JP2009147485A - 無線機及びこれを用いた無線通信方法 - Google Patents

無線機及びこれを用いた無線通信方法 Download PDF

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Abstract

【課題】例えば、マイクロ波帯とミリ波帯チャネルを使ったアプリケーションに対して高品質な高速データ伝送を可能にする。
【解決手段】無線機40は、準マイクロ波帯を使用する第1の無線システムRS1と、ミリ波帯を使用する第2の無線システムRS2とにより構成されている。無線システムRS1は、準マイクロ波帯RF部100、BB回路部130、及びMAC回路部140により構成され、無線システムRS1は、ミリ波帯RF部200、変復調回路部230、BB回路部240、及びMAC回路部140により構成されている。ピコネットを構成するための通信制御パケット及び競合アクセス制御方式を使用するパケットの送受信には、無線システムRS1のチャネル周波数信号を使用し、各無線機間で高速データ伝送を実施する情報伝送パケットの送受信には、無線システムRS2のチャネル周波数信号を使用する。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、ミリ波帯を送受信周波数として用いるWLAN(Wireless Local Area Network)や、IEEE802.15.3で規格化されているWPAN(Wireless Personal Area Network)のような限定された通信エリアを構成する無線システム、或いは、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)変調方式のようなマルチキャリア変調方式やシングルキャリア多値変調方式を使用する無線システムにおいて、デジタル信号及びアナログ信号を高速且つ高品質に伝送するために、安定性及び位相雑音特性に優れた無線機と、これを用いた無線通信方法に関するものである。
図6は、ミリ波帯(30GHz以上の高周波帯)を使用した高速伝送無線システムにおける従来の一般的な無線機を示す構成図である。
この無線機は、ミリ波帯の高周波(以下「RF」という。)信号を送受信するためのミリ波帯RF部10を有している。ミリ波帯RF部10は、送受信アンテナ11と、このアンテナ11に接続されたバンドパスフィルタ(以下「BPF」という。)12と、このBPF12に接続された送受切替スイッチ13と、局部発振信号を発振する局部発振部14と、その送受切替スイッチ13及び局部発振部14に接続されたRF帯送信部15及びRF帯受信部16とにより構成されている。局部発振部14は、電圧制御型発振器(以下「VCO」という。)14aと、このVCO14aの出力信号から所定周波数の局部発振信号を生成してRF帯送信部15へ与える第1局部発振回路部14bと、VCO14aの出力信号から所定周波数の局部発振信号を生成してRF帯受信部16へ与える第2局部発振回路部14cとにより構成されている。RF帯送信部15は、アップコンバータ15a、ロウパスフィルタ(以下「LPF」という。)15b、及び電力増幅器(以下「パワーアンプ」という。)15cが縦続接続されて構成されている。RF受信部16は、低雑音アンプ16a及びダウンコンバータ16bが縦続接続されて構成されている。
局部発振部14、RF帯送信部15、及びRF受信部16には、中間周波数(以下「IF」という。)帯及びアナログ変復調回路部(IF/Modem回路部)20が接続され、更に、このIF帯及びアナログ変復調回路部20に、ベースバンド(以下「BB」という。)回路部21が接続されている。
送信動作の場合、BB回路部21から出力されたBB信号は、IF帯及びアナログ変復調回路部20により変調されてIF帯の変調信号になる。この変調信号は、局部発振部14内の第1局部発振回路部14bから与えられる局部発振信号に基づき、RF帯送信部15内のアップコンバータ15aによりRF信号に変換され、LPF15bによりRF成分が除去された後、パワーアンプ15cで増幅される。増幅されたRF信号は、送受切替スイッチ13を介して、BPF12で所定の帯域幅が抽出され、送受アンテナ11から放射される。
受信動作の場合、到来するRF信号は、送受アンテナ11で受信され、BPF12で所定の周波数帯が抽出され、送受切替スイッチ13を介して、RF帯受信部16内の低雑音アンプ16aで増幅される。増幅されたRF信号は、局部発振部14内の第1局部発振回路部14bから与えられる局部発振信号に基づき、ダウンコンバータ16aにより、低周波のIF信号に変換される。変換されたIF信号は、IF帯及びアナログ変復調回路部20により復調され、BB回路部21により元のBB信号に復元される。
このように、図6の無線機では、ミリ波帯等のRF帯にて広帯域変調波を使用し、マルチキャリア変調方式、或いはシングルキャリア多値変調方式を採用することで、伝送速度を実現している。ところが、これら方式を採用するにあたり、局部発振部14では、位相雑音特性及び周波数安定度を高性能に持たせる必要があったため、VCO14a、基準クロックといった部品の高コスト化の欠点があった。又、これら部品の限界性能から、通信サービスエリア範囲及び通信伝送速度に限界があるといった欠点があった。
これらの欠点を解決する手段として、従来、例えば、下記の特許文献1、2に記載される技術が知られている。
特開2005−295594号公報 特開2003−244016号公報
特許文献1の図1には、ミリ波無線通信装置の技術が記載されている。この技術において、送信側では変調波と局部発振信号波の多重波を送出し、受信側では、受信した多重波を変調波と局部発振信号波にミリ波帯BPFで分岐し、任意の利得増幅により再生された局部発振信号にて周波数変換を行うことで、前述の局部発信信号特性の欠点を改善している。
又、特許文献2の図1には、複数の無線通信端末間で通信を行う無線通信方法及びシステムの技術が記載されている。この技術では、基準局部発信号送信局を設け、この送信局が送出する信号を通信エリア内の無線端末が受信後、再生し、送信部及び受信部の局部発振信号として利用することで、エリア内の全ての無線端末が基準局の発振信号を局部発振信号として共有することで、前述の欠点を解決している。
次に、図6の無線機を用いて、例えば、IEEE802.15.3規格で想定されるピコネット(piconet)と呼ばれる無線ネットワークをミリ波帯で構築する場合について説明する。
図7は、従来のピコネットと呼ばれるネットワークの構成例を示す図である。
ピコネットは、IEEE802.15.3規格に規定されているように、ビーコン(beacon、基準信号)25aを送出してネットワークのタイミングを調整する機能を有するピコネット・コーディネータ(piconet coordinator、以下「PNC」という。)30と、ネットワークに従属し、ビーコン25aを受信してPNC30から指定されたタイミングでデータ(data)26の送受信を行う複数のデバイス(device、以下「DEV」という。)31〜34により構成される。PNC30は、ピコネット内で単にDEVとしても機能する。又、DEV31〜34には、PNCとして機能出来るものと、機能できないものがある。
上位層から指令を受けると、複数のDEVの内の1つがPNC30となり、この周辺にある他の複数のDEV31〜34を束ねて1つのピコネットを形成する。PNC30からビーコン25aが送出されると、ネットワークに参加する複数のDEV31〜34がそのビーコン25aの送出タイミングに従属し、各DEV31〜34間で1対1(point to point、ポイント・ツー・ポイント)のデータ26の転送が行われる。つまり、PNC30は、各DEV31〜34に割り当てるタイム・リソース(時間間隔等)を管理することによって、各DEV31〜34の通信路の形成を制御し、これにより任意のDEV31〜34間でポイント・ツー・ポイントの通信路が形成され、データ転送が行われる。PNC30は、通信が終了すると、ピコネットを解消して通信路を開放する。
図8は、ビーコンによって生成されるネットワークにおける従来のフレームフォーマットの構成例を示す図である。
このフレームフォーマットは、IEEE802.15.3規格のネットワークの通信において「スーパー・フレーム」と呼ばれる。スーパー・フレーム25のうちの例えばスーパー・フレーム#mは、先頭から、基準信号であるビーコン25aと、コンテンション・アクセス期間(Contention Access Period、以下「CAP」という。)25bと、チャネル時間割り当て期間(Channel Time Allocation Period、以下「CTAP」という。)25cとの3つのパートで構成されている。
CAP25bにおけるコンテンションとは、図7の複数のDEV31〜34が通信回線(チャネル)にアクセスする権利を取得するために競合(コンテンション)することであり、このCAP25bには、全てのDEV31〜34がチャネルにアクセス可能な期間となっている。これに対し、CTAP25cは、PNC30が特定のDEV(31〜34中の1つ)にのみ通信を許可する期間となっている。
ビーコン25aは、PNC30からDEV31〜34に対しブロードキャスト(一斉同報)され、全てのDEV31〜34に対しスーパー・フレーム開始のタイミングを同期させ、同時に各DEV31〜34に対し必要な情報や指令を流している。CAP25bでは、802.11標準の無線LANでも使用されている、送信データの衝突を回避させるCSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access with Collision Avoidance、搬送波感知多重アクセス/衝突回避)方式が採用されている。更に、このCAP25bでは、各DEV31〜34からPNC30に対するネットワークへの参加申請や、PNC30から各DEV31〜34に対する参入許可、更に各DEV31〜34に割り当てられるタイム・スロット(一定の時間間隔)情報を通達する管理フレームやQoS(サービス品質)が要求されないデータの伝送が行われる。CTAP25cでは、1つの周波数の中で各DEV31〜34に一定の時間間隔(タイム・スロット)を割り当てて通信するTDMA(Time Division Multiple Access、時分割多元接続)方式の通信スロットが形成され、2つのDEV間、又はDEV-PNC間でQoSを確保したデータ26の伝送が可能になる。なお、PNC30の判断で、CAP25bが削除され、CTAP25cだけになる場合もある。
近年、WPANでは、例えば、ビデオ装置とテレビジョン(以下「TV」という。)受像機間の画像データ転送のようなQoSを確保した大容量のデータ通信のニーズが高まっている。既に勧告化されているIEEE802.15.3勧告は、準マイクロ波帯(例えば、2.4GHz帯)を用い、最大55Mbpsのデータ通信が可能な規格となっているが、ビデオ装置とTV受像機間の画像データ転送のようなアプリケーションでは1Gbps以上のデータ転送が要求されている。このような大容量のデータ通信を実現する手段として、よりRF帯域(例えば、60GHz)を用いて大容量のデータ通信を実現することが検討されている。
しかしながら、従来の特許文献1、2の技術、及び、ピコネットにおいてRF帯域(例えば、60GHz)を用いて大容量のデータ通信を実現する場合には、以下の(A)〜(C)のような課題があった。
(A) 特許文献1の課題
課題(1):ミリ波帯BPFによる局部発振信号抽出では、抽出を容易にするために変調信号と局部発振信号の周波数配置をある一定間隔確保する必要があり、又、高速伝送における変調波は広い占有周波数帯域の特徴をもつことから、限られた周波数領域で確保出来るチャネル数に限界がある。
課題(2):弱受信電力から抽出した局部発振信号をアップ/ダウンコンバータの所要電力まで増幅するためのアンプの利得が距離に依存して不明であるため、ある程度アンプを飽和領域で使用する必要があり、消費電力の増加に繋がる。
課題(3):前記BPFやアンプはミリ波帯部品であるため、BPFでは帯域制限周波数特性、アンプでは雑音指数(NF)特性が、再生させる局部発振信号の信号対雑音比を劣化させる。
(B) 特許文献2の課題
前記課題(1)〜(3)の他に、次のような課題がある。
課題(4):基準局部発振信号は無線エリア内全ての無線機に提供する必要があるため、無指向アンテナによる信号発信となる。従って、限定された閉空間のサービスエリアでは、ミリ波帯特有のマルチパスによる影響が大きいため、無線エリア内全ての無線機が安定して基準波を受信することは困難である。
(C) ピコネットにおいてRF帯域(例えば、60GHz)を用いて大容量のデータ通信を実現する場合の課題
60GHz帯のようなミリ波帯域をデータ転送に用いる場合、一般的に周波数が高くなると指向性が強くなるという無線固有の問題が生じ、特に図7に示されるようなピコネットを構成する場合、DEV31〜34間のポイント・ツー・ポイントのデータ通信には適用可能であるが、PNC30のように、複数のDEV31〜34との通信を実施する場合には、特にCSMA/CAのような競合制御を実施する場合、周辺の装置に各DEV31〜34が送信したフレームを通知する必要が生じるため、複数のアンテナ等を用意する必要が生じる。より具体的に説明すれば、次のような課題(5)、(6)がある。
課題(5):ミリ波帯では指向性が強くなるといったミリ波電波伝搬固有の特性により、PNC30と複数のDEV31〜34との通信を実施する場合では、指向性の強いミリ波信号にて周囲の無線機に送受信するためには、自局の周囲をセクタ化し、複数のアンテナ若しくはアダプティブ・アレー・アンテナにて、時分割で放射するセクタを変更するような複雑な手段が必要になる。
課題(6):自局と自局の周囲のDEVから送出されるミリ波信号のパケット衝突を回避するための送出タイミング時間の管理といった無線ネットワーク構成方法上の課題がある。
このように、従来の技術では、無線ネットワーク及びこのネットワークを構成する無線機の制御実現方法について不十分である。そこで、本発明では、第1の無線周波数帯(例えば、準マイクロ波帯)と第2の無線周波数帯(例えば、ミリ波帯)チャネルを使ったアプリケーションに対して高品質な高速データ伝送無線システムにおける無線機と、これを用いた無線通信方法を提供することを目的とする。
本発明の無線機では、第1の局部発振信号を用いて送信信号及び受信信号の周波数変換を行う第1の周波数変換手段を有し、第1の無線周波数帯のRF信号に対する送信及び受信を行う第1のRF部と、前記第1のRF部に対するBB信号の処理を行う第1のBB回路部と、前記第1のRF部により受信された前記第1の無線周波数帯のRF信号と、前記第1の局部発振信号とのいずれか一方を切り替えて入力し、この入力信号を逓倍して再生局部発振信号を生成する局部発振信号再生回路部と、前記再生局部発振信号を用いて送信信号及び受信信号の周波数変換を行う第2の周波数変換手段を有し、第2の無線周波数帯のRF信号に対する送信及び受信を行う第2のRF部と、前記第2のRF部に対する信号の変調及び復調を行う変復調回路部と、前記変復調回路部に対するBB信号の処理を行う第2のBB回路部と、前記第1及び第2のBB回路部に対し共通して無線フレームの送受信を制御する媒体アクセス制御(Media Access Control、以下「MAC」という。)回路部とを備えている。
例えば、前記第1のRF部、前記第1のBB回路部、及び前記MAC回路部により第1の無線システムが構成され、前記第2のRF部、前記変復調回路部、前記第2のBB回路部、及び前記MAC回路部により第2の無線システムが構成されている。
本発明の無線通信方法では、前記発明の無線機を複数備え、前記第1の無線システムの通信エリアが重複する前記複数の無線機が存在する無線エリアにて、任意の1つの前記無線機が基地局となり、前記基地局が管理する無線フレームを前記無線エリア内全ての前記無線機が共有する無線ネットワークを構成している。そして、前記無線ネットワークを構成するための通信制御パケット及び競合アクセス制御方式を使用するパケットの送受信には、前記第1の無線システムのチャネル周波数信号を使用し、前記各無線機間で高速データ伝送を実施する情報伝送パケットの送受信には、前記第2の無線システムのチャネル周波数信号を使用する。更に、前記第2の無線システムのチャネル周波数信号の送受信が行われる時間帯では、前記基地局が前記第1の無線システムのチャネル周波数にて無変調信号を送出し、前記無線エリア内の前記無線機は、前記第2の無線システムの送受信側局部発振信号として利用することで、複数のポイント・ツー・ポイント通信を行う。
本発明の無線機及びこれを用いた無線通信方法によれば、次の(a)〜(c)のような効果がある。
(a) 第2の無線システムでは、送受信時の局部発振信号として、再生局部発振信号を用いることで、局部発振信号の位相雑音及び周波数安定度の性能に影響されることなく、RF搬送波帯及び高速伝送システムを構築出来る。更に、再生局部発振信号として、例えば、第2の無線システムに使用される搬送波周波数と比較して、低周波領域を使用すれば、部品性能の高安定及び低コスト化を図ることが可能である。このように、通信エリア内全ての無線機が、基地局から出力される無線フレームを基準信号として、各無線機の局部発振信号に利用出来るため、従来技術の課題(1)と(2)といった局部発振回路部の低位相雑音特性、及び高安定度を緩和出来、高品質の高速データ伝送と低コスト化が可能になる。
(b) 例えば、第2の無線システムを大容量且つQoSの確保が要求されるデータ転送に用い、第1の無線システムを無線機間の競合制御やネットワーク情報の転送に使用すれば、データ転送の効率化が図れる。特に、第2の無線システムのチャネル周波数信号の送受信が行われる時間帯では、基地局が前記第1の無線システムのチャネル周波数にて無変調信号を送出し、無線エリア内の無線機は、第2の無線システムの送受信側局部発振信号として利用することで、データ通信の上位互換性を確保することも容易となる。これにより、従来技術の課題(3)及び(4)を解決出来る。
(c) 無線機のMAC回路部を共通化して同一フレーム構成を第1の無線システムと第2の無線システムで共有する無線ネットワークを構築したことにより、例えば、高速伝送を司る第2の無線システムの各無線機間、若しくは、基地局及び無線機間の送受信タイミングを制御出来ることで、第2の無線周波数帯チャネルにて複数チャネル使用せずに第2の無線システムの周波数有効利用を図ることが可能である。
無線機は、第1のRF部と、第1のBB回路部と、局部発振信号再生回路部と、第2のRF部と、変復調回路部と、第2のBB回路部と、MAC回路部とを備えている。ここで、第1のRF部、第1のBB回路部、及びMAC回路部により第1の無線システムが構成され、第2のRF部、変復調回路部、第2のBB回路部、及び前記MAC回路部により第2の無線システムが構成されている。
第1のRF部は、第1の局部発振信号を用いて送信信号及び受信信号の周波数変換を行う第1の周波数変換手段を有し、第1の無線周波数帯のRF信号に対する送信及び受信を行う。第1のBB回路部は、第1のRF部に対するBB信号の処理を行う。局部発振信号再生回路部は、第1のRF部により受信された第1の無線周波数帯のRF信号と、第1の局部発振信号とのいずれか一方を切り替えて入力し、この入力信号を逓倍して再生局部発振信号を生成する。第2のRF部は、再生局部発振信号を用いて送信信号及び受信信号の周波数変換を行う第2の周波数変換手段を有し、第2の無線周波数帯のRF信号に対する送信及び受信を行う。変復調回路部は、第2のRF部に対する信号の変調及び復調を行う。第2のBB回路部は、変復調回路部に対するBB信号の処理を行う。更に、MAC回路部は、第1及び第2のBB回路部に対し共通して無線フレームの送受信を制御する機能を有している。
(実施例1の構成)
図2は、本発明の実施例1の無線システムを示す概略の構成図である。
この無線システムは、図7のようなピコネットを構成しており、第1の無線周波数帯(例えば、2GHzの準マイクロ波帯)チャネルを使用する無線通信手段である第1の無線システムRS1を保有するPNCである無線基地局40−0と、第2の無線周波数帯(例えば、60GHzのミリ波帯)チャネルを使用する無線通信手段である第2の無線システムRS2を保有するDEVである複数の無線子局40−1〜40−5とを備え、無線基地局40−0に実装される第1の無線システムRS1のマイクロ波通信エリアAR0に、複数の無線子局40−1〜40−4が存在している。各無線基地局40−0及び無線子局40−1〜40−5は、例えば、同一の回路で構成されている。
ここで、無線子局40−1及び40−2は、第2の無線システムRS2の通信エリア(ミリ波帯搬送波周波数Fc1)AR1を介して、その第2の無線システムRS2で相互通信が実施される。無線子局40−3及び40−4は、第2の無線システムRS2の通信エリア(ミリ波帯搬送波周波数Fc2)AR2を介して、その第2の無線システムRS2で相互通信が実施される。又、無線基地局40−0及び無線子局40−5は、第2の無線システムRS2の通信エリア(ミリ波帯搬送波周波数Fc3)AR3を介して、その第2の無線システムRS2で相互通信が実施されるようになっている。このように、無線子局40−1及び40−2間と、無線子局40−3及び40−4間と、無線基地局40−0及び無線子局40−5間とでは、第1の無線システムRS1及び第2の無線システムRS2で使用するチャネル(搬送波周波数)が異なるため、相互間で干渉波になる虞がない無線システム構成になっている。
図1は、本発明の実施例1を示す無線機の概略の構成図である。
この無線機40は、図2の無線基地局40−0及び無線子局40−1〜40−5をそれぞれ構成するものであり、準マイクロ波帯の通信を行う第1の無線システムRS1と、ミリ波帯の通信を行う第2の無線システムRS2とを備え、これらの第1の無線システムRS1及び第2の無線システムRS2のMAC回路部140を共通化することで、同一のフレーム構成を無線基地局40−0及び各無線子局40−1〜40−5間で共有し、高速伝送速度の無線通信ネットワークを構成することを特徴としている。
第1の無線システムRS1は、第1のRF部(例えば、準マイクロ波帯のRF信号を送受信するための準マイクロ波帯RF部)100と、BB信号を扱う第1のBB回路部130と、共通化されたMAC回路部140とにより構成されている。第2の無線システムRS2は、局部発振信号再生回路部150を介して準マイクロ波帯RF部100に接続された第2のRF部(例えば、ミリ波帯のRF信号を送受信するためのミリ波帯RF部)200と、変復調回路部(例えば、IF帯及びアナログ変復調回路部(IF/Modem回路部))230と、デジタル変復調信号処理を行うデジタル回路からなる第2のBB回路部230と、共通化された前記MAC回路部140とにより構成されている。
第1の無線システムRS1において、準マイクロ波帯RF部100は、送受信アンテナ101と、このアンテナ101に接続されたBPF102と、このBPF102に接続され、MAC回路部140により切り替えが制御される送受切替スイッチ103と、第1の周波数変換手段(例えば、局部発振信号S104を発振する第1局部発振回路部104、その局部発振信号S104に基づいてBB回路部130から与えられるIFをRFに変換するアップコンバータ105、及び、局部発振信号S104に基づいてRF信号をIFに変換してBB回路部130へ与えるダウンコンバータ106)と、アップコンバータ105と送受切替スイッチ102との間に接続された送信RF回路部110と、送受切替スイッチ102とダウンコンバータ106との間に接続され、RF信号をそのダウンコンバータ106へ与える受信RF回路部120とにより構成されている。
送信RF回路部110は、アップコンバータ105から出力されるRF信号のRF成分を除去するLPF111と、このLPF111の出力信号を増幅して送受切替スイッチ102へ与えるパワーアンプ112とにより構成されている。受信RF回路部120は、送受切替スイッチ102から与えられる受信信号を増幅する低雑音アンプ121と、この低雑音アンプ121で増幅された受信信号の所定周波数帯域のみを通過させるBPF122と、このBPF122を通過した所定周波数帯域の受信信号S123を切り替えてダウンコンバータ106又は局部発振信号再生回路部150へ与える受信信号切替スイッチ123とにより構成されている。
BB回路部130は、アップコンバータ105の入力側及びダウンコンバータ106の出力側とMAC回路部140との間に接続され、デジタル変復調処理、無線フレームの組立て・解除、誤り訂正符号の符号化・復号化、送信RF回路部110の制御、受信RF回路部120の制御、受信電界強度信号RSSIの出力等のデジタル変復調信号処理を行う機能を有している。
MAC回路部140は、IEEE802.15.3勧告に準拠した無線フレームの送受信を司る回路であり、無線子局40−1〜40−5であるDEVとしての機能と、無線基地局40−0であるPNCとしての機能とを有している。DEVとしての機能としては、例えば、受信したビーコンよりスーパー・フレームを識別し、QoS保証を不要とするデータ転送については、CAPタイミングの中でCSMA/CAによるアクセス競合処理を行いながらフレームの送受信処理を実施し、QoS保証を必要とするデータ転送を実施する場合には、CAPタイミングを用いてPNCとネゴシエーション(negotiation;2つのハードウェハデバイスが通信に先立って通信条件等を相互に情報を交換しながら事前に決定する処理)を実施し、CTAP内にデータ転送タイミングを得て、このCTAPタイミングを用いてDEV間及びDEV-PNC間のデータ転送を実施する等の処理を行う。PNCとしての機能としては、前記DEVとしての機能に加え、ビーコンを送出してピコネットを生成する機能と、CTAP内の各タイミングの使用状況を管理し、各DEVがCTAPの使用を申請してきた場合の許可等の処理を行う。
局部発振信号再生回路部150は、受信信号切替スイッチ123の出力側とミリ波帯RF部200との間に接続された回路であり、可変利得アンプ151、局部発振信号切替スイッチ152、N倍逓信器153、及びBPF154が縦続接続されて構成されている。可変利得アンプ151は、BB回路部130から与えられる受信電界強度信号RSSIに基づき、受信信号切替スイッチ123から与えられる受信信号S123の利得を増幅する回路である。局部発振信号切替スイッチ152は、MAC回路部140により切り替え制御され、可変利得アンプ151の出力信号と第1局部発振回路部104から与えられる第1局部発振信号S104とを入力してその信号のいずれか一方を出力するものである。N倍逓信器153は、スイッチ152の出力信号を、第2の無線システムRS2に使用される搬送波周波数までN倍する回路である。更に、BPF154は、N倍逓信器153にて生成された目的周波数以外のスプリアスを除去した再生局部発振信号S154をミリ波帯RF部200へ与える回路である。
第2の無線システムRS2において、ミリ波帯RF部200は、送受信アンテナ201と、このアンテナ201に接続されたBPF202と、このBPF202に接続され、MAC回路部140により切り替えが制御される送受切替スイッチ203と、局部発振信号S204を発振する第1局部発振回路部204と、MAC回路部140により切り替えが制御され、BPF154からの再生局部発振信号S154と局部発振信号S204とを入力してその信号のいずれか一方を出力する局部発振信号切替スイッチ205と、このスイッチ205の出力信号に基づき、IF帯及びアナログ変復調回路部230から与えられるIF信号からRF信号を生成する送信RF回路部210と、スイッチ205の出力信号に基づき、送受切替スイッチ203から出力される受信信号からIF信号を生成する受信RF回路部220とにより構成されている。
送信RF回路部210は、局部発振信号切替スイッチ205の出力信号に基づき、IF帯及びアナログ変復調回路部230から与えられるIF信号をRF信号に変換するアップコンバータ211と、このアップコンバータ211から出力されるRF信号のRF成分を除去するLPF212と、このLPF212の出力信号を増幅して送受切替スイッチ203へ与えるパワーアンプ213とにより構成されている。受信RF回路部220は、送受切替スイッチ203から与えられる受信信号を増幅する低雑音アンプ221と、この低雑音アンプ221で増幅された受信信号の所定周波数帯域のみを通過させるBPF222と、局部発振信号切替スイッチ205の出力信号に基づき、BPF222の出力信号をIF信号に変換してIF帯及びアナログ変復調回路部230へ与えるダウンコンバータ223とにより構成されている。ここで、局部発振信号切替スイッチ205、アップコンバータ211、及びダウンコンバータ223により、第2の周波数変換手段が構成されている。
IF帯及びアナログ変復調回路部230は、IF信号の変調及び復調を行うものであり、これにはBB回路部240を介してMAC回路部140が接続されている。BB回路部240は、第1の無線システムRS1側のBB回路部130とほぼ同様に、デジタル変復調処理、無線フレームの組立て・解除、誤り訂正符号の符号化・復号化、送信RF回路部210の制御、受信RF回路部220の制御等のデジタル変復調信号処理を行う機能を有している。しかし、第2の無線システムRS2では大容量のデータ転送を行うために、この第2の無線システムRS2側のBB回路部240が扱う無線フレームのフォーマットやデジタル変復調方式は、第1の無線システムRS1側のBB回路部130が扱う無線フレームのフォーマットやデジタル変復調方式と異なる。
本実施例1の無線機40の特徴は、異なる周波数のRF部100,200を具備し、ビーコンの送受信やCAPのようにCSMA/CAのような競合制御が必要なデータ通信には直進性の低い準マイクロ波帯RF部100を使用し、CTAPのような各DEV間のポイント・ツー・ポイントのタイミングが管理されたデータ通信には直進性が高いミリ波帯RF部200を使用することにより、大容量のデータ通信を実現するようにしたことである。
図3は、図2の無線システムに使用される無線フレームの構成例を示す図である。
方法1に示す無線フレーム27では、第1の無線システムRS1が実施するための先頭の制御スロット27aと、第2の無線システムRS2が実施するために時分割にて割り当てられた複数のユーザスロット27b−1〜27b−nとにより構成されている。複数の無線子局40−1〜40−5間では、時分割にて割り当てられたユーザスロット27b−1〜27b−nに従い、データ通信を行う。
方法2に示す無線フレーム27では、第1の無線システムRS1が実施するための先頭の制御スロット27aと、第2の無線システムRS2が実施するための同時間帯の複数のユーザスロット27b−1〜27b−nとにより構成されている。各無線子局40−1〜40−5間の隣接距離が充分であり、使用するチャネル周波数に干渉の影響がなければ、各無線子局40−1〜40−5間において同時間帯に複数の第2の無線システムRS2のデータ通信を行うことも可能である。
図4は、図3の方法1の無線フレーム27を用いたフレームフォーマットの構成例を示す図である。
このフレームフォーマットは、ピコネットに使用される図8のスーパー・フレーム25であり、ビーコン25a及びCSMA/CAによるアクセス制御を使用するCAP25bには、第1の無線システムRS1を用い、QoS制御可能なCTAP25cに、第2の無線システムRS2を用いる。これにより、特に、第2の無線システムRS2を使用する場合には、大容量のデータ転送が実現可能なミリ波帯を割り当て、大容量のデータ転送が実現可能なデジタル変復調方式を採用する。
即ち、PNCである無線基地局40−0が周期的に送出するスーパー・フレーム25のうちのスーパー・フレーム#mは、ビーコン25aを先頭とし、DEVである各無線子局40−1〜40−5がCSMA/CAによる競合制御を実施しフレームの送出が可能なCAP25bと、無線基地局40−0が各無線子局40−1〜40−5に割り当て、競合制御が不要でQoSの確保が可能なCTAP25cとにより構成される。CTAP25cは、各無線子局40−1〜40−5がQoSを確保したデータ通信を実施するために使用され、どのタイミングでどの無線子局40−1〜40−5がデータ通信を実施するかは、無線基地局40−0が管理し、CAP25bを用いて無線基地局40−0から各無線子局40−1〜40−5に使用可能なタイミングを通達する。
(実施例1の無線通信方法)
図2の無線システムにおいて、PNCである無線基地局40−0の図1の無線機40では、第1の無線システムRS1側の第1局部発振回路部104で発振した所定周波数の第1局部発振信号S104を、アップコンバータ105、ダウンコンバータ106、及び局部発振信号切替スイッチ152へ与える。MAC回路部140により制御されるBB回路部130から出力された無変調のIF信号は、第1局部発振信号S104に基づき、アップコンバータ105により準マイクロ波に変換され、送信RF回路部110内のLPF111によりRF成分が除去された後、パワーアンプ112により増幅される。増幅された信号は、MAC回路部140により切り替え制御される送受切替スイッチ120を介して、BPF102により所定帯域のみが通過し、スーパー・フレーム25が送受アンテナ101から放射されて複数の無線子局40−1〜40−5へ送られる。
この際、無線基地局40−0の無線機40では、到来する準マイクロ波帯の信号を、第1の無線システムRS1側の送受アンテナ101、BPF102、及び送受切替スイッチ103を介して受信RF回路部120で受信し、ダウンコンバータ106でIF信号に変換してBB回路部130へ送る。第1の無線システムRS1側の第1局部発振回路部104で発振された第1局部発振信号S104は、局部発振信号再生回路部150内の局部発振信号切替スイッチ152を介してN倍逓信器153により、第2の無線システムRS2に使用される搬送波周波数までN倍され、BPF154により目的周波数以外のスプリアスが除去されて再生局部発振信号S154が生成された後、この再生局部発振信号S154が第2の無線システムRS2の局部発振信号として、局部発振信号切替スイッチ205を介してアップコンバータ211及びダウンコンバータ223へ与えられる。これにより、第2の無線システムRS2側では、再生局部発振信号S154を用いてアップコンバータ211及びダウンコンバータ223により周波数変換を行い、ミリ波帯の信号の送受信を行うことが出来る。
一方、大容量のデータ通信を実施したいDEVである例えば無線子局40−1及び40−2の各無線器40では、第1の無線システムRS1の送受アンテナ101よりスーパー・フレーム25中のビーコン25a等を受信し、BPF102により所定帯域の周波数を抽出する。抽出された信号は、送受切替スイッチ103を介して低雑音アンプ121により増幅され、BPF122にて所定の周波数帯域のみが通過し、この受信信号S123が受信信号切替スイッチ123を介して、ダウンコンバータ106によりIF信号に変換される。変換されたIF信号は、BB回路部130を介してMAC回路部140により、スーパー・フレーム25中のビーコン25aを基準信号としてCAP25bのタイミング情報が抽出され、CSMA/CAによる競合アクセス制御を用いて、無線基地局40−0との通信が実施される。CSMA/CAによる競合アクセス制御は、周辺に存在する無線子局40−3〜40−5若しくは無線基地局40−0の送信を検知する必要があるため、第1の無線システムRS1を用いて通信が実施される。
無線基地局40−0と無線子局40−1,40−2との間のネゴシエーションが終了し、無線子局40−1と無線子局40−2との間の大容量のデータ通信を実施するためのCTAP25cが、無線基地局40−0によりアサインされると(割り当てられると)、無線子局40−1と無線子局40−2とは、第2の無線システムRS2によりCTAP25cを用いて、次のようにして高速のデータ転送を実施する。
各無線子局40−1,40−2の無線機40において、MAC回路部140により制御される第2の無線システムRS2側のBB回路部240から送信データが出力されると、この送信データがIF帯及びアナログ変復調回路部230により変調され、変調されたIF信号が送信RF回路部210内のアップコンバータ211へ送られる。ここで、第1の無線システムRS1側において、BB回路部130から出力される受信電界強度信号RSSIにより、局部発振信号再生回路部150内の可変利得アンプ151が制御されている。受信信号切替スイッチ123から与えられる受信信号S123は、可変利得アンプ151により所望の利得で増幅され、局部発振信号切替スイッチ152、N倍逓信器153、及びBPF154により再生局部発振信号S154が生成され、第2の無線システムRS2側の局部発振信号切替スイッチ205を介して、アップコンバータ211及びダウンコンバータ223へ供給されている。
アップコンバータ211では、局部発振信号切替スイッチ205から供給された再生局部発振信号S154に基づき、IF帯及びアナログ変復調回路部230からの変調されたIF信号をミリ波信号に変換する。変換されたミリ波信号は、LPF212によりRF成分が除去され、パワーアンプ213により増幅された後、送受切替スイッチ203を介してBPF202により所定帯域のみが通過し、送受アンテナ201から放射されて無線子局40−2へ送られる。
無線子局40−2の無線器40では、無線子局40−1から送られてきたミリ波信号が第2の無線システムRS2側の送受信アンテナ201で受信され、BPF202により所定帯域の周波数が抽出される。抽出された信号は、送受切替スイッチ203を介して低雑音アンプ221により増幅され、BPF222を介してダウンコンバータ106により、再生局部発振信号S154に基づいてIF信号に変換される。変換されたIF信号は、IF帯及びアナログ変復調回路部230により復調され、BB回路部240及びMAC回路部140へ送られる。
なお、通信エリア内の電波伝搬環境により、第1の無線システムRS1の受信信号S123から再生された再生局部発振信号S154の信号対雑音比が劣化した場合、第2の無線システムRS2では、再生局部発振信号S154ではなく、第1局部発振回路部204から出力される第1局部発振信号S204を利用して周波数変換を行っても良い。
このようにして、無線子局40−1と無線子局40−2との間で、CTAP25cを用いてQoSが保証された大容量のデータ転送を完了した場合には、開始する時と同様に、第1の無線システムRS1を用いてCAP25bのタイミングで、無線基地局40−0へデータ転送完了によるCTAP25cの開放を要求することにより、無線基地局40−0は大容量データ転送の完了を認識する。
本実施例1では、スーパー・フレーム25中のビーコン25a及びCAP25bを第1の無線システムRS1にて実施し、それ以外のCTAP25cでは第2の無線システムRS2にて実施する。従って、第1の無線システムRS1は、ビーコン25a及びCAP25bを送出する時間帯以外、つまり高速伝送データ通信を司る第2の無線システムRS2の通信時間帯では、無変調信号波を送出することが可能であるため、局部発振信号再生回路部150で生成された再生局部発振信号S154を、第2の無線システムRS2のミリ波帯RF部200内のアップコンバータ211及びダウン223にて使用出来る。
(実施例1の効果)
本実施例1によれば、次の(a)〜(d)のような効果がある。
(a) 第2の無線システムRS2では、送受信時の局部発振信号として、再生局部発振信号S154を用いることで、局部発振信号の位相雑音及び周波数安定度の性能に影響されることなく、高周波搬送波帯及び高速伝送システムを構築出来る。更に、再生局部発振信号S154は、第2の無線システムRS2に使用される搬送波周波数と比較して、低周波領域を使用するため、部品性能の高安定及び低コスト化を図ることが可能である。しかも、第1の無線システムRS1側のBB回路部130から出力される受信電界強度信号RSSIにより制御される可変利得アンプ151にて、再生局部発振信号S154が生成されるため、効率的な消費電力にて実現できる。
このように、通信エリア内全ての無線子局40−1〜40−5が、無線基地局40−0から出力されるビーコン25aを基準信号として、各無線子局40−1〜40−5の局部発振信号に利用出来るため、従来技術の課題(1)と(2)といった局部発振回路部の低位相雑音特性、及び高安定度を緩和出来、高品質の高速データ伝送と低コスト化が可能になる。
(b) 第2の無線システムRS2を大容量且つQoSの確保が要求されるデータ転送に用い、第1の無線システムRS1を無線子局40−1〜40−5間の競合制御やネットワーク情報の転送に用いることにより、データ転送の効率化が図れる。特に、図2のような通信エリアの状況下においては、例えば、無線子局40−1及び40−2や無線子局40−3及び40−4がCTAP25cを用いてデータ転送を実施している間も、無線基地局40−0と無線子局40−5が第1の無線システムRS1を用いて、従来規格化されているプロトコルを用いてデータ転送を行うことが可能であり、データ通信の上位互換性を確保することも容易となる。これにより、従来技術の課題(3)及び(4)を解決出来る。
(c) 無線機40のMAC回路部140を共通化して同一フレーム構成を第1の無線システムRS1と第2の無線システムRS2で共有するピコネットを構築したことにより、高速伝送を司る第2の無線システムRS2の各無線子局40−1〜40−5間、若しくは、無線基地局40−0及び無線子局40−1〜40−5間の送受信タイミングを制御出来ることで、ミリ波帯チャネルにて複数チャネル使用せずに第2の無線システムRS2の周波数有効利用を図ることが可能である。
(d) 無線子局40−1及び40−2間や、無線子局40−3及び40−4間では、それぞれ第1の無線システムRS1及び第2の無線システムRS2の使用する送受信周波数が異なるため、同一エリア内で、複数の高速伝送ポイント・ツー・ポイント通信が実現可能である。又、無線フレーム構成に関して、図4のフレームフォーマットでは、各無線子局40−1〜40−5間のデータ通信を時分割にて割り当てるようにしているが、各無線子局40−1〜40−5間の隣接距離が充分であり、使用するチャネル周波数に干渉の影響がなければ、図3の方法2のような無線フレームによる構成で、同時間帯に複数の第2の無線システムRS2のデータ通信を行うことも可能である。
(実施例2の構成)
図5は、本発明の実施例2を示す無線機の概略の構成図であり、実施例1を示す図1中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
本実施例2の無線機では、実施例1のミリ波帯RF部200とIF帯及びアナログ変復調回路部230との間に、周波数変換手段(例えば、IF帯周波数変換回路部)250が追加されている。IF帯周波数変換回路部250は、上位層であるMAC回路部140からの制御信号により、第2の無線システムRS2のチャネル周波数(搬送波周波数)を変更するものであり、MAC回路部140からの制御信号により設定される局部発振周波数の第2局部発振信号S251を出力するIF帯第2局部発振回路部251と、前記第2局部発振信号S251により、IF帯及びアナログ変復調回路部230からの変調されたIF信号を高周波側に周波数変換するIF帯アップコンバータ252と、前記第2局部発振信号S251により、受信RF回路部220からのRF信号を低周波側に周波数変換するIF帯ダウンコンバータ253とにより構成されている。その他の構成は、実施例1と同様である。
(実施例2の通信方法)
実施例1の通信方法では、第2の無線システムRS2における動作において、無線サービスエリア内の送受信周波数として共通の1波のみを使用している。これに対し、本実施例2では、MAC回路部140からの制御信号によりIF帯第2局部発振回路部251の局部発振周波数が設定されるので、第2の無線システムRS2において使用する送受信周波数を可変出来る。従って、第2の無線システムRS2の搬送波周波数の変更は、ミリ波帯の局部発振周波数を変更せずに、IF帯周波数変換回路部250に依存する。その他の通信内容は、実施例1と同様である。
(実施例2の効果)
本実施例2によれば、第1の無線システムRS1の使用チャネル周波数を固定の1波のまま、第2の無線システムRS2の搬送波周波数を可変でき、実施例1の効果を確保しつつ、他の無線機の干渉により影響を受けずに安定した高速データ伝送が実現出来る。
(変形例)
本発明は、上記実施例に限定されず、例えば、準マイクロ波帯RF部100、ミリ波帯RF部200、及び局部発振信号再生回路部150,150Aを図示以外の他の回路構成や他の周波数帯の構成に変更する等、種々の利用形態や変形が可能である。
本発明の実施例1を示す無線機の概略の構成図である。 本発明の実施例1の無線システムを示す概略の構成図である。 図2の無線システムに使用される無線フレームの構成例を示す図である。 図3の方法1のフレームフォーマットの構成例を示す図である。 本発明の実施例2を示す無線機の概略の構成図である。 従来の一般的な無線機を示す構成図である。 従来のピコネットと呼ばれるネットワークの構成例を示す図である。 従来のフレームフォーマットの構成例を示す図である。
符号の説明
100 準マイクロ波帯RF部
110,210 送信RF回路部
120,220 受信RF回路部
130,240 BB回路部
140 MAC回路部
150 局部発振信号再生回路部
230 IF帯及びアナログ変復調回路部
250 IF帯周波数変換回路部

Claims (7)

  1. 第1の局部発振信号を用いて送信信号及び受信信号の周波数変換を行う第1の周波数変換手段を有し、第1の無線周波数帯の高周波信号に対する送信及び受信を行う第1の高周波部と、
    前記第1の高周波部に対するベースバンド信号の処理を行う第1のベースバンド回路部と、
    前記第1の高周波部により受信された前記第1の無線周波数帯の高周波信号と、前記第1の局部発振信号とのいずれか一方を切り替えて入力し、この入力信号を逓倍して再生局部発振信号を生成する局部発振信号再生回路部と、
    前記再生局部発振信号を用いて送信信号及び受信信号の周波数変換を行う第2の周波数変換手段を有し、第2の無線周波数帯の高周波信号に対する送信及び受信を行う第2の高周波部と、
    前記第2の高周波部に対する信号の変調及び復調を行う変復調回路部と、
    前記変復調回路部に対するベースバンド信号の処理を行う第2のベースバンド回路部と、
    前記第1及び第2のベースバンド回路部に対し共通して無線フレームの送受信を制御する媒体アクセス制御回路部と、
    を備えたことを特徴とする無線機。
  2. 前記変復調回路部は、中間周波数帯への変換機能、及びアナログ変復調機能を有する中間周波数帯及びアナログ変復調回路部により構成されていることを特徴とする請求項1記載の無線機。
  3. 前記第1の高周波部、前記第1のベースバンド回路部、及び前記媒体アクセス制御回路部により第1の無線システムが構成され、
    前記第2の高周波部、前記変復調回路部、前記第2のベースバンド回路部、及び前記媒体アクセス制御回路部により第2の無線システムが構成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の無線機。
  4. 請求項3記載の無線機は、更に、
    前記媒体アクセス制御回路部の制御により前記第2の無線システムのチャネル周波数を変更する周波数変更手段を有することを特徴とする無線機。
  5. 前記周波数変更手段は、前記第2の高周波部と前記変復調回路部との間に接続され、第2の局部発振信号を用いて前記送信信号及び前記受信信号の周波数変換を行う周波数変換回路部により構成されていることを特徴とする請求項4記載の無線機。
  6. 請求項3記載の無線機を複数備え、
    前記第1の無線システムの通信エリアが重複する前記複数の無線機が存在する無線エリアにて、任意の1つの前記無線機が基地局となり、前記基地局が管理する無線フレームを前記無線エリア内全ての前記無線機が共有する無線ネットワークを構成し、
    前記無線ネットワークを構成するための通信制御パケット及び競合アクセス制御方式を使用するパケットの送受信には、前記第1の無線システムのチャネル周波数信号を使用し、前記各無線機間で高速データ伝送を実施する情報伝送パケットの送受信には、前記第2の無線システムのチャネル周波数信号を使用し、
    前記第2の無線システムのチャネル周波数信号の送受信が行われる時間帯では、前記基地局が前記第1の無線システムのチャネル周波数にて無変調信号を送出し、前記無線エリア内の前記無線機は、前記第2の無線システムの送受信側局部発振信号として利用することで、複数の1対1通信を行うことを特徴とする無線通信方法。
  7. 請求項4又は5記載の無線機を複数備え、
    前記第1の無線システムの通信エリアが重複する前記複数の無線機が存在する無線エリアにて、任意の1つの前記無線機が基地局となり、前記基地局が管理する無線フレームを前記無線エリア内全ての前記無線機が共有する無線ネットワークを構成し、
    前記無線ネットワークを構成するための通信制御パケット及び競合アクセス制御方式を使用するパケットの送受信には、前記第1の無線システムのチャネル周波数信号を使用し、前記各無線機間で高速データ伝送を実施する情報伝送パケットの送受信には、前記第2の無線システムのチャネル周波数信号を使用し、
    前記第2の無線システムのチャネル周波数信号の送受信が行われる時間帯では、前記基地局が前記第1の無線システムのチャネル周波数にて無変調信号を送出し、前記無線エリア内の前記無線機は、前記第2の無線システムの送受信側局部発振信号として利用することで、複数の1対1通信を行う無線通信方法であって、
    前記基地局が指定する前記第2の無線システムのチャネル周波数を前記周波数変更手段で選定して複数チャネルの周波数を用いることを特徴とする無線通信方法。
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