JP3889454B2 - 金属窒化物層を備えた透明基材とその製法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、特に日射に対する保護特性を有する窓ガラス(glazing)を製造するのを目的とした、金属窒化物層を備えた透明基材、特にガラスの透明基材に関する。
【0002】
例えば、このような層を備えた窓ガラスは、金属窒化物の層、例えば窒化チタンの層が吸収と反射により日射を部分的にフィルターにかけることができるため、日射に由来する熱を減少させるのを可能にする。
【0003】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
基材上に金属窒化物の層を付着させる方法にはいろいろなものがある。特に、例えば磁場によって支援される陰極スパッタリングタイプの真空を利用する方法がある。しかしながら、これらの方法は有効ではあるものの、それらは必要とする装置に関して費用がかさみ、そしてフロートガラスの帯に対して連続的に運転することができない。
【0004】
お互いどうし接触すると基材上で分解して金属窒化物の膜を残す窒素前駆物質と金属前駆物質とを高温にした基材上へ噴射することからなる、いわゆる熱分解法もある。これらの方法は実施するのがより簡単であり、そして特に、フロートガラス帯に対して連続的に使用することができる。
【0005】
例えば、ヨーロッパ特許第128169号明細書には、四塩化チタンのようなチタン前駆物質とアンモニアの形をした窒素前駆物質から、化学気相成長又はCVDとしても知られている気相熱分解によって、窒化チタンTiNの層を堆積させる方法が開示されている。しかしながら、単一の窒化物層を付着させることは基材に日光遮蔽特性を付与するとは言え、それは色の選択に関して柔軟性をもたらすことはほとんどない。更に、保護されていない窒化物層は製造ラインで又はその後で、例えば曲げ加工、強化あるいは徐冷といったような基材に対する熱処理を行う間に、酸化することがある。こうして、部分的に酸化した窒化物層は、その特性と目に見える外観に有意の悪変を被る。
【0006】
ヨーロッパ特許第239280号明細書が窒化物層の上にそれを保護するための、スズ、ケイ素又はアルミニウムの酸化物で構成される別の層を付着させているのは、このためである。ところが、このようにして窒化物層が手に入れる耐酸化性の程度は、保護層の固有の性質、特に酸化物を形成する金属の選定にも、またその厚さにも密接に依存しており、これらの特性はまた支持基材の光学的な外観、特に反射の外観に影響を及ぼす。
【0007】
従って、本発明の目的は、透明な基材上に付着した金属窒化物層の保護、特に酸化に対する保護を最適にすることであり、この最適化が光学的な外観にとって有害でないものにすることである。
【0008】
【課題を解決するための手段及び作用効果】
それゆえに、本発明は、日射をフィルターにかけるための金属窒化物層が上に載っていて、この窒化物層自体の上に、金属酸化物層であってその主たる金属の酸化物生成標準自由エンタルピーΔG°が所定の温度、特におよそ600 ℃で当該金属窒化物層の金属のそれに等しいかあるいはそれより小さいものが載っている、透明な基材、特にガラスの基材に関する。この酸化物層は、支持基材に対して実施される例えば徐冷、曲げ又は強化といったような熱処理を行う際における酸化現象、特に高温でのそれから、上記の窒化物層を保護する。
【0009】
このように、驚くべきことに、酸化物保護層の付着を行うための熱分解法の選定とその酸化物の金属を窒化物のそれに関連するものとして選ぶ(それらのそれぞれのΔG°の値を比較して)こととの組み合わせによって、窒化物層はその特性が光学的にもエネルギーの観点からも損なわれるであろう酸化から効果的に保護されるのである。
【0010】
本発明の発明者らは、保護層が上に載っていても窒化物層が高温で酸化を被ることの理由をまとめることを試みた。たくさんの理由が存在している。それらの一つは、恐らく、保護層の固有の特性、特にその密度又は多孔度に原因がある。例えば、多孔性の層は外部の雰囲気からその厚みを通して下にある窒化物層まで酸素が拡散するのを容易にしよう。保護層の厚みを増すことである一定の多孔度を補償しようとすれば、支持基材の目に見える外観、特に反射の外観を有意に悪くする危険があろう。
【0011】
本発明により熱分解で、すなわち高温(一般には500 〜650 又は700 ℃)で行われる方法で、保護用酸化物層を付着させることは、保護用酸化物層が高密度を有し且つ下にある層への優れた付着力も有することを保証する。
このようにして、そのような非多孔性の層を通しての酸素の拡散は、たとえこの層が比較的薄くても、大幅に少なくなる。
【0012】
窒化物層が酸化するもう一つの理由は、保護層自体によるものである。それを形成している酸化物は、高温では、それらの二つの層の界面で窒化物と化学的に反応する傾向が著しくなることがあり、そしてこれは、この界面の近傍において、酸化物の酸素が化学量論量未満の酸化物への、そして窒化物の部分的に酸化された窒化物TiNx Oy への変態を引き起こす。
【0013】
しかしながら、高温で、特に約600 ℃で、窒化物の金属のΔG°の値に等しいかまたはそれより小さいΔG°の値を持つように酸化物の金属を選ぶことによって、その酸化物は窒化物に比べて化学的不活性(chemical inertia)を高められ、そして窒化物の酸化の速度が落ちる。
従って、本発明による解決策は機能的な窒化物層の美観と一体性とを兼ね備える。
【0014】
TiN層は一方では日射に対して効果的な保護をもたらすことと、他方でそれらは、特に気相熱分解により、容易に堆積させることができることを理解して、好ましくは、窒化物層の金属は主としてチタンである。フロートガラスの帯に連続方式で適用することができるこの方法は、より詳しく言えば、例えば1993年8月12日出願のフランス国特許出願第93-09916号(これは平成6年8月12日出願の特願平6-190428号に対応する)明細書の教示に従って、ハロゲン化チタンとアンモニア及び/又はアミンのような窒素誘導体とを前駆物質として使用する。
【0015】
上記の窒化物層が、特にガラス製の、支持基材のエネルギー透過を、その透明性を過度に失わせずに十分に減らすためには、その幾何学的な厚さは、好ましくは最大で80nm、特に4 〜80nm、殊に10〜60nm、例えば15〜35nmの間である。
【0016】
好ましくは、本発明によれば、金属酸化物層の金属は主としてチタンである。それはTiO2 でよい(しかし、下記に示す理由からアルミナ又はジルコニアを使用することも可能であろう)。
【0017】
その幾何学的な厚さは、有利には10〜120 nm、好ましくは90nm未満、特に10〜30nmであり、これはいずれの酸化からも、また更にいずれの化学的又は機械的な作用からも、窒化物層を保護するのに十分なものである。
【0018】
本発明の好ましい態様は基材/TiN/TiO2 積重体を提供することからなる、ということに注目すべきである。このように、窒化物層と保護層を形成するために同一の金属を選ぶことによって、これらの二つの層の相容性が、特に相互の接着力に関して、優れたものになる。更に、最小割合の酸素が酸化物層から窒化物層へ移ってその表面の酸化を引き起こしたとしても、これは酸化物層のTiO2 を消失させて次に窒化物層の表面で直ちに再生成させるに過ぎないであろう。この反応は量的に取るに足りず、検出不能であり、そして一般に化学収支はゼロである。
【0019】
とは言うものの、窒化物層としてTiN層を使用することにより、チタンの酸化ΔG°の値は 600℃でおよそ−190kcal/mol(O2) であることを理解すれば、先に言及したように、酸化物層の金属を、ΔG°の値がこの温度で精々−190kcal/mol(O2) であるジルコニウム及びアルミニウムのうちから都合よく選ぶこともできる。例えば、ジルコニウムの 600℃でのΔG°の値はおよそ−221kcal/mol(O2) であり、アルミニウムのそれはジルコニウムのそれに非常に近い。
【0020】
このように、二酸化チタンを選ぶことの利益の一つは、上記のような層を既知の熱分解法で堆積させることが容易なことである。例えば、ヨーロッパ特許第75,516号明細書に記載されたように、チタンアセチルアセトネート、テトラアルキルチタネートあるいはTi(OCH3)4 のような粉末形態の前駆物質を用いる固相熱分解法を利用することが可能である。また、有機溶剤に溶解したあるいはそれで希釈した前駆物質をもちいる液相熱分解法を利用することも可能であり、この前駆物質はチタンアセチルアセトネート及び/又はチタンイソプロピラート、あるいはチタンテトラオクチレングリコールのようなアルコキシドでよく、いずれもフランス国特許第 2664259号明細書から知られているものである。その上に、TiCl4 タイプのハロゲン化物と、H2 O、CO2 、空気又はエタノールタイプのアルコールといったような酸素源からの気相熱分解がある。二酸化ジルコニウムZrO2 層を、熱分解により、特に粉末の前駆物質としてジルコニウムアセチルアセトネートを用いる固相法を使って、あるいはまた液相法もしくは気相法によって、堆積させることも可能である。同じようにして、特にアルコキシド又はβ−ジケトン官能性を有する前駆物質、例えばアルミニウムトリイソプロピラート、アルミニウムトリ−n−ブチラート、アルミニウムトリ−tert−ブチラート、アルミニウムトリエチラート又はアルミニウムアセチルアセトネートといったようなものを使って液相又は固相熱分解により、あるいは気相法を使用して、アルミナを堆積させることができる。
【0021】
本発明による積重体に第三の層を設けることも都合よく可能であり、それは基材と窒化物層との間に配置され、そして誘電体材料を基礎材料とする。その屈折率は好ましくは1.4 〜2であり、特に1.6 〜1.9 である。その幾何学的な厚さは好ましくは100 nm未満であり、特におよそ40〜90nmである。この第三の層のための好ましい誘電体材料はSiO2 及び/又はSiOx Cy に基づくものであり、既に知られているやり方でもって、例えばケイ素前駆物質の気相熱分解により、堆積させることができる。
【0022】
本発明の発明者らは、基材と窒化物層との間にこの中間層が存在していることは窒化物層の酸化に対する耐性を有意に強化することができる、ということを発見した。これについて提案されている説明は、窒化物層を施された基材が受ける熱処理が、十分に長い場合及び/又は十分に高い温度に達する場合には、酸素イオンがガラス製の支持基材から窒化物層の方へ移動するのに好都合であって、従ってそれは、酸化物の上層で保護されていても、酸化する傾向があるのであろうということである。基材と窒化物層との間に配置された誘電体材料層は、この拡散を効果的に妨げて、窒化物が酸化するのを防ぐのであろう。
【0023】
後の熱処理の際の酸素に関するこのバリヤー機能を果たすのに最も適当な材料は、SiOx Cy 又はSiO2 を基礎材料とする誘電体である。とは言え、このような層は、特に窒化物層の堆積を熱分解で、殊にフロートガラスの帯に対して行う場合には、窒化物層の実際の堆積の際にバリヤーとして有効に働くこともできる。この中間層はまた、光学的な機能を果たすこともでき、特に、保護用の酸化物の上層と一緒になって、基材の反射の見かけを調節することを可能にする。
【0024】
例えば、基材について考えられる熱処理がどんなものであれ、窒化物層を酸化に対してより信頼できるように保護するためには、先に説明したように化学的に不活性な緻密な酸化物の上層を持つだけでなく、基材に関してバリヤーとして働く下層も有することがより一層優れている。全ては、上記の下層はオプションのままに、考えられる熱処理の性質と、窒化物層のために得ることが望まれる酸化に対する耐性の程度に依存する。
【0025】
金属酸化物の保護層の上に、屈折率が2未満、特に1.6 〜1.9 である、いわゆる反射防止層を配置することも可能である。それは、有利にはSiO2 又はSiOx Cy を基礎材料とする。本質的に光学的な機能を持つとすれば、この層は好ましくは200 nm未満、特に20〜150 nm、好ましくは40〜70nmの幾何学的厚さを有する。従って、屈折率が小さいこの層は、支持基材の光の反射率の値を有利に低下させ、そして、特に下層の金属酸化物層の屈折率が比較的大きく、例えば二酸化チタンの場合のように2.2 を超える場合に、有効である。それは特に気相熱分解により堆積させることができる。
【0026】
従って、本発明の好ましい態様は、窒化物層の上にTiO2 に基づく第一の層を堆積させ、そして次にSiOx Cy に基づく第二の層を堆積させることからなり、有利にはこれらの後者の二つの層の厚さの合計はおよそ40〜80nm、特に50〜75nmであり、好ましくはTiO2 は10nmである。これは、曲げやすさ/強化しやすさと美観の要求条件を融和させるのを可能にする。例えば、窒化物の酸化に対する保護を最適にするためにはTiO2 保護層の厚さは少なくとも10nmで十分である一方、適切な厚さと屈折率を有するSiO2 層の選択は、二酸化チタンのような高屈折率の酸化物を使用することによる積重体の反射の明るい見かけを程度はともあれ「消す」ことを可能にする。
【0027】
製造法に関しては、一番簡単なのは全部の層の堆積を熱分解で行うことである。この場合、フロート設備のガラス帯に対して連続する堆積を連続式に行うことが可能である。例えば、任意的なバリヤー下層と窒化物層をフロート浴の囲いの中で気相熱分解により堆積させることができ、そしてTiO2 タイプの酸化物の上層をフロート浴の囲いの中での気相熱分解によるか、あるいはフロートガラスの囲いと徐冷がまの間での固相又は液相熱分解で堆積させることができる。最後に、SiOx Cy タイプの第二の上層を、特に徐冷がまでの、気相熱分解により堆積させることができる。
【0028】
透明基材は、熱分解での堆積により課される温度に耐えるために、好ましくはガラスの基材である。通常の透明なソーダ−石灰−シリカガラス、特にPlaniluxの商品名でサン−ゴバン・ビトラージュにより市販されているもの、から作られた基材を使用することが好ましい。しかしながら、固有の熱的性質を既に有し、それらを取り入れる窓ガラスのエネルギー透過率を、例えば着色剤といったような特定の化合物を添加することで、低下させることができるガラス基材を選んでもよい。Parsolの商品名でサン−ゴバン・ビトラージュにより市販されている、種々の熱的性質と色を有する一連の着色ガラス基材を挙げることができる。また、国際特許出願公開WO-93/O7095 号パンフレット(特表平6-503300号公報に対応)及び1992年12月23日付けのサン−ゴバン・ビトラージュ・アンテルナショナル名義のフランス国特許出願第92/15537号(特願平6-514881号に対応)明細書に記載されたガラスを挙げることもできる。一定の機能性を既に有するガラス基材を使用することは、このように一方では基材のそして他方では薄い層の積重体の美観と熱的な効果の両方を相乗的に組み合わせるのが可能なため、非常に有利である。
【0029】
本発明による被覆された基材は、日射防護窓ガラス(solar protection glazing)、特に一体式の、多重式の、又は二重式の窓ガラス、より詳しく言えば建物で使用するためのものに、有利に取り入れられる。この場合には、本発明による基材は二重窓ガラスに、好ましくは薄い層の積重体がその窓ガラスが取り付けられると面2に位置するようにして配置される。(多重窓ガラスの面は標準的に、それらが使用される部屋に関して一番外の面から始まる番号がつけられる。)このように、間に入れられたガス層の断熱効果と薄い層の積重体で覆われた基材の熱線に関するフィルター効果が組み合わされる。
【0030】
こうして形成された二重窓ガラスは、65%に等しいかあるいはそれより低い光透過率TL と、1を超え、特に1.2 と1.4 の間、例えばおよそ1.3 の、エネルギー透過率に対する光透過率の比TL /TE を有することができる。従って、性能の観点から、これらの窓ガラスは、それらを建物で使用するのに特に適したものにする透明性のレベルを維持しながら、良好な「日射フィルター」を形成する。比較的大きなTL /TE 比は、それらが選択的であることを証明している。これらの窓ガラスはまた、0.5 未満であることができる日射ファクター(solar factor)を持つことができ、これはそれらの非常に重要な「抗日射(anti-solar)」効果を証明している。(窓ガラスの日射ファクターは、窓ガラスを通って室内に入る全エネルギーと入射太陽エネルギーとの比であることが指摘される。)
【0031】
【実施例】
本発明の有利な詳細と特徴は、三つの層2、3、4で覆われた基材1の断面図を示す添付の図1を参照して行う、以下の非限定の実施態様の説明から理解することができる。(異なる材料の厚さの割合は、図面を分かりやすくするため無視されている。)なお、最初の例1〜4は参考例である。
【0032】
例1〜4
例1〜3は、Planiluxタイプの透明ソーダ−石灰−シリカガラスの厚さ6mmの基材1の上に、SiOx Cy 層2、窒化チタンTiN層3、そして二酸化チタンTiO2 層4を連続して含む薄層の積重体を堆積させることに関連している。例4は、例1〜3と同様であるが、SiOx Cy 層2を持たない例である。
【0033】
次に説明するようにして堆積を行った。
SiOx Cy 層2の堆積は、これが存在する場合には、ヨーロッパ特許出願公開第518755号明細書の教示に従って既に知られているやり方でSiH4 を気相熱分解させて行った。
TiN層3の堆積は、ヨーロッパ特許第128169号明細書に従ってTiCl4 とアンモニアの気相熱分解によるか、あるいは1993年8月12日に出願のフランス国特許出願第93/09916号(特願平6-190428号に対応)明細書に従いTiCl4 とアミンの気相熱分解により行った。
TiO2 層4の堆積は、チタンキレート(アセチルアセトネートとチタンイソプロピラート)とチタンアルコキシド(チタンテトラオクチレングリコール)との混合物の酢酸エチル中での液相熱分解により行った。キレート濃度とアルコキシド濃度のチタンの重量で表した比は2:2であるようにした。これらの前駆物質と割合はフランス国特許第 2664259号明細書から知られているものである。
【0034】
表1は、これらの四つの例のそれぞれについて層2〜4のナノメートルで表した厚さの値eを示しており、そしてSiOx Cy 層2の場合にはその屈折率が記載されている。
【0035】
【0036】
例1〜3については、次に掲げる表2が次の分光光度測定値、すなわち百分率として表した光透過率TL とエネルギー透過率TE 、選択率と呼ばれる無次元のTL /TE 比、百分率として表した外部光反射率RL 、を示している。これらの値は、三つの層で覆われた基材を、もう一つの同じ基材であって被覆のないものと12mmの厚さのガス空間を介して集成したものから構成されている二重窓ガラスにより得られたものであり、上記の層は面2上にある。これらの値は、光源D65に関するものとして示されている。
【0037】
【0038】
更に、二重窓ガラスを形成するため集成する前に、これらの三つの例による被覆された基材を、強化あるいは曲げ加工をシミュレーションする500 ℃より高い温度での熱処理にかけた。このタイプの処理は基材の外観を視覚的に検出できるように変更しなかった。また、TiN層は変化しないでそのままであり、日射に関してその反射/吸収特性を保持していた。
【0039】
集成の前に、例4による基材を、これを覆う薄い層の積重体の機械的及び化学的な耐久性の評価を可能にする2種類の試験にかけた。
いわゆるテーバー(Taber)試験は、層の耐磨耗性を評価するのを可能にする機械的な試験である。それは、研磨剤粉末をエラストマーに埋め込んだものから作られた研削砥石(wheels)を利用して行われる。この機械は、米国のTaber Instrument Corporation製のもので、モデル 174の「標準磨耗試験機(Standard Abrasion Tester、商標)」である。タイプ CS10Fの砥石に 500グラムを負荷した。層は2000回転させた。
HCl試験として知られる化学的試験は、被覆した基材を濃度1モル/リットルのHCl水溶液に浸漬し、そして100 ℃で1時間還流させることからなるものである。
【0040】
両方の試験においては、層の劣化の程度の評価を、一方では試験の終わりに得られた光透過率の値TL と初めにおけるものとの差(TL −TL0)によって行い、そして他方では試験の終わりに得られた拡散光のフラクション値と初めにおけるものとの差(HL −HL0)により行う。これらの値を次に掲げる表に百分率として示す。
【0041】
【0042】
上記の全てのデータから次の結論を引き出すことができる。
二酸化チタンの上層4は、たとえその厚さが比較的限られたものであっても、下にある窒化物層3を保護するのに大変効果的である。600 ℃におけるΔG°の値が窒化物の金属のそれと等しい金属の酸化物を作るのを選ぶこと(ここでは同じ金属、すなわちチタンを問題としているから)は、二つの利点を兼ね備える。酸化物は窒化物に比べて化学的慣性が大きく、酸化物からの酸素により窒素が酸化する危険をかなり減少させる。その上、たとえ非常に限られた割合の酸素がTiN層の表面酸化を引き起こすとしても、両方の層について同じ金属が選ばれるということは、その酸化を検出できず且つ不利とならないものにし、TiNは二つの層の界面で事により酸化されてTiO2 層と一致するTiO2 になる。
【0043】
更に、機械的及び化学的な耐久性試験で得られた良好な結果は、上層4の密度が高く且つ下にある窒化物層3に対するその接着力が強いことを証明しており、この密度と接着力は使用した堆積法、すなわち高温熱分解の結果として得られたものである。このように、緻密で非多孔性の酸化物の上層は、外部雰囲気からの酸素が窒化物層3に到達してこれを酸化するために酸化物の上層を通って拡散するのを防止する。
【0044】
最適な処理は、酸化物の上層4を窒化物層3の堆積の後に、後者が覆われる前に表面で酸化する時間がないように、堆積させることであり、これは、窒化物層を、フロート浴の囲いから出ると周囲空気と接触する非常に高温のフロートガラスの帯の上に熱分解で堆積させる場合にますます注目されるものである。
【0045】
例1と例2から、窒化物層3の厚さの選択はTL の値を変更し、従って窓ガラスの透明性の程度を変えるのを可能にするが、TL :TE 比はおよそ1.3 〜1.4 でほぼ一定のままであることが分かる。これは、たとえ所望されるTL の値がどんなであれ、本発明による層の積重体は選択的な窓ガラス、すなわち比較的高いTL :TE 比を有する窓ガラスを得るのを可能にすることを意味している。
【0046】
例1と例3の比較から推論される最後の点は、機能性窒化物層3の両側で下層2と上層4を組み合わせて使用することは窓ガラスの光学的な見かけを調整することを可能にするということである。例えば、例1によれば、窓ガラスは15%未満のRL 値を有し、従って明るくない、わずかに反射性の見かけを有し、これは美観の観点から現在極めて尊重されていることである。とは言うものの、例3によれば、もっと有意に厚い酸化物の上層4を使用してもっとRL 値が大きい窓ガラスを選ぶことも可能である。下層2が存在していることはまた、酸素イオンが基材1から窒化物層3へ移動するのを妨げるが、これはそうでなければ、特に考えられる曲げ又は強化型の熱処理が窒化物の酸化に特に適した条件で行われる場合に、起こりかねないであろうことである。
【0047】
例5〜8
これらの例は、例1〜3の場合と同じ特性を有するが、SiOx Cy の下層2をなくして、TiO2 層4の上に載っている同じようにSiOCに基づく、図面には示されていない上層を付け加えた、少し異なる積重体で覆われる透明なガラス基材への堆積に関連している。従って、この場合には、積重体はガラス/TiN/TiO2 /SiOx Cy 型のものである。
【0048】
TiN層とTiO2 層は先に述べたように製造される。SiOx Cy の上層は、O2 、O3 、水蒸気又はN2 Oの如き酸化性ガスと組み合わせて、ヨーロッパ特許出願公開第518755号明細書から知られているようにSiH4 とエチレンから気相熱分解により得られるか、あるいは、有機のケイ素前駆物質(例えばテトラエチルオルトシリケート、ジエチルシラン、ヘキサメチルジシラン、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、テトラメチルシクロテトラシロキサン、ヘキサメチルジシラザン、あるいはテトラメチルシランといったようなもの)から得られる。SiH4 よりも有機のケイ素前駆物質を使用することの利益は、特に、その分解温度が一般にSiH4 より少し高く、すなわちテトラエチルオルトシリケートTEOSについてはほぼ480 ℃であることである。従って、フロートラインで堆積させる場合に、その時にフロートガラスの帯が適当な温度にある徐冷がまで第二の上層を堆積させることが可能である。
【0049】
この層の堆積条件は、その屈折率がおよそ1.7 になるように既知のやり方でもって調節される。
次に掲げる表4は、例5〜8のおのおのについて、存在する層のそれぞれの厚さeの値をナノメートルで示すものである。
【0050】
【0051】
これらの基材に、曲げ又は強化をシミュレーションする500 ℃での熱処理を施した。やはり、視覚的なあるいは熱的な観点から有意の変化は認められなかった。これは、厚さがわずか10nm(例5)のTiO2 の上層が、殊にその高密度に起因する有効な「遮蔽(シールド)」効果のため、窒化物を酸化に対して最適に保護するのに十分であることができるということを確認するものである。
【0052】
次に、これらの基材を例1〜3の場合と同じ条件で二重窓ガラスに取り付けた。
表5は、これらの四つの二重ガラスについて、測光値TL 、TE 、TL /TE 比、RL (これらは先に示したものと同じ意味を有する)を示している。この表には、透過光の無次元の日射ファクターFS、主波長ηd(t) 、及び色純度Pe (t) も挙げられている。この表はまた、外部反射光の主波長ηd(R) 、及び色純度Pe (R) も示している。
【0053】
【0054】
このように、これらの全ての二重窓ガラスは、0.5 未満の日射ファクターと1.30より大きい選択率を有する。従って、それらは、透明性を過度に犠牲とせずに太陽からの熱線に対して良好に保護する。
透過光では、色は青−緑の範囲にあるが、純度が2未満のままであるため非常に弱められた形態になっている、ということにも注目すべきである。
【0055】
同じように、外部反射光では、窓ガラスは青の着色を有し、それは美的であって且つ、その純度が4未満にとどまっているため、やはり非常に弱くされている。このように、これらの全ての例において、TiO2 の上層と第二のSiOCの上層の厚さの合計の値を、およそ70nmの一定値に保つことが可能であった。TiO2 層の厚さがSiOC層のそれに比べて厚くなればなるほど、RL の値が大きくなることが分かる。このように、高い密度と大きな接着力を得ることを可能にする条件下で堆積させる場合には、10nmのTiO2 が下にある窒化物を保護するのに十分であることができることを知れば、これらの二つの層の厚さを変えることによって外側から見える窓ガラスの反射の外観を大なり小なり調節することが可能である。
【0056】
例9〜18
これらの例は、それら自体のエネルギー透過率が低下しているガラス基材上に例5〜8におけるようにして得られた三つの層TiN/TiO2 /SiOx Cy の積重体の堆積に関するものである。最初の三つは、サン−ゴバン・ビトラージュによりParsolブロンズ、Parsolグレー及びParsolグリーンの商品名で市販されているものである。四番目のものは、国際特許出願公開WO-93/07095 号パンフレット(特表平6-503300号公報に対応)に記載されているものと同様の、青(ブルー)に着色したガラスである。
表6は、厚さ6mmのこれらの四つの一体式ガラスの特性を先の例で使用したPlanilux透明ガラスと比較して示している。
【0057】
【0058】
これらの5種類の基材のそれぞれの上に2種類の積重体AとBを堆積させた。積重体Aは15nmのTiN層、次に10nmのTiO2 層、そして次に60nmのSiOC層を堆積させたもの、積重体Bは5nmのTiN層、次に10nmのTiO2 層、そして次に60nmのSiOC層を堆積させたものであった。
【0059】
積重体Aで被覆した基材に関する分光測定の結果を、各例の番号の下に使用したガラスの種類を指示して表7に示す。
【0060】
【0061】
積重体Bで被覆した、一体式窓ガラスの基材に関する分光測定の結果を、上記と同じ方式で表8に示す。
【0062】
【0063】
この最後の一連の例からいくつものポイントを引き出すことが可能である。第一に、本発明による薄い層の積重体の透過光の着色が中性であることは、ガラス基材がその最初の透過光の色を保持するのを可能にすることに注目すべきである。とは言うものの、反射光では、これらの薄い層の積重体は、美的であることを証明できる最初の色との組み合わせの効果を得ながら、ブランクのガラス基材の外観をわずかに変更することができる。
【0064】
一方では実際の基材によるそして他方では薄い層による日射をフィルターにかける効果が、特に都合のよいように組み合わされることにも注目すべきである。例えば、光の透過率とエネルギーの透過率との新しい「折衷」を得ることが可能であり、従って、基材のガラスの種類と窒化物層の厚さの両方を変える可能性を持ちながらいわゆる日射調節窓ガラス(solar control glazings)の範囲を多様化させることによって、窓ガラスの性能特性を必要に応じてよりうまく調節することが可能である。表7と表8の比較からは、同一の基材について、TiNの厚さがTL を、それゆえに必要とする透明性のレベルを、必要に応じるように、そして特に、基材が一体式の窓ガラスとして用いられるのかそれとも二重窓ガラスタイプの多重窓ガラスの一部を形成するのかを考慮に入れるように、「調節する」のを可能にすることが示される。
【0065】
従って、結論として、積重体の層の数と厚さを所定の範囲内で変え、また基材の種類を変えることで、窓ガラスの抗日射性能特性も視覚的外観も耐酸化性も変更することが可能であり、これは窓ガラスを市場の要求に適応させるの可能にする。
【0066】
このような積重体をフロートラインで製造する際に問題は生じず、初めの酸化物又は酸炭化物層2と窒化物層3の二つの堆積は、例えば、フロート浴の囲いの下流部分で気相熱分解により行われ、そしてTiO2 の酸化物の上層4の堆積は、フロートガラスの囲いと徐冷がまとの間での液相又は固相熱分解により、あるいはガラス帯がフロート浴の囲いを出てゆく直前での気相熱分解により行われ、また第二の上層のそれは徐冷がまでの気相熱分解により行われる。
【0067】
このように、本発明による積重体は、機能性金属窒化物層を最適に保護すると同時に、工業的に実施可能なものである。それをフィルター用基材と組み合わせることによって、窓ガラスとそれらの性能特性を最適化し且つ多様化することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】金属窒化物層を備えた本発明の透明基材を説明する図である。
【符号の説明】
1…基材
2…下層
3…金属窒化物層
4…上層
Claims (37)
- 日射をフィルターにかけるための金属窒化物層であってその金属が主としてチタンである金属窒化物層(3)を上に載せた透明基材(1)であり、当該金属窒化物層の上に金属酸化物を基にした保護層(4)が載っている透明基材であって、当該金属酸化物を基にした保護層(4)が高温での酸化から金属窒化物層(3)を保護しており、この保護層(4)の当該金属は主としてアルミニウム、ジルコニウム又はチタンから選ばれていて、その上に反射防止層が載っていること、そして当該保護層(4)の幾何学的厚さが10〜30nmであり、当該反射防止層の幾何学的厚さが40〜70nmであることを特徴とする透明基材。
- 前記金属窒化物層(3)の幾何学的厚さが5〜80nmであることを特徴とする、請求項1記載の基材。
- 前記金属窒化物層(3)の幾何学的厚さが10〜60nmである、請求項2記載の基材。
- 前記金属窒化物層(3)の幾何学的厚さが15〜35nmである、請求項2記載の基材。
- 前記保護層(4)の金属が主としてチタンであることを特徴とする、請求項1から4までのいずれ一つに記載の基材。
- 前記保護層(4)がTiO2層であることを特徴とする、請求項5記載の基材。
- 前記保護層(4)の金属がジルコニウム又はアルミニウムであることを特徴とする、請求項1から4までのいずれ一つに記載の基材。
- 当該基材(1)と前記金属窒化物層(3)との間に位置する誘電体材料層(2)を備えてなることを特徴とする、請求項1から7までのいずれか一つに記載の基材。
- 前記誘電体材料層(2)の屈折率が1.5〜2であり、幾何学的厚さが100nm未満であることを特徴とする、請求項8記載の基材。
- 前記誘電体材料層(2)の屈折率が1.6〜1.9であり、幾何学的厚さが40〜90nmであることを特徴とする、請求項9記載の基材。
- 前記誘電体材料層(2)がSiO 2 に基づくものであることを特徴とする、請求項8から10までのいずれか一つに記載の基材。
- 前記保護層(4)の上に、屈折率が2未満の反射防止層が配置されていることを特徴とする、請求項1から11までのいずれか一つに記載の基材。
- 前記反射防止層の屈折率が1.6〜1.9であることを特徴とする、請求項12記載の基材。
- 屈折率が2未満の前記反射防止層が酸化物に基づくものであることを特徴とする、請求項12記載の基材。
- 前記反射防止層がSiO 2 に基づくものであることを特徴とする、請求項14記載の基材。
- TiNタイプの前記金属窒化物層(3)の上にTiO2タイプの保護層(4)が配置されていて、それ自体の上にSiOCタイプの反射防止層が載っていることを特徴とする、請求項12から15までのいずれか一つに記載の基材。
- 前記TiO2タイプの保護層(4)と前記SiOCタイプの反射防止層の幾何学的厚さの合計が40〜80nmであることを特徴とする、請求項16記載の基材。
- 前記TiO2タイプの保護層(4)と前記SiOCタイプの反射防止層の幾何学的厚さの合計が50〜75nmであることを特徴とする、請求項17記載の基材。
- 前記TiO2タイプの保護層(4)と前記SiOCタイプの反射防止層の幾何学的厚さの合計のうちの少なくとも10nmはTiO2タイプの保護層であることを特徴とする、請求項17又は18記載の基材。
- 当該透明基材(1)がガラスの基材である、請求項1から19までのいずれか一つに記載の基材。
- 当該透明基材(1)がソーダ−石灰−シリカガラスタイプの透明ガラス基材、又はエネルギー透過率を低下させたガラス基材であることを特徴とする、請求項20記載の基材。
- 前記エネルギー透明率を低下させたガラス基材(1)が着色されたガラス基材であることを特徴とする、請求項21記載の基材。
- 請求項1から22までのいずれか一つに記載の被覆された基材を取り入れてなる日射防護窓ガラス(solar protection glazing)であって、その光透過率TLが65%に等しいかあるいはそれ未満であり、且つ、光透過率TLとエネルギー透過率TEとの比TL/TEが1より大きいことを特徴とする日射防護窓ガラス。
- 前記比TL/TEが1.2〜1.4であることを特徴とする、請求項23記載の日射防護窓ガラス。
- 前記比TL/TEが1.3であることを特徴とする、請求項23記載の日射防護窓ガラス。
- 最高で0.5の日射ファクター(solar factor)を有することを特徴とする、請求項23から25までのいずれか一つに記載の日射防護窓ガラス。
- 当該日射防護窓ガラスが多重式又は一体式の窓ガラスである、請求項23から26までのいずれか一つに記載の日射防護窓ガラス。
- 前記日射防護窓ガラスが二重式の窓ガラスである、請求項23から26までのいずれか一つに記載の日射防護窓ガラス。
- 前記保護層(4)を固相、液相又は気相熱分解法によって堆積させることを特徴とする、請求項1から22までのいずれか一つに記載の基材を得るための方法。
- 前記保護層(4)を、アセチルアセトネート及び/又はイソプロピラート及び/又はアルコキシドタイプの前駆物質の固相熱分解により、あるいはTiCl4タイプのハロゲン化物と酸素源とを主原料とする気相熱分解により、二酸化チタン層として堆積させることを特徴とする、請求項29記載の方法。
- 前記前駆物質はチタンテトラオクチレングリコール、前記酸素源はH2O、空気、CO2又はアルコールであることを特徴とする、請求項30記載の基材を得るための方法。
- 前記アルコールがエタノールである、請求項31記載の方法。
- 前記金属窒化物層(3)を熱分解法によって堆積させることを特徴とする、請求項29から32までのいずれか一つに記載の方法。
- 前記金属窒化物層(3)を、ハロゲン化チタンタイプの金属前駆物質とアンモニア及び/又はアミンタイプの窒素前駆物質の気相熱分解により、窒化チタン層として堆積させることを特徴とする、請求項33記載の方法。
- 前記誘電体材料層(2)を熱分解法によって堆積させることを特徴とする、請求項29から34までのいずれか一つに記載の方法。
- 前記誘電体材料層(2)を、ケイ素前駆物質の気相熱分解により、SiO 2 層として堆積させることを特徴とする、請求項35記載の方法。
- 前記層の堆積をフロートラインのガラス帯の上で熱分解法により連続的に行うことを特徴とする、請求項29から36までのいずれか一つに記載の方法。
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