JP3891895B2 - 立体的な花模様形状食品およびその製造装置 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は複数の吐出口から吐出される食品材料を束ねて棒状食品と成し分割切断手段で分割することにより花模様形状を有する食品を製造し、さらには 複数の吐出口から吐出される食品材料において異なる種類の食品材料を互いに隣接させることによって今までにない立体的な形状と色調の花模様形状を有する食品と、この花模様形状を有する食品を製造する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、模様形状を有する食品には型で成形する落雁などの製品や、包あんされた製品をさらに型押して模様を付ける月餅などの製品があるが、これらの成形方法では模様毎に色調を異にするような製品を作ることはできなかった。
また、所謂モザイククッキーなどに見られるように、複数の異なる色調のクッキー材料で様々な模様の製品が作られているが、本発明のように立体的な花模様形状の製品であり、さらに隣接する花弁の種類を異ならせるものは無かった。
例えば、特公S56−38189号では多色の練り物の製造装置が示してあるが、所謂板付き蒲鉾の製造装置であり、これにより製造される多色の練り物の製品の形状は円柱状になっている。
また、実公H03−16475号、実公H03−25589号などに複数個の回転する成形ノズルが示されており、アイスクリーム等の吐出に用いられているものである。
また、特許第2994324号には、モンブランケーキ様の製品を製造する装置が示されているが外側の食品材料は一種類であり、製品の側面部分ではモンブランの如くそれらの食品材料がバラバラになっているものである。
また、特許第3009835号には、外形が括れた花模様の製品が図面に示されているが、外側の食品材料は一種類であり、本発明の花模様とは異なっているものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
複数の吐出口から吐出される食品材料を束ねて棒状食品と成し分割手段で分割することにより製品の形状を花模様形状とし、さらには、隣接する食品材料の種類を互いに異ならせることによって今までにない立体的な形状と色調を持った製品と、この花模様形状を有する食品を製造できる製造装置を提供する事を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前述の如き従来の問題に鑑みてなされたもので、請求項1に係る発明は、第1食品材料を吐出する第1食品材料ノズルの吐出口の周囲に第2食品材料ノズルを設け、前記第2食品材料ノズルの吐出口から少なくとも2種類の食品材料からなる棒状食品を吐出する棒状食品吐出装置と、その下方に前記棒状食品を分割する分割切断装置を備え、前記第1食品材料ノズルはその吐出断面がノズルの中心から半径方向に放射状に複数の吐出口を有し、前記第2食品材料ノズルは中心から半径方向に放射状に複数の溝部5を有し、前記溝部5には一つ置きに段付部6有すると共に、前記段付部に前記第1食品材料ノズルの吐出口を挿入して該吐出口の吐出口端部を当接するように設けたことを特徴とする立体的な花模様形状食品の製造装置である。
【0005】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の花模様形状食品の製造装置において、第1食品材料ノズルの中央に第3食品材料の吐出口を設け、該吐出口に第3食品材料を吐出する第3食品ノズルを連通するように設けたものである。
【0006】
請求項3に係る発明は、請求項1又は請求項2に記載の製造装置により製造された立体的な花模様形状食品である。
【0008】
【実施例】
本発明を実施例に基づき図1乃至図7を用いて説明する。
第1食品材料A1および、第2食品材料A2を供給する各々の食品材料供給装置(図示省略)に連接した第1食品材料ノズル11と第2食品材料ノズル21を組み合わせた棒状食品吐出装置1が設けられている(図1参照)。
この棒状食品吐出装置1は、第1食品材料A1が供給される第1食品材料ノズル11と、その周囲に第2食品材料A2が供給される第2食品材料ノズル21を組み合わせてなる。
【0009】
図2に示すように第1食品材料ノズル11は、吐出口15が第1食品材料ノズル11の中心から半径方向に放射状に点対称に複数(6個)設けられている。第2食品材料ノズル21は複数の溝部5が中心から半径方向に放射状に12ヶ所設けてある。溝部5には一つ置きに段付部6が6ヶ所設けてある。前記第1食品材料ノズル11の6個の吐出口15が第2食品材料ノズル21の溝部5の6ヶ所の段付部6に接し、嵌め合うようになっている。
従って第1食品材料A1は吐出口15から吐出され複数の棒状製品B1となり、第2食品材料A2は食品材料通路24を通り吐出口25から吐出され複数の棒状食品B2となる、これら複数の棒状食品B1、B2を束ねて一本の棒状食品Bとして吐出するものである。
【0010】
第1食品材料A1と第2食品材料A2の色調を異なるように構成すると棒状食品吐出装置1から縦縞模様の棒状食品Bが吐出される。
上記棒状食品吐出装置1より吐出された縦縞模様の棒状食品Bは、分割切断装置2により分割され製品Cとなる。分割された製品Cは、搬送装置4で次工程へ搬送される(図1参照)。
【0011】
まず、本発明の実施例の棒状食品吐出装置1について説明する。第1食品材料A1を吐出する第1食品材料ノズル11は、第1食品材料A1の通る食品材料通路13の端部に複数の吐出口15を備える。この吐出口15を第2食品材料ノズル21の段付部6に挿嵌する。
詳しくは図2に示すように、第1食品材料ノズル11の吐出口15を、第2食品材料ノズル21の溝部5の段付部6に挿入させて吐出口15の吐出口端部17に当接させる。吐出口端部17と当接していない6ヶ所の溝部5は食品材料通路24と連通し、第2食品材料A2を棒状食品B2として吐出口25から吐出させる。
【0012】
図3は、図4(b)におけるH−H断面側面図であり、第1食品材料ノズル11と第2食品材料ノズル21が装着された状態を示す。図3の紙面上右半分は第1食品材料ノズル11の吐出口15の断面が示され食品材料通路13Aを示す。紙面上左半分は第1食品材料ノズル11の吐出口15の外側で、吐出口15と吐出口15の間の食品材料通路24を示す。
これらの部位S1、S2、S3、S4の横断面を各々図4に(a)〜(d)で示す。
【0013】
図4(a)は、第1食品材料A1が第1食品材料ノズル11の食品材料通路13に供給され、第2食品材料A2が第2食品材料ノズル21と第1食品材料ノズル11の間にある食品材料通路23に供給された状態を示す。
図4(b)は、第1食品材料A1が第1食品材料ノズル11の複数に分岐した食品材料通路13Aにある状態を示す。
図4(c)は、第2食品材料A2が複数の食品材料通路24にある状態を示す。
図4(d)は、吐出口25から吐出された状態の棒状食品Bの断面図を示す。
【0014】
複数の吐出口15から吐出される棒状食品B1と複数の食品材料通路24から吐出される棒状食品B2が、第2食品材料ノズル21の経路7で束ねられる。
第2食品材料ノズル21の経路7は断面が略円形で、吐出口25に近づくにつれ細くなるように絞られ、棒状食品B1、B2をそれぞれ密着させて一本の棒状に形成して棒状食品Bにする。
【0015】
棒状食品吐出装置1から吐出された棒状食品Bは分割切断装置2により分割され製品Cとなる。製品Cは棒状食品B1と棒状食品B2が束ねられた形状のままそれぞれの棒状食品の外側の形で製品Cの中心に向かって収斂するように分割切断装置2で分割されるので、立体的な花模様形状となる。
分割切断装置2は複数の多面体のシャッタ3などで構成されるシャッタ機構であり、シャッタ3が閉じる事により棒状食品Bを分割するものである。このシャッタ機構は公知の技術であり例えば、特許第2696600号、特許第2916515号、特許第3009140号等に示される如く特に限定されるものではない。
【0016】
このように第1食品材料A1、第2食品材料A2とで立体的な花模様をした形状の製品Cを作ることができる。図7(a)に本発明による製品Cの斜視図を示しており、この他に製品Cの花模様の例として上面図を図7(b)〜(e)に示している。このように花弁の数の組み合わせは任意に設定する事ができる。
【0017】
さらに別の実施例を図5〜6に示す。前記した第1実施例と構成の同じ所は同一の符号をつけ説明を省略する。
第3食品材料A3を供給する図示しない食品材料供給装置に連接される第3食品材料ノズル31を設る。第1食品材料ノズル11に第3食品材料A3が通る食品材料通路33を設け、吐出口15の中央に第3食品材料A3が吐出される吐出口35を設ける。
図5は、図6(b)におけるH−H断面側面図であり、第1食品材料ノズル11と第2食品材料ノズル21、第3食品材料ノズル31が装着された状態を示す。
図5に示す部位S1〜S4の横断面を図6(a)〜(d)に示す。以上から理解されるように、吐出口25から吐出される棒状食品Bは、棒状食品B1、B2の中央に棒状食品B3を有する形状となる(図6(d))。分割切断装置2を用いて分割すると第3食品材料A3が第1食品材料A1、第2食品材料A2で包まれた立体的な花模様形状の製品を作ることができる。
【0018】
また、分割切断装置2のシャッタ3の形状を変えることにより図7(f)に示すような第1食品材料A1、第2食品材料A2が第3食品材料A3を囲んで上部が開放された形状の製品や、吐出口25を回転させながら棒状食品Bを吐出し、これを分割切断装置2で分割することにより図7(g)に示される渦巻き形状の製品を製造することも可能である。
さらに、吐出口25の形状を変えることにより図7(h)に示すような形状の製品を製造することも可能である。
【0019】
今回の実施例では、第2食品材料ノズル21に第1食品材料ノズル11を挿嵌し、複数の棒状食品を吐出させて棒状食品Bを形成したが、これに限定されることなく例えば、パイプ状の食品材料ノズルを複数交互に組み合わせてそれぞれ異なる種類の食品材料を吐出させ、それを束ねることにより棒状食品Bを形成し、これを分割することにより製品Cを得ることも可能である。
【0020】
これらの製品の材料としてクッキーやチーズ、チョコレートまたは、練きりや、葛など様々な種類の食品材料等を使用することで、様々な味の組み合わせや色の組み合わせを作ることができるので、多種多様な製品を製造することが可能である。
【0021】
【発明の効果】
本発明によれば、複数の吐出口から吐出される食品材料を束ねて棒状食品と成し分割手段で分割することにより製造される花模様形状を有する食品および製造装置において、複数の吐出口から吐出される食品材料の隣接する食品材料の種類を互いに異ならせて今までにない立体的な形状と色調の製品を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に掛かる装置を示した概略的に示した斜視図である。
【図2】 図1における第1食品材料ノズル11、第2食品材料ノズル21の説明図である。
【図3】 図4(b)におけるH−H矢視説明図である。
【図4】 図3におけるS1−S1、S2−S2、S3−S3、S4−S4の断面図を示すものであり、第1食品材料A1、第2食品材料A2が段階的に棒状食品Bになり、さらに製品Cとなる所を示す説明図である。
【図5】 図6(b)におけるH−H矢視説明図である。
【図6】 図5におけるS1−S1、S2−S2、S3−S3、S4−S4の断面図を示すものであり、第1食品材料A1、第2食品材料A2、第3食品材料A3が段階的に棒状食品Bになり、さらに製品Cとなる所を示す説明図である。
【図7】 本発明による製品の例を示すものである。
【符号の説明】
1 棒状食品吐出装置
2 分割切断装置
3 シャッタ
4 搬送装置
5 溝部
6 段付部
7 経路
17 吐出口端部
11 第1食品材料ノズル
21 第2食品材料ノズル
31 第3食品材料ノズル
13、23、24、33 食品材料通路
15、25、26、35 吐出口
A1 第1食品材料
A2 第2食品材料
A3 第3食品材料
B、B1、B2、B3 棒状食品
C 製品
Claims (3)
- 第1食品材料を吐出する第1食品材料ノズルの吐出口の周囲に第2食品材料ノズルを設け、前記第2食品材料ノズルの吐出口から少なくとも2種類の食品材料からなる棒状食品を吐出する棒状食品吐出装置と、その下方に前記棒状食品を分割する分割切断装置を備え、前記第1食品材料ノズルはその吐出断面がノズルの中心から半径方向に放射状に複数の吐出口を有し、前記第2食品材料ノズルは中心から半径方向に放射状に複数の溝部5を有し、前記溝部5には一つ置きに段付部6を有すると共に、前記段付部に前記第1食品材料ノズルの吐出口を挿入して該吐出口の吐出口端部を当接するように設けたことを特徴とする立体的な花模様形状食品の製造装置。
- 第1食品材料ノズルの中央に第3食品材料の吐出口を設け、該吐出口に第3食品材料を吐出する第3食品ノズル31を連通するように設けたことを特徴とする請求項1に記載の立体的な花模様形状食品の製造装置。
- 請求項1又は請求項2に記載の製造装置により製造された立体的な花模様形状食品。
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