gと同じパターンで変化される。
【0033】
信号ハと信号イとが逆拡散変調器113で乗算(ミキシング)されると、これら二つの信号の周波数の差(うなり周波数=fif)の新しい周波数の成分が中間周波数信号として生成される。同様に、信号ハと信号ロとが逆拡散変調器113で乗算(ミキシング)されると、これら二つの信号の周波数の差(うなり周波数=fif+foffset、または=fif−foffset)の新しい周波数の成分が中間周波数信号として生成される。
【0034】
したがって、逆拡散変調器113より出力される中間周波信号の周波数成分は、図6(a)の場合は、常に、fifと、fif+foffsetとになり、図6(b)の場合は、常に、fifと、fif−foffsetとになる。fifは、送信部側の1次変調装置102から出力される1次変調信号に相当するものである。逆拡散変調器113より逆拡散された信号は次段に並列に並んだフィルタ114、フィルタ115に共通に入力される。
【0035】
フィルタ114は、fif周波数のみを通過させるバンドパスフィルタであり、フィルタ115は逆に、fif周波数以外を通過させるトラップフィルタである。従って、フィルタ115より出力される信号の周波数はfif+foffset又はfif−foffsetであり、fifよりもfoffsetだけ高い周波数成分と、fifよりもfoffsetだけ低い周波数成分が抽出されることになる。
【0036】
フィルタ114から出力された信号は1次復調装置116に入力され、そこで送信装置側の1次変調と同じ変調方式によって1次復調が行われ、パラレルシリアル変換装置118の一方の入力端子に入力される。同様にフィルタ115より出力される信号も1次復調装置117にて送信装置側の1次変調と同じ変調方式によって1次復調され、パラレルシリアル変換装置118のもう1つの入力端子に入力される。
【0037】
パラレルシリアル変換装置118では、前述のシリアルパラレル変換装置101と逆の動作が行われ、2系統のビット列を合成することにより元の情報信号が出力される。
【0038】
図7には、2値FSKによる1次復調装置117の構成例が示されている。 図7において、901,902は共振器、903はロウパスフィルタ、904はコンパレータである。
【0039】
1次復調装置117に入力された信号は、並列に並んだ共振器901及び共振器902に入力される。共振器901はfif+foffsetの周波数成分に含まれる2つのFSK搬送波周波数の内、片方の周波数に共振する。また、共振器902はfif−foffsetの周波数成分に含まれる2つのFSK搬送波周波数の内、片方の周波数に共振する。共振器901及び共振器902より出力される信号は合成され、ロウパスフィルタ903に入力される。
【0040】
このロウパスフィルタ903にて高周波数成分が取り除かれた信号は、次段に接続されたコンパレータ904にてリファレンスレベルVt と比較される。リファレンスレベルVt は、共振した電圧振幅と共振していない電圧振幅を区別する値である。このようにして2値FSKの復調が行われる。
【0041】
以上のように、本実施形態においては、同一の拡散符号列に従って、周波数シンサセイザ104から出力される2つの発振周波数を同時に変化させることにより、2チャンネル分のマルチキャリア・周波数ホッピングを行うことができる。これにより、2系統の信号を周波数の異なる2つのキャリアによって並行して伝送することができるようになり、周波数ホッピング変調方式の情報伝送レートを高めることが可能となる。
【0042】
特に、周波数ホッピングは2つの搬送周波数の差分を一定に保ちながら行われるので、周波数ホッピングのための拡散符号列は1つのみでよく、また受信側の装置においても、復調すべき2つの信号の周波数の関係を予め把握することができるので、1つの拡散符号列のみで2つの信号を正しく復調することが可能となる。
【0043】
このように同一のホッピングシーケンスで、予め定められた伝送帯域外にキャリアが現れないよう且つ周波数差分が一定に保たれるような複数のキャリアを用いて情報を伝送することにより、送信側と受信側の拡散符号列を一致させるための既存の仕組みをそのまま利用した状態で、情報の伝送レートを高めることが可能となる。
【0044】
なお、本実施形態では、情報を伝送するキャリアの数を2つとしたが、3以上の複数のキャリアを同時に周波数ホッピングしながら使用することも可能である。この場合においても、各キャリアの周波数は、拡散符号列に従って周波数ホッピングされる基準の周波数に対して各々一定の差分を保つように設定すれば良い。これに伴い、送信部側の処理系等は2系統から例えば3系に増加され、また受信部側のトラップフィルタの数も1つ増えることになるが、情報伝送レートをその分高めることができる。
【0045】
また、本実施形態では、1つの信号を2系統に分割したものをそれぞれ拡散変調して伝送したが、例えば制御データと通常のデータとを同時に拡散変調して伝送したり、或いは音声データと映像データなどの種類の異なるデータを同時に拡散変調して伝送するようにしてもよい。また、差分を一定に保たずとも、同時にホッピング制御される一方のキャリアのポッピングパターンと他方のキャリアのポッピングパターンとの間に予め決められた何らかの関係を持たせておけば、受信側は、その関係を利用することにより、1つの拡散符号列のみで2つの信号の復調を行うことが可能となる。
【0046】
さらに、制御の複雑化を招くことにはなるものの、キャリア毎に拡散符号列を個々に決定するプロトコルを採用し、同時に変化される複数のキャリア周波数それぞれのホッピングパターンを個別の拡散符号列で制御するようにしても良い。この場合、1チャンネルのみの周波数ホッピングを行う通常伝送レートの第1の通信モードと、複数チャンネルの同時周波数ホッピングを行う高速伝送レートの第2の通信モードとを用意しておき、使用する通信モードに応じて、送信側と受信との間で行われる拡散符号列の通知処理を変えるように制御することが好ましい。これにより、通常方式の周波数ホッピングとの互換性を保持したまま、必要に応じて高速伝送レートの通信を行うことが可能となる。
【0047】
第1の通信モードは、前述のシリアルパラレル変換装置101をバイパスして入力信号を1次変調装置102に入力し、そこで1次変調された変調信号を拡散変調器105で拡散変調すれば良く、また第2の通信モードでは、本実施形態で説明した方法により同時に2つのキャリアを周波数ホッピングさせればよい。第2の通信モードでは、2つの拡散符号列で2つのキャリアをそれぞれ周波数ホッピングさせる方法の他、1つの拡散符号列を使用し、同一のホッピングシーケンスで2つのキャリアを同時に周波数ホッピングさせるという本実施形態の方法を利用することができる。受信側についても同様である。
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、複数のチャネルを同時に使用するという新たな周波数ホッピング制御を行うことにより、誤りの発生確率を増大させることなく、情報伝送レートを高めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る通信装置の送信部および受信部の構成を示すブロック図。
【図2】同実施形態の通信装置に設けられたシリアルパラレル変換装置の動作を説明するための図。
【図3】同実施形態の通信装置に設けられた周波数シンセサイザによって生成される2つの発振周波数と周波数ホッピング利用帯域幅との関係を説明するための図。
【図4】同実施形態の通信装置に設けられた周波数シンセサイザによって生成される2つの発振周波数と周波数ホッピング利用帯域幅との関係を説明するための別の図。
【図5】同実施形態の通信装置における周波数ホッピング制御を説明するための図。
【図6】同実施形態の通信装置に設けられた受信部の逆拡散動作を説明するための図。
【図7】同実施形態の通信装置の受信部に設けられる1次復調装置の具体的な構成の一例を示す図。
【符号の説明】
101…シリアルパラレル変換装置
102,103…1次変調装置
104…周波数シンセサイザ
105,106…拡散変調器
107…加算器
108…電力増幅器
109…方向性結合器
110,114,115…フィルタ
111…アンテナ
112…ロウノイズアンプ
113…逆拡散復調器
116,117…1次復調装置
118…パラレルシリアル変換装置
Claims (4)
- 周波数ホッピングを用いたスペクトラム拡散通信によって信号を送信する通信装置であって、
第1および第2の信号を一次変調する一次変調手段と、
前記一次変調手段によって得られた第1および第2の変調信号が互いに周波数の異なる第1および第2のキャリアを用いて並列に伝送されるように、一つの拡散符号列で規定されるホッピングパターンに従って、前記第1および第2のキャリアそれぞれの周波数を時間と共に変化させる周波数ホッピング制御手段とを具備し、
前記周波数ホッピング制御手段は、前記第1および第2のキャリア間の周波数の差分が一定に保持され、且つ前記第1および第2のキャリアが共に所定の伝送周波数帯域内に収まるように、前記拡散符号列で規定されるホッピングパターンに従って前記第1のキャリアの周波数を変化させると共に、前記第1のキャリアの周波数の値の変化に応じて、前記第1のキャリアよりも所定値高い周波数または所定値低い周波数を前記第2のキャリアの周波数として使用することを特徴とする通信装置。 - 周波数ホッピングを用いたスペクトラム拡散通信によって送信される信号を受信する通信装置であって、
拡散符号列で規定されるホッピングパターンに従って順次変化される第1の発振周波数およびその第1の発振周波数との差分が所定値に設定された第2の発振周波数を用いてそれぞれ第1および第2の一次変調信号を拡散変調することによって得られた送信側からの第1および第2の拡散変調信号を受信し、その受信信号を前記第1の発振周波数と同一のパターンで変化される発振周波数を用いて周波数変換することによって、前記第1および第2の拡散変調信号を逆拡散する逆拡散手段と、
前記逆拡散手段で得られた出力信号から、前記第1の一次変調信号に対応する第1の周波数成分の信号とその第1の変調信号よりも前記第1および第2の発振周波数の差分だけ異なる第2の周波数成分の信号とを抽出する信号抽出手段と、
前記信号抽出手段によって抽出された前記第1および第2の周波数成分の信号をそれぞれ復調する復調手段とを具備することを特徴とする通信装置。 - 周波数ホッピングを用いたスペクトラム拡散通信によって送信される信号を受信する通信装置であって、
周波数ホッピングされる第1および第2のキャリアを用いて第1および第2の一次変調信号を拡散変調することによって送信側から並列送信される第1および第2の拡散変調信号を受信し、前記受信信号を前記送信側装置で用いられた拡散符号列に対応するホッピングパターンに従って逆拡散することにより、前記受信信号に含まれる前記第1および第2の拡散変調信号を第1および第2の中間周波信号にそれぞれ変換する逆拡散手段と、
前記逆拡散手段で得られた出力信号から、前記第1および第2の中間周波信号それぞれに対応する第1および第2の周波数成分の信号を抽出する信号抽出手段と、
前記信号抽出手段によって抽出された前記第1および第2の周波数成分の信号をそれぞれ復調する復調手段とを具備し、
前記第2の発振周波数は、前記第1および第2の拡散変調信号のそれぞれのキャリアの周波数が所定の伝送周波数帯域内に収まるように、前記第1の発振周波数の値よりも所定値高い発振周波数と所定値低い発振周波数のいずれか一方に選択的に設定されており、
前記信号抽出手段は、前記逆拡散手段で得られた出力信号から、前記第1の一次変調信号に対応する第1の周波数成分の信号を抽出する第1のフィルタ手段と、前記逆拡散手段で得られた出力信号から、前記第1の変調信号よりも前記第1および第2の発振周波数の差分だけ高い周波数成分と低い周波数成分をそれぞれ抽出する第2のフィルタ手段とを含むことを特徴とする通信装置。 - 一次変調された第1および第2の一次変調信号を、拡散符号列に従って順次変化される第1の発振周波数およびその第1の発振周波数との差分が所定値に設定された第2の発振周波数を用いてそれぞれ拡散変調することによって得られた第1および第2の拡散変調信号を受信するためのスペクトラム拡散通信方法であって、
受信信号を前記第1の発振周波数と同一のパターンで変化される発振周波数を用いて周波数変換することによって、前記第1および第2の拡散変調信号を逆拡散し、
逆拡散によって得られた出力信号から、前記第1の一次変調信号に対応する第1の周波数成分の信号とその第1の変調信号よりも前記第1および第2の発振周波数の差分だけ異なる第2の周波数成分の信号とを抽出し、
抽出された前記第1および第2の周波数成分の信号をそれぞれ復調することを特徴とするスペクトラム拡散通信方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34900199A JP3898403B2 (ja) | 1999-12-08 | 1999-12-08 | 通信装置およびスペクトラム拡散通信方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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