JP3897857B2 - パイロット式電磁弁 - Google Patents

パイロット式電磁弁 Download PDF

Info

Publication number
JP3897857B2
JP3897857B2 JP13110497A JP13110497A JP3897857B2 JP 3897857 B2 JP3897857 B2 JP 3897857B2 JP 13110497 A JP13110497 A JP 13110497A JP 13110497 A JP13110497 A JP 13110497A JP 3897857 B2 JP3897857 B2 JP 3897857B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
main valve
valve body
pilot
hole
piston
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP13110497A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH10318425A (ja
Inventor
紀彦 山内
純一 小野
Original Assignee
日電工業株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 日電工業株式会社 filed Critical 日電工業株式会社
Priority to JP13110497A priority Critical patent/JP3897857B2/ja
Publication of JPH10318425A publication Critical patent/JPH10318425A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3897857B2 publication Critical patent/JP3897857B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Fluid-Driven Valves (AREA)
  • Safety Valves (AREA)
  • Magnetically Actuated Valves (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、冷蔵庫などの冷凍サイクル系において、圧縮機の停止状態時に冷媒が蒸発器に流入することを阻止するために、膨脹弁の上流側に接続するパイロット式電磁弁に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種のパイロット式電磁弁は、図3に示すように、弁本体1の流入路2と流出路3とを連通する主弁孔4を形成し、この主弁孔4を開閉する主弁体5を弁本体1に形成した主弁室6に進退自在に設け、この主弁体5に前記流入路2とこの主弁体5の背圧側とを連通するブリードポート7を形成し、さらに、この主弁体5の背圧側と前記流出路3とを連通するパイロット流路8を弁本体1に形成し、このパイロット流路8の中間にパイロット弁孔9を形成し、このパイロット弁孔9を開閉するパイロット弁体10を作動させる電磁石11を弁本体1に設けた構造が採られている。
【0003】
そして、この電磁石11の励磁により前記パイロット弁体10がパイロット弁孔9を開放して前記主弁体5の背圧側の流体を流出路3に流出させ、主弁体5の背圧側の流体圧と主弁体5を主弁孔4とを閉塞する方向に付勢するスプリング12の付勢力とによる主弁体に掛かる圧力を流入路2側の流体圧より低下させ、この主弁体5を流入路2側の流体圧により前記主弁孔4から離反させてこの主弁孔4を開放して流入路2と流出路3とを連通させるようにしている。
【0004】
また、流入路2と流出路3とが主弁孔4にて連通している状態で、前記電磁石11の消磁により前記パイロット弁体10がパイロット弁孔9を閉塞し、流入路2からブリードポート7を通過して主弁体5の背圧側に流入する流体圧により前記主弁体5の背圧側の流体圧を流入路2側の流体圧と同圧にし、前記主弁体5がスプリング12による付勢力で主弁体5が主弁孔4を閉塞するようにしている。
【0005】
なお、前記流入路2および流出路3の開口部には接続時に取り外す保護キャップ13が着脱自在に取り付けられている。
【0006】
従来、冷蔵庫などの冷凍サイクル系は図2に示すように、圧縮機14の吐出側に凝縮器15、受液器16、膨脹弁18、蒸発器17、前記圧縮機14の流入側が接続した構成が採られている。そして、温度センサー19により切り換え作動するサーモスタット20にて圧縮機14の駆動、停止を制御するようにしているが、圧縮機14の停止状態のときに、冷媒は温度(圧力)の低い蒸発器17に流入し、冷媒は蒸発器17にて凝縮液化し、圧縮機14の再起動時にリキッドハンマー現象、潤滑油不足の事故原因となる問題がある。
【0007】
そこで、このような事故を防止するため、膨脹弁18の上流側に前記サーモスタット20にて制御される電磁弁21を設け、設定温度より温度が低下したときサーモスタット20が動作して電磁弁21が閉塞し、蒸発器17への冷媒の流入を阻止し、この状態で圧縮機14は運転を継続して蒸発器17内の冷媒を凝縮器15に回収し、この蒸発器17内の圧力が低下すると高低圧力スイッチ22の低圧側スイッチが作動して圧縮機14が停止するようにしている。
【0008】
また、設定温度より温度が上昇すると、サーモスタット20が動作して電磁弁21は開いて蒸発器17への冷媒の供給が行われ、蒸発器17内の圧力が上昇すると高低圧力スイッチ22の低圧側スイッチが作動して圧縮機14が起動され、冷凍サイクル系は駆動されて冷却が行われるようになっている。
【0009】
しかしながら、前記膨脹弁18の上流側に設けた電磁弁21を図3に示す構造の電磁弁を用いると、電磁弁21はサーモスタット20により開閉が瞬時に行われ、膨脹弁18に急激な圧力変化が掛り、リキッドハンマー現象などで膨脹弁18が破損することがある。
【0010】
そこで、従来は膨脹弁18の破損を防止するために、冷凍サイクル系に2個の電磁弁を直列に接続し、または、タイマーなどにより圧縮機14を制御し、圧縮機14の起動時に膨脹弁18に流れる冷媒の流量を最初は小流量にするようにしている。
【0011】
したがって、図3に示す構造の電磁弁では2個の電磁弁を必要とし、またはタイマーによる制御を必要として冷凍サイクル系の構成が複雑となり、構成部品も多くなり、高価となる問題があった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記問題点に鑑みなされたもので、主弁孔の開口初期における流量を小流量となるように徐々に主弁体が主弁孔を開口するようにするとともに、閉塞初期には徐々に主弁孔を主弁体で絞るようにし、例えば、冷凍サイクル系において、急激な開閉でリキッドハンマー現象による膨脹弁の破損が生じることがないパイロット式電磁弁を提供するものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明のパイロット式電磁弁は、流入路と流出路とを連通する主弁孔を開閉する主弁体を主弁室に進退自在に設け、この主弁体に前記流入路とこの主弁体の背圧側とを連通するブリードポートを形成し、この主弁体の背圧側と前記流出路とを連通するパイロット流路の中間にパイロット弁孔を形成し、このパイロット弁孔を開閉するパイロット弁体を作動させる電磁石を設け、この電磁石の励磁により前記パイロット弁体がパイロット弁孔を開放して、前記流入路を前記主弁体のブリードポート、前記主弁体の背圧側の前記主弁室、及び前記パイロット流路を介して前記流出路に連通させ、前記主弁体の背圧側の流体圧を流入路側の流体圧より低下させ、この主弁体が前記主弁孔を開放し、前記電磁石の消磁により前記パイロット弁体がパイロット弁孔を閉塞して前記主弁体の背圧側の流体圧を流入路側の流体圧と同圧にし、スプリングの付勢力で前記主弁体が前記主弁孔を閉塞するパイロット式電磁弁において、前記主弁室には、前記主弁体に連結されたピストンが設けられ、このピストンは、前記主弁体とともに前記主弁室内で進退し、前記主弁体の背圧側において、前記主弁室を、前記主弁室の主弁孔側の部分とこの主弁孔の反対側である一端側の部分とに区画するとともに、これら主弁孔側の部分と一端側の部分とを連通するブリードポートを形成し、前記ピストンの一端側の部分に流入、流出する流体の流量を前記ピストンに形成したブリードポートにて制限して前記主弁体の開閉動作を前記パイロット弁体の開閉動作より遅延させるものである。
【0014】
そして、電磁石の初期非通電時には、パイロット弁体がパイロット弁孔を閉塞しているとともに主弁孔もスプリングの付勢力で主弁体にて閉塞されており、流入路に掛かる流体圧で、流体は主弁体に形成したフリードポートから主弁体の背圧側に流入し、この主弁体の背圧側に流入した流体は、パイロット流路の中間部がパイロット弁体にて閉塞されているため、ピストンに形成したブリードポートから主弁室の主弁孔を形成した側と反対側に流入し、主弁体が主弁孔を閉塞した状態を保持している。
【0015】
この状態で、電磁石に通電されてパイロット弁体はパイロット弁孔を開口し、パイロット流路の流体は流出路に流出し、主弁体の背圧側の流体圧は流入路側の流体圧より低下し、主弁体は流入路側の流体圧で主弁孔を開口する方向に押圧されるが、主弁体に連結したピストンの主弁室の主弁孔を形成した側と反対側に流入路と同圧の流体があるため主弁体は直ちに主弁孔を開口せず、この流体がピストンのフリードポートから徐々に流出し、このピストンに掛かる流体による背圧が流入路の流体圧より低下することにより徐々に主弁体は主弁孔を開口し、主弁体による主弁孔の開口が電磁石の励磁動作より遅れる。
【0016】
また、この主弁体が主弁孔を開口した状態で、電磁石への通電が遮断されると、パイロット弁体にてパイロット流路は閉塞され、主弁体の背圧側の流体圧が高くなるが、ピストンの背圧側にブリートポートから流入する流体が流入路の流体圧と同圧となるまで時間が掛かり、電磁石への通電が遮断されたときより遅れてピストンの背圧側の流体圧が流入路の流体圧と同圧となると、スプリングの付勢力で主弁体が主弁孔を閉塞する。
【0017】
請求項2記載の発明のパイロット式電磁弁は、流入路と流出路とを連通する主弁孔を形成した主弁室、この主弁室と前記流出路とを連通するパイロット流路およびこのパイロット流路の中間部に形成したパイロット弁孔とを形成した弁本体と、この弁本体の主弁室を進退し前記主弁孔を開閉する主弁体と、前記流入路と前記主弁体の背圧側の主弁室とを連通し、この主弁室を介して前記流入路と前記パイロット流路とを連通させるブリードポートと、この主弁体に連結され前記主弁室に設けられたピストンと、このピストンを前記主弁体が主弁孔を閉塞する方向に付勢するスプリングと、前記弁本体に進退自在に設けられ前記パイロット弁孔を開閉するパイロット弁体と、このパイロット弁体を作動させる電磁石とを備え、前記ピストンは、前記主弁体とともに前記主弁室内で進退し、前記主弁体の背圧側において、前記主弁室を、前記主弁室の主弁孔側の部分とこの主弁孔の反対側である一端側の部分とに区画するとともに、これら主弁孔側の部分と一端側の部分とを連通するブリードポートを形成したものである。
【0018】
そして、電磁石の初期非通電時には、パイロット弁体がパイロット弁孔を閉塞しているとともに主弁孔もスプリングの付勢力で主弁体にて閉塞されており、ピストンに形成したブリードポートから主弁室の主弁孔を形成した側と反対側に流入した流体圧で主弁体が主弁孔を閉塞した状態を保持している。
【0019】
この状態で、電磁石に通電されるとパイロット弁体はパイロット弁孔を開口し、パイロット流路の流体は流出路に流出し、主弁体に連結したピストンの主弁室の主弁孔を形成した側と反対側に両流入路と同圧の流体がピストンのフリードポートから徐々に流出し、このピストンに掛かる流体による背圧が流入路の流体圧より低下することにより、主弁体が主弁孔を開口するため、主弁孔の開口が電磁石の励磁動作より遅れる。
【0020】
また、この主弁体が主弁孔を開口した状態で、電磁石への通電が遮断されると、パイロット流路は閉塞され、ピストンの背圧側にブリードポートから流入する流体が流入路の流体圧と同圧となるまで主弁孔は開口されず、ピストンの背圧側の流体圧が流入路の流体圧と同圧となったときに、スプリングの付勢力で主弁体が主弁孔を閉塞する。
【0021】
請求項3記載の発明のパイロット式電磁弁は、請求項2記載のパイロット式電磁弁において、ピストンには主弁室の内周面に圧接され流体の漏洩を阻止する弾性リップを設けたものである。
【0022】
そして、主弁体が主弁孔を開口するとき、弾性リップがピストンの背圧側の流体圧により主弁室の内周に圧接され、ピストンの背圧側の流体はピストンと主弁室との間のクリアランスから流出されることがなく、ピストンの背圧側の流体はピストンのブリードポートから流出するのみで、主弁体の主弁孔の開口動作が電磁石の励磁動作より確実に遅延する。
【0023】
【発明の実施の形態】
次に本発明の一実施の形態を図1に基いて説明する。
【0024】
図1において、弁本体30は本体部材31とボンネット32とにて構成され、この弁本体30には一端側下部に開口した流入路33と他端側下部に開口した流出路34とを有し、この流入路33と流出路34との内端には垂直仕切り壁35にて仕切られ、この垂直仕切り壁35の上部には前記流出路34の内端と水平仕切り壁36にて仕切られた弁座室37に連通され、この水平仕切り壁36には前記流入路33と流出路34とを連通する主弁孔38が開口されている。そして、この主弁孔38の開口縁には弁座縁39が形成されている。
【0025】
また、弁本体30の弁座室37の上部には前記本体部材31とボンネット32との接合部を貫通してこの弁座室37より縮径された主弁室40が形成されている。この主弁室40の上部にはパイロット流路41の上流室部42が垂直方向に連通形成され、さらに、この上流室部42に隣接してパイロット流路41の下流側パイロットポート43が垂直方向に形成され、このパイロットポート43の下端は前記流出路34に連通開口されている。また、このパイロット流路41の上流室部42とパイロットポート43との上端は前記弁本体30の上面に開口したパイロット弁室44にそれぞれ開口され、このパイロット弁室44の前記パイロットポート43の開口部がパイロット弁孔45に形成され、このパイロット弁孔45の周縁にパイロット弁座縁46が形成されている。
【0026】
そして、前記弁本体30の本体部材31とボンネット32との接合部はこの本体部材31とボンネット32を貫通した前記主弁室42とパイロットポート43との外周に位置してシール材47,48が介在されて気密に接合されている。
【0027】
また、図1において、50は前記流入路33と流出路34とを連通する主弁孔38を開閉する主弁体で、この主弁体50の下面が前記主弁孔38の弁座縁39に接離されるようにこの主弁体50は前記主弁室40に上下方向に進退自在に設けられ、この主弁体50には前記流入路33とこの主弁体50の背圧側とを連通するブリードポート51が形成されている。
【0028】
この主弁体50は上面に開口した有底筒状に形成され、この主弁体50の上面開口部にピストン52の下部拡径部53が嵌合連結され、このピストン52には前記主弁体50のブリードポート51と主弁室40を連通させる連通路55がこのピストン52の中間縮径部56に開口されている。また、このピストン52の上部拡径部57の上面には前記主弁室40の内周面に圧接され流体の漏洩を阻止するテフロン樹脂などの合成樹脂にて成型した弾性リップ58が設けられ、この弾性リップ58の上面にはこの弾性リップ58を保持する板ばね59が設けられている。
【0029】
また、このピストン52の上部拡径部57の上部には板ばね59と弾性リップ58とを保持する保持体60が嵌合固着され、この保持体60の上面はスプリング受けとなっている。
【0030】
そして、前記ピストン52には前記主弁体50の背圧側と前記主弁室40の主弁孔38と反対側になる上端側に連通するブリードポート61がこのピストン52の中間縮径部56から保持体60の上面に貫通して形成されている。
【0031】
また、前記保持体60と主弁室40の上端面との間にコイル状のスプリング62が張設され、このスプリング62にて前記ピストン52を介して主弁体50は主弁孔38の弁座縁39に圧接されて主弁孔38は主弁体50を閉塞する方向に付勢されている。
【0032】
また、図1において、65は前記パイロット弁孔45を開閉するパイロット弁体で、このパイロット弁体65はプランジャー66の下端に設けられている。このプランジャー66は電磁石67のヘッド68に吸引されるようになっている。この電磁石67はコイル69の励磁で前記ヘッド68が励磁されて前記プランジャー66を上方に吸引し、このプランジャー66の吸引で前記パイロット弁孔45の弁座縁46に圧接されてこのパイロット弁孔45を閉塞していたパイロット弁体65を弁座縁46から離反させてパイロット弁孔45を開口するようになっている。
【0033】
また、前記プランジャー66の上面に開口したスプリング受け孔70a と前記ヘッド68との間にプランジャー66に設けたパイロット弁体65をパイロット弁孔45のパイロット弁座縁46を圧接する方向に付勢するコイル状のスプリング70が張設されている。
【0034】
なお、前記流入路33および流出路34の開口部には接続時に取り外す保護キャップ71が着脱自在に取り付けられている。
【0035】
次に、この実施の形態の作用を説明する。
【0036】
電磁石67の初期非通電時には、パイロット弁体65がパイロット弁孔45を閉塞しているとともに主弁孔38もスプリング62の付勢力で主弁体50にて閉塞されている。そして、流入路33に掛かる流体圧で、流体は主弁体50に形成したフリードポート51から主弁体50の背圧側に流入し、この主弁体50の背圧側に流入した流体は、パイロット流路41の上流室部42に流入されるが、パイロットポート43との連通部のパイロット弁孔45はパイロット弁体65にて閉塞されているため、ピストン52に形成したブリードポート61および主弁室40とピストン52とのクリアランスから主弁室40の主弁孔38を形成した側と反対側の上部に流入し、主弁体50が主弁孔38を閉塞した状態を保持している。
【0037】
この状態で、電磁石67に通電されると、プランジャー66がヘッド68に吸引されてパイロット弁体65はパイロット弁孔45のパイロット弁座縁46から離反し、パイロット弁孔45を開口し、パイロット流路41の流体は流出路34に流出し、主弁体50の背圧側の流体圧は流入路33側の流体圧より低下する。そして、主弁体50は弁座室37に掛かる流入路33側の流体圧で主弁孔38を開口する上方向に押圧されるが、主弁室40の主弁孔38を形成した側と反対側となる主弁体50に連結したピストン52の上部拡径部57より上側に流入路33と同圧の流体があり、主弁体50は主弁孔38を開口する方向への移動が抑制され、主弁孔38を閉塞した状態となる。
【0038】
そして、弾性リップ58が板ばね59に保持されてピストン52の背圧側の流体圧により主弁室40の内周に圧接され、ピストン52の背圧側の流体はピストン52と主弁室40のと間のクリアランスから流出されることがなく、ピストン52の背圧側の流体はピストン52のブリードポート61から流出するのみで、この流体がピストン50のフリードポート61から徐々に流出し、このピストン52に掛かる流体による背圧が流入路33の流体圧より低下することにより徐々に主弁体50は上昇して主弁孔38を開口し、主弁体50による主弁孔38の開口が電磁石67の励磁動作より遅れる。
【0039】
また、この主弁体50が主弁孔38を開口した状態で、電磁石67への通電が遮断されると、ヘッド68に吸引されていたプランジャー66はスプリング70による付勢力で押圧され、パイロット弁体65はパイロット弁孔45のパイロット弁座縁46に圧接され、パイロット流路41は閉塞され、主弁体50の背圧側の流体圧が高くなるが、主弁室40とピストン52とのクリアランスはほとんどないため、ピストン52の背圧側にブリードポート61から流入する流体が流入路33の流体圧と同圧となるまで時間が掛かり、電磁石67への通電が遮断されたときより遅れてピストン52の背圧側の流体圧が流入路33の流体圧と同圧となると、スプリング62の付勢力で主弁体50が主弁孔38の弁座縁39に圧接され、主弁孔38を閉塞する。
【0040】
したがって、主弁孔38の開口初期における流量を小流量となるように徐々に主弁体50が主弁孔38を開口するとともに、閉塞初期には徐々に主弁孔38を主弁体50で絞るようにし、例えば、冷凍サイクル系において、急激な開閉でりキットハンマー現象による膨脹弁の破損が生じることを防止できる。
【0041】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、電磁石への通電によりパイロット流路の流体圧が流入路側の流体圧より低下しても主弁孔は直ちに開口されず開口初期における流量が小流量となるように徐々に主弁体が主弁孔を開口するとともに、閉塞初期には徐々に主弁孔を主弁体で絞るようにし、例えば、冷凍サイクル系において膨脹弁の上流側に設けることにより、急激な開閉でリキッドハンマー現象による膨脹弁の破損が生じることを防止できる。
【0042】
請求項2記載の発明によれば、電磁石に通電されるとパイロット弁体はパイロット弁孔を開口し、パイロット流路の流体は流出路に流出し、主弁体に連結したピストンの主弁室の主弁孔を形成した側と反対側に両流入路と同圧の流体がピストンのフリードポートから徐々に流出し、このピストンに掛かる流体による背圧が流入路の流体圧より低下することにより、主弁体が主弁孔を開口するため、主弁孔の開口が電磁石の励磁動作より遅れる。
【0043】
また、この主弁体が主弁孔を開口した状態で、電磁石への通電が遮断されると、パイロット流路は閉塞され、ピストンの背圧側にブリードポートから流入する流体が流入路の流体圧と同圧となるまで主弁孔は開口されず、ピストンの背圧側の流体圧が流入路の流体圧と同圧となったときに、スプリングの付勢力で主弁体が主弁孔を閉塞する。
【0044】
請求項3記載の発明によれば、主弁体が主弁孔を開口するとき、弾性リップがピストンの背圧側の流体圧により主弁室の内周に圧接され、ピストンの背圧側の流体はピストンと主弁室のと間のクリアランスから流出されることがなく、ピストンの背圧側の流体はピストンのブリードポートから流出するのみで、主弁体の主弁孔の開口動作が電磁石の励磁動作より確実に遅延する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態のパイロット式電磁弁の縦断面図である。
【図2】パイロット式電磁弁を用いた冷凍サイクル系の説明図である。
【図3】従来のパイロット式電磁弁の縦断面図である。
【符号の説明】
30 弁本体
33 流入路
34 流出路
38 主弁孔
40 主弁室
41 パイロット流路
45 パイロット弁孔
50 主弁体
51 主弁体のブリードポート
52 ピストン
58 弾性リップ
61 ピストンのブリードポート
62 スプリング
65 パイロット弁体
67 電磁石

Claims (3)

  1. 流入路と流出路とを連通する主弁孔を開閉する主弁体を主弁室に進退自在に設け、この主弁体に前記流入路とこの主弁体の背圧側とを連通するブリードポートを形成し、この主弁体の背圧側と前記流出路とを連通するパイロット流路の中間にパイロット弁孔を形成し、このパイロット弁孔を開閉するパイロット弁体を作動させる電磁石を設け、この電磁石の励磁により前記パイロット弁体がパイロット弁孔を開放して、前記流入路を前記主弁体のブリードポート、前記主弁体の背圧側の前記主弁室、及び前記パイロット流路を介して前記流出路に連通させ、前記主弁体の背圧側の流体圧を流入路側の流体圧より低下させ、この主弁体が前記主弁孔を開放し、前記電磁石の消磁により前記パイロット弁体がパイロット弁孔を閉塞して前記主弁体の背圧側の流体圧を流入路側の流体圧と同圧にし、スプリングの付勢力で前記主弁体が前記主弁孔を閉塞するパイロット式電磁弁において、
    前記主弁室には、前記主弁体に連結されたピストンが設けられ、
    このピストンは、前記主弁体とともに前記主弁室内で進退し、前記主弁体の背圧側において、前記主弁室を、前記主弁室の主弁孔側の部分とこの主弁孔の反対側である一端側の部分とに区画するとともに、これら主弁孔側の部分と一端側の部分とを連通するブリードポートを形成し、前記ピストンの一端側の部分に流入、流出する流体の流量を前記ピストンに形成したブリードポートにて制限して前記主弁体の開閉動作を前記パイロット弁体の開閉動作より遅延させる
    ことを特徴とするパイロット式電磁弁。
  2. 流入路と流出路とを連通する主弁孔を形成した主弁室、この主弁室と前記流出路とを連通するパイロット流路およびこのパイロット流路の中間部に形成したパイロット弁孔とを形成した弁本体と、
    この弁本体の主弁室を進退し前記主弁孔を開閉する主弁体と、
    前記流入路と前記主弁体の背圧側の主弁室とを連通し、この主弁室を介して前記流入路と前記パイロット流路とを連通させるブリードポートと、
    この主弁体に連結され前記主弁室に設けられたピストンと、
    このピストンを前記主弁体が主弁孔を閉塞する方向に付勢するスプリングと、
    前記弁本体に進退自在に設けられ前記パイロット弁孔を開閉するパイロット弁体と、
    このパイロット弁体を作動させる電磁石とを備え、
    前記ピストンは、前記主弁体とともに前記主弁室内で進退し、前記主弁体の背圧側において、前記主弁室を、前記主弁室の主弁孔側の部分とこの主弁孔の反対側である一端側の部分とに区画するとともに、これら主弁孔側の部分と一端側の部分とを連通するブリードポートを形成した
    ことを特徴とするパイロット式電磁弁。
  3. ピストンには主弁室の内周面に圧接され流体の漏洩を阻止する弾性リップを設けたことを特徴とする請求項2記載のパイロット式電磁弁。
JP13110497A 1997-05-21 1997-05-21 パイロット式電磁弁 Expired - Fee Related JP3897857B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13110497A JP3897857B2 (ja) 1997-05-21 1997-05-21 パイロット式電磁弁

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13110497A JP3897857B2 (ja) 1997-05-21 1997-05-21 パイロット式電磁弁

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10318425A JPH10318425A (ja) 1998-12-04
JP3897857B2 true JP3897857B2 (ja) 2007-03-28

Family

ID=15050080

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP13110497A Expired - Fee Related JP3897857B2 (ja) 1997-05-21 1997-05-21 パイロット式電磁弁

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3897857B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102797901A (zh) * 2012-08-27 2012-11-28 湘潭大学 一种双向、小体积、低泄漏高压电磁换向阀

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006316852A (ja) * 2005-05-11 2006-11-24 Saginomiya Seisakusho Inc パイロット作動式電磁弁およびこれを用いた熱交換システム
JP2018076941A (ja) * 2016-11-11 2018-05-17 アズビルTaco株式会社 電磁弁
CN110388474A (zh) * 2019-08-29 2019-10-29 天津航宇卓然科技有限公司 一种快速响应的小型化先导式电磁阀

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102797901A (zh) * 2012-08-27 2012-11-28 湘潭大学 一种双向、小体积、低泄漏高压电磁换向阀
CN102797901B (zh) * 2012-08-27 2014-01-29 湘潭大学 一种双向、小体积、低泄漏高压电磁换向阀

Also Published As

Publication number Publication date
JPH10318425A (ja) 1998-12-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7117895B2 (en) Switching valve
US5070707A (en) Shockless system and hot gas valve for refrigeration and air conditioning
US7036744B2 (en) Solenoid valve-equipped expansion valve
JP4848548B2 (ja) 電磁弁付き膨張弁
US4535805A (en) Pilot operated valve with pressure relief
JP3897857B2 (ja) パイロット式電磁弁
JP2004270975A (ja) 流量制御弁
KR101020808B1 (ko) 전자 밸브 일체형 팽창 밸브
JPS61264415A (ja) 圧力制御弁
US20190323748A1 (en) Insert for a thermostatic expansion valve, thermostatic expansion valve and method for assembling a thermostatic expansion valve
JPH11287354A (ja) パイロット作動の三方向切換電磁弁
JP4576076B2 (ja) 電磁弁一体型膨張弁
JP3786518B2 (ja) 電磁弁付膨張弁
JP2002115937A (ja) 複合弁
JP4629709B2 (ja) 双方向型電磁弁
JP2003120849A (ja) 集合弁
JP4316788B2 (ja) 双方向型電磁弁および空気調和機
JPH0649980Y2 (ja) 電磁弁
JPH0531337Y2 (ja)
JPH034794B2 (ja)
JP2002372160A (ja) 四方向切換弁
JP2566435Y2 (ja) 圧力制御弁の温度補償構造
JPH0434302Y2 (ja)
JPH0250060A (ja) 五方逆転弁
JPH0436318B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20031215

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060728

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060920

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061120

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20061213

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20061220

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees