JP3896638B2 - 定着装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザプリンタ、ファクシミリ、複写機等の画像形成装置に使用され、加熱ローラと加圧ローラとを介して挟持搬送することにより用紙等の記録媒体に形成されたトナー像を定着する定着装置に関し、特に、加熱ローラの周面に対してクリーニング部材を付勢バネ等により付勢しつつ圧接して加熱ローラのクリーニングを行うように構成された定着装置においても、その組立時に付勢バネによる付勢力をロックすることにより容易に組立を行うことが可能な定着装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、レーザスキャナユニットを介して感光ドラム上に形成された静電潜像に対してトナー供給装置からトナーを供給するとともに、静電潜像のトナー現像を行い、かかるトナー像を用紙等の被記録媒体上に転写した後、被記録媒体上のトナー像の加熱定着を行う、所謂、電子写真方式を採用する各種の画像形成装置が存在している。
【0003】
この種の画像形成装置では、被記録媒体に形成されたトナー像の加熱定着を行うべく、ヒータ等の加熱手段を内蔵する加熱ローラ及び加熱ローラに対して圧接される加圧ローラとを有し、加熱ローラと加圧ローラとによりトナー像が形成された被記録媒体を挟持搬送しつつ、トナー画像の加熱定着を行う定着装置が設けられている。この定着装置にてトナー像の加熱定着を行うに際して、被記録媒体上にトナー像の全てが被記録媒体上で定着されずに、トナーの一部が加熱ローラの周面に付着してしまうオフセット現象が発生する場合や被記録媒体から発生する紙粉等が加熱ローラの周面に付着してしまう場合がある。
【0004】
このような場合には、被記録媒体上のトナー像の画像品質を低下させたり、また、被記録媒体の分離不良を発生したり、更には、残存トナーが加熱ローラの温度検出を行うサーミスタ等に付着してその検出感度を低下させたりする。
【0005】
前記した各種の問題を解消すべく、従来より定着装置には、加熱ローラの周面から残存トナーや紙粉等を除去してクリーニングを行うクリーニング装置が付設されているのが一般的である。かかるクリーニング装置の一例として、例えば特公平6−23910号公報には、支持体の一端にクリーニング部材を保持するとともに他端につまみ部及び掛止部を設け、その掛止部をローラを軸支する機枠に設けた掛止部材に係合させ、また、掛止部が掛止部材に係合した状態で機枠に設けた弾性部材を支持体に圧接してクリーニング部材をローラに圧接せしめるように構成したローラクリーニング装置が記載されている。かかるローラクリーニング装置では、掛止部と掛止部材との係合を弾性部材の弾発力を介して行い、また、掛止部と掛止部材との係合、離脱操作は、支持体のつまみ部を持って弾発力に抗して部材を移動させることにより行われる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記したローラクリーニング装置を定着装置内に配設しつつ定着装置を組み立てる場合、加熱ローラは、一般に、定着装置の下カバーの軸受け部に支持されており、加熱ローラを軸受け部に配置する際に、加熱ローラが弾性部材により弾発付勢されたクリーニング部材に当接してしまう。このとき、加熱ローラは、クリーニング部材により上方に持ち上げられるため、軸受け部を破損したり、また、加熱ローラ内に配設されたハロゲンランプ等の加熱手段を破損してしまう虞がある。従って、定着装置内にクリーニング装置を配設しつつ定着装置を組み立てる作業は困難なものとなり、定着装置を容易に組み立てることができない問題がある。
【0007】
本発明は前記従来の問題点を解消するためになされたものであり、加熱ローラの周面に対してクリーニング部材を付勢バネ等により付勢しつつ圧接して加熱ローラのクリーニングを行うように構成された定着装置においても、その組立時に付勢バネによる付勢力をロックすることにより容易に組立を行うことが可能な定着装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため請求項1に係る定着装置は、トナー像が形成された被記録媒体を加熱ローラと加圧ローラとにより挟持搬送しつつトナー像を加熱定着する定着装置において、前記加熱ローラと加圧ローラとによる定着ポイントを基準として、加熱ローラ回転方向の下流側に配設されるとともに加熱ローラに接触されるクリーニング部材と、前記クリーニング部材を加熱ローラの周面に向かって付勢する付勢バネと、前記加熱ローラの回転方向に沿ってクリーニング部材の下流側に配置され、加熱ローラの温度を検出する温度検出素子と、前記クリーニング部材を構成するクリーニングフレームに形成され該クリーニングフレーム下端部から垂下された垂下部とこの垂下部に連続して前記加熱ローラの長手方向と平行な一方向に延出された延出部とからなる係止部が、前記加熱ローラ及び前記クリーニング部材を収納する第1カバーに形成された係止孔に挿通された後に、前記クリーニング部材が前記延出部の延出方向と同方向にスライドされることによって、前記延出部が第1カバーの対向面に当接して前記付勢バネの付勢力が前記加熱ローラの周面に接触しない位置にロックされるロック機構と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
請求項1の定着装置では、付勢バネにより加熱ローラの周面に向かって付勢されたクリーニング部材が加熱ローラ回転方向の下流側に配設されて加熱ローラに接触されており、また、温度検出素子がクリーニング部材の下流側に配置されていることに基づき、加熱ローラと加圧ローラ間で記録媒体上に形成されたトナー像を加熱定着した後に、加熱ローラの周面に残存するトナーの一部や紙粉等がクリーニング部材を介して加熱ローラから除去され、また、これに伴い加熱ローラの周面が清浄になって温度検出素子により行われる加熱ローラの温度検出が正確に行われる。
【0010】
また、前記のように構成される定着装置を組み立てる際には、ロック機構が備えられていることに基づき、クリーニング部材を加熱ローラの周面に向かって付勢する付勢バネによる付勢力がロックされることとなる。従って、付勢バネの付勢力による影響を受けることなく、加熱ローラを定着装置内に簡単に配設することが可能となり、これに伴い加圧ローラ等も定着装置内に容易に配設することが可能となる。これより定着装置の組立を容易に行うことが可能となるものである。
【0011】
また、ロック機構は、前記加熱ローラ及び前記クリーニング部材を収納する第1カバーに形成された係止孔と、前記クリーニング部材の下部に形成され係止孔に係止される係止部とから構成されることを特徴とする。従って、クリーニング部材の下部に形成された係止部を第1カバーに形成された係止孔内に挿通し、前記加熱ローラの長手方向に平行にスライドさせて係止することによりロック機構が有効となり、付勢バネによる付勢力がロックされる。従って、係止部を係止孔内に係止する簡単な操作をもって付勢バネの付勢力をロックすることが可能となり、また、かかるロック状態で付勢バネの付勢力による影響を受けることなく、加熱ローラを定着装置内に簡単に配設することが可能となり、これに伴い加圧ローラ等も定着装置内に容易に配設することが可能となる。
【0012】
また、請求項2に係る定着装置は、請求項1に記載の定着装置において、前記クリーニング部材は、前記加熱ローラの略全幅に等しい長さに設定されたことを特徴とする。請求項2の定着装置では、クリーニング部材の長さが加熱ローラの略全幅の長さに等しく設定されており、これにより、前記請求項1の場合と同様、加熱ローラと加圧ローラ間で記録媒体上に形成されたトナー像を加熱定着した後に、加熱ローラの周面に残存するトナーの一部や紙粉等を、クリーニング部材を介して加熱ローラの全幅周面から除去することが可能となり、また、これに伴い加熱ローラの全幅周面を清浄にして温度検出素子により行われる加熱ローラの温度検出を正確に行うことが可能となる。
【0013】
そして、請求項3に係る定着装置の製造方法は、トナー像が形成された被記録媒体を加熱ローラと加圧ローラとにより挟持搬送しつつトナー像を加熱定着すると共に、前記加熱ローラと加圧ローラとによる定着ポイントを基準として、加熱ローラ回転方向の下流側に配設され、加熱ローラ周面を清浄するクリーニング部材を備える定着装置の製造方法において、前記加熱ローラを収納する第1カバーに、前記クリーニング部材を加熱ローラの周面に向かって付勢する付勢バネを配設する工程と、前記第1カバーに形成された係止孔に、前記クリーニング部材の下部に形成された係止部を挿通する工程と、前記加熱ローラの長手方向に対して、前記クリーニング部材を平行にスライドさせて係止し、前記付勢バネによる付勢力を前記加熱ローラの周面に接触しない位置にロックする工程と、を備えたことを特徴とする。これにより、係止部を係止孔内に平行にスライドさせて係止する簡単な操作をもって付勢バネの付勢力をロックすることが可能となり、また、かかるロック状態で付勢バネの付勢力による影響を受けることなく、加熱ローラを定着装置内に簡単に配設することが可能となる。そして、これに伴い加圧ローラ等も定着装置内に容易に配設することが可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る定着装置について、本発明をレーザプリンタの定着装置につき具体化した実施形態に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。先ず、本実施形態に係る定着装置が搭載されるレーザプリンタの概略構成について図1、図2に基づき説明する。図1は画像形成装置としてのレーザプリンタの主要構成部品の斜視図、図2はレーザプリンタの概略側断面図である。
【0015】
レーザプリンタにおける合成樹脂製の本体ケース1は、図1に示すように、上面から露光ユニットとしてのスキャナユニット2とトナー像形成手段としてのプロセスユニット3と、定着手段としての定着ユニット4と、給紙ユニット5とを装着できるメインフレーム1aと、該メインフレーム1aの四周(前後及び左右両側)外面を覆うメインカバー体1bとからなり、メインフレーム1aとメインカバー体1bとを、一体的に射出成形等により形成したものである。
【0016】
そして、駆動モータとギヤ列を含む駆動系ユニット6は、メインカバー体1bの図1の左側内面とそれに近接するメインフレーム1aの左側との間の収納凹所1d内に本体ケース1の下方から挿入して装着固定する。さらに、前記メインフレーム1a及びメインカバー体1bの上面を覆うための合成樹脂製の本体カバーとしてのトップカバー7には、前記メインフレーム1aの右側に上向きに突出する操作パネル部1cを貫通させる孔7aと、前記給紙ユニット5の基部を貫通させるための孔7bとが穿設されている。排紙トレイ8の基部は前記トップカバー7の前端の左右両側に突設したブラケット9、9(図1で一方のみ示す)に上下回動可能に装着されており、不使用の場合には、排紙トレイ8をトップカバー7の上面側に折り畳んで覆うことができる構成である。
【0017】
積層された状態で給紙ユニット5におけるフィダー部ケース5a内にセットされた用紙Pの先端側は、フィダー部ケース5a内の付勢ばね10a付き支持板10にて給紙ローラ11に向かって押圧され、上記駆動系ユニット6から動力伝達されて回転する給紙ローラ11と分離パッド12とによって1枚ずつ分離される。分離された用紙Pは、上下一対のレジストローラ13,14にてプロセスユニット3に給送され、このプロセスユニット3で表面にトナーにより画像を形成された用紙Pは、後に詳述する定着ユニット4の加熱ローラ15と押圧ローラ16とにて画像が加熱定着された後、定着ユニットケース内における下流側に配置された排紙ローラ17とピンチローラ18とからなる排紙部を介して排紙トレイ8に排出される。
【0018】
本体ケース1における上面開放箱体状のメインフレーム1aの平面視ほぼ中央部に配置するプロセスユニット3の下方の部位には、スキャナユニット2の上支持板2aが、前記メインフレーム1aの底板部の上面側に一体的に形成したステー部にビス等にて固定される。そして、露光ユニットとしてのスキャナユニット2には、合成樹脂製の上支持板2aの下面側に、レーザ発光部、ポリゴンミラー20、レンズ21、反射鏡22等を配置し、前記上支持板2aに感光体ドラム23の軸線に沿って延びるように穿設された横長スキャナ孔を覆う硝子板24を通過してプロセスユニット3における感光体ドラム23の外周面にレーザービームを照射して露光するように構成されている。
【0019】
図2に示すように、前記プロセスユニット3は、前記感光体ドラム23とその上面に当接した転写ローラ25、感光体ドラム23の下方に配置したスコロトロン型等の帯電器26、給紙方向において感光体ドラム23よりも上流側に配置した現像ローラ27及び供給ローラ28を有する現像装置、さらにその上流側に配置した現像剤(トナー)供給部すなわち着脱可能なトナーカートリッジ29、また感光体ドラム23よりも下流側に配置したクリーニングローラ30等から成っている。感光体ドラム23の外周面は、帯電器26にて形成された帯電層に前記スキャナユニット2からレーザービームを走査することによって静電潜像が形成される。前記トナーカートリッジ29内の現像剤(トナー)は、攪拌体31にて攪拌されて放出されたのち、供給ローラ28を介して現像ローラ27の外周面に担持され、ブレード32によってトナー層厚さが規制される。感光体ドラム23の静電潜像は、現像ローラ27から現像剤が付着することによって顕像化され、転写ローラ25と感光体ドラム23の間を通る用紙Pに転写される。そして、感光体ドラム23上に残ったトナーはクリーニングローラ30で一時的に回収された後、所定のタイミングで感光体ドラム23に戻され、現像ローラ27によりプロセスユニット3内に回収される。
【0020】
なお、スキャナユニット2の上支持板2aには、上向きに突出するトナーセンサ33を設け、発光部と受光部との対からなるトナーセンサ33がプロセスユニット3におけるトナーカートリッジ24の下面凹所内に臨んで、トナーカートリッジ29内のトナーの有無を検出できるようになっている。
【0021】
プロセスユニット3は、合成樹脂製のケース34に組み込むことにてカートリッジ化されており、このカートリッジ化したプロセスユニット3は、前記メインフレーム1aに着脱可能に装着される。
【0022】
メインフレーム1aの前部位とメインカバー体1bの前部位との連設部下面側には、冷却フアン35を収納するための収納部36と、用紙Pの通過方向と直交する左右方向に延びる通風ダクト37とが連通して形成される。そして、通風ダクト37の上面板部37aを断面下向きV字状に形成し、この上面板部37aが前記プロセスユニット3と定着ユニット4との間に位置させて、定着ユニット4における加熱ローラ15から発生する熱がプロセスユニット3側に直接伝達しないように遮断される。また、冷却フアン35で発生した冷却風は通風ダクト37内を通って、メインフレーム1aの一側下面を伝い後部の電源部39(図2参照)及び前記駆動系ユニット6の駆動モータ(図示せず)を冷却する一方、前記上面板部37aのうちプロセスユニット3側に開口した複数箇所のスリット孔38から吹き出し、該冷却風は、プロセスユニット3と定着ユニット4の間を通過して上昇し、トップカバー7に複数穿設した排気孔40から装置外に排出される。
【0023】
次に、定着ユニット4の構造について図3に基づき説明する。図3は定着ユニット4を拡大して示す断面図である。図3において、定着ユニット4は、上カバーケース50及び下カバーケース51を有しており、各上カバーケース50及び下カバーケース51は、係合爪(図示せず)により係脱自在に合わせられる。上カバーケース50の下面側には、押圧ローラ16がプロセスユニット3側(図3中、右側)でローラ軸16Aを介して回転可能に支持されており、押圧ローラ16は、バネ等(図示せず)を介して加熱ローラ15の周面に常時押圧付勢されている。尚、押圧ローラ16は、芯金に軟質の耐熱性ゴム等の弾性体層を被覆することにより構成されており、また、トナー像の加熱定着時に時計方向に回転される。また、上カバーケース50の下面側で用紙Pの排出側(図3中、左側)には、排紙ローラ17が軸受け部52に回転可能に支持されている。
【0024】
また、下カバーケース51の上面側には、プロセスユニット3側で前記押圧ローラ16に対向して加熱ローラ15が回転可能に支持されている。加熱ローラ15は、ハロゲンランプ53を内装したアルミニウム等の良熱伝導性を有する金属筒の外側周面をテトラフルオロエチレン等の耐熱性樹脂層54にて被覆することにより構成されている。また、加熱ローラ15はトナー像の加熱定着時に反時計方向に回転される。尚、用紙Pに形成されたトナー像の加熱定着を行う際に、押圧ローラ16と加熱ローラ15とによるトナー像の定着ポイントが図3中Tで示されている。
【0025】
加熱ローラ15の下側で、前記定着ポイントTを基準として加熱ローラ15の回転方向(反時計方向)の下流側にはクリーニング部材55が配置されている。クリーニング部材55は、下カバーケース51に形成されたガイドリブから構成されるバネ支持部56内に配置された付勢バネ57により上方に付勢されており、これよりクリーニング部材55は、加熱ローラ15の周面に接触されている。
【0026】
ここで、クリーニング部材55の詳細な構成、及び、下カバーケース51に対するクリーニング部材55の取付構造について図3、図4に基づき説明する。図4はクリーニング部材55を下カバーケース51に取り付ける状態を模式的に示す説明図である。尚、図3において、下カバーケース51に回転可能に支持されるピンチローラ18についてはその図示を省略している。
【0027】
図3、図4において、下カバーケース51の底部には、レーザプリンタの幅方向の2箇所に係止孔58が形成されており、また、係止孔58の外側位置にガイドリブにより囲まれてなるバネ支持部56が設けられている。そして、各バネ支持部56内には、付勢バネ57が配置されている。
【0028】
また、クリーニング部材55は、クリーニングフレーム59及びそのクリーニングフレーム59の上部を覆うように被着されたフェルト材60から構成されている。クリーニングフレーム59は、鉄板等の金属板から形成されており、その下端部には前記係止孔58に係止される2つの係止部61が形成されている。係止部61は、クリーニングフレーム59の下端部から垂下された垂下部62と、垂下部62に連続するとともに一方向(図4中、左方向)に延出された延出部63とからなる。また、フェルト材60は、用紙P上にてトナー像の形成に使用されずに加熱ローラ15の周面に付着したトナーの一部や紙粉等を除去して加熱ローラ15の周面をクリーニングするためのクリーニング材であり、クリーニングフレーム59の両側から外側に延長するようにクリーニングフレーム59よりも長く形成されている。ここに、フェルト材60の長さは、加熱ローラ15の略全幅に等しい長さに設定されている。従って、フェルト材60を介して、加熱ローラ15の全幅周面のクリーニングを行うことができる。
【0029】
前記のように構成されたクリーニング部材55を下カバーケース51に取り付けるには、クリーニングフレーム59の各係止部61と下カバーケース51の各係止孔58との位置合わせを行いつつ、バネ支持部56内に配置された付勢バネ57の上端部にクリーニングフレーム59の下端部を当接し、付勢バネ57の付勢力に抗して下方に移動させて係止部61を係止孔58内に挿通する。この後、図4中で矢印にて示すように、クリーニング部材55を左方向に若干スライドする。これにより、各係止部61は、付勢バネ57の上方への付勢力とも相まって、係止孔58内に係止され、クリーニング部材55は下カバーケース51に取り付けられる。この状態において、係止部61における延出部63の上端面は、図4中点線にて示すように、係止孔58周縁の下面に当接されており、従って、付勢バネ57の上方への付勢力は、クリーニング部材55に作用することはなくロックされた状態となる。このように、クリーニング部材55と下カバーケース51との間には、下カバーケース51の係止孔58とクリーニングフレーム59の係止部61とから構成され、付勢バネ57の付勢力をロックするロック機構が介在されることとなる。
【0030】
また、前記加熱ローラ15の回転方向(反時計方向)に沿って、前記クリーニング部材55の下流側には、加熱ローラ15の周面に接触されて加熱ローラ15の温度を検出する検出素子としてのサーミスタ64が配置されている。かかるサーミスタ64は、弾性バネ材65を介して加熱ローラ15の周面に付勢されている。
【0031】
次に、前記のように構成される定着ユニット4の組立方法について説明する。先ず、上カバーケース50の下面側に、押圧ローラ16及び排紙ローラ17を回転可能に支持する。これにより、定着ユニット4の上側ユニットが組み立てられる。
【0032】
また、下カバーケース51の上面側に、ピンチローラ18(図3中、図示省略)を回転可能に支持する。この後、前記にて説明したように、下カバーケース51において、クリーニングフレーム59の各係止部61と下カバーケース51の各係止孔58との位置合わせを行いつつ、バネ支持部56内に配置された付勢バネ57の上端部にクリーニングフレーム59の下端部を当接し、付勢バネ57の付勢力に抗して下方に移動させて係止部61を係止孔58内に挿通する。更に、図4中で矢印にて示すように、クリーニング部材55を左方向に若干スライドする。これにより、各係止部61は、付勢バネ57の上方への付勢力とも相まって、係止孔58内に係止され、クリーニング部材55は下カバーケース51に取り付けられる。この状態においては、係止部61における延出部63の上端面は、図4中点線にて示すように、係止孔58周縁の下面に当接されており、従って、付勢バネ57の上方への付勢力は、クリーニング部材55に作用することはなくロックされた状態となる。
【0033】
前記のように付勢バネ57の上方への付勢力をロックした状態で、加熱ローラ15を下カバーケース51上側で回転可能に支持する。このとき、付勢バネ57による上方への付勢力は、加熱ローラ15の周面には作用することはなく、従って、付勢バネ57の付勢力による影響を受けることなく、加熱ローラ15を下カバーケース51内に簡単に配設することができる。尚、この状態では、下カバーケース51にて弾性バネ65を介して取り付けられたサーミスタ64は、加熱ローラ15の周面に当接されている。これにより、定着ユニット4の下側ユニットが組み立てられる。
【0034】
前記のように、定着ユニット4の上側ユニット及び上側ユニットの組立を行った後、各上側ユニットと下側ユニットとを相互に合わせた状態で、係合爪(図示せず)を介して係合することにより定着ユニット4が組み立てられるものである。
【0035】
以上詳細に説明した通り本実施形態に係る定着ユニット4では、付勢バネ57により加熱ローラ15の周面に向かって付勢されたクリーニング部材55が加熱ローラ15回転方向の下流側に配設されて加熱ローラ15の全幅周面に接触されており、また、サーミスタ64がクリーニング部材55の下流側に配置されていることに基づき、加熱ローラ15と押圧ローラ16間で用紙P上に形成されたトナー像を加熱定着した後に、加熱ローラ15の周面に残存するトナーの一部や紙粉等がクリーニング部材55を介して加熱ローラ15の全幅周面から除去され、また、これに伴い加熱ローラ15の周面が清浄になってサーミスタ64により行われる加熱ローラ15の温度検出が正確に行われる。
【0036】
また、定着ユニット4を組み立てるにつき、下カバーケース51に加熱ローラ15を配置するに際して、クリーニングフレーム59の各係止部61と下カバーケース51の各係止孔58との位置合わせを行いつつ、バネ支持部56内に配置された付勢バネ57の上端部にクリーニングフレーム59の下端部を当接し、付勢バネ57の付勢力に抗して下方に移動させて係止部61を係止孔58内に挿通した後、クリーニング部材55を左方向に若干スライドすることにより、各係止部61は、付勢バネ57の上方への付勢力とも相まって、係止孔58内に係止され、クリーニング部材55は下カバーケース51に取り付けられる。この状態においては、係止部61における延出部63の上端面は、図4中二点鎖線にて示すように、係止孔58周縁の下面に当接されており、従って、付勢バネ57の上方への付勢力を、クリーニング部材55に作用させることなくロックされた状態とにすることができ、また、このロック状態で付勢バネ57の付勢力は加熱ローラ15の周面に作用することはないので、付勢バネ57の付勢力による影響を受けることなく、加熱ローラ15を下カバーケース51内に簡単に配設することができる。これより定着ユニット4の組立を容易に行うことが可能となるものである。
【0037】
また、クリーニング部材55の係止部61を係止孔58内に挿通した後、クリーニング部材55を左方向に若干スライドするという簡単な操作をもって付勢バネ57の付勢力をロックすることができる。
【0038】
尚、本発明は前記実施形態に限定されることなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。
【0039】
【発明の効果】
以上説明した通り請求項1の定着装置では、付勢バネにより加熱ローラの周面に向かって付勢されたクリーニング部材が加熱ローラ回転方向の下流側に配設されて加熱ローラに接触されており、また、温度検出素子がクリーニング部材の下流側に配置されていることに基づき、加熱ローラと加圧ローラ間で記録媒体上に形成されたトナー像を加熱定着した後に、加熱ローラの周面に残存するトナーの一部や紙粉等がクリーニング部材を介して加熱ローラの周面から除去され、また、これに伴い加熱ローラの周面が清浄になって温度検出素子により行われる加熱ローラの温度検出が正確に行われる。
【0040】
また、前記のように構成される定着装置を組み立てる際には、ロック機構が備えられていることに基づき、クリーニング部材を加熱ローラの周面に向かって付勢する付勢バネによる付勢力がロックされることとなる。従って、付勢バネの付勢力による影響を受けることなく、加熱ローラを定着装置内に簡単に配設することが可能となり、これに伴い加圧ローラ等も定着装置内に容易に配設することが可能となる。これより定着装置の組立を容易に行うことが可能となるものである。
【0041】
また、クリーニング部材の下部に形成された係止部を第1カバーに形成された係止孔内に係止することによりロック機構が有効となり、付勢バネによる付勢力がロックされる。従って、係止部を係止孔内に係止する簡単な操作をもって付勢バネの付勢力をロックすることが可能となり、また、かかるロック状態で付勢バネの付勢力による影響を受けることなく、加熱ローラを定着装置内に簡単に配設することが可能となり、これに伴い加圧ローラ等も定着装置内に容易に配設することが可能となる。
【0042】
また、請求項2に係る定着装置では、クリーニング部材の長さが加熱ローラの略全幅の長さに等しく設定されており、これにより、前記請求項1の場合と同様、加熱ローラと加圧ローラ間で記録媒体上に形成されたトナー像を加熱定着した後に、加熱ローラの周面に残存するトナーの一部や紙粉等を、クリーニング部材を介して加熱ローラの全幅周面から除去することが可能となり、また、これに伴い加熱ローラの全幅周面を清浄にして温度検出素子により行われる加熱ローラの温度検出を正確に行うことが可能となる。
【0043】
そして、請求項3に係る定着装置の製造方法では、クリーニング部材の下部に形成された係止部を第1カバーに形成された係止孔内に係止することによりロック機構が有効となり、付勢バネによる付勢力がロックされる。従って、係止部を係止孔内に係止する簡単な操作をもって付勢バネの付勢力をロックすることが可能となる。また、かかるロック状態で付勢バネの付勢力による影響を受けることなく、加熱ローラを定着装置内に簡単に配設することが可能となり、これに伴い加圧ローラ等も定着装置内に容易に配設することが可能となる。
【0044】
以上の通り本発明は、加熱ローラの周面に対してクリーニング部材を付勢バネ等により付勢しつつ圧接して加熱ローラのクリーニングを行うように構成された定着装置においても、その組立時に付勢バネによる付勢力をロックすることにより容易に組立を行うことが可能な定着装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 画像形成装置としてのレーザプリンタの主要構成部品の斜視図である。
【図2】 レーザプリンタの概略側断面図である。
【図3】 定着ユニットを拡大して示す断面図である。
【図4】 クリーニング部材を下カバーケースに取り付ける状態を模式的に示す説明図である。
【符号の説明】
1 レーザプリンタの本体ケース
2 スキャナユニット
3 プロセスユニット
4 定着ユニット
15 加熱ローラ
16 押圧ローラ
50 上カバーケース
51 下カバーケース
53 ハロゲンランプ
54 耐熱性樹脂層
55 クリーニング部材
56 バネ支持部
57 付勢バネ
58 係止孔
59 クリーニングフレーム
60 フェルト材
61 係止部
62 垂下部
63 延出部
64 サーミスタ
P 用紙
Claims (3)
- トナー像が形成された被記録媒体を加熱ローラと加圧ローラとにより挟持搬送しつつトナー像を加熱定着する定着装置において、
前記加熱ローラと加圧ローラとによる定着ポイントを基準として、加熱ローラ回転方向の下流側に配設されるとともに加熱ローラに接触されるクリーニング部材と、
前記クリーニング部材を加熱ローラの周面に向かって付勢する付勢バネと、
前記加熱ローラの回転方向に沿ってクリーニング部材の下流側に配置され、加熱ローラの温度を検出する温度検出素子と、
前記クリーニング部材を構成するクリーニングフレームに形成され該クリーニングフレーム下端部から垂下された垂下部とこの垂下部に連続して前記加熱ローラの長手方向と平行な一方向に延出された延出部とからなる係止部が、前記加熱ローラ及び前記クリーニング部材を収納する第1カバーに形成された係止孔に挿通された後に、前記クリーニング部材が前記延出部の延出方向と同方向にスライドされることによって、前記延出部が第1カバーの対向面に当接して前記付勢バネの付勢力が前記加熱ローラの周面に接触しない位置にロックされるロック機構と、を備えたことを特徴とする定着装置。 - 前記クリーニング部材は、前記加熱ローラの略全幅に等しい長さに設定されたことを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
- トナー像が形成された被記録媒体を加熱ローラと加圧ローラとにより挟持搬送しつつトナー像を加熱定着すると共に、前記加熱ローラと加圧ローラとによる定着ポイントを基準として、加熱ローラ回転方向の下流側に配設され、加熱ローラ周面を清浄するクリーニング部材を備える定着装置の製造方法において、
前記加熱ローラを収納する第1カバーに、前記クリーニング部材を加熱ローラの周面に向かって付勢する付勢バネを配設する工程と、
前記第1カバーに形成された係止孔に、前記クリーニング部材の下部に形成された係止部を挿通する工程と、
前記加熱ローラの長手方向に対して、前記クリーニング部材を平行にスライドさせて係止し、前記付勢バネによる付勢力を前記加熱ローラの周面に接触しない位置にロックする工程と、を備えたことを特徴とする定着装置の製造方法。
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JP13702797A JP3896638B2 (ja) | 1997-05-27 | 1997-05-27 | 定着装置 |
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-
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