JP3895715B2 - 電動パワーステアリング装置の電動モータ - Google Patents

電動パワーステアリング装置の電動モータ Download PDF

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Description

本発明は、電動モータにより操舵にアシストカを付与する電動パワーステアリング装置の電動モータの改良に関する。
従来から、ステアリングホイール等の入力部から入力されたトルクにしたがって、電動モータから車輪等の被操舵部に適切なアシストカを付与する電動パワーステアリング装置が知られている。このような電動パワーステアリング装置に用いられる電動モータの構造については、例えば本出願人による特願平7−203888号(特許文献1)において提案がなされている。
図18には、この従来の電動パワーステアリング装置の電動モータを示す。図示されるように、電動モータ201は、基板ケース202の本体203に形成された組み付け孔204に固設される。この基板ケース本体203の電動モータ201と反対側には、基板205が取り付けられる。この基板205には、スイッチング素子である複数のFET(電界効果トランジスタ)206等で構成される電動モータ201の駆動回路、およびCPU207等で構成される制御回路が組み込まれている。
電動モータ201から延び出す出力軸210は、基板205の組み付け孔204に位置する部分を貫通し、基板ケース202の蓋部211において軸受212を介して支持されるとともに、ギヤケース213内に収容されるウォーム軸214と連係する。ウォーム軸214は、図示されない被操舵部と連係し、電動モータ201からのアシストカをこの被操舵部に伝達する。
出力軸210外周のコミュテータ215に摺接するブラシ216はブラシホルダ217内に摺接され、このブラシホルダ217は組み付け孔204に設けられた絶縁性のスペーサ218に支持されている。ブラシ216と基板205の回路とを導通するピグテール線(リード線)219は、基板205に直接取り付けられている。
特願平7−203888号
従来の電動モータ201はこのように構成されるが、この構造には、以下に述べるような問題点がある。
第1に、この従来の電動モータ201では駆動回路を構成する複数のFET206および出力軸210からの放熱経路の確保が十分でない。これについて詳しく説明すれば、基板205上で駆動回路を構成する複数のFET206は、回路構成の都合上、ブラシ216の近傍すなわち出力軸210の近傍に配設されるのが通常である。一方、これらのFET206は発熱しやすく、この熱の放熱経路の確保が必要となるが、この従来の構造では、FET206の近傍すなわち出力軸210近傍は電動モータ201の組み付け孔204となっているので、FET206および出力軸210からの放熱経路は基板205を通る経路のみしかない。このため、たとえ基板ケース本体202および基板205を熱伝導率の高いアルミニウム等で形成したとしても、FET206および出力軸210からの放熱性は十分ではなかった。
第2に、この従来の構造は、電動モータ201単体での動特性試験に手間がかかる。すなわち、この従来の構造では、電動モータ201の出力軸210は、基板205が保持される基板ケース本体203の下方に延び出して、蓋部211において軸受212を介して支持されるようになっているので、電動モータ201単体での動特性試験には電動モータ201を支持する特別の治具が必要となってしまっていた。
第3に、電動モータ201に対してはトルクリミッタを設ける必要があるが、この従来の構造ではトルクリミッタは基板ケース202の外部に配設する必要があり、装置全体の構造が大型化してしまう。
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、電動モータの回路基板(特に駆動回路を構成するFET)および出力軸からの放熱性がよい電動パワーステアリング装置の電動モータを提供することを目的とする。
また、本発明は、電動モータ単体での動特性試験が容易に行われ得る電動パワーステアリング装置の電動モータを提供することを目的とする。
また、本発明は、電動モータに設けられるトルクリミッタをコンパクトに収容し得、装置全体の小型化を図り得る電動パワーステアリング装置の電動モータを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、入力部に入力される入力トルクにしたがって被操舵部にアシストカを付与する電動パワーステアリング装置の電動モータにおいて、電動モータ本体とこの電動モータ本体を駆動する駆動回路およびこの駆動を制御する制御回路を組み込んだ基板とを収装するモータケースと、前記電動モータ本体と前記基板とを隔てる壁として前記モータケースの内側全域にわたって熱伝導率の大きな材料で形成されるとともにこの壁を貫通して前記基板側に延び出す前記電動モータ本体の出力軸の軸受を支持する基板取り付け部と、前記基板下方を覆う下側ケースと、を備えるとともに、前記電動モータ本体の出力軸と前記被操舵部側に連係する回転軸との間に介装されるトルクリミッタを前記基板の下方で前記下側ケース内に収容した。
また、前記トルクリミッタの外周部が前記電動モータ本体の出力軸と一体に回転するように前記トルクリミッタと前記出力軸および前記回転軸とを連結するとともに、このトルクリミッタの外周部に前記出力軸外周に設けられたコミュテータの複数の電極と位相を合わせて形成される前記電極と同数のスリットと、前記トルクリミッタの側方に配設され前記出力軸の回転に伴う前記スリットの位置変化を検出する検出手段とを備え、この検出手段から検出された前記スリットの位置変化のタイミングに基づいて前記電動モータ本体への供給電流の指令値に補正を与える。
また、前記検出手段は前記基板から前記トルクリミッタ側方へと垂下されている。
また、入力部に入力される入力トルクにしたがって被操舵部にアシストカを付与する電動パワーステアリング装置の電動モータにおいて、電動モータ本体の出力軸と前記被操舵部側に連係する回転軸との間に介装されるトルクリミッタを備え、前記トルクリミッタの外周部が前記被操舵部側に連係する回転軸と一体に回転するように前記トルクリミッタと前記出力軸および前記回転軸とを連結するとともに、このトルクリミッタの外周部に形成した複数のスリットと、前記トルクリミッタの側方に配設され前記回転軸の回転に伴う前記スリットの位置変化を検出することにより前記回転軸の回転速度を検出する検出手段と、前記出力軸の回転速度を検出する検出手段とを備え、検出された前記回転軸の回転速度と前記出力軸の回転速度との不一致により前記出力軸と前記回転軸との間のスリップ判定を行う。
また、検出された前記出力軸の回転速度が前記回転軸の回転速度よりも大きいと判断されたときには前記電動モータ本体への供給電流を低減し、その後再び検出された前記出力軸の回転速度と前記回転軸の回転速度が一致したときには前記電動モータ本体への供給電流を漸増させる。
また、前記回転軸の回転速度の検出手段の検出部は前記基板から前記トルクリミッタ側方へと垂下されている。
本発明は、入力部に入力される入力トルクにしたがって被操舵部にアシストカを付与する電動パワーステアリング装置の電動モータにおいて、電動モータ本体とこの電動モータ本体を駆動する駆動回路およびこの駆動を制御する制御回路を組み込んだ基板とを収装するモータケースと、前記電動モータ本体と前記基板とを隔てる壁として前記モータケースの内側全域にわたって熱伝導率の大きな材料で形成されるとともにこの壁を貫通して前記基板側に延び出す前記電動モータ本体の出力軸の軸受を支持する基板取り付け部と、前記基板下方を覆う下側ケースと、を備えるとともに、前記電動モータ本体の出力軸と前記被操舵部側に連係する回転軸との間に介装されるトルクリミッタを前記基板の下方で前記下側ケース内に収容している。これによって、電動モータの駆動により、基板に装着された部品が発熱したとしても、基板は全域において基板取り付け部と接触するようになっているので、この発熱は基板取り付け部を通ってスムーズに逃がされる結果、基板上の回路の動作の安定性が保証される。また、出力軸の軸受も基板取り付け部に支持されているので、出力軸からの熱も基板取り付け部を通ってスムーズに逃がされる。特に、駆動回路にスイッチング素子として電界効果トランジスタを用いているときには、電界効果トランジスタからの熱は基板取り付け部を通って効果的に放熱されるので、電界効果トランジスタはジャンクション温度に容易に到達せず、駆動回路の動作性能は安定に保たれる。さらに、電動モータ本体の出力軸は、基板取り付け部に軸受を介して保持される形となっているので、電動モータの単体での動特性試験は特別な治具で電動モータ本体を支持しなくとも実行でき、試験の効率化を図ることができる。また、モータケースおよび下側ケース内の空間が有効利用される結果、トルクリミッタをも含めた装置全体の構造が小型化でき、パワーステアリング装置の車両への搭載性が向上する。
また、本発明は、前記トルクリミッタの外周部が前記電動モータ本体の出力軸と一体に回転するように前記トルクリミッタと前記出力軸および前記回転軸とを連結するとともに、このトルクリミッタの外周部に前記出力軸外周に設けられたコミュテータの複数の電極と位相を合わせて形成される前記電極と同数のスリットと、前記トルクリミッタの側方に配設され前記出力軸の回転に伴う前記スリットの位置変化を検出する検出手段とを備え、この検出手段から検出された前記スリットの位置変化のタイミングに基づいて前記電動モータ本体への供給電流の指令値に補正を与えるようにしている。これによって、出力軸外周のコミュテータの複数の電極とブラシとの接触状態が出力軸の回転に伴って変動し、これが電動モータ本体への供給電流に影響するために生じるモータの出力トルクのコギング(周期的変動)に対しては、検出手段によるスリットの位置変化の検出に同期したタイミングで、電動モータ本体への供給電流の指令値に補正を加えることにより、モータの出力トルクのコギングの変動、すなわち電動モータ本体への実際の供給電流の変動を相殺して、モータの出力トルクを略一定の安定したものとできる。
また、本発明は、前記検出手段は前記基板から前記トルクリミッタ側方へと垂下されるようにしている。これによって、検出手段は少ない配線工数で基板に対して接続でき、トルクリミッタの側方に容易に設置できる。
また、本発明は、前記トルクリミッタの外周部が前記被操舵部側に連係する回転軸と一体に回転するように前記トルクリミッタと前記出力軸および前記回転軸とを連結するとともに、このトルクリミッタの外周部に形成した複数のスリットと、前記トルクリミッタの側方に配設され前記回転軸の回転に伴う前記スリットの位置変化を検出することにより前記回転軸の回転速度を検出する検出手段と、前記出力軸の回転速度を検出する検出手段とを備え、検出された前記回転軸の回転速度と前記出力軸の回転速度との不一致により前記出力軸と前記回転軸との間のスリップ判定を行うようにしている。これによって、出力軸と回転軸の回転数の比較によりこれらのスリップは容易に判定できるとともに、出力軸の回転数が回転軸の回転数より大きい場合には電動モータヘの供給電流が大き過ぎてスリップが生じていると判断し、回転軸の回転数が出力軸の回転数よりも大きい場合には被操舵部に加えられた外力によりスリップが生じていると判断することができるので、スリップの原因についても適確に把握することができる。
また、本発明は、検出された前記出力軸の回転速度が前記回転軸の回転速度よりも大きいと判断されたときには前記電動モータ本体への供給電流を低減し、その後再び検出された前記出力軸の回転速度と前記回転軸の回転速度が一致したときには前記電動モータ本体への供給電流を漸増させるようにしている。これによって、電動モータ本体への供給電流の過剰で出力軸と回転軸のスリップが生じたとしても、このスリップは即座に解消できるとともに、スリップの解消した適切なタイミングで再び十分な電流を電動モータヘ供給し、電動パワーステアリング装置の機能を保つことができる。
また、本発明は、前記回転軸の回転速度の検出手段の検出部は前記基板から前記トルクリミッタ側方へと垂下されるようにしている。これによって、検出手段は少ない配線工数で基板に対して接続でき、トルクリミッタの側方に容易に設置できる。
本発明をより詳細に説述するために、添付の図面に従ってこれを説明する。
図1は、本発明のパワーステアリング装置の全体構成を示す図である。図示されるように、入力部(ステアリングホイール)からトルクが入力される入力軸1は、ギヤケース2のピニオン収容部3内において、図示されないトーションバーを介してピニオン軸に連結する。この図示されないピニオン軸に形成されたピニオンは、ギヤケース2のラック軸収容部4に収容されたラック軸5と噛合し、入力トルクによるピニオンの回転にしたがってラック軸5が摺動する。ラック軸5には、ナックルアーム6を介して図示されない被操舵部(車輪)が連結されており、被操舵部はこのラック軸5の摺動にしたがって操舵される。
一方、入力トルクは、例えば入力トルクに基づくトーションバーの振れとして、トルクセンサ7によって検出され、この検出信号がケーブル8を介して、パワーアシスト用の電動モータ10側に入力される。電動モータ10は入力トルクの検出信号の方向および大きさに基づいて出力を発生し、このモータ出力が電動モータ10の出力軸11に連結されたウォーム12、図示されないアシストピニオン軸と一体のウォームホイール、およびアシストピニオン軸のアシストピニオンを介してラック軸5に伝達され、入力軸1と同方向の操舵アシストカを付与する。なお、このアシストピニオン軸は、ギヤケース2のアシストピニオン収容部9に収容されている。
図2は、この電動モータ10をさらに詳細に示す図である。図示されるように、この電動モータ10のモータケース20は、モータ本体側ケース21と、基板側ケース22とから構成される。さらに詳しく説明すれば、モータ本体側ケース21の下端側の内周には、基板側ケース22上端の嵌合部22Aが挿入され、この嵌合部22Aの側方に形成された段部22Bと、モータ本体側ケース21下端のフランジ部21Aとがボルト24でボルト結合されることにより、モータ本体側ケース21下方に基板側ケース22が結合される。また、この基板側ケース22の下端部には、ウォーム側ケース(下側ケース)90の上端部が結合され、モータケース20の下方を閉鎖するようになっている。なお、モータ本体側ケース21下端内周と基板側ケース22の嵌合部22Aとの間にはOリング68が、基板側ケース22とウォーム側ケース90との間にはOリング69が、それぞれ介装され、モータケース20内への防水および防塵が図られている。
モータ本体側ケース21には、図示されない磁極、ロータ等からなる電動モータ本体10Aが収容され、この電動モータ本体10Aの出力軸11が下方に延び出している。この出力軸11は、基板側ケース22に形成された基板取り付け部23を貫通するとともに、この基板取り付け部23に設けられた軸受25において支持されている。なお、本発明では、この基板40が取り付けられる基板取り付け部23を含めて、基板側ケース22を熱伝導率の高い(放熱効果の高い)材質(例えばアルミニウム)で構成している。したがって、電動モータ10の駆動による出力軸11からの熱は、基板取り付け部23を通って効果的に逃がされるようになっている。
この基板取り付け部23は、電動モータ10の電動モータ本体10A側と基板40側とを隔てるように基板側ケース22の内側全域にわたる壁であり、その下面(電動モータ本体10Aと反対側の面)に沿って基板40が取り付けられる。この基板40には、図3に回路図として示すように、電動モータ10の駆動回路41および制御回路42が組み込まれている。
駆動回路41は、バッテリー44と電動モータ本体10Aとの間に介装される4個のFET(電界効果トランジスタ)43から構成され、これらのFET43が制御回路42により開閉制御される結果、バッテリー44からバッテリー端子61およびリレー45を介して電動モータ本体10Aへ供給される電流がパルス幅変調され、この供給電流により大きさが決まってくる電動モータ本体10Aの出力が制御される。なお、リレー45は、後述するCPU47が、トルクセンサ7からの入力トルク検出信号、エンジン回転速度検出信号、車速検出信号のいずれかが異常であると判断したときに切断され、電動モータ本体10Aへの電力供給が停止されるようになっている。
制御回路42は駆動回路41を制御するもので、駆動回路41の各FET43のスイッチングを開閉駆動するドライバ46と、このドライバ46を制御するCPU47とから構成される。このCPU47には、トルクセンサ7からの入力トルク検出信号が入力され、CPU47がこの入力トルク検出信号に基づいてドライバ46を制御する結果、電動モータ10の出力(被操舵側へのアシストカ)が入力トルクにしたがった適切な大きさに制御される。
なお、CPU47には、安定化電源48を介してバッテリー44からの電圧が降圧かつ安定化されて入力されるとともに、モータ回転速度検出回路49からの電動モータ10の回転速度検出信号がフィードバックされている。また、CPU47には、一対の信号端子70、71を介して外部信号50が入力されるとともに、イグニッションスイッチからの信号51、エンジン回転速度検出信号52、車速検出信号53それぞれ入力され、さらに、各種データが格納されたE2PROM(Electrical Erasable Programable Read Only Memory)と接続している。
図2および図4に示すように、このような回路を構成するCPU47、複数(この実施例では4個)のFET43、複数の電解コンデンサ56等の回路構成部品は、基板40に下側を向いて装着されている。このように電解コンデンサ56を逆向きに装着することにより、電解液の液漏れが生じた時でも、腐食を防止することができる。
さらに、基板40下方はネジ57によってネジ止めされた蓋58によって覆われ、この蓋58上にリレー45が設けられている。なお、蓋58と基板40との間には、ゲル59が封入されている。
ところで、このように基板40に装着された部品のうち、FET43は特に発熱しやすく、その放熱経路の確保が必要であるが、本発明では、上述のように基板取り付け部23は放熱効果の高いアルミニウム等で構成されるとともに、出力軸11の軸受25を基板取り付け部23で支持するようにしているので、基板取り付け部23が基板40全面にわたって接触するようにでき、モータ駆動用のFET43をブラシ33(すなわち出力軸11)側に近接させて配置したとしても、FET43からの放熱が効果的に行われるようになっている。
バッテリー端子61は、その電極が圧着された圧着端子シャフト62を介して基板40の回路パターンと接続される。圧着端子シャフト62は、基板側ケース22の側面を貫通して固定された円筒形の絶縁性スリーブ63内に、スナップリング64を介して固定される。なお、スリーブ63と基板側ケース22との間にはOリング65が、スリーブ63と圧着端子シャフト66との間にはOリング66が、それぞれ介装され、モータケース20内の防水および防塵が図られている。また、圧着端子シャフト62の基板側ケース22からの突出部分にはチューブ67が被せられ、防水がなされている。
なお、本発明のバッテリー端子は、図5に示すように、ハウジング121で覆われたバッテリ線122の雌端子123と、電動モータ10側の雄端子124からなるコネクタタイプとすることもできる。これにより、車両への実装作業の工数の低減が可能となる。
一方、一対の信号端子71は、それぞれ、バッテリー端子61と反対の基板側ケース22側面を貫通する円筒形のインシュレータ72内に固定され、その電極71Aは基板40の回路パターンに直接ハンダ付けされる。なお、このインシュレータ72と基板側ケース22との間にはOリング73が介装され、モータケース20内の防水および防塵がなされている。
一方、基板取り付け部23の上方では、出力軸11を挟んで相対する位置に一対の樹脂製ガイド部26が設けられ、これらのガイド部26には、それぞれ電気抵抗の小さな材料からなるブラシリード27が支持されている。このブラシリード27は、図6にも示すように、ブラシ設置部28と、このブラシ設置部28から下方に延びるリード部29とを備えている。このリード部29は基板40を貫通するとともに、基板40から下方に延びる導電性のECUリード75(図2参照)とハンダ付けにより接触固定され、所定の箇所でECUリード75に導電性の固定バネ76で係止される。このように、ブラシ33、ブラシリード27およびECUリード75を介して、コミュテータ35と基板40の駆動回路41とが導通するが、ブラシリード27とECUリード75は導電性の固定バネ76で係止されているので、電動モータ10の駆動による熱でブラシリード27とECUリード75との間のハンダ付けが溶けてしまっても、固定バネ76を介してブラシリード27とECUリード75間の導通は確保され続ける。
一方、ブラシ設置部28には一対の固定穴30が形成され、ブラシリード27は、これらの固定穴30においてガイド部26上に位置決め固定される。また、ブラシ設置部28には複数のブラシホルダ固定穴31が形成され、このブラシホルダ固定穴31にブラシホルダ32の脚部が挿入固定される。ブラシホルダ32内には、図2に示すように、ブラシ33およびコイルバネ34が収装される。そして、ブラシ33は出力軸11に設けられたコミュテータ35側にコイルバネ34によって付勢され、コミュテータ35との接触が保たれるようになっている。
ブラシ33とブラシリード27は、ピグテール線(リード線)36で接続される。この場合、ピグテール線36のブラシリード27への固定は、ブラシリード27のブラシ設置部28のピグテール線固定位置37(図6参照)への高温ハンダ付けまたは超音波溶接で行われる。これにより、このピグテール線36の固定時に生じる熱は表面積の広いブラシ設置部28から放熱されるので、ブラシリード27および基板40が高温となることはない。
基板40を貫通した出力軸11は、ウォーム側ケース90内で図示されないクラウニングスプラインを介してトルクリミッタ80にスプライン結合される。本発明では、このようにトルクリミッタ80をウォーム側ケース(下側ケース)90内に収容することにより、モータケース20およびウォーム側ケース90内の空き空間が有効に活用され、ひいては装置全体の小型化を図ることができる。
このトルクリミッタ80は、外周にウォーム92Aが形成されたウォーム軸92に連結する。このウォーム軸92は、ウォーム側ケース90に軸受93で支持されながらウォーム側ケース90外部に延び出して、図1に示したラック軸5側に連係する。なお、軸受93は、止め金94、95によってウォーム側ケース90に固定されている。
トルクリミッタ80は、円筒形のケース81内に、上側クラッチ板82と下側クラッチ板83を備え、上側クラッチ板82は電動モータ10の出力軸11側に、下側クラッチ板83はウォーム軸92側に、それぞれ連結している。そして、この上側クラッチ板82がバネ84によって下側クラッチ板83側に付勢されている結果、上側クラッチ板82と下側クラッチ板83(すなわち出力軸11とウォーム軸92)とは、出力軸11とウォーム軸92間の伝達トルクが所定の限界値以下である間は、下側クラッチ板83に固設された摩擦部材85と上側クラッチ板82間の摩擦力によって一体に回転する。これに対して、出力軸11とウォーム軸92間の伝達トルクが所定の限界値を超えた場合には、下側クラッチ板83に固設された摩擦部材85と上側クラッチ板82が滑ることにより、出力軸11とウォーム軸92との一体回転が解かれ、電動モータ10に過負荷がかかることが防止されるようになっている。なお、トルクリミッタ80のケース81は、上側クラッチ板82と一体に回転するようになっている。
さらに本発明では、図7に示すように、トルクリミッタ80のケース81の外周に、コミュテータ35の極数(本実施例では12極)と同一数のスリット101が形成され、これらのスリット101とコミュテータ35の各電極とは、位相を合わせて配置されている。さらに、トルクリミッタ80の側方には、トルクリミッタ80(出力軸11)の回転角度センサとして、トルクリミッタ80の回転に伴うスリット101の位置変化による磁束変化を検出するHALLIC102が設置される(図9参照)。このHALLIC102は、基板40の延長部103に設置する、これにより、HALLIC102は少ない配線工数で、トルクリミッタ80の側方に容易に設置できる。
このような構成により、電動モータ10のトルクのコギング(周期的な変動)を低減することができるのであるが、これについて以下に詳しく説明する。
図8に示すように、一対のブラシ33は、両側から挟み込むようにしてコミュテータ35に接触しており、コミュテータ35の回転(出力軸11の回転)に伴って、コミュテータ35を構成する複数の電極上での位置を変更していく。この場合、図8の位置Bに破線で示したようにブラシ33が2つの電極にまたがって配置される場合と、図8の位置Aまたは位置Cに実線または2点鎖線で示したようにブラシ33が一つの電極上に配置される場合がある。この事情を表したのが図10の1段目のグラフであり、図示されるように、ブラシ33とコミュテータ35の1極接触と2極接触が繰り返し現れる。そして、電動モータ本体10には2極接触の場合に1極接触よりも大きなモータ駆動電流が流れること、およびブラシ33が電極間を移動するときに生じるモータブラシノイズの影響で、図10の2段目のグラフに表されるように、電動モータ本体10Aへの供給電流の指令値、すなわちモータ指令電流にしたがった一定の電流を電動モータ本体10Aに供給しようとしても、電動モータ本体10Aに実際に供給される電流、すなわち電動モータ10の出力トルクには周期的な変動を生じてしまう。
一方、図10の4段目のグラフに示すように、トルクリミッタ80の外周のスリット101の存在が、このHALLIC102の出力の変動(落ち込み)として周期的に検出される。ところで、このトルクリミッタ80のスリット位置はコミュテータ35の電極の配置と位相が合っているので、このスリット位置の検出のタイミングは、上述の電動モータ10の出力トルクのコギングのタイミングと一致する。したがって、制御回路42は、図10の3段目のグラフに示すように、モータ指令電流に、グラフの斜線部分に示したようなスリット位置の検出タイミングに同期した補正を与えることにより、電動モータ本体10Aへ実際に供給される電流を、コミュテータ35の電極の存在による変動分が相殺されたものとできる。すなわち、本発明では、モータ指令電流が一定である場合の電動モータ10の出力トルクのコギング周期に同期した周期的変動を相殺するような補正を、モータ指令電流自体に与えることにより、実際の出力トルク(電動モータ本体10Aに実際に供給される電流)は略一定の安定したものとすることができる。
つぎに作用を説明する。
入力部(ステアリングホイール)からトルクが入力されると、この入力トルクがギヤケース2内のラック軸5に伝達され、ナックルアーム6を介して被操舵部(車輪)を操舵する一方、この入力トルクはトルクセンサ7により検出されて電動モータ10の制御回路42に入力され、制御回路42はこの入力トルクの検出値にしたがって電動モータ本体10Aへの供給電流の指令値(モータ指令電流)を演算して、このモータ指令電流にしたがって駆動回路41のスイッチング動作を制御する、そして、この駆動回路41からの供給電流により駆動された電動モータ10がアシストカを操舵力に付与することで、入力トルクの大きさにしたがった適切なパワーアシストが達成される。
本発明では、このような駆動回路41および制御回路42を実装した基板40は、電動モータ本体10Aとともにモータケース20内に一体に組み込まれ、電動モータ10の小型化および車両への搭載性の向上が図られている。
ところで、駆動回路41はスイッチング素子としての複数のFET(電界効果トランジスタ)43から構成されているが、これらのFET43はスイッチング動作により発熱し、また、電動モータ10の出力軸11もモータ駆動により同様に発熱する。したがって、これらの熱を上手に放熱することが必要であるが、本発明では、FET43および出力軸11からの発熱は、基板取り付け部23を通ってスムーズに放熱される、すなわち、基板取り付け部23は、電動モータ本体10A側と基板40側とを隔てるように基板側ケース22の内周全域にわたって設けられ、電動モータ本体10Aの軸受25を支持しており、また熱伝導率の高い材料(例えばアルミニウム)で形成されているので、回路構成の都合上、FET43をブラシ33の近傍(すなわち出力軸11の近傍)に配設したとしても、基板40はこの出力軸11近傍のFET43の配置位置においても基板取り付け部23と接触しており、FET43からの熱は基板取り付け部23を通ってスムーズに放熱される。また、出力軸11からの熱も同様に、基板取り付け部23を通って効果的に放熱される。このように、本発明では、FET43の高温化を防止して、ジャンクション温度に容易に到達しないようにすることで、駆動回路41の動作性能は安定に保たれる。
また、本発明では、ブラシ33と基板40の回路とを導通するピグテール線36のブラシ33側への固着は、ブラシリード27のピグテール線固定位置37への溶接でなされ、このときの熱はブラシ設置部28に広い表面積を備えたブラシリード27を介して放熱されるので、ピグテール線36の固着により基板40が過熱状態となってしまうことはない。
なお、このブラシリード27は基板40から延びるECUリード75とハンダ付けされるのであるが、ブラシリード27はブラシ設置部28に広い表面積を持つとともに、電気抵抗が小さいため、通電によっても発熱しにくく、また、通電による発熱で仮にブラシリード27とECUリード75間のハンダ付けが溶けてしまったとしても、ブラシリード27とECUリード75とは導電性の固定バネ76により固定されているので、ブラシリード27とECUリード75間の電気的接触は確実に保たれ、電動モータ10の適切な作動が確保される。
また、電動モータ本体10Aは、基板取り付け部23の上方に軸受25を介して保持される形となっているので、電動モータ10Aの単体での動特性試験は特別な治具で電動モータ10Aを支持しなくとも実行でき、試験の効率化を図ることができる。
さらに、本発明では、基板40下方のウォーム側ケース90内に、出力軸11とウォーム軸92間に介装されるトルクリミッタ80を収容するようにしているので、モータケース20およびウォーム側ケース90内の空間が有効利用される結果、トルクリミッタ80をも含めた装置全体の構造が小型化でき、パワーステアリング装置の車両への搭載性が向上する。また、このようにモータケース20内に収容したトルクリミッタ80のケース81外周のスリット101を、コミュテータ35の電極と同数かつ位相を合わせて配置し、トルクリミッタ80側方にはこのスリット101の移動を検出するHALLIC102を基板40から延び出すように配置しているので、HALLIC102のスリット101の検出タイミングと同期して、モータ指令電流に補正を加えることにより、モータの出力トルク(電動モータ本体10Aに実際に供給される電流)のコギングを削減することができる。
図11は、本発明の他の実施例を示す図である。
この実施例では、トルクリミッタ80を図2、図7とは上下逆向きに配設し、トルクリミッタ80のケースがウォーム軸92と一体に回転するようにするとともに、出力軸11とウォーム軸92の回転数をそれぞれ検出する手段を備えている。これにより、出力軸11とウォーム軸92との回転数の差を検出して、出力軸11とウォーム軸92とのスリップ状態を検出することができる。
これについて詳しく説明すれば、図11のように配置したトルクリミッタ80においては、(この場合には上側に配置された)下側クラッチ板83が出力軸11に、(この場合には下側に配置された)上側クラッチ板82がウォーム軸92に、それぞれ固定され、スリット101が形成されたケース81は上側クラッチ板82すなわちウォーム軸92と一体に回転する。さらに、出力軸11の回転数を検出する手段として、下側クラッチ板83の出力軸11との結合部110に形成されている複数のスプライン111の位置検出を行うHALLIC112が設けられる。なお、このHALLIC112は、基板40の延長部113に取り付けられ、配線工数の低減が図られている。
そして、HALLIC102によるスリット101およびHALLIC112によるスプライン111の単位時間毎の検出量から、それぞれウォーム軸92および出力軸11の回転数が検出される。なお、この場合にはウォーム軸92および出力軸11の回転数がそれぞれ検出されればよいのであるから、スリット101とスプライン111は位相合わせする必要はなく、同数である必要もない。
このようにして検出された出力軸11とウォーム軸92の回転数を比較することにより、出力軸11とウォーム軸92が同一回転数であるときにはこれらはスリップのない正常の動作をしていると判断される一方、出力軸11の回転数がウォーム軸92の回転数より大きい場合には電動モータ10への供給電流が大き過ぎてスリップが生じていると判断され、出力軸11の回転数がウォーム軸92の回転数よりも大きい場合には被操舵部(タイヤ)に加えられた外力によりスリップが生じていると判断される。このような判断に基づいて、基板40の制御回路は電動モータ本体10Aに供給される電流を制御する。
具体的には、図12に示すように、出力軸11の回転数WA、が第1段目のグラフのように大きく変化したときには、第2段目のグラフに示すウォーム軸92の回転数WBがトルクリミッタ80により決定される限界値に達した時刻Aにおいて頭打ちとなり、それ以降では図に点線で示した出力軸11の回転数WA、に追随せず一定の最大値に止まり、出力軸11とウォーム軸92間でスリップをし続ける。このようにして出力軸11とウォーム軸92の回転数の差が生じると、所定の検出時間経過後の時刻Bにはこの差が検出され、電動モータ10への供給流量が過大であるとの判断がなされる。すると制御回路は、電動モータ10への供給電流を例えば0Aまで減少させ(パワーダウン処理)、出力軸11の回転数WAを減少させる、これにより、出力軸11の回転数WAがウォーム軸92の限界回転数以下になる時刻Cにおいて、出力軸11とウォーム軸92とは再び一体回転を始める。このようにして出力軸11とウォーム軸92との回転数差がなくなったのちは、再び電動モータ10への供給電流を増大させるようにする(パワーアップ処理)。なお、本実施例ではパワーダウン処理において電動モータ10への供給電流を0Aまで減少させたが、この減少の最小値は任意の値を選ぶことが可能であり、例えばウォーム軸92の回転数WBが頭打ちとなったときの供給電流の1/2または1/3等に設定してもよい。
図13〜図15には、本発明のさらに他の実施例を示す。
この実施例では、図2の実施例における基板40を、2枚の基板140A、140Bからなる2枚基板構造としたものである。これらの2枚基板のうち基板140Aは、例えばアルミニウム等の熱伝導率の高い材料から形成されるとともに、図14、図15に示すように、複数のFET43等からなる駆動回路41側が実装される。一方、例えば高耐熱樹脂基板である基板140Bは、基板140Aにネジ141によりネジ止めされるとともに、制御回路42側、すなわちCPU47、リレー45、コンデンサ56等が実装される。なお、CPU47に隣接して温度センサ142が取り付けられ、基板近傍の温度がFET43のトラジェクション温度近くになったときには、CPU47はリレー45を介して電動モータ本体10Aへの電力供給を停止するようになっている。また、基板140Aと基板140Bとの段差にはスペーサ143が設けられ、基板140A、140Bの表面はシール剤144によりカバーされている。
このように基板を2枚基板140A、140Bとし、発熱性の高いFET43が装着される基板140Aのみを、基板140Bよりも放熱性のよい例えばアルミニウム基板とすることにより、基板全体としてのコストを低減することができる。また、図2の実施例における蓋58が省略される点でもコストが削減できる。
図16は、本発明のさらに他の実施例を示す図である。
この実施例では、図2の実施例における出力軸11とウォーム軸92とを一体として、モータケース20外側にウォーム151を備えた出力軸150としている。
図17には、ウォーム側ケース(下側ケース)90に電界シールド用の一対のリブ161、162を設けた実施例を示す。図示されるように、ウォーム側ケース90の半径方向に延びる一対のリブ161、162で扇形断面の領域163を形成する、そして、このウォーム側ケース90を基板側ケース22下方に装着するときには、領域163内に複数のFET43が収容されるようにする。これにより、領域163外側の領域164に配置される制御回路42は、FET43側の領域163と遮断され、FET43のスイッチング動作に伴うノイズの影響を受けることがない。
なお、この実施例では、FET43を覆うリブ161、162をウォーム側ケース90に設けたが、このようなリブは基板側ケース22に設けるようにしてもよい。
以上のように、本発明にかかる電動モータは、パワーステアリング装置の電動モータとして有用であり、特に、電動モータの回路基板からの放熱性を向上させるとともに、パワーステアリング装置の電動モータ関連部分の小型化を図るのに適している。
本発明のパワーステアリング装置の全体構成を示す図である。 本発明の電動モータの断面を示す図である。 本発明の電動モータの駆動回路および制御回路の回路構成を示す図である。 本発明の電動モータの基板部分を示す図である。 本発明の電動モータのコネクタ方式のバッテリー端子の断面にした場合を示す図である。 本発明の電動モータのブラシリードを示す図である。 本発明の電動モータの断面を示す図である。 本発明の電動モータのコミュテータ電極とブラシとの関係を示す図である。 本発明の電動モータのトルクリミッタとHALLICとの関係を示す図である。 コミュテータの回転位置、モータトルクの関係、およびトルクリミッタのスリット位置とモータ指令電流の関係を示す図である。 本発明の他の実施例におけるトルクリミッタを示す図である。 出力軸の回転数WA、ウォーム軸の回転数WBに対するモータ指令電流の制御方法を示す図である。 本発明の他の実施例における電動モータの断面を示す図である。 本発明の他の実施例における電動モータの基板を示す図である。 本発明の他の実施例における電動モータの駆動回路および制御回路の回路構成を示す図である。 本発明の他の実施例における電動モータの断面を示す図である。 本発明の他の実施例におけるウォーム側ケースおよびこれに形成されたリブを示す図である。 従来のパワーステアリング装置における電動モータおよび基板ケースの断面を示す図である。
符号の説明
10 電動モータ
11 出力軸
20 モータケース
22 基板側ケース
23 基板取り付け部
25 軸受
27 ブラシリード
33 ブラシ
35 コミュテータ
36 ピグテール線(リード線)
40 基板
41 駆動回路
42 制御回路
43 電界効果トランジスタ
58 蓋
75 ECUリード
76 固定バネ
80 トルクリミッタ
90 ウォーム側ケース(下側ケース)
92 ウォーム軸(被操舵部側に連係する回転軸)
101 スリット
102 HALLIC(磁束検出手段)

Claims (6)

  1. 入力部に入力される入力トルクにしたがって被操舵部にアシストカを付与する電動パワーステアリング装置の電動モータにおいて、電動モータ本体の出力軸と前記被操舵部側に連係する回転軸との間に介装されるトルクリミッタを備え、前記トルクリミッタの外周部が前記電動モータ本体の出力軸と一体に回転するように前記トルクリミッタと前記出力軸および前記回転軸とを連結するとともに、このトルクリミッタの外周部に前記出力軸外周に設けられたコミュテータの複数の電極と位相を合わせて形成される前記電極と同数のスリットと、前記トルクリミッタの側方に配設され前記出力軸の回転に伴う前記スリットの位置変化を検出する検出手段とを備え、この検出手段から検出された前記スリットの位置変化のタイミングに基づいて前記電動モータ本体への供給電流の指令値に補正を与えることを特徴とする電動パワーステアリング装置の電動モータ。
  2. 前記検出手段は前記基板から前記トルクリミッタ側方へと垂下されていることを特徴とする請求項に記載の電動パワーステアリング装置の電動モータ。
  3. 入力部に入力される入力トルクにしたがって被操舵部にアシストカを付与する電動パワーステアリング装置の電動モータにおいて、電動モータ本体の出力軸と前記被操舵部側に連係する回転軸との間に介装されるトルクリミッタを備え、前記トルクリミッタの外周部が前記被操舵部側に連係する回転軸と一体に回転するように前記トルクリミッタと前記出力軸および前記回転軸とを連結するとともに、このトルクリミッタの外周部に形成した複数のスリットと、前記トルクリミッタの側方に配設され前記回転軸の回転に伴う前記スリットの位置変化を検出することにより前記回転軸の回転速度を検出する検出手段と、前記出力軸の回転速度を検出する検出手段とを備え、検出された前記回転軸の回転速度と前記出力軸の回転速度との不一致により前記出力軸と前記回転軸との間のスリップ判定を行うことを特徴とする電動パワーステアリング装置の電動モータ。
  4. 検出された前記出力軸の回転速度が前記回転軸の回転速度よりも大きいと判断されたときには前記電動モータ本体への供給電流を低減し、その後再び検出された前記出力軸の回転速度と前記回転軸の回転速度が一致したときには前記電動モータ本体への供給電流を漸増させることを特徴とする請求項に記載の電動パワーステアリング装置。
  5. 前記回転軸の回転速度の検出手段の検出部は前記基板から前記トルクリミッタ側方へと垂下されていることを特徴とする請求項に記載の電動パワーステアリング装置の電動モータ。
  6. 前記電動モータ本体とこの電動モータ本体を駆動する駆動回路およびこの駆動を制御する制御回路を組み込んだ基板とを収装するモータケースと、前記電動モータ本体と前記基板とを隔てる壁として前記モータケースの内側全域にわたって熱伝導率の大きな材料で形成されるとともにこの壁を貫通して前記基板側に延び出す前記電動モータ本体の出力軸の軸受を支持する基板取り付け部と、前記基板下方を覆う下側ケースと、を備えるとともに、前記トルクリミッタを前記基板の下方で前記下側ケース内に収容したことを特徴とする請求項1から5のいずれか一つに記載の電動パワーステアリング装置の電動モータ。
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