JP2005053789A - マトリックスメタロプロテアーゼ−12インヒビターを皮膚老化抑制因子として含有する医薬又は皮膚外用組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は各種老化モデル動物の皮膚に由来する遺伝子についてDNAマイクロアレイ解析を行うことで皮膚老化に関与する因子を探索し、皮膚老化の予防及び治療に有効な新規の皮膚老化抑制因子を見出すことを課題とする。
【解決手段】本発明はマトリックスメタロプロテアーゼ−12インヒビターを皮膚老化抑制因子として用い、皮膚老化表現形質を改善及び/又は予防する方法、並びにそのような皮膚老化抑制因子を含んで成る医薬又は皮膚外用組成物、さらにはそのような皮膚老化抑制因子のスクリーニング方法に関する。
【選択図】 なし
【解決手段】本発明はマトリックスメタロプロテアーゼ−12インヒビターを皮膚老化抑制因子として用い、皮膚老化表現形質を改善及び/又は予防する方法、並びにそのような皮膚老化抑制因子を含んで成る医薬又は皮膚外用組成物、さらにはそのような皮膚老化抑制因子のスクリーニング方法に関する。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はマトリックスメタロプロテアーゼ−12インヒビターを皮膚老化抑制因子として用い、皮膚老化表現形質を改善及び/又は予防する方法、並びにそのような皮膚老化抑制因子を含んで成る医薬又は皮膚外用組成物、さらにはそのような皮膚老化抑制因子のスクリーニング方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
皮膚老化は、その要因に基づき、大まかに自然老化、光老化、更年期障害老化に分類することができる。自然老化は文字通り加齢による老化現象であり、一般に赤みの減少、黄みの増加、角層水分量の減少、たるみ、皮脂減少などの表現形質を特徴とする。光老化は紫外線照射を原因する老化現象であり、一般に黄みの増加、角層水分量の減少、しわなどの表現形質を特徴とする。そして、更年期障害老化は閉経を原因とする女性ホルモンのアンバランス化からくる老化現象であり、一般に赤みの減少、黄みの増加、角層水分量の減少、皮脂減少などの表現形質を特徴とする。更年期障害老化の場合、例えばエストラジオール等のホルモン療法を行うことにより皮膚老化表現形質の改善が認められる場合がある。このように、皮膚老化はその原因に応じて表現形質も微妙に変化し、それぞれ異なる複雑なメカニズムを介して進行するものと考えられる。
【0003】
皮膚の抗老化剤に関する研究開発はかなり行われているが、老化に関するメカニズムは十分に解明されておらず、より効果的な抗老化剤の出現が待ち望まれている。皮膚老化のメカニズムの解明は主にタンパク質レベルで行われており、例えば、マトリックスの主要な成分であるコラーゲンの減少が皮膚のたるみ、はりの低下に関わり、またエラスチンの分解変性がエラスチン分解酵素であるエラスターゼの過剰発現により起こり、弾力性の低下の原因となる等といった事実まで解明されている。その結果、コラーゲンの産生を促進し、コラーゲンの減少を防いだり、エラスターゼの過剰な発現を抑え、エラスチンの破壊、変性を防止することが皮膚の老化防止に重要であることまでは判明されている(特開平11−335235号公報)。
【0004】
しかしながら、このようなタンパク質レベルでの皮膚老化の研究は皮膚老化の表現形質からアプローチしたものであり、これにより皮膚老化をその根本的な原因に応じて抑制、予防する抗老化剤を見つけることはできない。上述のように皮膚老化はその原因に応じて表現形質も異なるため、その種類に応じた効果的な抗老化剤を開発する必要があり、タンパク質レベルの域を越えた、例えば遺伝子レベルでのメカニズムの解明が望まれる。しかるに、皮膚RNAの採取の困難性等を理由に、遺伝子レベルでのアプローチから皮膚老化現象の解明を図る研究は十分にはされていなかった。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−335235号公報
【特許文献2】
特表2002−515898号公報
【特許文献3】
特表2002−534435号公報
【特許文献4】
特表2002−534404号公報
【特許文献5】
特表2001−501594号公報
【非特許文献1】
J. Invest. Dermatol. 2000 Jun. 114(6):1113−9
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は各種老化モデル動物の皮膚に由来する遺伝子についてDNAマイクロアレイ解析を行うことで皮膚老化に関与する因子を探索し、皮膚老化の予防及び治療に有効な新規の皮膚老化抑制因子を見出すことを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は老化モデル動物の皮膚に由来する遺伝子についてDNAマイクロアレイ解析に成功し、皮膚老化に関与する因子を見出すことができた。
【0008】
本発明者はDNAマイクロアレイ解析の結果、卵巣摘出により更年期障害を人為的に誘導して皮膚老化させたモデルラット(以下「更年期障害モデル」と称する場合がある)及び自然皮膚老化したモデルマウスの皮膚由来の遺伝子群の双方において、マトリックスメタロプロテアーゼ−12(以下、「MMP−12」と称する場合がある)及びオステオポンチン遺伝子の発現が特異的に亢進されていることを見出した。従って、マトリックスメタロプロテアーゼ−12の活性を阻害できれば、皮膚の老化を治療及び/又は予防できるものと推認される。
【0009】
マトリックスメタロプロテアーゼ−12はマクロファージエラスターゼ(HME)とも称され、マトリックスメタロプロテアーゼファミリーの一メンバーであり、エラスチンを分解する。また、エラスチンの他に、IV型コラーゲン、ファイブロネクチン、ラミニン、ビトロネクチンなどのマトリックス、ノンマトリックス成分を分解する。マトリックスメタロプロテアーゼファミリーによる結合組織の非制御分解は、慢性関節リウマチ、変形性関節症、敗血性関節炎;角膜、皮膚、又は胃潰瘍;腫瘍転移、浸潤、又は血管形成;歯周病;タンパク尿;アルツハイマー病;冠状血栓症、及び骨疾患等の多くの病理状態の特徴である。マトリクスメタロプロテアーゼファミリーはまた、腫瘍壊死因子(TNF)の生合成及びTNFの生産又は作用の阻害にも関わっている。しかしながら、皮膚老化に注目すると、マトリックスメタロプロテアーゼファミリーのうちMMP−1、2、9が皮膚老化に関与し、その活性を阻害することで皮膚老化を抑制できるとの具体的な報告はあるが(例えば特表2002−515898号公報参照)、マトリックスメタロプロテアーゼ−12に限っては、それと皮膚老化との関係を示唆する論文や研究発表はない。マトリックスメタロプロテアーゼ−12に関しては皮膚癌、光線性ダメージなどにより発現が亢進するとの報告があるにすぎない。例えば、J. Invest. Dermatol. 2000 Jun. 114(6):1113−9(Expression of human macrophage metalloprotease (MMP−12) by tumor cells in skin cancer.)、J. Invest. Dermatol. 1999 Oct. 113(4):664−72 (Accumulation of matrilysin (MMP−7) and macrophage metalloelastase (MMP−12) in actinic damage.)、 J. Invest. Dermatol. 1999 Apr. 112(4):499−505 (Enhanced expression of human metalloprotease (MMP−12) in cutaneous granulomas and macrophage migration.)を参照されたい。従って、皮膚老化によりマトリックスメタロプロテアーゼ−12の発現が亢進されることは極めて驚くべき事実である。
【0010】
第一の観点において、本発明はマトリックスメタロプロテアーゼ−12インヒビターを1又は複数種皮膚老化抑制因子として含有する皮膚老化表現形質を改善又は予防するための医薬又は皮膚外用組成物を提供する。好ましくは、この皮膚老化は更年期障害及び/又は加齢を原因とするものである。
【0011】
第二の観点において、本発明は上記医薬又は皮膚外用組成物を個体、例えばヒトに投与することにより皮膚老化表現形質を改善又は予防する方法を提供する。好適な態様において、この投与は皮膚に当該医薬又は皮膚外用組成物を塗布することにより実施する。
【0012】
第三の観点において、本発明は皮膚老化抑制因子をスクリーニングする方法で提供する。このスクリーニング方法は、候補化合物をマトリックスメタロプロテアーゼ−12の活性を阻害する能力について評価し、当該阻害能力を有するマトリックスメタロプロテアーゼ−12インヒビターを皮膚老化抑制因子として選定することを特徴。好適な態様において、上記スクリーニング方法は更に、上記阻害能力を有するマトリックスメタロプロテアーゼ−12インヒビターを老化モデル動物に適用し、皮膚老化表現形質の改善・予防効果を有するインヒビターを選定することを含んで成る。
【0013】
第四の観点において、本発明は、皮膚老化の進行状態を検査する方法を提供する。この方法は、皮膚中のマトリックスメタロプロテアーゼ−12の発現が正常な皮膚中の発現に比べて亢進していたら、皮膚老化が進行していると判断することを特徴とする。
好適な態様において、上記皮膚中のマトリックスメタロプロテアーゼ−12の発現の亢進は、皮膚中のマトリックスメタロプロテアーゼ−12の量を測定することにより決定される。好ましくは、この測定はマトリックスメタロプロテアーゼ−12に特異的な抗体を利用するELISA法又はRIA法により行われる。
別の好適な態様において、上記皮膚中のマトリックスメタロプロテアーゼ−12の発現の亢進は、皮膚から抽出されたのマトリックスメタロプロテアーゼ−12をコードするmRNAの量を測定することにより決定される。好ましくは、この測定はポリメラーゼ連鎖反応法により行われる。
【0014】
第五の観点において、本発明はマトリックスメタロプロテアーゼ−12を含有する皮膚老化促進剤を提供する。
【0015】
【発明の実施の形態】
上述の通り、マトリックスメタロプロテアーゼ−12はエラスチンをはじめ、IV型コラーゲン、ファイブロネクチン、ラミニン、ビトロネクチンなどのタンパク質を基質として分解するメタロプロテアーゼである。本発明者は、更年期障害モデルマウス及び加齢マウスの皮膚由来の遺伝子のDNAマイクロアレイ解析により、更年期障害や加齢によって皮膚細胞内のマトリックスメタロプロテアーゼ−12遺伝子の発現が亢進することを驚くべきことに見出した。従って、マトリックスメタロプロテアーゼ−12の活性を抑えることで更年期障害や加齢による皮膚老化の進行を抑え、皮膚老化表現形質を改善及び/又は予防できることが推認される。
【0016】
本発明は上記マトリックスメタロプロテアーゼ−12インヒビターを皮膚老化抑制因子として含んで成る医薬又は皮膚外用組成物を提供する。本発明に係る組成物は皮膚老化表現形質、例えば弾性力低下、皮膚(真皮及び表皮)厚の減少、角層水分量減少(乾燥肌)、皮膚色変化(黄み増加、赤み減少)、くすみ、皮膚の炎症、新陳代謝活性低下等を改善・予防することができる。
【0017】
マトリックスメタロプロテアーゼ−12の上記活性を阻害するインヒビターは当業界において様々なものが知られ、例えば限定することなく、特表2002−534435号公報に記載のメルカプトアセチルアミドジペプチドカルボン酸類、特表2002−534404号公報に記載の4−ビアリール酪酸および5−ビアリールペンタン酸誘導体、特表2001−501594号公報に記載のペプチド Ser−Lys−Tyr−Pro−J−Ala−Leu−Phe−Phe−Lys(式中、Jはハイドロプロリン)及びその類似体Ser−Lys−Tyr−(NO2)−Pro−J−Ala−Leu−Phe−Phe−Lys(Abz)などが挙げられる。
【0018】
本発明の医薬又は皮膚外用組成物は、例えば水溶液、油液、その他の溶液、乳液、クリーム、ゲル、懸濁液、マイクロカプセル、粉末、顆粒、カプセル、固形剤等の形態で適用される。従来から公知の方法でこれらの形態に調製したうえで、ローション製剤、乳液剤、クリーム剤、軟膏剤、硬膏剤、ハップ剤、エアゾール剤、水−油2層系、水−油−粉末3層系、注射剤、内服剤(錠剤、散剤、顆粒剤、丸剤、シロップ剤、トローチ剤等)、坐剤等として、身体に塗布、貼付、噴霧、注射、飲用、挿入することができる。当該組成物は上記マトリックスメタロプロテアーゼ−12インヒビターを皮膚老化抑制因子として、特に限定することなく、組成物全量に基づき例えば0.001mM〜1M、好ましくは0.01〜100mM、より好ましくは0.1〜10mM程度含有するであろう。
【0019】
これらの剤型の中でも、ローション製剤、乳液剤、クリーム剤、軟膏剤、硬膏剤、ハップ剤、エアゾール剤等の皮膚外用剤が、本発明の目的に適する剤型である。なお、ここで記す皮膚外用剤には、医薬品、医薬部外品(軟膏剤等)、化粧料[洗顔料、乳液、クリーム、ジェル、エッセンス(美容液)、パック・マスク等の基礎化粧品;ファンデーション、口紅等のメーキャップ化粧品;口腔化粧品、芳香化粧品、毛髪化粧品、ボディ化粧品等]が含まれる。特に本発明の医薬又は皮膚外用組成物は、抗老化用の化粧料としての適用が好適である。
【0020】
本発明の医薬又は皮膚外用組成物においては、所望する剤型に応じて従来公知の賦形剤や香料等をはじめ、油脂類、界面活性剤、防腐剤、金属イオン封鎖剤、水溶性高分子、増粘剤、顔料等の粉末成分、紫外線防御剤、保湿剤、酸化防止剤、pH調整剤、洗浄剤、乾燥剤、乳化剤等が適宜配合される。さらにこの他の薬効成分を本発明の本発明の医薬又は皮膚外用組成物に配合することは、その配合により所期の効果を損なわない範囲内で可能である。
【0021】
皮膚老化抑制因子をスクリーニングする方法
本発明は、本発明の組成物及び方法に使用するための皮膚老化抑制因子を同定するためのスクリーニング方法も提供する。このスクリーニング方法は、候補化合物をマトリックスメタロプロテアーゼ−12の活性を阻害する能力について評価し、当該阻害能力を有するマトリックスメタロプロテアーゼ−12インヒビターを皮膚老化抑制因子として選定することを特徴。好適な態様において、上記スクリーニング方法は更に、上記阻害能力を有するマトリックスメタロプロテアーゼ−12インヒビターを老化モデル動物に適用し、皮膚老化表現形質の改善・予防効果を有するインヒビターを選定することを含んで成る。
【0022】
マトリックスメタロプロテアーゼ−12の活性を阻害する候補化合物の能力について評価する工程は当業界の技術常識の範囲内で実施され、如何なる方法に限定されるものでもない。例えば、基質としてマトリックスメタロプロテアーゼ−12により分解されるタンパク質、例えばエラスチンを用い、候補化合物の存在下でマトリックスメタロプロテアーゼ−12と酵素反応させる。そして、このような候補化合物の存在下で測定されたマトリックスメタロプロテアーゼ−12の基質分解活性が、候補化合物の不在下でのマトリックスメタロプロテアーゼ−12の基質分解活性と比較して低下したならば、かかる候補化合物は真のマトリックスメタロプロテアーゼ−12インヒビターであると判定できる。その評価基準としては、例えばマトリックスメタロプロテアーゼ−12の分解活性を50%以上、好ましくは70%以上、より好ましくは90%以上低下させる場合に真のインヒビターであると判定することができる。基質としては、エラスチンの他に、IV型コラーゲン、ファイブロネクチン、ラミニン、ビトロネクチンなどが利用できる。
【0023】
マトリックスメタロプロテアーゼ−12インヒビターの皮膚老化現象の改善・予防効果についての確認する工程はこのインヒビターを老化モデル動物、例えば卵巣摘出により更年期障害を人為的に誘導して皮膚老化させたモデル動物や自然皮膚老化したモデル動物を利用して実施することができる。動物としては例えばマウス、ラット、ウサギなど様々な動物が利用できる。好適な態様においては、このアンタゴニストの溶液、例えば水溶液を調製してから老化モデル動物の皮膚に繰り返し塗布し、老化現象の表現形質を評価することで、改善・予防効果の有無を判定することができる。老化現象の表現形質としては、例えば弾性力低下、皮膚(真皮及び表皮)厚の減少、角層水分量減少(乾燥肌)、皮膚色変化(黄み増加、赤み減少)、くすみ、皮膚の炎症、新陳代謝活性低下等が挙げられるが、それらに限定されるものではない。
【0024】
皮膚老化の進行状態を検査する方法
本発明はまた、皮膚老化の進行状態を検査する方法を提供する。この方法は、皮膚中のマトリックスメタロプロテアーゼ−12の発現が正常な皮膚中の発現に比べ亢進していたら、皮膚老化が進行していると判断することを特徴とする。ここで正常な皮膚とは、好適には上述の皮膚老化表現形質を有さない皮膚をいう。
皮膚中のマトリックスメタロプロテアーゼ−12の発現の亢進は、例えば皮膚中のマトリックスメタロプロテアーゼ−12の量を測定することにより決定される。好ましくは、この測定はマトリックスメタロプロテアーゼ−12に特異的な抗体を利用し、当業界において周知の方法、例えば蛍光物質、色素、酵素等を利用する免疫染色法、ウェスタンブロット法、免疫測定方法、例えばELISA法、RIA法等、様々な方法により実施できる。また、皮膚からRNAを抽出し、マトリックスメタロプロテアーゼ−12をコードするmRNAの量を測定することにより決定することもできる。mRNAの抽出、その量の測定も当業界において周知であり、例えばRNAの定量は定量ポリメラーゼ連鎖反応法(PCR)により行われる。
【0025】
マトリックスメタロプロテアーゼ−12を含有する皮膚老化促進剤
上述の通り、マトリックスメタロプロテアーゼ−12は更年期障害老化や加齢による皮膚老化の原因因子である可能性が示唆されていることから、マトリックスメタロプロテアーゼ−12を皮膚に適用すれば更年期障害や加齢が関与する皮膚老化を人為的に惹起できるものと考えられる。従って、マトリックスメタロプロテアーゼ−12を含有する皮膚老化促進剤を利用することにより、皮膚老化モデルを構築することが可能となる。このような皮膚老化促進剤は更年期障害老化や加齢による皮膚老化の抗老化剤の研究、開発に極めて有用である。
【0026】
以下、具体例を挙げて、本発明を更に具体的に説明する。なお、本発明はこれにより限定されるものではない。
【0027】
【実施例】
方法
更年期障害モデル動物 (OVX) の作製
5週齢のラット(HWY−1、♀)、およびマウス(HR−1、♀)に定法に従い卵巣摘出手術を施した。コントロール群(Sham)は実際の卵巣摘出以外、同様の手術を施した。さらに、卵巣摘出手術を施したラットおよびマウスにエストラジオールを2週間連続投与し、エストラジオールによるホルモン置換治療による効果も調べた(OVX+E2)。卵巣摘出手術4週間後(9週齢)、子宮重量の顕著な減少により卵巣摘出手術の是非を確認した。
【0028】
自然老化モデル動物の作製
87週齢マウス(HR−1)を自然老化マウスとして用いた。若年コントロールとして9週齢マウス(HR−1)を用いた。また、自然老化経時マウスとして20,40,60週齢マウス(HR−1)を合わせて用いた。皮膚からのRNA採取は上期卵巣摘出ラットと同様の方法を用いた。
【0029】
老化モデル動物の皮膚老化について、皮膚の色み、具体的には赤み、黄みの増減、角層水分量、並びにたるみ、しわ、皮脂量について調べた。その結果、更年期障害モデル動物では赤みの減少、黄みの増加、角層水分量の減少、皮脂の減少といった更年期障害固有の皮膚老化が認められた。自然老化モデル動物でも更年期障害モデル動物と同様に赤みの減少、黄みの増加、角層水分量の減少、皮脂の減少が認められ、さらにはたるみも認められた。尚、更年期障害モデルの場合、エストラジオールによるホルモン置換治療により角層水分量の回復が認められた。以上の結果により、更年期障害モデル動物及び自然老化モデル動物は共に皮膚老化の表現形質を示す良好なモデルであることがわかり、よってそのような表現形質を示す皮膚からRNAを採取して、皮膚老化原因遺伝子を探索した。
【0030】
皮膚からのトータルRNA採取
ラットまたはマウス背部の皮膚全層を採取、脂肪層を取り除き、1センチ角に切断して液体窒素で凍結した。凍結した皮膚片を破砕後、ISOGEN(日本ジーン社、メーカー推奨プロトコル)によりトータルRNAを抽出、RNeasy(Qiagen社)により、精製した。
【0031】
マイクロアレイ用サンプルの反応
マイクロアレイ解析はアフィメトリックス社ジーンチップ及びアジレント社マイクロアレイを用いた。
(1)アフィメトリックス社用サンプル調製
アフィメトリックス社推奨プロトコルに準じて反応を行った。トータルRNA 10μgをT7−(dT)24 プライマー、100pmol(Sigma社)と共に70℃で10分間反応させた。その後、5x第一鎖反応バッファー4μl, 0.1M DTT 2μl, 10mM dNTPミックス 1μl, Superscript II 2μl(すべてInvitrogen社)を加えて、42℃で1時間反応させた。この反応物に、Rnase非含有水91μl, 5x第二鎖反応バッファー30μl,10mM dNTP ミックス3μl,10U/μl E.coli DNA リガーゼ1μl,10U/μl E.coli DNAポリメラーゼI4μl, 2U/μl Rnase H 1μl (すべてInvitrogen社)を加え、16℃で2時間反応させた。さらに、2μl(10U/μl)のT4 DNA ポリメラーゼ(Invitrogen社)を加え、16℃で5分間反応後、10μlの0.5M EDTAを加えて反応を止めた。Phase Lock Gels (Qiagen社)を用いクリーンアップを行い、Rnase 非含有水12μlに溶出した。得られたcDNAからin vitro 転写反応によりビオチン付加cRNAを作製し(Enzo, Farmingdale)、RNeasy(Qiagen社)により精製した。cRNAをフラグメンテーションバッファー中で94℃にて35分間分断した後、ジーンチップハイブリダイゼーションに用いた。GeneChip Fluidics Station 400を用い、洗浄、染色後、アフィメトリックス社スキャナーによりデータ読み取りを行った。
【0032】
(2)アジレントcDNAマイクロアレイ用サンプル
サンプルの調製及びハイブリダイゼーションはアジレント社推奨プロトコルに準じた。トータルRNA10μgを、cDNAラベル化キット(アジレント社)を用いてラベル化cDNAを合成した。Qiaquick(Qiagen社,メーカー推奨プロトコル)にて精製後、Speed Vacにより溶媒を乾燥した。次に、マウスcDNAマイクロアレイキット(アジレント社、G410A)を用いてハイブリダイゼーション後、スライドガラスを洗浄した。アジレント社スキャナーによりデータ読み取りを行った。
【0033】
RT−PCR
皮膚から採取したトータルRNA各(Sham, OVX, OVX+E2または9週齢及び87週齢)1μgをオリゴ−dTプライマー(24mer) 100pmol(Sigma)と共に70℃で10 分(総容量20μl)反応させた。その後、5x第一鎖反応バッファー 4μl, 0.1M DTT 2μl, 2.5mM dNTP ミックス4μl, SuperscriptII 1μl(すべてinvitrogen)を加えて、42℃で1時間反応させた。最後に70℃で10分反応させて伸長させ、cDNAテンプレートを調製した。rTaq用10×バッファー 5μl, 25mM MgCl2 3μl, 2.0mM dNTP ミックス5μl, rTaq 0.5μl(すべてTOYOBO社), ddH2O 33.5μl, cDNAテンプレート各1μl (Sham, OVX, OVX+E2または9週齢及び87週齢)プライマー(下記配列参照)、センス及びアンチセンス各20mM 1μl(総容量50μl)をすべて加え、PCR反応〔94℃ 2分、(94℃ 30秒、55℃ 30秒、72℃ 1分)を30サイクル、72℃ 10分〕を行った。
【0034】
プライマー配列(ラット、マウス共通配列)
MMP−12−センス AGAAAAACTCCAGGAAATG
MMP−12−アンチセンス CTTTCTGAATCTTAGAGGA
【0035】
最後に1.5%エチジウムブロマイド含有アガロースゲルにて電気泳動して約300bpのバンドを得た。尚、参考データーのため、グリセルアルデヒド3−リン酸デヒドロゲナーゼ(GAPDH)遺伝子をPCR増幅させた。
【0036】
解析結果 1
約9,000種の遺伝子の発現を網羅的に解析した結果、更年期障害モデル動物(ラット)の皮膚では、31種の遺伝子について2分の1以下に至る発現率の減少が認められ、6種の遺伝子について1.5倍以上の発現率の亢進が認められた。そのうち、驚くべきことに、従来において皮膚老化との関与が全く示唆されていないMMP−12及びオステオポンチン遺伝子の発現が、図1及び下記の表に示すとおりコントロール動物と比べ顕著に亢進することが認められた。
【0037】
【表1】
【0038】
この結果は、マトリックスメタロプロテアーゼ−12が皮膚更年期障害の原因遺伝子である可能性が高いことを示唆する。
【0039】
解析結果2
約12,000種の遺伝子の発現をアジレント社マウスcDNAアレイを用い網羅的に解析した結果、自然老化モデル動物(マウス)の皮膚において、従来技術では皮膚自然老化との関与が全く示唆されていないマトリックスメタロプロテアーゼ−12及びオステオポンチン遺伝子の発現が、図2及び下記の表に示すとおりコントロールと比べて顕著に亢進することが認められた。経時での検討においても、図3に示すとおり、マトリックスメタロプロテアーゼ−12及びオステオポンチン遺伝子の発現は40週齢以降亢進し、87週齢では更に亢進することが認められた。
【0040】
【表2】
【0041】
この結果は、マトリックスメタロプロテアーゼ−12が皮膚自然老化現象の原因遺伝子である可能性が高いことを示唆する。
【0042】
【発明の効果】
本発明により、従来技術には存在しない全く新規な抗老化剤の提供が可能となる。
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】PCRによる、マウス更年期モデルにおけるMMP−12及びオステオポンチン遺伝子の発現を示す。
【図2】PCRによる、マウス自然老化モデルにおけるMMP−12及びオステオポンチン遺伝子の発現を示す。
【図3】マイクロアレイによる、マウス老齢モデル経時におけるMMP−12及びオステオポンチン遺伝子の発現を示す。
【発明の属する技術分野】
本発明はマトリックスメタロプロテアーゼ−12インヒビターを皮膚老化抑制因子として用い、皮膚老化表現形質を改善及び/又は予防する方法、並びにそのような皮膚老化抑制因子を含んで成る医薬又は皮膚外用組成物、さらにはそのような皮膚老化抑制因子のスクリーニング方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
皮膚老化は、その要因に基づき、大まかに自然老化、光老化、更年期障害老化に分類することができる。自然老化は文字通り加齢による老化現象であり、一般に赤みの減少、黄みの増加、角層水分量の減少、たるみ、皮脂減少などの表現形質を特徴とする。光老化は紫外線照射を原因する老化現象であり、一般に黄みの増加、角層水分量の減少、しわなどの表現形質を特徴とする。そして、更年期障害老化は閉経を原因とする女性ホルモンのアンバランス化からくる老化現象であり、一般に赤みの減少、黄みの増加、角層水分量の減少、皮脂減少などの表現形質を特徴とする。更年期障害老化の場合、例えばエストラジオール等のホルモン療法を行うことにより皮膚老化表現形質の改善が認められる場合がある。このように、皮膚老化はその原因に応じて表現形質も微妙に変化し、それぞれ異なる複雑なメカニズムを介して進行するものと考えられる。
【0003】
皮膚の抗老化剤に関する研究開発はかなり行われているが、老化に関するメカニズムは十分に解明されておらず、より効果的な抗老化剤の出現が待ち望まれている。皮膚老化のメカニズムの解明は主にタンパク質レベルで行われており、例えば、マトリックスの主要な成分であるコラーゲンの減少が皮膚のたるみ、はりの低下に関わり、またエラスチンの分解変性がエラスチン分解酵素であるエラスターゼの過剰発現により起こり、弾力性の低下の原因となる等といった事実まで解明されている。その結果、コラーゲンの産生を促進し、コラーゲンの減少を防いだり、エラスターゼの過剰な発現を抑え、エラスチンの破壊、変性を防止することが皮膚の老化防止に重要であることまでは判明されている(特開平11−335235号公報)。
【0004】
しかしながら、このようなタンパク質レベルでの皮膚老化の研究は皮膚老化の表現形質からアプローチしたものであり、これにより皮膚老化をその根本的な原因に応じて抑制、予防する抗老化剤を見つけることはできない。上述のように皮膚老化はその原因に応じて表現形質も異なるため、その種類に応じた効果的な抗老化剤を開発する必要があり、タンパク質レベルの域を越えた、例えば遺伝子レベルでのメカニズムの解明が望まれる。しかるに、皮膚RNAの採取の困難性等を理由に、遺伝子レベルでのアプローチから皮膚老化現象の解明を図る研究は十分にはされていなかった。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−335235号公報
【特許文献2】
特表2002−515898号公報
【特許文献3】
特表2002−534435号公報
【特許文献4】
特表2002−534404号公報
【特許文献5】
特表2001−501594号公報
【非特許文献1】
J. Invest. Dermatol. 2000 Jun. 114(6):1113−9
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は各種老化モデル動物の皮膚に由来する遺伝子についてDNAマイクロアレイ解析を行うことで皮膚老化に関与する因子を探索し、皮膚老化の予防及び治療に有効な新規の皮膚老化抑制因子を見出すことを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は老化モデル動物の皮膚に由来する遺伝子についてDNAマイクロアレイ解析に成功し、皮膚老化に関与する因子を見出すことができた。
【0008】
本発明者はDNAマイクロアレイ解析の結果、卵巣摘出により更年期障害を人為的に誘導して皮膚老化させたモデルラット(以下「更年期障害モデル」と称する場合がある)及び自然皮膚老化したモデルマウスの皮膚由来の遺伝子群の双方において、マトリックスメタロプロテアーゼ−12(以下、「MMP−12」と称する場合がある)及びオステオポンチン遺伝子の発現が特異的に亢進されていることを見出した。従って、マトリックスメタロプロテアーゼ−12の活性を阻害できれば、皮膚の老化を治療及び/又は予防できるものと推認される。
【0009】
マトリックスメタロプロテアーゼ−12はマクロファージエラスターゼ(HME)とも称され、マトリックスメタロプロテアーゼファミリーの一メンバーであり、エラスチンを分解する。また、エラスチンの他に、IV型コラーゲン、ファイブロネクチン、ラミニン、ビトロネクチンなどのマトリックス、ノンマトリックス成分を分解する。マトリックスメタロプロテアーゼファミリーによる結合組織の非制御分解は、慢性関節リウマチ、変形性関節症、敗血性関節炎;角膜、皮膚、又は胃潰瘍;腫瘍転移、浸潤、又は血管形成;歯周病;タンパク尿;アルツハイマー病;冠状血栓症、及び骨疾患等の多くの病理状態の特徴である。マトリクスメタロプロテアーゼファミリーはまた、腫瘍壊死因子(TNF)の生合成及びTNFの生産又は作用の阻害にも関わっている。しかしながら、皮膚老化に注目すると、マトリックスメタロプロテアーゼファミリーのうちMMP−1、2、9が皮膚老化に関与し、その活性を阻害することで皮膚老化を抑制できるとの具体的な報告はあるが(例えば特表2002−515898号公報参照)、マトリックスメタロプロテアーゼ−12に限っては、それと皮膚老化との関係を示唆する論文や研究発表はない。マトリックスメタロプロテアーゼ−12に関しては皮膚癌、光線性ダメージなどにより発現が亢進するとの報告があるにすぎない。例えば、J. Invest. Dermatol. 2000 Jun. 114(6):1113−9(Expression of human macrophage metalloprotease (MMP−12) by tumor cells in skin cancer.)、J. Invest. Dermatol. 1999 Oct. 113(4):664−72 (Accumulation of matrilysin (MMP−7) and macrophage metalloelastase (MMP−12) in actinic damage.)、 J. Invest. Dermatol. 1999 Apr. 112(4):499−505 (Enhanced expression of human metalloprotease (MMP−12) in cutaneous granulomas and macrophage migration.)を参照されたい。従って、皮膚老化によりマトリックスメタロプロテアーゼ−12の発現が亢進されることは極めて驚くべき事実である。
【0010】
第一の観点において、本発明はマトリックスメタロプロテアーゼ−12インヒビターを1又は複数種皮膚老化抑制因子として含有する皮膚老化表現形質を改善又は予防するための医薬又は皮膚外用組成物を提供する。好ましくは、この皮膚老化は更年期障害及び/又は加齢を原因とするものである。
【0011】
第二の観点において、本発明は上記医薬又は皮膚外用組成物を個体、例えばヒトに投与することにより皮膚老化表現形質を改善又は予防する方法を提供する。好適な態様において、この投与は皮膚に当該医薬又は皮膚外用組成物を塗布することにより実施する。
【0012】
第三の観点において、本発明は皮膚老化抑制因子をスクリーニングする方法で提供する。このスクリーニング方法は、候補化合物をマトリックスメタロプロテアーゼ−12の活性を阻害する能力について評価し、当該阻害能力を有するマトリックスメタロプロテアーゼ−12インヒビターを皮膚老化抑制因子として選定することを特徴。好適な態様において、上記スクリーニング方法は更に、上記阻害能力を有するマトリックスメタロプロテアーゼ−12インヒビターを老化モデル動物に適用し、皮膚老化表現形質の改善・予防効果を有するインヒビターを選定することを含んで成る。
【0013】
第四の観点において、本発明は、皮膚老化の進行状態を検査する方法を提供する。この方法は、皮膚中のマトリックスメタロプロテアーゼ−12の発現が正常な皮膚中の発現に比べて亢進していたら、皮膚老化が進行していると判断することを特徴とする。
好適な態様において、上記皮膚中のマトリックスメタロプロテアーゼ−12の発現の亢進は、皮膚中のマトリックスメタロプロテアーゼ−12の量を測定することにより決定される。好ましくは、この測定はマトリックスメタロプロテアーゼ−12に特異的な抗体を利用するELISA法又はRIA法により行われる。
別の好適な態様において、上記皮膚中のマトリックスメタロプロテアーゼ−12の発現の亢進は、皮膚から抽出されたのマトリックスメタロプロテアーゼ−12をコードするmRNAの量を測定することにより決定される。好ましくは、この測定はポリメラーゼ連鎖反応法により行われる。
【0014】
第五の観点において、本発明はマトリックスメタロプロテアーゼ−12を含有する皮膚老化促進剤を提供する。
【0015】
【発明の実施の形態】
上述の通り、マトリックスメタロプロテアーゼ−12はエラスチンをはじめ、IV型コラーゲン、ファイブロネクチン、ラミニン、ビトロネクチンなどのタンパク質を基質として分解するメタロプロテアーゼである。本発明者は、更年期障害モデルマウス及び加齢マウスの皮膚由来の遺伝子のDNAマイクロアレイ解析により、更年期障害や加齢によって皮膚細胞内のマトリックスメタロプロテアーゼ−12遺伝子の発現が亢進することを驚くべきことに見出した。従って、マトリックスメタロプロテアーゼ−12の活性を抑えることで更年期障害や加齢による皮膚老化の進行を抑え、皮膚老化表現形質を改善及び/又は予防できることが推認される。
【0016】
本発明は上記マトリックスメタロプロテアーゼ−12インヒビターを皮膚老化抑制因子として含んで成る医薬又は皮膚外用組成物を提供する。本発明に係る組成物は皮膚老化表現形質、例えば弾性力低下、皮膚(真皮及び表皮)厚の減少、角層水分量減少(乾燥肌)、皮膚色変化(黄み増加、赤み減少)、くすみ、皮膚の炎症、新陳代謝活性低下等を改善・予防することができる。
【0017】
マトリックスメタロプロテアーゼ−12の上記活性を阻害するインヒビターは当業界において様々なものが知られ、例えば限定することなく、特表2002−534435号公報に記載のメルカプトアセチルアミドジペプチドカルボン酸類、特表2002−534404号公報に記載の4−ビアリール酪酸および5−ビアリールペンタン酸誘導体、特表2001−501594号公報に記載のペプチド Ser−Lys−Tyr−Pro−J−Ala−Leu−Phe−Phe−Lys(式中、Jはハイドロプロリン)及びその類似体Ser−Lys−Tyr−(NO2)−Pro−J−Ala−Leu−Phe−Phe−Lys(Abz)などが挙げられる。
【0018】
本発明の医薬又は皮膚外用組成物は、例えば水溶液、油液、その他の溶液、乳液、クリーム、ゲル、懸濁液、マイクロカプセル、粉末、顆粒、カプセル、固形剤等の形態で適用される。従来から公知の方法でこれらの形態に調製したうえで、ローション製剤、乳液剤、クリーム剤、軟膏剤、硬膏剤、ハップ剤、エアゾール剤、水−油2層系、水−油−粉末3層系、注射剤、内服剤(錠剤、散剤、顆粒剤、丸剤、シロップ剤、トローチ剤等)、坐剤等として、身体に塗布、貼付、噴霧、注射、飲用、挿入することができる。当該組成物は上記マトリックスメタロプロテアーゼ−12インヒビターを皮膚老化抑制因子として、特に限定することなく、組成物全量に基づき例えば0.001mM〜1M、好ましくは0.01〜100mM、より好ましくは0.1〜10mM程度含有するであろう。
【0019】
これらの剤型の中でも、ローション製剤、乳液剤、クリーム剤、軟膏剤、硬膏剤、ハップ剤、エアゾール剤等の皮膚外用剤が、本発明の目的に適する剤型である。なお、ここで記す皮膚外用剤には、医薬品、医薬部外品(軟膏剤等)、化粧料[洗顔料、乳液、クリーム、ジェル、エッセンス(美容液)、パック・マスク等の基礎化粧品;ファンデーション、口紅等のメーキャップ化粧品;口腔化粧品、芳香化粧品、毛髪化粧品、ボディ化粧品等]が含まれる。特に本発明の医薬又は皮膚外用組成物は、抗老化用の化粧料としての適用が好適である。
【0020】
本発明の医薬又は皮膚外用組成物においては、所望する剤型に応じて従来公知の賦形剤や香料等をはじめ、油脂類、界面活性剤、防腐剤、金属イオン封鎖剤、水溶性高分子、増粘剤、顔料等の粉末成分、紫外線防御剤、保湿剤、酸化防止剤、pH調整剤、洗浄剤、乾燥剤、乳化剤等が適宜配合される。さらにこの他の薬効成分を本発明の本発明の医薬又は皮膚外用組成物に配合することは、その配合により所期の効果を損なわない範囲内で可能である。
【0021】
皮膚老化抑制因子をスクリーニングする方法
本発明は、本発明の組成物及び方法に使用するための皮膚老化抑制因子を同定するためのスクリーニング方法も提供する。このスクリーニング方法は、候補化合物をマトリックスメタロプロテアーゼ−12の活性を阻害する能力について評価し、当該阻害能力を有するマトリックスメタロプロテアーゼ−12インヒビターを皮膚老化抑制因子として選定することを特徴。好適な態様において、上記スクリーニング方法は更に、上記阻害能力を有するマトリックスメタロプロテアーゼ−12インヒビターを老化モデル動物に適用し、皮膚老化表現形質の改善・予防効果を有するインヒビターを選定することを含んで成る。
【0022】
マトリックスメタロプロテアーゼ−12の活性を阻害する候補化合物の能力について評価する工程は当業界の技術常識の範囲内で実施され、如何なる方法に限定されるものでもない。例えば、基質としてマトリックスメタロプロテアーゼ−12により分解されるタンパク質、例えばエラスチンを用い、候補化合物の存在下でマトリックスメタロプロテアーゼ−12と酵素反応させる。そして、このような候補化合物の存在下で測定されたマトリックスメタロプロテアーゼ−12の基質分解活性が、候補化合物の不在下でのマトリックスメタロプロテアーゼ−12の基質分解活性と比較して低下したならば、かかる候補化合物は真のマトリックスメタロプロテアーゼ−12インヒビターであると判定できる。その評価基準としては、例えばマトリックスメタロプロテアーゼ−12の分解活性を50%以上、好ましくは70%以上、より好ましくは90%以上低下させる場合に真のインヒビターであると判定することができる。基質としては、エラスチンの他に、IV型コラーゲン、ファイブロネクチン、ラミニン、ビトロネクチンなどが利用できる。
【0023】
マトリックスメタロプロテアーゼ−12インヒビターの皮膚老化現象の改善・予防効果についての確認する工程はこのインヒビターを老化モデル動物、例えば卵巣摘出により更年期障害を人為的に誘導して皮膚老化させたモデル動物や自然皮膚老化したモデル動物を利用して実施することができる。動物としては例えばマウス、ラット、ウサギなど様々な動物が利用できる。好適な態様においては、このアンタゴニストの溶液、例えば水溶液を調製してから老化モデル動物の皮膚に繰り返し塗布し、老化現象の表現形質を評価することで、改善・予防効果の有無を判定することができる。老化現象の表現形質としては、例えば弾性力低下、皮膚(真皮及び表皮)厚の減少、角層水分量減少(乾燥肌)、皮膚色変化(黄み増加、赤み減少)、くすみ、皮膚の炎症、新陳代謝活性低下等が挙げられるが、それらに限定されるものではない。
【0024】
皮膚老化の進行状態を検査する方法
本発明はまた、皮膚老化の進行状態を検査する方法を提供する。この方法は、皮膚中のマトリックスメタロプロテアーゼ−12の発現が正常な皮膚中の発現に比べ亢進していたら、皮膚老化が進行していると判断することを特徴とする。ここで正常な皮膚とは、好適には上述の皮膚老化表現形質を有さない皮膚をいう。
皮膚中のマトリックスメタロプロテアーゼ−12の発現の亢進は、例えば皮膚中のマトリックスメタロプロテアーゼ−12の量を測定することにより決定される。好ましくは、この測定はマトリックスメタロプロテアーゼ−12に特異的な抗体を利用し、当業界において周知の方法、例えば蛍光物質、色素、酵素等を利用する免疫染色法、ウェスタンブロット法、免疫測定方法、例えばELISA法、RIA法等、様々な方法により実施できる。また、皮膚からRNAを抽出し、マトリックスメタロプロテアーゼ−12をコードするmRNAの量を測定することにより決定することもできる。mRNAの抽出、その量の測定も当業界において周知であり、例えばRNAの定量は定量ポリメラーゼ連鎖反応法(PCR)により行われる。
【0025】
マトリックスメタロプロテアーゼ−12を含有する皮膚老化促進剤
上述の通り、マトリックスメタロプロテアーゼ−12は更年期障害老化や加齢による皮膚老化の原因因子である可能性が示唆されていることから、マトリックスメタロプロテアーゼ−12を皮膚に適用すれば更年期障害や加齢が関与する皮膚老化を人為的に惹起できるものと考えられる。従って、マトリックスメタロプロテアーゼ−12を含有する皮膚老化促進剤を利用することにより、皮膚老化モデルを構築することが可能となる。このような皮膚老化促進剤は更年期障害老化や加齢による皮膚老化の抗老化剤の研究、開発に極めて有用である。
【0026】
以下、具体例を挙げて、本発明を更に具体的に説明する。なお、本発明はこれにより限定されるものではない。
【0027】
【実施例】
方法
更年期障害モデル動物 (OVX) の作製
5週齢のラット(HWY−1、♀)、およびマウス(HR−1、♀)に定法に従い卵巣摘出手術を施した。コントロール群(Sham)は実際の卵巣摘出以外、同様の手術を施した。さらに、卵巣摘出手術を施したラットおよびマウスにエストラジオールを2週間連続投与し、エストラジオールによるホルモン置換治療による効果も調べた(OVX+E2)。卵巣摘出手術4週間後(9週齢)、子宮重量の顕著な減少により卵巣摘出手術の是非を確認した。
【0028】
自然老化モデル動物の作製
87週齢マウス(HR−1)を自然老化マウスとして用いた。若年コントロールとして9週齢マウス(HR−1)を用いた。また、自然老化経時マウスとして20,40,60週齢マウス(HR−1)を合わせて用いた。皮膚からのRNA採取は上期卵巣摘出ラットと同様の方法を用いた。
【0029】
老化モデル動物の皮膚老化について、皮膚の色み、具体的には赤み、黄みの増減、角層水分量、並びにたるみ、しわ、皮脂量について調べた。その結果、更年期障害モデル動物では赤みの減少、黄みの増加、角層水分量の減少、皮脂の減少といった更年期障害固有の皮膚老化が認められた。自然老化モデル動物でも更年期障害モデル動物と同様に赤みの減少、黄みの増加、角層水分量の減少、皮脂の減少が認められ、さらにはたるみも認められた。尚、更年期障害モデルの場合、エストラジオールによるホルモン置換治療により角層水分量の回復が認められた。以上の結果により、更年期障害モデル動物及び自然老化モデル動物は共に皮膚老化の表現形質を示す良好なモデルであることがわかり、よってそのような表現形質を示す皮膚からRNAを採取して、皮膚老化原因遺伝子を探索した。
【0030】
皮膚からのトータルRNA採取
ラットまたはマウス背部の皮膚全層を採取、脂肪層を取り除き、1センチ角に切断して液体窒素で凍結した。凍結した皮膚片を破砕後、ISOGEN(日本ジーン社、メーカー推奨プロトコル)によりトータルRNAを抽出、RNeasy(Qiagen社)により、精製した。
【0031】
マイクロアレイ用サンプルの反応
マイクロアレイ解析はアフィメトリックス社ジーンチップ及びアジレント社マイクロアレイを用いた。
(1)アフィメトリックス社用サンプル調製
アフィメトリックス社推奨プロトコルに準じて反応を行った。トータルRNA 10μgをT7−(dT)24 プライマー、100pmol(Sigma社)と共に70℃で10分間反応させた。その後、5x第一鎖反応バッファー4μl, 0.1M DTT 2μl, 10mM dNTPミックス 1μl, Superscript II 2μl(すべてInvitrogen社)を加えて、42℃で1時間反応させた。この反応物に、Rnase非含有水91μl, 5x第二鎖反応バッファー30μl,10mM dNTP ミックス3μl,10U/μl E.coli DNA リガーゼ1μl,10U/μl E.coli DNAポリメラーゼI4μl, 2U/μl Rnase H 1μl (すべてInvitrogen社)を加え、16℃で2時間反応させた。さらに、2μl(10U/μl)のT4 DNA ポリメラーゼ(Invitrogen社)を加え、16℃で5分間反応後、10μlの0.5M EDTAを加えて反応を止めた。Phase Lock Gels (Qiagen社)を用いクリーンアップを行い、Rnase 非含有水12μlに溶出した。得られたcDNAからin vitro 転写反応によりビオチン付加cRNAを作製し(Enzo, Farmingdale)、RNeasy(Qiagen社)により精製した。cRNAをフラグメンテーションバッファー中で94℃にて35分間分断した後、ジーンチップハイブリダイゼーションに用いた。GeneChip Fluidics Station 400を用い、洗浄、染色後、アフィメトリックス社スキャナーによりデータ読み取りを行った。
【0032】
(2)アジレントcDNAマイクロアレイ用サンプル
サンプルの調製及びハイブリダイゼーションはアジレント社推奨プロトコルに準じた。トータルRNA10μgを、cDNAラベル化キット(アジレント社)を用いてラベル化cDNAを合成した。Qiaquick(Qiagen社,メーカー推奨プロトコル)にて精製後、Speed Vacにより溶媒を乾燥した。次に、マウスcDNAマイクロアレイキット(アジレント社、G410A)を用いてハイブリダイゼーション後、スライドガラスを洗浄した。アジレント社スキャナーによりデータ読み取りを行った。
【0033】
RT−PCR
皮膚から採取したトータルRNA各(Sham, OVX, OVX+E2または9週齢及び87週齢)1μgをオリゴ−dTプライマー(24mer) 100pmol(Sigma)と共に70℃で10 分(総容量20μl)反応させた。その後、5x第一鎖反応バッファー 4μl, 0.1M DTT 2μl, 2.5mM dNTP ミックス4μl, SuperscriptII 1μl(すべてinvitrogen)を加えて、42℃で1時間反応させた。最後に70℃で10分反応させて伸長させ、cDNAテンプレートを調製した。rTaq用10×バッファー 5μl, 25mM MgCl2 3μl, 2.0mM dNTP ミックス5μl, rTaq 0.5μl(すべてTOYOBO社), ddH2O 33.5μl, cDNAテンプレート各1μl (Sham, OVX, OVX+E2または9週齢及び87週齢)プライマー(下記配列参照)、センス及びアンチセンス各20mM 1μl(総容量50μl)をすべて加え、PCR反応〔94℃ 2分、(94℃ 30秒、55℃ 30秒、72℃ 1分)を30サイクル、72℃ 10分〕を行った。
【0034】
プライマー配列(ラット、マウス共通配列)
MMP−12−センス AGAAAAACTCCAGGAAATG
MMP−12−アンチセンス CTTTCTGAATCTTAGAGGA
【0035】
最後に1.5%エチジウムブロマイド含有アガロースゲルにて電気泳動して約300bpのバンドを得た。尚、参考データーのため、グリセルアルデヒド3−リン酸デヒドロゲナーゼ(GAPDH)遺伝子をPCR増幅させた。
【0036】
解析結果 1
約9,000種の遺伝子の発現を網羅的に解析した結果、更年期障害モデル動物(ラット)の皮膚では、31種の遺伝子について2分の1以下に至る発現率の減少が認められ、6種の遺伝子について1.5倍以上の発現率の亢進が認められた。そのうち、驚くべきことに、従来において皮膚老化との関与が全く示唆されていないMMP−12及びオステオポンチン遺伝子の発現が、図1及び下記の表に示すとおりコントロール動物と比べ顕著に亢進することが認められた。
【0037】
【表1】
【0038】
この結果は、マトリックスメタロプロテアーゼ−12が皮膚更年期障害の原因遺伝子である可能性が高いことを示唆する。
【0039】
解析結果2
約12,000種の遺伝子の発現をアジレント社マウスcDNAアレイを用い網羅的に解析した結果、自然老化モデル動物(マウス)の皮膚において、従来技術では皮膚自然老化との関与が全く示唆されていないマトリックスメタロプロテアーゼ−12及びオステオポンチン遺伝子の発現が、図2及び下記の表に示すとおりコントロールと比べて顕著に亢進することが認められた。経時での検討においても、図3に示すとおり、マトリックスメタロプロテアーゼ−12及びオステオポンチン遺伝子の発現は40週齢以降亢進し、87週齢では更に亢進することが認められた。
【0040】
【表2】
【0041】
この結果は、マトリックスメタロプロテアーゼ−12が皮膚自然老化現象の原因遺伝子である可能性が高いことを示唆する。
【0042】
【発明の効果】
本発明により、従来技術には存在しない全く新規な抗老化剤の提供が可能となる。
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】PCRによる、マウス更年期モデルにおけるMMP−12及びオステオポンチン遺伝子の発現を示す。
【図2】PCRによる、マウス自然老化モデルにおけるMMP−12及びオステオポンチン遺伝子の発現を示す。
【図3】マイクロアレイによる、マウス老齢モデル経時におけるMMP−12及びオステオポンチン遺伝子の発現を示す。
Claims (15)
- マトリックスメタロプロテアーゼ−12インヒビターを1又は複数種皮膚老化抑制因子として含有する皮膚老化表現形質を改善又は予防するための医薬又は皮膚外用組成物。
- 前記皮膚老化が更年期障害又は加齢を原因とするものである、請求項1記載の医薬又は皮膚外用組成物。
- 前記皮膚老化が更年期障害を原因とする、請求項2記載の医薬又は皮膚外用組成物。
- 請求項1〜3のいずれか1項記載の医薬又は皮膚外用組成物を個体に投与することにより皮膚老化表現形質を改善又は予防する方法を提供する。
- 前記投与が皮膚に前記医薬又は皮膚外用組成物を塗布することにより行われる、請求項4記載の方法。
- 皮膚老化抑制因子をスクリーニングする方法であって、候補化合物をマトリックスメタロプロテアーゼ−12の活性を阻害する能力について評価し、当該阻害能力を有するマトリックスメタロプロテアーゼ−12インヒビターを皮膚老化抑制因子として選定することを特徴とする方法。
- 更に、前記阻害能力を有するマトリックスメタロプロテアーゼ−12インヒビターを老化モデル動物に適用し、皮膚老化表現形質の改善・予防効果を有するインヒビターを選定することを含んで成る、請求項6記載の方法。
- 皮膚老化の進行状態を検査する方法であって、皮膚中のマトリックスメタロプロテアーゼ−12の発現が正常な皮膚中の発現に比べて亢進していたら、皮膚老化が進行していると判断することを特徴とする方法。
- 前記皮膚老化が更年期障害又は加齢を原因とする、請求項8記載の方法。
- 前記皮膚老化が更年期障害を原因とする、請求項9記載の方法。
- 前記皮膚中のマトリックスメタロプロテアーゼ−12の発現の亢進が、皮膚中のマトリックスメタロプロテアーゼ−12の量を測定することにより決定される、請求項8〜10のいずれか1項記載の方法。
- 前記測定がマトリックスメタロプロテアーゼ−12に特異的な抗体を利用するELISA法又はRIA法による、請求項11記載の方法。
- 前記皮膚中のマトリックスメタロプロテアーゼ−12の発現の亢進が、皮膚から抽出されたマトリックスメタロプロテアーゼ−12をコードするmRNAの量を測定することにより決定される、請求項8〜10のいずれか1項記載の方法。
- 前記mRNAの測定をポリメラーゼ連鎖反応法により行う、請求項13記載の方法。
- マトリックスメタロプロテアーゼ−12を含有する、皮膚老化促進剤。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014533959A (ja) * | 2011-11-25 | 2014-12-18 | シャネル パフュームズ ビューテ | 乳頭状および網状の線維芽細胞の新規マーカーおよびその使用 |
JP2015221768A (ja) * | 2014-05-23 | 2015-12-10 | 日本メナード化粧品株式会社 | 皮膚外用剤または内用剤 |
-
2003
- 2003-08-01 JP JP2003205418A patent/JP2005053789A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014533959A (ja) * | 2011-11-25 | 2014-12-18 | シャネル パフュームズ ビューテ | 乳頭状および網状の線維芽細胞の新規マーカーおよびその使用 |
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