JP3890376B2 - ポジ型感光性組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、平版印刷板やIC等の半導体製造工程、液晶、サーマルヘッド等の回路基板の製造、更にその他のフォトファブリケーション工程に使用されるポジ型感光性組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポジ型フォトレジスト組成物としては、米国特許第4,491,628 号、欧州特許第249,139 号等に記載されている化学増幅系レジスト組成物がある。化学増幅系ポジ型レジスト組成物は、遠紫外光などの放射線の照射により露光部に酸を生成させ、この酸を触媒とする反応によって、活性放射線の照射部と非照射部の現像液に対する溶解性を変化させパターンを基板上に形成させるパターン形成材料である。
【0003】
上記ポジ型化学増幅レジストは、アルカリ可溶性樹脂、放射線露光によつて酸を発生する化合物(光酸発生剤)、及び酸分解性基を有するアルカリ可溶性樹脂に対する溶解阻止化合物から成る3成分系と、酸との反応により分解しアルカリ可溶となる基を有する樹脂と光酸発生剤からなる2成分系に大別できる。
これら2成分系あるいは3成分系のポジ型化学増幅レジストにおいては、露光により光酸発生剤からの酸を介在させて、熱処理後現像してレジストパターンを得るものである。
【0004】
ここで、上記のようなポジ型化学増幅レジストにおいて用いられる酸との反応により分解しアルカリ可溶となる基を有する樹脂として、特開平8−123032号公報には、酸分解性基としてアセタール基を含むモノマーと、ヒドロキシスチレンと、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基等がベンゼン環に置換したスチレンとを含有する3元系共重合体が用いられている。しかしながら、この樹脂を、ポジ型化学増幅レジストにおける酸分解性基含有樹脂として用いても、未だ解像力に改良の余地があった。最近、半導体デバイスの高集積化が一層進んでいる現状から、ポジ型化学増幅レジストにおいても一層の高解像度化が望まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、上記従来の技術の課題を解決することであり、詳しくは高解像力を有し、更に感度が高く、優れたレジストパターンが得られるポジ型感光性組成物を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記諸特性に留意し鋭意検討した結果、本発明の目的が、ポジ型化学増幅系において、特定の構造を有する3元系の樹脂と下記の酸を発生する特定の化合物とを用いることで達成されることを見いだした。
即ち、本発明は、下記構成である。
(1) (a)活性光線または放射線の照射により、スルホン酸を発生する下記一般式(A−1)、(A−2)、(A−3)、(A−4)、(A−5)、(A−6)及び(A−7)で表される化合物のうち少なくとも1種、及び
(b)下記一般式(I)、一般式(II)及び一般式(III) で表される構造の繰り返し単位を含む、酸の作用により分解し、アルカリ現像液中での溶解度が増大する樹脂、
を含有することを特徴とするポジ型感光性組成物。
【0007】
【化9】
【0008】
式(A−1)、(A−2)中、R1 〜R5 は各々水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、又は−S−R6 基を示す。R6 はアルキル基、又はアリール基を示す。X- は、分岐状又は環状の炭素数8個以上のアルキル基及びアルコキシ基の群の中から選ばれる基を少なくとも1個有するか、直鎖状、分岐状又は環状の炭素数4〜7個のアルキル基及びアルコキシ基の群の中から選ばれる基を少なくとも2個有するか、もしくは直鎖状又は分岐状の炭素数1〜3個のアルキル基及びアルコキシ基の群の中から選ばれる基を少なくとも3個有するベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸又はアントラセンスルホン酸のアニオンを示す。
【0009】
【化10】
【0010】
式(A−3)中、R7 〜R10は各々水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、又はハロゲン原子を示す。X- は、分岐状又は環状の炭素数8個以上のアルキル基及びアルコキシ基の群の中から選ばれる基を少なくとも1個有するか、直鎖状、分岐状又は環状の炭素数4〜7個のアルキル基及びアルコキシ基の群の中から選ばれる基を少なくとも2個有するか、もしくは直鎖状又は分岐状の炭素数1〜3個のアルキル基及びアルコキシ基の群の中から選ばれる基を少なくとも3個有するベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸又はアントラセンスルホン酸のアニオンを示す。m、n、p及びqは、各々1〜3の整数を示す。
【0011】
【化11】
【0012】
式(A−4)中、R11〜R13は、同じでも異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子又は−S−R6 基を示す。R6 、X- は前記と同義である。
l、m及びnは、同じでも異なってもよく、1〜3の整数を示す。l、m及びnが各々2又は3の場合、2〜3個のR11〜R13のうちの各々の2個が互いに結合して、炭素環、複素環又は芳香環を含む5〜8個の元素から成る環を形成しても良い。
【0013】
【化12】
【0014】
式(A−5)中、R14〜R16は、同じでも異なってもよく、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子又は−S−R6 基を示す。R6 、X- は前記と同義である。l、m及びnは、同じでも異なってもよく、1〜3の整数を示す。l、m及びnが各々2又は3の場合、2〜3個のR14〜R16のうちの各々の2個が互いに結合して、炭素環、複素環又は芳香環を含む5〜8個の元素から成る環を形成しても良い。
【0015】
【化13】
【0016】
式(A−6)中、Yは置換基を有していてもよい直鎖、分岐、環状アルキル基、置換されていてもよいアラルキル基、
【0017】
【化14】
【0018】
で表される基を示す(R31〜R51は同一でも異なっていてもよく水素原子、置換基を有していてもよい直鎖、分岐、環状アルキル基、アルコキシ基、アシル基、アシルアミノ基、スルホニルアミノ基、アリール基、アシロキシ基、アラルキル基もしくはアルコキシカルボニル基、又はホルミル基、ニトロ基、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、水酸基、もしくはシアノ基を示し、R31〜R35、R36〜R42及びR43〜R51はそれぞれの群のうちの2つが結合して炭素及び/又はヘテロ原子からなる5〜8員環を形成していもよい)。また、Yは別のイミドスルホネート化合物の残基と結合していてもよい。
Xは置換基を有していてもよい直鎖、分岐アルキレン基、置換基を有していてもよくヘテロ原子を含んでいてもよい単環又は多環環状アルキレン基、置換されていてもよい直鎖、分岐アルケニレン基、置換されていてもよくヘテロ原子を含んでいてもよい単環又は多環環状アルケニレン基、置換されていてもよいアリーレン基、置換されていてもよいアラルキレン基を示す。また、Xは別のイミドスルホネート残基と結合していてもよい。
Ar1 −SO2 −SO2 −Ar2 (A−7)
式(A−7)中、Ar1 、Ar2 は各々独立に置換もしくは未置換のアリール基を示す。
【0019】
【化15】
【0020】
式(I)〜(III)中、R21は水素原子又はメチル基を表し、R22は酸の作用により分解する基を表し、R23は酸の作用により分解しない基を表し、R24は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アシル基又はアシロキシ基を表す。nは1〜3の整数を表す。
(2) 前記一般式(II)で示される繰り返し構造単位が、下記一般式(II−A)で示される繰り返し構造単位であることを特徴とする前記(1)に記載のポジ型感光性組成物。
【0021】
【化16】
【0022】
式(II−A)中、R52は水素原子、置換されていてもよい直鎖、分岐、環状アルキル基又は置換されていてもよいアラルキル基を表す。Aは、置換されていてもよい直鎖、分岐、環状アルキル基、又は置換されていてもよいアラルキル基を表す。また、AとR52が結合して5〜6員環を形成してもよい。
(3) 酸により分解し得る基を有し、アルカリ現像液中での溶解度が酸の作用により増大する、分子量3000以下の低分子酸分解性溶解阻止化合物を含有することを特徴とする前記(1)又は(2)に記載のポジ型感光性組成物。
【0023】
上記のように、光酸発生剤として上記特定の構造を有する化合物と特定の3種の繰り返し単位を有する樹脂を用いることにより、化学増幅型レジストにおいて、見事に高い解像力が得られ、且つ光感度が高く、優れたレジストパターンが得られた。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に使用する化合物について詳細に説明する。
(a)光酸発生剤
一般式(A−1)〜(A−3)で示される光酸発生剤
前記一般式(A−1)〜(A−3)における、R1 〜R6 及びR7 〜R10のアルキル基としては、置換基を有してもよい、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基のような炭素数1〜4個のものが挙げられる。シクロアルキル基としては、置換基を有してもよい、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基のような炭素数3〜8個のものが挙げられる。アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、ヒドロキシエトキシ基、プロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基のような炭素数1〜4個のものが挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子を挙げることができる。アリール基としては、フェニル基、トリル基、メトキシフェニル基、ナフチル基のような置換基を有してもよい炭素数6〜14個のものが挙げられる。
【0025】
置換基として好ましくは、炭素数1〜4個のアルコキシ基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、沃素原子)、炭素数6〜10個のアリール基、炭素数2〜6個のアルケニル基、シアノ基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、ニトロ基等が挙げられる。
本発明で使用される一般式(A−1)〜(A−3)で表わされるスルホニウム、ヨードニウム化合物は、その対アニオン、X- として、分岐状又は環状の炭素数8個以上、好ましくは10個以上のアルキル基又はアルコキシ基を少なくとも1個以上有するか、直鎖状、分岐状又は環状の炭素数4〜7個のアルキル基又はアルコキシ基を少なくとも2個以上有するか、もしくは直鎖状又は分岐状の炭素数1〜3個のアルキル基又はアルコキシ基を少なくとも3個有するベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸又はアントラセンスルホン酸のアニオンを有する。これにより露光後発生する酸(上記基を有するベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、又はアントラセンスルホン酸)の拡散性が小さくなり、且つ該スルホニウム、ヨードニウム化合物の溶剤溶解性が向上する。特に、拡散性を低減させるという観点からは上記基として直鎖状のアルキル基又はアルコキシ基より、分岐状又は環状のアルキル基又はアルコキシ基の方が好ましい。上記基が1個の場合は、直鎖状と分岐状又は環状との拡散性の差異はより顕著になる。
【0026】
炭素数8個以上、好ましくは炭素数8〜20個のアルキル基としては、分岐状又は環状のオクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、オクタデシル基等が挙げられる。
炭素数8個以上、好ましくは炭素数8〜20個のアルコキシ基としては、分岐状又は環状のオクチルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、ウンデシルオキシ基、ドデシルオキシ基、トリデシルオキシ基、テトラデシルオキシ基、オクタデシルオキシ基等が挙げられる。
炭素数4〜7個のアルキル基としては、直鎖状、分岐状又は環状のブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基等が挙げられる。
炭素数4〜7個のアルコキシ基としては、直鎖状、分岐状又は環状のブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基等が挙げられる。炭素数1〜3個のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基が挙げられる。
炭素数1〜3個のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基が挙げられる。
【0027】
また、X- で表される芳香族スルホン酸には、上記特定の置換基以外に、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子)、炭素数6〜10個のアリール基、シアノ基、スルフィド基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ニトロ基等を置換基として含有してもよい。
【0028】
以下に、これらの化合物の具体例(A−1−1)〜(A−1−59)、(A−2−1)〜(A−2−53)、(A−3−1)〜(A−3−35)を示すが、これに限定されるものではない。
【0029】
【化17】
【0030】
【化18】
【0031】
【化19】
【0032】
【化20】
【0033】
【化21】
【0034】
【化22】
【0035】
【化23】
【0036】
【化24】
【0037】
【化25】
【0038】
【化26】
【0039】
【化27】
【0040】
【化28】
【0041】
【化29】
【0042】
【化30】
【0043】
【化31】
【0044】
【化32】
【0045】
【化33】
【0046】
【化34】
【0047】
【化35】
【0048】
【化36】
【0049】
【化37】
【0050】
【化38】
【0051】
【化39】
【0052】
【化40】
【0053】
【化41】
【0054】
【化42】
【0055】
尚、具体例中、nは直鎖、sは第2級、tは第3級、iは分岐であることを示す。
一般式(A−1)〜(A−3)で表される化合物は、例えば対応するCl- 塩(一般式(A−1)〜(A−3)でX- をCl- で置換した化合物)と、X- Y+ で表わされる化合物(X- は一般式(A−1)〜(A−3)の場合と同義、Y+ はH+ 、Na+ 、K+ 、NH4 + 、N(CH3)4 + 等のカチオンを示す。)とを水溶液中で塩交換させることにより合成できる。
【0056】
一般式(A−4)、(A−5)で示される光酸発生剤
一般式(A−4)、(A−5)において、R11〜R13、R14〜R16におけるアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子は前記R1 〜R5 のものと同様のものを具体例として挙げることができる。R6 、X- は、前記と同義である。
【0057】
また、l、m、nが各々2又は3の場合、2又は3個のR11〜R13あるいはR14〜R16のうちの各々の2個が互いに結合して、炭素環、複素環又は芳香環を含む5〜8個の元素からなる環を形成してもよい。
【0058】
以下に、一般式(A−4)で表される化合物の具体例(A−4−1)〜(A−4−28)、一般式(A−5)で表される化合物の具体例(A−5−1)〜(A−5−30)を示すが、これに限定されるものではない。
【0059】
【化43】
【0060】
【化44】
【0061】
【化45】
【0062】
【化46】
【0063】
【化47】
【0064】
【化48】
【0065】
【化49】
【0066】
【化50】
【0067】
【化51】
【0068】
【化52】
【0069】
【化53】
【0070】
【化54】
【0071】
尚、具体例中、nは直鎖、sは第2級、tは第3級、iは分岐であることを示す。
一般式(A−4)、(A−5)で表される化合物は、例えば対応するCl- 塩(一般式(A−4)、(A−5)でX- をCl- で置換した化合物)と、X- Y+ で表わされる化合物(X- は一般式(A−4)、(A−5)の場合と同義、Y+ はH+ 、Na+ 、K+ 、NH4 + 、N(CH3)4 + 等のカチオンを示す。)とを水溶液中で塩交換させることにより合成できる。
【0072】
一般式(A−6)で表される光酸発生剤
前記一般式(A−6)におけるY及びR31〜R51の直鎖、分岐、環状アルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、t-ブチル基、ヘキシル基、オクチル基のような炭素数1〜20個の直鎖又は分岐アルキル基及びシクロプロピル基、シクロペンチル基又はシクロヘキシル基等の環状アルキル基が挙げられる。アルキル基の好ましい置換基としてはアルコキシ基、アシル基、アシロキシ基、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。
【0073】
また、Yのアラルキル基としてはベンジル基もしくはフェネチル基のような炭素数7〜12個のアラルキル基が挙げられる。アラルキル基の好ましい置換基としては、炭素数1〜4の低級アルキル基、炭素数1〜4の低級アルコキシ基、ニトロ基、アセチルアミノ基、ハロゲン原子などが挙げられる。
【0074】
R31〜R51のアルコキシ基としてはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基、t-ブトキシ基、オクチルオキシ基、ドデシルオキシ基のような炭素数1〜20個のアルコキシ基又はエトキシエトキシ基などの置換基を有するアルコキシ基が挙げられる。アシル基としてはアセチル基、プロピオニル基、ベンゾイル基などが挙げられる。アシルアミノ基としてはアセチルアミノ基、プロピオニルアミノ基、ベンゾイルアミノ基などが挙げられる。スルホニルアミノ基としてはメタンスルホニルアミノ基、エタンスルホニルアミノ基など炭素数1〜4個のスルホニルアミノ基、p−トルエンスルホニルアミノ基のような置換または無置換のベンゼンスルホニルアミノ基があげられる。アリール基としてはフェニル基、トリル基、ナフチル基などが挙げられる。アルコキシカルボニル基としてはメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、エトキシエトキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、ドデシルオキシカルボニル基などの炭素数2〜20個のアルコキシカルボニル基があげられる。
【0075】
アシロキシ基としてはアセトキシ基、プロパノイルオキシ基、オクタノイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基のような炭素数2〜20個のアシロキシ基があげられる。
アラルキル基としては置換または無置換ベンジル基、置換または無置換フェネチル基などの炭素数7〜15個のアラルキル基があげられる。アラルキル基の好ましい置換基としては前記にあげたものと同じものがあげられる。
【0076】
R31〜R51においては、R31〜R35、R36〜R42及びR43〜R51はそれぞれの群のうちの2つが結合して炭素及び/又はヘテロ原子からなる5〜8員環を形成していもよい。このような5〜8員環としては、例えばシクロヘキサン、ピリジン、フラン又はピロリジンがあげられる。
また、X、Yは別のイミドスルホネート化合物の残基と結合していてもよく、2量体、3量体を形成していても良い。別のイミドスルホネートとしては、一般式(A−6)で表される化合物で、X又はYのところで1価の基になったものがあげられる。
【0077】
Xのアルキレン基としては、直鎖又は分岐の炭素数1〜10個のアルキレン基あるいはヘテロ原子を含んでいてもよい単環又は多環の環状アルキレン基が挙げられる。直鎖又は分岐のアルキレン基としてはメチレン基、エチレン基、プロピレン基又はオクチレン基などがあげられる。アルキレン基の好ましい置換基としてはアルコキシ基、アシル基、ホルミル基、ニトロ基、アシルアミノ基、スルホニルアミノ基、ハロゲン原子、アリール基、アルコキシカルボニル基が挙げられる。ここで挙げたアルコキシ基、アシル基、ニトロ基、アシルアミノ基、スルホニルアミノ基、アリール基、アルコキシカルボニル基はR31〜R51で挙げたものと同義である。ハロゲン原子としてはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を挙げることができる。
【0078】
環状アルキレン基としてはシクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、などの炭素数4〜8個の単環シクロアルキレン基、7−オキサビシクロ〔2,2,1〕ヘプチレン基などの炭素数5〜15個の多環シクロアルキレン基が挙げられ、シクロアルキレン基の好ましい置換基としては、炭素数1〜4個のアルキル基、アルコキシ基、アシル基、ホルミル基、ニトロ基、アシルアミノ基、スルホニルアミノ基、ハロゲン原子、アリール基、アルコキシカルボニル基が挙げられる。ここで挙げたアルコキシ基、アシル基、ニトロ基、アシルアミノ基、スルホニルアミノ基、アリール基、アルコキシカルボニル基はR31〜R51で挙げたものと同義である。ハロゲン原子としてはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を挙げることができる。
【0079】
アリーレン基としてはフェニレン基、ナフチレン基等が挙げられる。アリーレン基の好ましい置換基としてはアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アシル基、ホルミル基、ニトロ基、アシルアミノ基、スルホニルアミノ基、ハロゲン原子、アリール基、アルコキシカルボニル基が挙げられる。ここで挙げたアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アシル基、ホルミル基、ニトロ基、アシルアミノ基、スルホニルアミノ基、アリール基、アルコキシカルボニル基はR31〜R51で挙げたものと同義である。ハロゲン原子としてはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を挙げることができる。
【0080】
アルケニレン基としては炭素数2〜4個のアルケニレン基があげられ、例えばエテニレン基、ブテニレン基等が挙げられ、アルケニレン基の好ましい置換基としてはアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アシル基、ホルミル基、ニトロ基、アシルアミノ基、スルホニルアミノ基、ハロゲン原子、アリール基、アルコキシカルボニル基が挙げられる。ここで挙げたアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アシル基、ホルミル基、ニトロ基、アシルアミノ基、スルホニルアミノ基、アリール基、アルコキシカルボニル基はR31〜R51で挙げたものと同義である。ハロゲン原子としてはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を挙げることができる。
環状アルケニレン基としてはシクロぺンテニレン基、シクロヘキセニレン基、などの炭素数4〜8個の単環シクロアルケニレン基、7−オキサビシクロ〔2,2,1〕ヘプテニレン基、ノルボルネニレン基などの炭素数5〜15個の多環シクロアルケニレン基が挙げられる。
アラルキレン基としては、トリレン基、キシリレン基などが挙げられ、その置換基としてはアリーレン基で挙げた置換基をあげることができる。
以下に、これらの一般式(A−6)で表される化合物の具体例(A−6−1)〜(A−6−49)を示すが、これに限定されるものではない。
【0081】
【化55】
【0082】
【化56】
【0083】
【化57】
【0084】
【化58】
【0085】
【化59】
【0086】
【化60】
【0087】
【化61】
【0088】
【化62】
【0089】
【化63】
【0090】
一般式(A−6)で表される化合物は、G.F.Jaubert 著、Ber.. 28,360(1895)の方法、D.E.Ames等著、J.Chem.Soc..3518(1955)の方法、あるいはM.A.Stolberg等著、J.Am. Chem.Soc..79,2615(1957) の方法等に従い合成されたN−ヒドロキシイミド化合物とスルホン酸クロリドとを塩基性条件下、例えばL.Bauer 等著、J.Org.Chem..24,1294(1959) の方法に従い合成することが可能である。
【0091】
一般式(A−7)で表される光酸発生剤
一般式(A−7)中、Ar1 、Ar2 は各々独立に置換もしくは未置換のアリール基を示す。
ここで、アリール基としては、フェニル基、トリル基、ナフチル基などが挙げられる。アリール基の置換基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アシル基、ホルミル基、ニトロ基、アシルアミノ基、スルホニルアミノ基、ハロゲン原子、アリール基、アルコキシカルボニル基が挙げられる。ここで挙げたアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アシル基、ホルミル基、ニトロ基、アシルアミノ基、スルホニルアミノ基、アリール基、アルコキシカルボニル基は上記R31〜R51で挙げたものと同義である。ハロゲン原子としてはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を挙げることができる。
一般式(A−7)で表される光酸発生剤の具体例としては以下に示す化合物(A−7−1)〜(A−7−14)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0092】
【化64】
【0093】
【化65】
【0094】
上記一般式(A−7)で表される光酸発生剤の合成としては、ジー.シー.デンサー.ジュニア.ら著「ジャーナル オブ オルガニックケミストリー」(G.C. Denser, Jr. ら著、「Journal of Organic Chemistry」) 31、3418〜3419 (1966) 記載の方法、テー.ピー.ヒルドイッチ著「ジャーナル オブ ザ ケミカル ソサイアティ」(T.P. Hilditch著「Journal of the Chemical Society 」) 93、1524〜1527 (1908) 記載の方法、あるいはオー.ヒンズベルク著「ベリヒテ デア ドイチェン ヘミシエ ゲゼルシャフト」(O. Hinsberg著、「Berichte der Deutschen Chemischen Gesellschaft」)49、2593〜2594(1918)記載の方法等にしたがい合成できる。すなわち、硫酸水溶液中において、硫酸コバルトを用い、一般式(a)で示されるスルフィン酸より合成する方法、キサントゲン酸エチルを用い、一般式(b)で示されるスルホン酸クロリドより合成する方法、あるいは塩基性条件下、一般式(a)で示されるスルフィン酸と一般式(b)で示されるスルホン酸クロリドとを合成する方法等が挙げられる。
Ar1 −SO2H (a)
Ar2 −SO2Cl (b)
(ここで、Ar1 、Ar2 は一般式(A−7)で定義されたものと同一の意味である。)
【0095】
本発明においては、上記一般式(A−1)〜(A−7)で表される光酸発生剤のうち、一般式(A−1)〜(A−5)で表される光酸発生剤が好ましく、より好ましくは一般式(A−1)〜(A−4)で表される光酸発生剤である。これにより、解像度、感度が一層優れるようになる。
一般式(A−1)〜(A−7)で表される化合物の組成物中の含量は、全組成物の固形分に対し、0.1〜20重量%が好ましく、より好ましくは0.5〜10重量%、更に好ましくは1〜7重量%である。
【0096】
(b)上記一般式(I)、(II)及び(III) で表される構造の繰り返し単位を含み、酸の作用により分解し、アルカリ現像液中での溶解度が増大する樹脂
R22における酸の作用により分解する基としては、即ち、−COO−A0 、−O−B0 基を含む基としては、−R0 −COO−A0 、又は−Ar−O−B0 で示される基が挙げられる。
ここでA0 は、−C(R01)(R02)(R03)、−Si(R01)(R02)(R03)もしくは−C(R04)(R05)−O−R06基を示す。B0 は、A0 又は−CO−O−A0 基を示す。
R01、R02、R03、R04及びR05は、それぞれ同一でも相異していても良く、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基もしくはアリール基を示し、R06はアルキル基もしくはアリール基を示す。但し、R01〜R03の内少なくとも2つは水素原子以外の基であり、又、R01〜R03、及びR04〜R06の内の2つの基が結合して環を形成してもよい。R0 は置換基を有していても良い2価以上の脂肪族もしくは芳香族炭化水素基を示し、−Ar−は単環もしくは多環の置換基を有していても良い2価以上の芳香族基を示す。
【0097】
ここで、アルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基の様な炭素数1〜4個のものが好ましく、シクロアルキル基としてはシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基の様な炭素数3〜10個のものが好ましく、アルケニル基としてはビニル基、プロペニル基、アリル基、ブテニル基の様な炭素数2〜4個のものが好ましく、アリール基としてはフエニル基、キシリル基、トルイル基、クメニル基、ナフチル基、アントラセニル基の様な炭素数6〜14個のものが好ましい。
また、置換基としては水酸基、ハロゲン原子(フツ素、塩素、臭素、ヨウ素)、ニトロ基、シアノ基、上記のアルキル基、メトキシ基・エトキシ基・ヒドロキシエトキシ基・プロポキシ基・ヒドロキシプロポキシ基・n−ブトキシ基・イソブトキシ基・sec−ブトキシ基・t−ブトキシ基等のアルコキシ基、メトキシカルボニル基・エトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基、ベンジル基・フエネチル基・クミル基等のアラルキル基、アラルキルオキシ基、ホルミル基・アセチル基・ブチリル基・ベンゾイル基・シアナミル基・バレリル基等のアシル基、ブチリルオキシ基等のアシロキシ基、上記のアルケニル基、ビニルオキシ基・プロペニルオキシ基・アリルオキシ基・ブテニルオキシ基等のアルケニルオキシ基、上記のアリール基、フエノキシ基等のアリールオキシ基、ベンゾイルオキシ基等のアリールオキシカルボニル基を挙げることができる。
【0098】
酸により分解しうる基として、好ましくは、シリルエーテル基、クミルエステル基、アセタール基、テトラヒドロピラニルエーテル基、エノールエーテル基、エノールエステル基、第3級のアルキルエーテル基、第3級のアルキルエステル基、第3級のアルキルカーボネート基等である。
酸分解性基としては、更に好ましくは、アセタール基である。
【0099】
R23における酸の作用により分解しない基(酸安定基ともいう)としては、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基、アルキルオキシ基(但し、−O−第3級アルキルは除く)、アシル基、シクロアルキルオキシ基、アルケニルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルカルボニルオキシ基、アルキルアミドメチルオキシ基、アルキルアミド基、アリールアミドメチル基、アリールアミド基等が挙げられる。酸安定基としては、好ましくはアシル基、アルキルカルボニルオキシ基、アルキルオキシ基、シクロアルキルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルアミドオキシ基、アルキルアミド基であり、より好ましくはアシル基、アルキルカルボニルオキシ基、アルキルオキシ基、シクロアルキルオキシ基、アリールオキシ基である。
【0100】
R23の酸安定基において、アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基の様な炭素数1〜4個のものが好ましく、シクロアルキル基としてはシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基の様な炭素数3〜10個のものが好ましく、アルケニル基としてはビニル基、プロペニル基、アリル基、ブテニル基の様な炭素数2〜4個のものが好ましく、アルケニル基としてはビニル基、プロペニル基、アリル基、ブテニル基の様な炭素数2〜4個のものが好ましく、アリール基としてはフエニル基、キシリル基、トルイル基、クメニル基、ナフチル基、アントラセニル基の様な炭素数6〜14個のものが好ましい。アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、ヒドロキシエトキシ基、プロポキシ基、ヒドロキシプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基等の炭素数1〜4個のアルコキシ基が好ましい。
【0101】
上記R24におけるハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、沃素が好ましく、アルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ヘキシル、オクチル等のような炭素数1〜8個のものが好ましく、アリール基としては、フェニル、キシリル、トルイル、クメニル、ナフチル、アントラセニル等のような炭素数6〜14のものが好ましい。アルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、ヒドロキシエトキシ、プロポキシ、ヒドロキシプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、t−ブトキシ等のような炭素数1〜4個のものが好ましく、アシル基としては、ホルミル、アセチル、プロパノイル、ブタノイル、ベンゾイル等の炭素数1〜7のものが好ましく、アシロキシ基としては、アセトキシ、プロプノイルオキシ、ブタノイルオキシ、ベンゾイルオキシ等の炭素数2〜7個のものが好ましい。
【0102】
前記一般式(II)で表される構造の繰り返し単位としては、前記一般式(II−A)で示される繰り返し単位が好ましい。一般式(II−A)おけるA基、R52の直鎖、分岐、環状のアルキル基、及び置換されていても良いアラルキル基としては一般式(A−6)におけるY及びR31〜R51と同義のアルキル基及び置換されていても良いアラルキル基を示し、アラルキル基の好ましい置換基も同義である。
AとR52が結合して5〜6員環を形成している例としてはテトラヒドロピラン環、フラン環などを挙げることができる。
【0103】
これら一般式(I)〜(III) で示される繰り返し単位を含む樹脂は、例えば以下に示す方法により合成される。
即ち、一般式(I)で示される構造単位に由来する重合性モノマーを単独重合又は共重合させて得られたた樹脂中のOH基を、一般式(II)のR23で示される基、更に一般式(III) のR23で示される基になるように修飾、変換する方法、並びに一般式(I)で示される重合性モノマーと、一般式(II)で示される重合性モノマーと、一般式(III) で示される重合性モノマーとを共重合する方法、また更に、一般式(II)、(III) で示される重合性モノマーを単独重合又は共重合した後、R22、R23の一部を加水分解して一般式(I)の構造に変換する方法により合成できる。
【0104】
具体的には、上記一般式(I)で示される重合性モノマーを適当な溶媒及び触媒を用い、例えば、特開平2−25850号、同3−223860号、同4−211258号、同5−249682号等に記載されたラジカル重合法で単独重合又は他の重合性モノマーと共重合させた後、得られた樹脂中のOH基を例えば、特開昭60−52845号、特開平5−19482号、同4−219757号、同4−251259号、同5−249682号、同4−211258号、同5−181279号、同6−83059号、同6−194841号等に記載の方法により、R22、R23の基に修飾、変換する方法により合成される。また、一般式(I)、(II)、(III) 及び必要に応じて他の重合性モノマーを上記ラジカル重合法等で、共重合させることにより合成される。また、一般式(II)及び/又は(III) 及び必要に応じて他の重合性モノマーを上記ラジカル重合法、又は特開平4−350657号、同4−350658号、同6−41221号、同6−41222号、同6−65332号、同6−65333号等に記載されたリビングアニオン重合法で単独重合または共重合させた後、R22及び/又はR23の基の一部を加水分解して一般式(I)の構造に変換する方法、更に引き続き含量調整のため、再度R22及び/又はR23の基に修飾、変換する方法により合成される。
【0105】
このような一般式(I)で示される重合性モノマーの具体例としては、以下に示すものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0106】
【化66】
【0107】
【化67】
【0108】
一般式(II)で示される重合性モノマーの具体例としては、上記化合物例(I−1)〜(I−23)のOH基を以下の基で置換したものが挙げられる。
【0109】
【化68】
【0110】
また、一般式(III) で示される重合性モノマーの具体例としては、以下のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0111】
【化69】
【0112】
【化70】
【0113】
本発明において、酸の作用により分解し、アルカリ現像液中での溶解度を増大させる基を有する樹脂は、一般式(I)、(II)及び(III) で表される構造単位の他に共重合成分として他のモノマー単位を含んでいてもよい。
【0114】
本発明で用いる樹脂は、アルカリ溶解速度調整及び耐熱姓向上のために合成段階においてポリヒドロキシ化合物を添加して、ポリマー主鎖を多官能アセタール基で連結する架橋部位を導入しても良い。
ポリヒドロキシ化合物の添加量は樹脂の水酸基の数に対して、0.01〜10 mol%、好ましくは0.05〜8 mol%、更に好ましくは0.1〜5 mol%である。
ポリヒドロキシ化合物としては、フェノール性水酸基あるいアルコール性水酸基を2〜6個持つものがあげられ、好ましくは水酸基の数が2〜4個であり、更に好ましくは水酸基の数が2または3個である。以下に具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0115】
【化71】
【0116】
一般式(I)〜(III) で示される重合性モノマー又は他の重合性モノマーは、各々一種、又は二種以上を組み合わせて使用することができる。
樹脂における一般式(I)で示されるモノマー成分の含量は好ましくは30〜90モル%、より好ましくは40〜85モル%、更に好ましくは50〜80モル%である。
樹脂における一般式(II)で示されるモノマー成分の含量は好ましくは3〜40モル%、より好ましくは5〜40モル%、更に好ましくは10〜40モル%である。
樹脂における一般式(III) で示されるモノマー成分の含量は好ましくは5〜40モル%、より好ましくは7〜35モル%、更に好ましくは7〜30モル%である。
また共重合体においては、アルカリ現像液に対する良好な現像性を維持する為にアルカリ可溶性基、例えばフェノール性水酸基、カルボキシル基が導入され得るように他の重合性モノマーを選択することができる。
【0117】
上記の方法によって合成される本発明に係わる上記一般式(I)〜(III) のモノマー成分を有する樹脂の分子量は重量平均(Mw:ポリスチレン標準)で2,000以上、好ましくは3,000〜200,000であり、より好ましくは5,000〜70,000である。また、分散度(Mw/Mn)は、好ましくは1.0〜4.0、より好ましくは1.0〜2.0、特に好ましくは1.0〜1.6であり、分散度が小さい程、耐熱性、画像形成性(パターンプロファイル、デフォーカスラチチュード等)が良好となる。
上記一般式(I)〜(III) のモノマー成分を有する樹脂の感光性組成物中(塗布溶媒を除く)の添加量としては、好ましくは50〜99重量%、更に好ましくは70〜97重量%である。
これらの一般式(I)〜(III) のモノマー成分を有する樹脂の具体例を以下に示すが、本発明がこれらに限定されるものではない。
【0118】
【化72】
【0119】
【化73】
【0120】
【化74】
【0121】
【化75】
【0122】
【化76】
【0123】
【化77】
【0124】
上記、本発明における樹脂以外に酸分解性基を有する樹脂を併用してもよい。本発明における化学増幅型レジストにおいて用いられる他の酸により分解し、アルカリ現像液中での溶解性を増大させる基を有する樹脂としては、樹脂の主鎖または側鎖、あるいは、主鎖及び側鎖の両方に、酸で分解し得る基を有する樹脂である。この内、酸で分解し得る基を側鎖に有する樹脂がより好ましい。
酸で分解し得る基として好ましい基は、−COOA0 、−O−B0 基であり、更にこれらを含む基としては、−R0 −COOA0 、又は−Ar −O−B0 で示される基が挙げられる。
ここでA0 は、−C(R01)(R02)(R03)、−Si(R01)(R02)(R03)もしくは−C(R04)(R05)−O−R06基を示す。B0 は、−A0 又は−CO−O−A0 基を示す(R0 、R01〜R06、及びArは後述のものと同義)。
【0125】
酸分解性基としては好ましくは、シリルエーテル基、クミルエステル基、アセタール基、テトラヒドロピラニルエーテル基、テトラヒドロピラニルエステル基、エノールエーテル基、エノールエステル基、第3級のアルキルエーテル基、第3級のアルキルエステル基、第3級のアルキルカーボネート基等である。更に好ましくは、第3級アルキルエステル基、第3級アルキルカーボネート基、クミルエステル基、アセタール基、テトラヒドロピラニルエーテル基である。
【0126】
次に、これら酸で分解し得る基が側鎖として結合する場合の母体樹脂としては、側鎖に−OHもしくは−COOH、好ましくは−R0 −COOHもしくは−Ar −OH基を有するアルカリ可溶性樹脂である。例えば、後述するアルカリ可溶性樹脂を挙げることができる。
【0127】
これらアルカリ可溶性樹脂のアルカリ溶解速度は、0.261Nテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)で測定(23℃)して170A/秒以上のものが好ましい。特に好ましくは330A/秒以上のものである(Aはオングストローム)。
また、矩形プロファイルを達成する点から遠紫外光やエキシマレーザー光に対する透過率が高いアルカリ可溶性樹脂が好ましい。好ましくは、1μm膜厚の248nmでの透過率が20〜90%である。
このような観点から、特に好ましいアルカリ可溶性樹脂は、o−,m−,p−ポリ(ヒドロキシスチレン)及びこれらの共重合体、水素化ポリ(ヒドロキシスチレン)、ハロゲンもしくはアルキル置換ポリ(ヒドロキシスチレン)、ポリ(ヒドロキシスチレン)の一部、O−アルキル化もしくはO−アシル化物、スチレン−ヒドロキシスチレン共重合体、α−メチルスチレン−ヒドロキシスチレン共重合体及び水素化ノボラック樹脂である。
【0128】
本発明に用いられる酸で分解し得る基を有する樹脂は、アルカリ可溶性樹脂に酸で分解し得る基の前駆体を反応させる、もしくは、酸で分解し得る基の結合したアルカリ可溶性樹脂モノマーを種々のモノマーと共重合して得ることができる。
【0129】
上記光酸発生剤、酸で分解し得る基を有する樹脂とともに、後記する酸分解性低分子溶解阻止化合物を混合することが好ましい。
本発明に用いられる酸分解性溶解阻止化合物としては、その構造中に酸で分解し得る基を少なくとも2個有し、該酸分解性基間の距離が最も離れた位置において、酸分解性基を除く結合原子を少なくとも8個経由する化合物である。
本発明において、好ましくは酸分解性溶解阻止化合物は、その構造中に酸で分解し得る基を少なくとも2個有し、該酸分解性基間の距離が最も離れた位置において、酸分解性基を除く結合原子を少なくとも10個、好ましくは少なくとも11個、更に好ましくは少なくとも12個経由する化合物、又は酸分解性基を少なくとも3個有し、該酸分解性基間の距離が最も離れた位置において、酸分解性基を除く結合原子を少なくとも9個、好ましくは少なくとも10個、更に好ましくは少なくとも11個経由する化合物である。又、上記結合原子の好ましい上限は50個、更に好ましくは30個である。
本発明において、酸分解性溶解阻止化合物が、酸分解性基を3個以上、好ましくは4個以上有する場合、又酸分解性基を2個有するものにおいても、該酸分解性基が互いにある一定の距離以上離れている場合、アルカリ可溶性樹脂に対する溶解阻止性が著しく向上する。
なお、本発明における酸分解性基間の距離は、酸分解性基を除く、経由結合原子数で示される。例えば、以下の化合物(1),(2)の場合、酸分解性基間の距離は、各々結合原子4個であり、化合物(3)では結合原子12個である。
【0130】
【化78】
【0131】
また、本発明の酸分解性溶解阻止化合物は、1つのベンゼン環上に複数個の酸分解性基を有していても良いが、好ましくは、1つのベンゼン環上に1個の酸分解性基を有する骨格から構成される化合物である。更に、本発明の酸分解性溶解阻止化合物の分子量は3,000以下であり、好ましくは500〜3,000、更に好ましくは1,000〜2,500である。
【0132】
本発明の好ましい実施態様においては、酸により分解し得る基、即ち−COO−A0 、−O−B0 基を含む基としては、−R0 −COO−A0 、又は−Ar−O−B0 で示される基が挙げられる。
ここでA0 は、−C(R01)(R02)(R03)、−Si(R01)(R02)(R03)もしくは−C(R04)(R05)−O−R06基を示す。B0 は、A0 又は−CO−O−A0 基を示す。
R01、R02、R03、R04及びR05は、それぞれ同一でも相異していても良く、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基もしくはアリール基を示し、R06はアルキル基もしくはアリール基を示す。但し、R01〜R03の内少なくとも2つは水素原子以外の基であり、又、R01〜R03、及びR04〜R06の内の2つの基が結合して環を形成してもよい。R0 は置換基を有していても良い2価以上の脂肪族もしくは芳香族炭化水素基を示し、−Ar−は単環もしくは多環の置換基を有していても良い2価以上の芳香族基を示す。
【0133】
ここで、アルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基の様な炭素数1〜4個のものが好ましく、シクロアルキル基としてはシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基の様な炭素数3〜10個のものが好ましく、アルケニル基としてはビニル基、プロペニル基、アリル基、ブテニル基の様な炭素数2〜4個のものが好ましく、アリール基としてはフエニル基、キシリル基、トルイル基、クメニル基、ナフチル基、アントラセニル基の様な炭素数6〜14個のものが好ましい。
また、置換基としては水酸基、ハロゲン原子(フツ素、塩素、臭素、ヨウ素)、ニトロ基、シアノ基、上記のアルキル基、メトキシ基・エトキシ基・ヒドロキシエトキシ基・プロポキシ基・ヒドロキシプロポキシ基・n−ブトキシ基・イソブトキシ基・sec−ブトキシ基・t−ブトキシ基等のアルコキシ基、メトキシカルボニル基・エトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基、ベンジル基・フエネチル基・クミル基等のアラルキル基、アラルキルオキシ基、ホルミル基・アセチル基・ブチリル基・ベンゾイル基・シアナミル基・バレリル基等のアシル基、ブチリルオキシ基等のアシロキシ基、上記のアルケニル基、ビニルオキシ基・プロペニルオキシ基・アリルオキシ基・ブテニルオキシ基等のアルケニルオキシ基、上記のアリール基、フエノキシ基等のアリールオキシ基、ベンゾイルオキシ基等のアリールオキシカルボニル基を挙げることができる。
【0134】
酸により分解しうる基として、好ましくは、シリルエーテル基、クミルエステル基、アセタール基、テトラヒドロピラニルエーテル基、エノールエーテル基、エノールエステル基、第3級のアルキルエーテル基、第3級のアルキルエステル基、第3級のアルキルカーボネート基等である。更に好ましくは、第3級アルキルエステル基、第3級アルキルカーボネート基、クミルエステル基、テトラヒドロピラニルエーテル基である。
【0135】
酸分解性溶解阻止化合物としては、好ましくは、特開平1−289946号、特開平1−289947号、特開平2−2560号、特開平3−128959号、特開平3−158855号、特開平3−179353号、特開平3−191351号、特開平3−200251号、特開平3−200252号、特開平3−200253号、特開平3−200254号、特開平3−200255号、特開平3−259149号、特開平3−279958号、特開平3−279959号、特開平4−1650号、特開平4−1651号、特開平4−11260号、特開平4−12356号、特開平4−12357号、特願平3−33229号、特願平3−230790号、特願平3−320438号、特願平4−25157号、特願平4−52732号、特願平4−103215号、特願平4−104542号、特願平4−107885号、特願平4−107889号、同4−152195号等の明細書に記載されたポリヒドロキシ化合物のフエノール性OH基の一部もしくは全部を上に示した基、−R0 −COO−A0 もしくはB0 基で結合し、保護した化合物が含まれる。
【0136】
更に好ましくは、特開平1−289946号、特開平3−128959号、特開平3−158855号、特開平3−179353号、特開平3−200251号、特開平3−200252号、特開平3−200255号、特開平3−259149号、特開平3−279958号、特開平4−1650号、特開平4−11260号、特開平4−12356号、特開平4−12357号、特願平4−25157号、特願平4−103215号、特願平4−104542号、特願平4−107885号、特願平4−107889号、同4−152195号の明細書に記載されたポリヒドロキシ化合物を用いたものが挙げられる。
【0137】
より具体的には、一般式[I]〜[XVI]で表される化合物が挙げられる。
【0138】
【化79】
【0139】
【化80】
【0140】
【化81】
【0141】
【化82】
【0142】
R101 、R102 、R108 、R130 :同一でも異なっていても良く、水素原子、−R0−COO−C(R01)(R02)(R03)又は−CO−O−C(R01)(R02)(R03)、但し、R0、R01、R02及びR03の定義は前記と同じである。
【0143】
R100 :−CO−,−COO−,−NHCONH−,−NHCOO−,−O−、−S−,−SO−,−SO2−,−SO3−,もしくは
【0144】
【化83】
【0145】
ここで、G=2〜6 但し、G=2の時はR150 、R151 のうち少なくとも一方はアルキル基、
R150 、R151 :同一でも異なっていても良く、水素原子,アルキル基,アルコキシ基、−OH,−COOH,−CN,ハロゲン原子,−R152 −COOR153 もしくは−R154 −OH、
R152 、R154 :アルキレン基、
R153 :水素原子,アルキル基,アリール基,もしくはアラルキル基、
R99、R103 〜R107 、R109 、R111 〜R118 、R121 〜R123 、R128 〜R129 、R131 〜R134 、R138 〜R141 及びR143 :同一でも異なっても良く、水素原子,水酸基,アルキル基,アルコキシ基,アシル基,アシロキシ基,アリール基,アリールオキシ基,アラルキル基,アラルキルオキシ基,ハロゲン原子,ニトロ基,カルボキシル基,シアノ基,もしくは−N(R155)(R156)(R155、R156:H,アルキル基,もしくはアリール基)
R110 :単結合,アルキレン基,もしくは
【0146】
【化84】
【0147】
R157 、R159 :同一でも異なっても良く、単結合,アルキレン基,−O−,−S−,−CO−,もしくはカルボキシル基、
R158 :水素原子,アルキル基,アルコキシ基,アシル基,アシロキシ基,アリール基,ニトロ基,水酸基,シアノ基,もしくはカルボキシル基、但し、水酸基が酸分解性基(例えば、t−ブトキシカルボニルメチル基、テトラヒドロピラニル基、1−エトキシ−1−エチル基、1−t−ブトキシ−1−エチル基)で置き換ってもよい。
【0148】
R119 、R120 :同一でも異なっても良く、メチレン基,低級アルキル置換メチレン基,ハロメチレン基,もしくはハロアルキレン基、但し本願において低級アルキル基とは炭素数1〜4のアルキル基を指す、
R124 〜R127 :同一でも異なっても良く、水素原子もしくはアルキル基、
R135 〜R137 :同一でも異なっても良く、水素原子,アルキル基,アルコキシ基,アシル基,もしくはアシロキシ基、
R142 :水素原子,−R0−COO−C(R01)(R02)(R03)又は−CO−O−C(R01)(R02)(R03)、もしくは
【0149】
【化85】
【0150】
R144 、R145 :同一でも異なっても良く、水素原子,低級アルキル基,低級ハロアルキル基,もしくはアリール基、
R146 〜R149 :同一でも異なっていても良く、水素原子,水酸基,ハロゲン原子,ニトロ基,シアノ基,カルボニル基,アルキル基,アルコキシ基,アルコキシカルボニル基,アラルキル基,アラルキルオキシ基,アシル基,アシロキシ基,アルケニル基,アルケニルオキシ基,アリール基,アリールオキシ基,もしくはアリールオキシカルボニル基、但し、各4個の同一記号の置換基は同一の基でなくても良い、
Y:−CO−,もしくは−SO2−、
Z,B:単結合,もしくは−O−、
A:メチレン基,低級アルキル置換メチレン基,ハロメチレン基,もしくはハロアルキレン基、
E:単結合,もしくはオキシメチレン基、
a〜z,a1〜y1:複数の時、()内の基は同一または異なっていてもよい、
a〜q、s,t,v,g1〜i1,k1〜m1,o1,q1,s1,u1:0もしくは1〜5の整数、
r,u,w,x,y,z,a1〜f1,p1,r1,t1,v1〜x1:0もしくは1〜4の整数、
j1,n1,z1,a2,b2,c2,d2:0もしくは1〜3の整数、
z1,a2,c2,d2のうち少なくとも1つは1以上、
y1:3〜8の整数、
(a+b),(e+f+g),(k+l+m),(q+r+s),(w+x+y),(c1+d1),(g1+h1+i1+j1),(o1+p1),
(s1+t1)≧2、
(j1+n1)≦3、
(r+u),(w+z),(x+a1),(y+b1),(c1+e1),(d1+f1),(p1+r1),(t1+v1),(x1+w1)≦4、但し一般式[V]の場合は(w+z),(x+a1)≦5、
(a+c),(b+d),(e+h),(f+i),(g+j),(k+n),(l+o),(m+p),(q+t),(s+v),(g1+k1),
(h1+l1),(i1+m1),(o1+q1),(s1+u1)≦5、
を表す。
【0151】
【化86】
【0152】
【化87】
【0153】
【化88】
【0154】
【化89】
【0155】
好ましい化合物骨格の具体例を以下に示す。
【0156】
【化90】
【0157】
【化91】
【0158】
【化92】
【0159】
【化93】
【0160】
【化94】
【0161】
【化95】
【0162】
【化96】
【0163】
【化97】
【0164】
【化98】
【0165】
【化99】
【0166】
【化100】
【0167】
【化101】
【0168】
【化102】
【0169】
【化103】
【0170】
【化104】
【0171】
【化105】
【0172】
【化106】
【0173】
【化107】
【0174】
【化108】
【0175】
化合物(1)〜(63)中のRは、水素原子、
【0176】
【化109】
【0177】
を表す。但し、少なくとも2個、もしくは構造により3個は水素原子以外の基であり、各置換基Rは同一の基でなくても良い。
この場合、該溶解阻止化合物の含量は、感光性組成物の全重量(溶媒を除く)を基準として3〜45重量%、好ましくは5〜30重量%、より好ましくは10〜20重量%である。
【0178】
更に、アルカリ溶解性を調節するために、酸で分解し得る基を有さないアルカリ可溶性樹脂を混合しても良い。
そのようなアルカリ可溶性樹脂としては、例えばノボラック樹脂、水素化ノボラツク樹脂、アセトン−ピロガロール樹脂、o−ポリヒドロキシスチレン、m−ポリヒドロキシスチレン、p−ポリヒドロキシスチレン、水素化ポリヒドロキシスチレン、ハロゲンもしくはアルキル置換ポリヒドロキシスチレン、ヒドロキシスチレン−N−置換マレイミド共重合体、o/p−及びm/p−ヒドロキシスチレン共重合体、ポリヒドロキシスチレンの水酸基に対する一部O−アルキル化物(例えば、5〜30モル%のO−メチル化物等)もしくはO−アシル化物(例えば、5〜30モル%のo−アセチル化物等)、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−ヒドロキシスチレン共重合体、α−メチルスチレン−ヒドロキシスチレン共重合体、カルボキシル基含有メタクリル系樹脂及びその誘導体を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
特に好ましいアルカリ可溶性樹脂はノボラック樹脂及びo−ポリヒドロキシスチレン、m−ポリヒドロキシスチレン、p−ポリヒドロキシスチレン及びこれらの共重合体、アルキル置換ポリヒドロキシスチレン、ポリヒドロキシスチレンの一部O−アルキル化、もしくはO−アシル化物、スチレン−ヒドロキシスチレン共重合体、α−メチルスチレン−ヒドロキシスチレン共重合体である。該ノボラック樹脂は所定のモノマーを主成分として、酸性触媒の存在下、アルデヒド類と付加縮合させることにより得られる。
【0179】
所定のモノマーとしては、フェノール、m−クレゾール、p−クレゾール、o−クレゾール等のクレゾール類、2,5−キシレノール、3,5−キシレノール、3,4−キシレノール、2,3−キシレノール等のキシレノール類、m−エチルフェノール、p−エチルフェノール、o−エチルフェノール、p−t−ブチルフェノール、p−オクチルフエノール、2,3,5−トリメチルフェノール等のアルキルフェノール類、p−メトキシフェノール、m−メトキシフェノール、3,5−ジメトキシフェノール、2−メトキシ−4−メチルフェノール、m−エトキシフェノール、p−エトキシフェノール、m−プロポキシフェノール、p−プロポキシフェノール、m−ブトキシフェノール、p−ブトキシフェノール等のアルコキシフェノール類、2−メチル−4−イソプロピルフェノール等のビスアルキルフェノール類、m−クロロフェノール、p−クロロフェノール、o−クロロフェノール、ジヒドロキシビフェニル、ビスフェノールA、フェニルフェノール、レゾルシノール、ナフトール等のヒドロキシ芳香化合物を単独もしくは2種類以上混合して使用することができるが、これらに限定されるものではない。
【0180】
アルデヒド類としては、例えばホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ベンズアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、α−フェニルプロピルアルデヒド、β−フェニルプロピルアルデヒド、o−ヒドロキシベンズアルデヒド、m−ヒドロキシベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、o−クロロベンズアルデヒド、m−クロロベンズアルデヒド、p−クロロベンズアルデヒド、o−ニトロベンズアルデヒド、m−ニトロベンズアルデヒド、p−ニトロベンズアルデヒド、o−メチルベンズアルデヒド、m−メチルベンズアルデヒド、p−メチルベンズアルデヒド、p−エチルベンズアルデヒド、p−n−ブチルベンズアルデヒド、フルフラール、クロロアセトアルデヒド及びこれらのアセタール体、例えばクロロアセトアルデヒドジエチルアセタール等を使用することができるが、これらの中で、ホルムアルデヒドを使用するのが好ましい。
これらのアルデヒド類は、単独でもしくは2種類以上組み合わせて用いられる。酸性触媒としては塩酸、硫酸、ギ酸、酢酸、シュウ酸等を使用することができる。
【0181】
こうして得られたノボラック樹脂の重量平均分子量は、1,000〜30,000の範囲であることが好ましい。1,000未満では未露光部の現像後の膜減りが大きく、30,000を越えると現像速度が小さくなってしまう。特に好適なのは2,000〜20,000の範囲である。
また、ノボラック樹脂以外の前記ポリヒドロキシスチレン、及びその誘導体、共重合体の重量平均分子量は、2000以上、好ましくは5000〜200000、より好ましくは10000〜100000である。また、レジスト膜の耐熱性を向上させるという観点からは、25000以上が好ましい。
ここで、重量平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィーのポリスチレン換算値をもって定義される。
本発明に於けるこれらのアルカリ可溶性樹脂は2種類以上混合して使用しても良い。
本発明に於けるこれらのアルカリ可溶性樹脂の組成物中の添加量としては、好ましくは5〜30重量%である。
【0182】
本発明に使用されるその他の成分
本発明の感光性組成物には必要に応じて、更に染料、顔料、可塑剤、界面活性剤、光増感剤、有機塩基性化合物及び現像液に対する溶解性を促進させるフエノール性OH基を2個以上有する化合物などを含有させることができる。
【0183】
本発明で使用できるフェノール性OH基を2個以上有する化合物は、好ましくは分子量1000以下のフェノール化合物である。また、分子中に少なくとも2個のフェノール性水酸基を有することが必要であるが、これが10を越えると、現像ラチチュードの改良効果が失われる。また、フェノ−ル性水酸基と芳香環との比が0.5未満では膜厚依存性が大きく、また、現像ラチチュードが狭くなる傾向がある。この比が1.4を越えると該組成物の安定性が劣化し、高解像力及び良好な膜厚依存性を得るのが困難となって好ましくない。
【0184】
このフェノール化合物の好ましい添加量は樹脂に対して2〜50重量%であり、更に好ましくは5〜30重量%である。50重量%を越えた添加量では、現像残渣が悪化し、また現像時にパターンが変形するという新たな欠点が発生して好ましくない。
【0185】
このような分子量1000以下のフェノール化合物は、例えば、特開平4−122938、特開平2−28531、米国特許第4916210、欧州特許第219294等に記載の方法を参考にして、当業者に於て容易に合成することが出来る。
フェノール化合物の具体例を以下に示すが、本発明で使用できる化合物はこれらに限定されるものではない。
【0186】
レゾルシン、フロログルシン、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,4′−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,3′,4′,5′−ヘキサヒドロキシベンゾフェノン、アセトン−ピロガロール縮合樹脂、フロログルコシド、2,4,2′,4′−ビフェニルテトロール、4,4′− チオビス(1,3−ジヒドロキシ)ベンゼン、2,2′,4,4′−テトラヒドロキシジフェニルエーテル、2,2′,4,4′−テトラヒドロキシジフェニルスルフォキシド、2,2′,4,4′−テトラヒドロキシジフェニルスルフォン、トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、4,4−(α−メチルベンジリデン)ビスフェノール、α,α′,α″−トリス(4−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリイソプロピルベンゼン、α,α′,α″−トリス(4−ヒドロキシフェニル)−1−エチル−4−イソプロピルベンゼン、1,2,2−トリス(ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,2−トリス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2,5,5−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、1,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,3−トリス(ヒドロキシフェニル)ブタン、パラ〔α,α,α′,α′−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)〕−キシレン等を挙げることができる。
【0187】
本発明で用いることのできる好ましい有機塩基性化合物とは、フェノールよりも塩基性の強い化合物である。中でも含窒素塩基性化合物が好ましい。
好ましい化学的環境として、下記式(A)〜(E)の構造を挙げることができる。
【0188】
【化110】
【0189】
更に好ましい化合物は、一分子中に異なる化学的環境の窒素原子を2個以上有する含窒素塩基性化合物であり、特に好ましくは、置換もしくは未置換のアミノ基と窒素原子を含む環構造の両方を含む化合物もしくはアルキルアミノ基を有する化合物である。好ましい具体例としては、置換もしくは未置換のグアニジン、置換もしくは未置換のアミノピリジン、置換もしくは未置換のアミノアルキルピリジン、置換もしくは未置換のアミノピロリジン、置換もしくは未置換のインダーゾル、置換もしくは未置換のピラゾール、置換もしくは未置換のピラジン、置換もしくは未置換のピリミジン、置換もしくは未置換のプリン、置換もしくは未置換のイミダゾリン、置換もしくは未置換のピラゾリン、置換もしくは未置換のピペラジン、置換もしくは未置換のアミノモルフォリン、置換もしくは未置換のアミノアルキルモルフォリン等が挙げられる。好ましい置換基は、アミノ基、アミノアルキル基、アルキルアミノ基、アミノアリール基、アリールアミノ基、アルキル基、アルコキシ基、アシル基、アシロキシ基、アリール基、アリールオキシ基、ニトロ基、水酸基、シアノ基である。特に好ましい化合物として、グアニジン、1,1−ジメチルグアニジン、1,1,3,3,−テトラメチルグアニジン、2−アミノピリジン、3−アミノピリジン、4−アミノピリジン、2−ジメチルアミノピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、2−ジエチルアミノピリジン、2−(アミノメチル)ピリジン、2−アミノ−3−メチルピリジン、2−アミノ−4−メチルピリジン、2−アミノ−5−メチルピリジン、2−アミノ−6−メチルピリジン、3−アミノエチルピリジン、4−アミノエチルピリジン、3−アミノピロリジン、ピペラジン、N−(2−アミノエチル)ピペラジン、N−(2−アミノエチル)ピペリジン、4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ピペリジノピペリジン、2−イミノピペリジン、1−(2−アミノエチル)ピロリジン、ピラゾール、3−アミノ−5−メチルピラゾール、5−アミノ−3−メチル−1−p−トリルピラゾール、ピラジン、2−(アミノメチル)−5−メチルピラジン、ピリミジン、2,4−ジアミノピリミジン、4,6−ジヒドロキシピリミジン、2−ピラゾリン、3−ピラゾリン、N−アミノモルフォリン、N−(2−アミノエチル)モルフォリンなどが挙げられるがこれに限定されるものではない。
【0190】
これらの含窒素塩基性化合物は、単独であるいは2種以上一緒に用いられる。含窒素塩基性化合物の使用量は、感光性樹脂組成物(溶媒を除く)100重量部に対し、通常、0.001〜10重量部、好ましくは0.01〜5重量部である。0.001重量部未満では本発明の効果が得られない。一方、10重量部を超えると感度の低下や非露光部の現像性が悪化する傾向がある。
【0191】
好適な染料としては油性染料及び塩基性染料がある。具体的にはオイルイエロー#101、オイルイエロー#103、オイルピンク#312、オイルグリーンBG、オイルブルーBOS,オイルブルー#603、オイルブラックBY、オイルブラックBS、オイルブラックT−505(以上オリエント化学工業株式会社製)、クリスタルバイオレット(CI42555)、メチルバイオレット(CI42535)、ローダミンB(CI45170B)、マラカイトグリーン(CI42000)、メチレンブルー(CI52015)等を挙げることができる。
【0192】
さらに、下記に挙げるような分光増感剤を添加し、使用する光酸発生剤が吸収を持たない遠紫外より長波長領域に増感させることで、本発明の感光性組成物をiまたはg線に感度を持たせることができる。好適な分光増感剤としては、具体的にはベンゾフェノン、p,p’−テトラメチルジアミノベンゾフェノン、p,p’−テトラエチルエチルアミノベンゾフェノン、2−クロロチオキサントン、アントロン、9−エトキシアントラセン、アントラセン、ピレン、ペリレン、フェノチアジン、ベンジル、アクリジンオレンジ、ベンゾフラビン、セトフラビン−T、9,10−ジフェニルアントラセン、9−フルオレノン、アセトフェノン、フェナントレン、2−ニトロフルオレン、5−ニトロアセナフテン、ベンゾキノン、2−クロロ−4−ニトロアニリン、N−アセチル−p−ニトロアニリン、p−ニトロアニリン、、N−アセチル−4−ニトロ−1−ナフチルアミン、ピクラミド、アントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−tert−ブチルアントラキノン1,2−ベンズアンスラキノン、3−メチル−1,3−ジアザ−1,9−ベンズアンスロン、ジベンザルアセトン、1,2−ナフトキノン、3,3’−カルボニル−ビス(5,7−ジメトキシカルボニルクマリン)及びコロネン等であるがこれらに限定されるものではない。
また、これらの分光増感剤は、光源の遠紫外光の吸光剤としても使用可能である。この場合、吸光剤は基板からの反射光を低減し、レジスト膜内の多重反射の影響を少なくさせることで、定在波改良の効果を発現する。
【0193】
本発明の感光性組成物は、上記各成分を溶解する溶媒に溶かして支持体上に塗布する。ここで使用する溶媒としては、エチレンジクロライド、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、2−ヘプタノン、γ−ブチロラクトン、メチルエチルケトン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、2−メトキシエチルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トルエン、酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、テトラヒドロフラン等が好ましく、これらの溶媒を単独あるいは混合して使用する。
【0194】
上記溶媒に界面活性剤を加えることもできる。具体的には、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタントリステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテ−ト、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類等のノニオン系界面活性剤、エフトップEF301,EF303,EF352(新秋田化成(株)製)、メガファックF171,F173 (大日本インキ(株)製)、フロラ−ドFC430,FC431(住友スリーエム(株)製)、アサヒガードAG710,サーフロンS−382,SC101,SC102,SC103,SC104,SC105,SC106(旭硝子(株)製)等のフッ素系界面活性剤、オルガノシロキサンポリマーKP341(信越化学工業(株)製)やアクリル酸系もしくはメタクリル酸系(共)重合ポリフローNo.75,No.95(共栄社油脂化学工業(株)製)等を挙げることができる。これらの界面活性剤の配合量は、本発明の組成物中の固形分100重量部当たり、通常、2重量部以下、好ましくは1重量部以下である。
これらの界面活性剤は単独で添加してもよいし、また、いくつかの組み合わせで添加することもできる。
【0195】
上記感光性組成物を精密集積回路素子の製造に使用されるような基板(例:シリコン/二酸化シリコン被覆)上にスピナー、コーター等の適当な塗布方法により塗布後、所定のマスクを通して露光し、ベークを行い現像することにより良好なレジストパターンを得ることができる。
【0196】
本発明の感光性組成物の現像液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類、エチルアミン、n−プロピルアミン等の第一アミン類、ジエチルアミン、ジ−n−ブチルアミン等の第二アミン類、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン等の第三アミン類、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルコールアミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド等の第四級アンモニウム塩、ピロール、ピヘリジン等の環状アミン類等のアルカリ性水溶液を使用することができる。
更に、上記アルカリ性水溶液にアルコール類、界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。
【0197】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明の内容がこれにより限定されるものではない。
〔合成例1〕
トリフェニルスルホニウムCl塩の45%水溶液19.9g(0.030モル)をイオン交換水200mlに溶解した。この溶液に下記構造のハード型(分岐型)ドデシルベンゼンスルホン酸のNa塩10.5g(0.030モル)のイオン交換水400ml溶液を、室温にて撹拌下添加した。
析出した粘調固体をデカントにて分離し、イオン交換水1Lにて水洗した。 得られた粘調固体をアセトン100mlに溶解し、イオン交換水500mlに撹拌下投入して再晶析させた。析出物を真空下、50℃にて乾燥した結果、ガラス状固体15.5gを得た。NMR測定により、この固体が本発明の化合物(A−1−3)であることを確認した。
【0198】
【化111】
【0199】
上記と同様に本実施例で使用する一般式(A−1)〜(A−3)で示される化合物を合成した。
【0200】
〔合成例2〕
4,4′−ビス(ジフェニルスルホニオ)ジフェニルスルフィドCl塩の45%水溶液20.9g(0.015モル)をイオン交換水200mlに溶解した。この溶液に上位構造のハード型(分岐型)ドデシルベンゼンスルホン酸のNa塩10.5g(0.030モル)のイオン交換水400ml溶液を、室温にて攪拌下添加した。
析出した粘調固体をデカントにて分離し、イオン交換水1Lにて水洗した。得られた粘調固体をアセトン100mlに溶解し、イオン交換水500mlに攪拌下投入して再晶析させた。析出物を真空下、50℃にて乾燥した結果、ガラス状固体15.9gを得た。NMR測定により、この固体が本発明の化合物(A−4−4)であることを確認した。
上記と同様に本実施例で使用する一般式(A−4)で示される化合物を合成した。
【0201】
樹脂の合成例1(PHS/iBES/AcS)
ポリ−p−ヒドロキシスチレン(重量平均分子量11000)360gを脱水THF1800mlに溶解した。この溶液にi−ブチルビニルエーテル84.0g及びp−トルエンスルホン酸0.1gを加え、室温で6時間反応した。
反応液にピリジン40gを加え、ついで無水酢酸42gを加えて、室温にて3時間攪拌した。反応液を水3リットルにに投入し、析出した粉体をろ取、水洗、乾燥するとp−ヒドロキシスチレン/p−(i−ブトキシエトキシ)スチレン/アセチルオキシスチレン共重合体(65/20/15)(重量平均分子量12000)を得た。
【0202】
樹脂の合成例2(PHS/THPS/AcS)
上記樹脂の合成例1のi−ブチルビニルエーテルの代わりに2,3−ジヒドロ−4H−ピランを用いた以外は、上記樹脂の合成例1と同様にp−ヒドロキシスチレン/p−(2−テトラヒドロピラニルオキシ)スチレン/アセトキシスチレン共重合体(65/20/15)重量平均分子量12000を得た。
【0203】
樹脂の合成例3(PHS/EESB/AcS)
上記樹脂の合成例1のi−ブチルビニルエーテルの代わりにエチルビニルエーテルを用いた以外は、上記樹脂の合成例1と同様にp−ヒドロキシスチレン/p−(1−エトキシエトキシ)スチレン/アセトキシスチレン共重合体(65/20/15)重量平均分子量12000を得た。
【0204】
樹脂の合成例4(PHS/iBES/CyS)
上記樹脂の合成例1の無水酢酸の代わりに、シクロヘキシルブロミドを用いた以外は、上記樹脂の合成例1と同様にp−ヒドロキシスチレン/p−(i−ブトキシエトキシ)スチレン/シクロヘキシルオキシスチレン共重合体(65/20/15)重量平均分子量12000を得た。
【0205】
樹脂の合成例5(PHS/iBES)
ポリp−ヒドロキシスチレン(重量平均分子量11000)500gを脱水THF2000mlに溶解した。この溶液にiso−ブチルビニルエーテル176g及び脱水p−トルエンスルホン酸0.15gを加え、室温で10時間撹拌した。反応液にトリエチルアミン16gを加えた後イオン交換水40lの溶液に投入し、析出した粉体をろ取、水洗、乾燥するとp−ヒドロキシスチレン/p−(1−iso−ブトキシエトキシ)スチレン共重合体(60/40)(重量平均分子量11500)を得た。
【0206】
樹脂の合成例6(PHS/EES)
合成例5と同様の方法を用いてp−ヒドロキシスチレン/p−(1−エトキシエトキシ)スチレン共重合体(50/50)(重量平均分子量11500)を得た。
【0207】
実施例1〜12、15〜18、参考例13、14、比較例1〜6
上記合成例で示した化合物を用いレジストを調製した。そのときの処方を下記表1に示す。
【0208】
【表1】
【0209】
表1において使用した略号は下記の内容を示す。
<ポリマー>( )内はモル比
PHS/iBES/AcS: p−ヒドロキシスチレン/p−(1−iso−ブトキシエトキシ)スチレン/アセトキシスチレン共重合体(65/20/15)重量平均分子量12000
PHS/iBES/CyS: p−ヒドロキシスチレン/p−(1−iso−ブトキシエトキシ)スチレン/シクロヘキシルオキシスチレン共重合体(65/20/15)重量平均分子量12000
PHS/THPS/AcS: p−ヒドロキシスチレン/p−(2−テトラヒドロピラニルオキシ)スチレン/アセトキシスチレン共重合体(65/20/15)重量平均分子量12000
PHS/EESB/AcS: p−ヒドロキシスチレン/p−(1−エトキシエ
トキシ)スチレン/アセトキシスチレン共重合体(65/20/15)重量平均分子量12000
PHS/iBES: p−ヒドロキシスチレン/p−(1−iso−ブトキシエトキシ)スチレン共重合体(60/40)重量平均分子量11500
PHS/EES: p−ヒドロキシスチレン/p−(1−エトキシエトキシ)スチレン共重合体(50/50)重量平均分子量11500
【0210】
<比較例の光酸発生剤>
DcyDazDSf:ジシクロヘキシルジアゾジスルホン
DphDazDSf:ジフェニルジアゾジスルホン
<溶解阻止剤中酸分解性基>
TBME:t−ブチルカルボニルオキシメチル基
TBOC:t−ブチルカルボニルオキシ基
[感光性組成物の調製と評価]
表1に示す各素材に4−ジメチルアミノピリジン0.02gを加え、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート9.5gに溶解し、0.2μmのフィルターで濾過してレジスト溶液を作成した。このレジスト溶液を、スピンコーターを利用して、シリコンウエハー上に塗布し、110℃90秒間真空吸着型のホットプレートで乾燥して、膜厚0.83μmのレジスト膜を得た。
このレジスト膜に、248nmKrFエキシマレーザーステツパー(NA=0.42)を用いて露光を行った。露光直後にそれぞれ100℃の真空吸着型ホットプレートで60秒間加熱を行い、ただちに2.38%テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)水溶液で60秒間浸漬し、30秒間水でリンスして乾燥した。このようにして得られたシリコンウエハー上のパターンのプロファイル、感度、解像力を各々下記のように評価し、比較した。その結果を下記表2に示す。
【0211】
〔プロファイル〕
このようにして得られたシリコンウエハー上のパターンを走査型電子顕微鏡で観察し、レジストのプロファイルを評価した。
〔感度〕
感度は0.40μmのマスクパターンを再現する露光量をもって定義した。
〔解像力〕
解像力は0.40μmのマスクパターンを再現する露光量における限界解像力を表す。
【0212】
【表2】
【0213】
表2の結果から本発明のレジストは、良好なプロファイルと高感度、高解像力を有するポジ型感光性組成物であることがわかる。
【0214】
【発明の効果】
本発明の化学増幅型のポジ型感光性組成物により、高解像力を有し、且つ良好なプロファイルと高感度であるポジ型感光性組成物を提供することができる。
Claims (4)
- (a)活性光線または放射線の照射により、スルホン酸を発生する下記一般式(A−1)、(A−2)、(A−3)、(A−4)及び(A−5)で表される化合物のうち少なくとも1種、及び
(b)下記一般式(I)、一般式(II)及び一般式(III) で表される構造の繰り返し単位を含む、酸の作用により分解し、アルカリ現像液中での溶解度が増大する樹脂、
を含有することを特徴とするポジ型感光性組成物。
l、m及びnは、同じでも異なってもよく、1〜3の整数を示す。l、m及びnが各々2又は3の場合、2〜3個のR11〜R13のうちのR 11 とR 11 、R 12 とR 12 、R 13 とR 13 が互いに結合して、炭素環、複素環又は芳香環を含む5〜8個の原子から成る環を形成しても良い。
- 酸により分解し得る基を有し、アルカリ現像液中での溶解度が酸の作用により増大する、分子量3000以下の低分子酸分解性溶解阻止化合物を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載のポジ型感光性組成物。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のポジ型感光性組成物により膜を形成し、該膜を露光、現像することを特徴とするポジ型パターン形成方法。
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