JP2003041915A - 内燃機関の動弁装置 - Google Patents

内燃機関の動弁装置

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JP2003041915A
JP2003041915A JP2001229711A JP2001229711A JP2003041915A JP 2003041915 A JP2003041915 A JP 2003041915A JP 2001229711 A JP2001229711 A JP 2001229711A JP 2001229711 A JP2001229711 A JP 2001229711A JP 2003041915 A JP2003041915 A JP 2003041915A
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Japan
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rocker arm
drive rocker
valve
internal combustion
combustion engine
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JP2001229711A
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English (en)
Inventor
Tsutomu Tanaka
力 田中
Noriyuki Yamada
範之 山田
Junichi Iwamoto
純一 岩本
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Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 動弁装置の小型化、軽量化を図りつつも耐久
性を向上させることを目的とする。 【解決手段】 第一駆動ロッカアーム31、第二駆動ロ
ッカアーム41、中間ロッカアーム51とを有し、ガイ
ド穴35,45,55に挿入した切換ピン48,58を
移動させることで三者が連結、非連結する吸気ロッカア
ーム5を備えた動弁装置1であって、第一、第二駆動ロ
ッカアーム31,41のガイド穴35,45を形成する
案内筒37,47は、下側の剛性が相対的に高くなるよ
うな偏肉部37a,47aを有し、中間駆動ロッカアー
ム51のガイド穴55を形成する案内筒57は、上側に
剛性が相対的に高くなるような偏肉部57aを有する構
成とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車等の内燃機
関の動弁装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車等の内燃機関(エンジン)は、低
速性能と高速性能の最適化を図るために、燃焼室に燃料
混合気を供給するバルブの開閉タイミングやバルブリフ
ト量を所定の機関回転数で切り替える動弁装置を有する
ものがある。
【0003】この動弁装置の従来例としては、特許第2
122877号公報に掲載されている内燃機関の動弁装
置がある。この動弁装置は、エンジンのクランクシャフ
トの回転に伴って回転するカムシャフトと、カムシャフ
トに形成された低速カムにリフトされて揺動し、バルブ
を押し下げる駆動ロッカアームと、高速カムにリフトさ
れて揺動し、エンジンの高速回転時に駆動ロッカアーム
に連結され、駆動ロッカアームの揺動特性を変化させる
補助ロッカアームとを備えている。駆動ロッカアームと
補助ロッカアームとの連結は、両者の間に連通可能に形
成されたガイド穴の一方に挿入した切換ピンに油圧をか
けて、駆動ロッカアームと補助ロッカアームとに跨るよ
うに切換ピンを移動させることにより行われている。こ
れにより、補助ロッカアームの揺動は、切換ピンを介し
て駆動ロッカアームに伝達されるので、駆動ロッカアー
ムの揺動特性を変化させることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな動弁装置は、ロッカアームの切換ピン、及び、ガイ
ド穴に非常に大きい荷重が加わるので、充分な強度、耐
磨耗性、及び、剛性を備える必要があった。しかし、必
要な強度等を得るために単にロッカアームを肉厚にする
だけでは慣性重量が増加し、正確なバルブリフトが得ら
れないという問題があった。また、ロッカアームの軽量
化を図るためにロッカアームの本体部分をアルミニウム
合金等の軽量な材料から製造しようとする場合には、ロ
ッカアームよりも高強度な材料から製造されている切換
ピンにより、ロッカアームの変形や、摩耗を生じさせ、
耐久性を損なう可能性があった。従って、本発明は、ロ
ッカアームの重量を増加させることなく、ロッカアーム
に必要とされる剛性を向上させて、動弁装置の小型化、
軽量化を図りつつも、耐久性を向上させることを目的と
する。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記の課題を解決する本
発明の請求項1に係る発明は、揺動することで内燃機関
のバルブを押圧する駆動ロッカアームと、内燃機関の回
転数に応じて駆動ロッカアームの揺動特性を変化させる
補助ロッカアームとを含み、駆動ロッカアームと前記補
助ロッカアームに摺動可能に設けられた切換ピンを移動
させることにより選択的に連結、非連結の状態を切り換
える切換機構を備えた内燃機関の動弁装置であって、駆
動ロッカアーム及び補助ロッカアームは、切換ピンを摺
動可能に保持するガイド穴が設けられた案内筒をそれぞ
れ備え、駆動ロッカアームの案内筒は、バルブの押圧方
向に肉厚の偏肉部を有し、補助ロッカアームの案内筒
は、バルブの押圧方向とは反対方向に、押圧方向よりも
肉厚の偏肉部を有する内燃機関の動弁装置とした。
【0006】このような構成を有する動弁装置は、連結
して、補助ロッカアームの揺動特性で駆動ロッカアーム
を揺動させる際に、駆動ロッカアームは、補助ロッカア
ームから伝達される力を受ける部分、つまり、案内筒の
ガイド穴からみてバルブの押圧方向が、肉厚になってい
ることでガイド穴の強度、耐磨耗性、剛性を確保し、駆
動ロッカアームの重量増加を最小限に止めながらも、そ
の破損を防止している。一方、駆動ロッカアームに力を
及ぼす補助ロッカアームには、その反力を受ける部分、
つまり、案内筒のガイド穴からみてバルブの押圧方向の
部分が、肉厚になっていることで、ガイド穴の強度等を
確保し、補助ロッカアームの重量増加を最小限に止めな
がらも、その破損を防止している。
【0007】また、本発明の請求項2に係る発明は、請
求項1に記載の内燃機関の動弁装置において、案内筒に
おける各々の偏肉部分の厚さは、駆動ロッカアーム、及
び、補助ロッカアームが独立に揺動する際に駆動ロッカ
アーム、及び、補助ロッカアームに設けられた各々の切
換ピンにおける相対移動量の差よりも厚い構成とした。
【0008】このような構成を有する動弁装置は、駆動
ロッカアームと、補助ロッカアームとが独立に揺動する
場合に、切換ピンの移動範囲を強度の高い案内筒の偏肉
部の範囲内とすることで、ロッカアームの端面の摩耗を
防止する。
【0009】そして、本発明の請求項3に係る発明は、
揺動することで内燃機関のバルブを押圧する駆動ロッカ
アームと、内燃機関の回転数に応じて駆動ロッカアーム
の揺動特性を変化させる補助ロッカアームとを含み、駆
動ロッカアームと補助ロッカアームに揺動可能に設けら
れた切換ピンを移動させることにより選択的に連結、非
連結の状態を切り換える切換機構を備えた内燃機関の動
弁装置において、駆動ロッカアーム及び補助ロッカアー
ムは、切換ピンを摺動可能に保持するガイド穴が設けら
れ、駆動ロッカアームは、ガイド穴まわりの領域におい
て、バルブの押圧方向における肉厚をバルブの押圧方向
とは反対側の肉厚よりも厚肉にし、補助ロッカアーム
は、ガイド穴まわりの領域において、バルブの押圧方向
における肉厚より前記バルブの押圧方向とは反対側の肉
厚を厚肉にした内燃機関の動弁装置とした。
【0010】このような構成を有する動弁装置は、連結
して、補助ロッカアームの揺動特性で駆動ロッカアーム
を揺動させる際に、駆動ロッカアームは、補助ロッカア
ームから伝達される力を受ける部分、つまり、ガイド穴
からみてバルブの押圧方向に肉厚部を有することでガイ
ド穴の強度、耐磨耗性、剛性を確保し、駆動ロッカアー
ムの重量増加を最小限に止めながらも、その破損を防止
している。一方、駆動ロッカアームに力を及ぼす補助ロ
ッカアームには、その反力を受ける部分、つまり、ガイ
ド穴からみてバルブの押圧方向の部分に肉厚部を有する
ことで、ガイド穴の強度等を確保し、補助ロッカアーム
の重量増加を最小限に止めながらも、その破損を防止し
ている。
【0011】
【発明の実施の形態】(第一の実施形態)本発明の実施
形態を第一の実施形態を図面を参照して詳細に説明す
る。初めに、図1に示す内燃機関であるエンジン10に
ついて説明する。図1の内燃機関の一部拡大断面図に示
すように、エンジン10は、シリンダブロック11と、
シリンダヘッド12とを有し、燃料混合気を燃焼させる
燃焼室13や、燃焼室13に燃料混合気を供給するため
の吸気バルブV1,V2や、燃焼後の排ガスを排出する
ための排気バルブV3,V4や、各バルブV1〜V4の
開閉タイミングやバルブリフト量を制御するための動弁
装置1を含んで構成されている。
【0012】シリンダブロック11は、シリンダ11a
を有し、シリンダ11aにはピストン11bが上下方向
に摺動可能に内挿されている。一方、シリンダヘッド1
2には、燃焼室13に燃料混合気を供給するための吸気
ポート12aと、燃焼後の燃焼ガスを燃焼室13から排
気するための排気ポート12bとを有している。
【0013】吸気バルブV2は、吸気ポート12aと燃
焼室13の境界をなす吸気孔18を開閉するための弁で
ある。吸気バルブV2は、弁バネ14により吸気孔18
を閉塞する方向に付勢されている。この状態において吸
気バルブV2は、吸気孔18に設けられたバルブシート
15に当接することで吸気ポート12aと燃料室13と
の間の気密を保っている。なお、図1には示さない吸気
バルブV1は、吸気バルブV2と同様の構成を有し、吸
気バルブV2と並列に配設されている。
【0014】また、排気バルブV4は、排気ポート12
bと燃焼室13の境界をなす排気孔19を開閉するため
の弁である。排気バルブV4は、弁バネ16により排気
孔19を閉塞する方向に付勢されている。この状態にお
いて排気バルブV4は、排気孔19に設けられたバルブ
シート17に当接することで排気ポート12bと燃焼室
13との間の気密を保っている。なお、図1には示さな
い排気バルブV3は、排気バルブV4と同様の構成を有
し、排気バルブV4と平行に配設されている。
【0015】動弁装置1は、図示しないクランクシャフ
トの回転に伴って回転するカムシャフト2と、カムシャ
フト2に設けられたカム22,23にリフトされて揺動
することで、吸気バルブV1,V2を開方向に押し下げ
る吸気ロッカアーム3、及び、排気バルブV3,V4を
開方向に押し下げる排気ロッカアーム4、並びに、吸気
ロッカアーム3の揺動軸であるロッカシャフト5、排気
ロッカアーム4の揺動軸であるロッカシャフト6とを含
んで構成されている。なお、カムシャフト2はホルダ7
に軸支され、ロッカシャフト5,6はホルダ7に固定さ
れている。
【0016】以下に、動弁装置1を構成する吸気ロッカ
アーム3について図1から図5を用いて詳細に説明す
る。なお、図2は吸気ロッカアームの分解斜視図であ
り、図3(a),(b)は吸気ロッカアームの平面図で
ある。また、図4(a)は第一駆動ロッカアームの側面
図、図4(b)は中間駆動ロッカアームの側面図であ
る。さらに、図5は、第一駆動ロッカアームと中間駆動
ロッカアームとが独立に揺動する場合を説明する拡大一
部断面図である。
【0017】図2及び図3(a)に示すように、吸気ロ
ッカアーム3は、吸気バルブV1に対応して設けられて
いる第一駆動ロッカアーム31と、吸気バルブV2に対
応して設けられている第二駆動ロッカアーム41と、高
速運転時に第一駆動ロッカアーム31及び第二駆動ロッ
カアーム41を連結させるための補助ロッカアームであ
る中間駆動ロッカアーム51とを有している。
【0018】まず、第一駆動ロッカアーム31について
説明する。第一駆動ロッカアーム31は、ロッカシャフ
ト5(図3(a)参照)を挿通させる貫通穴32aを備
えた細長形状の本体部32と、本体部32の一端部32
b側に連なり、タペットねじ33が進退自在に螺入され
るバルブ当接部34とを有している。本実施形態におい
て本体部32及びバルブ当接部34は軽金属からなる合
金で製造されている。
【0019】図2に示すように第一駆動ロッカアーム3
1の本体部32は、一端部32b側に、挿入穴35が形
成される。この挿入穴35には、ガイド穴36を備えた
案内筒37が圧入される。さらに、案内筒37のガイド
穴36には高強度の材料から製造された有底円筒状の規
制ピン38が摺動可能に挿入される。また、本体部32
の他端部32c側にはカム21に当接するローラユニッ
ト39の軸部材39aを嵌合させるための嵌合穴40が
形成されている。このような本体部32においては、一
端部32b側から他端部32c側に向かってガイド穴3
6、貫通穴32a、嵌合穴40が順番に配置されてい
る。
【0020】本体部32に設けられた挿入穴35は、断
面が真円形状をなしており、中間駆動ロッカアーム51
に当接する側面32dとは反対側の側面32e側が小径
の開放孔35aを残して閉塞されている。このような挿
入穴35に挿入される案内筒37は、外径が挿入穴35
にほぼ等しい真円形状を有し、内径が偏心した位置に中
心を有する円形状のガイド穴36を有している。この案
内筒37は本体部32に比べて充分な引張強さなどの強
度や、硬さなどの耐磨耗性、及び、高いヤング率を有す
る材料から製造されている。また、図2に示すようにガ
イド穴36には、開放孔35a側からみてリターンスプ
リング61、規制ピン38が順番に挿入されている。
【0021】嵌合穴40は、本体部32の側面32dか
ら側面32eを貫通しており、嵌合穴40の形成位置に
おいて本体部32には、嵌合穴40に直交するようにス
リット32fが形成されており、このスリット32f
に、ベアリング39b(図3(a)参照)に軸支されて
カム21に当接するローラ39cが配置されている。
【0022】図4(a)に示すように、第一駆動ロッカ
アーム31は、カム21のプロフィルにリフトされるこ
とで、ロッカシャフト5を揺動中心として、矢印に示す
ように揺動する。前記した案内筒37は、ガイド穴36
に対して偏心することにより肉厚が他の部分よりも厚く
なっている偏肉部37aが、吸気バルブV1を押圧する
方向に位置している。
【0023】次に、第二駆動ロッカアーム41について
説明する。第二駆動ロッカアーム41は、ロッカシャフ
ト5(図3(a)参照)を挿通させる貫通穴42aを備
えた細長形状の本体部42と、本体部42の一端部42
b側に連なり、タペットねじ43が進退自在に螺入され
るバルブ当接部44とを有している。本実施形態におい
て本体部42及びバルブ当接部44は軽金属からなる合
金で製造されている。
【0024】第二駆動ロッカアーム41の本体部42
は、一端部42b側に、挿入穴45が形成されている。
この挿入穴45には、ガイド穴46を備えた案内筒47
が圧入される。さらに、案内筒47のガイド穴46には
高強度の材料から製造された切換ピン48が摺動可能に
挿入される。また、本体部42の他端部42c側にはカ
ム22に当接するローラユニット49の軸部材49aを
嵌合させるための嵌合穴50が形成されている。このよ
うな本体部42においては、一端部42b側から他端部
42c側に向かってガイド穴46、貫通穴42a、嵌合
穴50が順番に配置されている。
【0025】本体部42に設けられた挿入穴45は、断
面が真円形状をなしており、中間駆動ロッカアーム51
に当接する側面42eとは反対側の側面42d側が閉塞
されている。また、図3(a)に示すように、貫通穴4
2aと挿入穴45とは連通路62で連通されており、挿
入穴45に切換ピン48が挿入された後に残る空間が油
圧室63を形成している。このような挿入穴45に挿入
される案内筒47は、外径が挿入穴45にほぼ等しい真
円形状を有し、内径が偏心した位置に中心を有する真円
形状のガイド穴46を有している。この案内筒47は本
体部42に比べて充分な強度、耐摩耗性、及び、高いヤ
ング率を有する材料から製造されている。
【0026】嵌合穴50は、本体部42の側面42dか
ら側面42eを貫通しており、嵌合穴50の形成位置に
おいて本体部42には、嵌合穴50に直交するようにス
リット42fが形成されており、このスリット42f
に、ベアリング49b(図3(a)参照)に軸支されて
カム22に当接するローラ49cが配置されている。
【0027】第二駆動ロッカアーム41は、図1に示す
カム22のプロフィルにリフトされることで、ロッカシ
ャフト5を揺動中心として揺動する。前記した断面が真
円形状を有する案内筒47は、ガイド穴46に対して偏
心することにより肉厚が他の部分よりも厚くなっている
偏肉部47aが、吸気バルブV2を押圧する方向に位置
している。
【0028】さらに、中間駆動ロッカアーム51につい
て説明する。中間駆動ロッカアーム51は、ロッカシャ
フト5を挿通させる貫通穴52aを備えた細長形状の本
体部52を有しており、軽金属からなる合金で製造され
ている。中間駆動ロッカアーム51の本体部52は、一
端部52b側に、挿入穴55が形成される。この挿入穴
55には、ガイド穴56を備えた案内筒57が圧入され
る。さらに、案内筒57のガイド穴56には高強度の材
料から製造された切換ピン58が摺動可能に挿入されて
いる。また、本体部52の他端部52c側にはカム23
に当接するローラユニット59の軸部材59aを嵌合さ
せるための嵌合穴60が形成されている。このような本
体部52においては、一端部52b側から他端部52c
側に向かってガイド穴56、貫通穴52a、嵌合穴60
が順番に配置されている。
【0029】本体部52に設けられた挿入穴55は、断
面が真円形状をなしており、第二駆動ロッカアーム41
に当接する側面52dから、反対側の第一駆動ロッカア
ーム31に当接する側面52eまで貫通している。この
ような挿入穴55に挿入される案内筒57は、外径が挿
入穴55にほぼ等しい真円形状を有し、内径が偏心した
位置に中心を有する真円形状のガイド穴56を有してい
る。この案内筒57は本体部52に比べて充分な強度や
耐摩耗性、高いヤング率を有する材料から製造されてい
る。
【0030】嵌合穴60は、本体部52の側面52dか
ら側面52eを貫通しており、嵌合穴60の形成位置に
おいて本体部52には、嵌合穴60に直交するようにス
リット52fが形成されており、このスリット52f
に、ベアリング59b(図3(a)参照)に軸支されて
カム23に当接するローラ59cが配置されている。
【0031】図4(b)に示すように、中間駆動ロッカ
アーム51は、カム23のプロフィルにリフトされるこ
とで、ロッカシャフト5を揺動中心として、矢印に示す
ように揺動する。案内筒57は、その中心に対して偏心
した位置にガイド穴56が形成されている。従って、案
内筒57は、他の部分よりも肉厚が厚くなっている偏肉
部57aが、ガイド穴56からみて、第一駆動ロッカア
ーム31の偏肉部37a(図4(a)参照)や、第二駆
動ロッカアーム41の偏肉部47a(図1参照)とは反
対側に位置している。
【0032】前記のような構成を有する第一駆動ロッカ
アーム31、第二駆動ロッカアーム41、及び、中間駆
動ロッカアーム51は、図3(a)に示すようにロッカ
シャフト5に互いが接触するように組み付けられてお
り、吸気バルブV1,V2を押し下げていない状態にお
いて、それぞれのガイド穴36,46,56の開口中心
が同一直線上に並んでいる。また、このときの切換ピン
48、切換ピン58、及び、規制ピン38は、長手方向
の中心軸が同一直線上に配置されている。なお、切換ピ
ン48と切換ピン58の外径、切換ピン58と規制ピン
38の外径は、それぞれ同じである。
【0033】次に、このような構成を有する動弁装置1
の動作について吸気ロッカアーム3の動作を中心に図
1、図3(a),(b)、及び、図4(a),(b)を
用いて説明する。まず、図1に示すエンジン10が低速
回転している場合は、第一駆動ロッカアーム31、中間
駆動ロッカアーム51、第二駆動ロッカアーム41は、
それぞれ、低速カム21、高速カム23、低速カム22
にリフトされることにより、独立に揺動する。これによ
り、第二駆動ロッカアーム41は、バルブ当接部44に
螺入されているタペットねじ43でバルブV2を押圧す
る。また、図4(a)に示すように第一駆動ロッカアー
ム31は、バルブ当接部34に螺入されているタペット
ねじ33でバルブV1を押圧する。なお、中間駆動ロッ
カアーム51は、図4(b)に示す一端部52b側の突
出部54が図示しないロストモーション機構に当接しな
がら揺動する。
【0034】このようにして低速回転しているエンジン
10の回転数が上がって、高速回転領域に移行する場合
は、低速カム21,22及び高速カム23が共に隆起し
ていないベース円部分にローラ39c,49c,59c
が当接している間に、図示しない油圧制御装置が駆動し
て、ロッカシャフト5内の給油路5aから連通路62を
経て第二駆動ロッカアーム41の油圧室63に油圧をか
ける。すると、油圧室63内に発生した圧力に押される
ようにして切換ピン48が、図3(b)に示すように案
内筒47内を中間駆動ロッカアーム51に向けて移動
し、中間駆動ロッカアーム51の切換ピン58を押し
て、その一部が中間駆動ロッカアーム51のガイド穴5
6内に進入する。切換ピン48が中間駆動ロッカアーム
51内に進入することで、中間駆動ロッカアーム51内
に収容されていた切換ピン58は、その一部が第一駆動
ロッカアーム31の規制ピン38を押しながら、ガイド
穴36内に進入する。
【0035】これにより、切換ピン48が移動すること
で、第二駆動ロッカアーム41と中間駆動ロッカアーム
51とが連結され、切換ピン58が移動することで中間
駆動ロッカアーム51と第一駆動ロッカアーム31とが
連結されることになり、第一駆動ロッカアーム31、中
間駆動ロッカアーム51、第二駆動ロッカアーム41
は、一体となり、プロフィルが最も大きい高速カム23
により揺動させられる。なお、高速カム23のプロフィ
ルは、低速カム21,22よりも大きいため、吸気バル
ブV1,V2の開時間が長くなると共に、バルブリフト
量も大きくなり、大量の燃料混合気が燃焼室13に供給
されることになる。なお、図3に示す規制ピン38、切
換ピン48,58、ガイド穴36,46,56、連通路
62、リターンスプリング61等が、切換機構に相当す
る。
【0036】エンジン10が高速回転から低速回転に切
り替わる際には、低速カム21,22及び高速カム23
が隆起していないベース円部分にローラ39c,49
c,59cが当接している間に油圧室63にかけられて
いた油圧が除かれる。油圧が除かれることで、各ピン3
8,48,58の長手方向にかけられていた力のバラン
スがくずれ、規制ピン38がリターンスプリング61に
付勢されることにより、切換ピン58及び切換ピン48
を初期位置まで押し戻す。これにより、第一駆動ロッカ
アーム31、中間駆動ロッカアーム51、第二駆動ロッ
カアーム41が非連結状態になり、吸気バルブV1,V
2は、低速カム21,22による第一駆動ロッカアーム
31、及び、第二駆動ロッカアーム41の揺動に伴って
開閉する。なお、動弁装置1は、図1のカムにより排気
ロッカアーム4も揺動して、燃焼室13内で形成された
燃焼ガスを排気孔、排気ポート12bを通じて排出させ
ている。
【0037】このような吸気ロッカアーム3が一体とし
て揺動している際に、第一駆動ロッカアーム31及び第
二駆動ロッカアーム41により吸気バルブV1,V2を
押圧させるためには、中間駆動ロッカアーム51は、切
換ピン48及び切換ピン58を介して第一駆動ロッカア
ーム31及び第二駆動ロッカアーム41を押し下げなけ
ればならない。従って、中間駆動ロッカアーム51の案
内筒57には、第一駆動ロッカアーム31及び第二駆動
ロッカアーム41を押し下げようとする押圧力の反力と
して上向きの力がかかる。一方、第一駆動ロッカアーム
31の案内筒37、及び、第二駆動ロッカアーム41の
案内筒47は、それぞれ切換ピン48、切換ピン58の
押圧力を受けるので下向きの力がかかる。なお、この場
合における上向き、下向きとは、図1に示すエンジン1
0の搭載方向における上方向、下方向に相当する。
【0038】そこで、図4(a)に示すように、第一駆
動ロッカアーム31は、切換ピン58からの荷重を受け
る案内筒57の下側に肉厚な偏肉部37aを配してい
る。偏肉部37aは案内筒37の他の部分に比べて肉厚
が大きいため、その分だけ強度が大きい。従って、ガイ
ド穴36まわりの領域にかかる荷重を考えた場合に、最
も大きい荷重がかかる吸気バルブV1の押圧方向、つま
り、下側に偏肉部37aがあることで第一駆動ロッカア
ーム31の剛性、強度、及び、耐摩耗性(以下、剛性等
という)を保っている。なお、ガイド穴36まわりの他
の領域にかかる荷重は、下側にかかる荷重に比べて小さ
いので、案内筒37の肉厚が薄くても第一駆動ロッカア
ーム31の剛性等は充分に保てる。
【0039】また、図4(b)に示すように、中間駆動
ロッカアーム51は、切換ピン48,58にかかる力を
受ける案内筒57の上側に肉厚な偏肉部57aを配して
いる。偏肉部57aは案内筒57の他の部分に比べて肉
厚が大きいため、その分だけ強度が大きい。従って、ガ
イド穴56まわりの領域にかかる荷重を考えた場合に、
最も大きい荷重がかかる吸気バルブV1の押圧方向と反
対側、つまり、上側に偏肉部57aがあることで中間駆
動ロッカアーム51の剛性等を保っている。なお、ガイ
ド穴56まわりの他の領域にかかる荷重は、上側にかか
る荷重に比べて小さいので、案内筒57の肉厚が薄くて
も中間駆動ロッカアーム51の剛性等は充分に保てる。
【0040】さらに、第二駆動ロッカアーム41も前記
した第一駆動ロッカアーム31と同様に、図1に示すガ
イド穴46まわりの領域において、最も大きい荷重がか
かる吸気バルブV2の押圧方向、つまり、下側に偏肉部
47aがあることで第二駆動ロッカアーム41の剛性等
を保っている。なお、ガイド穴46まわりの他の領域に
かかる荷重は、下側にかかる荷重に比べて小さいので、
案内筒47の肉厚が薄くても第二駆動ロッカアーム41
の剛性等は充分に保てる。
【0041】このようにして、強度、耐磨耗性、及び、
ヤング率の高い材料から製造されている案内筒37,4
7,57が、切換ピン48,58からの力を受けるそれ
ぞれの方向に偏肉部37a,47a,57aを有するこ
とで、高速運転時の吸気ロッカアーム3の剛性等を確保
しているので、他の部分を相対的に低強度な材料から製
造したり、肉薄に製造したりすることが可能になる。
【0042】一方、第一駆動ロッカアーム31、中間駆
動ロッカアーム51、第二駆動ロッカアーム41が独立
に揺動する場合には、低速カム21,22と、高速カム
23のプロフィルが異なるために、第一駆動ロッカアー
ム31、第二駆動ロッカアーム41よりも、中間駆動ロ
ッカアーム51が大きい角度で揺動するので、第一駆動
ロッカアーム31、第二駆動ロッカアーム41の移動量
と、中間駆動ロッカアーム51の移動量との間に差(相
対移動量の差)が生じる。この場合において、高強度の
材料から製造された規制ピン38、切換ピン48,58
の端面が、相対的に強度の低い材料から製造されている
第一駆動ロッカアーム31の側面32d、中間駆動ロッ
カアーム51の側面52d,52e、第二駆動ロッカア
ーム41の側面42eを摺動することで、これらの面を
摩耗させてしまう可能性がある。そこで、本実施形態に
おいては、案内筒37,47,57の偏肉部37a,4
7a,57aの厚さを最適化することにより、摩耗を防
止し、吸気ロッカアーム3の耐久性、すなわち、動弁装
置1の耐久性を向上させている。
【0043】まず、図5に示すように、第一駆動ロッカ
アーム31の案内筒37の偏肉部37aは、第一駆動ロ
ッカアーム31と中間駆動ロッカアーム51との移動量
の差が最大となるときであっても、中間駆動ロッカアー
ム51に収容された切換ピン58が、第一駆動ロッカア
ーム31の側面32dを摺動する領域をカバーして、そ
の摩耗を防止するのに充分な肉厚を有している。
【0044】一方、中間駆動ロッカアーム51の案内筒
57の偏肉部57aは、第一駆動ロッカアーム31と中
間駆動ロッカアーム51との移動量の差が最大となると
きであっても、第一駆動ロッカアーム31に収容された
規制ピン38が、中間駆動ロッカアーム51の側面52
dを摺動する領域をカバーして、その摩耗を防止するの
に充分な肉厚を有している。
【0045】また、同様に、第二駆動ロッカアーム41
の案内筒47の偏肉部47aと、中間駆動ロッカアーム
51の案内筒57の偏肉部57aについても同様になっ
ており、第二駆動ロッカアーム41と中間駆動ロッカア
ーム51との移動量の差が最大となるときであっても、
第二駆動ロッカアーム41の切換ピン48による中間駆
動ロッカアーム51の側面52dの摩耗を防止するよう
な肉厚を案内筒57の偏肉部57aは有しており、中間
駆動ロッカアーム51の切換ピン58による第二駆動ロ
ッカアーム41の側面42eの摩耗を防止するような肉
厚を案内筒47の偏肉部47aは有している。
【0046】なお、本体部32,42,52は軽合金か
ら製造し、案内筒37,47,57は高強度の材料から
製造したものとして説明したが、両者を同一の材料から
製造しても前記の効果を得ることが可能である。これ
は、案内筒37,47,57が挿入穴35,45,55
に圧入、又は、カシメ固定されることによる加工硬化に
より、案内筒37,47,57の強度や、耐摩耗性を相
対的に向上させることができるからである。
【0047】また、図6(a)に示すように、案内筒3
7に位置決めのための突部37bを設けると共に、これ
を受ける第一駆動ロッカアーム31の本体部32の挿入
穴35に凹部35bを設けても良い。この凹部35b
は、吸気バルブV1の押圧方向の反対側に設けられてお
り、凹部35bに突部37bをあわせるようにして案内
筒37を挿入することで、第一駆動ロッカアーム31に
おける偏肉部37aの位置決めを行うことができる。
【0048】同様に、図6(b)に示すように、案内筒
57に位置決めのための突部57bを設けると共に、こ
れを受ける中間駆動ロッカアーム51の本体部52の挿
入穴55に凹部55bを設けても良い。この凹部55b
は、前記した第一駆動ロッカアーム31の凹部35bと
は反対側に形成されており、凹部55bに突部57bを
あわせるようにして案内筒57を挿入することで、中間
駆動ロッカアーム51における偏肉部57aの位置決め
を行うことができる。
【0049】この突部37b,57bは、案内筒37,
47の位置決めのために用いられるものであるために、
偏肉部37a,57aよりも薄肉であって良い。図6
(a),(b)において、突部37b,57bを荷重の
かかる方向とは反対の方向に設けることで第一駆動ロッ
カアーム31,中間駆動ロッカアーム51の強度、剛性
に及ぼす影響を小さくしているが、突部を第一駆動ロッ
カアーム31の本体部32側や、中間駆動ロッカアーム
51の本体部52側に設けることも可能である。さら
に、図示しないが、第二駆動ロッカアーム41にも、案
内筒47に位置決めのための突部47bを設けると共
に、本体部42の挿入穴45において、吸気バルブV2
の押圧方向の反対側に凹部45bを設けることができ
る。
【0050】(第二の実施形態)次に、本発明の第二の
実施形態について図7(a),(b),(c)を参照し
ながら詳細に説明する。なお、前記の第一の実施形態と
同一の要素については同一の符号を付して、その詳細な
説明は省略する。
【0051】本実施形態における吸気ロッカアームは、
鉄鋼材料等の強度の高い材料から製造されており、図7
(a)の側面図に示すよう第一駆動ロッカアーム71
と、図7(b)の側面図に示す中間駆動ロッカアーム9
1、及び、図7(c)に示す第二駆動ロッカアーム81
からなり、それぞれ断面が真円形状のガイド穴76、ガ
イド穴96、ガイド86がそれぞれ形成されており、ガ
イド穴76,86,96に挿入された切換ピン48,5
8を油圧や、第一駆動ロッカアーム71のスプリング
(不図示)により移動させることで第一駆動ロッカアー
ム71、中間駆動ロッカアーム91、第二駆動ロッカア
ーム81を連結させたり、独立に揺動させたりしてい
る。
【0052】このような吸気ロッカアームにおいて、図
7(a)に示すように第一駆動ロッカアーム71の本体
部72は、中間駆動ロッカアーム91に連結して揺動す
る際に切換ピン58による押圧力を受けるために、切換
ピン58からの荷重を受ける下側に肉厚部72aを有し
ており、荷重が小さい上側が相対的に肉薄な肉薄部72
bを有している。また、図7(b)に示すように中間駆
動ロッカアーム91の本体部92は、連結して揺動する
時に切換ピン48及び切換ピン58の押圧力の反力を受
けるために、荷重を受ける上側に肉厚部92aを有して
おり、荷重が小さい下側が相対的に肉薄な肉薄部92b
を有している。一方、図7(c)に示すように第二駆動
ロッカアーム81の本体部82は、連結して揺動する時
に切換ピンによる押圧力を受けるために、切換ピン48
からの荷重を受ける下側に肉厚部82aを有しており、
荷重が小さい上側が相対的に肉薄な肉薄部82bを有し
ている。
【0053】このような吸気ロッカアームは、連結時に
大きい荷重がかかる各本体部72,82,92のガイド
穴76,86,96まわりの領域において、荷重のかか
る方向に肉厚部72a,82a,92aを形成すること
で、必要とされる剛性等を確保すると共に、力がほとん
どかからない部分を相対的に肉薄な肉薄部72b,82
b,92bにすることで吸気ロッカアームを構成する第
一駆動ロッカアーム71、第二駆動ロッカアーム81、
中間駆動ロッカアーム91のそれぞれを小型化、軽量化
している。
【0054】(第三実施形態)さらに、本発明の第三の
実施形態について図8を参照しながら詳細に説明する。
なお、前記の第一の実施形態と同一の要素については同
一の符号を付して、その詳細な説明は省略する。本実施
形態における動弁装置は、吸気ロッカアームと、排気ロ
ッカアームとを別々のカムシャフトで揺動させる構成を
有しており、このような動弁装置における吸気ロッカア
ーム101は、図8に示すように、第一駆動ロッカアー
ム111、第二駆動ロッカアーム121、及び、中間駆
動ロッカアーム131を備え、カムシャフト2に当接す
るローラ39c,49c,59c、及び、吸気バルブV
1,V2を押圧するバルブ当接部34,44とがロッカ
シャフト5からみて同じ方向に配設されている構成を有
している。
【0055】吸気ロッカアーム101を構成する第一駆
動ロッカアーム111は、本体部112を有し、バルブ
当接部34が設けられている一端部側に案内筒37及び
規制ピン38並びにスプリング61が配設される挿入穴
35を有し、他端部側にはロッカシャフト5が挿通され
る貫通穴112aを有している。さらに、挿入穴35と
貫通穴112aとの間にはローラ39cを軸支するロー
ラユニット39を嵌合させる嵌合穴112bを有してい
る。
【0056】また、第二駆動ロッカアーム121の本体
部122は、バルブ当接部44が設けられている一端部
側に案内筒47及び切換ピン48が配設される挿入穴4
5を有し、他端部側にはロッカシャフト5が挿通される
貫通穴122aを有している。さらに、挿入穴45と貫
通穴122aとの間にはローラ49cを軸支するローラ
ユニット49を嵌合させる嵌合穴122bを有してい
る。
【0057】さらに、中間駆動ロッカアーム131の本
体部132は、一端部側に案内筒57及び切換ピン58
が配設される挿入穴55を有し、他端部側にはロッカシ
ャフト5が挿通される貫通穴132aを有している。さ
らに、挿入穴55と貫通穴132aとの間にはローラ5
9cを軸支するローラユニット59を嵌合させる嵌合穴
132bを有している。
【0058】このような構成を有する吸気ロッカアーム
101は、カムシャフト2のカム部に、それぞれのロー
ラ39c,49c,59cがリフトされることにより、
各本体部112,122,132の他端側に挿通された
ロッカシャフト5を揺動軸として揺動する。エンジンの
高速回転時には、第二駆動ロッカアーム122の油圧室
63に油圧をかけて切換ピン48及び切換ピン58を移
動させて第一駆動ロッカアーム111、中間駆動ロッカ
アーム131、第二駆動ロッカアーム121を連結させ
ることで、中間駆動ロッカアーム131の揺動特性に合
わせて第一駆動ロッカアーム111及び第二駆動ロッカ
アーム121を揺動させることができる。
【0059】ここで、本実施形態における第一駆動ロッ
カアーム111、第二駆動ロッカアーム121、中間駆
動ロッカアーム131のガイド穴36,46,56の近
傍の剛性等は、第一の実施形態と同様に、案内筒37,
47,57の肉厚部分である偏肉部37a,47a,5
7aにより確保されている。なお、第二の実施形態と同
様に、各本体部112,122,132自体の肉厚によ
り剛性等を確保することも可能である。
【0060】なお、本発明は前記の各実施形態に限定さ
れずに広く応用することが可能である。例えば、第一駆
動ロッカアームと中間駆動ロッカアームのみから吸気ロ
ッカアームを構成することも可能である。また、第三の
実施形態において、ロッカシャフトを揺動軸とする吸気
ロッカアームとする替わりに、いわゆるピボットタイプ
の吸気ロッカアームとすることも可能である。この場合
は、本体部の他端部に貫通穴の替わりに球状凹部を設
け、この球状凹部をシリンダヘッドに固定された球状凸
部に嵌合させる構成を有し、吸気ロッカアームは、嵌合
部分を基点として揺動する。
【0061】さらに、第一、第三の実施形態において、
案内筒37,47,57の外形は、偏肉部37a,47
a,57aが形成される形状であれば真円形状に限定さ
れずに、楕円形状等、任意の形状とすることができる。
また、吸気ロッカアーム3は、低速カム21,22や、
高速カム23にリフトされるローラ39c,49c,5
9cを有する替わりに、スリッパを有する構成とするこ
ともできる。
【0062】
【発明の効果】本発明の請求項1に係る発明によれば、
切換ピンをガイドするガイド穴を設けた案内筒を備え、
切換ピンにより駆動ロッカアーム及び補助ロッカアーム
の硬度等が低い材料を用いて、駆動ロッカアームと補助
ロッカアームとを連結して揺動させる場合に、切換ピン
から受ける荷重の大きい側にそれぞれ偏肉部を有する構
成にすることで、駆動ロッカアーム及び補助ロッカアー
ムを軽量な材料から構成することが可能となる共に、大
きい荷重がかかる側を肉厚にし、荷重が小さくかかる側
を荷重が大きくかかる側に対して肉薄にできるので、剛
性を維持しながら動弁装置の小型化や、軽量化を図るこ
とができる。また、本発明の請求項2に係る発明によれ
ば、案内筒における各々の偏肉部分の厚さを、駆動ロッ
カアーム及び補助ロッカアームが独立に揺動する際に駆
動ロッカアーム及び補助ロッカアームに設けられた各々
の切換ピンにおける相対移動量の差よりも厚くすること
で、各々の切換ピンが駆動ロッカアーム及び補助ロッカ
アームに当接することがなく、駆動ロッカアーム及び補
助ロッカアームの端面の摩耗を抑制することができる。
そして、本発明の請求項3に係る発明によれば、切換ピ
ンをガイドするガイド穴が設けられた駆動ロッカアーム
と補助ロッカアームを連結して揺動させる場合に、駆動
ロッカアーム及び補助ロッカアームの切換ピンから受け
る荷重が大きい側を、受ける荷重が小さい側よりも厚肉
に設ける構成にすることで、荷重の大きい側を肉厚に
し、荷重の小さい側を荷重の高い側に対して肉薄にでき
るので、剛性を維持しながら動弁装置の小型化や、軽量
化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態における内燃機関の一部拡大
断面図である。
【図2】動弁装置の吸気ロッカアームの分解斜視図であ
る。
【図3】(a)吸気ロッカアームが非連結状態で揺動す
る場合の切換ピンの配置を説明するための一部断面図、
(b)吸気ロッカアームが一体として揺動する場合の切
換ピンの配置を説明する一部断面図である。
【図4】(a)第一駆動ロッカアームの側面図、(b)
中間駆動ロッカアームの側面図である。
【図5】第一駆動ロッカアームと中間駆動ロッカアーム
とが独立に揺動している状態を示す拡大一部断面図であ
る。
【図6】案内筒の位置決めのための突部と凹部とを備え
た(a)第一駆動ロッカアームの側面図、(b)中間駆
動ロッカアームの側面図である。
【図7】本発明の実施形態における動弁装置の吸気ロッ
カアームの(a)第一駆動ロッカアームの側面図、
(b)中間駆動ロッカアームの側面図、(c)第二駆動
ロッカアームの側面図である。
【図8】本発明の実施形態における動弁装置の吸気ロッ
カアームの平面断面図である。
【符号の説明】
1 動弁装置 10 内燃機関 31,71,111 第一駆動ロッカアーム 41,81,121 第二駆動ロッカアーム 51,91,131 中間駆動ロッカアーム 48,58 切換ピン 36,46,56,76,86,96 ガイド穴 37,47,57 案内筒 37a,47a,57a 偏肉部 72a,82a,92a 肉厚部 V1,V2 吸気バルブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩本 純一 栃木県芳賀郡芳賀町芳賀台143 株式会社 ピーエスジー内 Fターム(参考) 3G016 AA06 AA07 AA19 BA03 BA06 BA18 BA27 BB13 BB19 BB22 BB25 CA12 CA15 CA21 CA25 CA28 CA29 CA32 CA34 CA41 CA42 CA47 CA52 DA01 DA08 DA22 FA36 GA01 GA02 3G018 AB03 AB05 AB16 AB18 BA14 BA15 BA17 BA36 CA19 CB01 CB02 CB06 DA14 DA18 DA19 DA28 DA51 FA01 FA06 FA07 FA11 GA14 GA22 GA23 GA27

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 揺動することで内燃機関のバルブを押圧
    する駆動ロッカアームと、前記内燃機関の回転数に応じ
    て前記駆動ロッカアームの揺動特性を変化させる補助ロ
    ッカアームとを含み、前記駆動ロッカアームと前記補助
    ロッカアームに摺動可能に設けられた切換ピンを移動さ
    せることにより選択的に連結、非連結の状態を切り換え
    る切換機構を備えた内燃機関の動弁装置であって、 前記駆動ロッカアーム及び前記補助ロッカアームは、前
    記切換ピンを摺動可能に保持するガイド穴が設けられた
    案内筒をそれぞれ備え、前記駆動ロッカアームの前記案
    内筒は、前記バルブの押圧方向に肉厚の偏肉部を有し、
    前記補助ロッカアームの前記案内筒は、前記バルブの押
    圧方向とは反対方向に、前記押圧方向よりも肉厚の偏肉
    部を有することを特徴とする内燃機関の動弁装置。
  2. 【請求項2】 前記案内筒における各々の偏肉部分の厚
    さは、前記駆動ロッカアーム、及び、前記補助ロッカア
    ームが独立に揺動する際に前記駆動ロッカアーム、及
    び、前記補助ロッカアームに設けられた各々の前記切換
    ピンにおける相対移動量の差よりも厚いことを特徴とす
    る請求項1に記載の内燃機関の動弁装置。
  3. 【請求項3】 揺動することで内燃機関のバルブを押圧
    する駆動ロッカアームと、前記内燃機関の回転数に応じ
    て前記駆動ロッカアームの揺動特性を変化させる補助ロ
    ッカアームとを含み、前記駆動ロッカアームと前記補助
    ロッカアームに揺動可能に設けられた切換ピンを移動さ
    せることにより選択的に連結、非連結の状態を切り換え
    る切換機構を備えた内燃機関の動弁装置において、 前記駆動ロッカアーム及び前記補助ロッカアームは、前
    記切換ピンを摺動可能に保持するガイド穴が設けられ、 前記駆動ロッカアームは、前記ガイド穴まわりの領域に
    おいて、前記バルブの押圧方向における肉厚を前記バル
    ブの押圧方向とは反対側の肉厚よりも厚肉にし、前記補
    助ロッカアームは、前記ガイド穴まわりの領域におい
    て、前記バルブの押圧方向における肉厚より前記バルブ
    の押圧方向とは反対側の肉厚を厚肉にしたことを特徴と
    する内燃機関の動弁装置。
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