JP3889875B2 - 内視鏡 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、挿入部の先端にある噴出ノズルに気体を供給する送気管路と液体を供給する送液管路を有した内視鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】
内視鏡の挿入部先端には対物レンズの外表面を洗浄するための噴出ノズルが設けられており、この噴出ノズルには気体を供給する送気管路と液体を供給する送液管路が接続されている。特開平6−46990号公報で知られる如く、送気管路を形成する送気チューブと送液管路を形成する送液チューブはいずれも挿入部内に配置され、また、先端部付近で一本のパイプに接続され、噴出ノズルに連通されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
(従来技術の問題点)
特開平6−46990号公報で知られるものでは挿入部内に送気チューブと送液チューブの両方を配置するために、その分、挿入部内に設置スペースを多く必要とする。また、送気チューブと送液チューブが先端部付近で一本のパイプから分岐する構造であるため、その分岐部の接続口金及びチューブ接続用糸巻き部等により他の部分より太くなる。
【0004】
このように送気チューブと送液チューブの両方と分岐部を挿入部内に配置するため、それらを設置するスペースを多くとる必要があり、挿入部の内径を大きくしている。この結果、必然的に挿入部の外径が太くなり、挿入性が低下し、患者にとっては苦痛を伴う。
【0005】
(目的)
本発明は上記課題に着目してなされたものであり、その目的とするところは、挿入部の先端にある噴出ノズルに接続する送気管路及び送液管路を有する内視鏡であっても挿入部を細径化することができる内視鏡を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段及び作用】
本発明は、先端に先端部材を設けた挿入部と、上記挿入部の基端に設けられ、把持部を備えた操作部と、上記先端部材に観察窓の外表面に対向して設けられた噴出ノズルと、上記挿入部から上記操作部内にわたり配置されるとともに、上記噴出ノズルに接続され、その噴出ノズルに気体及び液体を供給する送気送液管路と、上記送気送液管路に送気送液管路分岐部を介して接続され、上記送気送液管路分岐部を通じて上記送気送液管路に送気を行う送気管路と、上記送気送液管路に上記送気送液管路分岐部を介して接続され、上記送気送液管路分岐部を通じて上記送気送液管路に送液を行う送液管路と、上記操作部の、上記把持部より先端側に位置する部位に配設され、上記挿入部内に配置される処置具挿通チャンネルを上記操作部に設けられた処置具挿入口に接続するとともに上記処置具挿通チャンネルを吸引チャンネルに接続する吸引管路分岐部と、上記操作部に設けられ、上記挿入部内空間の断面積より大きな断面積を有する空間を形成する膨大部と、を具備し、上記膨大部内に上記吸引管路分岐部より上記把持部側に位置して上記送気送液管路分岐部を配置したことを特徴とする内視鏡である。
本発明によれば、挿入部内に配される、気体及び液体を供給する管路を一つにまとめることができることで、挿入部を細径化できる。
【0007】
【発明の実施の形態】
[第1実施形態]
図1乃至図10を用いて本発明の第1の実施形態を説明する。
【0008】
(構成)
図1は第1実施形態に係る内視鏡システム1の全体の構成を概略的に示す。内視鏡システム1は、電子式の内視鏡2と、内視鏡周辺装置としての付帯設備3とからなる。付帯設備3は、光源装置4、カメラコントロールユニット(CCU)を含む画像処理装置5、モニター6、吸引装置7、及び入出力操作用キーボード8、送液タンク9などを有し、これらは架台10に設置されている。
【0009】
内視鏡2は操作部11、挿入部12及びユニバーサルコード13を有し、ユニバーサルコード13の延出先端には光源装置4や画像処理装置5等に接続するためのコネクタ部14が設けられている。挿入部12は可撓管部15の先端に湾曲管部16を接続すると共に、湾曲管部16の先端に先端部17を接続して構成されている。先端部17の先端面部には照明光学系の照明レンズ18、観察光学系の対物レンズ19、送気管路と送液管路に通じる噴出ノズル20、及び後述する処置具挿通チャンネル21の先端開口部22が設けられている。上記照明光学系は照明レンズ18の他にその内視鏡2の内部に組み込まれたライトガイドファイバーバンドル101(図5を参照)等を有する。上記観察光学系の対物レンズ19には固体撮像素子を有する撮像ユニット部23が接続され、撮像ユニット部23には信号ケーブル24が接続されている。信号ケーブル24はユニバーサルコード13のコネクタ部14まで導かれ、後述する電気接続部に接続されている。
【0010】
ユニバーサルコード13のコネクタ部14には図2で示すように、送気口金31、送液口金32、吸引口金33、加圧口金34、ライトガイド口金35及び電気接続部36等が配設されている。加圧口金34は送気口金31に通じる管路より分岐した管路により構成されている。送気口金31には送気チューブ37が接続され、送液口金32には送液タンク9の送液出口に通じる送液チューブ38が接続され、吸引口金33には吸引チューブ39が接続され、加圧口金34には送液タンク9の加圧口金部に通じる加圧チューブ41が接続され(図1参照)、電気接続部36には画像処理装置5に通じる電気ケーブル42(図1参照)が接続される。吸引口金33には吸引装置7に通じる排出チューブ40が接続されている。
【0011】
図2で示すように、送気チューブ37、送液チューブ38及び吸引チューブ39はいずれもユニバーサルコード13内を通じて操作部11内に導かれている。内視鏡2の内部において、送気チューブ37は送気管路を形成し、送液チューブ38は送液管路を形成し、吸引チューブ39は吸引管路を形成する。内視鏡2の操作部11の内部において、送気チューブ37と送液チューブ38の途中には送気送液制御弁45が介挿され、吸引チューブ39の途中には吸引制御弁46が介挿されている。
【0012】
送気チューブ37の先端と送液チューブ38の先端は操作部11の内部においてYの字状に形成された送気送液管路分岐部47を介して一本の送気送液管路を構成する送気送液チューブ49に合流している。送気送液チューブ49は挿入部12内を通じて先端部17まで導かれ、噴出ノズル20に接続されている。送気送液制御弁45を操作することにより送気管路と送液管路の切り替えと開閉により送気送液管路分岐部47を通じて一本の送気送液チューブ49に対しての送気または送液を選択的に行うようになっている。そして、噴出ノズル20から対物レンズ19のレンズ面に向けて水や空気等の流体を噴き付けてレンズ面の清掃を行う。
【0013】
一方、吸引チューブ39の先端は略Yの字状の吸引管路分岐部51を介して処置具挿通チャンネル21の途中部分に接続され、処置具挿通チャンネル21の先端側部分と吸引チューブ39とにより吸引管路を形成している。処置具挿通チャンネル21の吸引管路を形成しない手元側部分は操作部11の把持部53の部分よりも折止め部54側に片寄って位置する隆起部55の突出端面に導かれて配設され、この手元側開口部により鉗子挿入口52を形成している。鉗子挿入口52の端縁部には鉗子栓56が着脱自在に装着されている。鉗子栓56を装着した鉗子挿入口52は操作部11の把持部53より先端側に位置している。
【0014】
操作部11において吸引チューブ39の途中には上記吸引操作ボタン59を有した吸引制御弁46が介挿されている。吸引制御弁46は通常、吸引チューブ39を閉止して吸引作用を遮断しているが、吸引操作ボタン59を押し込み操作すると、吸引チューブ39を開放し、吸引チューブ39を通じての吸引作用が第1の処置具挿通チャンネル21に作用するようになっている。そして、吸引操作ボタン59を押込む操作を行うことにより吸引チューブ39を開放し、吸引管路の先端開口部22より体腔内の粘液等を吸引して回収する。
【0015】
尚、吸引制御弁46は吸引チューブ39を閉止し、第1の処置具挿通チャンネル21に対する吸引作用を遮断しているとき、吸引ポンプの負荷を軽減するために外気を吸引できるように構成されている。
【0016】
上記操作部11には湾曲管部16を上下/左右方向に湾曲させるときの操作を行う湾曲操作ノブ57、上記送気送液制御弁45の操作を行うための送気送液操作ボタン58、上記吸引制御弁46の操作を行うための吸引操作ボタン59の他、各種の操作スイッチ60が設けられている。
【0017】
操作部11は挿入部12が接続される接続端近傍に位置して、挿入部11の内部空間の大きさ(図2中h)よりも大きな空間よりなる膨大部61(図2中H)が形成されている。つまり膨大部61は挿入部12内空間の断面積よりも大きな断面積を有する。
【0018】
送気チューブ37と送液チューブ38に分岐する略Y字状の送気送液管路分岐部47はその膨大部61内に配置されている。送気チューブ37と送液チューブ38は後方へ挿入部12の軸方向に平行に延びる接続端部にそれぞれ接続されており、噴出ノズル20に通じて送気送液チューブ49は前方へ挿入部12の軸方向に平行に延びる1つの接続端部に接続されている。このため、送気チューブ37と送液チューブ38と送気送液チューブ49は送気送液管路分岐部47に対して膨らむことなくコンパクトに接続されている。
【0019】
また、送気送液管路分岐部47と吸引管路分岐部51は操作部11内の膨大部61内に配置されると共に送気送液管路分岐部47は吸引管路分岐部51よりも手元側に位置して配置されている。
【0020】
次に、図3を用いて上記送気送液制御弁45の構造を説明する。送気送液制御弁45は送気送液シリンダ71と、これに挿入される弁体部であるピストン72と、送気送液シリンダ71にピストン72を取り付けるためのゴム製の取付け用リング部材73とにより構成されている。ピストン72には中心軸方向に沿い、外端に開口した透孔74が設けられており、この透孔74の内端(外部に露呈しない側の端)が側孔75を通じてピストン72の側方に開口している。
【0021】
ピストン72の、送気送液シリンダ71に挿入されない外端部には送気送液操作ボタン58を兼ねたフランジ部材76が一体的に設けられており、フランジ部材76と取付け用リング部材73の間には付勢部材であるバネ77が配されている。ピストン72には送気送液シリンダ71の内周面と密接するようにした、第1のパッキン78、第2のパッキン79、弁80が配されている。
【0022】
一方、送気送液シリンダ71には硬質のパイプ部材から成る流入側口金81,82が半田またはロー付け等により気密的に固着されており、口金81には送気管路の上流側送気チューブ37が、口金82には送液管路の上流側送液チューブ38がそれぞれ気密的に接続されている。口金81,82に送気チューブ37と 送液チューブ38をそれぞれ接続する場合、口金81,82に送気チューブ37 と送液チューブ38をそれぞれ外嵌した上でそれらの外周を糸83等で縛り、縛り部を接着剤84等にて固着してなる。送気送液シリンダ71には流出側口金部86,87が設けられている。口金部86には送気管路の下流側管路部分が、口金部87には送液管路の下流側管路部分がそれぞれ気密的に接続されている。
【0023】
図3で示すように、流出側口金部86,87には送気送液管路分岐部47が接続されている。尚、ここでの送気送液管路分岐部47は図2で示したものとは相違する。図3で示すものは、パイプ材91の途中に別のパイプ材92を斜めに接続して3方に分岐する形に構成されている。そして、送気管路に接続する送気管路口金部93と、送液管路に接続する送液管路口金部94と、送気送液用チューブ49に接続する送気送液管路口金部95との3つに分岐しており、送気管路口金部93は送気送液シリンダ71の流出側口金部86まで斜めに直線的に延長してその口金部86に直接に接続されている。また、送液管路口金部94は送気送液シリンダ71の流出側口金部87まで直線的に延長してその口金部87に直接的に接続されている。さらに送気送液管路口金部95には送気送液チューブ49が接続されている。つまり、図3で示す送気送液管路分岐部47は送気送液制御弁45に近接かつ隣接して付設され、送気送液シリンダ71の、挿入部12側に位置し、挿入部12の軸方向の前後にコンパクトに配置されている。送気送液管路口金部95に送気送液チューブ49を接続する場合は送気送液管路口金部95に送気送液チューブ49を外嵌した上でそれらの外周を糸83等で縛り、その縛り部を接着剤84等にて固着する。
【0024】
図4及び図5は内視鏡2の内部構造を示すものであり、内視鏡2の内部には先端部17に配設された照明レンズ18を介して体腔内に照明光を拡開照射すべく、その照明レンズ18に照明光を伝達するライトガイドファイバ101と、上記先端部17に配設された対物レンズ19を介して撮像ユニット部23から得た体腔内観察像の画像信号を伝送する信号ケーブル24が設けられている。
【0025】
操作部11内には硬質の基盤であるベース105が配されている。このベース105の一面側には挿入部12の湾曲管部16を湾曲駆動させるための機構である湾曲機構106が組み付けられており、湾曲機構106は図示されない回転ドラム又はスプロケットが一部に構成されており、該回転ドラムまたはスプロケットには同軸にて湾曲操作ノブ57が延接されている。
【0026】
ベース105の挿入部側端部には筒状の部材よりなる接続筒体107がネジ等により固定されており、接続筒体107には前述した吸引管路分岐部51がネジ等にて固定されている。ベース105、湾曲機構106及び接続筒体107の周りにはこれらを外装する第1の外装体111が配されており、第1の外装体111の一端を第2の外装体112(図6参照)に当て、他端を接続筒体107の外周に螺合した接続環113に当てて挟持されることにより組み付けられている。第1の外装体111と接続筒体107の間には外装筒114が介在している。
【0027】
第2の外装体112には図7で示す如く、湾曲操作ノブ57、送気送液制御弁45の送気送液シリンダ71、及び吸引制御弁46の吸引シリンダ等が取り付けられている。
【0028】
接続筒体107の挿入部側端部には挿入部12の基端が接続口金118を介して接続されている。挿入部12は螺旋管115、編線116及び外皮樹脂117を積層してなる。
【0029】
ここで、接続筒体107の内径Hは、挿入部12の接続口金118の外径よりも大きく形成されている。接続筒体107の内径Hは挿入部12を構成する螺旋管115の内径hよりも大きく構成されている。また、接続筒体107にて挿入部12よりも内部空間を大きく形成される上記膨大部61が接続口金118よりも手元側に位置して構成されている。
【0030】
第1の外装体111の挿入部側端には外装筒114を介して弾性部材よりなる補強部材119が配されている。補強部材119はテーパ状に形成されていて、液密性を保って被嵌すると共に挿入部12の外表面に滑らかにつなぐ。補強部材119は接続筒体107の外周に螺合し配された筒状の接続環113の外周に被着されている。
【0031】
送気送液管路分岐部47は、第1の外装体111内において、ベース105の湾曲機構106が配されない面側に位置して配設され、かつ吸引管路分岐部51よりもベース105側に位置して配置されている。また、送気送液管路を形成する送気送液チューブ49は接続筒体107に囲まれる空間部内において、ループ49aを構成していてもよい。
【0032】
図5(a)は図4のX−Xに沿う部分の横断面を示しており、これより分かるように、ベース105の湾曲機構106が配されない面側の領域には、送気チューブ37、送液チューブ38、吸引チューブ39及び信号ケーブル24、ライトガイドファイバ101等が配されている。
【0033】
図5(b)は図4のY−Yに沿う部分の横断面を示しており、図5(c)は図4のZ−Zに沿う部分の横断面を示している。122は湾曲操作ワイヤである。
【0034】
図6は第1の外装体111を挿入側にずらして内部を露出させた状態の内視鏡2の斜視図である。図7は図6中矢視Yから見た面における各管路構成を示し、ベース105の、湾曲機構106が配置されていない面側の管路構成を示す。
【0035】
図7で示されるように、吸引管路分岐部51より操作部11側に延出された吸引チューブ39は一旦、吸引制御弁46を介してユニバーサルコード13へ連接されている。送気送液管路分岐部47は吸引管路分岐部51より操作部11側に位置して配置されている。しかし、図8に示されるように、ベース105にネジ132等にて固定する固定部材131を利用して送気送液管路分岐部47を固定するようにしてもよい。
【0036】
送気送液管路分岐部47より延出された送気チューブ37、送液チューブ38は一旦、送気送液制御弁45を介してユニバーサルコード13内に導かれている。
【0037】
図8に示すように、固定部材131は円弧状に形成された薄肉の金属板からなり、この固定部材131をベース105にネジ132等にて固定するものであるが、樹脂等にて形成された柔軟な部材でも良く、また、図9に示されるように、送気送液管路分岐部47を樹脂又は金属による型成型にて形成し、この一部にネジ等が係合する孔部133を設け、これを利用してベース105に取り付けるようにしてもよい。
【0038】
ここで、図10を用いて、送気送液管路分岐部47に各チューブ37,38,49を着脱自在に接続する接続方式の一例を示す。送気送液管路分岐部47の各端部には接続口金135が気密的に接着又は半田等にて固定されている。接続口金135の一端部にはチューブ37,38,49を嵌合するテーパー状外周面136が形成され、他端部外周には雄ネジ部137が形成されている。雄ネジ部137には締付けリング138が装着されるようになっている。
【0039】
各チューブ37,38,49は接続口金135のテーパー状外周面136に外嵌して配してあり、さらに各チューブ37,38,49の外嵌部外周面にはテーパー状の内径を形成されたリング状の部材であるテーパ管139が配されている。テーパ管139は大きく形成された内径部の径が、接続口金135に形成されたテーパー状外周部135の最小外径よりも大きく、テーパー状外周部136の最大外径よりも小さく形成されている。
【0040】
締付けリング138は一端に接続口金135の雄ネジ部137に螺合する雌ネジ部141を有し、他端には、これに取り付けられるチューブ37,38,49の外径よりも大きく、テーパ管139の外径よりも小さな径よりなる開口部142を有する。締付リング138の開口部142のフランジ部143が、テーパ管139の端に当接し、接続口金135に螺合して締め付けることにより配されている。
【0041】
(作用)
図2に示すように、送気口金31から送り込まれた気体は加圧口金34より流出するものと、送気チューブ37を通り、送気送液制御弁45の送気送液シリンダ71に導かれるものとに別れる。送気送液シリンダ71に導かれた気体は通常の待機時、図3に示されるように、ピストン72に形成された透孔74を通って外部へ流出する。
【0042】
送気送液操作ボタン58の透孔74の開口端を指等にて塞ぐと、送気送液シリンダ71内に流入した気体は挿入部12側の送気チューブ37へ流入し、送気送液管路分岐部47を経て送気送液チューブ49、噴出ノズル20へと導かれる。
【0043】
送気送液操作ボタン58を指等にて押し込むと、図3の中心線右側部分で示すようにピストン72が送気送液シリンダ71内に押し込まれ、送気チューブ37より流入した気体は送気送液制御弁45により行き場を塞がれる。
【0044】
ここで、加圧気体は行き場を失って加圧口金34より加圧チューブ41へと導かれ、送液タンク9の内部空間を加圧する。これにより加圧された液体は加圧チューブ41内の導液チューブを通って、送液口金32へと導入され、送液チューブ38を通り送気送液シリンダ71内へ流入する。
【0045】
送気送液シリンダ71に流入した液体は第2のパッキン79と送気送液シリンダ71により囲まれた空間を通って、挿入部12側の送液チューブ38へと導かれる。この後、液体は送気送液管路分岐部47を経て送気送液チューブ49から噴出ノズル20へと導かれる。
【0046】
ところで、送気送液管路分岐部47は操作部11の内部に配されており、挿入部12の内部の管路構成としては送気送液チューブ49のみの管路構成となる。
また、図3に示すように、送気送液管路分岐部47を送気送液シリンダ71に直接に接続する場合、送気送液管路分岐部47と送気送液シリンダ71を接続する管路が要らない。
【0047】
図4に示すように、送気送液管路分岐部47は挿入部12の内部空間hよりも大きな空間Hを有する接続筒体107内に配されており、図5(b)及び図5(c)に示すように、他の内蔵物が密集した状態の挿入部12内よりも接続筒体107内に配する方が、送気送液管路分岐部47の形状等の構成に対する制約条件が少ない。
【0048】
さらに、送気送液管路分岐部47が接続筒体107内に配置され、しかも吸引管路分岐部51の部分よりも手元側に位置して配されているため、接続筒体107内で吸引管路分岐部51に干渉することもない。これらはベース105における、湾曲機構106が配されない面側に設けられているため、他面側にある湾曲機構106の駆動部と干渉しない。
【0049】
また、送気送液チューブ49の途中にはループ49aが形成されているため、挿入部12を曲げたり、湾曲管部16の湾曲動作により送気送液チューブ49が挿入部12の長手方向に進退された場合、そのループ49aのループ径が大きくなったり、小さくなったりすることで、送気送液チューブ49の進退量を吸収することができる。送気送液チューブ49にダメージを与えない。
【0050】
図7に示すように、ベース105に送気送液管路分岐部47を固定することで、送気送液管路分岐部47が、他の内蔵物、とりわけ画像伝送用電気ケーブル24、ライトガイドファイバ101等に干渉しない。
【0051】
図4の補強部材119及び接続環113を接続筒体107より取り外し、鉗子挿入口52を吸引管路分岐部51より取り外すことで、第1の外装体111は図6で示すように挿入部12の方向にずらし取り外すことができる。これにより、ベース105、湾曲機構106が外部に露呈されるようになり、つまりは送気送液管路分岐部47も外部に露呈されるようになる。
【0052】
また、図10に示すように、送気チューブ37、送液チューブ38及び送気送液チューブ49の接続端部は、いずれも接続口金135とテーパ管139によりその内外両周面が挟まれ、さらに締付リング138を接続口金135に対してねじ込むことで、テーパ管139が接続口金135のテーパー状面に押し付けられ、接続口金135とテーパ管139の間で挟持されている。
【0053】
(効果)
送気送液操作ボタン58の操作により噴出ノズル20に気体や液体を噴出させることができると共に挿入部12の内径及び外径を小さくすることができる。
【0054】
送気送液管路分岐部47が吸引管路分岐部51及び湾曲機構106と干渉することがないので、送気送液管路分岐部47の破損、送気チューブ37、送液チューブ38及び送気送液チューブ49の折れ、湾曲機構106の駆動機構部分の破損等を引き起こすことがない。
【0055】
また、ループ49aにより送気送液管路分岐部47と送気送液チューブ49の接続部に加わるストレスを未然に吸収することができ、該接続部の破損を招くことがない。同様に、送気送液チューブ49の先端部17における接続部での破損を招くこともない。
【0056】
また、補強部材119と接続環113を取り外すのみで、第1の外装体111を取り外し、送気送液管路分岐部47が外部に露呈されるため、送気送液管路分岐部47が破損してもそれを簡便に交換することが可能である。
【0057】
また、送気送液チューブ49が挿入部12内にて破損した場合、先端部17における送気送液チューブ49の接続部、及び送気送液管路分岐部47と送気送液チューブ49の接続部を外し、引き抜くことで簡便に交換が可能となる。
【0058】
また、送気送液管路分岐部47との接続部においても締付リング138を取り外すことで簡便に送気チューブ37、送液チューブ38及び送気送液チューブ49を取り外すことが可能となる。
【0059】
図3に示される構成、つまり送気送液管路分岐部47を送気送液シリンダ71に直接に接続するようにすれば、送気送液管路分岐部47と送気送液シリンダ71を連接する管路が不要となるため、該管路の分、費用を削減することができる。
【0060】
[第2実施形態]
図11乃至図15を用いて本発明の第2実施形態を説明する。
(構成)
内視鏡2の挿入部12の内部には気体及び液体を供給する管路送気送液チューブ49が配されており、送気送液チューブ49は先端部17において噴出ノズル20へ接続されている。また、送気送液チューブ49は噴出ノズル20に接続されない一端を送気送液管路分岐部47に接続しており、送気送液管路分岐部47には気体を供給する送気チューブ37、液体を供給する送液チューブ38が接続されている。送気チューブ37及び送液チューブ38は、ユニバーサルコード13内を通り、コネクタ部14にて対応する送気口金31と送液口金32にそれぞれ開口している。
【0061】
さらに、コネクタ部14には、送気口金31の近傍にこれと同様に形成された第2の送気口金151が設けられており、第2の送気口金151は送液口金32の近傍に配された加圧口金34に接続されている。
【0062】
また、挿入部12内には処置具挿通チャンネル21の一部を兼ねた吸引管路152が配され、吸引管路152の先端は先端部17に開口した先端開口部22に通じている。吸引管路152は一旦吸引管路分岐部51を介してユニバーサルコード13内を通りコネクタ部14に設けられた吸引口金33に接続されている。
【0063】
操作部11には送気送液操作ボタン153と吸引操作ボタン154が設けられ、送気送液操作ボタン153と吸引操作ボタン154は防水性を有する電気接点より構成されている。特に送気送液操作ボタン153は接点を少なくとも2段有したものよりなる。
【0064】
送気送液操作ボタン153には導電性を有する線である送気送液信号ケーブル155が接続され、吸引操作ボタン154には吸引信号ケーブル156が接続され、送気送液信号ケーブル155と吸引信号ケーブル156はユニバーサルコード13内を通り、コネクタ部14の外部へ露呈して設けられた、導電性を有した送気送液信号接点157と吸引信号接点158に別々に接続されている。
【0065】
次に、図12を用いて、この内視鏡2が接続される光源装置160の構成について説明する。この光源装置160の本体161には内視鏡2のコネクタ部14が接続される、コネクタ受け162が設けられており、本体161の内部にはライトガイド口金35へ導かれる光の発生源であるランプ165、内視鏡2の送気管路へ気体を送り込むための送気ポンプ166が配されている。
【0066】
送気ポンプ166の排出管路167にはこれより分岐して送気口金31へ気体を導くための管路である第1の送気管路168と、第2の送気口金151へ気体を導くための管路である第2の送気管路169が続けて接続されている。第1の送気管路168と第2の送気管路169にはその管路を開閉するための、第1のバルブ171、第2のバルブ172が介挿して設けられている。
【0067】
また、送気ポンプ166と第1のバルブ171又は第2のバルブ172の間の管路部分には第1のリーク管路173が接続されており、第1のリーク管路173の他端は外部に開口されている。この第1のリーク管路173の途中にはこの管路を開閉するための第3のバルブ174が設けられている。
【0068】
これとは別に、両端を光源装置160には外部にて開口されている管路である吸引補助管路176が配設されている。この吸引補助管路176には途中から分岐する第2のリーク管路177が接続されている。第2のリーク管路177の先端は開口されている。また、吸引補助管路176及び第2のリーク管路177には管路を開閉するための第4のバルブ178、第5のバルブ179が設けられている。
【0069】
コネクタ受け162にはコネクタ部14を接続した場合において上記送気送液信号接点157と吸引信号接点158に電気的に接続されるように送気送液信号受信部181、吸引信号受信部182が設けられており、この送気送液信号受信部181、吸引信号受信部182は信号線183を通じて演算回路よりなる信号処理回路184に接続されている。信号処理回路184は送気送液信号受信部181、吸引信号受信部182のみならず、送気ポンプ166、第1のバルブ171、第2のバルブ172、第3のバルブ174、第4のバルブ178及び第5のバルブ179にも接続されている。信号処理回路184の信号処理の制御内容については図14及び図15に示すようになっている。
【0070】
送液タンク9に接続される加圧チューブ41は図13で示すように構成されている。つまり加圧チューブ41には導液チューブ185が形成されており、送気口金31から加圧チューブ41の管路を通じて送液タンク9内に加圧空気を送り込み、送液タンク9の内部空間を加圧する。送液タンク9内に準備された液体は導液チューブ185の管路を通じて送液口金32に押し出される。
その他の構成については第1実施形態の構成と同様により説明を省略する。
【0071】
(作用)
内視鏡2のコネクタ部14を光源装置160のコネクタ受け162に接続することで、送気口金31は第1の送気管路168と連接し、第2の送気口金151は第2の送気管路169と連接するようになる。この際に、送気送液信号接点157と吸引信号接点158がそれぞれ対応する送気送液信号受信部181と吸引信号受信部182と電気的に接続される。
【0072】
ここで、図14に示すように、送気送液操作ボタン153を何も操作しない場合、第3のバルブ174(V3)が開放され、第1のバルブ171(V1)、第2のバルブ172(V2)は閉め切られている。よって、送気ポンプ166より送り出される加圧気体は排出管路167から第1のリーク管路173を通り外部に排出される。
【0073】
次に、送気送液操作ボタン153を1段目の接点まで押し込み入力(送気)すると、第1のバルブ171が開放され、第2のバルブ172と第3のバルブ174とは閉め切られる。よって、送気ポンプ166より送り出される気体は排出管路167から第1の送気管路168及び送気口金31を順次通り内視鏡2の送気チューブ37内へ送り込まれる。
【0074】
さらに、送気送液操作ボタン153の2段目の接点位置まで押し込む入力(送液)を行うと、第2のバルブ172が開放され、第1のバルブ171と第3のバルブ174とは閉め切られる。よって、送気ポンプ166より送り出される気体は排出管路167から第2の送気管路169、第2の送気口金151、加圧口金34を通り、送液タンク9に設けられた加圧チューブ41を通じて送液タンク9へ送り込まれる。送液タンク9内へ送り込まれた気体はそのタンク内の空間を加圧し、送液タンク9内に準備された液体を導液チューブ185へ押し出す。導液チューブ185へ押し出された液体は送液口金32を介して送液チューブ38へ送り込まれる。
【0075】
次に、送気送液操作ボタン153の接点を1段目(送気)に戻すと、信号処理回路184は送気ポンプ166の出力を一定時間(T)上昇させる信号を出力する。これと同時に、第2のバルブ172を閉め切り、第1のバルブ171を開放する。これにより、送気チューブ37へ以前に実施された送気圧よりも高圧の気体が一定時間送り込まれる。また、吸引チューブ39については、図示されない管路を用いて、吸引口金33と吸引補助管路176を接続し、吸引補助管路176を図示されない吸引装置に接続する。
【0076】
この際、吸引補助管路176から第2のリーク管路177が分岐する位置は第4のバルブ178が接続される位置よりも吸引装置側に設けられている。
【0077】
図15に示されるように、吸引操作ボタン154より信号が何も入力されない状態では、第4のバルブ178は閉め切られ、第5のバルブ179は開放されている。よって、吸引装置は第2のリーク管路177より外気を吸引することとなる。
【0078】
吸引操作ボタン154より信号を入力すると、第5のバルブ179が閉め切られ、第4のバルブ178が開放される。よって、吸引チューブ39を介して、先端開口部22より吸引することができる。
その他の作用については、第1実施形態と同様にて説明を省略する。
【0079】
(効果)
第1実施形態の効果に加えて、送気送液制御弁45、吸引制御弁46を管路構成に加える必要性がないため、簡便な管路構成にすることができる。また、送液後、高圧の送気を行うことで、送気送液チューブ49内に残留する液体を短時間にて除去することが可能となり、送液と送気の切り替え時間を短くすることができる。
【0080】
[第3実施形態]
図16乃至図22を用いて、本発明の第3実施形態を説明する。
【0081】
(構成)
図16は、挿入部12の先端部17付近に送気送液管路分岐部を設けた方式の管路構成を示すものである。送気チューブ37、送液チューブ38はその内径が同一の硬質のパイプ状の部材である第1の接続管201及び第2の接続管202の後端突出部に外嵌して接続され、さらに送気チューブ37、送液チューブ38の接続部の外周には糸203等が巻かれ、縛られている。
【0082】
第1の接続管201及び第2の接続管202の先端部分は、先端部17の本体部材を構成する硬質の先端硬質部204に形成された透孔である取付け路205に接着、半田またはロー付け等により気密的に接続されている。取付け路205は第1の接続管201を接続する管路部分と第2の接続管202を接続する管路部分を噴出ノズル20に通じる管路部分に合流させる略Yの字状に分岐した管路としてある。
【0083】
また、先端硬質部204の先端側部分には電気的絶縁性を有する例えば樹脂等より形成されたキャップ状の先端カバー206が固着されている。先端カバー206には取付け路205と連通する透孔207が形成されており、この透孔207には上記噴出ノズル20が挿入されて固定されている。噴出ノズル20は円柱状の部材により形成され、その軸方向に沿って内孔208が形成されている。内孔208の内径は噴出ノズル20に通じる取付け路205の管路部分の内径と同一にて形成されている。噴出ノズル20の先端には外部に露出する頭部209が形成され、その頭部209の側壁には、対物レンズ19に対向した噴出ノズル噴出口210が開口している。
【0084】
ここで、送気チューブ37から第1の接続管201及びこれを取り付ける取付け路205の管路部分に至る送気管路の部分は等しい径で形成され、その内径をAとし、送液チューブ38から第2の接続管202及びこれを取り付ける取付け路205の管路部分に至る送液管路の部分は等しい径で形成され、その内径をWとし、噴出ノズル20を取り付ける取付け路205の管路部分から噴出ノズル20の内孔208における管路部分は等しい径で形成され、その内径をNとしたとき、N≦W<Aとなるように構成されている。また、噴出ノズル噴出口210の開口幅をnとした場合、n≦Nとなるように構成されている。
【0085】
図16の場合は挿入部12の先端部17付近に送気送液管路分岐部を設けた方式のものの例であるが、本発明では図17で示すような管路構成をとる。つまり、送気チューブ37、送液チューブ38は先端部17から離れた後方に位置した送気送液管路分岐部47にて1本の送気送液チューブ49に合流する。送気送液チューブ49は硬質のパイプ状部材よりなる第3の接続管213に接続され、第3の接続管213の先端が先端硬質部204の直線的な取付け路205に気密接続される。このような管路構成において、送気送液チューブ49の管路内径をDとしたとき、N≦D≦W<Aとして構成されていてもよい。
【0086】
上記構成において、各管路の内径をA、W、N、Dとしたが、各管路の断面積をSA 、SW 、SN 、SD とした場合には、SN ≦SD ≦SW <SA と構成してなる。この際に、噴出ノズル噴出口210の断面積をSn とすれば、Sn ≦SN となるように構成してある。
【0087】
また、図19に示すように、送気チューブ37の内部に送液チューブ38を配した管路構成において、図20に示すように、硬質のパイプ部材で、その周面上に複数の透孔である通気口220を形成した第1の内管221に送液チューブ38の先端部が接続されている。第1の内管221の外周には、通気口220を覆うように第1の外管222が気密固着されている。第1の外管222には送気チューブ37の先端が気密的に接続されている。
【0088】
送気チューブ37及び送液チューブ38の、第1の内管221と第1の内管221に接続されない他端においても同様に、送気チューブ37は第2の内管225に接続され、送液チューブ38は第2の外管226に接続されている。
【0089】
この場合、送液チューブ38の外周と送気チューブ37の内周により構成される送気管路の断面積は送液チューブ38内で構成される送液管路の断面積よりも大きく構成されている。また、複数の通気口220による総面積は、送液チューブ38の外周と送気チューブ37の内周による送気管路の断面積とほぼ同一になるように構成されている。
【0090】
図21に示されるように、1本のチューブ体である2ルーメンチューブ230として構成の場合には、送気管路231と送液管路232の2つの管路が構成されている。2ルーメンチューブ230は図22に示すように、送気送液管路分岐部47にその送気管路231と送液管路232を接続している。ここにおいても、送気管路231の断面積は送液管路232の断面積よりも大きく形成されている。
その他の構成については、第1、第2実施形態と同様にて説明を省略する。
【0091】
(作用)
図16の構成においては、送気チューブ37の内径Aが噴出ノズル20に導かれる取付け路205の管路部分の内径Nよりも大きいため、取付け路205に流入する気体の流速が送気チューブ37を流れる気体の流速よりも早くなる。また、送液チューブ38の内径が取付け路205の管路部分の内径以上となっているため、取付け路205に流入する液体の流速が送液チューブ38を流れる液体の流速よりも遅くなることはない。
【0092】
図17乃至図22の構成においては、送気送液チューブ49の管路内に流入する気体の流速が、送気チューブ37の管路内を流れる気体の流速よりも早くなる。
【0093】
送液チューブ38より送気送液チューブ49内に送液した後に、送気チューブ37より送気した場合、送気送液チューブ49内の残水を早く除去することができる。
【0094】
加えて、噴出ノズル噴出口210の開口幅nが取付け路205の内径Nよりも小さいため、噴出ノズル噴出口210から噴出する気体及び液体の噴出速度は各管路内を流れる気体及び液体の流速よりも早い。
【0095】
その他の作用については、第1、第2実施形態と同様にて説明を省略する。
【0096】
(効果)
第1及び第2実施形態の効果に加えて、噴出ノズル29の噴出口210より噴出される液体にて、対物レンズ19の外表面に付着した汚物を除去する能力が向上する。また、対物レンズ19の外表面に付着した水滴等を除去する能力が向上する。さらに、送液後の送気への切り替えが短時間に行える。
【0097】
[第4実施形態]
図23乃至図26を用いて本発明の第4実施形態を説明する。
(構成)
図23は挿入部12の先端部17の図24中のQ−Q線に沿う部分の横断面図である。図24は図23中のΖ−Ζ線に沿う部分の断面図である。図25は挿入部12の先端部17の図26中のR−R線に沿う部分の横断面図である。図26は図25中のP−P線に沿う部分の断面図である。
【0098】
図23に示されるように、先端部17の先端硬質部241には吸引チューブ(処置具挿通用チャンネルを兼用)242、ライトガイドファイバ243、撮像ユニット部244及び送気送液チューブ245が互いに近接して配されている。
【0099】
図24に示すように、吸引チューブ242は先端部17の先端硬質部241に嵌挿した円管状の吸引接続管246の後端部に外嵌し、さらにその外周面上に糸247等を巻き付けて固定されている。
【0100】
また、吸引接続管246は吸引チューブ242が接続されない一端を先端硬質部241に形成された透孔248に挿入し、接着剤または半田、ロー付け等にて気密接続されている。
【0101】
ライトガイドファイバ243の先端部は硬質のパイプ状の部材であるライトガイド前側口金251に挿入して固着され、ライトガイド前側口金251より挿入部12側においてはチューブ体よりなるライトガイド保護チューブ252が外装されている。ライトガイド保護チューブ252はライトガイド前側口金251の後端に外嵌し接着等により接続されている。
【0102】
先端硬質部241には先端カバー253が固着され、先端カバー253が固着されない端には複数個連接した円管状の湾曲短管255の先端が接続されており、さらに湾曲短管255はリベット256により複数個回動自在に連接されている。複数個連接された湾曲短管255の外周には金属線または高分子繊維を筒状に編んだり組んだりした湾曲被覆編線257が配されており、湾曲被覆編線257の外周にはさらにゴム、エラストマー等の伸展性を有するチューブ体よりなる湾曲被覆ゴム258が配され湾曲管部16を構成している。また、最先端の湾曲短管255には湾曲機構に一端を固定された湾曲操作ワイヤ259が固定されている。
【0103】
吸引接続管246と吸引チューブ242の接続部はライトガイド前側口金251とライトガイド保護チューブ252の接続部分よりも挿入部12の基端側にずらして配されている。
【0104】
上記構成に加えて、図25、図26に示すように、先端硬質部241のライトガイド前側口金251が接続される透孔部248において、先端硬質部241の面を先端側にずらして設けてある第1の段差部261及び第2の段差部262が形成されている。
【0105】
第1の段差部261はライトガイド前側口金251とライトガイド保護チューブ252の接続部の最大外径よりも大きな内径を有する開口よりなる。
【0106】
第2の段差部262はライトガイド前側口金251とライトガイド保護チューブ252の接続部の最大外径よりも大きい幅よりなる切り欠き状の段差よりなる。第1の段差部261及び第2の段差部262の段差量Lは、ライトガイド前側口金251とライトガイド保護チューブ252の接続部の長さと同等かこれ以上に形成されている。その他の構成については、第1〜第3実施形態と同様にて説明を省略する。
【0107】
(作用)
吸引チューブ242と吸引接続管246の接続部は隣接するライトガイドファイバ243のライトガイド前側口金251とライトガイド保護チューブ252の接続部よりも挿入部基端側にずれているため、吸引チューブ242と吸引接続管246の接続部外周とライトガイド保護チューブ252の外周との隙間を大きく取れる。
吸引チューブ242と吸引接続管246の接続部より基端側に、ライトガイド保護チューブ252の外径が大きくなるような部分はなく、吸引チューブ242を挿入部基端側に向かって引き抜いてもライトガイド保護チューブ252と干渉することはない。
その他の作用については、第1〜第3実施形態と同様にて説明を省略する。
【0108】
(効果)
第1〜第3実施形態の効果に加えて、吸引チューブ242を破損し交換修理する場合、吸引チューブ242と吸引接続管246の接続部を取り外し、または取り付ける際に、ライトガイド保護チューブ252との空間を大きく取れるため、そのライトガイド保護チューブ252を破損し難い。
吸引チューブ242のみを挿入部12の内部より引き抜く際に、ライトガイドファイバ243に干渉し、ライトガイドファイバ243を破損することが無く、また、新品の吸引チューブ242を挿入する際にその吸引チューブ242を破損してしまうこともない。
【0109】
[第5実施形態]
図27乃至図30を用いて本発明の第5実施形態を説明する。
【0110】
(構成)
この第5実施形態は内視鏡2の挿入部12における可撓管部15と湾曲管部16との接続部の構成の例である。
湾曲管部16を構成する湾曲管301の基端側部材は金属よりなる円管状の接続管302の最小外径部に外挿し、固定されている。
【0111】
接続管302の、湾曲管301が固定されない一端には、内径が最も大きな嵌合部303が形成されており、この嵌合部303には可撓管部15の、帯状の板を螺旋状にして管状体に形成してなる螺旋管304と、この螺旋管304の外周に金属線及び高分子繊維を筒状に編んで形成された編線305が挿入し、接着等により固着されている。編線305の外周には樹脂等による外皮樹脂306が気密的に配されている。
【0112】
接続管302の内周面には湾曲操作ワイヤ307を誘導するコイル308の先端が接着または半田、ロー付け等により固着されている。接続管302の、コイル308が固着される位置には径方向にその内径を大きくするように形成された大径部311が形成されており、この大径部311にコイル308が固着されている。接続管302には、大径部311と嵌合部303の間に大径部311よりも径方向に内径を大きくするように形成された溝部312が形成されている。
【0113】
尚、大径部311及び溝部312は図29に示すように、コイル308の外径よりも大きな径よりなる円形状溝に形成されていても良い。また、溝部312の長手方向の距離Mは1mm〜10mmの範囲である。
その他の構成については第1〜第4実施形態と同様にて説明を省略する。
【0114】
(作用)
コイル308と接続管302の固着部において、接続管302の内周面よりコイル308が内側に突出する量を少なくすることができる。これにより、接続管302及びコイル308にて構成される内空間を広くすることができる。
大径部311にコイル308を固着する場合の接着剤または半田が溝部312に流れ込み、大径部311以外でコイル308が接続管302に固着することはない。
溝部312によりコイル308が大径部311より螺旋管304の内周面に緩やかに変位し、湾曲操作ワイヤ307が本部位で急激に折れない。
【0115】
(効果)
第1〜第4実施形態の効果に加え、挿入部12において、可撓管部15と湾曲管部16との接続部において、外径を小さく構成することができる。湾曲操作ワイヤ307の耐久性を低下させることがない。大径部311、溝部312を図29で示すように、円形断面にて形成することで、図28での形状のものよりも加工が簡便である。
【0116】
本発明は前述した実施形態のものに限定されない。また、上記実施形態の説明によれば少なくとも以下に列記する事項及びその任意の組み合わせの事項のものが得られる。
【0117】
<付記>
付記項1.基端に操作部を有する挿入部と、この挿入部の先端に設けられた先端部材と、
先端部材に観察窓の外表面に対向して設けられた噴出ノズルと、
噴出ノズルに接続され、その噴出ノズルに気体及び液体を供給する送気送液管路と、
送気送液管路に分岐部を介して接続された送気管路及び送液管路を有し、
送気管路及び送液管路から分岐部を通じて上記送気送液管路に送気送液を行うようにした内視鏡において、
挿入部内空間の断面積よりも大きな断面積を有する、膨大部を挿入部よりも手元側部位に設け、この膨大部内に上記分岐部を配したことを特徴とする内視鏡。
【0118】
付記項2.先端部材には、処置具の誘導及び汚物の吸引を行う管路が接続されており、この管路は、膨大部において一部を内視鏡外部に開口する鉗子挿通分岐部に接続された内視鏡において、
送気管路と送液管路の分岐部は、鉗子挿通分岐部よりも手元側に配されていることを特徴とする付記項1記載の内視鏡。
付記項3.送気管路と送液管路の分岐部は、操作部の把持部の内部に形成された膨大部内に配されていることを特徴とする付記項1,2記載の内視鏡。
【0119】
付記項4.送気管路と送液管路の分岐部は、送気送液切替え用弁に直接に接続されていることを特徴とする付記項1記載の内視鏡。
【0120】
付記項5.送気管路及び送液管路を通じて送気送液を行う切替え機構を設け、切替え機構は、内視鏡または内視鏡が接続される周辺機器に設けられた制御手段により制御することを特徴とする付記項1記載の内視鏡。
付記項6.制御手段は、操作部に設けられたスイッチの操作により機能することを特徴とする付記項5記載の内視鏡。
【0121】
付記項7.制御手段は、液体の供給後、気体の供給操作をした場合において送気管路内に設定された気体の供給圧力よりも大きな圧力よりなる気体を一定時間供給するように制御することを特徴とする付記項5記載の内視鏡。
付記項8.一定時間とは、10秒以内であることを特徴とする付記項7記載の内視鏡。
付記項9.送気管路と送液管路の分岐部は、湾曲操作機構が配された部位よりも、挿入部側に配設されていることを特徴とする付記項1,2記載の内視鏡。
【0122】
付記項10.送気管路と送液管路の分岐部は、操作部を構成する外装体の一部を取り外すことで、外部に露呈される部位に配設されたことを特徴とする付記項1記載の内視鏡。
【0123】
付記項11.噴出ノズルに接続される気体及び液体を供給する送気送液管路は、送気管路と送液管路の分岐部に着脱可能に接続されていることを特徴とする付記項1記載の内視鏡。
付記項12.着脱可能な接続方式は、管路の内外周を同時に管状体にて挟持することを特徴とする付記項11記載の内視鏡。
【0124】
付記項13.噴出ノズルに接続される気体及び液体を供給する送気送液管路は、少なくとも1回のループを形成し、送気管路と送液管路の分岐部に接続されていることを特徴とする付記項1記載の内視鏡。
【0125】
付記項14.ループは、膨大部において形成されていることを特徴とする付記項13記載の内視鏡。
【0126】
付記項15.送気管路と送液管路の分岐部は、操作部内の部材にネジ等により固定されていることを特徴とする付記項1記載の内視鏡。
【0127】
付記項16.送気管路と送液管路の分岐部は、硬質のパイプ材をY字状に組み合わせて構成されていることを特徴とする付記項1記載の内視鏡。
付記項17.送気管路と送液管路の分岐部は、樹脂成型、アルミダイキャスト、ロストワックス成型、メタルモールド等の成型物により形成されていることを特徴とする付記項1記載の内視鏡。
【0128】
付記項18.送気管路と送液管路の分岐部は、送気管路と、送液管路と、送気送液管路とが接続されるそれぞれの接続端部が挿入部の長手軸方向に平行であることを特徴とする付記項1記載の内視鏡。
付記項19.送気管路と送液管路の分岐部は、操作部のベースに固定するようにしたことを特徴とする付記項15記載の内視鏡。
【0129】
付記項20.挿入部の先端部材に設けられた観察窓と、この観察窓の外表面に対向して設けられた噴出ノズルと、挿入部内に形成され上記噴出ノズルに連通する送気管路及び液体管路を有する内視鏡において、
送気管路の管路抵抗が、噴出ノズルの円筒部内の管路抵抗よりも小さくなるように構成されていることを特徴とする内視鏡。
【0130】
付記項21.噴出ノズルの円筒部の内部断面積SN 、送気管路の内部断面積SA との間の関係が、
SN <SA となるように構成されていることを特徴とする付記項20記載の内視鏡。
付記項22.噴出ノズルの円筒部の内径N、送気管路の内径Aとの間の関係が、
N<Aとなるように構成されていることを特徴とする付記項20記載の内視鏡。
付記項23.噴出ノズルに接続される液体管路の管路抵抗が、噴出ノズルの 円筒部内の管路抵抗以下となるように構成されていることを特徴とする付記項20記載の内視鏡。
【0131】
付記項24.噴出ノズルに接続される液体管路の内部断面積をSW とした場合、
SN ≦SW となることを特徴とする付記項23記載の内視鏡。
【0132】
付記項25.噴出ノズルに接続される液体管路の内径をWとした場合、N≦Wとなるように構成されていることを特徴とする付記項23記載の内視鏡。
【0133】
付記項26.噴出ノズルに1つの管路である送気送液管路が接続され、送気送液管路より送気管路と液体管路に分岐してなる管路を有する内視鏡において、
送気管路の管路抵抗が最も小さく、送気送液管路の管路抵抗が噴出ノズルの円筒部内管路抵抗以下となるように構成されていることを特徴とする付記項20記載の内視鏡。
【0134】
付記項27.送気送液管路の内部断面積をSD とすると、
SN ≦SD <SA となるように構成されていることを特徴とする付記項26記載の内視鏡。
【0135】
付記項28.送気送液管路の内径をDとした場合、
N≦D<Aとなるように構成されていることを特徴とする付記項26記載の内視鏡。
付記項29.送気送液管路の管路抵抗と液体管路の管路抵抗が同一に構成されていることを特徴とする付記項26記載の内視鏡。
【0136】
付記項30.SD =SW であることを特徴とする付記項29記載の内視鏡。
付記項31.D=Wであることを特徴とする付記項29記載の内視鏡。
付記項32.噴出ノズルの観察窓の外表面に対向する開口部の断面積は、噴出ノズルの円筒部の断面積よりも小さいことを特徴とする付記項20記載の内視鏡。
【0137】
付記項33.液体管路は、送気管路の内部に配せられていることを特徴とする付記項20、26記載の内視鏡。
【0138】
付記項34.液体管路と、送気管路は、1本のチューブ内に形成された2つのルーメンより構成されていることを特徴とする付記項20、26記載の内視鏡。
【0139】
付記項35.送気送液管路が送気管路と液体管路に分岐する分岐部において、
分岐部に形成される管路の抵抗は、接続される各管路の管路抵抗以上になるように構成されていることを特徴とする付記項26記載の内視鏡。
付記項36.分岐部に形成される管路の断面積は、これに接続される各管路の断面積と同一になるように形成されていることを特徴とする付記項35記載の内視鏡。
【0140】
付記項37.分岐部に形成される管路の内径は、接続される各管路の内径と同一になるように形成されていることを特徴とする付記項35記載の内視鏡。 付記項40.先端部材に、気体及び液体を供給する管路、処置具の誘導及び汚物の吸引を行う管路と、照明光あるいは観察像を導くファイバーバンドルを固定してなる内視鏡において、
各管路は、硬質のパイプ材を介して先端部材に接続され、ファイバーバンドルは、硬質のパイプ材に挿入され先端部材に接続されており、少なくとも一つの接続部は他の接続部に対して挿入部方向にずらして配されていることを特徴とする内視鏡。
【0141】
付記項41.各管路、ファイバーバンドルの先端部材への接続部のうち、隣接する接続部が、互いに挿入部方向にずれていることを特徴とする付記項40記載の内視鏡。
付記項42.各管路、ファイバーバンドルの先端部材への接続部のうち、処置具の誘導及び汚物の吸引を行う管路の接続部が最も挿入部基端側に位置していることを特徴とする付記項40記載の内視鏡。
付記項43.処置具の誘導及び汚物の吸引を行う管路の接続部が、隣接する管路及びファイバーバンドルよりも挿入部基端側に位置していることを特徴とする付記項42記載の内視鏡。
【0142】
付記項44.接続部は、硬質のパイプ部材の外周に、管路及び保護チューブが被嵌されて形成されてなることを特徴とする付記項40記載の内視鏡。
付記項45.接続部は、硬質のパイプ部材の外周に、管路及び保護チューブが被嵌されたうえ、糸等の部材により被嵌部を巻回されてなることを特徴とする付記項44記載の内視鏡。
付記項46.硬質のパイプ部材は、先端部材に溶接、半田または接着等によ り固着されていることを特徴とする付記項40記載の内視鏡。
【0143】
付記項47.先端部材と硬質のパイプ部材の固着部は、挿入方向に位置がずれて設けられていることを特徴とする付記項40、41記載の内視鏡。
付記項48.先端部材と硬質のパイプ部材の固着部のずれは、先端部材に挿入方向に設けられた段差により形成されることを特徴とする付記項47記載の内視鏡。
付記項49.先端部材において、挿入方向に設けられた段差は、段差部に接続される各管路及びファイバーバンドルの外径よりも大きく形成された、開口部であることを特徴とする付記項48記載の内視鏡。
【0144】
付記項50.開口部は、段差部に接続される各管路及びファイバーバンドルと硬質のパイプ部材との接続部の外径よりも大きく形成されたことを特徴とする付記項49記載の内視鏡。
【0145】
付記項60.基端に操作部を有する細管状の挿入部と、挿入部の端部に構成された、複数のリング状部材を回動自在に接続されて構成され、上下左右に湾曲可能な湾曲管部と、湾曲管部の先端に設けられた先端部材とからなり、挿入部と湾曲管部とを接続する接続管の内面に、湾曲操作ワイヤを案内するコイルが固着されてなる挿入部を備えた内視鏡において、
接続管の内面の一部に、径方向に一部内径の大きな大径部を形成し、該大径部にコイルを固着したことを特徴とする内視鏡。
【0146】
付記項61.大径部は、接続管の最小内径部の長手方向の全長にわたり形成されていることを特徴とする付記項60記載の内視鏡。
【0147】
付記項62.大径部は、コイルの半径と同一かこれ以上の半径よりなる円状溝であることを特徴とする付記項60記載の内視鏡。
【0148】
付記項63.接続管のコイル固着部と挿入部の可撓管部が当接する部位間には、大径部よりも、その内径が径方向に大きく形成された溝部が形成されていることを特徴とする付記項60記載の内視鏡。
【0149】
付記項64.溝部は大径部が形成されている部位と、可撓管部が当接する部位間のみに形成されていることを特徴とする付記項63記載の内視鏡。
【0150】
付記項65.溝部の長手方向の長さは、1mm以上であることを特徴とする付記項63記載の内視鏡。
【0151】
付記項66.溝部の長手方向の長さは、10mm以下であることを特徴とする付記項63記載の内視鏡。
【0152】
付記項67.接続管の内径は、挿入部の可撓管部の内径と略同一であることを特徴とする付記項60記載の内視鏡。
【0153】
付記項68.溝部は、大径部の半径よりも大きな半径よりなる円状溝よりなることを特徴とする付記項63記載の内視鏡。
【0154】
・付記項1〜3、5〜6に係る作用は、
挿入部内に配された、気体及び液体を供給する管路を1つとすることで、挿入部を細径化できると言うことである。
【0155】
・付記項4、15に係る作用は、送気管路と送液管路の分岐部を操作部内の切替え用弁装置またはその他の構成部に固定することで、分岐部が操作部内で移動してしまうことを防止し、分岐部が湾曲機構等に干渉することを防止できると言うことである。
【0156】
・付記項7〜8に係る作用は、気体及び液体を供給する1つの管路に、送液後に大きな圧力よりなる気体を一定時間供給することで、液体の除去が短時間で行え、液体と気体の供給の切り替え時間を短縮できると言うことである。
・付記項9に係る作用は、送気管路と送液管路の分岐部が操作部内において移動しても、湾曲操作機構に干渉しないと言うことである。
・付記項10〜12に係る作用は、操作部を構成する外装体の一部を取り外すことで、送気管路と送液管路の分岐部が露呈され、分岐部とこれに接続される各管路の着脱が可能であると言うことである。
【0157】
・付記項13、14に係る作用は、挿入部の曲げ及び湾曲部の湾曲動作により、挿入部内に配された、気体及び液体を供給する管路に長手方向に張力または圧縮力が加わった場合、ループ部にてこの張力または圧縮力を吸収することができ、気体及び液体を供給する管路と噴出ノズルとの接続部及び送気管路と送液管路の分岐部との接続部に力がかからないと言うことである。
・付記項16、17に係る作用は、送気管路と送液管路の分岐部の構成及び組み立てが簡便にできると言うことである。
【0158】
・付記項20〜22、26〜28、32、35〜39に係る作用は、噴出ノズルよりも、気体の供給される上流側の管路(送気管路)内径及び断面積が大きいことにより、噴出ノズルへ流入する気体の流量が増加し、これにより噴出ノズルの開口部における流速が早くなり、観察窓表面に付着した水滴等を除去する能力が上がると言うことである。
【0159】
・付記項23〜25、29〜31、32、35〜39に係る作用は、噴出ノズルよりも、液体の供給される上流側の管路(液体管路)内径及び断面積が同等かこれ以上に構成されていることにより、噴出ノズルヘ流入する液体の流量が低下することが無く、噴出ノズルの開口部における流速が低下しないため、観察窓に付着した汚物等を除去する能力が低下しないと言うことである。
【0160】
・付記項33、34に係る作用は、液体管路が送気管路の内部に配されていることで、挿入部内に上記各管路は1本の管路として配することができ、挿入部内において他の内蔵物と干渉することがないと言うことである。
【0161】
・付記項40〜50に係る作用は、処置具の誘導及び汚物の吸引を行う管路の先端部材との接続部が、隣接する他の内蔵物と先端部材の接続部よりも、手元側にずれていることで、隣接する他の内蔵物の接続部が太径化していても、処置具の誘導及び汚物の吸引を行う管路の交換作業に障害となることが無く、作業が簡便に行えると言うことである。
【0162】
・付記項60〜62に係る作用は、接続管の大径部にコイルを固定することで、接続管とコイルにより囲まれる空間が広く形成でき、接続管の内径を小さく形成した場合においても、該空間部に配する内蔵物を小さく形成する必要が無く、ここで、挿入部の外径を小さく形成させることができると言うことである。
また、接続管の肉厚を全周にわたって薄くしていないので、接続管自体の強度も低下しない。
【0163】
・付記項63〜68に係る作用は、大径部にコイルが固着される部位から、挿入部の可撓管部の内径にコイルが移行する間に、溝部が形成されていることで、コイルは溝部の範囲で配設される半径方向を徐々に可撓管の内径にまで変化することができる。
よって、コイルが接続管部分で急激な半径方向への位置変化で座屈することがない。
また、コイルと接続管の固着部において、固着手段である半田またはロー付け等が溝部へ流れ込み、コイルと接続管が大径部以外にて固着することがないと言うことである。
【0164】
付記項1〜3、5〜8に記載の構成によると、送気及び送液管路を有する内視鏡において、内視鏡の挿入部を細径化することができることに加えて、送液と送気の切り替えを短時間にて行えると言う効果が得られる。
【0165】
付記項4、9、15に記載の構成によると、送気及び送液管路を有する内視鏡において、内視鏡の挿入部を細径化することができることに加えて、湾曲操作機構に損傷を与えないと言う効果が得られる。
【0166】
付記項10〜12に記載の構成によると、送気及び送液管路を有する内視鏡において、内視鏡の挿入部を細径化することができることに加えて、管路の修理交換が簡便にできるという効果が得られる。
【0167】
付記項13、14に記載の構成によると、送気及び送液管路を有する内視鏡において、内視鏡の挿入部を細径化することができることに加えて、挿入部の曲げや湾曲部の湾曲動作によって送気・送液管路が操作部内にて進退されても、送気、送液の各管路の接続部が破壊されないと言う効果が得られる。
【0168】
付記項16、17に記載の構成によると、送気及び送液管路を有する内視鏡において、内視鏡の挿入部の細径化することができることに加えて、送気管路と送液管路の合流部を簡便に形成できると言う効果が得られる。
【0169】
付記項20〜22、26〜28、32、35〜39に記載の構成によると、観察窓に付着した水滴を効率的に除去できるということに加えて、送液後の送気への切り替え時間を短縮することができると言う効果が得られる。
付記項23〜25、29〜32、35〜39に記載の構成によると、観察窓に付着した水滴を効率的に除去できるということに加えて、観察窓に付着した汚物の除去能力を低下させないと言う効果が得られる。
付記項33、34に記載の構成によると、送気及び送液の管路を内視鏡内部に、コンパクトに配すると言うことに加えて、送気及び送液管路の合流部において、他の内蔵物を破損し難いと言う効果が得られる。
【0170】
付記項40〜50に記載の構成によると、内視鏡の先端構成部に、吸引管路、ファイバーバンドル及び送気送液管路等の内蔵物を密に配設することができると言うことに加え、吸引管路を交換修理する際に、隣接する内蔵物を破損しないと言う効果が得られる。
【0171】
付記項60〜62の記載の構成によると、内視鏡の湾曲管部と可撓管部の接続部の外径を小さく構成することができると言うことに加え、各内蔵物を小さくせず、機能を低下させることがないと言う効果が得られる。
【0172】
付記項63〜68に記載の構成によると、内視鏡の湾曲管部と可撓管部の接続部の外径を小さく構成することができると言うことに加え、湾曲機能の耐性を低下させることがないと言う効果が得られる。
【0173】
・実公昭62−38642号公報の問題点は、外管及び内管の操作部側及び先端側の接続部構造が煩雑になってしまい、管路の修理交換を行う作業が面倒であると言う点と、送液から送気に切り替えた場合に、柔軟性管体に残存した液体を絞り出すように、送気のための管路を確保する為、送気に時間が掛かってしまうと言うことである。
【0174】
付記項20〜39に対する従来技術として特開平6−46990号公報がある。これの問題点は、挿入部に配される送液管路と送気管路の断面積の和が、上記各管路が1本に合流する送気送液管路の断面積と等しく形成されていることで、送気管路から送気送液管路に流入する気体の流速が、減少してしまい、送液後に観察窓の表面に付着した水滴を除去する能力が低下してしまうと言うことである。
【0175】
付記項40〜50に対する従来技術として特開平6−319690号公報がある。これの問題点は、吸引管路が先端部材に接続される位置が、隣接する管路またはライトガイドケーブル等の接続部と同位置に構成されているため、吸引管路を取り外し、取り付ける作業時に、上記隣接する管路またはライトガイドケーブル等の接続部を破損してしまう可能性があると言うことである。
【0176】
付記項60〜68に対する従来技術として特公平6−16747号公報がある。これの問題点は接続管の切り欠き部に、内蔵物が入り込んだ際に、切り欠き部により形成される段差により内蔵物が破損する可能性があると言うことである。
【0177】
・付記項7〜8の目的は、送液から送気への切り替え時間を短縮させることである。
・付記項4、9、15の目的は、送気管路と送液管路の分岐部が、湾曲操作機構と干渉することを回避し、湾曲機構を破損しないことである。
・付記項13、14の目的は、挿入部の曲げ及び湾曲部の湾曲動作により、送気送液管路に張力又は圧縮力が加わっても、管路の接続部が外れるようなストレスが加わらないと言うことである。
【0178】
・付記項10〜12の目的は、管路の接続部の修理交換が簡便にできると言うことである。
・付記項16、17の目的は、送気管路と送液管路の分岐部を簡便に形成させると言うことである。
・付記項20〜22、26〜28、32の目的は、観察窓に付着した水滴を除去を効率的に行えると言うことである。
【0179】
・付記項23〜25、29〜31、32の目的は、噴出ノズルより噴出させる液体の流速を低下させず、観察窓に付着した汚物の除去が効率的に行えると言うことである。
・付記項33、34の目的は、2本の送気、送液管路を挿入部内にコンパクトに配設することである。
【0180】
・付記項35〜37の目的は、送気送液管路が、送気管路と液体管路に分岐する分岐部において、各管路を流れる気体及び液体に対する管路抵抗が大きくならず、観察窓に付着した汚物の除去と観察窓に付着した水滴の除去が効率的に行えると言うことである。
【0181】
・付記項40〜50の目的は、処置具の誘導及び汚物の吸引を行う管路の修理交換時に、隣接する他の内蔵物の接続部を破損せず、容易に交換できると言うことである。
・付記項60〜62の目的は、接続管部の外径を小さくし、内視鏡の挿入部の外径を小さくすることである。
・付記項63〜68の目的は、コイルが固着部により急激に折れ曲がることによる破損を無くし、挿入部内の内蔵物の破損を防止することができると言うことである。
【0182】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、送気管路及び送液管路を有し、これらを噴出ノズルに接続するようにした内視鏡において、内視鏡の挿入部の細径化することができると言う格別な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係る内視鏡システムの概略的な構成の説明図。
【図2】第1実施形態に係る内視鏡の概略的な構成の説明図。
【図3】上記内視鏡の送気送水制御弁と送気送液分岐部の縦断面図。
【図4】上記内視鏡の操作部から挿入部にかけての部分の縦断面図。
【図5】(a)は図4中X−X線に沿う部分の横断面図、(b)は図4中Y−Y線に沿う部分の横断面図、(c)は図4中Z−Z線に沿う部分の横断面図。
【図6】上記内視鏡の斜視図。
【図7】上記内視鏡の操作部から挿入部にかけての部分における配管を示す説明図。
【図8】上記内視鏡の送気送液分岐部の取付け構造の斜視図。
【図9】上記内視鏡の送気送液分岐部の他の取付け構造の斜視図。
【図10】上記内視鏡の他の送気送液分岐部の縦断面図。
【図11】第2実施形態に係る内視鏡の概略的な構成の説明図。
【図12】第2実施形態における光源装置の説明図。
【図13】第2実施形態における加圧チューブとタンクの説明図。
【図14】第2実施形態における制御装置の制御手順の説明図。
【図15】第2実施形態における制御装置の制御手順の説明図。
【図16】第3実施形態における送気送液管路分岐部の構造の説明図。
【図17】第3実施形態における送気送液管路分岐部の他の構造の説明図。
【図18】第3実施形態における噴出ノズルの斜視図。
【図19】第3実施形態における送気チューブと送液チューブの他の構造の斜視図。
【図20】第3実施形態における送気チューブと送液チューブの他の構造の縦断面図。
【図21】第3実施形態における送気チューブと送液チューブのさらに他の構造の斜視図。
【図22】第3実施形態における送気チューブと送液チューブのさらに他の構造の縦断面図。
【図23】第4実施形態における内視鏡の先端部の図24中Q−Q線に沿う部分の横断面図。
【図24】第4実施形態における内視鏡の先端部の図23中Z−Z線に沿う部分の横断面図。
【図25】第4実施形態における内視鏡の先端部の図26中R−R線に沿う部分の横断面図。
【図26】第4実施形態における内視鏡の先端部の図25中P−P線に沿う部分の横断面図。
【図27】第5実施形態における内視鏡の可撓管部と湾曲管部の接続部の縦断面図。
【図28】第5実施形態における内視鏡の先端部の横断面図。
【図29】第5実施形態における内視鏡の先端部の他のものの横断面図。
【図30】第5実施形態における内視鏡の接続管の斜視図。
【符号の説明】
2…内視鏡、11…操作部、12…挿入部、15…可撓管部、16…湾曲管部、17…先端部、20…噴出ノズル、21…処置具挿通チャンネル、37…送気チューブ、38…送液チューブ、45…送気送液制御弁、46…吸引制御弁、47…送気送液管路分岐部、49…送気送液チューブ、51…吸引管路分岐部、61…膨大部。
Claims (3)
- 先端に先端部材を設けた挿入部と、
上記挿入部の基端に設けられ、把持部を備えた操作部と、
上記先端部材に観察窓の外表面に対向して設けられた噴出ノズルと、
上記挿入部から上記操作部内にわたり配置されるとともに、上記噴出ノズルに接続され、その噴出ノズルに気体及び液体を供給する送気送液管路と、
上記送気送液管路に送気送液管路分岐部を介して接続され、上記送気送液管路分岐部を通じて上記送気送液管路に送気を行う送気管路と、
上記送気送液管路に上記送気送液管路分岐部を介して接続され、上記送気送液管路分岐部を通じて上記送気送液管路に送液を行う送液管路と、
上記操作部の、上記把持部より先端側に位置する部位に配設され、上記挿入部内に配置される処置具挿通チャンネルを上記操作部に設けられた処置具挿入口に接続するとともに上記処置具挿通チャンネルを吸引チャンネルに接続する吸引管路分岐部と、
上記操作部に設けられ、上記挿入部内空間の断面積より大きな断面積を有する空間を形成する膨大部と、
を具備し、
上記膨大部内に上記吸引管路分岐部より上記把持部側に位置して上記送気送液管路分岐部を配置したことを特徴とする内視鏡。 - 更に、上記送気管路及び上記送液管路に送気送液を行う送気送液制御弁を上記操作部に設け、上記送気送液管路分岐部はその分岐用口金部をそれぞれ形成するパイプ材を有し、上記各パイプ材を他の管路部材を介さず直接に上記送気送液制御弁の流出側口金部にそれぞれ接続したことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡。
- 上記挿入部に設けられた湾曲部を湾曲する湾曲機構を上記操作部に設け、上記湾曲機構は上記操作部内に配置されたベースの片面側に配置され、上記送気送液管路分岐部は上記ベースの他面側に配置されたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の内視鏡。
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