JP3892689B2 - 複合式冷房装置及びその冷房運転方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧縮式と吸収式の複合式冷房装置に係り、特に原動機駆動圧縮式冷房システムと空冷吸収式冷房システムの組合せに適した複合式冷房装置及びその運転方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ガスエンジンヒートポンプ空調機(GHP)に代表される原動機駆動圧縮式空調装置は、業務用を中心に広く用いられている。このタイプの装置では、電動駆動タイプに対して優位性を持つために効率向上が求められている。効率向上の1手段として原動機廃熱を回収して再利用する方法があるが、この方法では廃熱回収用蓄熱装置が必要となり、機器が大型化、コストアップするため普及していないのが実情である。
【0003】
一方、作動媒体として臭化リチウム−水を用いる吸収式冷凍機は、大型ビル等に広く用いられている。しかし、これらは水冷方式であって冷却塔が必要となるため装置が大型化することから、比較的小規模の建物には設置が難しいという問題がある。また、熱媒として水を用いるため、屋内冷水配管が必要になる等、施工上の問題もある。
【0004】
このような問題を解消すべく、2つの冷房システムを結合してシステム全体の成績係数を向上させる複合式冷房システムが提案されている。例えば、特開平11−23093は、エンジン排気廃熱を吸収式の再生器熱源として利用するものである。しかし、この考案では、吸収式冷凍機は冷却塔を用いた水冷方式であり、空冷化の問題は解消されていない。
【0005】
また、特開平2000−274875では、エンジン冷却水廃熱を吸収式の再生器熱源として利用することに加え、圧縮システム側の凝縮器を出たフロン冷媒を吸収システム側の蒸発器により過冷却することにより、全体システムの成績係数向上と吸収式の空冷化を図るというものである。
【0006】
この提案では、圧縮システム側及び吸収システム側ともに効率向上が図れるというメリットがあるが、原動機廃熱の50%以上を占める排気廃熱の回収については触れられていない。また、吸収システム側の空冷化運転条件の詳細が示されていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、圧縮式と吸収式の複合冷房システムにおいて、冷却水廃熱と排気廃熱の両方を回収して冷房装置の効率向上、小型化を可能とし、吸収式の空冷化を可能とする装置及びその運転方法を提案することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、内燃機関駆動圧縮式冷房システムと、第一の吸収式冷房システムと、第二の吸収式冷房システムと、を含み、前記第一の吸収式冷房システムは、前記圧縮式冷房システムで生じる冷却水廃熱を受熱する手段と、前記圧縮式冷房システムにおいて凝縮された冷媒を過冷却する手段と、第一の空冷吸収器と、を備えて成り、前記第二の吸収式冷房システムは、前記圧縮式冷房システムで生じる排気廃熱を受熱する手段と、前記第一の吸収式冷房システムにおいて過冷却された冷媒をさらに過冷却する手段と、第二の空冷吸収器と、を備えて成る、複合式冷房装置において、原動機駆動圧縮式冷房システムの冷却水廃熱を第一の吸収式冷房システムの再生器熱源として再生器出口溶液温度を70℃乃至80℃とし、前記圧縮式冷房システムで生じた排気廃熱を第二の吸収式冷房システムの再生器熱源とし、かつ、前記圧縮式冷房システムの凝縮器で凝縮された冷媒を、前記第一の吸収式冷房システムの蒸発器に導き25℃乃至35℃まで過冷却したのち、前記第二の吸収式冷房システムの蒸発器に導き、さらに10℃乃至20℃まで過冷却することを特徴とする複合式冷房装置の運転方法を提供する。
【0009】
すなわち、圧縮式冷房システムの内燃機関駆動に伴う廃熱を2つの吸収式冷房システムの熱源として用い、これにより得られる冷熱で圧縮式冷房システムの冷媒を過冷却することにより、装置全体の成績係数向上を図ることを可能にしたものである。ここに、「内燃機関」には都市ガス、灯油等を燃料とする内燃式エンジン等が含まれる。
【0010】
冷媒過冷却による成績係数向上の原理は以下の通りである。図4は、冷媒圧縮式冷房サイクルのモリエ線図を示す。ここに横軸は冷媒のエンタルピー、縦軸は冷媒圧力を示している。また、曲線Vは乾燥飽和蒸気線、曲線Lは飽和液線である。(P1→P2→P3→P4→P1)で示されるサイクルを標準サイクルと呼ぶことにする。
【0011】
圧縮機の効率をηcとすると、Wc(圧縮機入力) =(h2―h1)/ηcとなる。従って、標準サイクルの成績係数ηo は次式で示される。
【0012】
【式1】
次に過冷却サイクルは、図中(P1→P2→P5→P6→P1)で示される。このうち、P3からP5までが液冷媒が過冷却される部分であり、そのエンタルピーh5(=h6)は成績係数に大きな影響を与える。すなわち、過冷却サイクルの成績係数をηs とすると、ηsは下式で示される。
【0013】
【式2】
【0014】
式2から明らかなようにh6(=h5)が小さいほど成績係数(ηs)は向上する。ここに、h5は過冷却後の冷媒温度に対応するから、結局過冷却後の液冷媒温度を下げるほど成績係数が向上することになる。表1は、一般的設計条件で過冷却度により成績係数などがどのように変わるかを示す一例である。
【0015】
【表1】
【0016】
表1において、「圧縮機消費エネルギー節約率」は、過冷却のない標準サイクルをベースとして同一出力を出したときのエネルギー節約率を表し、ここに
圧縮機消費エネルギー節約率=(1−ηo/ηs)×100 で示される。
【0017】
また、「過冷却熱電比」は、過冷却熱量を圧縮機消費エネルギーで除した数値であり、
過冷却熱電比=ηc×(h3−h5)/(h2−h1) で示される。
【0018】
同表において、液冷媒温度50℃(過冷却度0)の欄は、図4における標準サイクルのときの成績係数などである。同表から冷媒温度が下がるほど、すなわち過冷却熱電比が大きくなるほど成績係数が向上することが分かる。
【0019】
本発明において、第一の吸収式冷房システム及び第二の吸収式冷房システムは、いずれも空冷吸収器を備えている。
【0020】
本発明の構成において以下の運転条件を採用することで、従来困難であった吸収式冷房システムの空冷化が可能となる。これにより吸収式冷凍機運転のための冷却水回路が不要となり、機器システムの小型化、施工容易化が可能となる。
【0021】
この場合、一般に凝縮器は吸収器より冷却温度を高くできるため、吸収器空冷化ができれば凝縮器空冷化はさらに容易である。
【0027】
上述のように、過冷却度が高いほどエネルギー節約率は大きい。しかしながら、冷媒管路への結露防止などを考慮すると、過冷却温度を10〜20℃程度とする過冷却運転が実用上望ましいといえる。一方、本発明のように圧縮式冷房システムの廃熱を冷媒過冷却に利用する場合、過冷却温度を10〜20℃程度にするためには、後述するように排気廃熱と冷却水廃熱の両方を利用する必要がある。しかしながら、回収される冷却水温度は一般に80℃程度であるため、吸収式冷凍機の熱源として用いた場合、溶液濃縮度を大きくとることができず、冷媒温度を10℃まで下げることは不可能である。
【0028】
本発明では、冷却水廃熱を熱源とする第一の吸収式冷房サイクルで冷媒を25℃乃至35℃に過冷却し、次に排気廃熱を熱源とする第二の吸収式冷房サイクルにより10〜20℃程度に過冷却するものである。
【0029】
上記運転方法の採用により、圧縮式冷房システムで発生する温度の低い冷却水廃熱を吸収冷凍機で利用することができる。これにより、全過冷却熱量の約半分をまかなうことができ、全体として圧縮式冷房システムに十分な過冷却熱量を与えることが可能となる。
【0030】
また、表1に示すように、冷媒温度を20℃程度まで下げることができれば、圧縮機の消費エネルギーを20%以上節約することができる。これは、圧縮式冷房システムの出力を20%以上、上げられることを意味する。また、第一の吸収式冷房システムにおいて、蒸発温度が25℃乃至35℃という比較的高温度の蒸発器を用いるため、吸収液として臭化リチウム水溶液を使用しても吸収冷凍機の空冷化が可能となるのである。
【0031】
請求項1において、第一の吸収式冷房システムは対向流熱交換型再生器を備えることが望ましい。
一般に、他の条件が同一であれば、再生器温度が高いほど吸収式冷凍機の成績係数は向上する。しかし、第一の吸収式冷房システムは圧縮式冷房システムの冷却水廃熱を熱源とするため、再生器温度が比較的低い。本発明では再生器の構造を対向流タイプとすることによって、再生器温度を廃熱温度に近づけることとしている。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、以下の実施の形態は、例示であって本発明の範囲は実施の形態に限られるものではない。
【0033】
図1は、本発明に係る複合式冷房装置の一実施の形態を示す図面である。本冷房装置1は、圧縮式冷房システムA(以下、圧縮式システムAという)と、吸収式冷房システムB(以下、吸収式システムBという)と、吸収式冷房システムC(以下、吸収式システムCという)により構成されている。
【0034】
圧縮式システムAは、駆動用原動機12、圧縮機11、凝縮器5、膨張弁9、蒸発器8を主要構成としている。このうち、蒸発器8は室内機として室内に設置されているが、その他の構成要素は室外機内に一体に搭載されている。各構成要素間は冷媒ラインL1乃至L5により接続されており、フロン冷媒(以下、冷媒Aという)が循環するように構成されている。圧縮式システムAは、この他にも四方弁、アキュムレーター等のヒートポンプシステムを構成する各種要素が含まれるが、図では省略してある。
【0035】
原動機12は都市ガスを燃料とするガスエンジンであり、図示しない都市ガス供給ラインから燃料の天然ガスが供給される。エンジン冷却用ウオータージャケット13が設けられており、発生する冷却水廃熱が廃熱回収ラインL25、L26を介して後述する吸収式システムBの再生器16の熱源として回収されるように構成されている。また、排気経路15の途中には廃熱回収用熱交換器14が設けられており、エンジン駆動に伴い発生する排気廃熱が廃熱回収ラインL15、L16を介して後述する吸収式システムCの再生器20の熱源として回収されるように構成されている。
【0036】
なお、排気ガス回収用熱交換器15を用いることなく、排気廃熱を直接再生器20に導入して熱回収するように構成することも可能である。
【0037】
次に、吸収式システムBの構成について説明する。吸収式システムBは、水−臭化リチウム系単効用吸収式冷凍機であり、再生器16、凝縮器17、蒸発器6、吸収器18、溶液熱交換器25、溶液ポンプ19を主要構成要素としている。各構成要素間は、冷媒ラインL10乃至L12、溶液ラインL13、L14で接続されており、それぞれ冷媒(以下、冷媒Bという)又は臭化リチウム溶液が循環するように構成されている。蒸発器6には、圧縮式システムAの冷媒ラインL2が導かれ、圧縮式システムAの凝縮器5を出た冷媒Aと吸収式システムBの冷媒Bを、配管を介して熱交換させるように構成されている。
【0038】
吸収式システムCも吸収式システムBと同様に、水−臭化リチウム系吸収式単効用冷凍機であり、再生器20、凝縮器21、蒸発器7、吸収器22、溶液熱交換器26、溶液ポンプ23を主要構成としている。各装置間は冷媒ラインL20乃至L22、溶液ラインL23、L24で接続されており、冷媒(以下、冷媒Cという)又は臭化リチウム溶液が循環するように構成されている。また、蒸発器7には圧縮式システムAの冷媒ラインL3が導かれ、吸収式システムBの蒸発器6を出た冷媒Aと吸収式システムCの冷媒Cを、配管を介して熱交換させるように構成されている。
【0039】
本発明に係る複合式冷房装置1は以上のように構成されており、次にその運転時の動作について説明する。
【0040】
最初に圧縮式システムAの運転動作について説明する。圧縮機11で圧縮された高温高圧のガス冷媒Aは、冷媒ラインL1を経由して凝縮器5に導かれ、ここで外気と熱交換して冷却凝縮される。凝縮した液冷媒Aは、冷媒回路L2を経て吸収式システムBの蒸発器6に導かれる。ここで蒸発器6に供給される冷媒Bに管壁を介して熱を与え、自らは過冷却される。液冷媒Aはさらに冷媒ラインL3を経て吸収式システムCの蒸発器7に導かれる。ここで液冷媒Aは、蒸発器7に供給される冷媒Cに管壁を介して熱を与え、自らはさらに過冷却される。蒸発器7を出た液冷媒Aは、膨張弁9を通過する際に断熱膨張し低圧の液ガス並存状態となって蒸発器8に導かれる。冷媒Aは、蒸発器8において冷房対象である室内空気から熱を奪って自らは蒸発し、低圧冷媒ガスとなって冷媒ラインL5を経由して圧縮機11に戻る。
【0041】
次に吸収式システムBの運転動作について説明する。再生器16内の臭化リチウム水溶液は、冷却水廃熱回収ラインL15を介して供給されるエンジン冷却水廃熱により加熱され、蒸気冷媒Bを分離する。発生した蒸気冷媒Bは、冷媒ラインL10を経て凝縮器17に送られ、ここで冷却されて液冷媒となる。液冷媒Bは、さらに冷媒ラインL11を経由して蒸発器6に導かれる。蒸発器6は、定常状態において高真空(4kPa程度)に保持されており、蒸発器6内に滴下される液冷媒Bは、ここに導かれる液冷媒Aを管壁を介して過冷却し、自らは器内で蒸発して蒸気冷媒となり蒸気ラインL12を経て吸収器18に導かれる。
【0042】
一方、再生器16で蒸気成分を分離して高濃度となった溶液(濃溶液)は、溶液ラインL13を経由して吸収器18に導かれる。吸収器18内に滴下される濃溶液は、蒸発器6から供給される蒸気冷媒Bを吸収して低濃度となり、吸収器18下部に貯留し、さらに溶液ポンプ19により再生器16に戻される。なお、再生器16から溶液ラインL13を介して吸収器18に送られる高温の濃溶液と、吸収器18から溶液ラインL14を介して再生器16に送られる低温の希溶液とは、溶液熱交換器25を介して熱交換する。
【0043】
次に吸収式システムCの運転動作について説明する。再生器20内の臭化リチウム水溶液は、排気廃熱回収ラインL25を経由して供給されるエンジン排気廃熱により加熱され、蒸気冷媒Cを分離する。発生した蒸気冷媒Cは、冷媒ラインL20を経て凝縮器21に送られ、ここで冷却されて液冷媒となる。液冷媒Cは、さらに冷媒ラインL21を経由して蒸発器7に導かれる。蒸発器7は、定常状態においては高真空(約1.5kPa)に保持されている。器内に滴下される液冷媒Bは、蒸発器6で既に過冷却されている液冷媒Aを管壁を介してさらに過冷却し、自らは器内で蒸発して蒸気冷媒となり蒸気ラインL22を経て吸収器22に導かれる。
【0044】
一方、再生器20で蒸気成分を分離して高濃度となった溶液(濃溶液)は、溶液ラインL24を経由して吸収器22に導かれる。吸収器22内に滴下される濃溶液は、蒸発器7から供給される蒸気冷媒Cを吸収して低濃度となり、吸収器22下部に貯留し、さらに溶液ポンプ23により再生器20に戻される。なお、再生器20から溶液ラインL24を介して吸収器22に送られる高温の濃溶液と、吸収器22から溶液ラインL23を介して再生器20に戻される希溶液とは、溶液熱交換器26を介して熱交換する。
【0045】
ここで、3つの冷房システムの運転条件及び相互関係についてさらに詳細に説明する。図2は、吸収システムB、Cのデューリング線図を示し、横軸は溶液温度、縦軸は溶液の吸収温度に対応する冷媒の温度である。
【0046】
まず、吸収システムBの運転条件は以下の通りである。図2において、M1→M2は再生器16における溶液の再生行程、M3→M4は吸収器18における冷媒の吸収行程を示す。また、M2→M3、M4→M1は溶液熱交換器25における高温濃溶液と低温希溶液熱交換行程を示している。
【0047】
一般に再生器温度が高いほど溶液濃縮度を大きくすることができるが、再生器16に供給される圧縮システムAからの冷却水廃熱温度は約80乃至85℃と比較的低い。このため、本実施の形態においては再生器の構造を対向流タイプとすることによって、再生器出口(M2)における溶液温度T1を廃熱温度に近い75乃至80℃に高めることを可能としている。このときの溶液濃度ξ1は約51%である。
【0048】
吸収システムBは空冷方式であるため、吸収器出口(M3)における溶液温度T2の下限は約50℃ということになる。このときの溶液濃度ξ2は約47%であり、この溶液温度、濃度条件に対応する冷媒Bの蒸発温度T3は約30℃となる。
【0049】
次に吸収システムCの運転条件は以下の通りである。図2において、N1→N2は再生器20における溶液の再生行程、N3→N4は吸収器22における冷媒の吸収行程を示す。また、N2→N3、N4→N1は溶液熱交換器26における高温濃溶液と低温希溶液熱交換行程を示している。
【0050】
再生器20に供給される高温蒸気温度は約100乃至110℃であり、再生器出口(N2)における溶液温度T1’は約100℃に高められている。このときの溶液濃度ξ1’は約63%である。また、吸収器出口(N3)における溶液温度T2’は吸収システムBと同条件であるため、約50℃である。このときの溶液濃度ξ2’は約59%であり、この溶液温度、濃度条件に対応する冷媒Cの蒸発温度T3’は約12℃となる。
【0051】
次に圧縮システムAの運転条件について説明する。図3は圧縮システムAのモリエ線図を示す。ここに横軸は冷媒のエンタルピー、縦軸は冷媒圧力を示している。また、曲線Vは乾燥飽和蒸気線、曲線Lは飽和液線である。P1→P2は圧縮機11における冷媒圧縮行程、P2→P3は凝縮器5における凝縮行程、P3→P4は吸収システムBの蒸発器6における過冷却行程、P4→P5は吸収システムCの蒸発器7における過冷却行程、P5→P6は膨張弁9における断熱膨張行程、P6→P1は蒸発器8における蒸発行程をそれぞれ示している。
【0052】
凝縮器5出口(P3)における冷媒Aの温度は、外気温度条件から約50℃である。上述のように蒸発器6における冷媒Bの蒸発温度は約30℃であるから、蒸発器6出口(P4)における冷媒Aは35℃以下に過冷却される。さらに、蒸発器7における冷媒Cの蒸発温度は約10℃であるから、蒸発器7出口(P5)における冷媒Aは20℃以下に過冷却される。
【0053】
過冷却された冷媒Aは、さらに膨張弁9を通過する際に断熱膨張し蒸発器8に導かれる(P6)。蒸発器8における冷媒温度は約5℃となる。
【0054】
以上のように冷房システムA、B、Cの協働作用により過冷却サイクルが構成される。
【0055】
次に、上記運転条件で稼動させた場合の熱精算結果について説明する。表2は原動機への入力を100としたときの原動機周りの熱収支の概略値を示したものである。同表において、「利用可能廃熱量」とは、熱交換効率等を考慮したときの吸収システム側で利用可能な熱量をいう。
【0056】
【表2】
【0057】
一般に吸収式冷凍機の成績係数はおよそ0.7程度であるから、吸収システムA、Bから得られる冷熱量は以下のようになる。
【0058】
(25×0.7)+(20×0.7)=31.5
これより、過冷却に利用できる冷熱量を圧縮機消費エネルギーで除して過冷却熱電比を求めると、31.5/25=1.26 となる。この結果を表1の過冷却熱電比と比較すると、吸収システムB、Cから供給される冷熱により必要過冷却冷熱が確保されていることが分かる。
【0059】
なお、本実施形態で示した圧縮式システム、吸収式システムの温度、圧力、濃度条件等は全て例示であって、本発明の実施を可能とする任意の運転条件を選択することができることはいうまでもない。
【0060】
また、本実施形態では、2つの吸収式システムを空冷方式としたが、いずれか一方又は両方を水冷方式とすることも当然に可能である。
【0061】
【発明の効果】
本発明によれば、圧縮式システムと過冷却用の2つの吸収式システムを組み合わせることにより、空調システムの成績係数の向上、エネルギー消費量の低減が可能となった。
【0062】
また、同一定格の従来の圧縮式システムに比べて出力が増加するので、その分小型の原動機を用いることができ、機器コスト、設置コストもその分安くなる。このため、吸収システム付加コストの大部分は、上記コスト低減分で補うことが可能となった。
【0063】
さらに、本発明によれば、廃熱利用機器と廃熱発生機器との時間的一致性(発生廃熱を一旦蓄熱することなく利用)を常に確保することができる。このため、廃熱を捨てることなく利用でき、また、蓄熱装置も不要となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る複合式冷房装置の1実施形態を示す図である。
【図2】吸収システムB、Cのデューリング線図である。
【図3】圧縮システムAのモリエ線図である。
【図4】冷媒圧縮式冷房サイクルのモリエ線図である。
【符号の説明】
A……圧縮式冷房システム、B、C……吸収式冷房システム、L1−L5……冷媒Aライン、L10−L12、L20−L22……冷媒Bライン、L13−L14、L23−L24……溶液ライン、L15・L16……冷却水廃熱回収ライン、L25・L26……排気廃熱回収ライン、5、17、21……凝縮器、6、7、8……蒸発器、9……膨張弁、11……圧縮機、12……原動機、13……ウオータージャケット、14……廃熱回収用熱交換器、15……排気経路、16、20……再生器、18、22……吸収器、19、23……溶液ポンプ、25、26……溶液熱交換器
Claims (2)
- 内燃機関駆動圧縮式冷房システムと、第一の吸収式冷房システムと、第二の吸収式冷房システムと、を含み、前記第一の吸収式冷房システムは、前記圧縮式冷房システムで生じる冷却水廃熱を受熱する手段と、前記圧縮式冷房システムにおいて凝縮された冷媒を過冷却する手段と、第一の空冷吸収器と、を備えて成り、前記第二の吸収式冷房システムは、前記圧縮式冷房システムで生じる排気廃熱を受熱する手段と、前記第一の吸収式冷房システムにおいて過冷却された冷媒をさらに過冷却する手段と、第二の空冷吸収器と、を備えて成る、複合式冷房装置において、原動機駆動圧縮式冷房システムの冷却水廃熱を第一の吸収式冷房システムの再生器熱源として再生器出口溶液温度を70℃乃至80℃とし、前記圧縮式冷房システムで生じた排気廃熱を第二の吸収式冷房システムの再生器熱源とし、かつ、前記圧縮式冷房システムの凝縮器で凝縮された冷媒を、前記第一の吸収式冷房システムの蒸発器に導き25℃乃至35℃まで過冷却したのち、前記第二の吸収式冷房システムの蒸発器に導き、さらに10℃乃至20℃まで過冷却することを特徴とする複合式冷房装置の運転方法。
- 前記第一の吸収式冷房システムは、対向流熱交換型再生器を備えて成ることを特徴とする請求項1に記載の複合式冷房装置の運転方法。
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