JP3889140B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、スキャナ等の読取手段で読み取られた画像を処理する画像処理装置を有して複数の感光体ドラムに各色成分毎の画像を形成して用紙上で重ね合わせることによりカラー画像を形成するデジタル式カラー電子複写機等の画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、スキャナやプリンタ、複写機等の画像形成装置の高画質化・カラー化に於いて、その再現性が著しく向上し、本来再生されてはならない様な紙幣や有価証券等が簡単に本物と区別出来ない程高画質で再生出来るようになり、悪用されるという危惧が生じている。
【0003】
これに伴い、画像が紙幣や有価証券等であるか否かを識別し、画像が紙幣や有価証券等であると判断した場合、画像の再生動作を禁止する等の偽造防止技術が不可欠となっている。
【0004】
しかしながら、上記の偽造防止技術を駆使しても、偽造防止の効果は完全ではなく、実際に、本来再生されてはならない様な紙幣や有価証券等が再生されてしまうことが有り得る。
【0005】
そこで、本来再生されてはならない紙幣や有価証券等が再生されたとしても、再生画像から画像形成装置を特定出来る様に、紙幣や有価証券等の再生されてはならない画像に限らず全ての再生画像に対して、肉眼では識別しにくいイエローの色材を用いて画像形成装置を特定出来る様な機体固有の特定パターンを再生画像に付加する技術が、特開平4−294682号公報等により知られている。
【0006】
一方、この様な特定パターンを再生画像に付加する機能を有する画像形成装置を製造・出荷する際には、この特定パターンが再生画像に正常に付加されているか否かを検査・確認する必要がある。
【0007】
しかしながら、そもそもこの様な特定パターンは、肉眼では認識しにくい様に再生画像に付加されているので、再生画像をスキャナ等の読取手段を用いて画像を読み取り、パソコン上で動作するフォトレタッチソフト等のアプリケーションソフトの色変換機能等を用いて肉眼で容易に認識出来る色に変換し、再生画像に特定パターンを付加する機能が正常に機能しているか否かを検査しなければならず、検査に非常に手間がかかっていた。
【0008】
そこで、特定パターンを付加された再生画像を検査・確認する際に、特定パターンを容易に肉眼で認識出来る様に可視化する技術が、特開平8−18761号公報等により知られている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記したように、イエロー・マゼンタ・シアン・黒の4色、またはイエロー・マゼンタ・シアンの3色を1系統の画像再生系を共通で用いて、それぞれの色毎に画像の再生動作を4回または3回繰り返して再生画像を得る様な画像形成装置に於いて、上述した特開平8−18761号公報等による従来技術では、特定パターン付加機能の検査・確認の際にイエロー以外のマゼンタ・シアン・黒の画像を再生する際にも特定パターン付加機能を動作させることで、特定パターン付加機能が正常に機能しているか否かを検査・確認することが可能である。
【0010】
しかしながら、イエロー、マゼンタ、シアン、黒の4色、またはイエロー、マゼンタ、シアンの3色を同時に画像再生を行う様な画像形成装置において、上述の様に特定パターン付加機能を1系統しか有しない場合、特定パターンをイエロー以外の色で容易に認識出来る様にするには、イエロー・マゼンタ・シアン・黒、またはイエロー・マゼンタ・シアンの画像信号のパス系を変更するしかなく、これでは特定パターンが再生画像に正常に付加されていなくても、特定パターン付加機能そのものに異常があるのか、画像信号のパス系を変更したことによる異常なのかが判断しかねるという問題があった。
【0011】
そこで、この発明は、再生画像に付加された特定パターンを容易に認識出来、かつ特定パターン付加機能が正常に動作しているか否かを容易に確認することの出来る画像処理装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この発明の画卯形成装置は、イエロー、マゼンタ、シアン、黒の4色、又はイエロー、マゼンタ、シアンの3色を同時に再生できるような画像形成装置において、画像信号を読取る読取手段と、この読取手段により読取られた画像信号に、画像形成装置を特定する特定パターンを上記色の1つを用いて付加する第1の付加手段と、テストモードが設定された際、複数の色のうち、上記付加された色とは異なる色を選択する選択手段と、この選択手段で選択された色で上記画像信号に上記特定パターンと同じ特定パターンを付加する第2の付加手段と、この第2の付加手段で付加された色の特定パターンと上記第1の付加手段で付加された色の特定パターンとが付加された画像信号に基づいて画像を形成する画像形成手段とから構成されている。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明に係るカラー画像の複製画像を形成するデジタル式カラー複写機などの画像形成装置の内部構成を概略的に示している。この画像処理装置は、大別して、原稿上のカラー画像を読み取る読取手段としてのカラースキャナ部1と、読み取ったカラー画像の複製画像を形成する画像形成手段としてのカラープリンタ部2とから構成されている。
【0017】
カラースキャナ部1は、その上部に原稿台カバー3を有し、閉じた状態にある原稿台カバー3に対向され、原稿Dがセットされる透明なガラスからなる原稿台4を有している。原稿台4の下方には、原稿台4に載置された原稿Dを照明する露光ランプ5、露光ランプ5からの光を原稿Dに集光させるためのリフレクター6、および原稿Dからの反射光を図中左方向に折曲げる第1ミラー7などが配設されている。露光ランプ5、リフレクター6、および第1ミラー7は、第1キャリッジ8に固設されている。第1キャリッジ8は、図示しない歯付きベルト等を介して図示しないパルスモータに接続され、パルスモータの駆動力が伝達されて原稿台4に沿って平行に移動されるようになっている。
【0018】
第1キャリッジ8に対して図中左側、すなわち、第1ミラー7により反射された反射光が案内される方向には、図示しない駆動機構たとえば歯付きベルトならびにDCモータなどを介して原稿台4と平行に移動可能に設けられた第2キャリッジ9が配設されている。第2キャリッジ9には、第1ミラー7により案内される原稿Dからの反射光を下方に折曲げる第2ミラー11、および第2ミラー11からの反射光を図中右方に折り曲げる第3ミラー12が互いに直角に配置されている。第2キャリッジ9は、第1キャリッジ8に従動されるとともに、第1キャリッジ8に対して1/2の速度で原稿台4に沿って平行に移動されるようになっている。
【0019】
第2キャリッジ9を介して折返された光の光軸を含む面内には、第2キャリッジ9からの反射光を所定の倍率で結像させる結像レンズ13が配置され、結像レンズ13を通過した光の光軸と略直交する面内には、結像レンズ13により集束性が与えられた反射光を電気信号すなわち画像データに変換するCCD形カラーイメージセンサ(光電変換素子)15が配置されている。
【0020】
しかして、露光ランプ5からの光をリフレクター6により原稿台4上の原稿Dに集光させると、原稿Dからの反射光が、第1ミラー7、第2ミラー11、第3ミラー12、および結像レンズ13を介してカラーイメージセンサ15に入射され、ここで入射光がR(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)の光の3原色に応じた電気信号に変換される。
【0021】
および、ブラック(k)の4色の画像をそれぞれ形成する第1〜第4の画像形成部10y、10m、10c、10kを有している。
各画像形成部10y、10m、10c、10kの下方には、各画像形成部により形成された各色毎の画像を図中矢印a方向に搬送する搬送ベルト21を含む搬送手段としての搬送機構20が配設されている。搬送ベルト21は、図示しないベルトモータにより矢印a方向に回転される駆動ローラ91と駆動ローラ91から所定距離離間された従動ローラ92との間に巻回されて張設され、矢印a方向に一定速度で無端走行される。なお、各画像形成部10y、10m、10c、10kは、搬送ベルト21の搬送方向に沿って直列に配設されている。
【0022】
各画像形成部10y、10m、10c、10kは、それぞれ、搬送ベルト21と接する位置で外周面が同一の方向に回転可能に形成された像担持体としての感光体ドラム61y、61m、61c、61kを含んでいる。各感光体ドラム61y、61m、61c、61kは、図示しないモータにより所定の速度で回転されるようになっている。
【0023】
感光体ドラム61y、61m、61c、61kは、その軸線がお互いに等間隔になるように配設されているとともに、その軸線は搬送ベルト21により画像が搬送される方向と直交するよう配設されている。なお、以下の説明においては、各感光体ドラム61y、61m、61c、61kの軸線方向を主走査方向(第2の方向)とし、感光体ドラムが回転される方向すなわち搬送ベルト21の回転方向(図中矢印a方向)を副走査方向(第1の方向)とする。
【0024】
各感光体ドラム61y、61m、61c、61kの周囲には、主走査方向に延出された帯電手段としての帯電装置62y、62m、62c、62k、除電装置63y、63m、63c、63k、主走査方向に同様に延出された現像手段としての現像ローラ64y、64m、64c、64k、下撹拌ローラ67y、67m、67c、67k、上撹拌ローラ68y、68m、68c、68k、主走査方向に同様に延出された転写手段としての転写装置93y、93m、93c、93k、主走査方向に同様に延出されたクリーニングブレード65y、65m、65c、65k、および排トナー回収スクリュー66y、66m、66c、66kがそれぞれ感光体ドラム61y、61m、61c、61kの回転方向に沿って順に配置されている。
【0025】
なお、各転写装置93y、93m、93c、93kは、対応する感光体ドラム61y、61m、61c、61kとの間で搬送ベルト21を狭持する位置、すなわち搬送ベルト21の内側に配設されている。また、後述する露光装置50による露光ポイントは、それぞれ帯電装置62y、62m、62c、62kと現像ローラ64y、64m、64c、64kとの間の感光体ドラム61y、61m、61c、61kの外周面上に形成される。
【0026】
搬送機構20の下方には、各画像形成部10y、10m、10c、10kにより形成された画像を転写する被画像形成媒体としての用紙Pを複数枚収容した用紙カセット22a,22bが配置されている。
【0027】
用紙カセット22a,22bの一端部であって、従動ローラ92に近接する側には、用紙カセット22a,22bに収容されている用紙Pをその最上部から1枚ずつ取り出すピックアップローラ23a,23bが配置されている。ピックアップローラ23a,23bと従動ローラ92との間には、用紙カセット22a,22bから取り出された用紙Pの先端と画像形成部10yの感光体ドラム61yに形成されたyトナー像の先端とを整合させるためのレジストローラ24が配置されている。
【0028】
なお、他の感光体ドラム61y、61m、61cに形成されたトナー像は、搬送ベルト21上を搬送される用紙Pの搬送タイミングに合せて各転写位置に供給される。
【0029】
レジストローラ24と第1の画像形成部10yとの間であって、従動ローラ92の近傍、すなわち、実質的に搬送ベルト21を挟んで従動ローラ92の外周上には、レジストローラ24を介して所定のタイミングで搬送される用紙Pに静電吸着力を付与するための吸着ローラ26が配設されている。なお、吸着ローラ26の軸線と従動ローラ92の軸線は、互いに平行になるように設定されている。
【0030】
搬送ベルト21の一端であって、駆動ローラ91の近傍、すなわち、実質的に搬送ベルト21を挟んで駆動ローラ91の外周上には、搬送ベルト21上に形成された画像の位置を検知するための位置ずれセンサ96が配設されている。
【0031】
位置ずれセンサ96は、たとえば、透過形あるいは反射形の光センサにより構成される。
駆動ローラ91の外周上であって、位置ずれセンサ96の下流側の搬送ベルト21上には、搬送ベルト21上に付着したトナーあるいは用紙Pの紙かすなどを除去する搬送ベルトクリーニング装置95が配置されている。
【0032】
搬送ベルト21を介して搬送された用紙Pが駆動ローラ91から離脱されて、さらに搬送される方向には、用紙Pを所定温度に加熱することにより用紙Pに転写されたトナー像を溶融し、トナー像を用紙Pに定着させる定着装置80が配設されている。定着器80は、ヒー卜ロ一ラ対81、オイル塗付ローラ82、83、ウェブ巻き取りローラ84、ウェブローラ85、ウェブ押し付けローラ86とから構成されている。用紙P上に形成されたトナーを用紙に定着させ、排紙ローラ対87により排出される。
【0033】
各感光体ドラム61y、61m、61c、61kの外周面上にそれぞれ色分解された静電潜像を形成する露光装置50は、後述する画像処理装置36にて色分解された各色毎の画像データ(Y、M、C、K)に基づいて発光制御される半導体レーザ発振器60を有している。半導体レーザ発振器60の光路上には、レーザビームを反射、走査するポリゴンモータ54に回転されるポリゴンミラー51、および、ポリゴンミラー51を介して反射されたレーザビームの焦点を補正して結像させるためのfθレンズ52、53が順に設けられている。
【0034】
fθレンズ53と各感光体ドラム61y、61m、61c、61kとの間には、fθレンズ53を通過された各色毎のレーザビームを各感光体ドラム61y、61m、61c、61kの露光位置に向けて折り曲げる第1の折り返しミラー55y、55m、55c、55k、および、第1の折り返しミラー55y、55m、55cにより折り曲げられたレーザビームを更に折り曲げる第2および第3の折り返しミラー56y、56m、56c、57y、57m、57cが配置されている。
【0035】
なお、黒用のレーザビームは、第1の折り返しミラー55kにより折り返された後、他のミラーを経由せずに感光体ドラム61kに案内されるようになっている。
【0036】
図2は、図1に示したデジタル複写機の電気的接続および制御のための信号の流れを概略的に表わすブロック図を示している。図2において、制御系は、主制御部30内のメインCPU(セントラル・プロセッシング・ユニット)91、カラースキャナ部1のスキャナCPU100、および、カラープリンタ部2のプリンタCPU110の3つのCPUで構成される。
【0037】
メインCPU91は、プリンタCPU110と共有RAM(ランダム・アクセス・メモリ)35を介して双方向通信を行うものであり、メインCPU91は動作指示をだし、プリンタCPU110は状態ステータスを返すようになっている。プリンタCPU110とスキャナCPU100はシリアル通信を行い、プリンタCPU110は動作指示をだし、スキャナCPU100は状態ステータスを返すようになっている。
【0038】
操作パネル40は、液晶表示部42、各種操作キー43、および、これらが接続されたパネルCPU41を有し、メインCPU91に接続されている。
主制御部30は、メインCPU91、ROM(リード・オンリ・メモリ)32、RAM33、NVRAM34、共有RAM35、画像処理装置36、ページメモリ制御部37、ページメモリ38、プリンタコントローラ39、および,プリンタフォントROM121によって構成されている。
【0039】
メインCPU91は、全体的な制御を司るものである。ROM32は、制御プログラムが記憶されている。RAM33は、一時的にデータを記憶するものである。
【0040】
NVRAM(持久ランダムアクセスメモリ:nonvolatile RAM)34は、バッテリ(図示しない)にバックアップされた不揮発性のメモリであり、電源を遮断しても記憶データを保持するようになっている。
【0041】
共有RAM35は、メインCPU91とプリンタCPU110との間で、双方向通信を行うために用いるものである。
ページメモリ制御部37は、ページメモリ38に対して画像データを記憶したり、読み出したりするものである。ページメモリ38は、複数ページ分の画像データを記憶できる領域を有し、カラースキャナ部1からの画像データを圧縮したデータを1ページ分ごとに記憶可能に形成されている。
【0042】
プリンタフォントROM121には、プリントデータに対応するフォントデータが記憶されている。プリンタコントローラ39は、パーソナルコンピュータなどの外部機器122からのプリントデータをそのプリントデータに付与されている解像度を示すデータに応じた解像度でプリンタフォントROM121に記憶されているフォントデータを用いて画像データに展開するものである。
【0043】
カラースキャナ部1は、全体の制御を司るスキャナCPU100、制御プログラムなどが記憶されているROM101、データ記憶用のRAM102、前記カラーイメージセンサ15を駆動するCCDドライバ103、前記第1キャリッジ8などを移動する走査モータの回転を制御する走査モータドライバ104、および、画像補正部105などによって構成されている。
【0044】
画像補正部105は、カラーイメージセンサ15から出力されるR,G,Bのアナログ信号をそれぞれデジタル信号に変換するA/D変換回路、カラーイメージセンサ15のばらつき、あるいは、周囲の温度変化などに起因するカラーイメージセンサ15からの出力信号に対するスレッショルドレベルの変動を補正するためのシェーディング補正回路、および、シェーディング補正回路からのシェーディング補正されたデジタル信号を一旦記憶するラインメモリなどから構成されている。
【0045】
カラープリンタ部2は、全体の制御を司るプリンタCPU110、制御プログラムなどが記憶されているROM111、データ記憶用のRAM112、前記半導体レーザ発振器60を駆動するレーザドライバ113、前記露光装置50のポリゴンモータ54を駆動するポリゴンモータドライバ114、前記搬送機構20による用紙Pの搬送を制御する紙搬送部115、前記帯電装置、現像ローラ、および、転写装置を用いての帯電、現像、転写を行うプロセスを制御する現像プロセス部116、前記定着装置80を制御する定着制御部117、および、オプションを制御するオプション部118などによって構成されている。
【0046】
なお、画像処理装置36、ページメモリ38、プリンタコントローラ39、画像補正部105、レーザドライバ113は、画像データバス120によって接続されている。
【0047】
図3は、画像処理装置36の構成を示すものである。画像処理装置36は、カラースキャナ部1から赤・緑・青(以下、R・G・Bと記述する)に色分解された画像が入力される入力処理部G1、入力処理部G1よりの出力をシアン・マゼンタ・イエロー・黒(以下、C・M・Y・Kと記述する)に変換する色変換部G2、色変換部G2より出力される画像信号に拡大・縮小・下地除去・ノイズ除去・エッジ強調等を行うフィルタ処理部G3、および特定パターン付加部G4より構成されている。
【0048】
入力処理部G1は、カラースキャナ部1から色分解された画像Rが入力される入力処理回路G1R、カラースキャナ部1から色分解された画像Gが入力される入力処理回路G1G、カラースキャナ部1から色分解された画像Bが入力される入力処理回路G1Bを有している。
【0049】
フィルタ処理部G3は、色変換部G2より色変換された画像信号Cが入力されるフィルタ処理回路G4C、色変換部G2より色変換された画像信号Mが入力されるフィルタ処理回路G4M、色変換部G2より色変換された画像信号Yが入力されるフィルタ処理回路G4Y、色変換部G2より色変換された画像信号Kが入力されるフィルタ処理回路G4Kを有している。
【0050】
図4は、特定パターン付加部G4の内部構成を示すものである。特定パターン付加部G4は、フィルタ処理部G3から入力されるCin・Min・Kinの画像信号を選択するセレクタ131、セレクタ131から選択された画像信号に特定パターンを付加する特定パターン付加回路133、特定パターン付加回路133と各画像信号が入力されて後述するTEST信号により選択するセレクタ132、及びフィルタ処理部G3からのYinの画像信号が入力される特定パターン付加回路134とから構成され、カラープリンタ部2へCout ・Mout ・Kout ・Yout の画像信号が出力される。
【0051】
図5は、特定パターン付加部G4に於ける特定パターン付加回路133,134の詳細な構成を示すものである。特定パターン付加回路133及び134は、副走査カウンタ141、主走査カウンタ142、ルックアップテーブル(以下、LUTと記述する)143,144、アンド(AND)回路145、セレクタ146、加算器147、及びメインCPU91から電源立上げ時に書き込まれるレジスタ148とから構成されている。レジスタ148に書き込まれる設定値は、「00」h、「K1」h、「K2」h、「K3」h等で、詳しくは後述するがセレクタ146でこれらが選択されて出力される。
【0052】
特定パターン付加回路133及び134は、以下の様に動作する。
まず、主走査カウンタ142は、画像クロックをカウントすることで主走査方向に8ビットのカウントを行い、ライン同期信号によってリセットされる。副走査カウンタ141は、ライン同期信号をカウントすることで副走査方向に8ビットのカウントを行い、ページ同期信号によってリセットされる。
【0053】
LUT143には、出力再生画像に特定パターンを付加するか否かの1ビットのデータが格納される。LUT143は、主走査カウンタ142の出力の上位ビットがLUT143の下位4ビットのアドレスに、副走査カウンタ141の出力の上位4ビットがLUT143の上位4ビットのアドレスにそれぞれ入力されている。したがって、LUT143は、主走査方向に16クロック毎に、副走査方向に16ライン毎に、図6に示されるルックアップテーブルの内容を出力する。
【0054】
LUT144には、出力再生画像に付加する特定パターンのドット構成を決める2ビットのデー夕が格納される。LUT144は、主走査カウンタ142の出力の下位4ビットがLUT144の下位4ビットのアドレスに、副走査カウンタ141の出力の下位4ビットがLUT144の上位4ビットのアドレスにそれぞれ入力されている。したがって、LUT144は、1クロック毎に図7に示されるルックアップテーブルの内容を出力する。
【0055】
LUT143の1ビットの出力を2ビットに拡張し、LUT144の2ビットの出力との論理積をアンド回路145でとり、その結果をセレクタ146の制御信号として入力する。
【0056】
セレクタ146では、入力された2ビットの制御信号が、「00」の時レジスタ148の設定値「0」を、「01」の時レジスタ148の設定値「K1」を、「10」の時レジスタ148の設定値「K2」を、「11」の時レジスタ148の設定値「K3」を、それぞれ8ビットの信号として出力し、加算器147でセレクタ146の出力と入力画像信号との和をとることでLUT143とLUT144の内容に応じた特定パターンを付加することが可能である。
【0057】
さて、画像形成装置(複写機)の通常の動作モードに於いては、電源が投入されウォーミングアップが終了した時点に於いて通常の複写動作が可能な状態(以下、通常動作モードと記述する)になる。
【0058】
一方、複写機には一般的に、通常動作モードの他に、修理やメンテナンスに使用するテストモードと呼ばれるモードを備えており、通常動作モード時には設定不可能なパラメータ等を変更したり、各部の動作条件を変更することが可能となっている。動作モードを通常動作モードからテストモードに切り換える方法として、例えば、操作パネル40上のあるキーを、通常使用時には絶対にあり得ない様な組み合せで押しながら、図示しない電源スイッチをオンにする様な方法が考えられる。
【0059】
図8は、テストモードが設定された際、操作パネル40の液晶表示部42に表示されるテストモードの表示例である。この液晶表示部42に於いて、イエロー以外の特定パターンを付加する色を選択することができる。この液晶表示部42の表示例では、イエロー以外に特定パターンを出力したい色に対応したボ夕ンをシアン・マゼンタ・黒の中から選択する様になっている。この選択ボタンは互いに排他的になっており、同時に2色を選択出来ない様になっている。
【0060】
入力処理部G1からのR・G・Bの出力が色変換部G2によってC・M・Y・Kに変換され、フィルタ処理部G3を通して特定パターン付加部G4に入力される。
【0061】
特定パターン付加部G4内に於いては、まずイエローの画像信号系に特定パターン付加回路134が搭載されている。更に、イエローの画像信号系とは全く別系統に特定パターン付加回路133を設けており、これら2つの特定パターン付加回路は等価であり同じ動作をする。
【0062】
特定パターン付加回路134は、通常の動作モード時およびテストモード時の両モードに於いて動作するが、特定パターン付加部133は、図4に示すメインCPU91からの3ビットのレジスタ情報の状態によって、その動作条件が決定される。
【0063】
たとえば、図8に示すテストモードに於けるイエロー以外に特定パターンを付加する色を選択する画面でシアンを選択したとすると、メインCPU91は、図4に示すレジスタ情報TESTを「101(2進数)」に設定する。図9、図10は、イエロー以外の特定パターンを付加する色が選択された際の出力構成を示すものである。図4におけるセレクタ131では、図9によりレジスタ情報TESTの状熊に基づいて、セレクタ131の入力にCinが選択され、これが信号 (a)として出力される。
【0064】
特定パターン付加回路133、134では、図5に示すLUT143、144から出力される1ビットの情報が「1」の時、濃度「FFh」が入力画像信号に加算され信号(b)として出力し、「0」の時、濃度「00h」が入力画像信号に加算され信号(b)として出力する。すなわち、入力された信号がそのまま信号(b)として出力される。セレクタ132では、図10によりレジスタ情報TESTの状態に基づいて、信号(b)がCout として出力され、Mout にMin、Kout にKinが出力される。
【0065】
一方、イエローの画像信号系に於いても同様に、特定パターン付加回路134は、LUT143、144から出力される1ビットの情報が「1」の時、濃度 「FFh」を入力画像信号に加算しYout として出力し、「0」の時、濃度「00h」を入力画像信号に加算しYout として出力する。すなわち、入力された信号がそのままYout として出力される。本実施例に於いて、特定パターン付加回路133と特定パターン付加回路134のそれぞれに搭載されているLUT143、144が持つ情報を全く同じ情報にしてあれば、再生画像上に形成される特定パターンは、イエローに付加された特定パターンとイエロー以外の色に付加された特定パターンとが、全く同じ位置に同じドットサイズで再生されることになる。
【0066】
したがって、上記したシアンが選択された再生画像上に形成される特定パターンは、イエローではなくグリーンで再生されることとなる。尚、イエロー以外の出力色にマゼンタを選択した場合、再生画像上に形成される特定パターンは赤で再生されることとなる。
【0067】
本実施例において、イエロー以外の出力色にシアンを選択した場合、上述したように再生画像上に形成される特定パターンはグリーンになるが、特定パターン付加回路133、134に異常があるとグリーンではなくシアンやイエローに色味が偏ってしまい、特定パターン付加回路に異常があることを容易に判断することが出来る。
【0068】
たとえば、イエロー以外の出力色にシアンを選択した場合に、再生画像上に形成される特定パターンの色がシアンに偏っていたとすると、イエロー画像信号系にある特定パターン付加回路134に何らかの異常が、また、特定パターンの色がイエローに偏っていたり、肉眼で特定パターンそのものの確認が困難であったりすると、イエロー以外の画像信号系にある特定パ夕一ン付加回路133に何らかの異常があることが、容易に判断出来る。
【0069】
尚、本実施例では、特定パターン付加回路をイエローの画像信号系に1個と、イエロー画像信号系以外に1個を備えた構成としているが、図11に示すようにイエロー画像信号系以外の全ての色の画像信号系にも、それぞれ1個ずつ特定パターン付加回路(A,B,C,D)を備えても同様の結果が得られるのは自明である。
【0070】
さらに特定パターン付加回路は、図12に示すようにイエロー画像信号系にのみ備え、特定パターン付加回路の出力を、イエロー以外の他の画像信号系にセレクタを用いて分配しても同様の効果が期待できる。
【0071】
以上説明したように上記発明の実施の形態によれば、イエローの色材を用いて機体固有の特定パターンを再生画像に付加する手段を有する画像形成装置に於いて、本画像形成装置を製造し出荷検査する際に、本来のイエロー画像信号系に搭載されている特定パターン付加機能に手を加えることなく、再生画像に付加された特定パターンを容易に肉眼で認識出来、かつ特定パターン付加機能が正常に動作しているか否かを容易に確認することが出来る。
【0072】
また、画像を再生する際にイエロー・マゼンタ・シアン・黒の4色を同時に形成する様な画像形成装置に於いて、特定パターン付加機能をイエローとそれ以外の色の画像信号系等にも備えることで、再生画像に付加された特定パターンを容易に肉眼で認識出来、かつ特定パターン付加機能が正常に動作しているか否かを容易に確認することが出来る。
【0073】
【発明の効果】
以上詳述したようにこの発明によれば、再生画像に付加された特定パターンを容易に認識出来、かつ特定パターン付加機能が正常に動作しているか否かを容易に確認することが出来る画像処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成装置に係るデジタルカラー複写機の構成を示す断面図。
【図2】デジタルカラー複写機の概略構成を示す図
【図3】画像処理装置の構成を示すブロック図。
【図4】特定パターン付加部の内部構成を示す図。
【図5】特定パターン付加部に於ける特定パターン付加回路の詳細な構成を示す図。
【図6】ルックアップテーブルの内容例を示す図。
【図7】ルックアップテーブルの内容例を示す図。
【図8】操作パネルの液晶表示部に表示されるテストモードの表示例を示す図。
【図9】特定パターン付加回路におけるルックアップテーブルによる入出力を説明するための図。
【図10】特定パターン付加回路におけるルックアップテーブルによる入出力を説明するための図。
【図11】全画像信号系に特定パターン付加回路を備えた構成例を示す図。
【図12】イエロー画像信号系にのみ特定パターン付加回路を設けた構成例を示す図。
【符号の説明】
1…カラースキャナ部
2…カラープリンタ部
36…画像処理装置
91…メインCPU
131、132、146…セレクタ
133、134…特定パターン付加回路
141…副走査カウンタ
142…主走査カウンタ
143、144…ルックアップテーブル(LUT)
145…アンド回路
147…加算器
G1…入力処理部
G2…色変換部
G3…フィルタ処理部
G4…特定パターン付加部
Claims (2)
- イエロー、マゼンタ、シアン、黒の4色、又はイエロー、マゼンタ、シアンの3色を同時に再生できるような画像形成装置において、
画像信号を読取る読取手段と、
この読取手段により読取られた画像信号に、画像形成装置を特定する特定パターンを上記色の1つを用いて付加する第1の付加手段と、
テストモードが設定された際、複数の色のうち、上記付加された色とは異なる色を選択する選択手段と、
この選択手段で選択された色で上記画像信号に上記特定パターンと同じ特定パターンを付加する第2の付加手段と、
この第2の付加手段で付加された色の特定パターンと上記第1の付加手段で付加された色の特定パターンとが付加された画像信号に基づいて画像を形成する画像形成手段と、
を具備したことを特徴とする画像形成装置。 - 上記第1の付加手段は、画像形成において、通常の動作モード時およびテストモード時の両モードにおいて動作して付加を行う手段であり、上記第2の付加手段は、テストモード時だけ機能する手段であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
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