JP3894582B2 - データ転送システム、送信機及び受信機 - Google Patents
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Description
米国特許出願第4,7755,817号は、A/Dコンバータ、D/Aコンバータ、IEC 958トランシーバ、デジタルフィルタ、デジタル誤りコレクタ、専用のデジタルコーダ/デコーダ、一般目的のデジタル信号プロセッサを有するデジタル入力/出力インタフェースのようなデジタル音声素子間でデジタル音声データを転送するのに広く用いられるI2S(インタ−IC音声)として既知のデータ転送システムを記載している。送信機及び少なくとも一つの受信機は、3本の信号線:クロック信号(SCK)線、ワード選択信号(WS)線及び直列データ信号(SD)線を通じて接続する。データは、クロック信号の周期的なクロックパルスに同期をとって、直列データ線を通じて送信機から少なくとも一つの受信機に順次転送される。送信機及び受信機は、同一のクロック信号に対して同期がとられる。I2Sは、2チャネル(左音声チャネル及び右音声チャネルにそれぞれ対応する第1及び第2チャネル)に対するデータ転送をサポートする。チャネルのデータは、時間マルチプレクサ処理されて転送され、左チャネルのデータワードの転送が右チャネルのデータ転送に続き、またはその逆を行う。データワードの長さは、32データビットまで可変である。2レベルのワード選択信号はデータワードの転送を制御する。信号レベルの変化は新たなデータワードの転送の開始を表す。送信機は、各データチャネルに対して対応するチャネルレジスタを具える。送信機のレジスタ選択手段は、二つのチャネルレジスタのうちのいずれにデータワードを送信するかを選択する。ワード選択信号がロー(‘0’)になると、左チャネルに対応する第1チャネルレジスタを選択し、ワード選択信号がハイ(‘1’)になると、右チャネルに対応する第2チャネルレジスタを選択する。このようにして、クロックパルスのワード選択信号の持続時間はデータワードの長さを表し、信号のレベルは、データワードがどのチャネルに対応するかを表す。送信機と同様に、受信機は、二つのチャネルレジスタと、データワードを受信するように動作するレジスタ選択手段とを具える。
デジタル音声チャネルに対して、音声データは、典型的には線形PCM符号化を用いて符号化され、この場合、PCMワードはI2Sに対して1対1対応する。しかしながら、送信機及び受信機は、システムレベルで用いられ及びワード選択信号によって表されるものと相違するワードサイズで作動するように許容される。送信機及び受信機のワード長は互いに相違する。相違するワードサイズを用いる際に互換性のある動作を保証するために、データワードは、最上位ビット(MBS)で開始して送信される。送信機のワードがシステムのワードよりも長い場合、送信機のワードの最上位部のみが、システムのワードの長さに対応するビット数とともに送信される。送信機のワードがシステムのワードより短い場合、送信機のワードは、システムのワードと同一の長さを有するワードを形成するために最下位ビット位置に必要な数の‘0’ビットを用いて送信を補足する。同様に、受信機のワードが受信したワードよりも短い場合、受信機のワードに適した受信ワードの最上位ビットのみ処理される。受信機のワードが長い場合、受信したワードは、受信機のワードと同一の長さを有するワードを形成するために最下位ビット位置に必要な数の‘0’ビットを用いて受信中に補足される。線形PCMの代わりに、MPEG−1やMPEG−2のような他の符号化フォーマットを、I2Sを通じて転送するためにデータワードの符号化データをパッケージ化するのに適切な方法と組み合わせて用いることができる。国際特許出願PCT/IB96/01267(PHN15603)は、同一のフレームサンプリング速度を用いるとともにI2Sと同一のデータビット数を有するIEC958送信システムを通じて転送するためのMPEG符号化音声のバーストフォーマットを記載している。バーストフォーマットに記載されたデータフォーマットを、好適にはI2Sを通じたデータの転送に用いる。
典型的な用途に加えて、I2Sは、CDから読み出された2チャネルデジタル音声を左右の音声チャネルに対するアナログ出力信号を発生させる音声デコーダに転送するCDプレーヤで用いられる。デジタル音声は、I2Sを通じて、デジタル増幅器や記録装置のような他の装置にデジタル形態で転送するIEC 958インタフェース(SPDIFとも称する)にも転送される。
さらに、サラウンド音声システムのような音声システムは、左及び右音声チャネル以外も処理する。実際には、今日、MPEG2技術は、規格化された5音声チャネル:左、右、中央、左サラウンド、右サラウンド及び低周波エンハンスメント(LFE)チャネル(及び1サポートチャネル)を有する。典型的には、チャネルは、デジタルビデオディスク(DVD)のようなデジタル媒体から符号化形態で読み出され、例えばMPEGデコーダによって複号化される。DVDは、8までの可変数の線形PCM音声チャネルもサポートする。複号化されたMPEG音声チャネル又は線形PCM音声チャネルを、例えば左及び右音声チャネルに対するアナログ出力信号を処理するローカル音声デコーダに転送される。音声チャネルは、サラウンド増幅器や記録装置のような個別の音声再生装置にもデジタル形態で転送される。プレーヤ装置から音声再生装置又は記録装置への転送は、IEC 958プロトコル化されたインタフェースによって生じる。所定の基本システム又は所定のアプリケーションに対し(例えばCDの再生)、2チャネルの局所転送で十分である。更に向上したシステム又はアプリケーションに対し(例えば、DVDの再生)、二つより多いチャネルの局所転送が必要とされる。
I2Sは、2チャネルデジタルデータの等時性の転送のために設計され、更に多くのチャネルに対してデータを転送する準備がされていない。
本発明の目的は、等時性のデータを二つより多いチャネルに転送することかできるシステム、送信機及び受信機を提供することである。他の目的は、このようなシステム、送信機及び受信機がI2Sに基づき、素子を簡単にするとともに、I2Sと互換性のある素子を低コストで提供することができるようにすることである。
この目的を達成するために、本発明によるデータ転送システムは、送信機と、少なくとも一つの受信機とを具え、これら送信機及び受信機を、第1モードで予め設定された数Nのデータチャネルまでのデータワードの時間マルチプレクサ転送を行うためにデータ線によって接続し、Nを2より大きい数とし、各データワードが少なくとも一つのデータ構成要素を具える。前記送信機は、各々がデータチャネルの互いに相違するものに対応するNチャネルレジスタのシーケンスと、送信のためにデータワードを発生させる前記チャネルレジスタの一つを選択し、この選択が、フレーム開始信号に同期をとった前記チャネルレジスタの最初のものの選択と、ワード選択信号によって付与された規則的なトリガに同期をとった前記チャネルレジスタの次のものの選択とを具え、前記フレーム信号が前記ワード選択信号よりも上のプライオリティを有する、レジスタ選択手段と、周期的なクロック信号に同期をとって、前記データ線を通じて、選択したチャネルレジスタからデータワードを送信する手段とを具える。前記受信機は、各々がデータチャネルの互いに相違するものに対応するNチャネルレジスタのシーケンスと、データワードを受信するためにチャネルレジスタの一つを選択し、この選択が、前記フレーム開始信号に同期をとった前記チャネルレジスタの最初のものの選択と、前記ワード選択信号によって付与された規則的なトリガに同期をとったチャネルレジスタの次のものの選択とを具え、前記フレーム開始信号が前記ワード選択信号よりも上のプライオリティを有する、レジスタ選択手段と、前記周期的なクロック信号に同期をとって、前記データ線を通じてデータワードを受信し、そのデータワードを、選択したチャネルレジスタに記憶させる手段とを具える。ワード選択信号は、次のチャネルに対するデータワードを転送する必要があることを表す。どのチャネルデータが転送されたかを素子が識別すること(すなわち、チャネルに対する同期)ができるようにするために、フレーム開始(FB)信号を付加して、チャネルのうちの最初のものを識別する。チャネルは予め設定されたシーケンスで転送されるものと仮定する。このようにして、2チャネルに対してのみ作用する左又は右チャネルに次のデータワードが対応することを表すワード選択信号のI2S機能を、二つの信号(ワード選択信号及びフレーム開始信号)に置換して、二つより多くのチャネルの転送を許容する。ワード選択信号のフォーマット及びタイミングを、I2Sで用いられるものと同一にすることができる。好適には、Nを2の累乗にして、等時性データの処理に関連する素子に供給されるシステムワイドクロック信号とは相違する同一の2の累乗のクロック信号を用いることができる。全ての構成要素は同一フレーム速度で作動し、この場合、転送システムのビットレートは、他の大抵の構成要素によって用いられるものよりも高くなる。例えば、48kHzのフレーム速度及び16データビットのデータワード長が用いられ、その結果、チャネルを処理する大抵の素子によって用いられるチャネルに対して48,000*16=768,000bpsとなり、それに対して、転送システムは、8チャネルに対して16ビットワードを転送するのに48,000*16*8=6,144,000bpsのビットレートを用いることができる。I2Sに対して、フレームは、右データワードが続く左データワードからなり、本発明によるシステムに対して、フレームは、フレーム開始信号のトリガに続くNデータワードのシーケンスからなる。好適には、N=8(クアドI2Sとも称する。)を用いて、DVDから読み出された音声チャネル(MPEG2チャネル又は線形PCMチャネル)に転送するのに十分な容量を提供する。
本発明による他の例において、前記システムが、第2モードでN2までのデータチャネルに対するデータワードの転送をサポートし、N2をNより小さくし、前記フレーム開始信号を2レベル信号とし、前記システムがフレームコントローラを具え、このフレームコントローラが、
前記第2モードで、前記フレーム開始信号を第1レベルに維持し、
前記第1モードで、前記フレーム開始信号を、N2以上N未満の連続的なデータワードの転送の持続時間前記第1レベルに維持するとともに、Nの連続的なデータワードの転送の残りの持続時間別個の第2レベルに維持し、前記フレーム開始信号の前記第1レベルへの遷移によって、前記レジスタ選択手段が前記チャネルレジスタの最初のものを選択するようにトリガすることによって、前記フレーム開始信号を制御するように作動する。第1モードのフレーム開始信号を、第2モードで用いられるようなフレームの最初のN2ワードに対して同一の一定レベルに保持することによって、第1モードは、第2モードと共通の部分に対して十分に互換性をもつことができる。フレーム開始信号は第2モードでは意味をもたない。したがって、第1レベルを、好適にはデフォールト論理レベルに選択して、両モードをサポートする装置に要求されるデフォールトレベルを第2モードでのみ有効にすることができる装置を提供するのが容易になる。第2モードにおいて、N2より多いチャネル間の区別するのに利用できる準備がない。Nフレーム間の区別ができるようにするために(NをN2より大きくする。)、第1モードにおいて、フレーム開始信号を、N2データワード送信後及びフレームの全てのNワード送信前に第2レベルに変化させ、フレームの最初のデータワードの転送開始時に第1レベルに変化させる。好適には、フレーム監視信号を、N2番目のデータワードの送信の終了に同期をとって第2レベルに変化させる。これによって、送信機や受信機のような素子は、フレーム開始信号からシステムのモードを決定することができる。フレームの最初のN2データワードに対して、第1及び第2モードの処理は互換性がある。N2番目のデータワードの終了時にフレーム開始信号が変化しない場合、システムは第2モードに入り、そうでない場合、システムは第1モードに入る。好適には、N2=2に対して、第2モードのシステムはI2Sと互換性がある。
本発明による他の例において、N2=2とし、前記ワード選択信号を、前記レジスタ選択手段が前記チャネルレジスタの次のものを選択するようにトリガするワード選択信号の遷移を有する2レベル信号とし、前記レジスタ選択手段が、前記第2モードで前記ワード選択信号の第1レベルへの遷移に応答して前記チャネルレジスタの最初のものを選択するように作動するようにする。I2Sと互換性があるようにして、システムの第2モードでは、ワード選択信号のレベルは、二つのチャネルのうちのいずれにワードを転送する必要があるかを示す。
本発明の他の例において、前記フレームコントローラが、前記モードの表示を受信する入力部を具え、前記フレームコントローラが、それに応じて前記フレーム開始信号を制御するように作動するようにする。フレーム開始信号を第2レベルに変化させる瞬時をモニタする他の例として、モードを、個別の入力部を通じて設定することができる。好適には、マイクロコントローラは、データを処理する他のパラメータの設定と組み合わせてモードを設定する。
本発明の他の例において、システムは、前記フレームコントローラが、データ構成要素を転送するのに必要なデータチャネルの実際の数の表示を受信する入力部を具え、前記フレームコントローラが、前記実際の数がN2に一致する場合には前記第2モードに対して前記フレーム開始信号を制御するように動作し、そうでない場合には前記第1モードに対して前記フレーム開始信号を制御するように動作するようにしたことを特徴とするものである。好適には、可変数のチャネルに対してデータを転送するためにシステムを用いる場合、モードを決定するだけでなく実際の数のチャネルをそのモード中に転送するのが好適である。N=8及び線形PCM音声チャネルをデジタルビデオディスクから転送するのに用いられるN2=2のシステムに対して、2チャネルを転送する必要がある場合には第2モードを選択し、他の数のチャネルを転送する必要がある場合には第1モードを選択する。第1モードにおいて8未満のチャネルを転送する場合、送信機及び一つ以上の受信機は、未使用チャネルの他の処理を停止することができる。
本発明によるシステムの他の例は、前記システムがワードコントローラを具え、このワードコントローラが、前記クロック信号を受信する入力部と、前記ワード選択信号を発生させる出力部とを具え、前記ワード選択信号を2レベル信号とし、前記ワードコントローラが、直前のレベル遷移から予め設定した数のクロックパルスを受信したことに応答して前記ワード選択信号のレベル遷移を行うように作動し、前記予め設定した数が、データワードのデータ構成要素の数に一致するようにしたことを特徴とするものである。このようにして、ワード選択信号は、I2Sと互換性があるように制御される。
本発明によるシステムの他の例は、前記ワードコントローラが、前記予め設定された数のクロックパルスの表示を受信する入力部を具え、前記ワードコントローラが、それに応じて前記ワード選択信号を制御するように動作することを特徴とするものである。このようにして、ワードコントローラにワード長が提供されるとともにそれに応じてワード制御信号を制御することができ、システムが可変ワード長を有することができるようになる。
本発明によるシステムの他の例は、前記送信機が、データ構成要素を転送するのに必要なデータチャネルの実際の数が前記予め設定された数よりも少ない場合に、データ構成要素が利用できないデータチャネルに対して転送するダミーデータ構成要素を発生させる手段を具えることを特徴とするものである。このようにして、(最大容量までの)可変数のチャネルに対するデータの転送を行うことができる、高容量を有する簡単かつ低コストの等時性転送システムを達成する。
本発明によるシステムの他の例は、前記第2モードが、I2Sシステムと互換性があるようにしたことを特徴とするものである。
本発明によるシステムの他の例は、N=8とし、前記第1モードで、前記周期的なクロック信号が、前記I2Sシステムで用いられる周波数の4倍の周波数を有することを特徴とするものである。
本発明の目的を達成するために、第1モードで予め設定された数Nのデータチャネルまでのデータワードの時間マルチプレクサ転送を行う送信機は、Nを2より大きい数とし、各データワードが少なくとも一つのデータ構成要素を具え、
各々がデータチャネルの互いに相違するものに対応するNチャネルレジスタのシーケンスと、
送信のためにデータワードを発生させる前記チャネルレジスタの一つを選択し、この選択が、フレーム開始信号に同期をとった前記チャネルレジスタの最初のものの選択と、ワード選択信号によって付与される規則的なトリガに同期をとった前記チャネルレジスタの次のものの選択とを具え、前記フレーム信号が前記ワード選択信号よりも上のプライオリティを有する、レジスタ選択手段と、
周期的なクロック信号に同期をとって、前記データ線を通じて、選択したチャネルレジスタからデータワードを送信する手段とを具える。
本発明の他の例において、第2モードの送信機は、N2=2データチャネルに対するデータワードの転送をサポートし、ワード選択信号を、ワード選択信号によってレジスタ選択手段がチャネルレジスタの次のものを選択するトリガとなるワード選択信号のレベル遷移を有する2レベル信号とし、フレーム開始信号を2レベル信号とし、レジスタ選択手段が、第1モードにおいてフレーム開始信号の第1レベルへの遷移に応答してチャネルレジスタの最初のものを選択し、第2モードにおいてワード選択信号の第1レベルへの遷移に応答してチャネルレジスタの最初のものを選択するように動作する。このようにして、送信機は、スレーブロールで(すなわち、ワード選択信号及び/又はフレーム開始信号によって制御されるとともに信号を発生させないで)、第2モードにおいてI2Sのような現存のシステムと互換性をもって動作し、第1モードにおいて補足的なフレーム開始信号に応答することによって更に有効な転送システムをサポートする。
本発明の目的を達成するために、第1モードで予め設定された数Nのデータチャネルまでのデータワードの時間マルチプレクサ転送を行う受信機は、Nを2より大きい数とし、各データワードが少なくとも一つのデータ構成要素を具え、
各々がデータチャネルの互いに相違するものに対応するNチャネルレジスタのシーケンスと、
データワードを受信するためにチャネルレジスタの一つを選択し、この選択が、フレーム開始信号に同期をとった前記チャネルレジスタの最初のものの選択と、ワード選択信号によって付与された規則的なトリガに同期をとったチャネルレジスタの次のものの選択とを具え、前記フレーム開始信号が前記ワード選択信号よりも上のプライオリティを有する、レジスタ選択手段と、
前記周期的なクロック信号に同期をとって、前記データ線を通じてデータワードを受信し、そのデータワードを、選択したチャネルレジスタに記憶させる手段とを具える。
本発明の他の例において、前記受信機が、第2モードでN2までのデータチャネルに対するデータワードの転送をサポートし、N2をNより小さくし、前記フレーム開始信号を2レベル信号とし、前記送信機がフレームコントローラを具え、このフレームコントローラが、
前記第2モードで、前記フレーム開始信号を第1レベルに維持し、
前記第1モードで、前記フレーム開始信号を、N2以上N未満の連続的なデータワードの転送の持続時間前記第1レベルに維持するとともに、Nの連続的なデータワードの転送の残りの持続時間別個の第2レベルに維持し、前記フレーム開始信号の前記第1レベルへの遷移によって、前記レジスタ選択手段が前記チャネルレジスタの最初のものを選択するようにトリガすることによって、前記フレーム開始信号を制御するように作動する。このようにして、受信機も、スレーブロールで、第2モードにおいてI2Sのような現存のシステムと互換性をもって動作し、第1モードにおいて補足的なフレーム開始信号に応答することによって更に有効な転送システムをサポートする。
本発明のこれら及び他の態様を、図示した実施の形態を参照して説明する。
図1は、複数のあり得るシステム形態を示す。
図2は、本発明によるフレームフォーマットを示す。
図3は、フレームのビットタイミングの一例を示す。
図4は、フレームの同期の一例を示す。
図5は、本発明による送信機のブロック図を示す。
図6は、本発明による受信機のブロック図を示す。
図7は、本発明によるワードコントローラのブロック図を示す。
図8は、フレームコントローラとして動作するMPEGストリームデコーダのブロック図を示す。
図9は、本発明の転送システムを用いたシステムの一例を示す。
本発明を、デジタルオーディオシステムで用いるものとして説明する。本発明を、装置の素子間で順次にデータを転送するのに広く適用することができる。本発明は、音声や映像のような等時性データの転送及び多重データチャネルを同期をとって転送される必要があるアプリケーションに対して特に適切である。
図1は、システムを用いることができる複数のあり得る形態を示す。送信機100を、四つの信号線:データ信号(SD)線110、クロック信号(SCK)線112、ワード選択信号(WS)線114及びフレーム開始信号(FB)線116を通じて一つ以上の受信機(一例として二つの受信機102,104を示す。)に接続する。データ信号110を送信機から常に発生させる。他の信号の発生を、送信機100、受信機102,104のうちの一つ又は特別な制御ユニット106のうちの一つの機能とすることができる。典型的には、三つの制御信号を同一素子によって制御する。この制御機能を送信機に統合する場合、送信機は、これら信号に対するマスタロールを果たすように見える。そうでない場合、送信機はスレーブとして動作する。同様に、受信機がマスタ又はスレーブとして作動することができる。所定の信号に対して、所定の瞬時に一つのマスタのみが信号を制御していることは明らかである。図1Aにおいて、送信機100は、三つ全ての信号を制御するマスタとして動作する。受信機102及び104はスレーブとして動作する。図1Bにおいて、受信機102はマスタとして動作し、送信機100及び受信機104はスレーブとして動作する。図1Cにおいて、個々の制御ユニット106がマスタとして動作し、それに対して送信機100及び受信機102はスレーブとして動作する。
図2は、第1モードで動作する本発明によるシステムのフレームフォーマットを示す。データワードがNチャネルに対して転送される1フレームサンプリング周期を示す。本例では、N=8とし、チャネルのデータワードにch0〜ch7を付して、データワードとチャネルとの間の対応を示す。データワードを、データ線110を通じて時間多重化転送し、これを、Nチャネルの最初に対応するデータワードch0で開始し、最終チャネル(本例では、N=8のとき、N番目のチャネルに対するch7)で終了する。チャネルのデータワードが転送されるシーケンスが関連の送信機及び一つ以上の受信機に対して既知であると仮定される。Nの連続するデータワードch0〜chN-1は、1フレームサンプリング周期に相当するフレームを形成する。連続的なサンプリング周期に対して同一フレームフォーマットを用いる。データワードのサイズを、システムが用いられる装置の要求に対して最適となるように選択することができる。I2Sにおいて、ワードサイズを1〜32ビット間で変更することができる。I2Sの全ワードサイズをサポートするためのものであるとともに本発明による第1モードで動作することができるDSPのような一般的な目的の素子に対して、少なくとも32データビットのワードサイズを内部でサポートして、I2Sモード及び第1モードでデータワードを記憶する同一レジスタを用いることができるようにするのが好適である。特に、他の内部のワードサイズをI2Sに対して既に説明したようにして適合するようにサポートすることができる間、CDプレーヤで使用されるD/Aコンバータのような更に専用的な素子に対して、内部でサポートされたワードサイズを特定のアプリケーションに対して(例えば、CDプレーヤに対する16ビット)最適に選択することができる。
ワード選択信号114は、次のチャネルに対するデータワードを転送する必要があることを示す規則的なトリガを発生させる。典型的には、ワード選択信号によって付与されたトリガを、クロック信号112に対して同期をとらせる。クロック信号112の後縁又は前縁に同期をとるような同期の詳細は、本発明に関連しない。好適には、ワード選択信号のトリガは、次のワードの第1データビットの転送の開始前に1クロック周期のような規定された周期を付与する。これによって、送信に対するセットアップを行う順次のデータの同期タイミングを取り出すことができるようになる。これによって、スレーブ受信機が、以前に受信したワードを記憶するとともに次のワードに対する入力をクリアすることができるようにもなる。図4は、データワード400に対するタイミングの使用を示し、この場合、ワード選択信号114は、次のワードの第1データビットの転送前に1クロック周期を変化させる。
ワード選択信号が例えば信号のレベルの持続時間及び個別のレベルの数に対して種々の形態をとることができるのは明らかである。一例として、ワード選択信号を、デフォールトレベルで保持される2レベル信号とすることができ、この場合、トリガを、1クロック周期の持続時間で他のレベルの短いパルスによって発生させる。好適には、ワード選択信号を2レベル信号とし、この場合、トリガを、二つの選択信号の各レベル転送によって付与し、ワード選択信号が所定のレベルにある持続時間はワード長にほぼ一致する。このようにして、I2Sのように、ワード選択信号はワード長を表し、これによって可変長のデータワードの転送を可能にする。フレームの最初の二つのワードに対してI2Sと完全に両立する動作を可能にするために、システムが第1モードで動作する場合、ワード選択信号は、フレームの第1データワードを表すためにロー(‘0’)を保持するとともに、フレームの第2データワードを表すためにハイ(‘1’)を保持する必要がある。第1モードにおいて、ワード選択信号が最初の二つのデータワードを超えた連続的なデータワードをトグルするが、2レベル信号を用いてデータワードを完全に識別することができない。ワード選択信号のこのような好適な形態を図2に示し、図3において、32ビットデータワードに対するものをより詳細に示す。更に一般的な形態において、転送すべきワードをワード選択信号が識別する場合のデータワードの転送をサポートするシステムとの両立を、第1モードで動作する本発明によるシステムのフレームの第1のN2データワードに対して同一のワード選択信号を用いることによって達成することができる。フレームの残りのN−N2データワードに対して、ワード選択信号を1回以上繰り返すことができる。N2がNの除数でない場合、最後の繰り返しを切り取る必要がある。
好適には、データワードを、図4に示すように最上位ビット(MBS)から開始するように転送し、例えば音声アプリケーションに対して互換性のある動作を可能にし、この場合、転送されたワードの長さは、I2Sに対して説明したように、送信機及び/又は受信機内で用いられるワードサイズと異なる。
フレーム開始信号116は、フレームの第1チャネルに対するデータワードを転送する必要があることを表す規則的なトリガを発生させる。図2において、データワードch0をフレームの第1ワードとする。(新たなワードの開始を表す)ワード選択信号及び(フレームの開始を表す)フレーム開始信号によってフレームの開始時にトリガを発生させることは明らかである。フレーム開始信号はワード選択信号よりも上のプライオリティを有する。第1チャネルのデータワードを転送する必要があり、次のチャネルのものを転送すべきではない。クロック信号に対するフレーム開始信号の同期に対して、同様な考察を、既に説明したようにしてワード選択114に対して適用する。実現に当たり、ワード選択信号及びフレーム開始信号に対して同一の同期を用いるのが好ましいが、それは本発明に対して要求されるものではない。特に、相違する同期を選択する(例えば、フレーム開始信号によって発生させたトリガを、ワード選択信号のトリガよりも早いクロック周期とする)場合、フレーム開始信号がプライオリティを確実に有するように注意する必要がある。ワード選択信号114に対する場合のように、フレーム開始信号116は、例えば信号のレベルの持続時間及び用いられる個別のレベルの数に対して種々の形態をとることができる。一例として、フレーム開始信号は、デフォールトレベルで保持される2レベル信号とすることができ、この場合、例えば、トリガを、1クロック周期の持続時間の他のレベルの短いパルスによって発生させる。好適には、フレーム開始信号を2レベル信号とし、この場合、トリガを、フレーム開始信号の規定されたレベル転送によって発生させる。第2モードではフレーム開始信号が用いられない。第2モードで動作する間二つのレベルのうちの最初のレベルで一定のフレーム開始信号を保持するのが好適である。両モードとできるだけ同様に動作するために、システムが第1モードで動作するとき、フレームの第1のN2データワード中フレーム開始信号を同一の第1レベルに保持するのが好ましい。好適には、これによって、データワードのシステムレベル及び可変ワード長でのフレームでの転送を可能にする。残りのN−N2データワードの間、フレーム開始信号を第2レベルに変更し、次のフレームの開始を発生させ、したがって、次のフレームの最初のデータワードの転送の開始を表すために第1レベルへの変更を許容する。好適には、フレーム開始信号を、フレームのN2+1番目のデータワードの開始に同期をとって第1レベルから第2レベルに変更させる。このようにして、構成要素が二つのモード間を区別する必要があるとき、第1の瞬時に第1モードに従って処理を行う必要がある(最初のN2フレームに対する処理を両モードで同一とすることができる)という情報を、関連の構成要素に提供する必要がある。図2は、I2Sと互換性をもって動作するシステムの好適な実施の形態を示す。フレーム開始信号を、フレームの最初の二つのワードに対してハイ(‘1’)とするとともにフレームの残りのN−2に対してロー(‘0’)となるように選択する。
図5は、本発明による送信機100のブロック図を示し、この場合、一例としてN=8とする。送信機100は、N個のチャネルレジスタ500,502,...,514のシーケンスを具え、この場合、チャネルレジスタの各々は、データチャネルの互いに相違するものに対応する。一例として、レジスタ500は第1チャネル(chan 1)に対応し、レジスタ514は第8チャネル(chan 8)に対応する。送信機は、クロック信号112に対して同期をとって一つ以上のデータビットをデータ線110を通じて順次送信するシフトレジスタ520も具える。典型的には、シフトレジスタ520は、内部ワード長の全ワードを記憶することができる。内部ワード長が、システムレベルで用いられる最大ワード長よりも短い場合、好適にはシフトレジスタ520の順次データ入力部530を‘0’として、追加の最下位ビットを‘0’にセットする(データビットを、記憶されるワードの最上位ビットが最初に送信されるような順序でシフトレジスタ520に記憶させると仮定する。)。音声システムに好適な追加の‘0’ビットを送信する概念を、アプリケーションに適切なダミー値を有する追加のビットの転送に対して一般化することができる。例えば、他のシステムにおいて、値‘FF’を有する追加のダミーバイトを転送するのが好適となる場合もある。
チャネルレジスタ500,...,514を、データバス540を通じてシフトレジスタ520に接続する。チャネルレジスタ500,...,514の各々は少なくとも一つのデータワードを記憶することができる。このような状況において、チャネルレジスタ500,...,514の一つの内容を、ワード信号114のトリガに従うシフトレジスタ520に並列にロードする。送信機100は、送信のためにデータワードをシフトレジスタ520にコピーする必要があるチャネルレジスタ500,...,514のうちのいずれかを選択するレジスタ選択手段550を具える。制御信号560を通じて、レジスタ選択手段550は、チャネルレジスタの一つのデータワードをバス540に転送することができる。データワードを、ワード選択信号114に同期をとってバス540からシフトレジスタ520にロードする。既に説明したように、フレーム開始信号116のトリガに同期をとって、レジスタ選択手段550は第1チャネルレジスタ(図5の例におけるチャネルレジスタ500)を選択し、データワードを、選択したチャネルレジスタからシフトレジスタ520に供給するようにする。既に説明したように、レジスタ選択手段は、ワード選択信号114によって付与された規則的なトリガに同期をとって次のチャネルレジスタを選択し(チャネルiに対するチャネルレジスタをトリガ前に選択した場合、チャネルi+1に対するチャネルレジスタをトリガに応答して選択する。)、データワードを、選択したチャネルレジスタからシフトレジスタ520に供給するようにする。フレームの開始時にトリガを(新たなワードの開始を表す)ワード選択信号及び(フレームの開始を表す)フレーム開始信号によって付与する。フレーム開始信号はワード選択信号より上のプライオリティを有し、その結果、レジスタ選択手段は、トリガをフレーム開始信号から受信する際にワード選択信号のトリガを確実に無視する。フリップフロップやカウンタのような通常のハードウェア素子を用いたレジスタ選択手段520の実現は、例えば米国特許出願明細書第4,755,817号に開示した送信回路をI2S用に変形することによって容易なものとなる。特に、DSPのようなプログラム可能な一般的な目的の素子に対して、DSPによって実行されるソフトウェアの制御の下での選択の実現も容易である。所定の実現に対して、ワードサイズの追加のシフトレジスタ520を追加の転送用バッファとして用いる必要がないことが認識される。チャネルレジスタから十分高速なデータビットを取り出して、一層小さいバッファの使用することができ、又はバッファを全く使用しなくすることもできる。
図6は、本発明による受信機102のブロック図を示し、この場合、一例としてN=8とする。受信機102は、N個のチャネルレジスタ600,602,...,614のシーケンスを具え、この場合、チャネルレジスタの各々は、送信機と同様にしてデータチャネルの相違するものに対応する。受信機102は、クロック信号112に同期をとって一つ以上のデータビットをデータ線110を通じて順次受信する記憶素子620も具える。典型的には、記憶素子620は、内部ワード長の全ワードを記憶することができる。内部ワード長が、システムレベルで用いられる最大ワード長未満である場合、追加的に受信した一つ以上のビットを無視する必要がある。内部ワード長より小さいワードのビットを受信する(システムワードを内部ワードより小さくする)場合、好適には記憶素子620の最下位ビットを‘0’にセットする。記憶素子620を、データバス640を通じてチャネルレジスタ600,...,614に接続する。チャネルレジスタ600,...,614の各々が少なくとも一つのデータワードを記憶することができると仮定する。このような状況において、記憶素子620の内容を、ワード選択信号114のトリガに従うチャネルレジスタ600,...,614の一つに並列にロードする。受信機102は、データワードを記憶素子620からコピーする必要があるのはチャネルレジスタ600,...,614のうちのいずれであるかを選択するレジスタ選択手段650を具える。制御信号600を通じて、レジスタ選択手段650は、データワードをバス640からチャネルレジスタのうちの一つに転送することができる。既に説明したように、フレーム開始信号116のトリガに同期をとって、レジスタ選択手段650は、最初のチャネルレジスタを選択し、データワードをバス640から確実にロードするようにする。既に説明したように、ワード選択信号114から付与した規則的なトリガに同期をとって、レジスタ選択手段650は次のチャネルレジスタを選択し(チャネルiに対するチャネルレジスタをトリガ前に選択する場合、チャネルi+1に対するチャネルレジスタをトリガに応答して選択する)、データワードをバス640からロードする。トリガを、(新たなワードの開始を表す)ワード選択信号及び(フレームの開始を表す)フレーム開始信号によってフレームの開始時に行う。フレーム開始信号はワード選択信号よりも上のプライオリティを有し、その結果、レジスタ選択信号650は、トリガをフレーム開始信号から受信したときにワード選択信号のトリガを確実に無視する。記憶素子620を、例えば、シフトレジスタのポインタビットによって選択的にアドレス指定されるレジスタを用いることによって通常の方法で実現することができる。適切な回路は、米国特許出願明細書第4,755,817号にも開示されている。レジスタ選択手段650を、フリップフロップ及びカウンタのようなハードウェア素子を用いて通常の方法で実現することができる。特に、DSPのようなプログラム可能な一般目的の素子に対して、DSPによって実行されるソフトウェア制御の下での選択を実現することも容易である。所定の実現に対して、ワードサイズ記憶素子620を追加の転送用バッファとして用いる必要がないことが認識される。チャネルレジスタから十分高速なデータビットを取り出して、更に小さいバッファを使用することができ、又はバッファを全く使用しなくすることができる。
本発明による他の実施の形態において、システムは、ワード選択信号114を発生させるワードコントローラ120を具える。図1の形態の例において、ワードコントローラ120を制御ユニット106に組み込む。他の形態のワードコントローラ120を、例えば、送信機100又は受信機102,104のうちの一方に結合できることがわかる。ワードコントローラ120は、クロック信号112を受信する入力部及びワード選択信号114を発生させる出力部を具える。図7は、ワードコントローラ120を実現する回路の一例のブロック図を示す。本例では、ワードコントローラ120はクロック700からクロック信号112を受信する。クロック信号700をワードコントローラ120又は図1の制御ユニット106に統合することができ、クロック信号を、送信機100及び受信機102,104の他の関連の素子に供給することもできる。回路の一例において、発生したワード選択信号114を2レベル信号とし、ワードコントローラ120によって、直前のレベル遷移以後の予め設定された数のクロックパルスの受信に応答してワード選択信号のレベル遷移を発生させる。この予め設定された数は、データワードのデータ素子の数に対応する。予め設定された数をカウンタ702に永久的に存在させることができ、又は例えばマイクロコントローラ704によって可変にして存在させることができる。カウンタ702は、クロック信号112から発生したパルスを計数し、予め設定された数のクロックパルスが到達する度にリセットされる。カウンタがリセットされることによって、フリップフロップ706のデータ入力部に供給される出力信号を発生させる。フリップフロップ706はクロックパルスを受信し、その結果、その出力部にワード選択信号114を発生させ、ワード選択信号114がクロック信号112に対して確実に同期をとるようにする。図7の回路の一例において、反転されたクロック信号112をフリップフロップ706によって受信し、その結果、ワード選択信号114は、図4にも示したようにクロックパルスの後縁に同期をとってレベルを変更する。
本発明の他の実施の形態において、システムは、フレーム開始信号を発生させるフレームコントローラ122を具える。図1の例の形態において、フレームコントローラ122を制御ユニット106に組み込む。他の形態のフレームコントローラ122を、例えば、送信機100又は受信機102と104のうちの一方に結合することができる。フレームコントローラ122は、クロック信号122を受信する入力部と、フレーム開始信号116を発生させる出力部とを具える。図8aは、フレームコントローラ122を実現する回路の一例のブロック図を示す。ブロック804は、例えばDVDプレーヤのターンテーブル、関連の読出し機構及びフィードバック機構を記号で表す。関連の制御信号を、制御経路805を通じて転送する。プレーヤをマイクロコントローラ806によって制御する。ブロック808は、MPEG2プログラムストリームデコーダ及び音声パーサ(parser)を表し、この音声パーサは、プレーヤ機構804から受信したビットストリームを、標準的なステレオ音声及びビットストリームと、マルチチャネルのビットレートが減少した音声データとに分離する。MPEG2ストリームデコーダは、DVD仕様によってパケッタイズトエレメンタリーストリーム(Packetized Elementary Stream:PES)807を発生させるストリームデマルチプレクサ850に区分される。PESストリーム807を、他の処理用のQuad−I2S(すなわち2チャネル音声に対するI2S)音声ストリームを音声に対して発生させるフォーマッタに対して発生させる。図8bは、PESストリーム807のパケットの概観を与える。ヘッダ860に、各音声チャネルに対するデータフィールド862が続く。データフィールド862は16までのビットからなる。ワードサイズが長くなる場合、各音声フィールドに対する任意のデータフィールド864は追加のビットを具える。データフィールド862及び864を、第1チャネル(チャネル0)から開始する固定シーケンスで転送する。ヘッダ860は、チャネル数やワードサイズのような情報を有する。フォーマッタ852は、本発明によるシステムを通じた送信用のPESストリーム807のデータをヘッダ情報から再フォーマット化する。フォーマッタ852は、この情報から、受信したPESパケットのデータワードを本発明によるシステムを通じて転送すべき瞬時を決定するとともに、それに応じてフレーム開始信号116を制御し、フレームコントローラとして作用する。フォーマッタ852は、シーケンサのような専用のハードウェアを使用することによって又はマイクロコントローラすなわちDSPのソフトウェア制御の下でフレームコントローラの役割を果たす。好適には、フォーマッタ852は、PESヘッダ860の情報に基づいて、第1又は第2モードで本発明のシステムを通じてデータを転送すべきか否か自動的に選択する。好適には、マイクロコントローラ806は、要求されるモードでフォーマッタ852をセットすることもできる。
このために、本発明による他の例において、フレームコントローラ122は、例えばマイクロコントローラ704又は806からモードの表示を受信する入力部を具え、フレームコントローラ122は、それに応じてフレーム開始信号を制御する。
本発明による他の実施の形態において、フレームコントローラ122は、例えばマイクロコントローラ704又は806から、データ構成要素を転送する必要があるデータチャネルの実際の数の表示を受信する。この入力に基づいて、フレームコントローラ122は、フレーム開始信号116を発生させる内部モードを設定する。実際の数がN2と一致する場合、モードを第2モードに設定する。数がN2と異なる場合、モードを第1モードに設定する。
本発明の他の実施の形態において、送信機100は、データ構成要素を転送する必要があるデータチャネルの実際の数が予め設定された数よりも少ない場合にデータ構成要素が利用できないデータチャネルに対する送信用にダミーデータ構成要素を発生させる手段を具える。音声システムにおいて、未使用チャネルに対して‘0’ビットを転送するのが好適である。他のシステムに対して、データがチャネルを通じて転送されないことを表す特定のビットパターンを未使用チャネルを通じて転送するのが好適である。ダミー発生手段をレジスタ選択手段550と組み合わせることができ、この場合、レジスタ選択手段は、未使用チャネルに対してダミー入力チャネルレジスタを選択する。ソフトウェアの実現に当たり、これは、送信シフトレジスタ520への零ワードのコピーを意味する。
図9は、本発明による送信システムを好適に用いることができる音声/映像システムを示す。音声/映像システムは、DVDプレーヤ800及びマルチチャネルデコーダ820を具える。プレーヤ800において、ブロック804は、ターンテーブル、関連の読出し機構及びフィードバック機構を記号で表す。関連の制御信号を制御経路805を通じて転送する。システムをマイクロコントローラ806によって制御する。再生機構804は、デジタルビデオディスクに対して、MPEG2符号化音声の又は8までの線形PCM音声のチャネルを発生させることができる。ブロック808は、MPEG2プログラムストリームデコーダ及び音声パーサを表し、この音声パーサは、再生機構804から受信したビットストリームを、標準的なステレオ音声ストリーム、標準的な映像ストリーム及びマルチチャネルのビットレートが減少した音声データに分離する。ビデオデコーダ809はビデオストリームを通常のビデオ信号に変換する。音声ストリーム及びマルチチャネルのビットレートが減少した音声データは、信号線810を通じて本発明による転送システムを用いて転送される。比較的低レベルの市販用途において、DVDプレーヤの音声デコーダ812がアナログ右出力信号及びアナログ左出力信号を発生させるだけで十分である。これを、例えば、通常のステレオ信号、プロロジック(prologic)符号化ステレオ信号又はカラオケ符号化ステレオ信号とする。8までのリニアPCM音声チャネルを音声パーサ808から音声デコーダ812に転送するに当たり、本発明の転送システムはクアドI2Sモードで好適に用いられる。MPEG符号化音声をMPEG2プログラムストリームデコーダ808から音声デコーダ812に転送するに当たり、I2S互換モードで転送システムを作動させることによって十分な容量を与える。国際特許出願公開明細書PCT/IB96/01267(PHN15603)に記載されたようなバーストフォーマットを、I2Sを通じて転送するのに好適に用いることもできる。
以下の表は、対応する入力部及び出力部を有する音声デコーダ812の動作モードを示す。
線形PCMに対して、ディスク上に音声を記録させる以下の形態を規定し、この場合、ディスク上に記録されたチャネル数は、許容されるサンプリング速度(fs)及び量子化(ワード長)を規定する。
以下のテーブルは、クアドI2Sフレームにおけるデータワードへの線形PCM音声チャネル(ch0〜ch7)の変数の割当てを示す。右側の列は、転送されたチャネルの数を示す。ハイフン(−)は、ワードが未使用であることを示す。好適には、未使用ワードにダミー‘0’ビットを満たす。この表は、(DVDに対する)48kHz又は(CD−DAに対する)44.1kHzのフレームサンプリング速度の割当てを示す。
以下のテーブルは、(DVDに対する)96kHzのフレームサンプリング速度に対するクアドI2SフレームにおけるデータワードへのリニアPCM音声チャネル(ch0〜ch7)の変数の割当てを示す。この場合、転送システム(クアドI2S)のフレームサンプリング速度を、好適には48kHzのままにし、各フレームの2データワードを1音声チャネルに割り当てる。表に示したように、同一チャネルに対するデータワードを、フレームを通じて全体に広げて、関連の構成要素に対して、同一チャネルの次のデータワードを処理する必要がある前にデータワードを処理するのに十分な時間を許容するようにする。
MPEG2の十分な機能を達成するに当たり、図9の外部チャネルデコーダボックス802を設ける。このような用途に対して、好適には、MPEGデータを、国際特許出願PCT/IB96/01267(PHN15603)に記載されたバーストフォーマットによって形成し、IEC958送信機820及び受信機824を用いて、規格化されたIEC958プロトコルによって通信チャネル814を通じてプレーヤ800からMCデコーダボックス802に転送する。チャネル814を、直流電気相互接続又は光ファイバに基づかせることができる。DVDプレーヤ800のように、MCデコーダボックス802は、内部制御経路826と、デコーダボックス802の動作を制御するマイクロコントローラ816とを有する。MPEG符号化音声ストリームをマルチチャネルデコーダボックス802に供給することができ、これは、7までのチャネル:左、右、LFE/C、左中央サラウンド、右中央サラウンド、左サラウンド及び右サラウンドを出力する。好適には、出力チャネルを、各D/Aコンバータ及び増幅器に又はレコーダに転送する四つのI2Sインタフェースにグループ化する。
Claims (14)
- 送信機と、少なくとも一つの受信機とを具え、これら送信機及び受信機を、第1モードで予め設定された数Nのデータチャネルまでのデータワードの時間多重化転送を行うためにデータ線によって接続し、Nを2より大きい数とし、各データワードが少なくとも一つのデータ構成要素を具え、
前記送信機が、
各々は、前記データチャネルのうちの相違する一つに対応するNチャネルレジスタのシーケンスと、
送信のためにデータワードを発生させる前記チャネルレジスタの一つを選択し、この選択が、フレーム開始信号に同期をとった前記チャネルレジスタの最初のものの選択と、ワード選択信号によって付与された規則的なトリガに同期をとった前記チャネルレジスタの次のものの選択とを具え、前記フレーム開始信号が前記ワード選択信号よりも上のプライオリティを有する、レジスタ選択手段と、
周期的なクロック信号に同期をとって、前記データ線を通じて、選択したチャネルレジスタからデータワードを送信する手段とを具え、
前記受信機が、
各々は、前記データチャネルのうちの相違する一つに対応するNチャネルレジスタのシーケンスと、
データワードを受信するためにチャネルレジスタの一つを選択し、この選択が、前記フレーム開始信号に同期をとった前記チャネルレジスタの最初のものの選択と、前記ワード選択信号によって付与された規則的なトリガに同期をとったチャネルレジスタの次のものの選択とを具え、前記フレーム開始信号が前記ワード選択信号よりも上のプライオリティを有する、レジスタ選択手段と、
前記周期的なクロック信号に同期をとって、前記データ線を通じてデータワードを受信し、そのデータワードを、選択したチャネルレジスタに記憶させる手段とを具えることを特徴とするデータ転送システム。 - 前記システムが、第2モードでN2までのデータチャネルに対するデータワードの転送をサポートし、N2をNより小さくし、前記フレーム開始信号を2レベル信号とし、前記システムがフレームコントローラを具え、このフレームコントローラが、
前記第2モードで、前記フレーム開始信号を第1レベルに維持し、
前記第1モードで、前記フレーム開始信号を、N2以上N未満の連続的なデータワードの転送の持続時間前記第1レベルに維持するとともに、Nの連続的なデータワードの転送の残りの持続時間別個の第2レベルに維持し、前記フレーム開始信号の前記第1レベルへの遷移によって、前記レジスタ選択手段が前記チャネルレジスタの最初のものを選択するようにトリガすることによって、前記フレーム開始信号を制御するように作動することを特徴とする請求の範囲1記載のデータ転送システム。 - N2=2とし、前記ワード選択信号を、前記レジスタ選択手段が前記チャネルレジスタの次のものを選択するようにトリガするワード選択信号の遷移を有する2レベル信号とし、前記レジスタ選択手段が、前記第2モードで前記ワード選択信号の第1レベルへの遷移に応答して前記チャネルレジスタの最初のものを選択するように作動するようにしたことを特徴とする請求の範囲2記載のデータ転送システム。
- 前記フレームコントローラが、前記モードの表示を受信する入力部を具え、前記フレームコントローラが、それに応じて前記フレーム開始信号を制御するように作動するようにしたことを特徴とする請求の範囲2又は3記載のデータ転送システム。
- 前記フレームコントローラが、データ構成要素を転送するのに必要なデータチャネルの実際の数の表示を受信する入力部を具え、前記フレームコントローラが、前記実際の数がN2に一致する場合には前記第2モードに対して前記フレーム開始信号を制御するように動作し、そうでない場合には前記第1モードに対して前記フレーム開始信号を制御するように動作するようにしたことを特徴とする請求の範囲2又は3記載のデータ転送システム。
- 前記システムがワードコントローラを具え、このワードコントローラが、前記クロック信号を受信する入力部と、前記ワード選択信号を発生させる出力部とを具え、前記ワード選択信号を2レベル信号とし、前記ワードコントローラが、直前のレベル遷移から予め設定した数のクロックパルスを受信したことに応答して前記ワード選択信号のレベル遷移を行うように作動し、前記予め設定した数が、データワードのデータ構成要素の数に一致するようにしたことを特徴とする請求の範囲2,3,4又は5記載のデータ転送システム。
- 前記ワードコントローラが、前記予め設定された数のクロックパルスの表示を受信する入力部を具え、前記ワードコントローラが、それに応じて前記ワード選択信号を制御するように動作することを特徴とする請求の範囲6記載のデータ転送システム。
- 前記送信機が、データ構成要素を転送するのに必要なデータチャネルの実際の数が前記予め設定された数よりも少ない場合に、データ構成要素が利用できないデータチャネルに対して転送するダミーデータ構成要素を発生させる手段を具えることを特徴とする請求の範囲1から7のうちのいずれかに記載のデータ転送システム。
- 前記第2モードが、I2Sシステムと互換性があるようにしたことを特徴とする請求の範囲2,3,4,5,6又は7記載のデータ転送システム。
- N=8とし、前記第1モードで、前記周期的なクロック信号が、前記I2Sシステムで用いられる周波数の4倍の周波数を有することを特徴とする請求の範囲9記載のデータ転送システム。
- 第1モードで予め設定された数Nのデータチャネルまでのデータワードの時間多重化転送を行い、Nを2より大きい数とし、各データワードが少なくとも一つのデータ構成要素を具え、
各々は、前記データチャネルのうちの相違する一つに対応するNチャネルレジスタのシーケンスと、
送信のためにデータワードを発生させる前記チャネルレジスタの一つを選択し、この選択が、フレーム開始信号に同期をとった前記チャネルレジスタの最初のものの選択と、ワード選択信号によって付与される規則的なトリガに同期をとった前記チャネルレジスタの次のものの選択とを具え、前記フレーム開始信号が前記ワード選択信号よりも上のプライオリティを有する、レジスタ選択手段と、
周期的なクロック信号に同期をとって、前記データ線を通じて、選択したチャネルレジスタからデータワードを送信する手段とを具えることを特徴とする送信機。 - 前記送信機が、第2モードでN2までのデータチャネルに対するデータワードの転送をサポートし、N2をNより小さくし、前記フレーム開始信号を2レベル信号とし、前記送信機がフレームコントローラを具え、このフレームコントローラが、
前記第2モードで、前記フレーム開始信号を第1レベルに維持し、
前記第1モードで、前記フレーム開始信号を、N2以上N未満の連続的なデータワードの転送の持続時間前記第1レベルに維持するとともに、Nの連続的なデータワードの転送の残りの持続時間別個の第2レベルに維持し、前記フレーム開始信号の前記第1レベルへの遷移によって、前記レジスタ選択手段が前記チャネルレジスタの最初のものを選択するようにトリガすることによって、前記フレーム開始信号を制御するように作動することを特徴とする請求の範囲11記載の送信機。 - 第1モードで予め設定された数Nのデータチャネルまでの時間多重化データワードを受信し、Nを2より大きい数とし、各データワードが少なくとも一つのデータ構成要素を具え、
各々は、前記データチャネルのうちの相違する一つに対応するNチャネルレジスタのシーケンスと、
データワードを受信するためにチャネルレジスタの一つを選択し、この選択が、フレーム開始信号に同期をとった前記チャネルレジスタの最初のものの選択と、ワード選択信号によって付与された規則的なトリガに同期をとったチャネルレジスタの次のものの選択とを具え、前記フレーム開始信号が前記ワード選択信号よりも上のプライオリティを有する、レジスタ選択手段と、
前記周期的なクロック信号に同期をとって、前記データ線を通じてデータワードを受信し、そのデータワードを、選択したチャネルレジスタに記憶させる手段とを具えることを特徴とする受信機。 - 前記受信機が、第2モードでN2までのデータチャネルに対するデータワードの転送をサポートし、N2をNより小さくし、前記フレーム開始信号を2レベル信号とし、前記送信機がフレームコントローラを具え、このフレームコントローラが、
前記第2モードで、前記フレーム開始信号を第1レベルに維持し、
前記第1モードで、前記フレーム開始信号を、N2以上N未満の連続的なデータワードの転送の持続時間前記第1レベルに維持するとともに、Nの連続的なデータワードの転送の残りの持続時間別個の第2レベルに維持し、前記フレーム開始信号の前記第1レベルへの遷移によって、前記レジスタ選択手段が前記チャネルレジスタの最初のものを選択するようにトリガすることによって、前記フレーム開始信号を制御するように作動することを特徴とする請求の範囲13記載の受信機。
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