JP3895461B2 - 高耐熱性ガスケット構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、自動車等のエンジンの排気口より下流の排気系の、特に400℃を超える高温の部品結合部に使用される高耐熱性ガスケットの構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車等のエンジンの排気口より下流の排気系を構成する、排気管やサイレンサー、キャタリスティックコンバーター、ターボチャージャー等の部品の結合部は、例えば排気管周りでは概略400℃〜700℃、ターボチャージャー周りでは概略600℃〜800℃等の高温になる。このためそれらの結合部に使用されるガスケットは、高耐熱性を持つように、従来は図5(a)〜(e)にそれぞれ断面を示す如き構造を具えている(例えば図5(a)に示す従来構造については特開平2−58592号公報中第3図参照)。
【0003】
ここで、図5(a)に示す構造は、パンチングメタル製の芯金1が入った膨張黒鉛シート2を高温環境による灰化や加熱冷却サイクルによるクリープの防止のためにステンレス鋼製の薄板材3で包み込んで気密に封止したものであり、図5(b)に示す構造は、上記と同様パンチングメタル製の芯金1が入った膨張黒鉛シート2を上記と同様の灰化やクリープの防止のためにステンレス鋼製薄板材3で挟み込んだものであり、図5(c)に示す構造は、二枚の金属製の板材4にそれぞれ山形のフルビード4aを形成してバネ反力を付加することによりシール面圧を維持するようにしたものであり、図5(d)に示す構造は、金属製の板材4を三枚積層して断熱性を付加することにて耐熱性を高めるようにしたものであり、図5(e)に示す構造は、金属製の板材4にフルビード4aを形成するとともに、その板材4に積層したもう一枚の板材4の縁部4bを先の板材4の縁部上に折り返して、ガスケット縁部で板材4を三層に積層することによりシール面圧を高めるようにしたものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図5(a)および(b)に示す従来構造では、膨張黒鉛シート2をステンレス鋼薄板3で覆っているため灰化による消失は僅かであるものの、膨張黒鉛シート2のクリープは免れず、それゆえ長期間使用するとシール機能が低下してしまうという問題がある。また、図5(a)〜(e)に示す従来構造では、排気系部品のフランジ面とガスケットとが金属同士で接触しているため、フランジ面に残った加工傷等の凹部を柔軟に埋めることはできず、それゆえ高いシール機能を持つことができないという問題があり、特に図5(c)〜(e)に示す構造では板厚が厚いためこの傾向が著しい。さらに、図5(c)および(e)に示す構造では、高温下、特に600℃を超える環境下でのビード4aのバネ力低下が著しいため、これも長期間使用するとシール機能が低下してしまうという問題がある。そして、図5(e)に示す従来構造では、板材4の積層数が部分的に異なっていて排気系部品のフランジ面に局部的な面圧が加わるため、長期間使用するとフランジ面に変形が発生し、その変形に追従し得なくなってシール機能が低下してしまうという問題がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明は、高温による灰化やクリープが発生せず、しかも高耐熱性と柔軟性とを持つシール材を金属製板材と組み合わせることで、上記課題を有利に解決したガスケット構造を提供することを目的とするものであり、この発明の高耐熱性ガスケット構造は、エンジンの排気口より下流の排気系の高温の部品結合部に使用される高耐熱性ガスケットの構造において、各々排気通流口を持つ三枚の金属製の板材と、前記三枚の板材のうち外側の二枚の板材のシール面上に固着された、高耐熱性無機物質からなるシール材の層とを具えてなり、前記三枚の板材は、前記外側の二枚の板材のうち一方の板材の前記排気通流口側の縁部を他方の板材の前記排気通流口側の縁部上に、前記三枚の板材のうち中間の板材の前記排気通流口側の縁部を挟まずに折り返すことにより、前記部品結合部に局所的な面圧が加わらないようにガスケット全体に亘って均一に三層に積層されており、前記シール材の層は、前記外側の二枚の板材のうち少なくとも一方の板材の前記排気通流口の周囲に形成されたビードにより生じた凹部および、そのビードと前記一方の板材の折り返された前記排気通流口側の縁部とにより形成された凹部に当該シール材が溜まることでフローを抑制されるように前記ビードに対し上下方向に整列する位置にて前記板材に固着されて環状をなしていることを特徴とするものである。
【0006】
かかるガスケット構造にあっては、積層された三枚の金属製の板材のうち外側の二枚の板材のシール面上に、高耐熱性無機物質からなるシール材の層が固着されており、それゆえ、このガスケット構造を具えるガスケットを排気系部品に装着すると、金属製の板材のシール面によって保持されたシール材の層が排気系部品の部品結合部であるフランジ面の所定位置に密接してシール機能を発揮する。
しかもこの発明のガスケット構造にあっては、外側の二枚の板材のうち一方の板材の排気通流口側の縁部を他方の板材の排気通流口側の縁部上に、三枚の板材のうち中間の板材の前記排気通流口側の縁部を挟まずに折り返すことにより、板材が実質的にガスケット全体に亘って均一に三層に積層されていて、高耐熱性無機物質からなるシール材の層が、外側の二枚の板材の少なくとも一方の排気通流口の周囲に形成されたビードにより生じた凹部および、そのビードと前記一方の板材の折り返された前記排気通流口側の縁部とにより形成された凹部に当該シール材が溜まることでフローを抑制されるように前記ビードに対し上下方向に整列する位置にて外側の二枚の板材に固着されて環状をなしていることから、ビードが排気系部品のフランジ面で挟まれて偏平化することで生ずる板材の僅かな凹部と、前記一方の板材の折り返された前記排気通流口側の縁部の端縁が形成する凹部とによってシール材の層が板材のシール面上に強固に保持されるとともに、三層の積層で板材に断熱性が付加され、さらに、板材が実質的にガスケット全体に亘って均一に三層に積層されているので排気系部品のフランジ面に局所的な面圧が加わることがない。
【0007】
従ってこの発明のガスケット構造によれば、高温による灰化やクリープが発生しない、高耐熱性無機物質からなるシール材の層がシール機能を保持するので、高温下でシール機能を長期間維持することができ、またフランジ面に加工傷等の凹部が残っていても、その凹部をシール材の層が柔軟に埋めるので、高いシール機能を持つことができ、そして、たとえフランジ面に変形が発生しても、その変形にシール材の層が柔軟に追従するので、高いシール機能を長期間維持することができる。
しかもこの発明のガスケット構造によれば、ビードが排気系部品のフランジ面で挟まれて偏平化することで生ずる板材の僅かな凹部と、外側の二枚のうちの一方の板材の折り返された排気通流口側の縁部の端縁が形成する凹部とによってシール材の層が板材のシール面上に強固に保持されるので、ガスケットの耐圧性および耐久性を高めることができる。
さらにこの発明のガスケット構造によれば、三層の積層で板材に断熱性が付加されるので、ガスケットの耐熱性を高めることができ、また排気系部品のフランジ面に局所的な面圧が加わることがないので、ガスケットが長期間に亘って充分高いシール機能を維持することができる。
【0008】
なお、この発明のガスケット構造における前記高耐熱性無機物質はマイカ(雲母)と窒化硼素とのうち何れか一種以上からなるものであっても良く、これらマイカや窒化硼素あるいはその混合体を含むシール材によれば、400℃を超える高温環境下でも長期間にわたって充分高いシール機能を維持することができる。この一方、この発明のガスケット構造における前記金属製板材の材質は、高温下での締め付け使用時に過大な厚さ変化が生ずるものでなければ足り、特にそれ以外の制限はない。従ってその板材には、例えば通常のステンレス鋼板や銅板等を使用することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明の実施の形態を実施例によって、図面に基づき詳細に説明する。なお、図中、図5の従来例におけると同様の部分はそれと同一の符号にて示す。ここに、図1(a)は、この発明の高耐熱性ガスケット構造の一実施例を示す平面図、図1(b)は、その実施例のガスケット構造の、図1(a)のA−A線に沿う断面図である。
【0011】
この実施例の高耐熱性ガスケット構造は、自動車用エンジンの排気口より下流の排気系を構成する排気管やサイレンサー、キャタリスティックコンバーター、ターボチャージャー等の部品の結合部に用いられるものであり、図1(a)に示すように、全体として概略三角形状の平面形状を有するとともに、中央部の排気流通孔5と各隅部のボルト孔6とを具えている。
【0012】
またこの実施例の高耐熱性ガスケット構造は、図1(b)に排気通路5付近の部分について断面を示すように、例えばステンレス鋼等の金属製の板材4を三枚重ねに積層し、それらのうちの図では一番上の板材4の排気通流孔5側の縁部4cの周囲に斜面状に段差をなすハーフビード4dを形成するとともに、中間の板材4の排気通流孔5側の縁部4eを上記ハーフビード4dよりも奥に位置させ、さらに一番下の板材4の排気通流孔5側の縁部4fを一番上の板材4の上記縁部4c上に折り返すことにより、実質的にガスケット全体にわたって板材4を三層に積層して具えており、これにより板材4に断熱性を付加して、ガスケットの耐熱性を高めている。
【0013】
さらにこの実施例の高耐熱性ガスケット構造は、図1(b)では一番上の板材4の図では上向きの面であるシール面上の、上記排気流通孔5側の縁部4cの周囲のハーフビード4dの位置と、図1(b)では一番下の板材4の図では下向きの面であるシール面上の、上記ハーフビード4dの位置に対し上下方向に整列する位置とにそれぞれ、図1(a)に示す如き、環状のシール材の層7を固着されて具えている。
【0014】
ここにおけるシール材の層7は高耐熱性無機物質からなり、具体的には、非燃焼性溶液としての水ガラス9重量%と、分散剤としての界面活性剤1重量%と、水50重量%とを混合してなる結合材に、高耐熱性無機粒子としての例えば窒化硼素(BN)の鱗片状粒子40重量%を混合してなるものである。
【0015】
上記のシール材層7を板材4のシール面上に固着するに際し、この実施例では先ず、水ガラス9重量%と界面活性剤1重量%と水50重量%とを混合攪拌して液状の結合材を製造し、次いでその結合材中に窒化硼素の鱗片状粒子40重量%を混合し、その窒化硼素粒子が結合材中に均一に分散するよう攪拌して液状のシール材を製造する。そしてその液状のシール材を、例えば注射器状のディスペンサーでの吐出塗布やスクリーン透過塗布等によって、厚さと幅とを正確に制御しつつ板材4のシール面上の所定位置に塗布し、その後、その塗布したシール材を乾燥させて硬化させるという工程を行う。なお、液状のシール材を製造する際の各材料の混合順序は上記の順序に限られず、適宜変更することもできる。また結合材に用いる溶液は、乾燥後に燃焼性物質が含有されなければ、上記の水ガラスには限られず他のものでも良い。
【0016】
かかる構成を具えるこの実施例の高耐熱性ガスケット構造にあっては、高耐熱性無機粒子としての窒化硼素粒子と結合材とを混合してなるシール材の層7が、金属製の板材4のシール面上に固着されており、それゆえ、このガスケット構造を具えるガスケットを排気系部品に装着すると、金属製の板材4のシール面によって保持されたシール材の層7が排気系部品のフランジ面の所定位置に密接してシール機能を発揮する。
【0017】
従って、この実施例のガスケット構造によれば、高温による灰化やクリープが発生しない、高耐熱性無機粒子と結合材とを混合してなるシール材の層7がシール機能を保持するので、高温下でシール機能を長期間維持することができ、またフランジ面に加工傷等の凹部が残っていても、その凹部をシール材の層7が柔軟に埋めるので、高いシール機能を持つことができ、そして、たとえフランジ面に変形が発生しても、その変形にシール材の層7が柔軟に追従するので、高いシール機能を長期間維持することができる。
【0018】
そしてこの実施例のガスケット構造によれば、高耐熱性無機粒子として窒化硼素の粒子を用いているので、400℃を超える高温環境下でも長期間にわたって充分高いシール機能を維持することができる。
【0019】
また、この実施例のガスケット構造によれば、高耐熱性無機粒子として鱗片状の粒子を用いているので、薄くかつシール機能にむらのないシール材の層7を容易に形成することができる。
【0020】
さらに、この実施例のガスケット構造によれば、ハーフビード4dの上に固着されたシール材の層7が、そのハーフビード4dで形成された凹部にシール材が溜まることで板材4のシール面上に強固に保持されるので、使用中のガスケットのシール面に沿うシール材のフローを抑制し得て、ガスケットの耐圧性および耐久性を高めることができる。
【0021】
そして、この実施例のガスケット構造によれば、金属製の板材4が全体的に均一に三層積層されていることから、排気系部品のフランジ面に局部的な面圧が加わることがないため、長期間使用してもフランジ面に変形が発生することがないので、長期間にわたって充分高いシール機能を維持することができる。
【0022】
図2(a),(d)は、この発明の高耐熱性ガスケットの他の二種類の実施例をそれぞれ示す断面図、図2(b),(c)は、高耐熱性ガスケットの二種類の参考例をそれぞれ示す断面図であり、であり、これらの実施例および参考例も図1に示す先の実施例と同様の平面形状を有しており、それゆえ図2(a)〜(d)は、図1(b)と同様の位置での断面をそれぞれ示している。ここで、図2(a)に示す実施例は、図1に示す実施例の構造において、一番上の板材4にハーフビード4dに代えて山形のフルビード4aを外向きに突出させて形成するとともに、それと対抗させて一番下の板材4にも山形のフルビード4aを外向きに突出させて形成し、それらのフルビード4aを覆うように、一番上の板材4と一番下の板材4とのシール面(外向き面)に環状のシール材層7をそれぞれ固着したものである。
【0023】
また、図2(b)に示す参考例は、二枚の金属製の板材4の、排気通流孔5側の縁部4cの周囲にそれぞれ、山形のフルビード4aを互いに対向させて内向きに突出させて形成し、それらのフルビード4aを覆うように、二枚の板材4のシール面(外向き面)に環状のシール材層7をそれぞれ固着したものである。
【0024】
さらに、図2(c)に示す参考例は、一枚の金属製の板材4の、排気通流孔5側の縁部4cの周囲に、山形のフルビード4aを形成し、そのフルビード4aを覆うように、板材4の両面に環状のシール材層7をそれぞれ固着したものである。
【0025】
そして図2(d)に示す実施例は、図2(a)に示す実施例の構造において、一番上の板材4と一番下の板材4との山形のフルビード4aの突出方向を互いに対向する内向き方向に変更するとともに、それらのフルビード4aよりも排気通流孔5よりの位置にそれぞれハーフビード4dを形成し、それらのフルビード4aを覆うように、一番上の板材4と一番下の板材4とのシール面(外向き面)に環状のシール材層7をそれぞれ固着したものである。なお、これら二種類の実施例および二種類の参考例におけるシール材層7も、図1に示す最初の実施例と同様にして形成されている。
【0026】
これらの実施例によっても、最初の実施例と同様の作用効果をもたらすことができ、特に、上記二種類の実施例および二種類の参考例おけるフルビード4aの位置には、図3(a)に示す外向きに突出するフルビード4aも、同図(b)に示す内向きに突出するフルビード4aについても、図3中右側のB部に示すように、ガスケットの使用時に図示しないフランジ面でそのフルビード4aが挟まれて偏平化することで板材4に僅かな凹部が生じ、それゆえ上記二種類の実施例および二種類の参考例によれば、図3中左側に示すようにフルビード4aの上に固着されたシール材の層7が、上記B部に示す板材4の僅かな凹部にシール材が溜まることで板材4のシール面上に強固に保持されるので、使用中のガスケットのシール面に沿うシール材のフローを抑制し得て、ガスケットの耐圧性および耐久性を高めることができる。なお、環境温度が600℃を超える場合には、通常用いられるSUS301−CSPステンレス鋼板のフルビードのバネ性はほとんど期待できず、それゆえ上記フルビード4aのバネ力のみによるシール性の確保は困難である。
【0027】
図4は、図1に示す実施例の構造のガスケットおよび図2(d)に示す実施例の構造のガスケットと、従来の大半を占める、図5(a)に示す従来例の構造のガスケットおよび図5(c)に示す従来例の構造のガスケットとについて、機能性の確認試験を実施した結果を示す特性線図であり、この確認試験は、常温から800℃まで昇温してその800℃で30分間保持した後常温まで下降させる工程を一サイクルとして、そのサイクルを繰り返すことによりガスケットを熱劣化させ、その後、窒素ガスで加圧して、その窒素ガスの漏れ量から機能性を判定するものである。
【0028】
この確認試験の結果から、上記二種類の実施例の構造が、従来例の構造と比較して極めて高い耐熱性を有するということが判明するとともに、上記二種類の実施例の構造が、漏れ量が殆ど無く、あるいは少なく、かつ長時間その性能を維持できる優れた耐熱・耐久性を有するということが判明し、それゆえこの発明の上記した他の実施例の構造も同様に、従来例の構造と比較して極めて高い耐熱性を有することは明らかである。
【0029】
以上、図示例に基づき説明したが、この発明は上述の例に限定されるものでなく、例えばシール材の高耐熱性無機粒子として、上記実施例の窒化硼素粒子に代えて、MgO ・Al2O3 ・SiO2等の酸化化合物からなるマイカ(雲母)粒子もしくはそのマイカ粒子と窒化硼素粒子との混合物を用いても良い。また金属製の板材として、上記実施例のステンレス鋼板に代えて銅板等を使用することもできる。そしてこの発明のガスケット構造は、自動車用エンジン以外のエンジンの排気系にも適用することができる。
【0030】
【効果】
かくしてこの発明の高耐熱性ガスケット構造によれば、高温による灰化やクリープが発生しない、高耐熱性無機物質からなるシール材の層がシール機能を担保するので、高温下でシール機能を長期間維持することができ、またフランジ面に加工傷等の凹部が残っていても、その凹部をシール材の層が柔軟に埋めるので、高いシール機能を持つことができ、そして、たとえフランジ面に変形が発生しても、その変形にシール材の層が柔軟に追従するので、高いシール機能を長期間維持することができる。
しかもこの発明の高耐熱性ガスケット構造によれば、ビードが排気系部品のフランジ面で挟まれて偏平化することで生ずる板材の僅かな凹部によってシール材の層が板材のシール面上に強固に保持されるので、ガスケットの耐圧性および耐久性を高めることができる。
さらにこの発明のガスケット構造によれば、三層の積層で板材に断熱性が付加されるので、ガスケットの耐熱性を高めることができ、また排気系部品のフランジ面に局所的な面圧が加わることがないので、ガスケットが長期間に亘って充分高いシール機能を維持することができる。
【0031】
なお、この発明のガスケット構造における前記高耐熱性無機物質はマイカ(雲母)と窒化硼素とのうち何れか一種以上からなるものであっても良く、これらマイカや窒化硼素を含むシール材によれば、400℃を超える高温環境下でも長期間にわたって充分高いシール機能を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、この発明の高耐熱性ガスケット構造の一実施例を示す平面図、また(b)は、その実施例のガスケット構造の、(a)のA−A線に沿う断面図である。
【図2】(a)〜(d)は、この発明の高耐熱性ガスケットの他の四種類の実施例をそれぞれ示す断面図である。
【図3】(a)および(b)は、図2に示す実施例における上向きおよび下向きのフルビードの、シール材層を保持する機能を示す説明図である。
【図4】図1に示す実施例の構造のガスケットおよび図2(d)に示す実施例の構造のガスケットと、図5(a)に示す従来例の構造のガスケットおよび図5(c)に示す従来例の構造のガスケットとについて、機能性の確認試験を実施した結果を示す特性線図である。
【図5】(a)〜(e)は、従来の高耐熱性ガスケット構造をそれぞれ示す断面図である。
【符号の説明】
1 芯金
2 膨張黒鉛シート
3 薄板材
4 板材
4a フルビード
4b, 4c, 4e, 4f 縁部
4d ハーフビード
5 排気通流孔
6 ボルト孔
7 シール材層

Claims (2)

  1. エンジンの排気口より下流の排気系の高温の部品結合部に使用される高耐熱性ガスケットの構造において、
    各々排気通流口(5)を持つ三枚の金属製の板材(4)と、
    前記三枚の板材のうち外側の二枚の板材のシール面上に固着された、高耐熱性無機物質からなるシール材の層(7)とを具えてなり、
    前記三枚の板材は、前記外側の二枚の板材のうち一方の板材の前記排気通流口側の縁部(4f)を他方の板材の前記排気通流口側の縁部(4c)上に、前記三枚の板材のうち中間の板材の前記排気通流口側の縁部(4e)を挟まずに折り返すことにより、前記部品結合部に局所的な面圧が加わらないようにガスケット全体に亘って均一に三層に積層されており、
    前記シール材の層は、前記外側の二枚の板材のうち少なくとも一方の板材の前記排気通流口の周囲に形成されたビード(4a, 4d)により生じた凹部および、そのビードと前記一方の板材の折り返された前記排気通流口側の縁部(4f)とにより形成された凹部に当該シール材が溜まることでフローを抑制されるように、前記ビードに対し上下方向に整列する位置にて前記板材に固着されて環状をなしていることを特徴とする、高耐熱性ガスケット構造。
  2. 前記高耐熱性無機物質は、マイカ(雲母)と窒化硼素とのうち何れか一種以上からなるものであることを特徴とする、請求項1記載の高耐熱性ガスケット構造。
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