JP3894570B2 - Igf−iの精製方法 - Google Patents

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Description

発明の分野
本発明は、タンパク質の精製に関するものである。
発明の背景
インスリン様成長因子−I(「IGF−I」と称する;「ソマトメジンC」としても知られている)は正常な成長及び発達に必須な哺乳動物の成長因子である。IGF−Iは、筋肉及び脂肪組織に対してインスリン様の作用を有し、また、様々な細胞のタイプに分裂促進効果を有する。IGF−Iは臨床上様々に用途を有する。例えば、非有糸分裂性のコリン作動性ニューロン等のニューロンの生存を促進するのに使用される(ルイス(Lewis)ら、米国特許番号5,093,317号)。
ヒトのIGF−Iタンパク質の完全なアミノ酸配列は既知であり、ヒトのIGF−Iをコード化するDNAはクローニングされ、また大腸菌(E. coli)及び酵母において発現された(例えば、ブリアーレイ(Brierley)ら、米国特許番号5,324,639号を参照)。ヒトのIGF−Iタンパク質は6個のシステイン残基を含む単一の(single)70アミノ酸ポリペプチドから構成され、これらのシステイン残基はすべて3個の鎖内(intrachain)ジスルフィド結合の形成に関与している(アクセルソン(Axelsson)ら、ユーロ ジェー バイオケム(Eur. J. Biochem.)、206:987(1992年))。これらの3個のジスルフィド結合は、6個のシステイン残基すべてが適切に対になっているが、IGF−Iが正しい(即ち、天然の)3次構造を有するのに必要である。これらのジスルフィド結合が還元及び再酸化されると、IGF−Iは様々な様式で再生されて(refold)、15個という数多い単量体構造(monomeric configuration)が形成できる(メング(Meng)ら、ジェー クロム(J. Chrom.)、433:183(1988年))。加えて、IGF−Iのポリペプチドは互いに相互作用して多量体を形成できる。正しく折りたたまれた精製IGF−Iを得る方法は既に公表された(例えば、ホルツ(Holtz)ら、米国特許番号5,231,178号(以下、「ホルツ(Holtz)」と称する);チャング(Chang)ら、米国特許番号5,288,931号;およびハート(Hart)ら、バイオテック アプル バイオケム(Biotech. Appl. Biochem.)、20:217(1994年)を参照のこと)。
発明の要約
我々は、精製された、単量体の、完全な、正しく折りたたまれた(即ち、「真正(atuhentic)」)IGF−Iを得る改良された方法を発見した。より詳しくは、我々は、ホルツ(Holtz)(上記)に記載されるIGF−Iの精製方法で得られた真正(atuhentic)IGF−Iの最終的な収率を、少なくとも3倍、向上させる方法を発見した。このような収率の向上は、主として、下記により得られる:(1)第一のカチオンクロマトグラフィー(cation chromatography)段階後に、IGF−Iタンパク質の変性/再生(unfolding/refolding)段階を行われることを含み;および(2)ホルツ(Holtz)に記載されるゲル瀘過段階の代わりに逆相クロマトグラフィー段階を使用する。
したがって、本発明は、以下の段階からなる、IGF−Iポリペプチドを含む培地からの単量体の、完全な、正しく折りたたまれたIGF−Iポリペプチドの精製方法を提供するものである:
(a)培地から全IGF−Iの少なくとも約95%を吸着できる条件下で十分な量の第一のカチオン交換マトリックスと培地を接触させる;
(b)IGF−Iがのせられた第一のカチオン交換マトリックスを第一のカチオン交換洗浄バッファーで洗浄して、実質的な量の真正または非真正IGF−Iを除かずに実質的な量の吸着したIGF−I以外の物質を除去する;
(c)段階(a)のカチオン交換マトリックスを十分な量の第一のカチオン交換溶出バッファーと接触させることにより該カチオン交換マトリックスからすべての形態の吸着したIGF−Iを溶出させ、この際、該第一のカチオン交換溶出バッファーはカチオン交換マトリックスから実質的にすべての真正及び非真正IGF−Iを脱離させるのに十分高いpHまたはイオン強度を有する;
(d)段階(c)のIGF−I含有溶出物を変性/再生(unfolding/refolding)バッファー中に移し、これにより:(i)IGF−Iタンパク質の鎖内のジスルフィド結合が抑制され、永久変性を伴わずに変性(unfolding)が促進され;さらに(ii)IGF−Iの再生(refolding)及び再酸化により適当な対を形成する鎖内のジスルフィド結合が形成できる;
(e)段階(d)の再生されたIGF−Iを、適当な溶媒システムに移した後、溶出物から少なくとも約95%のIGF−Iを吸着できる条件下で十分な量の疎水性相互作用クロマトグラフィーマトリックスと接触させる;
(f)ほとんどの非真正IGF−Iを除去するのには十分低いが、疎水性相互作用クロマトグラフィーマトリックスからかなりの割合の真正IGF−Iを除去するほどには低くないイオン強度を有する疎水性相互作用洗浄バッファーでIGF−Iがのせられた疎水性相互作用クロマトグラフィーマトリックスを洗浄する;
(g)疎水性相互作用クロマトグラフィーマトリックスを疎水性相互作用溶出バッファーと接触させることにより該マトリックスから吸着したIGF−Iを溶出し、この際、該疎水性相互作用溶出バッファーは該マトリックスから実質的にすべての吸着した真正IGF−Iを脱離させるのに十分高いpH、または十分低いイオン強度を有する;
(h)溶出物から少なくとも約95%のIGF−Iを吸着できる条件下で段階(g)の溶出物を十分な量の第二のカチオン交換マトリックスと接触させる;
(i)ほとんどの割合の非真正IGF−Iを除去するのには十分高いが、かなりの割合の真正IGF−Iを除去するほどには高くないイオン強度またはpHを有するカチオン交換洗浄バッファーでIGF−Iがのせられた第二のカチオン交換マトリックスを洗浄する;
(j)第二のカチオン交換マトリックスを第二のカチオン交換溶出バッファーと接触させることにより該マトリックスから吸着したIGF−Iを溶出し、この際、該第二のカチオン交換溶出バッファーは該マトリックスから実質的にすべての吸着した真正IGF−Iを脱離させるのに十分高いイオン強度、または十分高いpHを有する;
(k)溶出物から少なくとも約95%のIGF−Iを吸着できる条件下で、水性バッファーにおいて、段階(j)の溶出物を適当に十分な量の逆相クロマトグラフィーマトリックスと接触させる;
(l)ほとんどの割合の非真正IGF−Iを除去するのには十分高いが、かなりの割合の真正IGF−Iを除去するほどには高くない有機溶媒濃度を有する水性/有機溶媒逆相洗浄バッファーでIGF−Iがのせられた逆相クロマトグラフィーマトリックスを洗浄する;
(m)かなりの割合の多量体形態のIGF−Iは除去せずに実質的にすべての真正IGF−Iを除去するのに十分高い有機溶媒濃度を有する水性/有機溶媒バッファーで逆相クロマトグラフィーマトリックスから吸着したIGF−Iを溶出する。
必要であれば、段階(f)から回収された非真正IGF−Iに、段階(h)の開始前でのみ、段階(d)から(g)を少なくとも1回再度行ってもよい。
本明細書中で使用される、「真正(authentic)」IGF−Iということばは、適当に対を形成する、即ち、天然で生じるIGF−Iにおけるのと同様にして対を形成する、システイン残基を含む3個の鎖内ジスルフィド結合を有する単量体の、完全な、正しく折りたたまれたIGF−Iを意味する。
本明細書中で使用される、「カラム容積(column volume)」ということばは、間隙液体などの、クロマトグラフィーマトリックスによって占められる容積を意味する。
本明細書中で使用される、「分解された(degraded)」IGF−Iということばは、真正IGF−Iのポリペプチド主鎖またはアミノ酸側鎖中に存在する一以上の共有結合が切断されたIGF−Iを意味する。
本明細書中で使用される、「des−2」IGF−Iということばは、真正IGF−Iの始めの2個のアミノ酸残基が欠失するIGF−Iを意味する。
本明細書中で使用される、「グリコシル化」IGF−Iということばは、一以上の共有結合する炭水化物部分を有するIGF−Iを意味する。
本明細書中で使用される、「完全な(intact)」IGF−Iということばは、分解していないIGF−Iを意味する。
本明細書中で使用される、「誤って折りたたまれた(misfolded)」IGF−Iということばは、真正IGF−I以外の2次構造を有するIGF−Iを意味する。
本明細書中で使用される、「多量体(multimeric)」IGF−Iということばは、共有または非共有化学結合により連結された2以上のIGF−Iポリペプチド鎖を意味する。
本明細書中で使用される、「酸化された」IGF−Iということばは、少なくとも一の酸化されたアミノ酸残基を含むIGF−Iを意味する。本明細書中で使用される、「再酸化された(reoxidized)」IGF−Iということばは、一以上の鎖内ジスルフィド結合が切断後に再形成されたIGF−Iを意味する。
本明細書中で使用される、「約」ということばは、ある数値の平均+/−その値の10%を意味し、例えば、「約50%」とは45%〜55%を意味する。
【図面の簡単な説明】
図1は、ホルツ法の段階を本発明の一実施態様の段階と比較するフローチャートである。
図2は、ホルツ法の第一のカチオン交換段階から回収される材料の典型的な分析スケールのシアノ逆相クロマトグラムである。
図3は、本発明の第一のカチオン交換段階から回収される材料の典型的な分析スケールのシアノ逆相クロマトグラムである。
図4Aは、本発明による変性/再生段階前に回収される材料の典型的な分析スケールのシアノ逆相クロマトグラムである。
図4Bは、本発明の方法による変性/再生段階後に回収される材料の典型的な分析スケールのシアノ逆相クロマトグラムである。
図5Aは、ホルツ法によるHIC段階から回収される材料の典型的な分析スケールのシアノ逆相クロマトグラムである。
図5Bは、本発明の方法によるHIC段階から回収される材料の典型的な分析スケールのシアノ逆相クロマトグラムである。
図6Aは、ホルツ法による第二のカチオン交換クロマトグラフィー段階から回収される材料の典型的な分析スケールのシアノ逆相クロマトグラムである。
図6Bは、本発明による第二のカチオン交換クロマトグラフィー段階から回収される材料の典型的な分析スケールのシアノ逆相クロマトグラムである。
図7Aは、ホルツ法によるゲル瀘過クロマトグラフィー段階から回収される材料の典型的な分析スケールのシアノ逆相クロマトグラムである。
図7Bは、本発明による逆相クロマトグラフィー段階から回収される材料の典型的な分析スケールのシアノ逆相クロマトグラムである。
図8Aは、ホルツ法によって製造される材料の分析スケールのシアノ逆相クロマトグラムである。
図8Bは、本発明の方法によって精製される材料の分析スケールのシアノ逆相クロマトグラムである。
図9Aは、ホルツ法によって精製される材料の分析スケールのC8逆相HPLCクロマトグラムである。
図9Bは、本発明の方法によって精製される材料の分析スケールのC8逆相HPLCクロマトグラムである。
図10Aは、ホルツ法によって精製される還元材料から得られるペプチドマッピング産物の分析スケールの逆相クロマトグラムである。
図10Bは、本発明の方法によって精製される還元材料から得られるペプチドマッピング産物の分析スケールの逆相クロマトグラムである。
図11Aは、ホルツ法によって精製される非還元材料から得られるペプチドマッピング産物の分析スケールの逆相クロマトグラムである。
図11Bは、本発明の方法によって精製される非還元材料から得られるペプチドマッピング産物の分析スケールの逆相クロマトグラムである。
図12Aは、正しく折りたたまれる非還元IGF−Iから得られるぺプチドマッピング産物の分析スケールの逆相クロマトグラムである。
図12Bは、誤って折りたたまれる非還元IGF−Iから得られるペプチドマッピング産物の分析スケールの逆相クロマトグラムである。
発明の詳細な説明
本発明は、単量体の、完全な、正しく折りたたまれたIGF−Iの改良された精製方法を提供するものである。
IGF−Iの出発材料および細胞除去
本発明を実施する際のIGF−Iの出発材料は、様々な塩、酸、塩基、有機小分子、非タンパク性高分子、IGF−I以外のタンパク質(non-IGF-I protein)、IGF−Iフラグメント、多量体IGF−I、不正確に折りたたまれたIGF−I、またはこれらの組み合わせが混入した培地中にあってもよい。IGF−Iは、天然源由来であってもまたは遺伝子操作により形質転換された真核細胞によって産生される組換IGF−Iであってもよい。好ましい実施態様によると、IGF−Iは遺伝子操作により形質転換された酵母によって産生される組換IGF−Iである。
特に好ましい実施態様によると、組換IGF−Iは、発現ベクターpIGF201、pIGF202、pIGF024またはpIGF206で安定して形質転換されたピチア パストリス(Pichia pastoris)株GS115(NRRL Y−15851)中で産生される。発現ベクターpIGF201、pIGF202、pIGF024及びpIGF206を用いた、ピチア パストリス(P. pastoris)株GS115におけるIGF−Iの産生は、ブリアーレイ(Brierley)ら、米国特許番号5,324,639号に記載され、この公報は参考のために引用される。
好ましくは、本発明は形質転換された酵母細胞から分泌される組換IGF−Iを用いて実施される。酵母細胞がN−末端シグナルペプチドを有するIGF−I前駆体タンパク質をコード化するIGF−I発現ベクターで形質転換されると、酵母細胞による分泌がなされる。このシグナルペプチドは、IGF−I前駆体タンパク質を酵母細胞の細胞質膜を介して増殖培地中に分泌させる。分泌工程中に、このシグナルペプチドは切断されて成熟IGF−Iポリペプチドが得られる。
本発明を組換酵母細胞を用いて実施する際には、IGF−Iは発酵工程中に培地中に分泌される。特に好ましい発酵段階/工程は米国特許番号5,423,639号に記載される。米国特許番号5,423,639号に記載される特に好ましい発酵を用いることにより、発酵中に添加される「PTM1」の極微量塩(trace salt)の量は、1リットル出発培地当たり2mlの1回の添加に対して、約10倍減少でき、好ましい。好ましくは、「PTM1」における硫酸、銅、亜鉛及び鉄のレベルは、米国特許番号5,423,639号に記載される方法と比較すると、3倍少ない。
本発明を組換分泌IGF−Iを用いて実施する際には、宿主細胞はIGF−I含有培地から除去されなければならない。細胞の除去は、例えば、遠心または精密瀘過または双方など、いずれかの適当な手段によってなされる。
第一のカチオン交換段階
宿主細胞を除去した後、本発明の方法における第一の段階は、溶液から全IGF−Iの少なくとも約95%を吸着できる条件下でIGF−I含有サンプル溶液を適当量の第一のカチオン交換マトリックスと接触させることである。
IGF−I含有溶液は、様々な方法で第一のカチオン交換マトリックスと接触される。例えば、第一のカチオン交換マトリックスをIGF−I含有培地が導入される容器内に仕込んだ後、第一のカチオン交換マトリックスからIGF−Iが消耗された(IGF-I-depleted)培地を傾瀉してもよい。または、第一のカチオン交換マトリックスをIGF−I含有培地の入った容器に添加した後、第一のカチオン交換マトリックスからIGF−Iが消耗された(IGF-I-depleted)溶液を除去してもよい。第一のカチオン交換マトリックスは、IGF−I含有培地が流れるカラムに入れられることが好ましい。
第一のカチオン交換段階に使用されるマトリックスは当該分野において既知である。カチオン交換マトリックスは、高い流速が可能である、即ち、高圧に耐えられ、マクロ孔質構造を有し、さらに、広範なpH範囲にわたってIGF−Iを結合できるものが好ましい。セルロース、ポリスチレン、デキストラン、アガロース、架橋アガロースなどの、マトリックス支持体がカチオン交換マトリックスに使用される。本段階に好ましく使用されるカチオン交換マトリックスはスルフィルプロピル化(sulfylpropylated)(「SP」)マトリックスである。特に好ましい第一のカチオン交換マトリックスはトヨパール(Toyopearl)SP550C(商標)(トーソーハース(TosoHaas)、フィラデルフィア、ペンシルバニア州(Philadelphia, PA))である。
当業者であれば、IGF−I含有サンプル溶液を第一のカチオン交換マトリックスと接触させる前に、マトリックスを再生するおよび/または活性化する必要があることは認識できると解される。再生および/または活性化はマトリックスの販売者の推奨や既知の方法に従って行われなければならない。
第一のカチオン交換マトリックスの使用量は、1g真正IGF−I当たり、少なくとも約0.031から1.0リットルのマトリックスである。具体的には、IGF−I含有溶液を、約2〜30℃の温度で、約0.01〜1時間またはそれ以上の時間、第一のカチオン交換マトリックスと接触させる。約20〜25℃の温度が好ましい。
IGF−I含有溶液を第一のカチオン交換マトリックスと接触させてIGF−Iを吸着させた後は、IGF−Iが消耗された(IGF-I-depleted)溶液を除去する。これは、例えば、瀘過、傾瀉、遠心など、様々な方法でなされる。好ましい実施態様によると、IGF−I含有溶液の接触およびIGF−Iが消耗された(IGF-I-depleted)培地の除去は、IGF−I含有培地を第一のカチオン交換マトリックスからなるクロマトグラフィーカラムに通すことによって一段階でなされる。
IGF−Iを第一のカチオン交換マトリックス上に吸着させた後であって、IGF−Iを溶出させる前に、IGF−Iをのせたマトリックスを約1〜10カラム容積の弱酸希釈液で洗浄することが好ましい。弱酸希釈液の例としては、約0.02Mの濃度の、酢酸またはリン酸溶液が挙げられる。
従来方法によっては、IGF−Iをのせた第一のカチオン交換カラムを、塩、例えば、0.1M塩化ナトリウムを含む弱酸希釈液(または緩衝液)でさらに洗浄して、IGF−Iよりも弱い力で第一のカチオン交換マトリックスに結合する、多量体および/または誤って折りたたまれた単量体の形態を有するIGF−Iなどの、不純物を除去する。本発明においては、このような高イオン強度による洗浄段階は、次の変性/再生段階で真正IGF−Iに変換して真正IGF−Iの全体としての収率を向上できる、多量体または誤って折りたたまれた単量体の形態を有するIGF−Iを回収することが望ましいため、第一のカチオン交換段階では排除される。
第一のカチオン交換段階での特に好ましい洗浄工程は以下の手順である:約3.0カラム容積の0.02M酢酸;さらに、約3.0カラム容積の0.05M酢酸ナトリウム(pH5.5)。
IGF−Iをのせた第一のカチオン交換マトリックスを(上記したようにして)洗浄した後、マトリックスから実質的にすべてのIGF−Iを脱離させるのに十分高いpHまたはイオン強度を有する十分量の溶媒システム(「溶出バッファー」と称する)とマトリックスを接触させることにより、IGF−Iを溶出させる。
この溶出バッファーは、pHを5.0〜7.0の範囲に、及び塩濃度を約0.2〜1.0Mの維持するのに適した緩衝剤からならなければならない。好ましい溶出バッファーは0.05M酢酸ナトリウム(pH5.5)及び0.4M塩化ナトリウムから構成される。
溶出バッファーの使用量は様々であるが、好ましくは、3〜10カラム容積の範囲である。溶出バッファーが0.05M酢酸ナトリウム(pH5.5)及び0.4M塩化ナトリウムから構成される際には、好ましい溶出バッファー量は4カラム容積である。
カチオン交換マトリックスからのIGF−Iの溶出は、様々な条件下で行うことができる。好ましくは、約2〜30℃の温度が使用される。好ましくは、溶出時間は、比較的短く、例えば、より長いまたは短い時間を使用してもよいが、約0.01〜1.0時間である。
IGF−Iの変性/再生段階
第一のカチオン交換段階後にIGF−Iの変性/再生段階を行うことは本発明の必須の態様である。変性/再生段階では、カチオン交換溶出物をジスルフィド結合交換を促進する緩衝液(「変性/再生バッファー」と称する)に移す。このような移動は、希釈、ゲル瀘過、透析、またはダイアフィルトレーションなど、様々な手段によりなされる。
変性/再生バッファーは、通常、アルカリ性、弱還元性、弱変性および可溶化の特性を有する。また、このバッファーは下記が可能でなければならない:(1)IGF−Iの鎖内ジスルフィド結合を還元し、かつ永久変性を伴わずにIGF−Iタンパク質の変性を促進する;および(2)再酸化によるIGF−Iの再生により適当な対を形成するIGF−Iの鎖内のジスルフィド結合が形成される。
好ましくは、変性/再生バッファーは、pHを8.0〜10.5に維持するのに適する緩衝剤、例えば、ホウ酸塩、酢酸塩、トリスヒドロキシメチルアミノメタン(「トリス」と称する);カオトロピック剤、例えば、尿素またはグラニジン;塩、例えば、塩化ナトリウム、硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウム;アルコール、例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール;および還元剤、例えば、ジチオトレイトール(「DTT」と称する)、システイン、β−メルカプトエタノール(「BME」と称する)を含む。好ましくは、変性/再生バッファーは、8.5〜10.0のpHを有し、1.5〜3.0Mの濃度の尿素、1.0〜3.0Mの濃度の塩化ナトリウム、5〜20%(v/v)の濃度のエタノール、1mM〜15mMの濃度のホウ酸ナトリウム、および0.005mM〜10mMの濃度のジチオトレイトールからなる。最も好ましくは、変性/再生バッファーのpHは約9.0〜9.5であり、バッファーは2M尿素、1.5mM塩化ナトリウム、15%エタノール、5mMホウ酸ナトリウム及び0.2mM DTTから構成される。
好ましくは、全IGF−I濃度は約0.1〜5mg/mlであり;より好ましくは、上記濃度は0.2〜2mg/mlである。
好ましくは、変性/再生バッファーの組成及び各成分の濃度は、再生及び再酸化が変性及び還元から1時間以内に開始し、4〜40時間以内に実質的に終了するようなものである。より好ましくは、再生及び再酸化は実質的に15〜20時間以内に終了する。
最も好ましい変性/再生バッファー(上記)を使用する際には、ジスルフィドの還元は数秒で生じる。空気の存在下で室温で緩やかに撹拌すると、再酸化が約1時間以下に開始する。再生及び再酸化は実質的に約15〜20時間以内に終了する。
疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)段階
変性/再生段階後、部分的に精製され再生されたIGF−Iを十分量のHICマトリックスと接触させて、少なくとも約95%のIGF−Iを吸着させる。好ましくは、HICマトリックスはIGF−I含有バッファーが通過するカラムに入れられる。
再生IGF−I溶液をHICマトリックスと接触させる前に、IGF−I含有サンプルのpH及び塩濃度を調節する。好ましくは、pHは4.0〜5.0に調節され、塩濃度は0.4M〜2.0Mに調節される。より好ましくは、pHは4.0〜4.5に調節され、塩濃度は1.0〜1.5Mに調節される。
IGF−I含有培地の塩濃度を上げることにより、IGF−IのHICマトリックスへの結合が促進される。このような用途に適した塩としては、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸アンモニウム、リン酸カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸アンモニウム、塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウムなどが挙げられる。
本発明に好ましく使用されるHICマトリックスは、アルキル−またはアリール−置換HICマトリックスである。HICマトリックスの例としては、ブチル−、オクチル−、またはフェニル−置換マトリックスが挙げられる。本発明を実施するにあたって有用なHICマトリックス支持体としては、合成ポリマー、例えば、ポリスチレン、ポリ(メタクリレート)など;セルロース、デキストラン、アガロース、架橋アガロースなどが挙げられる。特に好ましいHICマトリックスはブチル−置換、ポリメタクリレート疎水性相互作用クロマトグラフィーマトリックス(例えば、トヨパールブチル(Toyopearl Butyl)650M(商標)またはトヨパールブチル(Toyopearl Butyl)650C、トーソーハース(TosoHaas)、フィラデルフィア、ペンシルバニア州(Philadelphia, PA))である。
必要な再生(regeneration)後、カラムを5〜10カラム容積の塩含有酢酸塩/リン酸緩衝液(約2.5〜4.5、好ましくは約3.0のpH)で平衡化する。
本発明を実施するにあたって使用されるHICマトリックスの量は様々である。具体的には、約0.05〜1リットルのマトリックス/g真正IGF−Iが使用される。
例えば、IGF−IをHICマトリックスと約15〜30℃の温度で、少なくとも約0.1〜30分間、接触させる。20〜25℃の温度が好ましい。
実質的にすべてのIGF−Iを第一のHICマトリックスに吸着させた後、マトリックスをバッファーと接触(即ち、「洗浄」)して、かなりの量の完全な、単量体の、正しく折りたたまれた形態の吸着したIGF−Iは除去せずに、かなりの量の混入物質(即ち、単量体の、完全な、正しく折りたたまれたIGF−I以外の物質)をマトリックスから除去する。特に好ましいカラム洗浄工程では、HICカラムを、約3カラム容積の、0.5M塩化ナトリウムを含む、0.2M酢酸で洗浄する。次に、HICカラムを、約10カラム容積の、0.15〜0.25M塩化ナトリウムを含む、0.2M酢酸で洗浄する。
カラムによる洗浄工程が終了したら、HICマトリックスをHIC溶出バッファー、即ち、実質的にすべての残りの吸着した真正IGF−Iをマトリックスから除去するのに適したバッファーと接触させる。
吸着したIGF−Iは様々な条件下でHICマトリックスから溶出される。好ましくは、溶出バッファー温度は15〜30℃である。より好ましくは、上記温度は20〜25℃である。溶出時間は、カラム寸法やマトリックス材料などの機能として変化する。カラムを通る溶出液の流速は約10〜300cm/時間であることが好ましい。
特に好ましいHIC溶出工程は、約4カラム容積の、0〜0.02M塩化ナトリウムを含む、0.2M酢酸を流すことから構成される。
上記したような特に好ましい材料及び工程からなるHIC段階は、従来技術工程に比べて以下のような様々な利点がある:(1)潜在的なIGF−Iが硫酸アンモニウムにおいて不純物と結合して沈殿するのを防止する;(2)塩勾配を排除することにより、より簡便である;および(3)pHの変化が防止される。
必要であれば、一部の、またはすべてのHICマトリックスからの溶出物をHIC精製に再度かけてもよい。必要であれば、一部の、またはすべてのHICマトリックスからの洗浄液を変性/再生をした後にHIC精製に再度かけてもよい。
第二のカチオン交換段階
HIC段階から得られた部分精製されたIGF−Iを第二のカチオン交換精製段階にかける。第二のカチオン交換段階における材料や工程の選択に関わる原理は、本質的には、第一のカチオン交換段階のものと同様である。したがって、同様の型のカチオン交換マトリックスが具体的には第一及び第二のカチオン交換段階で使用される。本発明の最も好ましい実施態様によると、第二のカチオン交換段階は下記工程からなる。
カチオン交換カラム、好ましくはSPカラム(Sp column)、最も好ましくはトヨパール(Toyopearl)SP550CTM、SP650STM、またはCM−650MTM(トーソーハース(TosoHaas))カラム(予め再生済み)を、本質的に0.05M酢酸ナトリウムバッファー(pH5.5)から構成されるバッファーで平衡化する。HIC段階から得られた部分精製されたIGF−Iをこのカチオン交換カラムにのせた後、カラムを7〜10カラム容積の0.1M NaClを含む0.05M酢酸ナトリウムバッファー(pH5.5)で洗浄することが好ましい。次に、IGF−Iは、約7カラム容積の0.4M塩化ナトリウムを含む0.05M酢酸ナトリウムバッファー(pH5.5)で溶出されることが好ましい。
第二のカチオン交換マトリックスの使用量、即ち、第二のカチオン交換カラムの大きさは、マトリックスに吸着されるIGF−Iの全量に依存する。様々な市販のカチオン交換マトリックスの能力が売り主により提供されており、IGF−Iに対するマトリックスの適当な割合の算出法は当該分野における通常の知識を有するものには既知である。
逆相クロマトグラフィー段階
第二のカチオン交換段階から得られた部分的に精製され、再生されたIGF−Iは逆相クロマトグラフィー段階に供される。従来のIGF−Iの精製方法の相当する箇所では、ゲル瀘過クロマトグラフィーが使用されていた。ゲル瀘過は高分子量の混入物を除去する。本発明による逆相クロマトグラフィーもまた高分子量の混入物を除去する。しかしながら、逆相クロマトグラフィー段階は、酸化、グリコシル化、及び一部が分解した形態などの、様々な非真正の形態のIGF−Iをもさらに除去する。
市販される、様々な逆相クロマトグラフィー媒体が使用される。ポリマー樹脂媒体が好ましい。ポリマー樹脂媒体の利点としては、水酸化ナトリウムによりデピロゲネーション(depyrogenation)及び衛生を可能にする化学的な安定性がある。特に好ましい逆相クロマトグラフィー媒体は、アンバークロム(Amberchrom)CG1000sdTM(トーソーハース(TosoHaas)、フィラデルフィア、ペンシルバニア州(Philadelphia, PA))である。逆相クロマトグラフィー段階に使用される有機溶媒例としては、メタノール、エタノール、2−プロパノール、及びアセトニトリルが挙げられる。エタノールが特に好ましい。
第二のカチオン交換段階から得られた部分的に精製IGF−Iサンプルを、逆相カラムを0.2M酢酸で平衡化した後のカラムにのせる。
次に、IGF−Iが吸着した逆相カラムを、0%〜20%エタノールを含む一以上の水性/有機溶媒バッファーで洗浄して、混入物、即ち、真正IGF−I以外の物質を除去する。本発明の特に好ましい実施態様によると、IGF−Iが供せられた逆相クロマトグラフィーカラムに、約1カラム容積の0.2M酢酸による1回目の無勾配洗浄を行う。次に、このカラムに、0.2M酢酸における19%エタノールによる2回目の無勾配洗浄を行い、真正IGF−Iより疎水性の低い混入物(例えば、酸化、グリコシル化及びdes−2 IGF−I等の、一部分解した形態のIGF−I)を除去する。
真正IGF−Iは、水性/有機溶媒バッファーによる無勾配溶離により回収された後、勾配溶離にかけられる。無勾配溶離は、数カラム容積の、有機溶媒濃度が約20%〜40%である水性/有機溶媒バッファーを用いて行われる。さらに、有機溶媒の勾配により、IGF−Iが溶出される。好ましくは、無勾配溶離は、4カラム容積の19%エタノールを含む0.2M酢酸を用い、勾配(段階または直線的)は、0.2M酢酸において、19%〜25%(v/v)エタノールを用いる。真正IGF−Iより疎水性の高い混入物質はカラムに吸着されたままであるため、真正IGF−Iから分離される。エタノール勾配は段階勾配であってもまたは直線勾配であってもよい。
真正IGF−Iを溶出した後の、残った吸着化合物、即ち、真正IGF−Iより疎水性の高いものは、逆相カラムから「ストリップされる(stripped)」(除去される)。好ましくは、カラムは、例えば、約70%〜100%濃度の、高濃度のエタノールでストリップされる(stripped)。
濃縮/ダイアフィルトレーション
逆相クロマトグラフィー段階後は、精製した真正IGF−Iを、限外瀘過などの濃縮工程にかける。この段階の意図は、精製したIGF−Iを約12〜16mg/mlの最終濃度にまで濃縮し、逆相クロマトグラフィー溶出バッファーを最終産物を配合する次の段階に適したバッファーに置換することである。
様々な材料からなり、様々な孔径(分子量のカットオフを決定する)を有する、限外瀘過膜は、市販されている。本発明の好ましい実施態様によると、1,000の分子量のカットオフを有するポリスルホン製平膜(フィルトロン(Filtron)、ノースボラウ、マサチューセッツ州(Northborough, MA))が使用される。より好ましい実施態様によると、3,000または5,000の分子量のカットオフを有するポリスルホン製中空糸膜(エージー テクノロジー(AG Technology)、ニードハム、マサチューセッツ州(Needham, MA))が使用される。中空糸膜は、分子量のカットオフの規格が異なるものの、平膜に比べて、フラックス比が高くかつIGF−Iの保持能が良好である。
濃縮/ダイアフィルトレーションは本方法の前記段階のいずれかまたはすべての終了時に行ってもよい。例えば、材料の精製が異なる位置で終了しようとする場合には、濃縮/ダイアフィルトレーションをHIC段階の後に行ってもよい。技術者は、濃縮/ダイアフィルトレーションを行う際に必要であると指令できる。
分析方法
IGF−Iの精製工程の各段階で、IGF−I含有サンプル、IGF−Iが消耗された(IGF-I-depleted)溶液、カラム洗浄液、収集画分などのアリコートは、一以上の分析法によりアッセイされることが好ましい。このようなアッセイにより、精製工程の目的とする概念をモニターすることができる。目的とするサンプルに関する適当なアッセイ法はサンプルの型や検索しようとする情報に依存する。例えば、IGF−I、または、混入物、またはその双方をアッセイすることが望ましい。
様々なIGF−Iの分析方法が既知であり、例えば、SDS−PAGE、等電点電気泳動、ウェスタンブロッティング、ペプチドマッピング、N−末端アミノ酸配列決定、及びHPLCなどが挙げられる。本発明に関して好ましく使用されるIGF−Iの分析方法は、HPLC法、例えば、C4 RP HPLC、C8 RP HPLC、カチオン交換HPLCまたはSEC HPLCである。具体的には、一以上のこれらのHPLC法を用いて、IGF−I法を通してのクロマトグラフィーカラム画分をアッセイする。
他の好ましいIGF−Iの分析方法は、「シアノ逆相クロマトグラフィー(cyano reverse phase chromatography)」(ワイエムシー(YMC)、ウィルミントン、ノースカロライナ州(Wilmington, NC))である。シアノ逆相逆相クロマトグラフィー(cyano reverse phase chromatography)を本発明に係る分析方法として使用する際には、0.1%トリフルオロ酢酸(「TFA」と称する)によるアセトニトリルのシャロウグラジエント(shallow gradient)を用いて、真正IGF−I及び主要な混入する、非真正の形態のIGF−Iを分離及び定量する。
実施例の情報
従来方法、特にホルツ(上記)で記載された方法、および本発明の好ましい方法を、10リットルの発酵発育スケール(fermentation development scale)で行われた実験試験で比較した。IGF−I含有出発材料は、ピチア パストリス(P. pastoris)株GS115の10リットル発酵ブロスから構成された。上記株は、N−末端にシグナルペプチドを有する組換ヒトIGF−Iをコード化するプラスミドpIGF206で安定して形質転換される。シグナルペプチドの存在により、組換ヒトIGF−Iは、ピチア パストリス(P. pastoris)の増殖培地中に分泌される。増殖培地及び発酵条件はホルツ(上記)に記載されるのと同様である。PTM1の極微量塩の添加量(trace salt addition)は10倍減少した;さらに、PTM1における硫酸、銅、亜鉛及び鉄レベルは約3倍減少した。
発酵中、様々な形態のIGF−Iが増殖培地中に分泌された。図2は、第一のカチオン交換段階から回収されたIGF−Iの典型的なシアノ逆相クロマトグラムを示すものである。これらのIGF−Iの形態としては、7.3分に溶出する真正IGF−I(全IGF−Iの約18%);5.08分に溶出する誤って折りたたまれた単量体IGF−I(約15%);6.0分に溶出する分解されたまたはアミノ−末端がクリップされた(clipped)(des−2)単量体形態(全体の約1%);6.7分に溶出する酸化されたまたはグリコシル化された単量体形態(全体の約7%);8〜11分に溶出する様々な分解されたまたはニック(nicked)単量体形態(全体の約7%);および11〜22分に溶出する多くの多量体形態(全体の約50%)が挙げられる。
表1は、ホルツ法における基礎的な段階を本発明の方法における好ましい段階と比較するものである。ホルツ法における段階に対する最適な変更を表2に要約する。工程の各段階での真正IGF−Iの収率(シアノ逆相クロマトグラフィー分析法によって測定)を表3に示す。本発明の好ましい方法に関する表3のデータは、6回の10リットルの製造操作に関する平均値である。従来の方法に関する表3のデータは、1回の10リットルの製造操作から得たものである。
Figure 0003894570
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Figure 0003894570
細胞を除去した後、細胞を含まない発酵ブロスを、20〜25℃で、130ml/分の流速で、270mlのトヨパール(Toyopearl)SP550C(商標)(トーソーハース(TosoHaas)、フィラデルフィア、ペンシルバニア州(Philadelphia, PA))カラム(5cm×14cm)にのせた。ローディングされたカラムを、20〜25℃で、130ml/分の流速で、約3カラム容積の0.02M酢酸でまず洗浄した後、約3カラム容積の0.05M酢酸ナトリウムでさらに洗浄した。IGF−Iを4カラム容積の0.05M酢酸ナトリウム(pH5.5)、0.4M塩化ナトリウムでカラムから溶出させた。第一のカチオン交換段階から回収された材料を表4に要約する。
Figure 0003894570
本発明の方法における第一のカチオン交換段階は、ホルツ法における第一のカチオン交換段階とは、第二の洗浄バッファーで塩化ナトリウムを使用しなかった点で異なる。これにより、(次の変性/再生段階において単量体の形態に変換される)多量体の形態のIGF−Iが回収でき好ましい。多量体IGF−Iの回収量の増加は、ホルツ法による第一のカチオン交換(「SP1」と称する)産物および本発明の方法を用いて得られたSP1産物の分析クロマトグラムを比較することによって観察される。多量体IGF−Iレベルを除くと、上記2つのクロマトグラフィーによるプロフィール(図2及び3)には有意な差はない。
SP1回収プールを、以下の最終濃度を得られるように、変性/再生バッファーの濃縮(2×濃度)ストックと合わせた:2M尿素、1.5M塩化ナトリウム、15%エタノール;5mMホウ酸ナトリウム;及び0.2mM DTT(pH9〜9.5)。変性/再生を、室温で、15〜20時間、緩やかに混合しながら、行った。変性/再生段階前後になされた分析からの具体的なシアノ逆相クロマトグラムを図4A及び4Bに示す。変性/再生段階前後の様々な形態のIGF−Iの相対量(全IGF−Iの割合(%)として)を表5に示す。多量体IGF−Iピークの減少および真正IGF−Iピークの増加が図4A及び4Bでは明らかに認められる。多量体IGF−Iピークが減少する結果、真正IGF−Iが存在する全IGF−Iの14%から44%にまで増加した。高い割合の多量体IGF−Iが単量体に変換される(64%多量体から21%多量体に減少)ため、非真正単量体形態によっては量が増加するものもある。例えば、酸化された及びグリコシル化された形態(7.25分)は全体の5%から12%に増加した;des−2と称される分解された形態(6.86分)は1.5%から3.4%に増加した(表5)。
しかしながら、真正IGF−Iに対する非真正単量体形態の割合は、真正IGF−Iの量もまた増加したので、増加していないことに留意すべきである。新たな混入物は変性/再生段階の結果としては同定されなかった。変性/再生工程は、100リットル及び1500リットルの発酵スケールに相当するような実験において行われたところ、匹敵するデータが得られた(データは示さず)。
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HICカラムへのローディングを目的とした調製において、再生プールのpHは酢酸で4.2に調節され、さらに等容の1M塩化ナトリウムで希釈された。1.25M塩化ナトリウムを含む、pHが調節された再生プールを、20〜25℃で、40ml/分の流速で、トヨパールブチル(Toyopearl Butyl)650M(商標)(トーソーハース(TosoHaas)、フィラデルフィア・ペンシルバニア州(Philadelphia, PA))HICカラム(3.2cm×47cm)にのせた。
IGF−Iが吸着した、HICカラムを、約3カラム容積の0.5M塩化ナトリウムを含む0.2M酢酸で洗浄した。次に、HICカラムを約10カラム容積の0.25M塩化ナトリウムを含む0.2M酢酸で洗浄した。さらに、吸着したIGF−Iを、4カラム容積の0.02M塩化ナトリウムを含む0.2M酢酸でHICカラムから溶出させた。
HIC段階後に回収された産物の分析による具体的なシアノ逆相クロマトグラムを図5A及び5Bに示す。クロマトグラフィーによるプロフィールにおいて本質的な相違は認められない。ホルツ法における及び本発明の方法におけるHIC段階後の様々な形態のIGF−Iの相対量(全IGF−Iの割合(%)として)を表6に示す。
Figure 0003894570
第二のカチオン交換段階を、10ml/分の流速で、トヨパール(Toyopearl)SP550C(商標)(トーソーハース(TosoHaas)、フィラデルフィア・ペンシルバニア州(Philadelphia, PA))カラム(1.6cm×35cm)で行った。
ローディング後、第二のカチオン交換カラムを約1カラム容積の0.05M酢酸ナトリウムバッファー(pH5.5)で洗浄した。次に、このカラムを約7カラム容積の0.05M酢酸ナトリウム、0.1M塩化ナトリウム(pH5.5)で洗浄した。IGF−Iを約7カラム容積の0.05M酢酸ナトリウム、0.4M塩化ナトリウム(pH5.5)で溶出させた。ホルツ法及び本発明の方法における第二のカチオン交換段階後の様々な形態のIGF−Iの相対量(全IGF−Iの割合(%)として)を表7に示す。
Figure 0003894570
第二のカチオン交換段階から回収された材料を、約3カラム容積の0.2M酢酸バッファーで平衡化された、アンバークロム(Amberchrom)CG1000sdTM(トーソーハース(TosoHaas)、フィラデルフィア、ペンシルバニア州(Philadelphia, PA))逆相クロマトグラフィーカラム(2.6cm×21cm)にのせた(流速:20ml/分)。ローディング後、この逆相カラムを1カラム容積の0.2M酢酸で洗浄した。次に、このカラムを4カラム溶液の19%エタノールを含む0.2M酢酸で洗浄した(流速を15ml/分に減少させた)。IGF−Iを19%〜25%エタノール勾配を用いて逆相カラムから溶出させた。IGF−I回収後、カラムを高濃度のエタノール(即ち、70〜100%)でストリップした。図7は、ホルツ法によるゲル瀘過産物および本発明の方法による逆相産物の分析からの典型的なシアノ逆相クロマトグラムを示すものである。ホルツ法におけるゲル瀘過段階および本発明の方法における逆相クロマトグラフィー段階後の様々な形態のIGF−Iの相対量(全IGF−Iの割合(%)として)を表8に示す。
Figure 0003894570
最終産物の分析および特徴付け
本発明を実施することによって得られた最終産物の純度、同一性及び効力を調べるために、様々な試験を使用した。
SDS−PAGE
産物の純度及び同一性をSDS−PAGEによって決定した。本発明の方法による産物を、ホルツ法による参考標準物質とコミグレートした(co-migrate)ところ、検出可能な量のより高い分子量のタンパク質を含んでいない(データ示さず)。
ウェスタンブロット/ELISA
非IGF−Iタンパク質をウェスタンブロット及びELISAアッセイによって測定した。上記試験では、1次抗体がネガティブコントロールであるピチア パストリス(Pichia pastoris)発酵液の第一カチオン交換段階から回収されたタンパク質に対して生じた。この抗体は、混入した宿主細胞タンパク質の存在をプローブするのに使用された。混入した宿主細胞タンパク質の量は、本発明の方法による産物では、ホルツ法による産物と比較して、約10倍少ない。スロットブロットELISA(slot blot ELISA)アッセイを用いて定量した。表9はELISAによる測定結果を要約するものである。
Figure 0003894570
シアノ逆相HPLC
最終産物の純度をまた、シアノ逆相カラム(シアノ ゾルバックス(Cyano Zorbax)、マックモッド アナリティカル(MacMod Analytical)、チャッズ フォード、ペンシルバニア州(Chadds Ford, PA))を用いて評価した。pH6.8における25mMリン酸バッファーとのアセトニトリルのシャローグラジエント(shallow gradient)を用いて、主要なIGF−I類似体を分離し、真正IGF−Iの濃度及び純度を測定した。このシアノ逆相アッセイは、真正IGF−Iから様々なIGF−I類似体(酸化及びグリコシル化)を良好に分解する。表10は、本発明の方法によって製造される3ロットの物質の純度をホルツ法によって製造される数個のロットと比較した際の結果を要約するものである。図8の逆相HPLCクロマトグラムは、ホルツ法と本発明の方法を比較するものである。
Figure 0003894570
サイズ排除HPLC
サイズ排除HPLCを用いて、産物中の高分子量の凝集物の存在を検出した。表11は、各ロットの試験結果を要約するものである。本発明の方法は、効率よく、産物から高分子量物質を除去する。
Figure 0003894570
等電点電気泳動
等電点電気泳動ゲルにより、ホルツ法によって製造された産物と比較した際の、本発明の方法による産物の同一性をまた確認する(データ示さず)。
タンパク質の配列決定
産物のN−末端の配列決定により、ホルツ法によって製造された産物及び組換ヒトIGF−Iの公知の配列に関して、タンパク質の配列が正しいことが確認された。
ペプチドマッピング
本発明による産物のペプチドマッピングによる結果は、ホルツ法による物質で得られた結果と同一である。還元及び非還元マップが双方とも一致する。図10は、マッピング研究の結果を示すものである。本発明の方法によって製造される産物は再生されるため、RP−HPLCによる未消化のIGF−Iの及び非還元ペプチドマップのピークの保持時間により、本発明の方法によって製造されるIGF−Iの折りたたみが正しいことを確認する。さらに、図11は、精製工程から得られる誤って折りたたまれたIGF−Iのペプチドマップを示すものである。予想される通り、非還元マップは、正しく折りたたまれた真正IGF−Iのマップとは異なる。
質量分光法(mass spectroscopy)
さらに同一性を質量分析によって調べた。7649±5AMUの分子量を有する、主要な成分が本発明の方法による物質の各ロットで観察された。ホルツ法の産物と同等の強さを有する微量成分もまた存在する。
生物学的な活性
本発明の方法によって製造される物質に関するラジオレセプターアッセイ(radio receptor assay)結果は、HPLCアッセイ及び紫外線分光法による全タンパク質に基づいて、産物の予想される効力と一致する。
本発明の方法による様々なロットの物質の生物学的な効力もまた分裂促進バイオアッセイ(mitogenic bioassay)において試験した。IGF−Iは強力な分裂促進因子である。その効果は、ジメチルチアゾル−2−イルジフェニルテトラゾリウム(dimethylthiazol-2-yl diphenyltetrazolium)(MT)をヒトの骨肉腫細胞系MG−63のDNA中に導入することにより測定される。双方の方法によって製造される様々なロットのIGF−Iの効力は同等である(データは示さず)。
本発明の方法によって製造される産物は真正rhIGF−Iの予想される特性を有する。この産物の純度はホルツ法による産物に比べて約1〜4%上昇していた。
本発明の他の実施態様は、下記請求の範囲に含まれる。

Claims (24)

  1. 以下の段階からなる、IGF−Iペプチドを含む培地からの正しく折りたたまれた単量体インスリン様成長因子−I(IGF−I)の精製方法:
    (a)培地を、少なくとも約0.031から1.0リットル/g真正IGF−Iの第一のカチオン交換マトリックスと約2〜30℃の温度で、約0.01〜1時間またはそれ以上の時間、接触させて、培地から全IGF−Iの少なくとも約95%を吸着させる;
    (b)IGF−Iがのせられた第一のカチオン交換マトリックスを第一のカチオン交換洗浄バッファーで洗浄して、実質的な量の真正または非真正IGF−Iを除かずに実質的な量の吸着したIGF−I以外の物質を除去する;
    (c)段階(a)のカチオン交換マトリックスを十分な量の第一のカチオン交換溶出バッファーと接触させることにより該カチオン交換マトリックスからすべての形態の吸着したIGF−Iを溶出させ、この際、該第一のカチオン交換溶出バッファーは、カチオン交換マトリックスから実質的にすべての真正及び非真正IGF−Iを脱離させるのに十分高いpHまたはイオン強度を有するように、5.0〜7.0のpH及び0.2〜1.0Mの塩濃度を有する;
    (d)段階(c)のIGF−I含有溶出物を変性/再生バッファー中に移し、これにより:(i)IGF−Iタンパク質の鎖内のジスルフィド結合が還元され、永久変性を伴わずに変性が促進され;さらに(ii)IGF−Iの再生及び再酸化により適当な対を形成する鎖内のジスルフィド結合が形成できる;
    (e)段階(d)の再生されたIGF−Iを、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸アンモニウム、リン酸カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸アンモニウム、塩化ナトリウム、及びクエン酸ナトリウムからなる群より選択される少なくとも一種の塩を0.4M〜2.0Mの濃度で含むpH4.0〜5.0の溶媒システムに移した後、約0.05〜1リットルのマトリックス/g真正IGF−Iの疎水性相互作用クロマトグラフィーマトリックスと約15〜30℃の温度で、少なくとも約0.1〜30分間、接触させて、溶出物から少なくとも約95%のIGF−Iを吸着させる;
    (f)ほとんどの非真正IGF−Iを除去するのには十分低いが、疎水性相互作用クロマトグラフィーマトリックスからかなりの割合の真正IGF−Iを除去するほどには低くないイオン強度を有する疎水性相互作用洗浄バッファーでIGF−Iがのせられた疎水性相互作用クロマトグラフィーマトリックスを洗浄し、この際、該洗浄工程は、疎水性相互作用クロマトグラフィーマトリックスを、0.5M塩化ナトリウムを含む0.2M酢酸で洗浄した後、0.15〜0.25M塩化ナトリウムを含む0.2M酢酸で洗浄する工程を有する;
    (g)疎水性相互作用クロマトグラフィーマトリックスを疎水性相互作用溶出バッファーと接触させることにより該マトリックスから吸着したIGF−Iを溶出し、この際、該疎水性相互作用溶出バッファーは該マトリックスから実質的にすべての吸着した真正IGF−Iを脱離させるのに十分高いpH、または十分低いイオン強度を有し、かつ該溶出は、該疎水性相互作用クロマトグラフィーマトリックスに約4カラム容積の0〜0.02M塩化ナトリウムを含み、約3.0のpHを有する0.2M酢酸をのせることから本質的に構成される
    (h)段階(g)の溶出物を、少なくとも約0.031から1.0リットル/g真正IGF−Iの第二のカチオン交換マトリックスと約2〜30℃の温度で、約0.01〜1時間またはそれ以上の時間、接触させて、溶出物から少なくとも約95%のIGF−Iを吸着させる;
    (i)ほとんどの割合の非真正IGF−Iを除去するのには十分高いが、かなりの割合の真正IGF−Iを除去するほどには高くないイオン強度またはpHを有するカチオン交換洗浄バッファーでIGF−Iがのせられた第二のカチオン交換マトリックスを洗浄し、この際、該カチオン交換洗浄バッファーは、0.05M酢酸塩を含む;
    (j)第二のカチオン交換マトリックスを第二のカチオン交換溶出バッファーと接触させることにより該マトリックスから吸着したIGF−Iを溶出し、この際、該第二のカチオン交換溶出バッファーは、5.0〜7.0のpH及び0.2〜1.0Mの塩濃度を有し、かつ該マトリックスから実質的にすべての吸着した真正IGF−Iを脱離させるのに十分高いイオン強度、または十分高いpHを有する;
    (k)段階(j)の溶出物を適当量の予め0.2M酢酸で平衡化した逆相クロマトグラフィーマトリックスと接触させる;
    (l)ほとんどの割合の非真正IGF−Iを除去するのには十分高いが、かなりの割合の真正IGF−Iを除去するほどには高くないように、0〜20%の有機溶媒濃度を有する水性/有機溶媒逆相洗浄バッファーでIGF−Iがのせられた逆相クロマトグラフィーマトリックスを洗浄し、この際、有機溶媒は、メタノール、エタノール、2−プロパノール、及びアセトニトリルから選択される;
    (m)かなりの割合の多量体形態のIGF−Iは除去せずに実質的にすべての真正IGF−Iを除去するのに十分高いように、20〜40%の有機溶媒濃度を有する水性/有機溶媒バッファーで逆相クロマトグラフィーマトリックスから吸着したIGF−Iを溶出し、この際、有機溶媒は、メタノール、エタノール、2−プロパノール、及びアセトニトリルから選択される。
  2. 段階(f)の洗浄により除去される非真正IGF−Iが、段階(h)の開始前にのみ、段階(d)から(g)を少なくとも1回再度行う、請求の範囲第1項に記載の方法。
  3. 該IGF−Iがヒトの組換IGF−Iである、請求の範囲第1項または第2項に記載の方法。
  4. 該ヒトの組換IGF−Iが形質転換された酵母細胞中で産生される、請求の範囲第3項に記載の方法。
  5. 該形質転換された酵母細胞がピチア パストリス(Pichia pastoris)種に属する、請求の範囲第4項に記載の方法。
  6. 該ピチア パストリス(Pichia pastoris)種が株GS115に属する、請求の範囲第5項に記載の方法。
  7. 該IGF−Iが酵母の増殖培地中に分泌される、請求の範囲第4項〜第6項のいずれか1項に記載の方法。
  8. 段階(a)において、該第一のカチオン交換マトリックスがスルフィルプロピル化され、クロマトグラフィーカラム内にある、請求の範囲第1項〜第7項のいずれか1項に記載の方法。
  9. 段階(b)において、該洗浄が、該第一のカチオン交換マトリックスに約3.0カラム容積の0.02M酢酸、さらには、約3.0カラム容積の0.05M酢酸ナトリウム(pH5.5)をのせることから本質的に構成される、請求の範囲第1項〜第8項のいずれか1項に記載の方法。
  10. 段階(c)において、該溶出が、該第一のカチオン交換マトリックスに3〜10カラム容積の0.05M酢酸ナトリウム(pH5.5)及び0.4M塩化ナトリウムをのせることから本質的に構成される、請求の範囲第1項〜第9項のいずれか1項に記載の方法。
  11. 段階(d)において、該変性/再生バッファーが、本質的に、約1.5〜3.0Mの尿素;約1.0〜3.0Mの塩化ナトリウム;約5%〜20%(v/v)のエタノール;約1mM〜15mMのホウ酸ナトリウム;および約0.005mM〜10mMのジチオトレイトールから構成され、かつ約8.5〜10.0のpHを有する、請求の範囲第1項〜第10項のいずれか1項に記載の方法。
  12. 段階(d)において、該変性/再生バッファーが、本質的に、2M尿素、1.5mM塩化ナトリウム、15%(v/v)エタノール、5mMホウ酸ナトリウム及び0.2mM DTTから構成され、かつ約9.0〜9.5のpHを有する、請求の範囲第11項に記載の方法。
  13. 段階(e)において、該疎水性相互作用クロマトグラフィーマトリックスがブチルで置換されたポリメタクリレートマトリックスである、請求の範囲第1項〜第12項のいずれか1項に記載の方法。
  14. 段階(f)において、該洗浄が、該疎水性相互作用クロマトグラフィーマトリックスに約3カラム容積の0.5M塩化ナトリウムを含む0.2M酢酸;さらには約10カラム容積の0.15〜0.25M塩化ナトリウムを含む0.2M酢酸をのせることから本質的に構成される、請求の範囲第1項〜第13項のいずれか1項に記載の方法。
  15. 段階(h)において、該第二のカチオン交換マトリックスがスルフィルプロピル化され、クロマトグラフィーカラム内にある、請求の範囲第1項〜第14項のいずれか1項に記載の方法。
  16. 段階(i)において、該洗浄が、該第二のカチオン交換マトリックスに約7〜10カラム容積の0.1M塩化ナトリウムを含み約5.5のpHを有する0.05M酢酸ナトリウムをのせることから本質的に構成される、請求の範囲第1項〜第15項のいずれか1項に記載の方法。
  17. 段階(j)において、該第二のカチオン交換溶出バッファーが、約7カラム容積の、約5.5のpHを有する、0.05M酢酸ナトリウム、0.4M塩化ナトリウムから本質的に構成される、請求の範囲第1項〜第16項のいずれか1項に記載の方法。
  18. 段階(k)において、該逆相クロマトグラフィーマトリックスがポリマー樹脂媒体である、請求の範囲第1項〜第17項のいずれか1項に記載の方法。
  19. 段階(l)において、該洗浄が約1カラム容積の0%エタノールを含む0.2M酢酸;さらには約4カラム容積の19%エタノールを含む0.2M酢酸をのせることから本質的に構成される、請求の範囲第1項〜第18項のいずれか1項に記載の方法。
  20. 段階(m)において、該溶出が、該逆相クロマトグラフィーマトリックスに約4カラム容積の19%エタノールを含む0.2M酢酸をのせ、さらには0.2M酢酸における19%〜25%(v/v)エタノールの勾配をかけることから本質的に構成され、該勾配が直線的勾配及び段階勾配からなる群より選ばれる、請求の範囲第1項〜第19項のいずれか1項に記載の方法。
  21. 段階(g)において、該疎水性相互作用溶出バッファーは、約4カラム容積の0.2M酢酸及び0.02M塩化ナトリウムを含む、請求の範囲第1項〜第20項のいずれか1項に記載の方法。
  22. 段階(j)において、該第二のカチオン交換溶出バッファーは、約5.5のpHを有する0.05M酢酸ナトリウム及び0.4M塩化ナトリウムを含む、請求の範囲第1項〜第21項のいずれか1項に記載の方法。
  23. 該培地は、酵母細胞が予め除去されたIGF−I含有培地である、請求の範囲第1項〜第22項のいずれか1項に記載の方法。
  24. 段階(d)において、段階(c)のIGF−I含有溶出物を変性/再生バッファーと室温で15〜20時間接触させる、請求の範囲第1項〜第23項のいずれか1項に記載の方法。
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