JP5801406B2 - メラニン形成に関与しているアドレナリン受容体遺伝子発現を調節するスクリーニング方法 - Google Patents

メラニン形成に関与しているアドレナリン受容体遺伝子発現を調節するスクリーニング方法 Download PDF

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Description

本発明は、遺伝子パネル及びゲノム転写プロファイリング由来のバイオマーカーに関し、更に、ヒトの皮膚におけるメラニン合成(メラニン形成)及び加齢によるシミの制御に関与している遺伝子、特にアドレナリン受容体遺伝子を転写段階で制御する薬剤を特定及び評価する方法に関する。
皮膚の老化は、内部要因(例えば、経年的老化の自然経過の影響)及び外部要因(例えば、環境有害物質/汚染及び喫煙)の両方によって左右される多因子的過程である。
皮膚は、具体的には、ケラチノサイト、メラノサイト及び神経細胞、線維芽細胞、ランゲルハンス細胞、内皮細胞、平滑筋細胞等を含む。図1を参照すると、ケラチノサイト及びメラノサイトは表皮に存在する。メラノサイトは表皮の基底層に位置し、メラニン形成部位を構成する。メラノサイトは、ケラチノサイトと密接に接触しているため、メラノソームの形態で新しく合成されたメラニンをケラチノサイトに移行させ、それによって皮膚に色を付与する。メラノサイトは色素応答を実際に生成し、ケラチノサイトは、メラノサイトを刺激して色素を産生させると報告されているカテコールアミンの一種である、エピネフリンを生成する。エピネフリンなどのカテコールアミンによるメラニンの生成は、カテコールアミン生合成と呼ばれ、これについては以下に記載する。このように、これら2種類の細胞型は、色素沈着を調節するために共生的に共に働く。ケラチノサイトに分配されるメラニンのタイプ及び量が、皮膚の主な色合いを決定する。
図2を参照すると、メラニン形成、又はメラニン合成は、L−チロシンアミノ酸のヒドロキシル化により開始される生物学的現象であり、L−ジヒドロキシフェニルアラニン(L−DOPA)の形成をもたらし、L−DOPAは、今度は、特定のメラノサイト関連酵素、即ちチロシナーゼの作用によりDOPAクロームに転換される。連続的な還元及び酸化反応により、DOPAクロームのメラニンへの転換がもたらされる。チロシナーゼの生産及びその活性は、生成されるメラニンの量を部分的に決定する。ケラチノサイトへ移動されるメラニンの量及びタイプが、ヒトの皮膚の視認される色素沈着の程度を部分的に決定する。
皮膚の老化又は皮膚が老化したように見えるのは、メラニン形成の作用である。皮膚の老化又は加齢によるシミは、肌の色合いのコントラストとして知覚される。本明細書で使用するとき、「加齢によるシミ」は、一般に、加齢に伴う皮膚上のシミを指し、日光黒子、そばかす、肝斑、脂漏性角化症、炎症後の色素沈着過度等を包含し得る。本明細書で使用するとき、「色合い」は、一般に、滑らかで均一に色素沈着した表面の視覚認知を指す。皮膚の老化は、質感及び色素沈着に影響を与え、しわ又は加齢によるシミに起因する色の変化によってもたらされる陰影の結果であり得る顔のコントラストを生成する。若い皮膚では、メラニンは均一に分配されており、メラノサイトの活性は低く、構成的色素沈着の生成のみに制限される。太陽光の中の紫外線は、メラノサイトを一時的に活性化させて、日焼けにおいて見られるような均一に分配されたメラニンを生成させる。年齢を重ねた皮膚では、度重なる紫外線暴露によって一部のメラノサイトがダメージを受け、メラノサイトが恒久的に「スイッチオン」の状態となり、メラニンを過剰に生成させる場合がある。この過剰なメラニン形成は、最終的には、加齢によるシミ(黒子)又はびまん性の色素沈着過度として見えるのに十分な寸法及びコントラストの恒久的な局所的変色を生じさせ得る。皮膚ターンオーバーは加齢と共に減少するので、メラニンの微細な小片(「メラニンダスト」)は表皮及び角質層に閉じ込められ、よりくすんだ外観の一因となり得る。メラニンの不均等な分布は、加齢によるシミ及び色素沈着過度として現れる。加齢によるシミ組織における色素沈着過度は、次の既知の因子の1つ以上によるものである:高いチロシナーゼ活性、上述のメラノサイト関連酵素、及び成熟したメラノソームが多い場合、並びにメラニン/メラノソームが合成された後のメラノサイト又はケラチノサイトにおけるそれらの保持率。
一般に、紫外線誘発色素沈着過度は、細胞内cAMPの増加による、プロピオメラノコルチンから誘導されるペプチド及びメラノサイト刺激ホルモンがメラノサイト上のメラノコルチン1受容体に及ぼす作用と部分的に関係していると考えられる。プロピオメラノコルチン欠損マウス及び非機能性メラノコルチン1受容体を有する動物における研究によって、フォルスコリンに応答してメラニンがなおも生成され得ることが明らかになり、代替的なcAMP依存性経路もまたメラニン形成を誘導することを示唆している。
1つのそのような代替的なcAMP依存性経路には、α及びβの2つのグループに薬理学的に分類される、アドレナリン受容体が関与する。アドレナリン受容体は、ホルモンのエピネフリン及び神経伝達物質のノルエピネフリンの生理学的作用を媒介するグアニンヌクレオチド結合調節タンパク質結合受容体の原型ファミリーである。βアドレナリン受容体には、カテコールアミン及び特定のアンタゴニストに対する特異的な薬理反応、並びにアミノ酸配列の違いにより3つのサブタイプが存在する、即ち、ADRβ1、ADRβ2、及びADRβ3が存在する。更に、αアドレナリン受容体には、ADRα1A、ADRα1B、ADRα1D、ADRα2A、ADRα2B、及びADRα2Cといった複数のサブタイプが存在する。
Schallreuter,K.U.ら、The induction of the α−1−adrenoreceptor signal transduction system on human melanocytes,Experimental Dermatology 1996;Vol.5,Issue 1,pages 20〜23によると、ヒトメラノサイトは、細胞外刺激を与えないとα1、β1又はβ2アドレナリン受容体を発現しない。ノルエピネフリンの導入はα1受容体の時間依存性誘導を引き起こすが、メラニン形成に影響を及ぼさない。それに対して、メラノサイト中のβ−アドレナリン受容体は、ノルエピネフリン刺激によって誘導されないので、メラノサイトで合成されたノルエピネフリンは、色素沈着/メラニン形成を媒介しないと思われる。
それに対して、ケラチノサイトにおけるカテコールアミン生合成の誘導は、ADRβ2受容体の増加と相関する。Schallreuterは、表皮内のADRβ2シグナル経路及びカテコールアミン合成ネットワークに関係する研究を行った。ケラチノサイト及びメラノサイトは共にADRβ2を発現し、これら細胞型は共に、カテコールアミン生合成、特にノルエピネフリン合成の酵素機構を有するが、ケラチノサイトだけがエピネフリンを合成することが知られている。ケラチノサイトからのエピネフリンの分泌は、メラノサイト上のβアドレナリン受容体を刺激し、細胞内cAMPを増加させ、それによってメラニン形成を増加させる。
Sivamaniら、An Epinephrine−Dependent Mechanism for the Control of UV−Induced Pigmentation,Journal of Investigative Dermatology(2009),vol.129,pages 784〜786は、ケラチノサイトは紫外線に反応してエピネフリンを分泌し、エピネフリンはメラノサイト上のβアドレナリン受容体を刺激してメラニン合成を増加させることを開示している。したがって、Sivamaniは、ストレスと、紫外線と、色素沈着との間の因果関係を確立した。更に、Sivamaniは、これもSchallreuterに提供されている、α1受容体はメラニン形成に影響を及ぼさないという一般的な合意を立証した。
Grando,Adrenergic and Cholinergic Control in the Biology of Epidermis:Physiological and Clinical Significance,Journal of Investigative Dermatology Vol.126,pages 1948〜1965(2006)は、表皮のアドレナリンシグナルはカルシウム恒常性を制御することを教示しており、色素沈着はβ2及びα1アドレナリン受容体を介して制御され得ることを示唆しているが、Grandoの例は、ADRβ2とメラニン形成との関係に重点を置いていた。Grandoは更に、メラノサイトはADRβ2受容体のみを発現し、ADRβ1受容体は存在しないとすることを主張している。
上述のメカニズムのような加齢に関与する生化学過程の理解を深めることにより、化粧品業界に活力を与え、「薬用化粧品」と呼ばれることもある新規な種類の美容活物質が出現することとなった。抗酸化作用、抗炎症作用、及びフリーラジカル消去作用などを非限定的に含む意図される作用は、科学の基盤から導き出される。
Schallreuter,K.U.ら、The induction of the α−1−adrenoreceptor signal transduction system on human melanocytes,Experimental Dermatology 1996;Vol.5,Issue 1,pages 20〜23 Sivamaniら、An Epinephrine−Dependent Mechanism for the Control of UV−Induced Pigmentation,Journal of Investigative Dermatology(2009),vol.129,pages 784〜786 Grando,Adrenergic and Cholinergic Control in the Biology of Epidermis:Physiological and Clinical Significance,Journal of Investigative Dermatology Vol.126,pages 1948〜1965(2006)
本発明者らは、化粧品の機能的効果に関する既知の化粧剤の評価に関連した欠点、及び、実際の検証可能な老化防止効果を皮膚に提供するために理論に基づいた効果を実際に達成する薬剤の同定に関連した欠点を認識した。したがって、本発明者らは、特にメラニンの生成を調節することにより加齢に関連した皮膚のシミの寸法及び強度を低減するのに有効な薬剤を同定するための、生体外で行う確実かつ効果的な方法の継続的な必要性を認識した。前記文献はADRβ2受容体とメラニン形成との間の関連を確立したが、一般に、加齢によるシミにおけるアドレナリン受容体とメラニン形成との間の因果関係は確立しておらず、加齢によるシミにおけるメラニン形成を調節する更なるアドレナリン受容体を同定する必要性がなおも存在する。
本発明の実施形態は、加齢によるシミを低減しかつ肌の色合いを改善するためにメラニン生成を調節する薬剤を開発するために、ゲノミクス及びプロテオミクスの技術を適用することを目的とする。グローバルな遺伝子発現プロファイリングは、皮膚老化過程の重要側面を特定するための有用な手段を提供し、また、本発明のスキンテクノロジーの開発を可能にする情報を提供する。ゲノミクス及びプロテオミクスの適用によって取り組むことができる皮膚老化の重要な側面は、皮膚における加齢シミ又は色素沈着過度の低減である。この転写解析手法を用いることにより、化合物に応答してメラニン合成に与える影響を検出することが可能である。遺伝子マイクロアレイは、皮膚が老化する間に転写レベルで生じる変化を理解するための新しいツールである。本発明者らは、遺伝子発現データを収集し、加齢の影響を受ける特定の経路を同定するために高度な生物情報学を適用した。
具体的には、本発明者らは、以下に記載される最新のゲノム解析及びsiRNAノックダウン技術を用いることにより、ADRβ1受容体と、ADRβ3受容体と、メラニン形成との間の関連を見出し、更には、ADRβ1受容体及びADRβ3受容体を調節することにより、加齢によるシミにおけるメラニンの生成が制御されることを認識した。この関連を実証するため、以下に提供される加齢シミのゲノム解析は、シミのない皮膚と比べて、加齢によるシミにおいてADRβ1遺伝子が有意に過剰発現することを示している。これに対し、ADRβ1遺伝子は、シミのない皮膚と比べて、加齢によるシミにおいてはるかに高い発現を明確に示すが、メラニン合成と通常関連する遺伝子からの転写物、例えば、チロシナーゼ及びチロシナーゼ関連タンパク質−1は、シミのない皮膚と比べて、加齢によるシミにおける発現レベルの有意な変化を全く示さない。
これら本発明の発見に基づき、色素沈着した皮膚の外観を変更するのに有効な少なくとも1つの試験薬剤を特定するためのスクリーニング方法が提供される。本方法は、ADRβ1受容体を含む細胞、細胞培養物、又はバルク細胞を試験薬剤と接触させる工程と、試験薬剤とADRβ1受容体との結合相互作用に基づき、試験薬剤が、色素沈着した皮膚の外観を変更するのに適した有効なADRβ1受容体アンタゴニストであるかどうかを判定する工程と、を含み、試験薬剤が、約1000ppm未満の半値抑制濃度を示す場合に、その試験薬剤が有効なADRβ1受容体アンタゴニストであるとする。
更なる実施形態によると、色素沈着した皮膚の外観を変更するのに有効である少なくとも1つの試験薬剤を特定するための別のスクリーニング方法が提供される。本方法は、ADRβ3受容体を含む細胞、細胞培養物、又はバルク細胞を、試験薬剤と接触させる工程と、試験薬剤とADRβ3受容体との結合相互作用に基づき、試験薬剤が、色素沈着した皮膚の外観を変更するのに適したADRβ3受容体アゴニストであるかどうかを判定する工程と、を含む。
他の実施形態によると、追加のスクリーニング方法は、色素沈着した皮膚の外観を変更するのに適したADRα1B受容体アンタゴニスト又はADRα2C受容体アンタゴニストとして有効な試験薬剤を特定することを目的とする。
更なる実施形態は、ヒトの皮膚におけるメラニンの生成を調節するこれらの薬剤を組み込んだ化粧剤に関する。
本発明の種々の実施形態の特性及び利点は、本発明の幅広い表現を与えるよう意図される特定の実施形態の図及び例を含む以下の記述から明らかになる。種々の修正は、本発明の本記述及び実践から当業者には明らかである。範囲が開示の特定の形態に制限されるよう意図されず、本発明は、「特許請求の範囲」によって定義される本発明の趣旨及び範囲に収まるすべての修正、等価物、及び代替物を網羅する。
以下の本開示の特定の実施形態の詳細な記載は、以下の図と共に読むと、より深く理解することができる。
メラニン合成経路の概略図。 メラニン合成経路の別の概略図。 メラニン合成経路とADRβ1及びADRβ2受容体との交差を示す概略図。 ADRβ1及びADRβ2受容体アゴニスト及びアンタゴニストがメラニン合成に及ぼす影響を示すグラフ。 ドブタミンがヒトの皮膚外植片に及ぼす影響を示すグラフ。 B16メラニン合成アッセイのsiRNAノックダウンデータのグラフであり、アドレナリン受容体はノックダウン測定基準(%)に基づいて比較される。 B16メラニン合成アッセイのsiRNAノックダウンデータのグラフであり、アドレナリン受容体はエピネフリンの存在下で倍率変化に基づいて比較される。 被験者が、ウンデシレノイルフェニルアラニン(Sepiwhite(登録商標)の商標名で市販されている)(ADRβ1受容体アンタゴニスト)を有するスキンケア製品を塗布された場合と、ADRβ1受容体阻害剤を有さないスキンケア製品を塗布された場合とを比較した、シミの割合(%)の低下を示す比較グラフ。
本発明の実施形態は、アドレナリン受容体、特に、ADRβ1及びADRβ3などのβアドレナリン受容体、並びにADRα2C及びADRα1Bなどのαアドレナリン受容体を調節することにより、加齢によるシミ生成を最小限に抑えることに関する。
βアドレナリン受容体に関してシグナル変換経路を検討すると、ADRβ1及びADRβ2受容体は、細胞内cAMP産生の増加をもたらし、最終的にはチロシナーゼ発現の刺激をもたらす、同様の変換経路を共有していることが示される。このシグナル変換経路は、図3に示されるように既知の色素沈着促進経路である、メラノコルチン1受容体(MC1R)のシグナル変換経路と交差する。
上述の通り及び図3に示されるように、ADRβ1及びADRβ2受容体を誘発することにより、チロシナーゼの産生を駆動するcAMPレベルが上昇して、色素沈着を駆動する既知の経路と交差する。具体的には、図のように、ADRβ1及びADRβ2受容体は、アデニリルシクラーゼを活性化させるGs G−タンパク質と交差し、環状アデノシンモノリン酸(cAMP)の形成を触媒する。cAMPのレベルが増加すると、小眼球症関連転写因子(MITF)の発現増加を促進し、チロシナーゼアップレギュレーションまで下流に進む。MITFは、メラノサイトの発生及び機能を制御するのを助ける(即ち、皮膚において生成されるメラニンのレベルを制御する)。
ADRβ1及びADRβ2受容体は同様の色素沈着経路を共有するので、ADRβ1及びADRβ2遺伝子は共に、過剰なメラニンを有する加齢シミにおいて過剰発現されると予想されるが、この場合はそうではない。ゲノミクス研究により、本発明者らは、驚くべきことに、ADRβ1遺伝子は加齢シミにおいて高度にアップレギュレートされる一方で、ADRβ2遺伝子は、加齢シミにおいて高度にアップレギュレートされないことを見出した。本明細書で使用するとき、高度にアップレギュレートされたとは、遺伝子が、加齢シミにおいて、少なくとも2である倍率変化及び0.05未満のp値を明確に示したことを意味する。
以下の表2を参照すると、本発明者らは、加齢によるシミを有する生検皮膚サンプル及び加齢によるシミを有さない生検皮膚サンプル(即ち、シミのない皮膚)上のAffyチップを使用して、比較実験によるゲノミクス研究を行った。ゲノミクス研究は、分子生物学及びゲノム研究で広く用いられる技術であるマイクロアレイを使用した。マイクロアレイは、それぞれが標的遺伝子に対するプローブを含有する一連の核酸オリゴヌクレオチドのアレイを含む。プローブは、標的cDNA又はcRNAサンプルにハイブリダイズするように設計された、標的遺伝子(又は他の標的DNA)の短い部分である。ハイブリダイゼーションは、その後、サンプル中の特定配列の相対的存在量を特定するために、フルオロフォア標識された標的を含み得る、当該技術分野において既知の方法で検出及び定量化される。アレイは何千ものプローブを含有することができ、「グローバル」アレイは、ある種の既知の遺伝子の全個体群のプローブを含有するものと理解される。一般に、プローブは、結合化学により、ガラス又はシリコンチップなどの固体基質に付着される。口語的に言えば、Affymetrix(商標)ブランドのチップを使用する場合、これらはAffyチップとして知られている。このようなマイクロアレイは遺伝子チップとしても知られている。多くのその他のマイクロアレイプラットフォーム又は検出システムが本明細書において企図される。本発明の一実施形態は、遺伝子の独自のパネルを標的とするオリゴヌクレオチドをハイブリダイズするが、とりわけ本発明の方法を実施するのを可能にする独自のアセンブリを企図する。
本研究で得られた生検皮膚サンプルを統計的に分析すると、シミのない皮膚と対比した場合の加齢によるシミの倍率変化が14.5であることによって立証されたように、ADRβ2遺伝子は、シミのない皮膚と比べて加齢シミ(例えば、日光黒子)において有意にアップレギュレートされることが見出された。一方、ADRβ2及びADRβ3の発現レベルは、シミのない皮膚と比較して加齢によるシミにおいて有意差があるとは言えない。
Figure 0005801406
これらの発見に基づき、本発明は、ヒトの皮膚におけるメラニンの生成及び調節と関連している遺伝子を含む遺伝子パネルを目的とする。本遺伝子パネルは、ADRβ1遺伝子と、任意にADRβ2遺伝子とを含む。特定の実施形態では、遺伝子パネルは、ADRβ1遺伝子及びADRβ2遺伝子の両方を含み得る。これらの受容体遺伝子は、メラノサイト及びケラチノサイトの両方に存在する。
遺伝子パネルにコードされるこれらの遺伝子及び受容体の量及び活性は、色素沈着したシミ、そばかす、肝斑、日光黒子、又はこれらの組み合わせに存在するメラニンの量と関連する。具体的には、これらの遺伝子は、受容体タンパク質にコードされるとき、メラニンの合成を容易にする。更なる実施形態において、本発明はまた、本発明の遺伝子パネルの遺伝子のうちの1つ以上の遺伝子産物(即ち、受容体タンパク質)を含むバイオマーカーパネルを目的とし得る。1つ以上の遺伝子産物は、ADRβ1受容体タンパク質と、任意にADRβ2受容体タンパク質とを含み得る。更なる実施形態において、1つ以上の遺伝子産物は、ADRβ1受容体タンパク質とADRβ2受容体タンパク質とを含み得る。ADRβ1遺伝子及びその遺伝子からコードされる産物に結合する薬剤を単離するために、核酸に特異的にハイブリダイズする固定化オリゴヌクレオチドを含むマイクロアレイを利用する。
本発明は更に、これらのマイクロアレイを利用して、薬剤が色素沈着した皮膚の外観を改善するのに有効であるかどうかを判定するスクリーニング方法を目的とする。本方法は、細胞、細胞培養物、又はバルク細胞を試験薬剤と接触させることを含み得、かかる細胞、細胞培養物、又はバルク細胞はADRβ1受容体を含む。試験薬剤は、特定の核酸に結合又はハイブリダイズするいくつかの組成物である。様々なオリゴヌクレオチド組成物が試験薬剤に適すると考えられる。一実施形態において、試験薬剤はパルミトイル化ペプチドである。更なる実施形態において、試験薬剤は、palGQPR、palGHK、acetylGHK、acetylGQPR、ヘキサミジン、ウンデシレノイルフェニルアラニン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。
本方法は、試験薬剤がADRβ1受容体のアンタゴニストである場合、試験薬剤が色素沈着した皮膚の外観を改善するのに有効であるかどうかを判定する工程を更に含む。一実施形態において、試験薬剤が約1000ppm未満の半値抑制濃度(IC50)を示す場合、試験薬剤は、ADRβ1受容体アンタゴニストであると特定され得る。更なる実施形態において、ADRβ1受容体アンタゴニストは、約100ppm未満、又は約50ppm未満の半値抑制濃度を示す。半値抑制濃度のこの測定基準を用いることにより、ADRβ1受容体アンタゴニストのアンタゴニスト活性を、ヒトの皮膚における過度に色素沈着したシミの外観を改善するADRβ1受容体アンタゴニストの能力と相関させることが可能である。更なる実施形態において、ADRβ1受容体アンタゴニストがADRβ1受容体と結合すると、発光参照シグナルが生じ、照度計、蛍光プレートリーダ、又は蛍光光度計によりこれを測定することができる。
表2に示されるように、本発明者らは、試験薬剤をペプチドからパルミトイル化ペプチドに変更することにより、ADRβ1阻害剤としての有効性が大きく改善することを更に認識している。例えば、未修飾GHK及びGQPRをパルミトイル化GHK及びGQPRと比較した場合、GHK及びGQPRペプチドの有効性は大きく改善される。更に表2に示されるように、未修飾GHK及びGQPRをacetylGHK及びacetylGQPRを生成するように修飾することによっても、ADRβ1阻害剤としての有効性が改善され、したがって、他のペプチド修飾もADRβ1受容体阻害にとって有益性を示し得ると想到される。
Figure 0005801406
本方法は、ADRβ1受容体アンタゴニストのスクリーニングを目的とするが、試験薬剤は、ADRβ2受容体のアンタゴニストとしても作用し得ることが考えられる。ADRβ2受容体のアンタゴニストを検出する際、追加の細胞、細胞培養物又はバルク細胞を使用し得る。本方法は、第2の細胞、第2の細胞培養物、又は第2のバルク細胞のセットを試験薬剤と接触させる工程と、試験薬剤がADRβ2受容体のアンタゴニストである場合に、試験薬剤が色素沈着した皮膚の外観を改善するのに有効であるかどうかを判定する工程とを更に含み得る。ADRβ1及びADRβ2は同様の変換経路を有するので、B16細胞内で機能するsiRNAは、ADRβ1及びADRβ2の両方を機能的に色素沈着促進受容体であるとして関係づけるが、ADRβ1は加齢によるシミにおいて有意にアップレギュレートされるので、加齢によるシミの発現プロファイルは、驚くべきことに、ADRβ1とADRβ2を調節において区別する。
更なる実施形態では、ADRβ1受容体及び/又はADRβ2受容体のアンタゴニストを、皮膚への局所適用のために処方された化粧品組成物に組み込むことができる。当業者によく知られている様々な追加成分を含んでいてもよいこの化粧品組成物は、皮膚の色素沈着した外観を改善するために、これらのADRβ1受容体及び/又はADRβ2受容体アンタゴニストを利用する。
ADRβ1アンタゴニスト、ADRβ2アンタゴニスト、又はこれらの組み合わせとして好適な試験薬剤の特定には、B16細胞アッセイ又は皮膚モデルからなる群から選択されるメラニン合成アッセイを使用することができる。American Tissue Culture Collection(ATCC)から入手したマウスメラノーマ細胞であるB16−F1細胞は、メラニン生成の合成機構を備えており、ベンチマークとなるいくつかのホワイトニング/タンニング剤に反応する。以下の実験は、メラニン合成に対する試験薬剤の効果を判定するための1つの代表的な方法を示す。
B16細胞アッセイ実験
この実験では、0.5mLのB16−F1細胞を29.5mLのB16−F1培養培地に加えて2つの別個のT−150フラスコに入れ、コンフルエントに近くなるまで(〜80%)増殖させる。培養培地B16−F1は、次の表1に示されている以下の成分を含む。
Figure 0005801406
T−150フラスコからの細胞をトリプシン処理し、血球計算板で計数した。次に、細胞のバイアル(1×106細胞アリコート)を、B16−F1培養培地95%とDMSO(ジメチルスルホキシド)5%とを含む混合物中で凍結し、液体窒素に入れた。全細胞培養試薬(トリプシンを除く)を37℃の水浴中で加熱した。
ゼロ日目に、B16−F1培養培地29mLを37℃のT−150フラスコに入れた。次に、凍結細胞のバイアルを得、37℃の水浴の中で解凍し、T−150フラスコに入れた。フラスコを撹拌して細胞を培地と混合した後、CO2 5%を含む加湿環境下において、フラスコを37℃で3日間インキュベートした。3日目に、フラスコからの細胞をトリプシン処理し、細胞密度を測定した。この時点で、細胞を、ウェル当たり2,500細胞で96ウェルプレートに分けた。5日目に、細胞を試験薬剤で処理した。7日目に、細胞をメラニン生成及び毒性に関してアッセイした。
図4のグラフを参照すると、既知のADRβ1及びADRβ2アゴニスト及びアンタゴニストの効果を実証するために、本発明者らはB16細胞アッセイを利用した。図のように、既知のADRβ1アゴニストであるドブタミン及び既知のADRβ2アゴニストであるイソプレナリンの濃度(w/v%)が増加すると、メラニン合成(%MS又は%メラニン合成)が増加する。イソプレナリンADRβ2アゴニストの場合、イソプレナリンの濃度が上昇するにつれて、メラニン合成はほぼ300%まで著しく高められた。上述の通り、ADRβ1及びADRβ2を刺激することにより、既知のメラニン形成経路におけるチロシナーゼ産生を駆動するcAMPレベルが上昇する。更に、図5を参照すると、本発明者らは、ADRβ1アゴニストであるドブタミンは、同様に加齢によるシミと関係があるパラクリン因子であるStem Cell Factor & Endothelin(Endo−SCF)よりも、ヒトの皮膚外植片における色素沈着遺伝子発現を誘発することを発見した。
ADRβ1及び/又はADRβ2受容体のアンタゴニストは、メラニン形成を調節することによりヒトの皮膚の外観を制御するという点で有効であることが認識されたことに加えて、ADRβ3のアゴニストもまた、メラニン形成を調節することによりヒトの皮膚の外観を制御するのを助けることを、本発明者らは認識した。ADRβ1及びADRβ2受容体とは異なり、ADRβ3受容体は異なる下流シグナル変換経路を有し、したがってメラニン形成との関係が異なることを本発明者らは見出した。
ADRβ3受容体は、内皮一酸化窒素合成酵素の活性化を通じて一酸化窒素生成を刺激する。一酸化窒素はグアニル酸シクラーゼを活性化させ、環状グアノシン一リン酸(cGMP)レベルを増加させ、cAMPレベルを低減させる。cAMPレベルを低減することにより、チロシナーゼの産生が低減する。チロシナーゼは色素沈着経路の主要成分であるので、チロシナーゼを低減することによりメラニン生成が低減し、それによって加齢によるシミが減少する。
その結果、本発明の更なる実施形態は、ADRβ3遺伝子と、任意にADRβ1遺伝子及びADRβ2遺伝子の少なくとも一方とを含む遺伝子パネルを目的とする。遺伝子パネルに加えて、本発明は、ADRβ3受容体タンパク質と、任意にADRβ1及びADRβ2受容体タンパク質の少なくとも一方とを含む1つ以上のコード化遺伝子産物を含むバイオマーカーパネルを包含し得る。
ADRβ3受容体アゴニストの有効性に注目して、本発明の実施形態は、ADRβ3受容体アゴニストとして有効な薬剤を判定するスクリーニング方法を目的とする。本方法は、ADRβ3受容体を含む細胞、細胞培養物、又はバルク細胞を試験薬剤と接触させる工程と、試験薬剤がADRβ3受容体のアゴニストである場合に、色素沈着した皮膚の外観を改善するのに有効である試験薬剤を特定する工程とを含み得る。
上述した化粧品組成物又は化粧品と同様に、皮膚への局所適用のために処方された化粧品組成物にADRβ3受容体のアゴニストを組み込むことができる。メラニンの生成を更に制御するために、化粧品組成物は、ADRβ1受容体アンタゴニスト、ADRβ2受容体アンタゴニスト、又はその両方を含み得る。当業者によく知られている様々な追加成分を含んでいてもよいこの化粧品組成物は、皮膚の色素沈着した外観を改善するために、これらのADRβ3受容体アゴニストを単体で、又はADRβ1受容体及び/若しくはADRβ2受容体アンタゴニストと組み合わせて、利用することができる。ADRβ1アンタゴニストとADRβ3アゴニストとの組み合わせは、アドレナリン受容体によってメラニン形成を阻止するために相乗的に作用すると考えられている。ADRβ3アゴニストは、ZD7114、アミベグロン、ソラベグロン、L−796568、CL−316243、LY−368842、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される1種以上の化合物を含み得る。
本発明者らはまた、上述のB16マウスメラノーマ細胞株のsiRNAノックダウン研究を用いて、メラニン形成の阻害に適した遺伝子標的を同定した。siRNAは、メラニン形成制御因子としての有効性を評価するためにメラニン形成アッセイ中の目的の遺伝子を単離する。siRNA技術は、個々の遺伝子の活性を阻害して、マウスメラノーマ細胞株(B16−F1)中のメラニン形成のアップレギュレーション又はダウンレギュレーションのいずれかをもたらすために、トランスフェクションによってB16細胞に細胞外から導入される低分子干渉RNA(siRNA)を使用する。
図6を参照すると、siRNAノックダウンデータは、ADRβ3遺伝子のダウンレギュレーション、並びにADRβ1及びADRβ2遺伝子のアップレギュレーションを明確に示している。図7及び上記表1を参照すると、siRNAは、0.5を有意に下回る倍率変化値によって明確に示されるように、ADRβ1及びADRβ2遺伝子の遺伝子発現を阻害する一方で、ADRβ3遺伝子は、2を超える倍率変化によって示されるように高度に発現された。siRNAはADRβ1及びADRβ2遺伝子と干渉したので、これらの遺伝子は、エピネフリンと結合してメラニンを生成する受容体にコードされず、したがって色素沈着は低減した。siRNAはADRβ3遺伝子と干渉したので、これらの遺伝子は、エピネフリンと結合する受容体にコードされ、それによってメラニン生成が増加した。
上述の通り及び図6に示されるように、本発明者らはまた、siRNAノックダウンデータによって、アドレナリン遺伝子ADRα1B及びADRα2Cがメラニン形成と高度に関連していることを発見した。ADRβ1及びADRβ2遺伝子と同様に、siRNAはADRα1B及びADRα2C遺伝子と干渉したので、これらのアップレギュレートされた遺伝子は、エピネフリンと結合してメラニンを生成する受容体にコードされなかった。これらの発見に基づき、本発明の実施形態は、ADRα1B遺伝子、ADRα2C遺伝子、又はその両方を含む遺伝子パネルを目的とする。本発明の実施形態はまた、ADRα1B遺伝子、ADRα2C遺伝子、又はその両方の遺伝子産物を含むバイオマーカーパネルを包含し得る。
ADRα1B及びADRα2C受容体のアンタゴニズムは、メラニン形成を妨害すると考えられているので、当業者によく知られている様々なスクリーニング方法を用いて、ADRα1B及びADRα2Cのアンタゴニストをスクリーニングすることが有益である。更なる実施形態において、これらのADRα1B及び/又はADRα2Cのアンタゴニストを、加齢によるシミにおけるメラニンの生成を調整するために使用される様々な化粧品又はスキンケア処方で使用することが可能である。例示的な実施形態において、ADRα1Bアンタゴニストは、ドキサゾシン、プラゾシン、又はこれらの組み合わせを含み得、ADRα2Cアンタゴニストは、ヨヒンビン、スピロキサトリン、又はこれらの組み合わせを含み得る。更なる例示的な実施形態では、例えば、IC50=4ppmを示すカルベジロール及びラベタロールなどの、α及びβ受容体の両方を阻害するアンタゴニストを使用してもよい。
更に、化粧品又はスキンケア組成物の更なる実施形態は、αアドレナリン受容体であるADRα1B及び/又はADRα2Cのアンタゴニストと、ADRβ1アンタゴニスト又はADRβ3アゴニストとの組み合わせを利用してもよい。標的となる多重アドレナリン受容体は、特にアゴニストとアンタゴニストとの組み合わせを使用する場合に、メラニン形成のより良好な制御性をもたらす。
上述の通り、アドレナリン受容体を調節し、それによって加齢によるシミにおけるメラニンの生成を改変するために使用される薬剤を、様々なスキンケア組成物、例えば、化粧品又はクレンジング組成物に組み込むことができる。様々な組成物及び成分が考えられる。スキンケア組成物は、増粘剤、担体、追加のスキンケア用活性物質、及び以下に詳細に説明されるような他の追加成分を任意に含む他の様々な組成物中に、本発明のアドレナリン受容体アンタゴニスト及びアゴニストを含み得る。
一実施形態において、スキンケア組成物は、メラニン形成を調節するために使用される薬剤を約0超〜約10重量%含む、水中油型エマルション(例えば、水中シリコーンエマルション)である。代替実施形態において、スキンケア組成物は、メラニン形成を調節するために使用される薬剤を約0超〜約5%、又は約0超〜約1%含み得る。これらの薬剤としては、ADRβ1受容体アンタゴニスト、ADRβ3受容体アゴニスト、ADRα1B受容体アンタゴニスト、ADRα2C受容体アンタゴニスト、又はこれらの組み合わせを挙げることができる。
図8を参照すると、ADRβ1アンタゴニストであるウンデシレノイルフェニルアラニン(Sepiwhite)を含むスキンケア組成物の有効性を評価するために比較実験を行った。実験では、この研究の被験者は、次の3つの製品のうちの2つを、顔の両側に4週間又は8週間にわたって適用された:1)水中油型皮膚保湿剤(溶媒);2)皮膚美白剤として知られているナイアシンアミド5%(5% N)を含有する水中油型皮膚保湿剤;又は3)ナイアシンアミド5%とウンデシレノイルフェニルアラニン1%と(5% N+1% UA)を含有する水中油型皮膚保湿剤。図8に示されるように、ウンデシレノイルフェニルアラニン(ADRβ1アンタゴニスト)を有する処方は、シミ領域の割合(%)の最も高い減少を実証し、このシミ領域の割合とは、シミ領域の定量化を目的とした画像解析のためのマスク領域(関心領域)で占められた加齢によるシミ領域の割合である。研究が4〜8週間過ぎると、シミの割合(%)は更に減少し、ナイアシンアミドのみを有する処方と比較して統計的に有意な減少を実証し、それによって、ADRβ1アンタゴニストを含むスキンケア組成物の長期間にわたる適用が、加齢によるシミにおけるメラニン形成を大幅に最小化することになることが示された。
代表的な水中油型エマルションの他に、以下に記載されるような様々な追加のスキンケア組成物及び成分が考えられる。これらの組成物は、Bissettらの米国特許出願公開第20060074097号に記載されており、当該特許出願は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
本発明の組成物は、一般に、局所適用組成物を製造する当該技術分野において既知であるような従来の方法によって調製される。このような方法は、通常、加熱、冷却、真空の適用などを用いて又は用いずに、成分を1つ以上の工程で混合して比較的均一な状態にするものである。組成物は、好ましくは、安定性(物理的安定性、化学的安定性、光安定性)、及び/又は活性物質の送達を最適化するように調製される。この最適化には、適切なpH(例えば7未満)、活性剤と錯体になり、ひいては安定性又は送達にマイナスの影響を与え得る物質の排除(例えば、汚染鉄の排除)、錯体形成を防止する手法(例えば、適切な分散剤又は二重区画包装)の使用、適切な光安定性の手法(例えば、日焼け止め剤/日焼け防止剤の組み込み、不透明包装の使用)の使用などが含まれてもよい。
組成物を適用するための様々なレジメンが、本明細書において考えられる。好ましい実施形態では、組成物は長期間皮膚に適用される。「長期局所適用」とは、患者の生涯にわたって、好ましくは少なくとも約1週間、より好ましくは少なくとも約1か月間、更により好ましくは少なくとも約3か月間、更により好ましくは少なくとも約6か月間、なお一層好ましくは少なくとも約1年間にわたって、組成物を連続的に局所に適用することを意味する。効果は、様々な最大使用期間(例えば、5年、10年、又は20年)後に得ることができるが、長期的適用は、患者の生涯を通じて継続することが好ましい。典型的には、適用はこのような長期間にわたって1日当たり約1回程度であり得るが、適用の度合いは1週間当たり約1回から1日当たり約3回又はそれ以上まで変動させることができる。
本発明の組成物は、皮膚の外観及び/又は感触に関する効果を提供するために広範囲の量を使用することができる。1回の適用当たりに通常適用される本組成物の量は、皮膚1cm2当たりの組成物(mg)で表すと、約0.1mg/cm2〜約20mg/cm2である。特に有用な適用量は、約0.5mg/cm2〜約10mg/cm2である。
ケラチン性組織の状態を調節することは、好ましくは、何らかの審美的効果、予防的効果、治療的効果、又は他の効果を、皮膚又は他のケラチン組織上に残すことが意図される、スキンローション、クリアローション、ミルキーローション、クリーム、ジェル、フォーム、軟膏、ペースト、エマルション、スプレー、コンディショナー、トニック、化粧品、口紅、ファンデーション、マニキュア液、アフターシェーブ等の形態の組成物(即ち、「リーブオン」組成物)を適用することによって実施される。組成物は、ケラチン性組織(例えば、皮膚)に適用された後、少なくとも約15分間、より好ましくは少なくとも約30分間、更により好ましくは少なくとも約1時間、最も好ましくは少なくとも数時間、例えば最長で約12時間残留されるのが好ましい。顔、毛髪、及び/又は爪の外側部分のあらゆる部分、例えば、顔、唇、目の下の領域、まぶた、頭皮、首、胴体、腕、手、脚、指の爪、足指の爪、頭皮毛髪、まつげ、眉毛等を処理することができる。本発明の組成物の適用は、例えば、手のひら及び/又は指、用具、例えば、コットンボール、綿棒、パッドなどを用いて行うことができる。
本開示の主題を詳細に及び本開示の特定の実施形態を参照して記載してきたが、本明細書に開示される様々な詳細は、本発明の説明に伴う図面のそれぞれに特定の要素が例示されている場合でさえも、これら詳細が本明細書に記載される種々の実施形態の必須構成要素を意味するように解釈されるべきではないことを指摘しておく。むしろ、本明細書に添付の「特許請求の範囲」が、本開示の範囲の唯一の表現及び本明細書に記載の種々の発明の一致する範囲として解釈されるべきである。更に、添付の「特許請求の範囲」において定められる本発明の範囲を逸脱せずに改変及び変形が可能であることは明らかであろう。より具体的には、本開示の一部の態様は、本明細書において、好ましい又は特に有利であると特定されていても、本開示は、これらの好ましい態様に必ずしも限定されないと考えられる。
「少なくとも1つの」成分、要素などの本明細書における制限は、冠詞「a」又は「an」の選択的使用が単一成分、要素などに限定されるべきであるという推論を生ずるように用いられてはならないこともまた指摘しておく。「好ましくは」、「一般的に」、及び「典型的には」などの用語は、本明細書で用いられる場合、特許請求の範囲に記載されている発明を制限するために、又は特定の特徴が特許請求の範囲に記載されている発明の構造又は機能にとって重大、必須、又は更には重要であることを示唆するように用いられていないことを指摘しておく。むしろこれらの用語は、本開示の実施形態の特定の態様を特定すること、あるいは、本開示の特定の実施形態の中で利用されてもよい又は利用されない代替的又は追加的特長を強調することを単に意図している。
上記の説明では、遺伝子は大文字及びイタリック体で表示され、タンパク質又は受容体はイタリック体のない大文字で表示されている。
本出願で引用したすべての文献は、その関連部分において参照により本明細書に組み込まれるが、いかなる文献の引用も、それが本発明に対する先行技術であることを容認するものと解釈すべきではない。この文書における用語のいずれかの意味又は定義が、参照により組み込まれる文献における用語のいずれかの意味又は定義と矛盾する範囲については、本文書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。

Claims (7)

  1. 色素沈着した皮膚の外観を変更するのに有効な少なくとも1つの試験薬剤を特定するためのスクリーニング方法であって、
    ADRβ1受容体を含む細胞、細胞培養物、又はバルク細胞を前記試験薬剤と接触させる工程であって、前記試験薬剤は、パルミトイル化ペプチドである工程と、
    前記試験薬剤と前記ADRβ1受容体との結合相互作用に基づき、前記試験薬剤が、色素沈着した皮膚の外観を変更するのに適した有効なADRβ1受容体アンタゴニストであるかどうかを判定する工程と、
    を含み、
    試験薬剤が、1000ppm未満の半値抑制濃度を示す場合に、該試験薬剤が有効なADRβ1受容体アンタゴニストであるとする、スクリーニング方法。
  2. 前記ADRβ1受容体アンタゴニストに翻訳されるADRβ1遺伝子が、少なくても2の倍率変化値及び0.05未満のP値を有すると統計分析によって立証されるアップレギュレーションを明確に示す、請求項1に記載のスクリーニング方法。
  3. 前記ADRβ1受容体アンタゴニストが、ADRβ2受容体のアンタゴニストとしても作用する、請求項1に記載のスクリーニング方法。
  4. 第2の細胞、第2の細胞培養物、又は第2のバルク細胞のセットを前記試験薬剤と接触させる工程と、前記試験薬剤が前記ADRβ2受容体のアンタゴニストである場合に、前記試験薬剤が、色素沈着した皮膚の外観を変更するのに有効であると判定する工程とを更に含む、請求項1に記載のスクリーニング方法。
  5. メラニンの生成を調節し、それによってヒトの皮膚における加齢によるシミの外観を低減する前記ADRβ1受容体アンタゴニストの能力を、前記ADRβ1受容体アンタゴニストのアンタゴニスト活性と相関させる工程を更に含む、請求項1に記載のスクリーニング方法。
  6. B16細胞アッセイ又は皮膚モデルからなる群から選択されるメラニン合成アッセイで前記試験薬剤を評価する工程を更に含む、請求項1に記載のスクリーニング方法。
  7. ADRβ1受容体アンタゴニストとADRβ1受容体との間の結合相互作用に応じて発光シグナルが生成される、請求項1に記載のスクリーニング方法。
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