JP3893680B2 - 衛生洗浄装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、流体の流量を制御する流量制御弁に関し、特に人体局部を洗浄する衛生洗浄装置に用いられる流量制御弁に関する。また、流量制御弁を備えた衛生洗浄装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の流体を制御する制御弁には、リフト弁が多く用いられており、ハンドルを回動することにより、リフト量を制御して、流量を調整するものである。このようなリフト弁では、閉止させるためにハンドルをきつく締める必要がある。また、所定量以上の流量を得るためにはハンドルを大きく回動させる必要がある。
【0003】
ところで、例えば、従来の衛生洗浄装置においては、局部洗浄には温水が用いられており、また、局部洗浄後は乾燥装置により人体局部を乾燥するように構成されている。更に、ノズル装置はモータにより駆動され、タッチスイッチ等により電磁弁若しくはポンプを駆動することで、局部洗浄を行うよう構成されている。そして、洗浄感の向上を図るため、ノズル装置を前後に動かせて洗浄を広範囲に行わせた洗浄機能を追加したり、電気的な流調弁を電磁弁下流に設け、その流調弁開度をモータ等により周期的に変えたりしてマッサージ効果を狙った洗浄機能を追加したりしたものまで市場に投入されている。
【0004】
このような洗浄機能を高めた衛生洗浄装置は消費者を満足させるものである反面、コストは高くなるという要素を備えている。
【0005】
ところで、近年このような衛生洗浄装置は、飛躍的に普及を遂げている。その普及に伴い、消費者の好みは多様化しており、乾燥装置を不要に思う消費者も多数でてきた。
【0006】
一方で、さらなる普及に障害となるのは、トイレブース内へコンセントを設けるために電気工事である。衛生洗浄装置普及前はトイレブースで電気製品を使うことは一般的ではなかったため、トイレブース内にコンセントが設置されていない家屋が多い。従って、トイレブース内へコンセントを設けるために電気工事が必要であり、消費者は衛生洗浄装置の購入に際し、電気工事の手間や費用を考慮する必要があった。
ところで、熱帯や亜熱帯の地域では、洗浄水吐水は温水である必要はない。このような場合に、洗浄水吐水のオン/オフ並びにその流量調整を手動で行える構成とすれば、電気を必要とする構成部材はまったく必要ない。
【0007】
一方、ホテル等ではセントラルヒーティングが普及しており、各部屋へ温水用の配管が引き込まれており、衛生洗浄装置自体に熱源は不要である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ワンタッチで所定流量の給水が得られる流量制御装置を提供することである。また、別の目的として、上述のような、温水も必要なく、乾燥も必要ないという消費者にとっては、電気工事の必要が無い衛生洗浄装置が望まれている。しかし、タッチスイッチ等による操作感に慣れた使用者にとっては、電気部材を使わない衛生洗浄装置は使い勝手を悪くするかも知れない。従って、本発明の目的は、従来の電気部材を使う衛生洗浄装置と比較しても、使い勝手が悪くならない衛生洗浄装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
本発明の衛生洗浄装置は、使用者による進退動及び回動が自在な操作部と、流入路と流出路を有する弁室と、前記操作部により回転方向に駆動されるロッドと、前記ロッドと連動し前記弁室内部を摺動して流量を調整する第一の弁体と、前記操作部により進退方向に駆動されるスピンドルと、該スピンドルに連動して前記弁室内の流路の開閉を制御する第二の弁体とを有する流量制御装置を便器本体に装着される機器収納本体内に設けてなり、前記操作部の進退動により第二の弁体を動作させて給水を開始し、回動により第一の弁体を動作させて流量調整する。すなわち、操作部を進退動することにより、第二の弁体が開き、第一の弁体へ流れが生じる。次に、操作部を回動すると、第一の弁体が回転し、流量が増大する。つまり操作部の回動位置により、第一の弁体の位置が共に変化し、流路への開口面積が変わり流量を調整するものである。これにより、ワンタッチで所定量の給水を開始させることができ、また同一の操作部による操作で流量調整ができる。
また、前記便器本体の上面に装着された便座への着座、非着座を検知する着座検知機構と、
前記流量制御装置の下流に設けられた流路切替機構と、を備え、
前記着座検知機構の検知に応じて前記流路切替機構が、前記流路切替機構内部に設けられた弁機構を駆動し、着座時には前記流出路からの給水を局部に噴出するノズル装置へ連通し、非着座時には前記流出路からの給水を前記便器本体のボール内へ排水する排水用接続管へ連通することにより、非着座時に操作部を操作しても、洗浄水はノズル装置へは供給されず、ボール内に直接排水されるため、ノズル装置からの不用意な放水により衣服等を濡らす恐れがない。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下本発明の第1の実施例を図1乃至図7の図面を参照して説明する。図1は、本発明の流量制御装置を備えた衛生洗浄装置1を装着した洋式便器を示す外観図、図2は、衛生洗浄装置1の全体構成図である。
【0011】
図示するように、衛生洗浄装置1は、便器本体2の後部に装着されており、機器収納本体3を有する。この機器収納本体3には、便器本体2のボール内に進退するよう構成され、洗浄水を局部に噴出するノズル装置4が収納されている。また、この衛生洗浄装置1には、便器本体2の上面に装着される便座5とこれを閉じる便蓋6とが、開閉自在に設けられており、便座は、機器収納本体3に設けた縦方向に空けられた楕円形状のヒンジ孔3aから突出して設けられるヒンジ軸7に枢止されている。
【0012】
ヒンジ軸7は、スプリング8の付勢力を常時上向きに受けた状態で、押圧部材9により水平に支えられ、この付勢力を便座5に及ぼして当該便座を後端側で支持する。このヒンジ軸7に上記したように連結された便座5は、後端側では上記したようにヒンジ軸7に支持されスプリング8の付勢力が及んで持ち上げられており、先端側を便器本体2に接触させた状態で便器本体2に装着される。この場合、便座の中間部は、便座5に使用者が着座していないときには便器本体2の上面に隙間が空くようその高さが定められているので、便座5は、その中間部分を便器本体2の上面から持ち上げた状態で保持されることになる。そして、便座5に使用者が着座した着座状態では、便座5の中間部分が便器2の上面に接するまで、スプリング8の付勢力に抗して押し下げられる。その一方、使用者が便座5から離れた未着座状態では、便座5は、スプリング8の付勢力を受けてヒンジ軸7と共に持ち上げられる。つまり、便座5は使用者の着座に伴ってヒンジ軸7と共に進退動し、便座の中間部分と便器本体2の上面との間の隙間は、着座の際の便座5の上下ストロークとなり、本実施例では、約6.5mm程度とされている。
【0013】
次に、この便座5への着座動作を検知するための着座検知機構10と、この着座検知機構10に連動して機能する洗浄機構について説明する。まず、ノズル装置4について説明する。
【0014】
次に、着座検知機構10について、図2、図3を用いて説明する。前述したように、押圧部材9はヒンジ軸7と共に、便器使用者の便座5への非着座、着座に連動して、進退動する。そしてこの進退動はワイヤー11によって、流路切替機構12の流路切替弁13を駆動する。流路切替機構は外郭を形成する流路形成体12a、閉塞体12bと、流路切替弁13とからなる。流路形成体12aは、一端を開放する略円筒状に形成されており、その開放端には閉塞体12bが螺合接続される。また、流入ポート14、排水ポート15、流出ポート16とが設けられており、流入ポート14は洗浄水バルブ体17の洗浄用流路18と洗浄用接続管19を介して接続され、排水ポート15はボール内に開口する排水用接続管20に接続され、流出ポート16は熱交換器21及び混合器22へ接続管23を介して接続される。
【0015】
流路切替弁13は、その一端をワイヤー11に連結し、その他端にバルブ24を形成している。また中央部を縮径させており、その両端に流路形成体12aの内径と略等しい外径をもつガイド部13a、13bを形成しており、夫々のガイド部13a、13bの両端に設けられる室を水密に区画するため、Oリング25、26が外周に嵌合される。また、スプリング27により排水ポート15を閉塞する方向に付勢されている。なお、このスプリング27は着座時のワイヤー11の伝達力を助勢するために設けられている。
【0016】
以上の構成により流路切替機構は、非着座時には図3(a)に示す位置にあり、流入ポート14と排水ポート15とを連通させ、着座時には図3(b)に示す位置にあり、流入ポート14と流出ポート16とを連通させる。従って、非着座時に後述する操作ボリューム49(操作部)を操作しても、洗浄水はノズル装置4へは供給されず、ボール内に直接排水される。従って、ノズル装置4からの不用意な放水により衣服等を濡らす恐れがない。
【0017】
図4の概略断面図に示すように、ノズル装置4は、ノズルシリンダ4a内に洗浄用ノズル4bをその軸方向に摺動自在に有し、この洗浄用ノズル4bは、その鍔部4cを介してスプリング4dの付勢力を常時受けている。よって、洗浄用ノズル4bは、通常は図示する位置を採り、その先端部をノズルシリンダ4aから外部に突出させている。また、ノズルシリンダ4aの開口端には、給水金具4eを有するキャップ4fが水密に固定されている。なお、洗浄用ノズル4bは、ノズルシリンダ4a内において軸回りに回転しないように回り止めされている。更に、給水金具4lを有する位置調節用シリンダ4j内に、前記ノズルシリンダ4aをその軸方向に摺動自在に有し、前記ノズルシリンダ4aの外周には、鍔部4iが設けられ、その鍔部4iを介してスプリング4mの付勢力を常時受けている。よって、ノズルシリンダ4aは、通常は図示する位置を採る。また、位置調節用シリンダ4iの開口端には、前記ノズルシリンダ4aを摺動可能に、キャップ4kが水密に固定されている。
【0018】
上記した構成のノズル装置4は、給水金具4eからの給水を受けると、その水圧により、鍔部4cがその水圧を受け、スプリング4dの付勢力に抗して洗浄用ノズル4bを図中右方向に摺動させる。この摺動の過程では、水は、鍔部4cとノズルシリンダ4aの内壁との間の隙間を経てノズルシリンダ4a先端のノズル開口4gから流れ出す。これにより、洗浄用ノズル4bにおける吐水口4hの周辺の洗浄が行われる。また、人体局部の洗浄に適した洗浄位置まで洗浄用ノズル4bが図中右方向に摺動すると、吐水口4hから吐水されるよう構成されている。また、ノズル装置4は、給水金具4lからの給水を受けると、その水圧により、鍔部4iがその水圧を受け、スプリング4mの付勢力に抗して位置調節用シリンダ4iを図中右方向に摺動させる。
【0019】
このノズル装置4は洗浄水バルブ体17及び着座検知機構10と接続されており、洗浄水バルブ体17はノズル装置4への給水及びその際の流量調整及びノズルの位置切り替えを行い、以下の構成を備える。洗浄水バルブ体17は、その概略断面図である図4に示すように、機器収納本体3に固定されるベース28を有し、その図中左側のインレットパイプ29から給水を受ける。こうして給水された水は、インレットパイプ29内の流路29aを通ってその下流の逆止弁30に至り、更にその下流の調圧弁31における調圧駒31aで調圧されてから、バルブ本体32の流入室32aに流れ込む。このバルブ本体32には、流入室32aに直向して弁室32bが形成されており、弁室32bに対向して主弁33が設けられる。主弁33はダイヤフラムにより形成され、流入室32aと主弁33の背圧室33bとはブリード孔33aを介して連通している。また背圧室33bと弁室32bとは、パイロット流路34及びパイロット弁35を介して連通している。なお、弁室32bには流量調整及び流路切替用の弁体36が組み込まれている。
【0020】
弁体36は、その外周に埋め込み設置されたYパッキン36aによりその水密化が図られていると共に、弁室32bが形成されており、この弁室32bにおいて軸線回りに回動自在とされている。そして、この弁体36及びパイロット弁35は後述する操作ユニット44により操作される。また、弁体36には、通過する水の流量を規定する流路及び切り替える流路がその外周壁を貫通して形成されており、通常は、洗浄用流路18を開放するよう位置している。そして、操作ユニット44をビデ洗浄の位置としたときには、洗浄用流路18及びノズル位置調整用流路37の双方を開放するように外周の流路を形成している。
【0021】
次に、弁操作ユニット38について、図5乃至図7に基づいて詳細に説明する。回転力伝達ロッド39の外側には外周面に摺動溝40が形成されている。また、スピンドル41に一体的に形成された押管42の内周面にはピン43が突設されており、その先端部が摺動溝40に係合されている。
【0022】
そして、図7に示すように、摺動溝40はほぼハート形の凸部44を包囲するようにして、該凸部44の突端44a、44b、44cの部分で連結された右側溝40a、左側溝40b、V字溝40cの三者によりほぼハート形に構成され、且つ右側溝40aと左側溝40bの連結部底部(イ)はその上方突端44aの左寄りに位置し、左側溝40bとV字溝40cの連結部(ロ)前後の上部壁面は湾曲状に形成され、その頂部(ハ)は連結部(ロ)の下方突端44bの右寄りに位置し、V字溝40cの底部(ニ)はその下方に折曲部突端39aの右に位置し、V字溝40cと右側溝40aの連結部頂部(ホ)はその下方突端44cの右寄りに位置するように構成されている。なお、この実施例では、連結部頂部(イ)と連結部底部(ホ)とは切り込み溝に形成されているが、該両部(イ)、(ホ)をこのように切り込み溝にすることを必須とするものではない。
【0023】
次に、上記のように構成された弁操作ユニット38及び洗浄水バルブ体17の動作について説明すると、第1の押動操作が行われた時には、初めにV字溝40cの頂部(ニ)においてピン43に係合停止していた摺動溝40は、上記第1の押動操作によりそのV字溝40cの右側部、連結部底部(ホ)、右側溝40aが順次ピン43に沿ってスライドし、その連結部頂部(イ)がピン43に係合したところでスライドを停止する。即ち、V字溝40cの頂部(ニ)はその上方にある折曲部突端39aの右寄りに位置しているため、第1の押動操作によってスピンドル41が上昇を始めた時には摺動溝40はV字溝40cの右側部が直ちにピン43に沿うようになって連結部底部(ホ)に至り、第1の押圧による摺動溝40のスライド作用はここまでで終わる。しかしスピンドル41はスプリング46によって上方に付勢されているため、操作ボリューム49の押圧を停止するとスピンドル41が上昇するから、摺動溝40はこれによって上向きに摺動するようになる。ところがこの時、連結部底部(ホ)はその下方突端44cの右寄りに位置するから、摺動溝40はその右側溝40aの上端が直ちにピン43に沿うようになり連結部頂部(イ)に至るのである。この機構は一般にハートカム機構といわれるものである。
この時、スピンドル41はスプリング46の付勢力によって押し上げられるため、スプリング47の作用で摺動杆45及び支持ロッド35aが押し上げられる。それに伴ってパイロット弁35が押し上げられ、ブリード孔33a→背圧室33b→パイロット流路34→連通流路(弁体36の周面に開口)→弁室32b→洗浄用流路18の経路を通って水の流れが生じることにより、主弁の背圧室33bの圧力が低下し、主弁が開放する。従って、流入室36aから弁室32bへの直接の流れが発生し、着座検知機構10、熱交換器21、混合器22を介してノズル装置4へ給水がなされる。ノズル装置4へ給水がなされると、前述したように洗浄用ノズル4bの吐水口4hから洗浄水が放出され、人体の局部に向けて放水が開始される。この状態で、操作ボリューム49を徐々に右側に回転すると、回転力伝達ロッド39aにより弁体36が回転し、洗浄用ノズル4bからの放出量を増やすことができる。なお、操作ボリューム49を右側に回転すると、位置調節用シリンダ内にも水が供給されるため、洗浄用ノズル4bの吐出位置を前方へ移動し、ビデ洗浄に切り替わる。
【0024】
次に、第2の押動操作が行われる時には、連結頂部(イ)においてピン43に係合していた摺動溝40は、上記第2の押動操作によりその左側溝40b、連結部(ロ)、底部(ハ)が順次ピン43に沿ってスライドし、その頂部(ニ)がピン43と係合したところでスライドを停止する。即ち、前述したように連結部頂部(イ)はその上方突端44aの左寄りに位置しているため、第1の押動操作によってスピンドル41が下降を始めたときには摺動溝40はその左側溝40bの下降が直ちにピン43に沿うようになり連結部(ロ)に至るが、該連結部(ロ)前後の下部壁面が湾曲状に形成されているため、次に該湾曲状壁面がピン43に沿ってスライドしその底部(ハ)に至る。第1の押動操作による摺動溝40のスライド作用はここまでで終わるが、スピンドル41はスプリング46によって上方に付勢されているため、操作ボリューム49の押圧を停止するとスピンドル41が上記付勢作用によって上昇するから、次には摺動溝40のV字溝40cの左側上部壁面がピン43に沿うようになり、頂部(ニ)がピン43と係合するようになる。そしてこのようにV字溝40cの頂部(ニ)がピン43と係合すれば、摺動溝40は前記付勢作用によっても以降左右にスライドすることがないため、摺動溝40はこの位置(ニ)においてピン43により安定的に係止され、従って前記付勢作用に伴うスピンドル41の下降が止まる。
【0025】
この時、スピンドル41はスプリング46の付勢力に抗して押し下げられるため、スプリング47に抗して摺動杆45及び支持ロッド35aが押し下げられる。それに伴ってパイロット弁35が押し下げられ、ブリード孔33a→背圧室33b→パイロット流路34→連通流路(弁体36の周面に開口)→弁室32b→洗浄用流路18の経路の水の流れが絶たれることにより、ブリード孔33aから主弁の背圧室33bへ給水が行われ、徐々に背圧室33bの圧力が上昇し、主弁が閉塞する。従って、ノズル装置4へ給水は絶たれ、前述したように洗浄用ノズル4bの吐水口4hからの洗浄水放出は停止され、洗浄用ノズル4bは初期位置へと戻る。(図5)
図8には、本発明の流量制御装置の第1の実施例の変形例を示す。なお、共通の機能を有するものに同一の符号を付すにとどめ、説明は省略する。先の実施例との相違はパイロット流路をダイヤフラムバルブを介さずに設けた点であり、そのため、回転力伝達ロッド39とスピンドル41とは異軸となる。
【0026】
第2の実施例として、弁操作ユニット38の作動に対して、遠隔操作ユニット50を用いたものを、図9乃至図12に基づいて詳細に説明する。なお、第1の実施例と共通部分については同一図番を付すに留め、詳細説明は省略する。図9は、本発明の流量制御装置を備えた衛生洗浄装置1を装着した洋式便器を示す外観図、図10は、流量制御装置の断面図、図11は遠隔操作ユニット50の開閉スイッチ(ペダル)の断面図、図12は流量調整スイッチの概略図である。
【0027】
図9に示すように第1実施例の操作ボリューム49に換えて遠隔操作ユニット50を設けている。また、図10に示すように、第1実施例に加えて、操作ボリューム49とスピンドル41との間に、エアバック51及び復帰スプリング52を介装させる。なお、エアバック51は操作ボリューム49に対して回動不能に取付けられ、操作ボリューム49はスピンドル41に対し伴回り可能(例えば、スプライン接合)に固定される。
【0028】
次に遠隔操作ユニットの開閉スイッチについて、図11を用いて詳細に説明する。図11の(1)に示すようにベース53を備えており、このベース53の一端部にはペダル取付部54が、また、中間部には装着孔部55がそれぞれ形成してあり、また、ベース53の上面部には装着孔部55と同心的に筒状部56が形成してあり、この筒状部56の上端部には鍔状のストッパー部57が形成してあって、この筒状部56の内周面56aとストッパー57とでベローフラム収容部58を形成している。また、筒状部56の端面部にはバネ受け部59が形成してある。
【0029】
また、ベース53には、装着孔部55の周面部から基端部53aにかけてエアー通路60が形成してあり、このエアー通路60の途中から分岐通路61が分岐しており、この分岐通路61はベース53の上面部に開口している。また、エアー通路60の基端面53側の開口には接続管62が設けてある。装着孔部55には圧縮気体形成凹部53aを有するエアー室形成部材63がシール部材64を介して装着してあり、また、装着孔部55内には弁機構65が設けてあり、この弁機構65によりエアー室形成部材63内に気体室であるエアー室66が形成してある。このエアー室形成部材63にはエアー通路60をエアー室66に導く導通路63Aが設けてあって、これらで圧縮空気送出手段である圧縮気体通路を構成している。
【0030】
前記弁機構65は、円板状の弁体67と、この弁体67を保持する板状弾性部材であるベローフラム68と、押さえ部材69とを備えており、この弁体67の周部には周壁部が立ち上げてあって、この周壁部がストッパー部70を構成している。弁体67の下部には雄ネジ部72が設けてあり、この弁体67の中心部には吸気孔73が設けてある。
【0031】
前記ベローフラム68は円板状であり、その中央部に孔部68aを有しており、外周部には肉厚に成された係止部68bが形成してある。このベローフラム68は、その係止部68bが、装着孔部55の上端部とエアー室形成部材63の合わせ目部の係止溝部75に嵌合係止されて、ベース53に取り付けられている。
【0032】
前記ベローフラム68は、その内周側で弁体67を保持している。すなわち、この弁体67の下面部にベローフラム68の内周側が沿わせてあり、このベローフラム68に下から押さえ部材69が沿わせてあって、この押さえ部材69を雄ネジ部72に螺合されたナット部材76を締めつけることにより、押さえ部材69と弁体67とでベローフラム68の内周側を挟み付けている。また、エアー室66内には弁機構65を支える支持用弾性部材であるスプリング77が収容してある。ベローフラム68は湾曲してベローフラム収容部58に収容されている。
【0033】
前記ベース53の上面部53aには圧縮空気放出手段であるクイックリリーフバルブ78が設けてある。このクイックリリーフバルブ78は、ベース53の上面部に固着されたバルブホルダー79を備えており、このバルブホルダー79上端部には弁座部80と排気孔81とが設けてあり、また、バルブホルダー79内には弁体82とこの弁体82を上方に付勢するスプリング85とが収容してある。すなわち、この弁体82はスプリング85により上方に付勢されて着座部83が弁座部80に着座し、押しボタン部84が排気孔81から外方に突出している。バルブホルダー79内がエアーチャンバー79Aに成されており、このエアーチャンバー79Aに、圧縮気体通路の分岐通路61が連通している。
【0034】
前記ベース53には作動手段である開閉スイッチ71が設けてある。この開閉スイッチ71は、その基端部に回動支点である枢支部74を、中間部の下面部に押圧部86及び突起部87をそれぞれ有しており、押圧部86の下面部にパッキン88が固着してある。
【0035】
前記開閉スイッチ71の回動支点である枢支部74はペダル取付部54にピン89で連結してあり、バネ受け部59にはリターンスプリング90が装着してあり、このリターンスプリング90が開閉スイッチ71を支えており、押圧部86が弁機構65に対向し、突起部87がクイックリリーフバルブ78の押しボタン部84に対向している。
【0036】
上記のように構成された遠隔操作ユニット50は、接続管62に接続された配管91を介してエアーバック用ケース33に設けられた吸気孔43に接続してあって、遠隔操作ユニット50のエアー室66は圧縮気体通路、配管91を経てエアーバック51に連通している。
【0037】
次に、上記のように構成された衛生洗浄装置の動作を説明する。前記開閉スイッチ71を押さない状態では、図11の(1)に示すようにこの開閉スイッチ71はリターンスプリング90により持ち上げられている。このために、弁機構65はスプリング77により持ち上げられ、また、クイックリリーフバルブ78においては、弁体82がスプリング85により上方に付勢されていて、弁体82が弁座71に着座して排気孔81を閉塞している。
【0038】
後述の弁操作ユニット38においては、エアーバック51にエアー(圧縮空気)の供給がなされないために操作ボリューム49はなんら動かない。
【0039】
次に、図11の(2)に示すように開閉スイッチ71をリターンスプリング90に抗して押し込むと、この開閉スイッチ71の下面部の押圧部86のパッキン88が弁機構65の弁体67の上面部に当接して吸気孔73を塞ぎ、更にこの押圧部86が弁体67をスプリング77に抗して押し下げてエアー室66の体積を縮小させる。このために、このエアー室66から吐出されたエアーは圧縮気体通路、配管91を経てエアーバック51に供給される。
【0040】
弁操作ユニット38においては、エアーバック51が、内部にエアーが供給されることにより膨張してスプリング52に抗してスピンドル41を押し下げる。
【0041】
更に、図11の(3)に示すように開閉スイッチ71をリターンスプリング90に抗して押し込むと、この開閉スイッチ71の下面部の突起部87がクイックリリーフバルブ78の弁体82の押しボタン部84に当接してこの弁体82をスプリング85に抗して押圧して、この弁体82の着座部83が弁座部80から離れ、エアー通路60の分岐通路61が大気に開放される。
【0042】
このために、弁操作ユニット38においては、エアーバック51内のエアーが配管91、圧縮気体通路、分岐通路61を介して大気に放出されてエアバック51がスプリング52の付勢力により持ち上げられる。なお、スピンドル41は前述のハートカム機構により保持されたままである。 そして、再度開閉スイッチ71を押し込むと、スピンドル41は前述のハートカム機構により元の位置に復帰する。
【0043】
次に、図12を用いて流量調整ボリューム92と弁操作ユニット38との動作を詳細に説明する。流量調整スイッチ92の先端にはかさ歯車92bを軸92aにて連結する。また、回動伝達部材93の一端には弁操作ユニット38に連絡する配管91を回動不能に接続する配管接続部93aを、他端には遠隔操作ユニット50の接続管62を回動自在に接続する連結部93cを、その中途には、前記かさ歯車92bの回転を回動伝達部材に変換するかさ歯車93bを設ける。これにより、流量調整スイッチ92の回動は回動伝達部材93に伝達され配管91を回動することができる。この配管91の回動は操作ボリューム49を介して前述の回転力伝達ロッド39に伝えられれ、流量を調整することができる。
【0044】
図13、図14は、第1の実施例の操作ボリューム49若しくは第2の実施例の流量調整ボリューム92に適用するためのもので、操作ボリューム49若しくは流量調整92の視認性を良くするためのものである。
【0045】
以下、図に従って、詳細に説明する。なお、第1実施例に適用する場合を説明する。操作ボリューム49内側には発光ダイオード94及びその全周を覆う透光板95を設ける。更に、発光ダイオード94への電力をオンオフするため、発光ダイオード94と電気的に接続する電気接点96を設ける。発光ダイオードの他方には電池98をリード線等で接続し、その先端には弁体36の操作ボリューム49が取り付けられる部位に設けられる電気接点100に接続されている。
【0046】
上記構成により、操作ボリューム49を押し込むと電気接点96と電気接点100は短絡し、電池から発光ダイオード94へ電力が供給され、発光ダイオードは点灯する。
【0047】
操作ボリューム49は例えば透明アクリル等の光を通す部材により形成されており、図14に示すように例えばゴムモールドされた光を通さない部材101を波状に被せ更にその波の間隔を流量が大きくなるにつれ大きくなるように設けている。従って、操作ボリューム49の回転位置により光の漏れ量が変り、流量が小さいときは暗く、大きいときは明るくなる。そのため、使用者はどの設定にしているか視認することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る流量制御装置を備えた衛生洗浄装置を装着した洋式便器を示す外観図
【図2】本発明の第1実施例に係る流量制御装置を備えた衛生洗浄装置1の全体構成図
【図3】本発明の第1実施例に係る衛生洗浄装置1に適用される着座検知機構10の断面図
【図4】本発明の第1実施例に係る衛生洗浄装置1に適用されるノズル装置4の断面図
【図5】本発明の第1実施例に係る流量制御装置の断面図(弁閉止時)
【図6】本発明の第1実施例に係る流量制御装置の断面図(弁開放時)
【図7】本発明の第1実施例に係る流量制御装置の操作部の要部を示す断面図
【図8】本発明の第1実施例に係る流量制御装置の変形例の断面図
【図9】本発明の第2実施例に係る流量制御装置を備えた衛生洗浄装置を装着した洋式便器を示す外観図
【図10】本発明の第2実施例に係る流量制御装置の断面図
【図11】本発明の第2実施例に係る遠隔操作ユニット50の開閉スイッチ(ペダル)の断面図
【図12】本発明の第2実施例に係る流量調整スイッチの概略図
【図13】本発明の第1の実施例の操作ボリューム49若しくは第2の実施例の流量調整ボリューム92に適用するためのもので、適用したときの操作ボリューム49若しくは流量調整ボリュームの概略断面図
【図14】図13の操作ボリューム49若しくは流量調整ボリュームの概略外観斜視図
【符号の説明】
1…衛生洗浄装置、2…便器本体、3…機器収納本体、3a…ヒンジ孔、4…ノズル装置、4a…ノズルシリンダ、4b…洗浄用ノズル、4c…鍔部、4d…スプリング、4e…給水金具、4f…キャップ、4g…ノズル開口、4h…吐水口、4i…鍔部、4j…位置調節用シリンダ、4k…キャップ、4l…給水金具、4m…スプリング、5…便座、6…便蓋、7…ヒンジ軸、17…洗浄水バルブ体、29…インレットパイプ、29a…流路、30…逆止弁、31…調圧弁、31a…調圧駒、32…バルブ本体、32a…流入室、32b…弁室、36…弁体、36a…Yパッキン、33…主弁、33a…ブリード孔、33b…背圧室、34…パイロット流路、35…パイロット弁、35a…支持ロッド、38…操作ユニット、45…摺動管、40…摺動溝、40a…右側溝、40b…左側溝、40c…V字溝、39…回転力伝達ロッド、39a…折曲部突端、42…押管、43…ピン、44…凸部、44a…上方突端、44b…下方突端、44c…下方突端、46…スプリング、47…スプリング、49…操作ボリューム、41…スピンドル、9…押圧部材、8…スプリング、11…ワイヤー、12…流路切替機構、12a…流路形成体、12b…閉塞体、14…流入ポート、15…排水ポート、16…流出ポート、13…流路切替弁、13a…ガイド部、25…Oリング、24…バルブ、27…スプリング、21…熱交換器、22…混合器、19…洗浄用接続管、20…排水用接続管、23…接続管
Claims (1)
- 使用者による進退動及び回動が自在な操作部と、流入路と流出路を有する弁室と、前記操作部により回転方向に駆動されるロッドと、前記ロッドと連動し前記弁室内部を摺動して流量を調整する第一の弁体と、前記操作部により進退方向に駆動されるスピンドルと、該スピンドルに連動して前記弁室内の流路の開閉を制御する第二の弁体とを有する流量制御装置を便器本体に装着される機器収納本体内に設けてなり、前記操作部の進退動により第二の弁体を動作させて給水を開始し、回動により第一の弁体を動作させて流量調整する衛生洗浄装置であって、
前記便器本体の上面に装着された便座への着座、非着座を検知する着座検知機構と、
前記流量制御装置の下流に設けられた流路切替機構と、を備え、
前記着座検知機構の検知に応じて前記流路切替機構が、前記流路切替機構内部に設けられた弁機構を駆動し、着座時には前記流出路からの給水を局部に噴出するノズル装置へ連通し、非着座時には前記流出路からの給水を前記便器本体のボール内へ排水する排水用接続管へ連通することを特徴とする衛生洗浄装置。
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1997
- 1997-07-31 JP JP22093797A patent/JP3893680B2/ja not_active Expired - Lifetime
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