JP3890109B2 - 自立袋 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、底部に逆V字状の折り込みを入れることにより、内容物を充填すると底が舟形に開放して自立する二面体形状の袋(スタンディングパウチ)に対するヒートシール部が舟形形状のスパウトを袋の口の中央に取り付けるヒートシール構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の自立袋を図5に示す。この図5において、1は袋本体であって、この袋本体1は、前面2と後面3及び逆V字状の折り込み4を入れることにより、内容物を充填したときに底部5が舟形に開放する構成である。図中6は口シール、7、7aはサイドシール、8は底シールである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の上記自立袋にあっては、口シール6及びサイドシール7、7aがすべて一直線状にヒートシールされていることと、自立性を高めるために袋の素材には剛性の高いものが選択されていることから、内容物を充填しても袋の上半は偏平化する。つまり、両サイドシール7、7a方向から見たときの袋の形状は、円錐形状となる。
このため、自立させたときに安定性が悪いと共に、全体的に立体感に乏しいという欠点がある。
本発明の課題は、安定性があり、立体的な外観を呈する自立袋を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明においては、自立袋において、前後2枚のフィルム間の底部に逆V字状の折り込みを入れ、両サイド全体を縦方向にヒートシールすることにより、内容物を充填した際に底側が舟形に開放するように構成して自立性を付与した袋において、上部開口部の横幅方向に対して直角方向から中央に向けて、前後のフィルムをそれぞれ摘むようにして引き寄せて一定の長さだけヒートシールを行うことにより、上部開口部に横幅方向に対して直角方向に長いスパウト挿入口を形成すると共に、この引き寄せてヒートシールを行ったスパウト挿入口の両側に、ハ字状のヒートシールを行い、その上で前記スパウト挿入口内にヒートシール部分が菱形形状をしたスパウトを袋の横幅方向に対して直角方向となるように挿入し、その上でスパウトの菱形形状のヒートシール部分と袋側のスパウト挿入口間をヒートシールした構成であることを特徴とするも のである。
【0005】
更に請求項2に記載の発明においては、請求項1に記載の自立袋において、ハ字状のヒートシールにより形成された三角形状の耳部分において、ハ字状のヒートシール部分を残してその外側の三角形状部分を切除して成ることを特徴とするものである。
0006
【作用】
袋内に内容物を充填し、充填口を十文字又は底シールに対して直角方向に一文字にヒートシールするか、充填口内にスパウトを挿入してヒートシールを行うときに、袋の中央において両サイドシールの中間(開口部の中間)において、前面と後面を摘むようにして両サイドのヒートシール部分を中央寄りに引き寄せてスパウト挿入口を形成し、ここにスパウトを底シール方向と平行又は直角方向に挿入してヒートシールを行い、更に引き寄せた部分にハ字状のヒートシールを行うことにより、袋は両サイドのヒートシール及び口シール及び底シール、更に直角方向に形成されたヒートシール或いはハ字状のヒートシール部分がリブとなり、自立性が高まると共に、袋の口部には底シールに対して直角方向のヒートシール部分が形成されているため、袋の上半には拡張方向に作用するリブが存在し、これにより偏平化せず、立体化する。
0007
【実施例1】
図4(A)〜(C)に基づいて請求項1及び2に対応する実施例を詳述する。この実施例は、袋本体40の充填口41において、前面42及び後面43の中央を摘んで拡張することにより、両サイドのヒートシール44、44aを矢印のように中央に引き寄せて、この摘んだ上縁をヒートシール45、45aを行い、更にこの摘んだ側(前面42と後面43の中央)にヒートシール45、45aの内端からハ字状のヒートシール46、46aを行うことにより、(B)に示すようにスパウト挿入口47を形成し、ここに菱形形状のヒートシール部49を形成したスパウト48を(C)に示すように、ハ字状のヒートシール46、46a方向(底シール53方向)に向けて挿入してヒートシール51を行い、ハ字状のヒートシール46、46aの外側に形成された三角形状の耳部52、52aを切除したものである。但し、問題がなければ耳部52、52aは切除しないでもよい。図中53は底シール、54は折り込みである。
0008
[参考例1]
図1(A)〜(C)に基づいて参考を詳述する。この参考は、袋本体10と前面11及び後面12、両サイドシール13、13a、折り込み14から成る点は従来の自立袋とその構造が同一である。この袋において、内容物を充填口15から充填してこの充填口15をヒートシール(口シール)するときに、図1(A)において矢印方向に両サイドのヒートシール13、13aを中央寄りに引き寄せて(B)、充填口15が丁度十文字状になるように形成し、ここに(C)に示すように十文字状のヒートシール16を行うものである。図中17は底シールである。
このように、充填口15が十文字状にヒートシール16されると、このヒートシール16がリブ化されて袋本体10の上半部において袋本体10の前面11と後面12に広がり方向の力が発生し、偏平化するのが阻止される。この結果、袋は自立安定性を増し、更に立体化する。
0009
[参考例2]
図2(A)〜(C)に基づいて参考を詳述する。この参考は、内容物を充填したのち、図2(A)に示すように、袋本体20の前面21及び後面22の中央を矢印方向に引き寄せたのち、袋本体20の底シール23方向に対して直角方向に口シール24を一直線状に行い、更にこの口シール24の両サイドに(C)に示すようにハ字状のヒートシール25、25aを行ったものである。なお、このハ字状のヒートシール25、25aにより形成された三角形状の耳部26、26aは、そのままでもよいが、美観上からは切除してもよい。図中27、27aは両サイドシール、28は折り込みである。
0010
[参考例3]
図3(A)〜(C)に基づいて参考を詳述する。この参考は、袋本体30の充填口30aにおいて、前面31及び後面32の中央を摘んで両サイドのヒートシール33、33aを矢印方向に引き寄せ、摘んだ部分に沿ってヒートシール34、34aを途中まで行うと共にヒートシール34、34aの内端からハ字状にヒートシール35、35aを行うことにより上口にスパウト挿入口36を形成し、ここに菱形形状のヒートシール部38を有するスパウト37を挿入して(C)に示すようにスパウト37のヒートシール部38とスパウト挿入口36間をヒートシール39したものである。
なお、図3において、三角形状の耳部35bはそのままでもよいが、美観上からは切除してもよい。図中30bは底シール、30cは折り込みである。
0011
【発明の効果】
本発明は以上のように、自立袋の充填口をヒートシールする場合、若しくはスパウトを充填口に取り付ける場合において、自立袋の底シール方向に対して直角方向のヒートシール部分を充填口側に形成したので、このヒートシールが袋の充填口部側においてリブとして作用することにより偏平化を阻止し、同時に自立性を高め、更に充填口側を拡張するため、立体感を出す効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 充填口部を十文字状にヒートシールした自立袋の説明図。
【図2】 充填口部のヒートシールを底シール方向と直角方向となるように一文字にヒートシールした自立袋の説明図。
【図3】 スパウトの菱形形状のヒートシール部分を底シールに対して同一方向となるように充填口内に取り付けると共に、袋本体の前面と後面にハ字状のヒートシールを形成した自立袋の説明図。
【図4】 スパウトの菱形形状のヒートシール部分を底シールに対して直角方向となるように充填口内に取り付けると共に、袋本体の前面と後面にハ字状のヒートシールを形成した自立袋の説明図。
【図5】 従来の自立袋の説明図。
【符号の説明】
10 袋本体
11 前面
12 後面
13、13a 両サイドシール
14 折り込み
15 充填口
16 十文字状ヒートシール
17 底シール

Claims (2)

  1. 前後2枚のフィルム間の底部に逆V字状の折り込みを入れ、両サイド全体を縦方向にヒートシールすることにより、内容物を充填した際に底側が舟形に開放するように構成して自立性を付与した袋において、上部開口部の横幅方向に対して直角方向から中央に向けて、前後のフィルムをそれぞれ摘むようにして引き寄せて一定の長さだけヒートシールを行うことにより、上部開口部に横幅方向に対して直角方向に長いスパウト挿入口を形成すると共に、この引き寄せてヒートシールを行ったスパウト挿入口の両側に、ハ字状のヒートシールを行い、その上で前記スパウト挿入口内にヒートシール部分が菱形形状をしたスパウトを袋の横幅方向に対して直角方向となるように挿入し、その上でスパウトの菱形形状のヒートシール部分と袋側のスパウト挿入口間をヒートシールした構成の自立袋。
  2. ハ字状のヒートシールにより形成された三角形状の耳部分において、ハ字状のヒートシール部分を残してその外側の三角形状部分を切除して成る請求項1に記載の自立袋。
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