JP3898136B2 - 魚釣用スピニングリ−ル - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ロ−タと一体回転する回転軸筒と該回転軸筒内を前後動する先端にスプ−ルを有するスプ−ル軸の支持構造を改良した魚釣用スピニングリ−ルの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
先端にスプ−ルを有するスプ−ル軸は、ハンドルで連動回転する回転軸筒の内周を摺動しながら前後動する支持構成となっていることより、巻き取り操作時に回転軸筒との間に摩擦抵抗を生じてしまい、長期間の使用で摩耗して良好な巻き取り性能を維持できなくなったり、巻き取り時の強負荷によっては偏摩耗の原因になったり、油の潤滑性が悪いと巻き取り操作時に食い付きや焼き付き現象が生じたり等の不具合が生じる。
そこで、回転軸筒の内周とスプ−ル軸の外周が直接接触しないように若干の隙間が形成されるように回転軸筒の前後のスプ−ル軸を軸受支持したものが、従来から知られている。(例えば、特許文献1参照)
【0003】
【特許文献1】
特開2001−190193号公報
【0004】
この構成は、ピニオンを有する回転軸筒の前側軸受と後側軸受で回転軸筒の内周面に接触しないようにスプ−ル軸を前後摺動自在に軸受支持するリ−ル本体に形成された後側軸受を、回転軸筒を支持するリ−ル本体の軸受と分離配置した構造となっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
解決しようとする問題点は、特許文献1のように回転軸筒の内周とスプ−ル軸の外周が直接接触せずに夫々が独立して支持されているので、従来のようなスプ−ル軸と回転軸筒の摺動摩擦抵抗の影響を受けることがなく巻き取り操作性は向上する。
しかしながら、リ−ル本体に設けられるスプ−ル軸を支持する後側軸受と回転軸筒の後端部を支持する軸受とが分離されて夫々支持されているので、回転する回転軸筒と前後動するスプ−ル軸との同芯度を高精度に出し難く、円滑な回転軸筒の回転及びスプ−ル軸の前後動性能が得られ難い。
又、両軸受が軸方向に分離配置されているので、軸受部分が軸方向に大きくなってリ−ル本体が大型化してしまう。
ことである。
【0006】
本発明の目的は前記欠点に鑑み、回転軸筒と前後動するスプ−ル軸との同芯度を高精度に出し易くすると共に大型化を防止した魚釣用スピニングリ−ルを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、
請求項1に係わる本発明は、ハンドルの回転に連動回転かるピニオンを有し釣糸案内部を有するロ−タと一体回転する回転軸筒をリ−ル本体に回転可能に支持すると共に、先端部にスプ−ルを有するスプ−ル軸を前記回転軸筒内に挿通して前後移動可能とした魚釣用スピニングリ−ルにおいて、前記回転軸筒の後端部を支持する軸受によつて支持された支持部材で前記スプ−ル軸の外周を前後動可能に摺動支持したことを要旨とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
請求項1の本発明により、回転軸筒3の後端部3a後側の細小径部3bを支持する軸受13によって支持された支持部材4でスプ−ル軸20の後端側外周を前後動可能に摺動支持する構成としたので、回転する回転軸筒3と前後動するスプ−ル軸20との同芯度が高精度に出し易く、円滑な回転軸筒3の回転及びスプ−ル軸20の前後動性能が得られると共に、回転軸筒3の後端部3a後側の細小径部3bとスプ−ル軸20の後端側外周を支持する支持部材4が軸方向に集約化されるので、リ−ル本体1が軸方向に大型化するのが防止できる。
【0009】
【実施例】
以下、図示の実施例によって本発明を説明すると、図1から図3は第1実施例で、図1は魚釣用スピニングリ−ルの要部断面側面図、図2は図1の要部拡大断面側面図、図3は図2の要部拡大断面側面図である。
【0010】
魚釣用スピニングリ−ルは、リ−ル本体1と図示しない蓋体で保持された図示しない軸受で駆動歯車2の駆動軸2aが軸承されて駆動軸2aの中心多角形孔2bにハンドル10が固定されたハンドル軸11が左右交換自在に挿入嵌合されている。
リ−ル本体1の前側の支持部1a内の軸受12で回転軸筒3の前側が回転自在に支持され、リ−ル本体1内の軸受部1b内に嵌合された軸受13で回転軸筒3の小径の後端部3aの更に細い細小径部3bが回転自在に支持されると共に軸受13の内側に支持部材4が嵌合されている。
支持部材4は大径部4aと小径部4bで断面凸字状に形成されると共に中心に透孔4cが穿設されている。
支持部材4の小径部4bは回転軸筒3の細小径部3bと同径に形成されて細小径部3bと小径部4bの外周に軸受13が嵌合されている。
【0011】
回転軸筒3の後端部3aの前側に一体的にピニオン3cが形成されて駆動歯車2に噛合されている。
ピニオン3cの前側の回転軸筒3外周に連動歯車14が回り止め嵌合されている。
軸受12より前側の回転軸筒3外周に逆転防止爪車15とロ−タ5の中心筒部5aが回り止め嵌合されて回転軸筒3の前端に螺合されたナット16で取り付けられている。
ロ−タ5の前壁5bにカップ状の前側支持体6がビス17で取り付けられている。
前側支持体6の中にはナット16の収容室6aとワッシャ18と軸受19が収容される収容室6bと中心方向に向かう鍔部6cが形成されている。
【0012】
回転軸筒3の中心にはスプ−ル軸20の外径より大径の中心孔3dが形成され、支持部材4の透孔4cと軸受19で先端にスプ−ル21が取り付けられたスプ−ル軸20が前後往復動可能に摺動自在に挿入されている。
スプ−ル軸20の後端回り止め部20aには摺動体7が嵌合されてビス22で取り付けられている。
リ−ル本体1内にはスプ−ル軸20と平行に往復動装置Aのトラバ−スカム軸23が軸受部1bの透孔1cとリ−ル本体1の後側壁1dの透孔1eに嵌合されて後側壁1dの前側のトラバ−スカム軸23にはEリング24が嵌められて抜け止めされている。
【0013】
トラバ−スカム軸23の前端には小歯車24が取り付けられて小歯車24は連動歯車14に噛合されている。
トラバ−スカム軸23には摺動体7が嵌合されて図示しない係合子の爪がトラバ−スカム軸23のカム溝23aに係合されている。
トラバ−スカム軸23とは平行に案内杆25がリ−ル本体1の軸受部1bと後側壁1dの間に架設されている。
【0014】
摺動体7にはスプ−ル軸20の後端回り止め部20aが嵌合されるD孔7aとトラバ−スカム軸23が挿通される透孔7bと案内杆25が挿通される透孔7cが穿設されている。
逆転防止爪車15には逆転防止爪26が係脱自在に臨まされている。
リ−ル本体1に回動自在に取り付けられた操作杆27の前側にカム28が取り付けられ逆転防止爪26が操作される。
リ−ル本体1の後側外部に突出した操作杆27に操作ツマミ29が取り付けられている。
【0015】
ロ−タ5は中心筒部5aで回転軸筒3に取り付けられ、筒部5aと前壁5bと大径の筒部5cと大径の筒部5cの基部の外周から前方に向けて突出された一対の支持腕5d、5eとで形成されて支持腕5dに一方のベ−ル支持部材30がビス31で止められ、支持腕5eに他方のベ−ル支持部材32がビスで止められて釣糸巻取位置と図示しない釣糸放出位置に反転自在に軸承されている。
一方のベ−ル支持部材30には釣糸案内ロ−ラの取付部33が取り付けられている。
他方のベ−ル支持部材32と釣糸案内ロ−ラの取付部33の間に図示しないベ−ルが取り付けられている。
リ−ル本体1のリ−ル脚部1fには一方のベ−ル支持部材30が放出状態にある時衝接される衝接部材34が突出して設けられている。
【0016】
前記魚釣用スピニングリ−ルの動作は、図示しない釣糸がスプ−ル21に巻回される方向にハンドル10が回転されると、駆動歯車2が回転されてピニオン3cを介して回転軸筒3とロ−タ5が正回転される。
更に連動歯車14と小歯車24が噛合されてトラバ−スカム軸23が連動回転されて摺動体7とスプ−ル軸20とスプ−ル21が前後に往復動される。
釣糸がスプ−ル21に巻回される時は、一方のベ−ル支持部材30に設けられた釣糸案内ロ−ラで釣糸が案内されて前後に往復動されてスプ−ル21に平行に巻回される。
ロ−タ5が逆回転防止される時は、操作ツマミ29と操作杆27と逆転防止爪26が回動されて逆転防止爪26が逆転防止爪車15に係合される。
スプ−ル軸20が前後に往復動される時、スプ−ル軸20は前側の軸受19と支持部材4の透孔4cに前後に摺動自在に嵌合され、回転軸筒3とは非接触の状態で支持されている。
【0017】
前記のように魚釣用スピニングリ−ルが構成されると、回転軸筒3の後端部3a後側の細小径部3bを支持する軸受13によって支持された支持部材4でスプ−ル軸20の後端側外周を前後動可能に摺動支持する構成としたので、回転する回転軸筒3と前後動するスプ−ル軸20との同芯度が高精度に出し易く、円滑な回転軸筒3の回転及びスプ−ル軸20の前後動性能が得られると共に、回転軸筒3の後端部3a後側の細小径部3bとスプ−ル軸20の後端側外周を支持する支持部材4が軸方向に集約化されるので、リ−ル本体1が軸方向に大型化するのが防止できる。
【0018】
図4は第2実施例で、図4は魚釣用スピニングリ−ルの要部拡大断面側面図である。
【0019】
第2実施例では、リ−ル本体1の前側の支持部1a内の軸受12で回転軸筒3の前側が回転自在に支持され、回転軸筒3の小径の後端部3aの後側に肉厚の薄い細小径部3bが形成されている。
リ−ル本体1内の軸受部1b内に嵌合された軸受13に支持部材4′が嵌合されている。
支持部材4′は大径部4aと小径部4bで断面凸字状に形成されると共に中心に透孔4cが穿設されている。
更に小径部4bと透孔4cの間に前側に開口した周溝4dが形成されている。
軸受13は小径部4bの外周に嵌合され、周溝4dに回転軸筒3の細小径部3bが嵌合されて透孔4cにスプ−ル軸20の後端側外周が嵌合されると共に前後動可能に摺動支持されている。
他の構成は前記第1実施例と略同一である。
【0020】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したような形態で実施され、以下に記載されるような効果を奏する。
【0021】
請求項1により、回転軸筒の後端部後側の細小径部を支持する軸受によって支持された支持部材でスプ−ル軸の後端側外周を前後動可能に摺動支持する構成としたので、回転する回転軸筒と前後動するスプ−ル軸との同芯度が高精度に出し易く、円滑な回転軸筒の回転及びスプ−ル軸の前後動性能が得られると共に、回転軸筒の後端部後側の細小径部とスプ−ル軸の後端側外周を支持する支持部材が軸方向に集約化されるので、リ−ル本体が軸方向に大型化するのが防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例で、魚釣用スピニングリ−ルの要部断面側面図である。
【図2】同図1の要部拡大断面側面図である。
【図3】同図2の要部拡大断面側面図である。
【図4】第2実施例で、魚釣用スピニングリ−ルの要部拡大断面側面図である。
【符号の説明】
1 リ−ル本体
2 駆動歯車
3c ピニオン
3 回転軸筒
3a 後端部
4、4′ 支持部材
5 ロ−タ
10 ハンドル
13 軸受
20 スプ−ル軸

Claims (1)

  1. ハンドルの回転に連動回転するピニオンを有し釣糸案内部を有するロ−タと一体回転する回転軸筒をリ−ル本体に回転可能に支持すると共に、先端部にスプ−ルを有するスプ−ル軸を前記回転軸筒内に挿通して前後移動可能とした魚釣用スピニングリ−ルにおいて、前記回転軸筒の後端部を支持する軸受によつて支持された支持部材で前記スプ−ル軸の外周を前後動可能に摺動支持したことを特徴とする魚釣用スピニングリ−ル。
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