JP3896942B2 - 内燃機関の連続可変動弁装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、揺動レバーの揺動支点の移動を用いて往復弁のバルブリフト量と開弁期間を連続的に可変可能とした内燃機関の連続可変動弁装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ガソリンエンジン(内燃機関)では、連続可変動弁装置を搭載して、スロットルバブルの仕事(吸入空気量の調整)を、シリンダヘッドに設けてある吸入側の往復弁、すなわち吸気バルブで代行させて、スロットルバブルがもたらすポンプ損失の低減を図ることが行われている。
【0003】
この連続可変動弁装置には、従来、上端部に揺動支点をもち、下端部に吸気バルブと当接する当接面をもつ揺動レバーを用いた構造が提案されている。
【0004】
これには、揺動レバーを揺動方向から挟む上部片側に偏心動可能な偏心体で形成される制御シャフトを配置し、また揺動レバーを挟む制御シャフトとは反対側の中間部にカムシャフトを配置し、制御シャフトの偏心変位を用いて揺動レバーの揺動支点を制御シャフトとカムシャフトとの間に移動可能とし、カムシャフトの駆動カムで揺動レバーの中間部に形成した入力部から開弁に必要な駆動力を入力させて、揺動レバーを揺動させる可変動弁機構が採用されている。つまり、駆動カムで揺動レバーを揺動中、制御シャフトの偏心変位により揺動レバーの揺動支点を揺動させると、揺動レバーが傾いて吸気バルブと当接する当接面の領域が移動する。この揺動レバーの当接面には、制御シャフトと駆動カムとの間に沿って、ベース円区間と吸気バルブのバルブリフト量を定めるリフト区間とが直列に形成されていて、吸気バルブが当接するベース円区間とリフト区間との領域が移動することで、吸気バルブのバルブリフト量と開弁期間を連続的に可変させる。この連続可変を用いて、スロットルバルブで行う吸入空気量の調整の仕事を代行させている(例えば、特許文献1を参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平7−63023号公報(図6〜図8)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、偏心カムがある位置に固定されている状態においても、揺動レバーの移動期間中に揺動支点が移動してしまう。そのため、揺動レバーの移動とローラ当接面形状でもって閉弁状態を維持する必要がある。
【0007】
そのため、各部品に高い加工精度が要求される難点があった。
【0008】
そこで、揺動レバーの揺動支点を、シャフト部材および保持レバーを用いて、吸気バルブにおける閉弁時の状態を規定する位置を中心として、制御カムシャフトと駆動カムとの間に沿って揺動自在に保持する構造が考えられる。
【0009】
ところが、単に揺動レバーの上端部と保持レバーの上端部との両者をシャフト部材で回転自在に支持させたのでは、シャフト部材が軸方向へ移動するおそれがあり、シャフト部材を位置決める措置が必要となる。この措置には、例えば単純にシャフト部材の端部に抜止め具を設けることが考えられるが、これでは抜止め具が取付く取付スペースだけ、シャフト部材の全長が長くなり、可変動弁機構が大形になる。
【0010】
そこで、本発明は、保持レバーを用いて、小形化を図りつつ高精度なバルブリフト量と開弁期間の制御が行われるようにした内燃機関の連続可変動弁装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明は、揺動レバーと隣接して側方に上下方向に延びるように配置された保持レバーを用い、その上端部で軸支持部を介して揺動レバーの揺動支点を回動自在に支持し、その下端部を往復弁における閉弁時の状態を規定する位置でシリンダヘッドの保持部に回動自在に支持し、かつ内部には上下方向に沿って油通路を形成した構造としたうえで、前記軸支持部を、揺動レバーの上端部にその上端部から端部が突き出るように固定されたシャフト部材と、保持レバーの上端部に形成され、シャフト部材の端部と摺動自在に嵌まりかつ油通路の上端が開口する環状の軸受面とを有した構成とした。
【0012】
同構成により、揺動レバーの揺動中、揺動レバーの揺動支点は、常に保持レバーによって、閉弁状態を規定する位置を中心とした円弧の軌跡上に固定されるから、どのような大きさのバルブリフト量が設定されても、常に揺動レバーは閉弁時を基準に揺動変位の調整が行われるから、往復弁の開閉時期のばらつきは解消される。しかも、シャフト部材は、揺動レバーに固定され、保持レバーに対して摺動自在に嵌まる構造を用いたので、常にシャフト部材は保持レバーに対して所定の地点に位置決められるようになり、別途、位置決め具を用いて、シャフト部材の軸心方向を位置決める構造は不要となる。そのため、シャフト部材の全長が抑えられ、シャフト部材の占有スペースの減少が図れる。
【0013】
請求項2に記載の発明は、上記目的に加え、簡単な構造で、シャフト部と保持レバーの両者間の潤滑が行えるよう、保持レバーの上端部の軸受面に油通路の上端を開口させ、軸受面に嵌まるシャフト部材の端部の外周面に、揺動レバーの揺動範囲に渡り、油通路の上端開口を通過する周方向に沿って円弧状に延びる油溝を形成して、軸受面とシャフト部との摺動部が潤滑される構造とした。
【0014】
請求項3に記載の発明は、さらに上記目的に加え、さらに簡単な構造で保持レバーに油通路が形成されるよう、油通路には、孔あけ工具によって揺動レバーの上方から軸受面を貫通して該揺動レバーの内部に下端部の軸受部の付近まで孔あけ加工して、入口側の油孔と連通させる構成とした。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図1および図9に示す一実施形態にもとづいて説明する。
【0016】
図1中1は、内燃機関、例えば複数気筒が直列に並ぶレシプロ式ガソリンエンジンのシリンダヘッドの平面を示している。このシリンダヘッド1には、気筒の配列にならって燃焼室(図示しない)が長手方向に配置してある。そして、燃焼室毎に、吸気ポート、排気ポート(いずれも図示しない)が設けてある。このシリンダヘッド1の上部には、吸気ポート毎、排気ポート毎に動弁系が設けられていて、このうちの吸気側の動弁系に、スロットルバルブの仕事を代行する連続可変動弁装置2が組付けてある。
【0017】
図2は図1中のA−A線に沿う連続可変動弁装置2の断面図を示し、図3は図1中のB−Bに沿う断面図を示し、図4は図1中のC−C線に沿う側面図を示し、図6は連続可変動弁装置2の分解図を示している。
【0018】
連続可変動弁装置2を説明すると、図2および図6中4は、気筒毎(燃焼室毎)にシリンダヘッド1に組付けた一対の吸気バルブ(1組しか図示せず:往復弁に相当)である。
【0019】
動弁系を構成する吸気バルブ4には、ロッカアーム5を用いたロッカアーム式のバルブ構造が用いてある。詳しくは、ロッカアーム5は、例えば気筒が並ぶ方向とは直角方向に延びる略板状の部材から形成してある。このロッカアーム5の燃焼室中央側に配置された端部は、支持部材、例えば図1、図2および図4に示されるように気筒が並ぶ方向に沿って、シリンダヘッド1の上部に配設されたロッカシャフト6に揺動自在に支持してある。また反対側の燃焼室端側の端部は、吸気ポートに往復動自在に組付けてある一対の傘状の弁体7から延びる軸部7aの端が当接させてある。弁体7は、バルブスプリング(図示しない)にて閉方向、ここでは上方向に付勢され、常に閉状態に戻るようにしてある。またロッカアーム5の中間部の中央には、軸線がロッカアーム5の揺動軸と平行となる向きでロッカアームローラ8(ローラに相当)が回転自在に組付けられている。これにより、ロッカアームローラ8が上側から押圧されると、ロッカアーム5が揺動変位して、閉状態の弁体7が開弁するようにしてある。つまり、吸気バルブ4は、ロッカアーム5の揺動により弁体7が往復動して、吸気ポートが開閉される構造となっている。
【0020】
10は、連続可変動弁装置2を構成する可変動弁機構を示す。可変動弁機構10は、図1〜図4、図6に示されるように気筒毎に吸気バルブ4の直上に組付けてある。これら可変動弁機構10はいずれも同じ構造が用いられている。そのうちの一つの構造を説明すると、11は、気筒毎、ロッカアーム5の両側に位置してシリンダヘッド1の上部に立設された一対の壁状のホルダ(保持部)、12は例えばロッカアーム5の揺動支点の上方に位置して気筒列方向に沿って配設された制御シャフト、13は例えばロッカアーム5の揺動端の略上方に位置して気筒列方向に沿って配設されたカムシャフトである。なお、例えばカムシャフト13は、制御シャフト12により低い地点に配置されて、制御シャフト13と並んでいる。これら各シャフト12,13は、気筒毎に配置されている各ホルダ12を回転自在に貫通している。つまり、各シャフト12,13はホルダ11にて回転自在に支持してある。またロッカシャフト6もホルダ11を貫通して支持してある。このうち制御シャフト12は、制御駆動源、例えば制御用モータ14に接続してある。これにより、制御シャフト12は、制御用モータ14の作動によって、所望の変位量、回動されるようにしている(時計回り、反時計回り共)。またカムシャフト13は、例えばタイミングギヤ、タイミングチェーン、クランクギヤ(いずれも図示しない)を介して、シリンダブロック(シリンダヘッド1と組合う部品)に組付けてあるクランクシャフト(図示しない)に接続してある。これにより、カムシャフト13は、クランク出力によって回転駆動(時計回り)されるようにしている。
【0021】
ロッカアームローラ8の直上には、図2および図6に示されるように例えば略L字形をなした揺動レバー15が配置してある。揺動レバー15は、ロッカアームローラ8に沿って横方向(揺動支点〜揺動端)に延びる下部分を短手側とし、制御シャフト12とクランクシャフト13との間を通り両者間に沿って上方に延びる上部分を長手側としたプレート状の部品が用いてある。そして、短手側の下端面をロッカアームローラ8の外周面に当接させている。この短手側の下端面をロッカアームローラ8に対する当接面16としてある。
【0022】
また揺動レバー15の上端部は制御シャフト12と隣接し、中間部はカムシャフト13に隣接している。このうち揺動レバー15の上部端には、例えば図7(a)〜(c)に示されるように端部が突き出るよう中空の短軸部材で形成された保持シャフト17(本願のシャフト部材に相当)が固着してある。例えば固着には、揺動レバー15の上端部に形成された通孔15aに、保持シャフト17を圧入させた構造が用いてある。この保持シャフト17で、揺動レバー15の上端部に揺動支点Aを形成している。この揺動支点Aが、揺動レバー15と隣接した側方の地点に配置した例えば一対の保持レバー18を用いて、両側から吸気バルブ4の閉弁時の状態を規定する位置を中心とした半径で、制御シャフト12とカムシャフト13との間に沿って揺動自在に保持させてある。具体的には一対の保持レバー18は、いずれも揺動レバー15と各ホルダ11との間に配置された略L字形のレバー部材から構成してある。この保持レバー18は、いずれも例えば図3および図6に示されるように上下方向に延びるプレート状部分をレバー本体18aとし、そのレバー本体18aの上端部に、中心に通孔19を有するボス部19aが形成され、下端部に通孔19の軸線と平行なして側方へ突き出る軸部20が形成され、通孔19の中心から軸部20の中心までを揺動支点Aから閉弁時のロッカアームローラ8の中心までの長さ寸法に定めたL形のレバー部材が用いてある(図6は片側しか図示せず)。また通孔19の内面を環状の軸受面としている。この通孔19に、図3および図4に示されるように揺動レバー15の両側から突き出た保持シャフト17の端部がそれぞれ回動自在に嵌挿してある。この嵌挿構造によって揺動支点Aと保持レバー18の上端部とを回動自在につないでいる(軸支持部に相当)。また軸部20は、閉弁時のロッカアームローラ8の中心位置に合わせて各ホルダ11の下部にそれぞれ形成してある支持孔21に回動自在に嵌挿され、揺動レバー15を揺動自在に保持している。この保持により、揺動レバー15の揺動支点Aが閉弁時のロッカアームローラ8のローラ中心を中心としてその軸心周りに移動できるようにしている。
【0023】
揺動レバー15の上端部の外周面は平坦な円形に形成してあり、当該外周面に当て面22を形成している。この揺動レバー15の当て面22には、制御シャフト12に偏心して設けたプレート状の偏心カム12a(偏心体に相当)のカム面(外周面)が横方向から当接している。これにより、偏心カム12aが偏心変位すると、揺動レバー14の揺動支点Aが、その偏心カム12aの動きに追従して、ロッカアームローラ8の軸心周りを移動するようにしてある。
【0024】
また揺動レバー14の中間部(揺動支点A〜当接面16)うち、カムシャフト13と隣合う側部には、一部が突き出るようにローラ23が設けてある。そして、このローラ23の外周面に、カムシャフト13に設けてある例えば略三角円状に形成された駆動カム13aのカム面(外周面)が上側から当接させてある。これで、カムシャフト13の回転に伴い、ローラ23が周期的に押圧されるようにしてある。これにより、揺動レバー14には、ローラ23を入力部として、駆動カム13aから吸気バルブ4の開弁に必要な駆動力が入力されるようにしてある。つまり、駆動カム13aにより、揺動レバー15が揺動支点Aを支点に周期的に揺動されるようにしてある。
【0025】
こうした構造により、駆動カム13aで揺動レバー15の揺動中、制御シャフト12の偏心変位で揺動レバー15の揺動支点Aを移動させると、揺動レバー15の傾き角が変化して、ロッカアームローラ8と当接する当接面16の領域が移動する構造にしている。具体的には当接面16の制御シャフト12側は、駆動カム13aのベース円に相当するベース円区間が形成してある。このベース円区間は、揺動支点Aを中心として、揺動支点A〜ロッカアームローラ中心間距離からローラ半径を引いた値を半径としたベース円半径の円弧面に形成してある。反対側となるカムシャフト13側は、それに連続して反対向きの円弧面で形成されたリフト区間が形成してある。このリフト区間は、予め設定された吸気バルブ4のバルブリフト量を定めるための円弧で形成されている。これにより、揺動レバー15の傾き角が変化すると、ロッカアームローラ8が行き交うベース円区間とリフト区間との比率が変化して、吸気バルブ4のバルブリフト量が連続的に変わるようにしている。
【0026】
一方、保持シャフト17や保持レバー18には、図3および図6に示されるように潤滑油を摺動部分に導く油路25が形成してある。油路25には、保持シャフト17の端部外周面に形成された油溝26と、保持レバー18の内部に形成された油孔30とを組合わせた構造が用いてある。油溝26および油孔30は、いずれも保持シャフト17が揺動レバー15に固着される構造を利用した簡単な構造で形成してある。すなわち、油孔30は、図8に示されるように保持レバー18の上方、すなわちボス部19a上方から、孔あけ工具35aを用いて、通孔19の壁部、通孔19の内面(軸受面)、通孔19の空間を通り(貫通)、保持レバー18の下端部の軸受部をなす軸部20の付近まで、レバー本体18aの内部に孔あけ加工を施してなる直線状の油孔31a(本願の油通路に相当)と、孔あけ工具35bを用いて、軸部20の外周面のうち例えば下部分から油孔31aの入口、すなわち油孔31aの下端と連通するように斜めに孔あけ加工を施してなる斜状の油孔31b(入口側の油孔)とを組合わせた構造が用いてある。これにより、油孔31aの出口となる上端が通孔19の内面(軸受面)に開口する。また軸部20の外周面に開口している油孔31bの入口は、例えば図3、図4および図6に示されるようにホルダ11の下部に形成してある中継路37と連通される構造にしてある。この中継路37は、例えばシリンダヘッド2に形成されている油供給路(図示しない)を介して、潤滑油を圧送するオイルポンプ(図示しない)と連通していて、オイルポンプからの潤滑油が中継路37、油孔31b、油孔31aを通じて通孔19へ供給されるようにしてある。なお、保持レバー18が揺動しても潤滑油が導かれるよう、例えば油孔31bには中継路37より内径を大きくした孔が用いて、保持レバー18の揺動範囲で、油孔31bと中継路37との連通が継続されるようにしてある。また油溝27には、図3、図4,図7(a),(b)に示されるように通孔19内面に開口する油孔31aの出口と向き合う保持シャフト17の下部外周面部分に、揺動レバー15の揺動範囲で、該出口を通り保持シャフト17の周方向に延びる円弧状の溝を加工した構造が用いてある。この円弧状の油溝27により、揺動レバー15の揺動変位を利用して、保持レバー18からの潤滑油を、軸支持部の全体、すなわち通孔19の内面と保持シャフト17の外周面とがなす摺動部の全体へ導いて、同摺動部の潤滑が行われるようにしてある。なお、油溝27は、保持シャフト17の壁部に形成した小径な通孔27aを介して当該保持シャフト17の中空部と連通させてあり、余剰の潤滑油が、連通孔27a、保持シャフト17の内部を経て、シリンダヘッド2の上部へ排出される構造にしてある(回収)。
【0027】
このように構成された連続可変動弁装置2の作用を説明すると、駆動カム13aで揺動レバー15を揺動中、今、制御用モータ14により、図5(a)に示されるように最も大きな移動量を与えるよう偏心カム13aを回動変位させる。すると、揺動レバー15の揺動支点Aは、閉弁時のロッカアームローラ8の軸心を中心として、最も制御シャフト12から離れた地点まで移動する。すると、揺動レバー15は、入力部となるローラ23と駆動カム13aとが当接する地点を支点として起きる方向へ変位する。これにより、ロッカアームローラ8は、揺動レバー15の揺動支点で定まる領域、すなわち図5(a)に示されるように最も狭いベース円区間と最も長いリフト区間とを行き交うようになる。これで、最大のバルブリフト量を確保する制御が行われる。
【0028】
またこの揺動レバー15の揺動中、制御用モータ14により、図5(b)に示されるように最も小さな移動量となるよう偏心カム13aを回動変位させると、揺動レバー15の揺動支点Aは、閉弁時のロッカアームローラ8の軸心を中心として、最も制御シャフト12に近づく地点まで移動する。すると、揺動レバー15は、入力部となるローラ23と駆動カム13aとが当接する地点を支点として傾く方向へ変位する。これにより、ロッカアームローラ8は、揺動レバー15の揺動支点で定まる領域、すなわち図5(b)に示されるように最も長いベース円区間と最も短いリフト区間とを行き交うようになる。これより、最小のバルブリフト量を確保する制御が行われる。つまり、揺動支点Aの移動により、最大のバルブリフト量から最小のバルブリフト量まで連続的に制御される。
【0029】
こうした制御中、オイルポンプで中継路37へ圧送される潤滑油は、保持レバー18内部の油孔31b、油孔31aを通じて、保持シャフト17のオイル溝27に導かれ、揺動レバー15の揺動変位を利用して、保持シャフト17のうち唯一、摺動自在となっている保持レバー18側の端部の摺動部を潤滑し、良好な制御動作を維持する。
【0030】
こうした保持レバー18を用いた連続可変動弁装置によると、揺動レバー15の揺動中、揺動レバー15の揺動支点は、常に閉弁状態を規定する位置を中心とした円弧の軌跡上で固定されるから、図9の線図中Xに示されるような大リフト量制御時でも、同じくYに示されるような小リフト量制御時でも、意図した開閉時期に吸気バルブ4を確実に開閉させることができる(ばらつきの解消)。
【0031】
しかも、保持シャフト17は、揺動レバー15に対しては固定され、保持レバー18に対しては摺動自在に嵌まる構造を用いたので、常に保持シャフト17は保持レバー18に対して所定の地点に位置決められから、別途、保持シャフト17の軸心方向を位置決める構造は不要となる。そのため、保持シャフト17の全長が抑えられ、保持シャフト17の占有スペースが減少される。
【0032】
それ故、可変動弁機構10の小形化を図りつつ、高精度なバルブリフト量と開弁期間の制御を行うことができる。しかも、保持シャフト17は、揺動レバー15には固定、保持レバー18には摺動自在に嵌まる構造で支持されることから、保持レバー18と保持シャフト17との摺動部の潤滑は、単純な構造である保持シャフト17の形成された円弧状の油溝27と保持レバー18内の油孔31aとの組合わせで成立させることができる。そのうえ、図8に示されるように油孔31aには、孔あけ工具35aで、揺動レバー15の上方から通孔19を貫通して下端部の軸部20の付近まで孔あけ加工し、入口側の油孔31bと連通させる構造を用いたので、加工した孔の入口をボールなどで塞ぐ構造は不要となり、一層、潤滑部の構造は簡単となる。
【0033】
なお、本発明は上述した一実施形態に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施しても構わない。例えば一実施形態では、保持レバー18の内部に形成した油孔31aを通じて円弧形の油溝27へ潤滑油を導いたが、例えばこれと併用して保持レバー18の上方から潤滑油をシャワーのように噴射して保持シャフト17の中空部からも油溝27へ潤滑油が送られるようにしてもよい。また一実施形態では保持シャフトを圧入によって揺動レバーに固定した例を挙げたが、これに限らず、他の手段で保持シャフトを揺動レバーに固着させてもよい。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1の発明によれば、どのような大きさのバルブリフト量が設定されても、常に揺動レバーの揺動支点は、保持レバーにより、閉弁時を基準とした軌跡上に固定されるから、往復弁の開閉時期のばらつきは解消される。しかも、揺動レバーの揺動支点と保持レバーとを支持するシャフト部材は、シャフト部材の軸心方向の位置決めをする構造が不要となるから、シャフト部材の全長が抑えられる。
【0035】
それ故、シャフト部材の占有スペースを抑えた構造ならびに保持レバーの採用により、小形化を図りつつ、高精度なバルブリフト量と開弁期間の制御を行うことができるといった効果を奏する。
【0036】
請求項2の発明によれば、上記効果に加え、簡単な構造で、シャフト部と保持レバーの両者間の潤滑ができるといった効果を奏する。
【0037】
請求項3の発明によれば、上記効果に加え、さらに保持レバー内の油通路を簡単に形成できるといった効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る連続可変動弁装置を示す平面図。
【図2】図1中のA−A線に沿う側断面図。
【図3】図1中のB−B線に沿う正断面図。
【図4】図1中のC−C線に沿う側面図。
【図5】(a)は、最大リフト制御時における可動弁機構の状態を示す側面図。
(b)は、最小リフト制御時における可動弁機構の状態を示す側面図。
【図6】連続可変動弁装置の構造を示す分解斜視図。
【図7】(a)は、保持シャフトが揺動レバーに圧入される構造を説明するための断面図。
(b)は、その保持シャフトの端部の断面図。
(c)は、保持シャフトの組付けを終えた状態を示す断面図。
【図8】保持レバーのレバー本体に油孔を加工するときを示す断面図。
【図9】連続可変動弁装置で行われるバルブリフト量の制御を示す線図。
【符号の説明】
1…シリンダヘッド
4…吸気バルブ(往復弁)
10…可変動弁機構
11…ホルダ(保持部)
12a…偏心カム(偏心体)
13a…駆動カム
15…揺動レバー
16…当接面
17…保持シャフト(シャフト部材)
18…保持レバー
19…通孔(軸受面)
23…ローラ(入力部)
27…油溝
31a…油孔(油通路)
31b…入口側の油孔
A…揺動支点。
Claims (3)
- 往復弁を有するシリンダヘッドの上部に、偏心動可能な偏心体と回転駆動可能な駆動カムとを並列に配置するとともに該偏心体と駆動カムとの間には、両者間に沿って延びる該両者間に揺動自在な揺動レバーを配置し、かつ各揺動レバーは、下端部に前記往復弁と当接する当接面を有し、上端部に前記偏心体の偏心変位を受けて前記偏心体と前記駆動カムの間を移動する揺動支点を有し、さらに揺動レバーの中間部に前記駆動カムから前記往復弁を開弁させる駆動力を入力する入力部を有してなり、前記揺動支点を移動すると、前記揺動レバーの傾き角の変化から前記往復弁と当接する当接面の領域が移動して、前記往復弁のバルブリフト量を連続的に可変させる可変動弁機構と、
前記揺動レバーと隣接して側方に上下方向に延びるように配置され、上端部が軸支持部を介して前記揺動レバーの揺動支点で回動自在に支持され、下端部が前記往復弁における閉弁時の状態を規定する位置で保持部を介して前記シリンダヘッドに回動自在に保持され、かつ内部には油通路が上下方向に沿って形成された保持レバーとを有し、
前記軸支持部が、前記揺動レバーの上端部にその上端部から端部が突き出るように固定されたシャフト部材と、前記保持レバーの上端部に形成され、前記シャフト部材の端部と摺動自在に嵌まる環状の軸受面とを有して構成される
ことを特徴とする内燃機関の連続可変動弁装置。 - 前記軸受面には、前記油通路の上端が開口され、
前記シャフト部材の端部の外周面には、前記揺動レバーの揺動範囲に渡り、前記油通路の上端開口を通過する周方向に沿って円弧状に延びる油溝が形成され、
前記軸受面と前記シャフト部との摺動部が潤滑される構成とした
ことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の連続可変動弁装置。 - 前記油通路は、孔あけ工具によって前記揺動レバーの上方から前記軸受面を貫通して該揺動レバーの内部に下端部の軸受部の付近まで孔あけ加工して、入口側の油孔と連通させる構成とした。
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の内燃機関の連続可変動弁装置。
Priority Applications (1)
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JP2002297451A JP3896942B2 (ja) | 2002-10-10 | 2002-10-10 | 内燃機関の連続可変動弁装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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