JP2513515B2 - 横ガゼット付袋体 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は、単層又は複層フィルムからなる横ガゼット
付の袋体に関するものである。

〈従来の技術〉 ２枚の胴体用フィルムの両側端に、Ｖ字状に折り込ん
だガゼット用フィルムを溶着し、この袋体の上部開口部
の内側面に合成樹脂製雌雄爪型のチャックを設け、かつ
袋体の底部を折り曲げて内容物の重力によって自立可能
とした横ガゼット付袋体は、例えば特開昭62-260658号
で見られるように公知である。

〈発明が解決しようとする課題〉 横ガゼット付袋体は、横ガゼット部を拡げることによ
り袋体の容積を可及的に増大することが目的であり、チ
ャックを備えた開口部を横ガゼット部に設けることは着
目されておらず、チャックを備えた開口部は専ら袋体の
上部に限定される。このため、商品メーカ等において、
袋体の開口部から物品を充填する場合、チャックの開閉
操作を必要とするので、手間のかかる充填作業を余儀無
く行っている。その為に充填作業の能率向上に難点があ
り、コスト高となっている。

また、商品の種類によっては、上部開口部にチャック
を設けた袋底の深い竪型の袋体では需要者にとっては内
容物の取り出しが不便な場合がある。

〈課題を解決するための手段〉 本発明は、上記従来の問題点を解消した横ガゼット付
袋体を提供するもので、その特徴とする構成は、単層又
は複層フィルムからなる袋体の両側にＶ字状に折り込ん
だ横ガゼットを有する袋体において、前記一側方の横ガ
ゼットフィルムと袋体の胴体フィルムとが対面する一端
縁に合成樹脂製雌雄爪型のチャックを上下方向に設け、
このチャックにより横ガゼット部に開閉可能な開口部を
形成し、このチャック軸線と直交する袋体上部を充填開
口部となし、これに対する袋体下部には接着ラインの先
端が前記両側横ガゼットフィルムのそれぞれの折り込み
中心線上に位置するよう横ガゼットフィルムと袋体の胴
体フィルムとにＶ字形乃至逆ハの字形の接着ラインを施
すと共に、前記接着ラインとチャックが交差する交点部
を押し潰した扁平部を形成し、かつ袋体の下辺部に前記
接着ラインと交差して前記下辺と平行な直線ラインの接
着を施したものである。

〈作用〉 上記の構成により、商品メーカ等における物品の充填
はチャックを有していない袋体上部の開口部から充填を
可能とし、横ガゼット部のチャックの開閉により大きな
開口が得られ、物品の取り出しを容易にする。また、Ｖ
字形の接着ラインとチャックが交差する交点部を押し潰
した扁平部は、袋体の底部を折り曲げて内容物の重力に
よって自立させるときに、チャックの折り曲げ反発力を
扁平部によって消去し、袋体底部の折り曲げを容易とす
る。さらに、チャックを設けた側の横ガゼットフィルム
は広幅の突片により、これがチャック解脱時の指先によ
る摘み片となり、チャックの解脱操作を容易にするもの
である。

〈実施例〉 以下本発明の実施例を図面に基づいて説明する。第１
図及び第２図において、１は横ガゼット付袋体であり、
2a、2bは前記袋体１を構成する単層又は復層の胴体フィ
ルム、3a、3bは前記胴体フィルム2a、2bの両側にＶ字状
に折り込んだ横ガゼットフィルムである。

本発明は、前記一側方の横ガゼットフィルム3aを形成
するＶ字状の折り込み片の一片の折り込み中心線０から
側端縁までの幅B1を他の一片の幅B2よりもＬだけ長くし
た広幅の突片９を形成し、この突片９の横ガゼットフィ
ルム3aと袋体１の胴体フィルム2aが対面する端縁に合成
樹脂製雌雄爪型のチャック６を上下方向に設け、このチ
ャック６により一側方の横ガゼット3aの部位に開閉可能
な開口部を形成し、このチャック６の軸線と直交する袋
体上部を充填開口部５とする。

一方前記充填開口部５に対する袋体下部には、第１図
並びに第３図で示すように、先端が前記両側横ガゼット
フィルム3a、3bのそれぞれの折り込み中心線０上に位置
するよう横ガゼットフィルム3a、3bと袋体１の胴体フィ
ルム2a、2bとを接着ライン８（以下Ｖ字形接着ライン８
という）を施すと共に、袋体１の下辺部に前記Ｖ字形接
着ライン８と交差して前記下辺と平行な直線ライン接着
４を施す。

さらに、前記Ｖ字形ライン接着８とチャック６が交差
する交点部を押し潰した扁平部７を形成したものであ
る。尚、必要に応じて前記チャック６の近傍の横ガゼッ
トフィルム3aと胴体フィルム2aとの端縁にカットライン
10をチャック６と平行に形成される。

本発明は上記の通りの構造よりなる横ガゼット付袋体
であるから、商品としての物品をメーカ等で袋詰め充填
する場合は、袋体１の上部で開口している充填開口部５
から充填する。この際、充填開口部５にはチャックは存
在しないため、従来のようにチャックの開閉作業を不要
とし、迅速容易な充填作業を遂行することができる。

需要者における袋体１内の物品の取り出しには、横ガ
ゼット部に設けたチャック６により袋体サイド開閉形式
となり、袋体上部にチャックを備えた上部開閉形式に比
較すると大きな開口となって物品の取り出しを容易と
し、袋体の底部に収納されている物品も簡単に取り出す
ことが可能となる。

さらに、第５図で示すように、袋体を内容物の重力に
よって自立させるときに、袋体１の底部を折り曲げて底
面を平に形成する際には、この折り曲げ部となるＶ字形
接着ライン８とチャック６が交差する交点部を押し潰し
た扁平部７が形成されているため、この扁平部７によっ
て肉厚条のチャック６が有する弾発力が打ち消され、折
り曲げ部の弾性復元がなくなり、袋体底部の折り曲げ形
態を保持し、安定した自立状態とするものである。

さらに加えて、チャック６の雌雄爪の解脱時は袋体１
の側端縁より突出し広幅の突片９が指先にて把持する摘
み片となり、チャック６の解脱操作を容易、かつ確実に
行うものである。尚、前記Ｖ字形接着ライン８は逆ハの
字形の接着ラインでも良い。

〈発明の効果〉 以上のように本発明によると、一側方の横ガゼットフ
ィルムと袋体の胴体フィルムとが対面する一端縁に合成
樹脂製雌雄爪型のチャックを上下方向に設け、このチャ
ックにより横ガゼット部に開閉可能な開口部を形成し、
このチャック軸線と直交する袋体上部を充填開口部とな
し、これに対する袋体下部には接着ラインの先端が前記
両側横ガゼットフィルムのそれぞれの折り込み中心線上
に位置するよう横ガゼットフィルムと袋体の胴体フィル
ムとにＶ字形乃至逆ハの字形の接着ラインを施すと共
に、前記接着ラインとチャックが交差する交点部を押し
潰した扁平部を形成し、かつ袋体の下辺部に前記接着ラ
インと交差して前記下辺と平行な直線ラインの接着を施
した構成であるから、横ガゼット付袋体において、チャ
ックによるサイド開閉可能な袋体が得られ、チャックを
有しない袋体上方の開口部から物品の充填を高能率に行
うことができ、物品の取り出しは袋体サイドの大きな開
口によって取り出し易くし、かつ袋体底部の物品も容易
に取り出すことができ、需要者に対して便利性を高揚す
るものである。

さらには、横ガゼット部にチャックを設けていても、
袋体を自立可能とするための底部の折り曲げは、前記押
し潰し扁平部によってチャックの弾性復元力を消去し、
底部の折り曲げ形態を確保し、袋体底面を平面とする安
定した自立を可能とし、さらに加えて、チャック雌雄爪
の解脱時は袋体の側端縁より突出した広幅の突片が指先
にて把持する摘み片となり、チャックの解脱操作を容
易、かつ確実に行うことができ、従来の横ガゼット付袋
体では得られなかった格別な効果を有している。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の正面図、第２図は第１図II-II線断面
図、第３図は第１図III-III線断面図、第４図は袋体底
部における横ガゼット部の正面図、第５図は本発明の袋
体の斜視図である。 １……袋体、2a、2b……胴体フィルム、3a、3b……横ガ
ゼットフィルム、４……直線ライン接着、５……充填開
口部、６……チャック、７……押し潰し扁平部、８……
Ｖ字形接着ライン、９……突片。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】単層又は複層フィルムからなる袋体の両側
   にＶ字状に折り込んだ横ガゼットを有する袋体におい
   て、前記一側方の横ガゼットフィルムと袋体の胴体フィ
   ルムとが対面する一端縁に合成樹脂製雌雄爪型のチャッ
   クを上下方向に設け、このチャックにより横ガゼット部
   に開閉可能な開口部を形成し、このチャック軸線と直交
   する袋体上部を充填開口部となし、これに対する袋体下
   部には接着ラインの先端が前記両側横ガゼットフィルム
   のそれぞれの折り込み中心線上に位置するよう横ガゼッ
   トフィルムと袋体の胴体フィルムとにＶ字形乃至逆ハの
   字形の接着ラインを施すと共に、前記接着ラインとチャ
   ックが交差する交点部を押し潰した扁平部を形成し、か
   つ袋体の下辺部に前記接着ラインと交差して前記下辺と
   平行な直線ラインの接着を施したことを特徴とする横ガ
   ゼット付袋体。