JP3898175B2 - しみ部位亢進遺伝子群を指標とした皮膚しみ形成予知方法、皮膚しみ形成抑制剤のスクリーニング方法 - Google Patents

しみ部位亢進遺伝子群を指標とした皮膚しみ形成予知方法、皮膚しみ形成抑制剤のスクリーニング方法 Download PDF

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本発明は皮膚しみ形成を予知するための皮膚検査方法に関する。
紫外線やホルモンのアンバランス、精神的ストレスなどによりメラノサイト(色素形成細胞)内の酵素チロシナーゼの働きが異常に活性化されると、メラニン色素が次々とつくりだされて周辺の表皮細胞に送られてしまう。メラニン色素のつくりだされるペースが速く、また紫外線等の影響でターンオーバーが正常でなくなると、メラニン色素が外へ排出されず、肌に残ってしまい、その結果肌にしみができてしまうものと考えられる。
しみができてしまったら、できるだけ早くその手入れをすることが好ましく、そのために美容技術者による視感(視覚)によるしみの官能評価や、皮膚状態の撮像装置、測色計等の機器を用いるしみの定量的評価により、しみの有無の早期判定が望まれる(特開2003−144393号公報)。
一旦しみができてしまうと、その除去は容易ではなく、肌の新陳代謝を良くして不要なメラニンを早く追い出し、余計なメラニンを作らないようにするなどの手入れが必要となる。従って、しみができる前に肌の手入れを行うことが好ましい。しかしながら、しみのでき易さには個体差があり、またその原因となる条件も様々であるため、しみができることを予知することは一般に困難である。よって、しみができる前にしみができ易い状態であるか否かを予知できる手段があればしみ予防対策として極めて有効である。
M. Naganuma et al., Journal of Dermatological Science 25(2001) 29-35
本発明者は上記問題を鑑み、肌にしみができる前に肌がしみのでき易い状態であるか否かを予知できる手段を提供できるかを鋭意検討した。そして、本発明者は紫外線照射を施したのち照射をやめて日焼け様呈色が脱色した後、しばらくして老人性色素斑様のスポット状色素斑を形成するしみモデルマウス(M. Naganuma et al., Journal of Dermatological Science 25(2001) 29-35)のしみ部位及び非しみ部位の各々の表皮由来のRNAのマイクロアレイ解析の結果、非しみ部位と比べ、しみ部位の表皮においてAK012157遺伝子(配列番号1)及びMCP−2(Monocyte Chemoattracting Protein 2:単球化学誘引タンパク質-2)遺伝子の発現が特異的に亢進されていることを見出した。従って、ヒトの表皮において、AK012157遺伝子と相同なヒト遺伝子であるFLJ21763遺伝子(配列番号2)及びMCP−2遺伝子の発現を調べることで、しみ形成し易い皮膚であると判断することが可能であることが明らかとなった。
マウスAK012157遺伝子は遺伝子の塩基配列のみ既知であり、機能に関する報告はされていない遺伝子である(Meth. Enzymol. 303, 19-44 (1999))。ラットにおいてこの遺伝子と約80%相同な遺伝子(S74257;配列番号3)が癌の浸潤・転移に関係しているという報告は存在するが(Oncogene, 1994, 9 (12), 3591-3600)、この遺伝子についても皮膚色素関連の報告は存在しない。さらに、ヒトにおいてマウスAK012157遺伝子と約70%相同な遺伝子(ヒトFLJ21763遺伝子)の存在が知られているが、この遺伝子についても皮膚色素関連の報告は存在しない。また、MCP−2はケモカイン(分子量約1万の小型のサイトカインファミリー)の一種であり、そのファミリーのMCP−1では単球の誘引を介して非腫瘍形成性のメラノーマ細胞を腫瘍形成させるという報告はあるが(Journal Immunol. Jun 1; 166(11):6483-6490)、皮膚色素関連の報告は存在しない。
従って、しみとの関係でこれら遺伝子の発現が亢進されることは極めて驚くべき事実である。
第一の観点において、本発明は皮膚しみ形成を予知するための皮膚検査方法を提供する。この方法は、表皮中のMCP2の発現が正常な表皮中の発現に比べて亢進している場合、しみ形成し易い皮膚であると判断することを特徴とする。ここで、しみとは、皮膚に現われる茶褐色ないし濃褐色の平面状斑紋をいう(広辞苑)。なかでも今回のシミモデルマウスについて表記するしみは、主に老人性色素斑様の色素斑をさす。
好適な態様において、上記皮膚しみ形成はUVB照射を原因とするものである。
さらに好適な態様において、上記表皮中のMCP2の発現の亢進は、表皮中のMCP2の量を測定することにより決定される。
さらに好適な態様において、上記測定はMCP2に特異的な抗体を利用するELISA法又はRIA法による。
さらに好適な態様において、上記表皮中のMCP2の発現の亢進は、表皮から抽出されたMCP2をコードするmRNAの量を測定することにより決定される。
さらに好適な態様において、上記mRNAの測定はポリメラーゼ連鎖反応法により行う。
第二の観点において、本発明は皮膚しみ形成抑制因子及び/又は皮膚しみ除去因子をスクリーニングする方法を提供する。この方法は、候補化合物をMCP2の発現及び/又は活性を阻害する能力について評価し、当該阻害能力を有するMCP2インヒビターを皮膚しみ形成抑制因子及び/又は皮膚しみ除去因子として選定することを特徴とする。
好適な態様において、この方法はさらに、上記阻害能力を有するMCP2インヒビターをしみ形成モデル動物に適用し、皮膚しみ形成抑制及び/又は皮膚しみ除去効果を有するインヒビターを選定することを含んで成る。
第三の観点において、本発明は皮膚しみ形成を予知するための皮膚検査方法を提供する。この方法は、表皮中の配列番号2に示す塩基配列から成るポリヌクレオチド(ヒトFLJ21763遺伝子)もしくはその中の少なくとも50、好ましくは少なくとも100、より好ましくは少なくとも200、特に好ましくは少なくとも400個の連続ヌクレオチドの配列から成るポリヌクレオチドの発現、又は表皮中の配列番号2に示す塩基配列から成るポリヌクレオチド(ヒトFLJ21763遺伝子)、配列番号1に示す塩基配列から成るポリヌクレオチド(マウスAK012157遺伝子)もしくは配列番号3に示す塩基配列から成るポリヌクレオチド(ラットS74257遺伝子)もしくはそれらの中の少なくとも50、好ましくは少なくとも100、より好ましくは少なくとも200、特に好ましくは少なくとも400個の連続ヌクレオチドの配列から成るポリヌクレオチドに対し高ストリンジェント条件下でハイブリダイゼーション可能なポリヌクレオチドの発現が正常な表皮中の発現に比べて亢進している場合、しみ形成のし易い皮膚であると判断することを特徴とする。ヒトFLJ21763遺伝子及びラットS74257遺伝子はマウスAK012157遺伝子に対し高い相同性を示す遺伝子である(それぞれ約70%及び約80%)。マウスAK012157遺伝子、ヒトFLJ21763遺伝子及びラットS74257遺伝子の対比を図1〜2に示す。ハイブリダイゼーションは周知の方法又はそれに準じる方法、例えばJ.SambrookらMolecular Cloning 2nd, Cold Spring Harbor Lab. Press, 1989に記載の方法に従って行うことができ、そして高ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件とは、例えばナトリウム濃度が約10〜40mM、好ましくは約20mM、温度が約50〜70℃、好ましくは約60〜65℃であることを含む条件をいう。
好適な態様において、上記皮膚しみ形成はUVB照射を原因とする。
さらに好適な態様において、上記表皮中の前記ポリヌクレオチドの発現の亢進は、表皮から抽出された前記当該ポリヌクレオチドに相補性のmRNAの量を測定することにより決定される。
さらに好適な態様において、上記mRNAの測定はポリメラーゼ連鎖反応法により行う。
第四の観点において、本発明は皮膚しみ形成抑制因子及び/又は皮膚しみ除去因子をスクリーニングする方法を提供する。この方法は、候補化合物を表皮中の配列番号2に示す塩基配列から成るポリヌクレオチド(ヒトFLJ21763遺伝子)もしくはその中の少なくとも50、好ましくは少なくとも100、より好ましくは少なくとも200、特に好ましくは少なくとも400個の連続ヌクレオチドの配列から成るポリヌクレオチドの発現、又は表皮中の配列番号2に示す塩基配列から成るポリヌクレオチド(ヒトFLJ21763遺伝子)、配列番号1に示す塩基配列から成るポリヌクレオチド(マウスAK012157遺伝子)もしくは配列番号3に示す塩基配列から成るポリヌクレオチド(ラットS74257遺伝子)もしくはそれらの中の少なくとも50、好ましくは少なくとも100、より好ましくは少なくとも200、特に好ましくは少なくとも400個の連続ヌクレオチドの配列から成るポリヌクレオチドに対し高ストリンジェント条件下でハイブリダイゼーション可能なポリヌクレオチドの発現を阻害する能力について評価し、当該阻害能力を有するインヒビターを皮膚しみ形成抑制因子及び/又は皮膚しみ除去因子として選定することを特徴とする。
好適な態様において、この方法は更に、上記阻害能力を有する前記インヒビターをしみ形成モデル動物に適用し、皮膚しみ形成抑制及び/又は皮膚しみ除去効果を有するインヒビターを選定することを含んで成る。
本発明により、皮膚しみ形成を予知するための皮膚検査方法提供が可能となる。
上述の通り、マウスAK012157遺伝子あるいはこの遺伝子に対し高い相同性を示すラットS74257遺伝子やヒトFLJ21763遺伝子は)に関し皮膚色素関連の報告は存在しない。また、マウス及びヒトMCP−2も皮膚色素関連の報告は存在しない。本発明者は紫外線照射を施したしみモデルマウスのしみ部位及び非しみ部位の各々の表皮由来のRNAのマイクロアレイ解析の結果、非しみ部位と比べ、しみ部位の表皮においてAK012157遺伝子及びMCP−2遺伝子の発現が特異的に亢進されていることを見出した。特に、これら遺伝子の発現の亢進はしみモデルマウスにおいてUV照射期にとどまらず、UV照射を終えた後にUV照射による表皮の褐色が脱色し始める脱色期、更にはその後しみが出現し始め、しみが形成される色素斑形成期においても認められた。しみモデルマウスの表皮においてこれらの遺伝子の発現が脱色期においても亢進していることから、ヒトにおいても、これら遺伝子と相同な遺伝子を指標とすれば、しみが形成される前の脱色期においても将来しみが形成されることを予知できることなる。
しみモデルマウス
しみモデルマウスはM. Naganuma et al.,前掲に記載の通りにして作製することができる。簡単には、例えば7週齢前後のマウスに紫外光源(Toshiba FL-SE; UVB)の下で約8週にわたり週約3回、99mJ/cm2程度の強度で紫外線照射する(UV照射期)。かかるUV照射期の間、皮膚の均一な色素沈着(皮膚の褐色化)が認められるようになる。この色素沈着はUV照射を止めてから2週間程度でほぼ完全に消失する(脱色期)。その後、直径約2mm以下の小さい、薄茶色の色素斑(いわゆる老人性色素斑様の「しみ」)が出現しはじめる(色素斑出現及び形成期)。
皮膚しみ形成を予知するための皮膚検査方法
本発明は、皮膚、好ましくはヒト皮膚しみ形成を予知するための皮膚検査方法を提供する。この方法は、表皮中のMCP−2遺伝子もしくはヒトFLJ21763遺伝子、又はヒトFLJ21763遺伝子、マウスAK012157遺伝子もしくはラットS74257遺伝子に対し高ストリンジェント条件下でハイブリダイゼーション可能なポリヌクレオチドの発現が正常な表皮中の発現に比べて亢進している場合、しみ形成のし易い皮膚であると判断することを特徴とする。その評価基準として、例えば表皮中のMCP−2遺伝子もしくはヒトFLJ21763遺伝子、又はヒトFLJ21763遺伝子、マウスAK012157遺伝子もしくはラットS74257遺伝子に対し高ストリンジェント条件下でハイブリダイゼーション可能なポリヌクレオチドの発現がコントロール表皮中のそれらと比べ10%以上、又は20%以上、又は30%以上、又は50%以上、又は70%以上、又は100%以上亢進していたなら「しみ形成のし易い皮膚である」と判断する、としてよい。検査すべき皮膚は、例えば顔、首、腕、肢など、しみができやすく、またしみ形成の気になるあらゆる部分の表皮であってよい。しみ形成のしない正常表皮、即ちコントロール表皮としては、例えば同一個体の例えば紫外線に曝されにくく、比較的しみのできにくい部位の表皮、例えば腹部、臀部の表皮であってよい。
ハイブリダイゼーションは周知の方法又はそれに準じる方法、例えばJ.SambrookらMolecular Cloning 2nd, Cold Spring Harbor Lab. Press, 1989に記載の方法に従って行うことができ、そして高ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件とは、例えばナトリウム濃度が約10〜40mM、好ましくは約20mM、温度が約50〜70℃、好ましくは約60〜65℃であることを含む条件をいう。
表皮中のMCP−2発現の亢進は、例えば表皮中のMCP−2の量を測定することにより決定される。好ましくは、この測定はヒトMCP−2に特異的な抗体を利用し、当業界において周知の方法、例えば蛍光物質、色素、酵素等を利用する免疫染色法、ウェスタンブロット法、免疫測定方法、例えばELISA法、RIA法等、様々な方法により実施できる。また、表皮からRNAを抽出し、ヒトMCP−2をコードするmRNAの量を測定することにより決定することもできる。mRNAの抽出、その量の測定も当業界において周知であり、例えばRNAの定量は定量ポリメラーゼ連鎖反応法(PCR)により行われる。
表皮中のヒトFLJ21763遺伝子、又はヒトFLJ21763遺伝子、マウスAK012157遺伝子もしくはラットS74257遺伝子に対し高ストリンジェント条件下でハイブリダイゼーション可能なポリヌクレオチドの発現は、表皮からRNAを抽出し、上記ポリヌクレオチドに対応するmRNAの量を測定することにより決定することもできる。mRNAの抽出、その量の測定も当業界において周知であり、例えばRNAの定量は定量ポリメラーゼ連鎖反応法(PCR)により行われる。
上述の通り、本発明は、紫外線照射を施したしみモデルマウスのしみ部位及び非しみ部位の各々の表皮由来のRNAのマイクロアレイ解析の結果、非しみ部位と比べ、しみ部位の表皮においてAK012157遺伝子及びMCP−2遺伝子の発現が特異的に亢進されていることを見出したことに基づく。従って、表皮中のMCP−2遺伝子の発現及び/もしくはMCP−2の活性を抑える、表皮中のヒトFLJ21763遺伝子の発現を抑える、又はヒトFLJ21763遺伝子、マウスAK012157遺伝子もしくはラットS74257遺伝子に対し高ストリンジェント条件下でハイブリダイゼーション可能なポリヌクレオチドの発現を抑えることを指標とした皮膚のしみ形成を抑える及び/又は形成されたしみを除去する薬剤を開発することができるものと推認される。
従って、本発明は上記遺伝子の発現を阻害するインヒビターを皮膚しみ形成抑制因子及び/又は皮膚しみ除去因子として含んで成る医薬又は皮膚外用組成物を提供する。本発明に係る組成物は皮膚のしみ形成を予防又はしみを除去することができる。
MCP−2の活性を阻害するインヒビターとしては、例えば特表2001−518296号公報に記載されている天然MCP−2のアミノ酸1、1〜2、1〜3、1〜4又は1〜5に相当するNH2−末端アミノ酸を欠き、ケモカインアンタゴニスト活性を有するアミノ末端切除型MCP−2が挙げられる。
また、MCP−2のインヒビターには、MCP−2が結合することで知られるCCR−1、3又は5レセプターのアンタゴニストが含まれる。CCR−3レセプターのアンタゴニストは例えば特開平11−14782号公報、特表2002−512957号公報、特表2002−512960号公報、特表2002−530374号公報、特表2002−512957号公報、2003−510248号公報に記載されている。その具体例としては、例えば、
N−{1−(S)−〔4−(3,4−ジクロロベンジル)ピペラジン−1−イルメチル〕−2−メチルプロピル}−4−メチルベンズアミド二塩酸塩;
N−{1−(S)−〔4−(3,4−ジクロロベンジル)ピペラジン−1−イルメチル〕−2,2−ジメチルプロピル}−4−メチルベンズアミド二塩酸塩;
N−{1−(S)−〔4−(3,4−ジクロロベンジル)ピペリジン−1−イルメチル〕−2−メチルプロピル}−4−メチルベンズアミド二塩酸塩;
N−{1−(R)−〔4−(3,4−ジクロロベンジル)ピペリジン−1−イルメチル〕−2−メチルプロピル}−4−(2−アミノエチル)ベンズアミド二塩酸塩;
N−{1−(R)−〔4−(3,4−ジクロロベンジル)ピペリジン−1−イルメチル〕−2−メチルプロピル}−5−メチルチオフェン−2−カルボキサミド塩酸塩;
1−{1−(R)−〔4−(3,4−ジクロロベンジル)ピペラジン−1−イルメチル〕−2−メチルプロピル}−3−(3−メトキシフェニル)尿素;
1−{1−(R)−〔4−(3,4−ジクロロベンジル)ピペリジン−1−イルメチル〕−2−メチルプロピル}−3−(3−メトキシフェニル)尿素;
(S)-エチル-2-(4-メチルベンゼンスルホニルアミノ)-3-(4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート;
(S)-エチル-2-(5-ジメチルアミノナフタレン-1-スルホニルアミノ)-3-(4-ヒドロキシ-フェニル)プロピオネート;
(S)-エチル-2-(ナフタレン-2-スルホニルアミノ)-3-(4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート:(S)-エチル-2-(チオフェン-2-スルホニルアミノ)-3-(4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート;
(S)-エチル-2-(キノリン-8-スルホニルアミノ)-3-(4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート;
(S)-エチル-2-(2,4,6-トリメチルベンゼンスルホニルアミノ)-3-(4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート;
(S)-エチル-2-(4-ブロモベンゼンスルホニルアミノ)-3-(4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート;
(S)-エチル-2-(4-クロロベンゼンスルホニルアミノ)-3-(4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート;
(S)-エチル-2-(4-メトキシベンゼンスルホニルアミノ)-3-(4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート;
(S)-エチル-2-メタンスルホニルアミノ-3-(4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート;
(S)-エチル-2-[2-(E)-スチリルスルホニルアミノ]-3-(4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート;
(S)-エチル-2-(3-トリフルオロメチルベンゼンスルホニルアミノ)-3-(4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート;
(S)-エチル-2-(2,5-ジクロロチオフェン-3-スルホニルアミノ)-3-(4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート;
(S)-エチル-2-(2-ブロモベンゼンスルホニルアミノ)-3-(4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート;
(S)-エチル-2-[5-(2-ピリジル)チオフェン-2-スルホニルアミノ]-3-(4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート;
(S)-エチル-2-(1,3-ジメチル-5-クロロ-2-ピラゾリン-4-スルホニルアミノ)-3-(4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート;
(S)-エチル-2-(4-ビフェニルスルホニルアミノ)-3-(4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート;
(S)-エチル-2-(2-ニトロ-4-メトキシベンゼンスルホニルアミノ)-3-(4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート;
(S)-エチル-2-(2,5-ジクロロベンゼンスルホニルアミノ)-3-[4-(2,5-ジクロロベンゼンスルホニルオキシ)フェニル]プロピオネート;
(S)-エチル-2-(2,4-ジフルオロベンゼンスルホニルアミノ)-3-[4-(2,4-ジフルオロベンゼンスルホニルオキシフェニル)]プロピオネート;
(S)-エチル-2-(5-ジメチルアミノナフタレン-1-スルホニルアミノ)-3-(4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート;
(S)-エチル-2-(チオフェン-2-スルホニルアミノ)-3-(4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート;
(S)-エチル-2-(2,4,6-トリメチルベンゼンスルホニルアミノ)-3-(4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート;
(S)-エチル-2-(4-ブロモベンゼンスルホニルアミノ)-3-(4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート;
(S)-エチル-2-(4-クロロベンゼンスルホニルアミノ)-3-(4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート;
(S)-エチル-2-(4-メトキシベンゼンスルホニルアミノ)-3-(4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート;
(S)-エチル-2-[2-(E)-スチリルスルホニルアミノ]-3-(4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート;
(S)-エチル-2-(3-トリフルオロメチルベンゼンスルホニルアミノ)-3-(4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート;
(S)-エチル-2-(2,5-ジクロロチオフェン-3-スルホニルアミノ)-3-(4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート;
(S)-エチル-2-(2-ブロモベンゼンスルホニルアミノ)-3-(4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート;
(S)-エチル-2-[5-(2-ピリジル)チオフェン-2-スルホニルアミノ]-3-(4-ヒドロキシフェニル) プロピオネート;
(S)-エチル-2-(2-ニトロ-4-メトキシベンゼンスルホニルアミノ)-3-(4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート;
(S)-エチル-2-(2,5-ジクロロベンゼンスルホニルアミノ)-3-[4-(2,5-ジクロロベンゼンスルホニルオキシ)フェニル]プロピオネート;
(S)-エチル-2-(2,5-ジクロロチオフェン-3-スルホニルアミノ)-3-(4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート;
(S)-エチル-2-(2-ブロモベンゼンスルホニルアミノ)-3-(4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート;
(S)-エチル-2-(2,5-ジクロロベンゼンスルホニルアミノ)-3-[4-(2,5-ジクロロベンゼンスルホニルオキシ)フェニル]プロピオネート
(S)-エチル-2-(1-ナフトイルアミノ)-3-(4-ニトロフェニル)プロピオネート;
(S)-イソプロピル-2-(1-ナフトイルアミノ)-3-(4-ニトロフェニル)プロピオネート;
(S)-メチル-2-(1-ナフトイルアミノ)-3-(4-ニトロフェニル)プロピオネート;
(S)-ベンジル-2-(1-ナフトイルアミノ)-3-(4-ニトロフェニル)プロピオネート;
(S)-エチル-2-(1-ナフトイルアミノ)-3-(4-クロロフェニル)プロピオネート;
(S)-エチル-2-ベンゾイルアミノ-3-(4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート;
(S,S)-エチル-2-(2-ベンジルオキシカルボニルアミノ-3-フェニルプロピオニルアミノ)-3-(4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート;
(S,S)-エチル-2-(N-アセチルピロリジン-2-ベンゾイルアミノ)-3-(4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート;
(S)-エチル-2-シクロヘキサニルアミノ-3-(4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート;
(S)-エチル-2-(3,3-ジフェニルプロピオニルアミノ)-3-(4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート;
(S)-エチル-2-(3-フェニルプロピオニルアミノ)-3-(4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート;
(S)-エチル-2-[2-(2-ナフチル)アセチルアミノ)-3-(4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート;
(S)-エチル-2-(4-フェニルブチリルアミノ)-3-(4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート;
(S)-エチル-2-ペンタニルアミノ-3-(4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート;
(S)-エチル-2-ペンタニルアミノ-3-(4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート;
(S)-エチル-2-(4-ベンゾイルベンゾイルアミノ)-3-(4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート;
(S)-エチル-2-(2-フラニル)アミノ-3-(4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート;
(S)-エチル-2-(1-ナフトイルアミノ)-3-(4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート;
(S)-エチル-2-(5-ヒドロキシインドニル)アミノ-3-(4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート;
(S)-エチル-2-ピペロニルアミノ-3-(4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート;
(S)-エチル-2-ピコリニルアミノ-3-(4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート;
(S)-エチル-2-(3-ニトロ-4-クロロベンゾイルアミノ)-3-(4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート;
(S)-エチル-2-(3-ヒドロキシ-4-ニトロベンゾイルアミノ)-3-(4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート;
(S)-エチル-2-(8-キノリニルアミノ)-3-(4-ヒドロキシフェニル)プロピオ ネート;
(S)-エチル-2-ベンゾイルアミノ-3-フェニルプロピオネート;
(S)-メチル-2-ベンゾイルアミノ-3-(4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート;
(S)-ベンジル-2-ベンゾイルアミノ-3-(4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート;
(S)-エチル-2-ベンゾイルアミノ-3-(4-メトキシフェニル)プロピオネート;
(S)-エチル-2-tert-ブチルオキシカルボニルアミノ-3-(4-ニトロフェニル)プロピオネート;
(S)-エチル-2-tert-ブチルオキシカルボニルアミノ-3-(4-アミノフェニル)プロピオネート;
(S)-エチル-2-ベンゾイルアミノ-3-(3,5-ジヨード-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート;
(S)-エチル-2-カルボキシベンゾイルアミノ-3-(4-ヒドロキシフェニル) プロピオネート;
(S)-エチル-2-ベンゾイルアミノ-3-(1-ナフチル)プロピオネート;
(±)-エチル-2-ベンゾリルアミノ-3-[3-(ベンゾイルオキシ)フェニル]プロピオネート;
(±)-エチル-2-ベンゾイルアミノ-3-(3-ヒドロキシフェニル)プロピオネート;
(R,S)-エチル-2-ベンゾイルアミノ-3-(2-ヒドロキシルフェニル)プロピオネート;
(S)-エチル-2-ベンゾイルアミノ-3-(4-アミノフェニル)プロピオネート;
(S)-エチル-2-ベンゾイルアミノ-3-(4-ニトロフェニル)プロピオネート;
(S)-エチル-2-(2-フェニルアセチルアミノ)-3-(4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート;
(S)-エチル-2-ベンゾイルアミノ-3-(3-インドイル)プロピオネート;
(±)-エチル-2-(ベンゾイルアミノ)-2-フェニルアセタート;
(±)-エチル-2-(ベンゾイルアミノ)-4-フェニルブチラート;
(S)-エチル-2-(1-ナフトイルアミノ)-3-(4-ニトロフェニル)プロピオネート;
(S)-エチル-2-ベンゾイルアミノ-3-(4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート;
(S)-エチル-2-シクロヘキサニルアミノ-3-(4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート;
(S)-エチル-2-(1-ナフトイルアミノ)-3-(4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート;
(S)-ベンジル-2-ベンゾイルアミノ-3-(4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート;
(S)-エチル-2-ベンゾイルアミノ-3-(4-メトキシフェニル)プロピオネート;
(S)-エチル-2-ベンゾイルアミノ-3-(1-ナフチル) プロピオネート;
(±)-エチル-2-ベンゾリルアミノ-3-[3-(ベンゾイルオキシ)フェニル]プロピオネート;
(±)-エチル-2-ベンゾイルアミノ-3-(3-ヒドロキシフェニル)プロピオネート;
(R,S)-エチル-2-ベンゾイルアミノ-3-(2-ヒドロキシルフェニル)プロピオネート;
(S)-エチル-2-ベンゾイルアミノ-3-(4-ニトロフェニル)プロピオネート;
(±)-エチル-2-(ベンゾイルアミノ)-2-フェニルアセタート;
(±)-エチル-2-(ベンゾイルアミノ)-4-フェニルブチラート;
(S)-エチル-2-(1-ナフトイルアミノ)-3-(4-ニトロフェニル)プロピオネート;
(S)-エチル-2-(1-ナフトイルアミノ)-3-(4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート;
(S)-エチル-2-ベンゾイルアミノ-3-(4-ニトロフェニル)プロピオネートが挙げられる。
CCR−1レセプターのアンタゴニストには、例えば特許出願公開WO97/24325;Pfizer,Inc.によるWO98/38167;帝人(株)によるWO97/44329;萬有製薬(株)によるWO98/04554;Merck&Co.,Inc.によるWO98/27815、WO98/25604、WO98/25605、WO98/25617及びWO98/31364;LeukoSite,Inc.によるWO98/02151及び同WO99/37617;LeukoSite,Inc.らによるWO99/37651及びWO99/37619;米国特許仮出願第60/021,716号明細書(1996年7月12日出願);米国特許出願第09/146,827号明細書及び同第09/148,236号明細書(1998年9月4日出願);Hesselgesserら、J.Biol.Chem.273(25):15687〜15692(1998);及びHowardら、J.Medicinal Chem.41(13):2184〜2193(1998)に記載の化合物が挙げられる。
また、CCR−5レセプターのアンタゴニストには、例えば特表2002−543186公報に記載のものが挙げられる。
本発明の医薬又は皮膚外用組成物は、例えば水溶液、油液、その他の溶液、乳液、クリーム、ゲル、懸濁液、マイクロカプセル、粉末、顆粒、カプセル、固形剤等の形態で適用される。従来から公知の方法でこれらの形態に調製したうえで、ローション製剤、乳液剤、クリーム剤、軟膏剤、硬膏剤、ハップ剤、エアゾール剤、水−油2層系、水−油−粉末3層系、注射剤、内服剤(錠剤、散剤、顆粒剤、丸剤、シロップ剤、トローチ剤等)、坐剤等として、身体に塗布、貼付、噴霧、注射、飲用、挿入することができる。当該組成物は上記インヒビターを皮膚しみ形成抑制因子及び/又は皮膚しみ除去因子として、特に限定することなく、組成物全量に基づき例えば0.001mM〜1M、好ましくは0.01〜100mM、より好ましくは0.1〜10mM程度含有するであろう。
これらの剤型の中でも、ローション製剤、乳液剤、クリーム剤、軟膏剤、硬膏剤、ハップ剤、エアゾール剤等の皮膚外用剤が、本発明の目的に適する剤型である。なお、ここで記す皮膚外用剤には、医薬品、医薬部外品(軟膏剤等)、化粧料[洗顔料、乳液、クリーム、ジェル、エッセンス(美容液)、パック・マスク等の基礎化粧品;ファンデーション、口紅等のメーキャップ化粧品;口腔化粧品、芳香化粧品、毛髪化粧品、ボディ化粧品等]が含まれる。特に本発明の医薬又は皮膚外用組成物は、しみ予防の化粧料としての適用が好適である。
本発明の医薬又は皮膚外用組成物においては、所望する剤型に応じて従来公知の賦形剤や香料等をはじめ、油脂類、界面活性剤、防腐剤、金属イオン封鎖剤、水溶性高分子、増粘剤、顔料等の粉末成分、紫外線防御剤、保湿剤、酸化防止剤、pH調整剤、洗浄剤、乾燥剤、乳化剤等が適宜配合される。さらにこの他の薬効成分を本発明の医薬又は皮膚外用組成物に配合することは、その配合により所期の効果を損なわない範囲内で可能である。
皮膚しみ形成抑制因子及び/又は皮膚しみ除去因子をスクリーニングする方法
本発明はさらに、皮膚しみ形成抑制因子及び/又は皮膚しみ除去因子をスクリーニングする方法も提供する。この方法は、候補化合物を表皮中のMCP−2の発現及び/もしくは活性を抑える、又はヒトFLJ21763遺伝子、マウスAK012157遺伝子もしくはラットS74257遺伝子に対し高ストリンジェント条件下でハイブリダイゼーション可能なポリヌクレオチドの発現を抑える能力について評価し、当該阻害能力を有するインヒビターを皮膚しみ形成抑制因子及び/又は皮膚しみ除去因子として選定することを特徴とする。
好適な態様において、上記スクリーニング方法は更に、上記阻害能力を有するインヒビターをしみモデル動物に適用し、皮膚しみ形成抑制及び/又は皮膚しみ除去効果を有するインヒビターを選定することを含んで成る。
上記インヒビターの皮膚しみ形成抑制及び/又は皮膚しみ除去効果についての確認する工程はこのインヒビターをしみモデル動物、例えばしみモデルマウスを利用して実施することができる。動物としてはマウスの他にラット、ウサギなど様々な動物が利用できる。好適な態様においては、このインヒビターの溶液、例えば水溶液を調製してから皮膚しみモデル動物の皮膚に繰り返し塗布し、しみの形成を評価することで、上記効果の有無を判定することができる。
以下、具体例を挙げて、本発明を更に具体的に説明する。なお、本発明はこれにより限定されるものではない。
しみモデルマウスの作製
しみモデルマウスはM. Naganuma et al.,前掲に記載の通りにして作製した。簡単には、7週齢のマウスに紫外光源(Toshiba FL-SE; UVB)の下で8週にわたり週3回、99mJ/cm2の強度で紫外線照射した(UV照射期)。週齢15〜23週(UV照射期が終了して約8週まで)の間に脱色期を迎え、週齢23〜35週(UV照射期が終了して約18〜30週後)の間に色素斑出現期を迎え、週齢35〜52週(UV照射期が終了して約30〜47週後)の間に色素斑形成期を迎えた。
皮膚からのRNA採取
マウス背部の皮膚全層を採取、脂肪層を取り除き、加熱により表皮を剥離し、表皮をISOGEN(日本ジーン社、メーカー推奨プロトコル)によりRNAを抽出、RNeasy(Qiagen社)により精製した。真皮の方は、1センチ角に切断して液体窒素で凍結し破砕後、ISOGEN(日本ジーン社、メーカー推奨プロトコル)によりRNAを抽出、RNeasy(Qiagen社)により精製した。RNAはTBEアガロースゲルで泳動し、SYBR green(Moleculer probes社)で染色して品質、精製度を確認した。
UV照射期の試料は週齢約10週目にマウスから採取し、この試料に対するコントロールは週齢約14週目のマウスから採取した。脱色期の試料は週齢約20週目にマウスから採取し、この試料に対するコントロールも週齢約20週目のマウスから採取した。色素斑形成期の試料は週齢約42週目にマウスから採取し、この試料に対するコントロールは週齢約40週目のマウスから採取した。
マイクロアレイ用サンプルの反応
マイクロアレイ解析はアフィメトリックス社ジーンチップを用いた。
アフィメトリックス社用サンプル調製
アフィメトリックス社推奨プロトコルに準じて反応を行った。RNA 10μgをoligo-dT プライマー(24mer) 、100pmol(Sigma社)と共に70℃で10分間反応させた。その後、5x第一鎖反応バッファー4μl, 0.1M DTT 2μl, 10mM dNTP ミックス 1μl, Superscript II 2μl(すべてInvitrogen社)を加えて、42℃で1時間反応させた。この反応物に、Rnase非含有水91μl, 5x第二鎖反応バッファー30μl,10mM dNTP ミックス3μl,10U/μl E.coli DNA リガーゼ1μl,10U/μl E.coli DNAポリメラーゼI4μl, 2U/μl Rnase H 1μl (すべてInvitrogen社)を加え、16℃で2時間反応させた。さらに、2μl(10U/μl)のT4 DNA ポリメラーゼ(Invitrogen社)を加え、16℃で5分間反応後、10μlの0.5M EDTAを加えて反応を止めた。Phase Lock Gels (Qiagen社)を用いクリーンアップを行い、Rnase 非含有水12μlに溶出した。得られたcDNAからin vitro 転写反応によりビオチン付加cRNAを作製し(Enzo, Farmingdale)、RNeasy(Qiagen社)により精製した。cRNAをフラグメンテーションバッファー中で94℃にて35分間分断した後、ジーンチップハイブリダイゼーションに用いた。チップ洗浄後、アフィメトリックス社スキャナーによりデータ読み取りを行った。
解析結果
約9,000種の遺伝子の発現を網羅的に解析した結果、しみモデルマウスの表皮において、コントロールマウスの表皮と比べ、AK012157遺伝子及びMCP−2遺伝子の発現が顕著に亢進されていることが見出された。興味深いことに、これら遺伝子の発現の亢進はUV照射期にとどまらず、UV照射を終えることでUV照射による表皮の褐色が脱色し始める脱色期、更にはその後しみが出現し始め、しみが形成される色素斑形成期においても常に認められた。しみモデルマウスの表皮においてこれらの遺伝子の発現がしみができる前の脱色期においても亢進していることから、これら遺伝子を指標とすれば、しみが形成される前の脱色期においても将来しみが形成されることを予知できることなる。以下の表にその結果を示す。
Figure 0003898175
RT-PCR
皮膚から採取したRNA各(シミ部位、非シミ部位の表皮又は真皮)1μgをオリゴ-dTプライマー(24mer) 100pmol(Sigma)と共に70℃で10 分(総容量20μl)反応させた。その後、5x第一鎖反応バッファー 4μl, 0.1M DTT 2μl, 2.5mM dNTP ミックス4μl, SuperscriptII 1μl(すべてinvitrogen)を加えて、42℃で1時間反応させた。最後に70℃で10分反応させて伸長させ、cDNAテンプレートを調製した。rTaq用10×バッファー 5μl, 25mM MgCl2 3μl, 2.0mM dNTP ミックス5μl, rTaq 0.5μl(すべてTOYOBO社), ddH2O 33.5μl, cDNAテンプレート各1μl、プライマー(下記配列参照)、センス及びアンチセンス各20mM 1μl(総容量50μl)をすべて加え、PCR反応〔94℃ 2分、(94℃ 30秒、55℃ 30秒、72℃ 1分)を30サイクル、72℃ 10分〕を行った。
MCP-2 プライマー配列
センス TTCTTTGCCTGCTGCTCATA (配列番号4)
アンチセンス GACAAGGATGAGAAAACACG (配列番号5)
AK012157 プライマー配列
センス ACTCCGGCTCCTTCACTATG (配列番号6)
アンチセンス CTTTGGAATGAGGACTTGGA (配列番号7)
最後に1.5%エチジウムブロマイド含有アガロースゲルにて電気泳動して約300bpのバンドを得た。この結果を図3に示す。図3から明らかなとおり、AK012157遺伝子及びMCP−2遺伝子は表皮のしみ部位において顕著に発現し、表皮の非しみ部位ではほとんど発現していないことが認められた。また、真皮においてはいずれも発現差がなかった。
in situ ハイブリダイゼーション(ISH)
マウス皮膚組織を10%中性ホルマリンで固定、パラフィン包埋後、常法にしたがって組織切片スライドを作成した。これをベンタナ社HXシステム自動スライド処理機を使用してin situ ハイブリダイゼーション反応を行った(プロトコール:Japan open blue 8.0)。前処理として組織切片をブロッキング、プロテアーゼ処理後、AK012157配列からT7ポリメラーゼを用いて作成したDigラベルリボプローブ500ngと、68℃にて6時間ハイブリダイゼーションさせた。その後洗浄してAnti-Dig-アルカリフォスファターゼを反応させ洗浄後、基質NBT/BCIPを用いて呈色させて封入、光学顕微鏡で観察した。
その結果を図4に示す。図4から明らかなとおり、AK012157遺伝子は表皮のしみ部位において顕著に発現し、表皮の非しみ部位ではほとんど発現していないことが認められた。
免疫組織染色(IHC)
マウス皮膚組織を中性ホルマリン固定、パラフィン包埋後、常法に従って組織切片を作成した。これを1%H2O2で15分処理後、30分ブロッキングし、1/50希釈の抗マウスMCP2抗体(R&D Systems)を1昼夜反応させた。これをチラミド増感法(TSAシステム、パーキンエルマー社)キットによって検出を行った。洗浄後、HRPつき二次抗体を反応させ洗浄、FITCラベルチラミドを反応させて洗浄、包埋し、蛍光顕微鏡で観察を行った。
その結果を図5に示す。図5から明らかなとおり、MCP−2遺伝子は表皮のしみ部位において顕著に発現し、表皮の非しみ部位ではほとんど発現していないことが認められた。
マウスAK012157遺伝子、ヒトFLJ21763遺伝子及びラットS74257遺伝子の対比。 図1の続き。 PCRによる、しみモデルマウスの表皮及び真皮におけるAK012157遺伝子及びMCP−2遺伝子の発現を示す。 in situ ハイブリダイゼーションによる、しみモデルマウスの表皮におけるAK012157遺伝子の発現を示す。 免疫組織染色による、しみモデルマウスの表皮におけるMCP−2の発現を示す。

Claims (8)

  1. 皮膚しみ形成を予知するための皮膚検査方法であって、表皮中のMCP2(Monocyte Chemoattracting Protein 2:単球化学誘引タンパク質-2)の発現が正常な表皮中の発現に比べて亢進している場合、しみ形成し易い皮膚であると判断することを特徴とする方法。
  2. 前記皮膚しみ形成がUVB照射を原因とする、請求項1記載の方法。
  3. 前記表皮中のMCP2の発現の亢進が、表皮中のMCP2の量を測定することにより決定される、請求項1又は2記載の方法。
  4. 前記測定がMCP2に特異的な抗体を利用するELISA法又はRIA法による、請求項3記載の方法。
  5. 前記表皮中のMCP2の発現の亢進が、表皮から抽出されたMCP2をコードするmRNAの量を測定することにより決定される、請求項1〜4のいずれか1項記載の方法。
  6. 前記mRNAの測定をポリメラーゼ連鎖反応法により行う、請求項5記載の方法。
  7. 皮膚しみ形成抑制因子及び/又は皮膚しみ除去因子をスクリーニングする方法であって、候補化合物をMCP2の発現及び/又は活性を阻害する能力について評価し、当該阻害能力を有するMCP2インヒビターを皮膚しみ形成抑制因子及び/又は皮膚しみ除去因子として選定することを特徴とする方法。
  8. 更に、前記阻害能力を有するMCP2インヒビターをしみ形成モデル動物に適用し、皮膚しみ形成抑制及び/又は皮膚しみ除去効果を有するインヒビターを選定することを含んで成る、請求項7記載の方法。
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