JP3891390B2 - 検査用ウェーハ及び検査サンプルの作製方法及び作製装置 - Google Patents
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【発明の属する技術の分野】
本発明は半導体結晶の品質特性を評価するための検査用ウェーハ及び検査サンプルの作製方法及び作製装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体結晶としてシリコンウエーハの製造方法について説明すると、一般にウエーハの製造方法は、チョクラルスキー法(CZ法)等によってインゴット(単結晶棒)を引き上げ、そのインゴットをスライスして薄円板状のウエーハを得るスライス工程と、該スライス工程によって得られたウエーハの割れ、欠けを防止するためにその外周部を面取りする面取り工程と、このウエーハを平坦化するラッピング工程と、面取り及びラッピングされたウエーハに残留する加工歪みを除去するエッチング工程と、そのウエーハ表面を鏡面化する研磨(ポリッシング)工程と、研磨されたウエーハを洗浄して、これに付着した研磨剤や異物を除去する洗浄工程を有している。上記工程は、主な工程を示したもので、他に熱処理工程等の工程が加わったり、工程順が入れ換えられたりする。このように製造されたシリコンウエーハがデバイス製造工程に送られる。このような製造工程の中で、デバイスの微細化に伴い、達成すべきデバイス特性がますます厳しくなり、シリコンウエーハに対しても更なる結晶品質の完全性と表面の清浄化が要求されている。従って、シリコンウエーハの品質を精密に評価し、シリコンウエーハの作製及びデバイス作製プロセスの改善を図っていく必要がある。
【0003】
デバイスを形成する半導体ウエーハの品質として重要な基本特性は、抵抗率、酸素濃度、炭素濃度やOSF(Oxidation−induced Stacking Fault)、BMD(Bulk Micro Defect)、FPD(Flow Pattern Defect)等の欠陥に関するものである。
【0004】
品質特性を検査しその規格を保証するには、ウエーハ製造工程を全て終了した製品を検査して品質評価を行うのが最も端的な方法であるが、前述したように引き上げ工程から出発して単結晶インゴットを鏡面ウエーハ製品とするまでの全工程時間は著しく長い。従ってかかる方法では検査結果による、評価判断で製造条件、仕向け先計画、延いては生産計画などを管理するのに大いに支障を来たす。例えば、全工程終了後に計画していた仕向け先の規格に外れたことが判明する様な場合、大きな時間ロス、延いては製造コストの上昇を招く。
【0005】
これらの基本的な特性である抵抗率、酸素濃度、炭素濃度、OSF、BMD、FPDなどはシリコン単結晶のバルク特性であって、結晶引き上げ工程で決まり、ウエーハ加工工程では本質的には変化することはない。そこで、上記のようなロスを防ぐ目的で、単結晶インゴット製造直後に検査用ウエーハを切り出して若しくは加工工程の早い段階で抜き取ることでサンプルを確保しこれを評価することが行われている。
【0006】
結晶の検査を行うには、様々な前処理が必要な場合が多い。例えば、酸素濃度や、炭素濃度など赤外吸光法により品質を評価する場合、ウエーハ表面の光沢度(鏡面ウエーハの光沢度を100%とした場合)を100%近くにする必要がある。また、抵抗率測定では、表面にある程度の歪みが残っていた方が好ましくアルミナ砥粒600番程度でラップした表面状態が好ましいとされている。
【0007】
これら検査項目による表面状態の違いについての影響は、高輝度平面研削面を有するサンプルを使用することで兼用することができる。つまり酸素濃度、抵抗率は同じサンプルで評価できる。しかし、OSFやBMDは、デバイス形成しメモリーやLSIを製造する際、その工程で行う熱処理によって顕在化する結晶欠陥である。従ってウエーハの製品仕様毎に決められた特有の熱処理を施して検査する必要がある。またFPDなどは、フッ酸、重クロム酸カリウム系のエッチング液を用いエッチング(選択エッチング)するため、上記検査用ウエーハを兼用して使用することはできない。
【0008】
従って、数多くの検査用ウエーハを切り出して使用する必要が出てくる。これら検査用ウエーハは、例え物理的に破壊されていないとしても測定済みサンプルは製品としては役に立たない。即ち全てがロスにつながる。これら結晶起因の欠陥等は、結晶成長の性格から半径上では変化するものの、同心円上では同一値で分布する。従って、検査用ウエーハは円板一枚をそのまま、一つの検査項目に使う必要はなく、扇状のセクターに等分割して、各々の検査項目を振分け測定することでロスを防ぐことができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
従来、手作業によりウエーハを切断しサンプルを分割していたが、人手が必要であり、またきれいに分割するにはある程度のコツが必要であった。また、分割したサンプルは、分割後に、どのインゴットから切り出したものか、またはこれからどのような検査をするためのサンプルなのかインゴットの由来(履歴)などが把握できるような識別符号を印字しておく必要がある。従来は分割した後にサンプル毎に識別符号をダイヤモンドペン等で再印字する必要があった。
【0010】
サンプル毎に識別符号を印字する点については、レーザマーカを使用し自動的にウエーハの回転対称位置に印字するような手法を用いることが可能であるが、このように印字されたウエーハを分割する場合、手作業による切断では、結晶の方位により割れ易い方向が決まってしまうため、識別符号毎にきれいに分割できず、レーザーマークで印字した文字の部分で割れてしまうなどのトラブルがあった。
【0011】
また、分割後、検査項目毎にウエーハを割振るが、人手による割り振りは間違いの原因となり、人件費の増大につながった。
【0012】
本発明では、1枚のウエーハの複数箇所に識別符号を付与したウエーハを自動で切断し、更には検査項目毎にサンプルを割振る方法及び装置を提供する事を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記した目的を遂行するための本発明の概要を図1に前工程と次工程の関連においてまとめた。図において前工程の列に示したブロック内のサンプル準備工程は検査用ウェーハを製作する過程であって、インゴットより検査用ウェーハを切りだし、レーザーマーカで識別符号、アライメントマークを印字し、高輝度平面研削等を行なう。同列の下段のブロックに示した非破壊検査工程で、酸素濃度、炭素濃度など非破壊の検査をこの段階のウェーハを利用して行なうことができる。その後、円盤状の検査用ウェーハを受け入れた本発明の列のブロック内に示した工程・手段により分割と仕分けを自動で行う。かくして分割仕分けを終了した検査サンプルは、次工程列に示したブロック内の各種処理工程、各検査工程を経て検査が完了する。
【0014】
即ち、本発明は複数の物性を評価するための検査用ウェーハであって、該ウェーハより複数片の分割された検査用サンプルを用意するために、主面の同複数の回転対称位置に目視及び読取装置で読み取り可能な深さに同複数組の識別符号が印字され、更に分割のために主面にアライメントマーク(切削マーク)が印字されていることを特徴とする検査用ウェーハである。
【0015】
識別符号は検査サンプルの由来(履歴)を把握するもので、インゴットの情報や検査種目についての情報を印字しておく。本発明では、この識別符号の他に分割するためのアライメントマークを印字しておくことにより、このマークを基準にサンプルを分割することで、識別符号を切断することなく決められた位置で切断することができる。アライメントマークは、複数の位置に印字された各識別符号に対応させ印字(複数組の識別符号と同数印字)してもよく、単に1箇所印字するだけでもよい。識別符号と同数印字すれば、その都度アライメントマークを検出し切断できるので正確に切断できる。また、分割数が決まっている場合など、例えば4分割する場合などは、1個所にアライメントマークを印字しておき、それを検出し、後はウェーハ保持手段を機械的に90°回転させるなどして切断してもよい。
【0016】
アライメントマークの印字は識別符号の印字と同時に行なっても、別々に行なってもよく、レーザマーカなどで掘り込むような方式が好ましい。そうすれば、取り扱い中に容易に脱落しないし、表面の研削、研磨若しくはエッチングが必要な場合でも深く掘り込んでおけば、消えない。また熱処理にも十分耐え得る。
【0017】
本発明の検査サンプルの作製方法は主面の回転対称な位置に複数組の識別符号及びアライメントマークが印字された検査用ウェーハを、自動で同複数片の検査サンプルに分割する分割工程と、該分割された検査サンプルの識別符号を検出し、自動で仕分けする仕分け工程を有することを特徴とする。
【0018】
本発明の検査用ウェーハにアライメントマークが印字されていることにより、アライメントマークを検出すれば、自動切断操作に必要な信号が送出可能となり、更に分割された検査サンプルそれぞれに識別符号が印字されているので、同様に識別符号を検出すれば、識別符号の情報により自動仕分け操作に必要な信号が送出可能となる。勿論それぞれの工程内および工程の前後にはウェーハまたは検査サンプルを取り扱うための補助操作即ち移送、位置決め、姿勢制御などが必要であり、検出した情報を演算・判断してしかるべき信号をつくる制御方法も含むことは言うまでもない。そして主操作及び補助操作側ではそれら信号を受けて主操作及び補助操作を行なわせるための制御方法も含む。
【0019】
而して本発明の装置は主面の回転対称な位置に複数組の識別符号及びアライメントマークが印字された検査用ウェーハを、自動で同複数片の検査サンプルに分割する分割手段と、該分割された検査サンプルの識別符号を検出し、自動で仕分けする仕分け手段を有することを特徴とする。
【0020】
同様にそれぞれの手段内および手段の前後にはウェーハまたは検査サンプルを取り扱うための補助手段即ち移送、位置決め、姿勢制御などを行なう手段が必要であり、検出した情報を演算・判断してしかるべき信号をつくる制御装置も含むことは言うまでもない。そして主手段及び補助手段側ではそれら信号を受けて主操作及び補助操作を行なわせるための制御装置も含む。
【0021】
本発明の検査サンプルの作製方法は更に、前記分割工程が前記アライメントマーク位置を検出し、アライメントマークを基準に前記複数片に切断することを含む。
【0022】
前記分割工程を行なう分割手段はウェーハを前記アライメントマークに合わせて前記複数片に切断するためのダイサー、ダイサーのウェーハ保持手段上でウェーハの中心位置を設定するセンタリング手段及び該ウェーハの前記アライメントマークを検出する検出手段、検査用ウェーハをダイサーのウェーハ保持手段上に移送する移送手段及び分割された複数のウェーハ片を検査サンプル毎に且つ同時に移送する移送手段を含む。
【0023】
前記ダイサーは円盤状の刃が回転して切断するタイプのダイシングソーが最も経済的で簡便である。しかし他の手段、例えばレーザーによる切断なども可能である。
【0024】
前記分割手段のダイサーにはウェーハ保持手段を備えており、真空吸着などでウェーハを固定できるようになっている。さらに保持した検査用ウェーハの中心位置を設定できるようなセンタリング手段を備えている。さらに同分割手段は、保持した検査用ウェーハのアライメントマークを検出する、ホトセンサー、CCDカメラなどの検出手段を備えている。
【0025】
また分割のためのダイサーによる切断では、切断屑などのパーティクルが付着するので、分割工程中の最終工程に洗浄工程をもうけることが好ましい。同様に装置では洗浄装置を設ける事が好ましい。
【0026】
更に本発明の特徴は前記仕分け工程が複数片に分割された検査サンプルを、検査サンプルに印字された識別符号を検出し、予め該検出識別符号別に決められた容器に仕分けすることを含む。
【0027】
即ち、複数片に分割された検査サンプルには前記したように、それぞれ識別符号が印字されており、識別符号は以後、検査すべき項目、処理すべき事項などの情報を含んでいるので、それらを検出手段で読み取り判断、即ち画像解析することにより、前記補助手段によって操作されるべき信号を送出し、補助手段側ではそれを受けてそれぞれの検査サンプルを出口ポートに予め該検出識別符号別即ち検査項目分類に従って用意された容器に移送、収納、即ち仕分けする。
【0028】
仕分け工程中の検出工程前にはウェーハ表面をエアブロアで空気を吹きつけて、前工程最終段での洗浄で付着している、水分等を飛ばし読み取り誤差のないよう配慮する。
【0029】
従って、本発明の仕分け手段の特徴は、前記検査用ウェーハの分割された複数の検査サンプル全数を保持するウェーハ保持手段、該保持手段上でウェーハ表面の水分を除去するエアブロア、該保持手段上で分割された前記検査サンプルの識別符号を検出する検出手段、該検出手段の検出信号を画像解析する手段、予め該検出識別符号別に決められた複数容器及び検査サンプルを検出識別符号別に前記容器に移送する移送手段を含む。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を図を参照しながら、具体例をあげて詳しく説明する。但し本実施の形態に記載される製品の寸法、形状、材質、その相対配置等は特に特定的な記載が無い限りは本発明をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
【0031】
図4は本発明の検査用ウェーハの1例を示す概略図である。31は切断位置を決めるためのアライメントマーク、32はレーザマーカで印字したインゴットの情報や検査種目についての識別符号である。印字後高輝度平面研削を行なった。この検査用ウエーハを4分割し、それぞれ分割されたサンプルで検査をする例について説明する。結晶方位<111>及び<100>の2mm厚の検査用ウエーハについて4つに分割し、その後、分割したサンプルの1枚はOSF検査、他の1枚は析出検査、更に他の1枚はFPD検査、残りは保管用ウエーハとし複数の検査項目について検査した。
【0032】
検査用ウエーハは、任意のインゴットから切り出したものを使用したが、例えば結晶方位<100>の検査用ウエーハのインゴットについては識別符号(インゴットIDという)が「9088−000」のものについて、また結晶方位<111>の検査用ウエーハのインゴットについては識別符号が「12017−000」のものを使用した。
【0033】
また、各検査項目の識別符号として、OSF検査の検査コードを「LD01」、及び析出検査の検査コードを「OP01」、FPD検査の検査コードを「FP01」とし、保管用のバックサンプルを「BS01」とした。なお、これらの識別符号の付け方については当業者が適宜設定すれば良いものである。
【0034】
まず、切り出した検査用ウエーハの一主面に上記インゴットID及び検査コードをYAGレーザを用いたレーザーマーカーで印字した。印字場所は、例えば図4に示すようにウエーハの回転対称な位置で、90°の間隔で回転させ、ウエーハの4箇所に印字した。このウエーハを高輝度平面研削(#1500〜#2000番定で表面状態を仕上げた平面研削)し、ウエーハ表面の光沢度を略100%とし、サンプルの厚さも2mmに調整した。その後洗浄や必要によりドナー消滅等の熱処理を実施し、丸いウエーハのまま検査すべき(特に前処理を必要としない)ウエーハ品質、酸素濃度や抵抗率について検査を行った。その後、前処理の異なる検査項目を評価するためにウエーハを分割する。
【0035】
(比較例)従来の手作業による分割を行った。これは、ウエーハを分割する場合、定規とダイヤモンドペンでウエーハ表面に十文字にけがき線を入れ、次にそのけがき線に沿って手で分割するという作業である。
【0036】
結晶方位が<100>のウエーハ「9088−000」の場合、OF(オリエンテーションフラット)やノッチを目印に分割しやすいように劈開方向にけがき線を入れる。このようにけがき線を入れることで容易に4分割に分割できた。但し、他の検査用ウエーハを分割した時、劈開方向と極端に異なる部分にけがき線を入れると手動での分割は大変困難で、場合によってはウエーハを破損してしまった。また、識別符号の印字場所が劈開方向と重なると印字した部分で分割され識別符号が読めなくなる。
【0037】
特に「12017−000」などの結晶方位が<111>のウエーハの場合、劈開方向が十文字にならないので分割が非常に困難であった。また検査用ウエーハの厚さは通常2mm程度と厚く、手動による劈開はちからと技術を要す。
【0038】
なお、上記例ではレーザーマークにより識別符号を印字したサンプルについての分割の例を示したが、従来はこのようなレーザーマーカーによる印字もなく、ダイヤモンドペン等を用い手書で印字していた。従ってきれいに割れなくてもそれぞれのサンプルに識別符号を印字することは可能であった。しかし、印字場所も不規則で且つ、複数箇所に印字するのは手間であり、また字が読取り困難であったり、その後の処理で字が消えてしまうなどのトラブルがあった。レーザーマーカを用いたのは、このようなトラブルを防止するもので印字を深くすることでこのようなトラブルは解消された。
【0039】
(実施例)次に本発明の実施例について、図2及び図3を参照しながら説明する。図2において、1は検査ウェーハ用の搬送機、2は検査サンプル用の搬送機、3はダイシングソー、4はセンサ、5はセンタリング装置、6はウェーハステージ、7は洗浄工程、11は切断前の検査用ウェーハ、12は切断後の検査サンプルをそれぞれ表す。図3において、21はエアーブロア、22はCCDカメラ、23は検査サンプルステージ、24は画像処理装置、25はロボットアーム、26は検査サンプルを検査項目別に収納する容器をそれぞれ示す。また図2と同一符号は同一の意味を有する。
【0040】
本実施例では前記した手動による劈開の負担を減らすため、分割手段(ダイサー)を使用しダイシングソーにより切断する。本発明の分割手段(ダイサー)を用い分割することで容易に任意の形状の切断ができる。
【0041】
但し、ダイサーで分割する場合にも、識別符号32の位置は切断してはいけない。そこで、ウエーハの所定箇所に、分割するためのアライメントマーク31を印字しておく。アライメントマーク31の印字は、ウエーハの識別符号32を印字する工程にて共にレーザーマーカで印字する。
【0042】
本例では、図4に示すような位置に直線状のアライメントマーク31を印字しておき、この線を検出し、この線にそってダイサーで切断するようにプログラムしてある。但し、アライメントマーク31の数はこれに限定されず、切断位置が確定できれば1箇所だけでもよい。
【0043】
実施の手順を図2において説明すると、はじめに、検査用ウエーハ11は搬送機1によってダイサーのウエーハステージ6上に移送載置される。そこで、中心位置を合わせるためにセンタリング装置5によってセンタリングを行う。次にウエーハ11をウェーハステージ6に吸着保持させ、ウェーハステージ6を回転移動等させ、センサー4(凹凸を検出できるセンサー等)により、アライメントマーク31を検出する。アライメントマーク31を検出したら、この位置を切断するようにウエーハステージ6を移動調節して、ダイシングソー3により切断する。4分割の場合、ウエーハの端から端まで切断する。更に90°ウエーハステージを回転させ、ウエーハの端から端まで切断する。これにより4分割に切断される。この時、細かく切断するとサンプルがずれることがあるので、吸着が弱くならないように(吸着されていない部分がでないように)複数の吸着孔により吸着保持することが好ましい。
【0044】
上記により検査用ウエーハを切断して得た検査サンプルは、バラバラにすることなく、円形をたもったまま検査サンプル上部から吸着保持するように構成した搬送機2で保持したまま(必要により)検査サンプル表面を洗浄工程7で洗浄し、次工程の仕分け工程に搬送する。円形をたもったまま吸着するには、分割した数だけの吸着板をもった搬送機2が必要である。
【0045】
搬送機2によって検査サンプル12は図3の仕分け工程に移送され、同工程の検査サンプルステージ23に載置される。仕分け手段の検査サンプルステージ23も真空吸着により検査サンプル12を保持するが、この検査サンプル保持は、細かな(複数の)エリアで独立して吸着保持できるような吸着盤にしてある。これは仕分けしていく時、検査用ウエーハ11が4分割された検査サンプル12を一枚ずつ、吸着を解除し仕分けする必要があるからである。
【0046】
仕分け手段ではまず、仕分け手段の検査サンプルステージ23に保持した検査サンプル12の表面に付着している水滴をエアーブロア21により、エアー等で吹き飛ばす。これは、前工程の分割工程の切削水やその後の洗浄によって付着した水分を除去し、識別符号22を読みやすくするためで、これにより読み取りエラーを少なくするためである。検査サンプル12表面の水滴が無くなったら、検査サンプルステージ23を回転移動させ、分割された検査サンプル12を1枚毎にCCDカメラ22で識別符号32を確認し、更に画像処理装置24により識別符号32の文字を解読(画像処理)する。特に検査項目コードを確認し、検査コードによって保管場所として特定される容器26の番地を照合する。
【0047】
保管場所が確認できたら、ロボットアーム25で確認した検査サンプルを保持し、その部分の吸着だけ解除し、ロボットアーム25で決められた保管場所へ検査サンプルを移送する。
【0048】
保管(場所)は仕分け手段に一体化した複数の容器26(収納バスケット)に検査サンプルを入れることで行う。容器26には純水が入れてある。本実施例ではロボットアームが移動できる範囲の両側に10個ずつの容器26(計20個の収納バスケット)がある仕分け手段を用いた。
【0049】
次に、仕分け手段の検査サンプルステージ23を回転(90°)させ、次のウエーハの検査項目を解読し、先と同様にロボットアームで決められた場所にウエーハを移す。同様な作業を繰り返し、全てのサンプルを決められた場所に保管することによって作業が終了する。
【0050】
次工程の検査工程で、ウエーハを検査する場合、ウエーハの準備は特定の容器26から検査サンプルを取出すことによってできる。つまり、同じ容器のサンプルはすべて同じ検査項目のサンプルであるため容易にサンプルの準備ができる。
【0051】
本発明の実施の形態は以上説明した本実施例に限るものではない。
【0052】
【発明の効果】
以上説明したように本発明により、1枚のウエーハの複数箇所に識別符号を付与したウエーハを自動で切断し、更には検査項目毎にサンプルを自動で割振る方法及び装置により、人手による工数を削減し、間違いを排除することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の工程及び前工程・次工程のブロック線図
【図2】 本発明の分割工程・手段を示す概略図
【図3】 本発明の仕分け工程・手段を示す概略図
【図4】 本発明の検査用ウェーハの1例を示す概略図である。
【符号の説明】
1 搬送機(検査ウェーハ用)
2 搬送機(検査サンプル用)
3 ダイシングソー
4 センサ
5 センタリング装置
6 ウェーハステージ
7 洗浄工程
11 検査用ウェーハ
12 検査サンプル
21 エアブロア
22 CCDカメラ
23 検査サンプルステージ
24 画像処理装置
25 ロボットアーム
26 容器
Claims (7)
- 複数の物性を評価するための検査用ウェーハであって、該ウェーハより複数片の分割された検査用サンプルを用意するために、主面の同複数の回転対称位置に目視及び読取装置で読み取り可能な深さに同複数組の識別符号が印字され、更に分割のために主面に目視及び読取装置で読み取り可能な深さにアライメントマークが印字され、且つ該主面が高輝度平面研削されていることを特徴とする検査用ウェーハ。
- 主面の回転対称な位置に複数組の識別符号及びアライメントマークが印字された検査用ウェーハを、自動で同複数片の検査サンプルに分割する分割工程と、該分割された検査サンプルの識別符号を検出し、自動で仕分けする仕分け工程を有することを特徴とする検査サンプルの作製方法。
- 前記分割工程が前記アライメントマーク位置を検出し、アライメントマークに合わせて前記複数片に切断することを含む請求項2記載の検査サンプルの作製方法。
- 前記仕分け工程が複数片に分割された検査サンプルを、検査サンプルに印字された識別符号を検出し、予め該検出識別符号別に決められた容器に仕分けすることを含む請求項2若しくは3記載の検査サンプルの作製方法。
- 主面の回転対称な位置に複数組の識別符号及びアライメントマークが印字された検査用ウェーハを、自動で同複数片の検査サンプルに分割する分割手段と、該分割された検査サンプルの識別符号を検出し、自動で仕分けする仕分け手段を有することを特徴とする検査サンプルの作製装置。
- 前記分割手段がウェーハを前記アライメントマークに合わせて前記複数片に切断するためのダイサー、ダイサーのウェーハ保持手段上でウェーハの中心位置を設定するセンタリング手段及び該ウェーハの前記アライメントマークを検出する検出手段、検査用ウェーハをダイサーのウェーハ保持手段上に移送する移送手段及び分割された複数のウェーハ片を検査サンプル毎に且つ同時に移送する移送手段を含む請求項5記載の検査サンプルの作製装置。
- 前記仕分け手段が、前記検査用ウェーハの分割された複数の検査サンプル全数を保持するウェーハ保持手段、該保持手段上でウェーハ表面の水分を除去するエアブロー、該保持手段上で分割された前記検査サンプルの識別符号を検出する検出手段、該検出手段の検出信号を画像解析する手段、予め該検出識別符号別に決められた複数容器及び検査サンプルを検出識別符号別に前記容器に移送する移送手段を含む請求項5若しくは6記載の検査サンプルの作製装置。
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