JP3890804B2 - 生物脱臭法及びその装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、下水処理場等の処理ガス中の臭気物質を微生物によって分解・脱臭するための生物脱臭法及びその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
下水処理場における臭気対策として行われる脱臭処理には、従来、薬液洗浄、活性炭吸着等の物理・化学的脱臭法が用いられてきたが、ランニングコストが高いという欠点があるため、近年、微生物の臭気成分分解能を利用した生物脱臭法が、特にランニングコストに優れている点で注目され、従来法に代わって採用され始めている。
【0003】
この生物脱臭法の概要を図9により説明する。
【0004】
図示するように、ガスと液の吸入・吐出口を除いて密閉された密閉容器aの中央から上部にかけて、微生物付着用の担体が適度な空隙をもって充填されたカラム充填層bが設置されており、また、この密閉容器aの底部には微生物に必要な水分や栄養分供給のための液が貯められ、貯水部cが形成されている。そして、この貯水部c内の液は、循環ポンプdによって循環ラインgを通過してカラム充填層bの上方から散水された後、カラム充填層bを流れ下り、貯水部cに戻って循環されるようになっている。
【0005】
一方、脱臭すべき処理対象のガスは、ガス供給ラインeからカラム充填層bと貯水部cとの中間部分hで密閉容器aに供給され、カラム充填層bを上向きに通過した後、密閉容器aの上部の放出ラインfから放出されるようになっており、これによってガス中の臭気成分がカラム充填層b内の微生物に吸着され、あるいは散水される液に溶解された後、微生物に吸着され、更に分解されて無臭化されることになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このような生物脱臭法は、上述した物理・化学脱臭法に比べて、薬品を使わない、二次廃棄物が出ない等の優れた性質を有し、かつランニングコストを低くすることが出来るものである。
【0007】
しかしながら、生物脱臭法において臭気成分の種類によっては微生物による吸着・分解速度が遅くて効率が落ちたり、大きな装置が必要となったりする。
【0008】
特に、カラム充填層bは、処理対象ガス中の臭気物質の吸着や循環液への吸収の機能をもつため、処理対象ガスが通過するのに比較的大きな空隙を必要とし、循環液中で微生物と臭気物質とを反応させるための撹拌もできないものであるため、微生物が臭気物質を分解する場としては、最適な条件を備えていない。
【0009】
さらに、カラム充填層bには余り大量の微生物を保持することが出来ず、反応速度の遅さを微生物量でカバーできない点が、従来の生物脱臭法の限界といえる。
【0010】
尚、この点を改善すべく微生物濃度の高い活性汚泥をカラム充填層bに循環させる方式も考えられるが、この方式では、カラム充填層bでの活性汚泥による目詰まりを防ぐためにカラム充填層bを目の粗い皿状構造にしなければならず、むしろ気液接触効率は低下するといった不都合がある。
【0011】
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、微生物の反応効率が良好な新規な生物脱臭法及びその装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために本発明の方法は、密閉容器の中段部に微生物が繁殖したカラム充填層を形成すると共に、その底部に微生物を含む液を貯留した生物反応部を形成し、この生物反応部内の液を、生物反応部内に設けた保持手段ないし分離手段により微生物がそのままカラム充填層に入ることを防ぎつつ循環ラインを介して密閉容器上部に循環し、そのカラム充填層の上部で上記液を散水しながらカラム充填層の下部から処理対象ガスを導入して脱臭する方法において、上記生物反応部内の液を空気供給ラインから供給される空気で曝気して攪拌すると共にその微生物濃度を高めるようにし、かつ上記生物反応部内の液面上に曝気した空気を集める空気貯留部を設け、その空気貯留部で集めた空気を上記カラム充填層を通すことなく上記密閉容器外に排気するようにしたものである。
【0013】
また、この方法を実現するための本発明の装置は、密閉容器の中段部に微生物が繁殖したカラム充填層を形成し、その底部に微生物を含む液を貯留した生物反応部を形成し、カラム充填層の下部から処理対象ガスを導入すると共に、生物反応部内の液を、生物反応部内に設けた保持手段ないし分離手段により微生物がそのままカラム充填層に入ることを防ぎつつ循環ラインを介してカラム充填層の上部から散水して処理対象ガスを脱臭する装置において、上記生物反応部内の液中に空気供給ラインから供給される空気で曝気するための散気管を設け、上記生物反応部内の液面上に曝気した空気を集めると共に集めた空気を上記カラム充填層を通すことなく上記密閉容器外に排気する空気貯留部からなる曝気空気排気手段を設けたものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適一実施の形態を添付図面に基づいて詳述する。
【0015】
図1は本発明の前提となる実施の形態を示したものである。
【0016】
図示するように、縦長の密閉容器1内には、その中央から上部にかけてカラム充填層2が設けられており、このカラム充填層2内には、微生物が付着した担体が適度な空隙をもって充填されている。
【0017】
また、この密閉容器1の底部には、微生物に必要な水分や栄養分供給のための循環液が貯められた生物反応部3が形成されており、この生物反応部3内の循環液は循環ポンプ4によって循環ライン16から密閉容器1の上部に送られ、カラム充填層2上に散水されるようになっている。
【0018】
さらに、密閉容器1のカラム充填層2と生物反応部3との中間空隙部17には、処理対象ガスライン5が接続されると共に、密閉容器1の上部には、カラム充填層2を通過して脱臭されたガスを放出する放出ライン6が接続されている。
【0019】
また、この生物反応部3の底部付近には散気管8が設置されており、空気供給ライン7から供給される空気を散気管8から生物反応部3内の液中に曝気(エアレーション)するようになっている。この散気管8に供給する空気中に処理対象ガスの一部又は全部を送り込んだり、生物反応部3水面直下におわんを伏せた形の構造(空気貯留部23)を設け、散気管8からの空気を集めて系外(密閉容器1外)に排気する空気貯留部23からなる曝気空気排気手段を設けることで、カラム充填層2内で脱臭処理するガス流速を減らすことが可能となる。
【0020】
そして、上記構成によれば、生物反応部3内の循環液を循環ポンプ4によってカラム充填層2の上方に送って散水し、カラム充填層2内で流下させた状態で、脱臭すべき処理対象ガスを処理対象ガスライン5を通して密閉容器1内に導入し、このガスをカラム充填層2内を上向きに流すと、処理対象ガス中の臭気物質の一部がカラム充填層2内の微生物により吸着・分解されると同時に、残りの臭気物質がカラム充填層2内を流下する循環液に吸収される。
【0021】
その後、臭気物質を吸収した循環液は、カラム充填層2から流れ落ちて生物反応部3に戻り、再度生物反応部3内に貯められ、散気管8から吹き出される空気によって曝気される。この曝気によって生物反応部3内の循環液が撹拌されると同時にその循環液中の微生物への酸素供給が行われるようになるため、微生物の濃度が高まり、吸収した臭気物質を効率的に分解して無臭化することができる。
【0022】
すなわち、従来、カラム充填層2のみで微生物が臭気物質を分解していたのに対して、本発明の前提である図1の形態ではカラム充填層2に加えて高濃度の微生物を有する生物反応部3で臭気物質を分解するようにしたものである。例えば、硫化水素等の比較的分解しやすい臭気物質がカラム充填層2内で吸着・分解され、メチルメルカプタン,二硫化メチル,硫化メチル等の分解し難い臭気物質が生物反応部3内で分解されることになる。
【0023】
その結果、カラム充填層2の微生物濃度を高めることなく臭気成分の分解効率を飛躍的に向上することができる。
【0024】
さて、図2は本発明の第一の実施の形態を示したものである。
【0025】
図示するように、本発明の第一実施の形態は、前提技術である図1に示した循環ライン16の上流側に生物反応部3からカラム充填層2に送る循環液中の微生物を分離するための分離装置19、例えば微生物が通過できない布製のフィルター等を付け加えたものである。
【0026】
これにより、本発明は、生物反応部3内の循環液中の微生物が分離装置19によって分離され、分離後の循環液が循環ライン16を通過してカラム充填層2に循環されて生物反応部3の液中から微生物が除去された液が散水されるようになるため、カラム充填層2で目詰まりを未然に防止することができる。この結果、カラム充填層2の充填材の目を細かくすることができるようになるため、微生物の反応効率が良好となる上に、ガスの吸収効率も向上する。
【0027】
次に、図3は本発明の第二の実施形態を示したものである。
【0028】
図示するように、本実施の形態は、図1に示した生物反応部3内に微生物が付着した複数の担体10をその循環液中に浮遊するように介在させると共に、この生物反応部3側部にスクリーン9を設け、これら担体10が循環ライン16側に吸い込まれないように構成したものである。
【0029】
これにより、生物反応部3内の微生物が担体10に付着して効果的に繁殖して生物反応部3内に流れ落ちてきた臭気成分を効率的に分解すると共に、スクリーン9によってその流出が防止されるようになるため、微生物がそのまま循環されてカラム充填層2に入って目詰まりを起こすようなことはなくなる。
【0030】
このため、第一の実施の形態と同様に、カラム充填層2の充填材の目を細かくすることができるようになるため、微生物の反応効率及びガスの吸収効率をより向上させることができる。
【0031】
次に、図4は本発明の第三の実施の形態を示したものである。
【0032】
図示するように、この実施の形態は、図1に示した生物反応部3内に、プラスチック製の円筒などの担体11を固定設置し、この担体11に微生物を付着繁殖させるようにしたものである。
【0033】
これにより、担体11が生物反応部3内に固定されているため、上記第三の実施の形態で必要であった流出防止のためのスクリーン9を設けなくても、微生物がそのまま循環ライン16に吸い込まれてカラム充填層2に入って目詰まりを起こすような不都合を効果的に回避することができる。従って、本実施の形態によっても、上記実施の形態と同様に、カラム充填層2の充填材の目を細かくでき、微生物の反応効率及びガスの吸収効率が良好となる。
【0034】
次に、図5は本発明の第四の実施の形態を示したものである。
【0035】
図示するように、本実施の形態では、生物反応部3内に活性汚泥を投入しておき、その出口と循環ライン16の循環ポンプ4上流側との間に沈殿池12とオーバーフロー槽13を設けると共に、この沈殿池12の底部と生物反応部3とを汚泥返送ライン18で接続したものである。
【0036】
すなわち、本実施の形態は、生物反応部3を散気管8で曝気することでその循環液に溶解した臭気物質を生物反応部3内の活性汚泥により高速で吸着・分解し、その活性汚泥を沈殿池12に送り、沈殿池12で活性汚泥を沈殿分離させ、その上澄液をオーバーフローさせてオーバーフロー槽13に貯め、この上澄液を循環ポンプ4でカラム充填層2の上方に散水し、一方、沈殿池12で沈殿分離した活性汚泥を汚泥返送ポンプ14によって汚泥返送ライン18から生物反応部3内に返送するようにしたものである。
【0037】
従って、本実施の形態によれば、大量の微生物が繁殖した活性汚泥によって生物反応部3で脱臭処理ができるため、カラム充填層2は勿論、生物反応部3においてもガスの吸収分解効率をより向上させることができる。
【0038】
次に、図6は本発明の第五の実施の形態を示したものである。
【0039】
図示するように、この実施の形態は、生物反応部3内に中空糸膜等の分離膜20からなる膜分離装置15を設けたものである。この膜分離装置15は、分離膜20と、この分離膜20が循環液と接する側の室21と、分離膜20を通して循環液中の水分を抽出ろ過して集水する他側の室22とで構成したものであり、この室22を循環ライン16によって密閉容器1の上部と接続したものである。
【0040】
すなわち、本実施の形態では、室21に循環液を導入し、分離膜20を通して循環ポンプ4で循環液中の水分を抽出ろ過し、室22に集水してカラム充填層2の上方に散水するため、微生物がそのままカラム充填層2に入って目詰まりすることがなくなる。その結果、本実施の形態でも、上記各実施の形態と同様にカラム充填層2の充填材の目を細かくでき、微生物の反応効率及びガスの吸収効率が良好となる。
【0041】
以上説明した図2〜図6に示す本発明に関して図1に示す本発明の前提の形態だけでは、生物反応部3から微生物がカラム充填層2に送られて目詰まりを起こす。従って、この図1の形態では、カラム充填層2の充填材を目の粗いものにせざるをえず、そのため、処理対象ガスと循環液との接触効率が悪く、処理対象ガス中の臭気物質の循環液への溶解が悪いという問題もある。
【0042】
そこで、図2〜図6に示す本発明の実施の形態のように、保持手段10、11ないし分離装置19を設けることにより、微生物がそのままカラム充填層2に入ることを防ぐことができるため、カラム充填層2の目詰まりを防ぐことができる。
【0043】
これにより、目の細かい充填材でカラム充填層2を形成することができるため、処理対象ガスと循環液との接触効率を落とさず、処理対象ガス中の臭気物質の循環液への溶解を促進させ、生物反応部3を有効に機能させることができるようになる。
【0044】
次に、このような本発明の実施例として、図5に示した実施の形態と図9に示
した従来の技術とのアンモニア除去率を比較した結果を以下に示す。
【0045】
ただし、上記LVは空塔速度である。
【0046】
この試験例からもわかるように、従来例にあっては流入出前後のNH3 除去率が約25%であったのに対し、本発明にあっては、NH3 除去率が約98%に達し、従来例に比してアンモニアの脱臭処理能力が著しく向上した。
【0047】
尚、本発明は上記実施の形態に限定されるものでなく、例えば、上記生物反応部3は必要とされる微生物量に合わせて従来の貯水部cより大きく設計してもよく、また、循環液を散水する際に、栄養分補給手段によって循環液中に栄養分を適宜補給すれば、カラム充填層2内の微生物の濃度を適度に維持することが可能となる。さらに、上記カラム充填層2内の充填材を形成している担体及び生物反応部3内の担体10,11はスポンジキューブ製でもよい。
【0049】
さらに、本発明の第六の実施の形態として、図7に示すように上述した生物反応部3の側部に、さらに独立した他の生物反応部3aを付設し、その新たに付設された生物反応部3a内に散気管8と微生物の流出を防止するための分離装置19を備えるようにしてもよい。この分離装置19は、微生物(担体を含む)と液を分離して液をカラム充填層2に循環できるものであればいかなる形式のものでもよい。
【0050】
すなわち、上記各実施の形態で示す構成にあっては、散気管8から生物反応部3内にエアーレーションされた空気は、その全部がそのまま臭気ガスと共にカラム充填層2内に送り込まれるような構成となっていることから、カラム充填層2に流れ込む全ガス量が増大してしまい、カラム充填層2の負荷が増大するといった場合が考えられる。
【0051】
そのため、図示するように、さらに密閉容器1外にさらに独立した他の生物反応部3aを付設し、密閉容器1側の生物反応部3と共に臭気成分の分解脱臭反応を行うようにすれば、密閉容器1側の生物反応部3の負荷を低減することが可能となり、この結果、密閉容器1側の生物反応部3側のエアーレーション量を減らしてカラム充填層2の負荷を低減することができると同時に、生物反応部全体の能力もより向上する。尚、カラム充填層2において循環液中に溶解した臭気ガスの一部は、上流側に位置する密閉容器1内の生物反応部3におけるエアーレーションによって再びカラム充填層2側で吸収分解されるようになるため、下流側の生物反応部3aにおけるエアーレーションによっては殆ど大気中に放出されることはない。
【0052】
また、上記各実施の形態で示す構成をした脱臭装置によって濃度や成分の異なる臭気ガスを処理した場合、生物反応部3内の循環液のpHが大きく変動してしまい、生物反応部3内の微生物による分解反応速度が遅くなったり、カラム充填層2での臭気成分の吸収効率が悪くなるといったことが考えられるが、本実施の形態のように複数の生物反応部を設けることにより、各生物反応部ごとに最適なpH調整を行うことができるため、常に最良な状態で分解,吸収を行うことができる。
【0053】
例えば、アンモニアを大量に吸収した循環液がアンモニア硝化細菌等が繁殖している生物反応部3に入ると硝化反応(NH+ 4 +2O2 →NO- 3 +H2 O+2H+ )によってその生物反応部3のpHが低下して反応が遅くなるため、別に設けられたpH調整層からアルカリ液を注入してpHを中性状態まで上昇させる必要が生じるが、上昇しすぎると、カラム充填層2でのアンモニアの吸収効率が悪くなり、一つの生物反応部3のみではそのpH調整が極めて困難であるが、本実施の形態のようにさらに別の生物反応部3aを備えれば、上流側の生物反応部3のpHは反応が進みやすい中性、下流側の生物反応部3aはカラム充填層2へ循環されたときアンモニアを吸収しやすい酸性へとそれぞれ最適にpHコントロールすることが可能となる。
【0054】
また、本発明の第七の実施の形態として、図8に示すように循環ライン16の下流側にpH調整槽24を設け、散水直前の循環液のpHを調整してから密閉容器1内に供給し、カラム充填層2内に流下させるようにしても良い。例えば、アンモニアを主体とする臭気ガスを処理する場合には、pH調整槽24内の循環液中に硫酸や塩酸等の濃酸を混入してその循環液のpHを2〜5程度まで強制的に下げてから、密閉容器1内に供給し、カラム充填層2内に流下させるようにすればアンモニアの吸収効率をより向上させることが可能となる。尚、このpH調整槽24は、散水直前の循環液のpHを任意に調整できるものであれば、その構成は特に限定されるものではないが、例えば、図示するように、攪拌機26とpH計27を備えた調整用水槽25に、この硫酸や塩酸等の濃酸を供給する酸槽28を接続し、この酸槽28内の濃酸を供給ポンプ29によって供給するようにすれば良い。また、この供給ポンプ29をpH計27に連動させれば、調整用水槽25内の循環液を任意のpH値に自動的に調整することも可能となる。尚、図8の場合は、分離装置19を省いてカラム充填層2の目を粗いものにしても、臭気ガスが密閉容器1で低pH液に吸収されるのでアンモニア等に対しては有効である。
【0055】
【発明の効果】
以上要するに、本発明によれば、生物反応部内に散気管を設けて生物反応部を曝気することにより、生物反応部内の微生物の濃度を高めることができるため、硫化水素等の比較的分解しやすい臭気物質はカラム充填層内で吸着・分解し、メチルメルカプタン,二硫化メチル,硫化メチル等の分解しにくい臭気物質は生物反応部内で効果的に分解することができると共に曝気した空気を空気貯留部で集めて密閉容器外に排出することで、脱臭するガス流速を減らすことが可能となる。
【0056】
また、この生物反応部内に微生物の保持手段ないし分離装置をさらに設けることにより、微生物がそのままカラム充填層に入ることを防ぐことができるため、微生物によるカラム充填層の目詰まりを防ぐことができる。
【0057】
これにより、目の細かい充填材でカラム充填層を形成することができるため、処理対象ガス中の臭気物質の循環液への溶解を促進させ、生物反応部を有効に機能させることが可能となり、微生物による臭気物質の分解反応効率が大幅に向上する等といった優れた効果を発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の前提となる形態を示す概略図である。
【図2】 本発明の第一の実施の形態を示す概略図である。
【図3】 本発明の第二の実施の形態を示す概略図である。
【図4】 本発明の第三の実施の形態を示す概略図である。
【図5】 本発明の第四の実施の形態を示す概略図である。
【図6】 本発明の第五の実施の形態を示す概略図である。
【図7】 本発明の第六の実施の形態を示す概略図である。
【図8】 本発明の第七の実施の形態を示す概略図である。
【図9】 従来の生物脱臭法の一例を示す概略図である。
【符号の説明】
1 密閉容器
2 カラム充填層
3,3a 生物反応部
4 循環ポンプ
5 処理対象ガスライン
6 放出ライン
7 空気供給ライン
8 散気管
16 循環ライン
17 中間空隙部
23 空気貯留部
24 pH調整層
Claims (10)
- 密閉容器の中段部に微生物が繁殖したカラム充填層を形成すると共に、その底部に微生物を含む液を貯留した生物反応部を形成し、この生物反応部内の液を、生物反応部内に設けた保持手段ないし分離手段により微生物がそのままカラム充填層に入ることを防ぎつつ循環ラインを介して密閉容器上部に循環し、そのカラム充填層の上部で上記液を散水しながらカラム充填層の下部から処理対象ガスを導入して脱臭する方法において、上記生物反応部内の液を空気供給ラインから供給される空気で曝気して攪拌すると共にその微生物濃度を高めるようにし、かつ上記生物反応部内の液面上に曝気した空気を集める空気貯留部を設け、その空気貯留部で集めた空気を上記カラム充填層を通すことなく上記密閉容器外に排気するようにしたことを特徴とする生物脱臭法。
- 上記密閉容器の付近にさらに別の独立した生物反応部を一つ以上付設し、この密閉容器側の生物反応部と共に循環液中に溶解した臭気物質を微生物によって分解反応させるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の生物脱臭法。
- 上記生物反応部内の微生物をその液中を浮遊する多数の担体上に付着させて保持するようにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載の生物脱臭法。
- 上記生物反応部内に分離手段を設置し、この分離手段によって生物反応部から上記カラム充填層に送る循環液中の微生物を分離するようにしたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の生物脱臭法。
- 上記循環ラインにpH調整槽を設け、上記カラム充填層に散水する前の循環液のpHを任意に調整するようにしたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の生物脱臭法。
- 密閉容器の中段部に微生物が繁殖したカラム充填層を形成し、その底部に微生物を含む液を貯留した生物反応部を形成し、カラム充填層の下部から処理対象ガスを導入すると共に、生物反応部内の液を、生物反応部内に設けた保持手段ないし分離手段により微生物がそのままカラム充填層に入ることを防ぎつつ循環ラインを介してカラム充填層の上部から散水して処理対象ガスを脱臭する装置において、上記生物反応部内の液中に空気供給ラインから供給される空気で曝気するための散気管を設け、上記生物反応部内の液面上に曝気した空気を集めると共に集めた空気を上記カラム充填層を通すことなく上記密閉容器外に排気する空気貯留部からなる曝気空気排気手段を設けたことを特徴とする生物脱臭装置。
- 上記密閉容器の付近にさらに別の独立した生物反応部を一つ以上付設し、密閉容器内の生物反応部と別の独立した生物反応部とを連通したことを特徴とする請求項6記載の生物脱臭装置。
- 上記生物反応部内に、微生物を付着保持するための担体を複数浮遊させたことを特徴とする請求項6又は7に記載の生物脱臭装置。
- 上記生物反応部に、上記カラム充填層に送る循環液中の微生物を分離するための分離手段を設けたことを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載の生物脱臭装置。
- 上記循環ラインに、上記カラム充填層に散水する前の循環液のpHを任意に調整するためのpH調整槽を設けたことを特徴とする請求項6〜9のいずれかに記載の生物脱臭装置。
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