JP3888962B2 - 貯湯式給湯装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ヒートポンプユニットにより加熱した給湯用の湯を貯える貯湯槽を備える貯湯式給湯装置に関するものであり、特に、貯えられた湯を利用して給湯の他に暖房器を備えたときの給湯配管の構成に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の貯湯式給湯装置として、例えば、特開2002−122351号公報に記載したものが開示されている。この公報では、図4に示すように、給湯用の湯を内部に貯える貯湯槽100と、この貯湯槽100内の最下部の水を貯湯槽100内の最上部に送る第1循環回路110と、この第1循環回路110を流れる水を加熱して高温の湯とするヒートポンプユニット120と、このヒートポンプユニット120により加熱され貯湯槽100内の最上部に貯えられた高温の湯を循環して貯湯槽100内に戻す第2循環回路130と、この第2循環回路130を流れる高温の湯と被加熱物とを熱交換して第2循環回路130を流れる高温の湯を中温の湯とする熱交換手段140と、貯湯槽100内の湯が貯湯槽100外で消費されるときには、この貯湯槽100内の湯を貯湯槽100外に送る給湯配管150と、貯湯槽100内の湯が給湯配管150を通って貯湯槽100外で消費されるときには、貯湯槽100内の最下部に水を供給する給水配管160とを備える貯湯式給湯装置である。
【0003】
また、給湯配管150には給湯水栓170から出湯する出湯温度を調節する混合弁180が設けられ、この混合弁180により貯湯槽100内の湯と給水配管160からの水とを混合させて給湯水栓170から必要とする出湯温度の給湯水を給湯するものである。
【0004】
さらに、浴槽内の浴水を熱交換手段140に循環する第3循環回路190が設けられ、貯湯槽100内の湯を熱源とする熱交換手段140によって浴水を追い焚きして浴槽内の浴水が保温されるものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この種の貯湯式給湯装置によれば、貯湯槽100内の湯が給湯配管150を通って貯湯槽100外で消費されるとき、すなわち、貯湯槽100内の湯を給湯するときは、貯湯槽100内の上方の湯が流出して貯湯槽100内の最下部に給水配管160から水が供給するようになっているが、貯湯槽100内の高温の湯を貯湯槽100外に循環させて、浴水の追い焚きなどの熱源として利用し、熱交換の終了した中温の湯を貯湯槽100内に戻す構成とした場合に、例えば、熱交換を行っているときに給湯が行われると、貯湯槽100内の最下部には中温の湯と水とが供給され混合される。
【0006】
すると、ヒートポンプユニットを作動して高温の湯を貯湯しようとするときに、中温の湯と水とが混合された湯をヒートポンプユニットで加熱することとなる。従って、水だけをヒートポンプユニットで加熱する場合よりも熱交換効率が悪化し、高温の湯を沸き上げる性能が低下する問題がある。
【0007】
そこで、本発明の目的は、上記点を鑑みたものであり、貯湯槽内の高温の湯を給湯と熱交換の熱源として利用する貯湯式給湯装置であっても、ヒートポンプユニットの沸き上げ性能が低下することを防止することが可能な貯湯式給湯装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記、目的を達成するために、請求項1ないし請求項18に記載の技術的手段を採用する。すなわち、請求項1に記載の発明では、給湯用の湯を内部に貯える貯湯槽(1)と、この貯湯槽(1)内の最下部の水を、貯湯槽(1)内の最上部に送る第1循環回路(20)と、この第1循環回路(20)に設けられ、第1循環回路(20)を流れる水を加熱して高温の湯とするヒートポンプユニット(2)と、このヒートポンプユニット(2)により加熱され貯湯槽(1)内の最上部に貯えられた高温の湯を、循環して貯湯槽(1)内に戻す第2循環回路(43)と、この第2循環回路(43)に設けられ、第2循環回路(43)を流れる高温の湯と被加熱物とを熱交換して、第2循環回路(43)を流れる高温の湯を中温の湯とする熱交換手段(81)と、貯湯槽(1)内の湯が貯湯槽(1)外で消費されるときには、貯湯槽(1)内の湯を貯湯槽(1)外に送る給湯配管(13、14、17a、17b)と、貯湯槽(1)内の湯が給湯配管(13、14、17a、17b)を通って貯湯槽(1)外で消費されるときには、貯湯槽(1)内の最下部に水を供給する給水配管(12)とを備える貯湯式給湯装置であって、
第2循環回路(43)は、第2循環回路(43)を流れ、貯湯槽(1)内に戻る中温の湯を、貯湯槽(1)内の高温の湯と水との間に戻す構成であるとともに、給湯配管(13、14、17a、17b)は、貯湯槽(1)内の湯が給湯配管(13、14、17a、17b)を通って貯湯槽(1)外で消費されるときには、第2循環回路(43)から貯湯槽(1)内に戻された高温の湯と水との間よりも上方の部位に設けられた上流側端部(14a、14b、14c)から貯湯槽(1)内の湯を出湯させるように構成したことを特徴としている。
【0009】
請求項1に記載の発明によれば、まず、熱交換手段(81)により熱交換され第2循環回路(43)から貯湯槽(1)内に戻る中温の湯は、貯湯槽(1)内において高温の湯の下側、かつ水の上側に戻され、温度の異なる水の比重差により、貯湯槽(1)内において中温の湯と水とが混合し難い。従って、ヒートポンプユニット(2)は、貯湯槽(1)の最下部にある水から優先的に加熱する。このようにして、ヒートポンプユニット(2)の沸き上げ性能が低下することを防止することが可能となる。
【0010】
また、給湯配管(13、14、17a、17b)を貯湯槽(1)内に戻された高温の湯と水との間よりも上方の部位に設けられた上流側端部(14a、14b、14c)から貯湯槽(1)内の湯を出湯させるように構成したことにより、貯湯槽(1)外に消費されるときに、中温の湯の下限域が上方に移動しても上流側端部(14a、14b、14c)から中温の湯を確実に出湯させることができる。
【0011】
また、上記中温の湯を貯湯槽(1)内へ戻す吐出口と給湯配管(13、14、17a、17b)の上流側端部(14a、14b、14c)との間には、確実に中温の湯の貯める層が形成できるため、貯湯槽(1)外に消費されるときに中温の湯の下限域が上方に移動しても中温水の出湯を多くすることができる。従って、高温の湯の出湯を抑制し中温の湯を積極的に出湯することができるため貯湯槽(1)の容量を小型化とすることが可能である。
【0012】
さらに、ヒートポンプユニット(2)の電源を、例えば、深夜時間帯の深夜電力を用いる貯湯式給湯装置においては、高温の湯の出湯を抑制することができるため昼間時間帯における追加沸き上げ運転の運転時間の短縮化が図れる。
【0013】
請求項2に記載の発明では、貯湯槽(1)は、その高さ方向において第2循環回路(43)の下流側端部(42a、42b、42c)を複数に分けて接続しており、これら複数の下流側端部(42a、42b、42c)のうち、貯湯槽(1)内において下流側端部(42a、42b、42c)を接続した部位の湯温が、第2循環回路(43)を貯湯槽(1)内に戻る中温の湯の湯温とほぼ同一である下流側端部(42a、42b、42c)より、貯湯槽(1)内に中温の湯を戻す構成であるとともに、貯湯槽(1)の高さ方向において給湯配管(13、14、17a、17b)の上流側端部(14a、14b、14c)を複数に分けて接続しており、これら複数の上流側端部(14a、14b、14c)のうち、貯湯槽(1)内において上流側端部(14a、14b、14c)を接続した部位が、下流側端部(42a、42b、42c)を接続した部位よりも上方の部位に接続された上流側端部(14a、14b、14c)から貯湯槽(1)内の湯を出湯させるように構成したことを特徴としている。
【0014】
請求項2に記載の発明によれば、第2循環回路(43)から貯湯槽(1)内に戻る中温の湯を確実に高温の湯と水との間に戻すことができる。さらに、中温の湯の温度に変動することがあったとしても、貯湯槽(1)内の湯の温度勾配を逆転して不要な混合が発生することを防止することが可能である。
【0015】
また、上流側端部(14a、14b、14c)が下流側端部(42a、42b、42c)を接続した部位よりも上方の部位に接続されたことにより、確実に中温の湯を出湯することができる。これにより、高温の湯よりも積極的に中温の湯の出湯を多くすることができる。
【0016】
請求項3に記載の発明では、給湯配管(13、14、17a、17b)は、貯湯槽(1)内において上流側端部(14a、14b、14c)を接続した部位の湯温が、貯湯槽(1)外で消費される湯の必要温度以上である上流側端部(14a、14b、14c)より、選択的に出湯される構成であることを特徴としている。
【0017】
請求項3に記載の発明によれば、高温の湯ばかりでなく第2循環回路(43)から貯湯槽(1)内に戻った中温の湯も出湯することが可能となる。従って、給湯先の必要温度に応じて貯湯槽(1)内の湯を有効利用することができる。
【0018】
請求項4に記載の発明では、給湯配管(13、14、17a、17b)には、貯湯槽(1)外で消費される必要温度の湯を調節する第1、第2混合弁(16a、16b)と必要温度以上の湯を調節する第3混合弁(16c)とが設けられ、この第3混合弁(16c)は、上流側端部(14a、14b、14c)から出湯される湯のうち、貯湯槽(1)内の最上部に貯えられた高温の湯と、第2循環回路(43)から貯湯槽(1)内に戻された下流側端部(42a、42b、42c)を接続した部位よりも上方の部位に接続された上流側端部(14a、14b、14c)から出湯される湯とを混合させて貯湯槽(1)外で消費される湯の必要温度以上の湯に調節して第1、第2混合弁(16a、16b)に供給することを特徴としている。
【0019】
請求項4に記載の発明によれば、具体的には、第1、第2混合弁(16a、16b)の上流に必要温度以上の湯を調節する第3混合弁(16c)を設けることにより、貯湯槽(1)内の最上部に貯えられた高温の湯の出湯を抑制させ、かつ上流側端部(14a、14b、14c)から中温の湯を積極的に出湯させることができる。
【0020】
さらに、第2循環回路(43)から貯湯槽(1)内に戻された中温の湯は、暫くは温度勾配があるために上流側端部から導出される湯温のバラツキが大きい。そこで、必要温度以上の高めの設定温度による混合を第3混合弁(16c)で調節することにより、第1、第2混合弁(16a、16b)における出湯温度の安定が図れる。
【0021】
請求項5に記載の発明では、被加熱物は、床暖房ユニット(80)、暖房器、または乾燥器の熱媒体であり、熱交換手段(81)は、第2循環回路(43)を流れる高温の湯と熱媒体とを熱交換する熱交換器であることを特徴としている。
【0022】
請求項5に記載の発明によれば、高温の湯と熱媒体とを熱交換する熱交換器であることにより、貯湯槽(1)内の給湯用の湯を熱源として利用することができるとともに、熱交換によって発生する中温の湯を積極的に給湯に利用できる。
【0023】
請求項6に記載の発明では、ヒートポンプユニット(2)は、冷媒が二酸化炭素であることを特徴としている。
【0024】
請求項6に記載の発明によれば、ヒートポンプユニット(2)の冷媒に二酸化炭素を採用すると、超臨界域を用いることで第1循環回路(20)を流れる水を加熱する冷媒の温度(圧縮機からの吐出温度)を高くすることができる。従って、高温の湯を効率良く沸き上げることができる。
【0025】
請求項7に記載の発明では、給湯用の湯を内部に貯える第1貯湯槽(1a)と、最上部を第1貯湯槽(1a)の最下部に連通し、給湯用の湯を内部に貯える第2貯湯槽(1b)と、この第2貯湯槽(1b)内の最下部の水を、第1貯湯槽(1a)内の最上部に送る第1循環回路(20a)と、この第1循環回路(20a)に設けられ、第1循環回路(20a)を流れる水を加熱して高温の湯とするヒートポンプユニット(2)と、このヒートポンプユニット(2)により加熱され第1貯湯槽(1a)内の最上部に貯えられた高温の湯を、循環して第2貯湯槽(1b)内の最下部に戻す第2循環回路(43a)と、この第2循環回路(43a)に設けられ、第2循環回路(43a)を流れる高温の湯と被加熱物とを熱交換して、第2循環回路(43a)を流れる高温の湯を中温の湯とする熱交換手段(81)と、第1貯湯槽(1a)内もしくは第2貯湯槽(1b)内の湯が両貯湯槽(1a、1b)外で消費されるときには、第1貯湯槽(1a)内もしくは第2貯湯槽(1b)内の湯を両貯湯槽(1a、1b)外に送る給湯配管(13、14、17a、17b、213)と、第1貯湯槽(1a)内もしくは第2貯湯槽(1b)内の湯が給湯配管(13、14、17a、17b、213)を通って両貯湯槽(1a、1b)外で消費されるときには、第2貯湯槽(1b)の最下部に水を供給する給水配管(12)とを備える貯湯式給湯装置であって、
第2循環回路(43a)は、この第2循環回路(43a)を流れ、第2貯湯槽(1b)内に戻る中温の湯を、第2貯湯槽(1b)内の高温の湯と水との間に戻す構成であるとともに、給湯配管(13、14、17a、17b、213)は、第1貯湯槽(1a)内もしくは第2貯湯槽(1b)内の湯が給湯配管(13、14、17a、17b、213)を通って両貯湯槽(1a、1b)外で消費されるときには、第2循環回路(43a)から第2貯湯槽(1b)内に戻された高温の湯と水との間よりも上方の部位に設けられた上流側端部(14a、14b、14c)から第2貯湯槽(1b)内の湯を出湯させるように構成したことを特徴としている。
【0026】
請求項7に記載の発明によれば、熱交換手段(81)により熱交換された後の中温の湯は、第2貯湯槽(1b)内の高温の湯と水との間に戻される。また、給湯のときに、給水配管(12)から供給される水は第2貯湯槽(1b)の最下部に供給される。従って、ヒートポンプユニット(2)は、第2貯湯槽(1b)の最下部にある水から優先的に加熱する。このようにして、ヒートポンプユニット(2)の沸き上げ性能が低下することを防止することが可能となる。
【0027】
また、給湯配管(13、14、17a、17b、213)を第2貯湯槽(1b)内に戻された高温の湯と水との間よりも上方の部位に設けられた上流側端部(14a、14b、14c)から第2貯湯槽(1b)内の湯を出湯させるように構成したことにより、両貯湯槽(1a、1b)外に消費されるときに、中温の湯の下限域が上方に移動しても上流側端部から中温の湯を確実に出湯させることができる。
【0028】
また、上記中温の湯を第2貯湯槽(1b)内へ戻す吐出口と給湯配管(13、14、17a、17b、213)の上流側端部(14a、14b、14c)との間には、確実に中温の湯の貯める層が形成できるため、両貯湯槽(1a、1b)外に消費されるときに中温の湯の下限域が上方に移動しても中温水の出湯を多くすることができる。従って、高温の湯の出湯を抑制し中温の湯を積極的に出湯することができるため両貯湯槽(1a、1b)の容量を小型化とすることが可能である。
【0029】
さらに、ヒートポンプユニット(2)の電源を、例えば、深夜時間帯の深夜電力を用いる貯湯式給湯装置においては、高温の湯の出湯を抑制することができるため昼間時間帯における追加沸き上げ運転の運転時間の短縮化が図れる。
【0030】
請求項8に記載の発明では、第2貯湯槽(1b)は、その高さ方向において第2循環回路(43a)の下流側端部(42a、42b、42c)を複数に分けて接続しており、これら複数の下流側端部(42a、42b、42c)のうち、第2貯湯槽(1b)内において下流側端部(42a、42b、42c)を接続した部位の湯温が、第2循環回路(43a)を第2貯湯槽(1b)内に戻る中温の湯の湯温とほぼ同一である下流側端部(42a、42b、42c)より、第2貯湯槽(1b)内に中温の湯を戻す構成であるとともに、第2貯湯槽(1b)の高さ方向において給湯配管(13、14、17a、17b、213)の上流側端部(14a、14b、14c)を複数に分けて接続しており、これら複数の上流側端部(14a、14b、14c)のうち、第2貯湯槽(1b)内において上流側端部(14a、14b、14c)を接続した部位が、下流側端部(42a、42b、42c)を接続した部位よりも上方の部位に接続された上流側端部(14a、14b、14c)から第2貯湯槽(1b)内の湯を出湯させるように構成したことを特徴としている。
【0031】
請求項8に記載の発明によれば、第2循環回路(43a)から第2貯湯槽(1b)内に戻る中温の湯を確実に高温の湯と水との間に戻すことができる。さらに、中温の湯の温度に変動することがあったとしても、第2貯湯槽(1b)内の湯の温度勾配を逆転して不要な混合が発生することを防止することが可能である。
【0032】
また、上流側端部(14a、14b、14c)が下流側端部(42a、42b、42c)を接続した部位よりも上方の部位に接続されたことにより、確実に中温の湯を出湯することができる。これにより、高温の湯よりも積極的に中温の湯の出湯を多くすることができる。
【0033】
請求項9に記載の発明では、給湯配管(13、14、17a、17b、213)は、上流側端部(14a、14b、14c)を複数に分けて第1貯湯槽(1a)の最上部および第2貯湯槽(1b)内の高さ方向に接続しており、これら複数の上流側端部(14a、14b、14c)のうち、両貯湯槽(1a、1b)内において上流側端部(14a、14b、14c)を接続した部位の湯温が、両貯湯槽(1a、1b)外で消費される湯の必要温度以上である上流側端部(14a、14b、14c)より、選択的に出湯される構成であることを特徴としている。
【0034】
請求項9に記載の発明によれば、高温の湯ばかりでなく第2循環回路(43a)から第2貯湯槽(1b)内に戻った中温の湯も出湯することが可能となる。従って、給湯先の必要温度に応じて両貯湯槽(1a、1b)内の湯を有効利用することができる。
【0035】
請求項10に記載の発明では、給湯配管(13、14、17a、17b、213)には、両貯湯槽(1a、1b)外で消費される湯の必要温度を調節する第1、第2混合弁(16a、16b)と必要温度以上の湯を調節する第3混合弁(16c)とが設けられ、第3混合弁(16c)は、上流側端部(14a、14b、14c)から出湯される湯のうち、第1貯湯槽(1a)内もしくは第2貯湯槽(1b)内の最上部に貯えられた高温の湯と、第2循環回路(43a)から第2貯湯槽(1b)内に戻された下流側端部(42a、42b、42c)を接続した部位よりも上方の部位に接続された上流側端部(14a、14b、14c)から出湯される湯とを混合させて両貯湯槽(1a、1b)外で消費される湯の必要温度以上の湯に温度調節して第1、第2混合弁(16a、16b)に供給することを特徴としている。
【0036】
請求項10に記載の発明によれば、具体的には、第1、第2混合弁(16a、16b)の上流に必要温度以上の湯を調節する第3混合弁(16c)を設けることにより、第1貯湯槽(1a)内および第2貯湯槽(1b)内の最上部に貯えられた高温の湯の出湯を抑制させ、かつ上流側端部(14a、14b、14c)から中温の湯を積極的に出湯させることができる。
【0037】
さらに、第2循環回路(43a)から第2貯湯槽(1b)内に戻された中温の湯は、暫くは温度勾配があるために上流側端部(14a、14b、14c)から導出される湯温のバラツキが大きい。そこで、必要温度以上の高めの設定温度による混合を第3混合弁(16c)で調節することにより、第1、第2混合弁(16a、16b)における出湯温度の安定が図れる。
【0038】
請求項11に記載の発明では、被加熱物は、床暖房ユニット(80)、暖房器、または乾燥器の熱媒体であり、熱交換手段(81)は、第2循環回路(43a)を流れる高温の湯と熱媒体とを熱交換する熱交換器であることを特徴としている。
【0039】
請求項11に記載の発明によれば、高温の湯と熱媒体とを熱交換する熱交換器であることにより、両貯湯槽(1a、1b)内の給湯用の湯を熱源として利用することができるとともに、熱交換によって発生する中温の湯を積極的に給湯に利用できる。
【0040】
請求項12に記載の発明では、ヒートポンプユニット(2)は、冷媒が二酸化炭素であることを特徴としている。
【0041】
請求項12に記載の発明によれば、ヒートポンプユニット(2)の冷媒に二酸化炭素を採用すると、超臨界域を用いることで第1循環回路(20)を流れる水を加熱する冷媒の温度(圧縮機からの吐出温度)を高くすることができる。従って、高温の湯を効率良く沸き上げることができる。
【0042】
請求項13に記載の発明では、給湯用の湯を内部に貯える第1貯湯槽(1c)と、この第1貯湯槽(1c)内の最下部の水を、第1貯湯槽(1c)内の最上部に送る第1循環回路(20b)と、この第1循環回路(20b)に設けられ、第1循環回路(20b)を流れる水を加熱して高温の湯とする第1ヒートポンプユニット(2)と、給湯用の湯を内部に貯える第2貯湯槽(1d)と、この第2貯湯槽(1d)内の最下部の水を、第2貯湯槽(1d)内の最上部に送る第2循環回路(20c)と、この第2循環回路(20c)に設けられ、第2循環回路(20c)を流れる水を加熱して高温の湯とする第2ヒートポンプユニット(2)と、この第2ヒートポンプユニット(2)により加熱され第2貯湯槽(1d)内の最上部に貯えられた高温の湯を、循環して第2貯湯槽(1d)内の最下部に戻す第3循環回路(43b)と、この第3循環回路(43b)に設けられ、第3循環回路(43b)を流れる高温の湯と被加熱物とを熱交換して、第3循環回路(43b)を流れる高温の湯を中温の湯とする熱交換手段(81)と、第1貯湯槽(1c)内もしくは第2貯湯槽(1d)内の湯が両貯湯槽(1c、1d)外で消費されるときには、第1貯湯槽(1c)内もしくは第2貯湯槽(1d)内の湯を両貯湯槽(1c、1d)外に送る給湯配管(13、14、17a、17b、213)と、第1貯湯槽(1c)内の湯が給湯配管(13、14、17a、17b、213)を通って両貯湯槽(1c、1d)外で消費されるときには、第1貯湯槽(1c)の最下部に水を供給するとともに、第2貯湯槽(1d)内の湯が給湯配管(13、14、17a、17b、213)を通って両貯湯槽(1c、1d)外で消費されるときには、第2貯湯槽(1d)の最下部に水を供給する給水配管(12)とを備える貯湯式給湯装置であって、
第3循環回路(43b)は、第3循環回路(43b)を流れ、第2貯湯槽(1d)内に戻る中温の湯を、第2貯湯槽(1d)内の高温の湯と水との間に戻す構成であるとともに、給湯配管(13、14、17a、17b、213)は、第1貯湯槽(1c)内もしくは第2貯湯槽(1d)内の湯が給湯配管(13、14、17a、17b、213)を通って両貯湯槽(1c、1d)外で消費されるときには、前記第3循環回路(43b)から前記第2貯湯槽(1d)内に戻された前記高温の湯と水との間よりも上方の部位に設けられた上流側端部(14a、14b、14c)から前記第2貯湯槽(1d)内の湯を出湯させるように構成したことを特徴としている。
【0043】
請求項13に記載の発明によれば、熱交換手段(81)により熱交換された後の中温の湯は、第2貯湯槽(1d)内の高温の湯と水との間に戻される。また、給湯のときに、給水配管(12)から供給される水は第2貯湯槽(1d)の最下部に供給される。従って、第2ヒートポンプユニット(2)は、第2貯湯槽(1d)の最下部にある水から優先的に加熱する。このようにして、第2ヒートポンプユニット(2)の沸き上げ性能が低下することを防止することが可能となる。
【0044】
また、給湯配管(13、14、17a、17b、213)を第2貯湯槽(1d)内に戻された高温の湯と水との間よりも上方の部位に設けられた上流側端部(14a、14b、14c)から第2貯湯槽(1d)内の湯を出湯させるように構成したことにより、両貯湯槽(1c、1d)外に消費されるときに、中温の湯の下限域が上方に移動しても上流側端部から中温の湯を確実に出湯させることができる。
【0045】
また、上記中温の湯を第2貯湯槽(1d)内へ戻す吐出口と給湯配管(13、14、17a、17b、213)の上流側端部(14a、14b、14c)との間には、確実に中温の湯の貯める層が形成できるため、両貯湯槽(1c、1d)外に消費されるときに中温の湯の下限域が上方に移動しても中温水の出湯を多くすることができる。従って、高温の湯の出湯を抑制し中温の湯を積極的に出湯することができるため両貯湯槽(1c、1d)の容量を小型化とすることが可能である。
【0046】
さらに、第2ヒートポンプユニット(2)の電源を、例えば、深夜時間帯の深夜電力を用いる貯湯式給湯装置においては、高温の湯の出湯を抑制することができるため昼間時間帯における追加沸き上げ運転の運転時間の短縮化が図れる。
【0047】
請求項14に記載の発明では、第2貯湯槽(1d)は、その高さ方向において第3循環回路(43b)の下流側端部(42a、42b、42c)を複数に分けて接続しており、これら複数の下流側端部(42a、42b、42c)のうち、第2貯湯槽(1d)内において下流側端部(42a、42b、42c)を接続した部位の湯温が、第3循環回路(43、44、45、46)を第2貯湯槽(1d)内に戻る中温の湯の湯温とほぼ同一である下流側端部(42a、42b、42c)より、第2貯湯槽(1d)内に中温の湯を戻す構成であるとともに、第2貯湯槽(1d)の高さ方向において給湯配管(14a、14b、17、17a)の上流側端部(14a、14b、14c)を複数に分けて接続しており、これら複数の上流側端部(14a、14b、14c)のうち、第2貯湯槽(1d)内において上流側端部(14a、14b、14c)を接続した部位が、下流側端部(42a、42b、42c)を接続した部位よりも上方の部位に接続された上流側端部(14a、14b、14c)から第2貯湯槽(1d)内の湯を出湯させるように構成したことを特徴としている。
【0048】
請求項14に記載の発明によれば、第3循環回路(43b)から第2貯湯槽(1d)内に戻る中温の湯を確実に高温の湯と水との間に戻すことができる。さらに、中温の湯の温度に変動することがあったとしても、第2貯湯槽(1d)内の湯の温度勾配を逆転して不要な混合が発生することを防止することが可能である。
【0049】
また、上流側端部(14a、14b、14c)が下流側端部(42a、42b、42c)を接続した部位よりも上方の部位に接続されたことにより、確実に中温の湯を出湯することができる。これにより、高温の湯よりも積極的に中温の湯の出湯を多くすることができる。
【0050】
請求項15に記載の発明では、給湯配管(13、14、17a、17b、213)は、上流側端部(14a、14b、14c)を複数に分けて第1貯湯槽(1c)の最上部および第2貯湯槽(1d)内の高さ方向に接続しており、これら複数の上流側端部(14a、14b、14c)のうち、両貯湯槽(1c、1d)内において上流側端部(14a、14b、14c)を接続した部位の湯温が、両貯湯槽(1c、1d)外で消費される湯の必要温度以上である上流側端部(14a、14b、14c)より、選択的に出湯される構成であることを特徴としている。
【0051】
請求項15に記載の発明によれば、高温の湯ばかりでなく第3循環回路(43b)から第2貯湯槽(1d)内に戻った中温の湯も出湯することが可能となる。従って、給湯先の必要温度に応じて両貯湯槽(1c、1d)内の湯を有効利用することができる。
【0052】
請求項16に記載の発明では、給湯配管(13、14、17a、17b、213)には、両貯湯槽(1c、1d)外で消費される湯の必要温度を調節する第1、第2混合弁(16a、16b)と必要温度以上の湯を調節する第3混合弁(16c)とが設けられ、この第3混合弁(16c)は、上流側端部(14a、14b、14c)から出湯される湯のうち、第1貯湯槽(1c)内もしくは第2貯湯槽(1d)内の最上部に貯えられた高温の湯と、第3循環回路(43b)から第2貯湯槽(1d)内に戻された下流側端部を接続した部位よりも上方の部位に接続された上流側端部から出湯される湯とを混合させて両貯湯槽(1c、1d)外で消費される湯の必要温度以上の湯に温度調節して第1、第2混合弁(16a、16b)に供給することを特徴としている。
【0053】
請求項16に記載の発明によれば、具体的には、第1、第2混合弁(16a、16b)の上流に必要温度以上の湯を調節する第3混合弁(16c)を設けることにより、第1貯湯槽(1c)内および第2貯湯槽(1d)内の最上部に貯えられた高温の湯の出湯を抑制させ、かつ上流側端部から中温の湯を積極的に出湯させることができる。
【0054】
さらに、第3循環回路(43b)から第2貯湯槽(1d)内に戻された中温の湯は、暫くは温度勾配があるために上流側端部から導出される湯温のバラツキが大きい。そこで、必要温度以上の高めの設定温度による混合を第3混合弁(16c)で調節することにより、第1、第2混合弁(16a、16b)における出湯温度の安定が図れる。
【0055】
請求項17に記載の発明では、被加熱物は、床暖房ユニット(80)、暖房器、または乾燥器の熱媒体であり、熱交換手段(81)は、第3循環回路(43b)を流れる高温の湯と熱媒体とを熱交換する熱交換器であることを特徴としている。
【0056】
請求項17に記載の発明によれば、高温の湯と熱媒体とを熱交換する熱交換器であることにより、両貯湯槽(1c、1d)内の給湯用の湯を熱源として利用することができるとともに、熱交換によって発生する中温の湯を積極的に給湯に利用できる。
【0057】
請求項18に記載の発明では、第1、第2ヒートポンプユニット(2)は、冷媒が二酸化炭素であることを特徴としている。
【0058】
請求項18に記載の発明によれば、第1、第2ヒートポンプユニット(2)の冷媒に二酸化炭素を採用すると、超臨界域を用いることで第1循環回路(20)および第3循環回路(20)を流れる水を加熱する冷媒の温度(圧縮機からの吐出温度)を高くすることができる。従って、高温の湯を効率良く沸き上げることができる。
【0059】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0060】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、本発明を適用した第1実施形態の貯湯式給湯装置を図1に基づいて説明する。図1は、貯湯式給湯装置の概略構成を示す模式図である。1は耐食性に優れた金属製(例えばステンレス製)の貯湯槽であり、外周部に図示しない断熱材が配置されており、高温の給湯用の湯を長時間に渡って保温することができるようになっている。貯湯槽1は縦長形状であり、その底面には導入口12aが設けられ、この導入口12aには貯湯槽1内の最下部に水道水を導入する給水配管である導入管12が接続されている。
【0061】
導入管12には温度検出手段である給水サーミスタ31が設けられており、導入管12内の温度情報を後述する制御装置200に出力するようになっている。また、導入管12には導入される水道水の水圧が所定圧となるように調節する減圧弁32が設けられている。そして、導入管12の給水サーミスタ31および減圧弁32が設けられた位置より下流側と後述する混合弁16a、16bとはバイパス経路である配管12b、12cにより繋がれている。
【0062】
一方、貯湯槽1の最上部には導出口13aが設けられ、導出口13aには貯湯槽1内の湯を導出するための給湯経路である導出管13が接続されている。また、貯湯槽1の側面部には給湯経路の上流側端部である複数(本例では3個)の導出口14a、14b、14cが設けられ、これらの導出口14a、14b、14cには貯湯槽1内の湯を導出するための給湯経路である導出管14が接続されている。
【0063】
また、導出管14には複数(本例では二つ)の三方弁15b、15cが設けられており、三方弁15bの一方の入口側が下方に位置する導出口14aに連通され、もう一方の入口側が導出口14bに連通され、出口側がもう一つの三方弁15cの入口側と連通するように配設されている。三方弁15c側のもう一方の入口側が導出口14cに連通され、出口側が後述する第3混合弁である中温水混合弁16cの入口側と連通するように配設されている。この三方弁15b、15cは中温水混合弁16cの入口側に供給する湯温を選択するための切換弁であって複数の導出口14a、14b、14cの一つを選択するように後述する制御装置200により制御される。なお、これらの導出口14a、14b、14cの配設位置については詳しくは後述する。
【0064】
次に、第3混合弁である中温水混合弁16cは、後述する第1、第2混合弁16a、16bの入口側に供給する湯温を調節する温度調節弁であって、導出管13と導出管14との合流点に配置されており、開口面積比を調節することにより、導出管13からの湯と導出管14からの湯との混合比を調節できるようになっている。因みに、この中温水混合弁16cでは、設定温度が下流に設けた後述する第1、第2混合弁16a、16bの必要温度である設定温度よりも高めに設定されている。
【0065】
具体的には、第1、第2混合弁16a、16bの設定温度が例えば43℃を要求されるときには、この温度よりも3〜5℃程度以上となるように必要温度以上の高めに設定している。これにより、概して、高温の湯が導出される導出口13aよりも中温の湯が導出される導出口14a、14b、14cから積極的に導出させるようにしている。
【0066】
そして、この中温水混合弁16cの出口側には、給湯するときの出湯温度を設定温度に温度調節する第1、第2混合弁16a、16bが配設された給湯経路である配管17a、17bが接続されている。配管17aは、台所、洗面などの図示しない給湯水栓に通ずる給湯配管であり、配管17bは浴室などの図示しない給湯水栓、シャワー、浴槽水栓などに通ずる給湯配管である。
【0067】
また、配管17a、17bにはそれぞれ温度検出手段である給湯サーミスタ33a、33bおよび34と給湯検出手段である流量カウンタ35a、35bとが設けられており、給湯サーミスタ33a、33bは配管17a、17b内の温度情報を、流量カウンタ35a、35bは配管17a、17b内の流量情報を後述する制御装置200に出力するようになっている。
【0068】
なお、給湯サーミスタ34は、中温水混合弁16cの出口側、つまり、第1、第2混合弁16a、16bのそれぞれ一方の入口側に供給する湯温の温度情報を後述する制御装置200に出力するようになっている。また、導出管13、14、配管17a、17bからなる構成が、本実施形態における給湯配管である。
【0069】
第1、第2混合弁16a、16bはともに、配管17a、17bの下流端に設けられた図示しない給湯水栓が開弁したときに、必要温度である設定温度に温度調節するための温度調節弁であって、開口面積比を調節することにより、中温水混合弁16cからの混合された湯と配管12b、12cからの水道水との混合比を調節できるようになっている。
【0070】
なお、第1、第2混合弁16a、16bおよび中温水混合弁16cはともにサーボモータ等の駆動源により弁体を駆動して各経路の開度を調節する電動弁であり、後述する制御装置200からの制御信号により作動するとともに、作動状態を制御装置200に出力するようになっている。
【0071】
次に、貯湯槽1の下部には、貯湯槽1内の最下部の水を吸入するための吸入口18が設けられ、貯湯槽1の上方には、貯湯槽1内の最上部に湯を吐出する吐出口19が設けられている。吸入口18と吐出口19とは循環回路20で接続されており、循環回路20の一部はヒートポンプユニット2内に配置されている。
【0072】
循環回路20のヒートポンプユニット2内に配置された部分には、図示しない熱交換器が設けられており、吸入口18から吸入した貯湯槽1内の水を高温の二酸化炭素冷媒との熱交換により加熱し、吐出口19から貯湯槽1内に戻すことにより貯湯槽1内の水を沸き上げることができるようになっている。
【0073】
本実施形態のように、ヒートポンプユニット2の冷媒に二酸化炭素を採用すると、超臨界域を用いることで図示しない圧縮機からの冷媒吐出温度を高くすることができる。従って、フロン冷媒等を採用した場合より高温の湯を効率良く沸き上げることが可能である。
【0074】
また、ヒートポンプユニット2は、本実施形態における加熱手段であり、循環回路20は本実施形態における第1循環回路である。なお、ヒートポンプユニット2は後述する制御装置200からの制御信号により作動するとともに、作動状態を制御装置200に出力するようになっている。
【0075】
なお、本実施形態のヒートポンプユニット2は、おもに、電気使用料金の安い深夜時間帯の深夜電力の交流電源を用いて貯湯槽1内の湯を沸き上げる蓄熱運転を行っているが、昼間時間帯においても貯湯槽1内最上部の湯温が低下してくると沸き上げ運転を行なうよう制御される。
【0076】
また、貯湯槽1の外壁面には複数(本例では8つ)の水位サーミスタ36a、36b、36c、36d、36e、36f、36g、36hが縦方向(貯湯槽1の高さ方向)にほぼ等間隔に配置され、貯湯槽1内に満たされた水の各水位レベルでの温度情報を後述する制御装置200に出力するようになっている。従って、制御装置200は、水位サーミスタ36a〜36hからの温度情報に基づいて、貯湯槽1内上方の沸き上げられた湯と貯湯槽1内下方の沸き上げられる前の水との境界位置を検出できるようになっている。
【0077】
なお、水位サーミスタ36aは、貯湯槽1の最上部外壁面に設けられており、導出口13aや後述する吸入口41に吸入される湯の温度である貯湯槽1内最上部の湯温を検出する出湯サーミスタの機能も有している。また、水位サーミスタ36cは前述の導出口14cとほぼ同一の高さ、水位サーミスタ36eは導出口14bとほぼ同一の高さ、および水位サーミスタ36gは導出口14aとほぼ同一の高さに配置されている。これにより、導出口14a、14b、14cから導出される湯温を検出する出湯サーミスタの機能も有している。
【0078】
次に、貯湯槽1の上方には、貯湯槽1内の最上部の湯を吸入するための吸入口41が設けられ、貯湯槽1の中ほどから下方にかけて、貯湯槽1内に湯を吐出する複数(本例では三つ)の下流側端部である吐出口42a、42b、42cが設けられている。この吸入口41と吐出口42a、42b、42cとは第2循環回路である循環回路43で接続されており、循環回路43の一部は熱交換手段である熱交換器81内に配置されている。この熱交換器81は対向流型の熱交換器であり、循環回路43を流れる高温の湯と後述する循環回路82を流れる被加熱物である熱媒体(本例では水)とを熱交換できるようになっている。
【0079】
そして、循環回路43の熱交換器81が設けられた部位より下流側には、循環回路43内に湯を循環するためのウォータポンプ47と、温度検出手段である水温サーミスタ48が設けられている。この水温サーミスタ48は循環回路43内の熱交換器81による熱交換後の湯の温度情報を後述する制御装置200に出力するようになっている。
【0080】
また、循環回路43の水温サーミスタ48が設けられた部位より下流側には、複数(本例では二つ)の三方弁49a、49bが配設されており、三方弁49aの一方の出口側が下方に位置する吐出口42aに連通され、もう一方の出口側がもう一つの三方弁49bの入口側に連通するように配設されている。そして、三方弁49bは、一方の出口側が吐出口42bに連通され、もう一方の出口側が吐出口42cに連通するように配設されている。
【0081】
この三方弁49a、49bは、熱交換器81による熱交換後の中温の湯を複数の吐出口42a、42b、42cのうち一つを選択して貯湯槽1内に戻すための切換弁であって後述する制御装置200により制御される。なお、吐出口42a、42b、42cは、図1に示すように、上述した水位サーミスタ36d、36f、36hの近傍にそれぞれ設けられている。
【0082】
ここで、貯湯槽1に設けられた循環回路43の下流側端部である複数の吐出口42a、42b、42cと、給湯配管13、14、17a、17bの上流側端部である導出口14a、14b、14cとの位置関係について説明する。本実施形態では、図1に示すように、導出口14a、14b、14cを吐出口42a、42b、42cよりも上方に位置するように設けられている。これは、熱交換器81により熱交換後の中温の湯をできるだけ高温の湯と水との間に戻すとともに、貯湯槽1内の湯を給湯配管13、14、17a、17bを通って貯湯槽1内に消費するときにできるだけ多くの中温の湯を導出させるように導出口14a、14b、14cを上方に設けたものである。
【0083】
従って、熱交換器81により中温の湯の層が形成された後に、貯湯槽1内の湯が外部に導出されると貯湯槽1内の最下部に導入管12から水が供給されて中温の湯の層が上方に移動するが、導出口14a、14b、14cを上方に設けることにより中温の湯を多く導出することができる。
【0084】
次に、80は床暖房ユニットであり、熱交換器81と、この熱交換器81で熱交換された熱媒体を循環する循環回路82と、熱交換器81で加熱された熱媒体で床暖房を行なう床暖房熱交換器83と、循環回路82に熱媒体を循環するウォータポンプ84等により構成されている。なお、循環回路82の熱交換器81の入口近傍および出口近傍には、水温サーミスタ85、86が配設され、循環回路82内において熱交換器81に流入する熱媒体および熱交換器81から流出する熱媒体の温度情報を後述する制御装置200に出力するようになっている。
【0085】
なお、本実施形態では、熱交換器の熱媒体の被加熱物として床暖房ユニット80を構成したが、床暖房ユニット80に限らず、浴室内を暖房する浴室暖房器や浴室内を乾燥する浴室乾燥器などを構成しても良い。
【0086】
また、200は制御手段である制御装置であり、各サーミスタ31、33a、33b、34、36a〜36h、48、85、86からの温度情報、流量カウンタ35a、35bからの流量情報および図示しない操作盤に設けられた操作スイッチからの信号等に基づいて、後述するようにヒートポンプユニット2、第1、第2混合弁16a、16b、中温水混合弁16c、三方弁15b、15c、49a、49b、ウォータポンプ47、84等を制御するように構成されている。
【0087】
なお、図示しない操作盤は、浴室内や台所等の湯を使用する場所の近傍に設置され、操作盤以外は、屋外等の適所に設置されている。
【0088】
次に、以上の構成による貯湯式給湯装置の作動を説明する。給湯装置の図示しない電源スイッチがオンされている場合には、制御装置200は、貯湯槽1に設けられた各サーミスタからの温度情報等や、図示しない操作盤により設定された時刻情報等に基づいて、適宜ヒートポンプユニット2を作動させ貯湯槽1内の水を加熱して高温の湯(例えば90℃の湯)とする。
【0089】
そして、図示しない操作盤の床暖房スイッチがオンされた場合(床暖房予約タイマーによりスイッチがオンされた場合を含む)には、制御装置200は、ウォータポンプ47、84を作動し、貯湯槽1内の最上部より吸入口41から循環回路43内に高温の湯を吸入するとともに、循環回路82内に熱媒体を循環させる。
【0090】
これにより、熱交換器81において循環回路43を流れる高温の湯と熱交換された循環回路82内の熱媒体により、床暖房熱交換器83を介して床暖房を行なうことができる。なお、このとき、制御装置200は、水位サーミスタ36a、および水温サーミスタ48、85、86からの温度情報に基づいて、熱交換器81および床暖房熱交換器83における熱交換が良好に行なわれるようにウォータポンプ47、84を作動制御する。
【0091】
また、制御装置200は、床暖房を行なう制御を実行しているとき、水位サーミスタ32a〜36hおよび水温サーミスタ48からの温度情報に基づいて三方弁49a、49bを制御し、熱交換器81で熱交換され温度が低下した中温の湯(例えば50℃の湯)が貯湯槽1内に吐出する吐出口42a、42b、42cの選択切り換えをする。
【0092】
具体的には、水位サーミスタ32a〜36hが検出した貯湯槽1内の湯または水の温度が、水温サーミスタ48が検出した熱交換後の中温の湯の温度とほぼ同一である部位に設けられた吐出口42a、42b、42cから中温の湯を吐出するものである。
【0093】
例えば、水位サーミスタ36fの検出温度が水温サーミスタ48の検出温度とほぼ同一である場合には、制御装置200は、三方弁49bの出口側をもう一つの三方弁49bの入口側に連通状態とするとともに、三方弁49bの出口側を吐出口42bに連通状態とするように切換制御することで、熱交換後の中温の湯を吐出口42bから吐出する。
【0094】
なお、水温サーミスタ48の検出温度が水位サーミスタ36hの検出温度より低い場合には、中温の湯を吐出口42aから吐出するように制御する。また、水温サーミスタ48の検出温度が水位サーミスタ36dの検出温度より高い場合には、中温の湯を吐出口42cから吐出するように制御する。
【0095】
ところで、貯湯槽1内の湯または水は、温度の異なる水の比重差により高温の湯ほど上部に低温の水ほど下部に貯えられている。上述のように三方弁49a、49bを切換制御することで、熱交換器81で熱交換された後の中温の湯を、図1に示すように、貯湯槽1内の湯や水の温度勾配を乱すことなく貯湯槽1内に戻すことができる。
【0096】
また、流量カウンタ35a、35bが配管17a内、もしくは配管17b内の水の流れを検出したときには、給湯水栓、シャワー、風呂等のいずれかで湯が使用されようとしているということである。このとき制御装置200は、設定温度に応じ、給水サーミスタ31、水位サーミスタ36a〜36hおよび給湯サーミスタ33a、33bからの温度情報に基づいて第1、第2混合弁16a、16bおよび中温水混合弁16cの制御を行なう。
【0097】
上述したように中温水混合弁16cは、第1、第2混合弁16a、16bの設定温度よりも高めの設定温度(例えば、+3〜5℃程度)が設定されているので、因みに、高めの設定温度(例えば、+3〜5℃程度)が水位サーミスタ36eの検出温度以下である場合には、制御装置200は、まず、配管14において、上流側端部である導出口14aと中温水混合弁16cの入口側とを連通状態となるように三方弁15b、15cを制御する。
【0098】
そして、水位サーミスタ36aの検出温度と水位サーミスタ36gの検出温度とから中温水混合弁16cの開口面積比を概略調節し、その後給湯サーミスタ34からの温度情報に基づいて給湯温度が高めの設定温度(例えば、+3〜5℃程度)となるように中温水混合弁16cの開口面積比を微細制御する。
【0099】
次に、給水サーミスタ31の検出温度と給湯サーミスタ34の検出温度とから第1混合弁16aの開口面積比を概略調節し、その後給湯サーミスタ33aからの温度情報に基づいて出湯温度が設定温度となるように第1混合弁16aの開口面積比を微細制御する。
【0100】
一方、高めの設定温度(例えば、+3〜5℃程度)が水位サーミスタ36eの検出温度より高く水位サーミスタ32aの検出温度以下の場合には、制御装置200は、まず、配管14において、上流側端部である導出口14cと中温水混合弁16cの入口側とを連通状態となるように三方弁15b、15cを制御する。そして、水位サーミスタ36aの検出温度と水位サーミスタ36cの検出温度とから中温水混合弁16cの開口面積比を概略調節し、その後給湯サーミスタ34からの温度情報に基づいて給湯温度が高めの設定温度(例えば、+3〜5℃程度)となるように中温水混合弁16cの開口面積比を微細制御する。
【0101】
次に、給水サーミスタ31の検出温度と給湯サーミスタ34の検出温度とから第1混合弁16aの開口面積比を概略調節し、その後給湯サーミスタ33aからの温度情報に基づいて出湯温度が設定温度となるように第1混合弁16aの開口面積比を微細制御するものである。
【0102】
次に以上の構成および作動による第1実施形態の貯湯式給湯装置によれば、まず、熱交換器81により熱交換され循環回路43から貯湯槽1内に戻る中温の湯は、貯湯槽1内において高温の湯の下側、かつ水の上側に戻され、温度の異なる水の比重差により、貯湯槽1内において中温の湯と水とが混合し難い。
【0103】
従って、ヒートポンプユニット2は、貯湯槽1の最下部にある水から優先的に加熱する。このようにして、ヒートポンプユニット2の沸き上げ性能が低下することを防止することが可能となる。
【0104】
また、貯湯槽1内に戻された高温の湯と水との間よりも上方の部位に設けられた給湯配管14、17a、17bの上流側端部から貯湯槽1内の湯を出湯させるように構成したことにより、貯湯槽1外に湯を消費されるときに、中温の湯の下限域が上方に移動しても上流側端部から中温の湯を確実に出湯させることができる。従って、給湯先の必要温度に応じて貯湯槽1内の湯を有効利用することができる。
【0105】
また、中温の湯の吐出口42a、42b、42cと上流側端部の導出口14a、14b、14cとの間には、確実に中温の湯の貯める層が形成できるため、貯湯槽1外に湯を消費されるときに中温の湯の下限域が上方に移動しても中温水の出湯を多くすることができる。従って、高温の湯の出湯を抑制し中温の湯を積極的に出湯することができるため貯湯槽1の容量を小型化とすることが可能である。
【0106】
さらに、ヒートポンプユニット2の電源を、例えば、深夜時間帯の深夜電力を用いる貯湯式給湯装置においては、高温の湯の出湯を抑制することができるため昼間時間帯における追加沸き上げ運転の運転時間の短縮化が図れる。
【0107】
また、配管17aもしくは配管17bを介して給湯を行なうときには、ヒートポンプユニット2により加熱され貯湯槽1内に貯えられた高温の湯ばかりでなく、床暖房ユニット80に熱を供給し貯湯槽1内に戻った中温の湯も出湯することが可能である。
【0108】
また、第1、第2混合弁16a、16bの上流側に高めの設定温度の湯温に調節する中温水混合弁16cを設けることにより、貯湯槽1内の最上部に貯えられた高温の湯の出湯を抑制させ、かつ上流側端部から中温の湯を積極的に出湯させることができる。
【0109】
また、循環回路43から貯湯槽1内に戻された中温の湯は、暫くは温度勾配があるために導出口14a、14b、14cから導出される湯温のバラツキが大きい。そこで、高めの設定温度による混合を中温水混合弁で調節することにより、第1、第2混合弁16a、16bにおける出湯温度の安定が図れる。
【0110】
また、ヒートポンプユニット2の冷媒に二酸化炭素を採用すると、超臨界域を用いることで第1循環回路20および循環回路43を流れる水を加熱する冷媒の温度(圧縮機からの吐出温度)を高くすることができる。従って、高温の湯を効率良く沸き上げることができる。
【0111】
(第2実施形態)
以上の第1実施形態では、単数の貯湯槽1を備える貯湯式給湯装置について説明したが、これに限らず、複数の貯湯槽を設けても良い。本実施形態では、図2に示すように、第1貯湯槽1aと第2貯湯槽1bとを配管203で接続して構成している。なお、前述の第1実施形態と同様の構成については同一の符号を付してその説明は省略する。
【0112】
まず、配管203は第1貯湯槽1a内の最下部と第2貯湯槽1b内の最上部とを連通するように配設されている。導入口12aは第2貯湯槽1bの底面に設けられている。そして、導入口12aには給水配管である導入管12が接続しており、導入管12の減圧弁32が設けられた部位より下流側と第1混合弁16aおよび第2混合弁16bとは配管12b、12cにより繋がれている。
【0113】
一方、第1貯湯槽1aの最上部には導出口213aが設けられ、導出口213aには第1貯湯槽1a内の湯を導出するための給湯経路である導出管213が接続されている。
【0114】
38は、導出管213と導出管13との合流点に配設された三方弁であり、三方弁38の下流側に接続された導出管13に流れ込む湯の経路を、導出口213aから導出管213の上流端である導出口213a側から流れ込む経路もしくは導出管13の上流端である導出口13a側から流れ込む経路に切り換えられるようになっている。
【0115】
なお、この三方弁38は、第1実施形態の三方弁15b、15c、49a、49bらと同様に制御装置200からの制御信号により作動される。
従って、本実施形態における給湯配管は、導出管213、導出管13、14および配管17a、17bから構成されている。
【0116】
次に、第2貯湯槽1bの下部には、貯湯槽1b内の最下部の水を吸入するための吸入口18が設けられ、第1貯湯槽1aの上部には、第1貯湯槽1a内の最上部に湯を吐出する吐出口19が設けられている。吸入口18と吐出口19とは循環回路20aで接続されている。この循環回路20aは本実施形態における第1循環回路である。
【0117】
また、第1の貯湯槽1aの外壁面には複数の(本例では5つの)水位サーミスタ37a、37b、37c、37d、37eが縦方向(第1貯湯槽1aの高さ方向)にほぼ等間隔に配置されるとともに、第2貯湯槽1bの外壁面には複数の(本例では8つの)水位サーミスタ36a、36b、36c、36d、36e、36f、36g、36hが縦方向(第2貯湯槽1bの高さ方向)にほぼ等間隔に配置されている。
【0118】
そして、第1貯湯槽1aおよび第2貯湯槽1b内に満たされた水の各水位レベルでの温度情報を後述する制御装置200に出力するようになっている。従って、制御装置200は、水位サーミスタ37a〜37e、36a〜36hからの温度情報に基づいて、第1貯湯槽1aおよび第2貯湯槽1b内において沸き上げられた湯と沸き上げられる前の水との境界位置を検出できるようになっている。
【0119】
なお、水位サーミスタ37aは、第1貯湯槽1aの最上部外壁面に設けられており、導出口213aや吸入口41に吸入される湯の温度である第1貯湯槽1a内の最上部の湯温を検出する出湯サーミスタの機能も有している。また、水位サーミスタ36aは、第2貯湯槽1bの最上部外壁面に設けられており、導出口13aに吸入される湯の温度である第2貯湯槽1b内の最上部の湯温を検出する出湯サーミスタの機能も有している。
【0120】
また、第1貯湯槽1aの上部には、第1貯湯槽1a内の最上部の湯を吸入するための吸入口41が設けられ、第2貯湯槽1bの中ほどから下方にかけて、第2貯湯槽1b内に湯を吐出する複数(本例では三つ)の下流側端部である吐出口42a、42b、42cが設けられている。この吸入口41と吐出口42a、42b、42cとは第2循環回路である循環回路43aで接続されている。
【0121】
また、循環回路43aには、第1実施形態と同様にウォータポンプ47と水温サーミスタ48が設けられている。なお、80は第1実施形態と同一構成の床暖房ユニットであり、熱交換器81により循環回路43a内の高温の湯と循環回路82内の熱媒体とを熱交換できるようになっている。
【0122】
また、200は制御手段である制御装置であり、各サーミスタ31、33a、33b、34、36a〜36h、37a〜37e、48、85、86からの温度情報、流量カウンタ35a、35bからの流量情報および図示しない操作盤に設けられた操作スイッチからの信号等に基づいて、後述するようにヒートポンプユニット2、第1、第2混合弁16a、16b、中温水混合弁16c、三方弁15b、15c、38、49a、49b、ウォータポンプ47、84等を制御するように構成されている。
【0123】
次に、上記構成に基づき本実施形態の貯湯式給湯装置の作動を説明する。貯湯式給湯装置の図示しない電源スイッチがオンされている場合には、制御装置200は、第1、第2貯湯槽1a、1bに設けられた各サーミスタからの温度情報等や、図示しない操作盤により設定された時刻情報等に基づいて、適宜ヒートポンプユニット2を作動させ第1、第2貯湯槽内の水を加熱して高温の湯(例えば90℃の湯)とする。
【0124】
そして、図示しない操作盤の床暖房スイッチがオンされた場合(床暖房予約タイマーによりスイッチがオンされた場合を含む)には、制御装置200は、ウォータポンプ47、84を作動し、第1貯湯槽1a内の最上部より吸入口41から循環回路43a内に高温の湯を吸入するとともに、循環回路82内に熱媒体を循環させる。
【0125】
これにより、熱交換器81において循環回路43aを流れる高温の湯と熱交換された循環回路82内の熱媒体により、床暖房熱交換器83を介して床暖房を行なうことができる。なお、このとき、制御装置200は、水位サーミスタ37a、水温サーミスタ48、85、86からの温度情報に基づいて、熱交換器81および床暖房熱交換器83における熱交換が良好に行なわれるようにウォータポンプ47、84を作動制御する。
【0126】
そして、循環回路43aを流れ、熱交換器81で熱交換され温度が低下した中温の湯(例えば50℃の湯)が第1実施形態と同様に第2貯湯槽1b内に吐出する吐出口42a、42b、42cの選択切り換えをする。これにより、第2貯湯槽1b内においては、温度の異なる水の比重差により、上部に高温の湯が、下部に中温の湯が貯えられる。
【0127】
本実施形態では、上述のような床暖房運転中に第1貯湯槽1a内の熱量(高温の湯)の不足が発生したときには、制御装置200はヒートポンプユニット2を作動させ、第2貯湯槽1b内の最下部の水を加熱して高温の湯とし、第1貯湯槽1aの最上部に供給する。これに伴い、第1貯湯槽1aの下部に貯えられていた中温の湯は、配管203を介して第2貯湯槽1b内の最上部に流入する。
【0128】
また、流量カウンタ35a、35bが配管17aもしくは配管17a内の水の流れを検出したときには、給湯水栓、シャワー、風呂等のいずれかで湯が使用されようとしているということである。このとき制御装置200は、設定温度に応じ、給水サーミスタ31、水位サーミスタ37a、36aおよび給湯サーミスタ33a、33bおよび34からの温度情報に基づいて第1、第2混合弁16a、16b、中温水混合弁16cおよび三方弁38の制御を行なう。
【0129】
ところで、本実施形態において設けられた三方弁38は、中温水混合弁16cの一方の入口側に流れ込む湯を切り換えるための切換弁であって、中温水混合弁16cの高めの設定温度によって選択切り換えをするようになっている。具体的には、水位サーミスタ36aにより検出された湯温よりも高い湯温を中温水混合弁16cに導出させたいときに切り換わるものである。
【0130】
なお、第1、第2混合弁16a、16bおよび中温水混合弁16cの作動については前述の第1実施形態と同様であるため省略する。また、配管17aもしくは、配管17bを介して給湯が行なわれるときには、導入口12aより第2貯湯槽1b内の最下部に水道水が供給される。
【0131】
以上の実施形態の貯湯式給湯装置によれば、熱交換器81により熱交換された後の中温の湯は、循環回路43aから第2貯湯槽1b内に戻る。また、給湯に伴い導入管12から供給される水は、第2貯湯槽1b内の最下部に入る。そして第2貯湯槽1bにおいては、床暖房運転が終了し中温の湯が戻った後に、最下部に水が入る。従って、第1実施形態と同様な効果を奏する。
【0132】
なお、本実施形態では、第1貯湯槽1a内の熱量(高温の湯)の不足が発生したときには、ヒートポンプユニット2を作動させることにより、高温の湯の沸き上げが迅速に行えることができる。
【0133】
(第3実施形態)
以上の第2実施形態では、第1循環回路20aにおいて、第1貯湯槽1aと第2貯湯槽1bとを直列に循環するように構成したが、第1貯湯槽1aと第2貯湯槽1bとが並列に循環させるように構成しても良い。本実施形態では、図3に示すように、第1貯湯槽1cと第2貯湯槽1dとを並設して、それぞれの貯湯槽1c、1d内の湯をヒートポンプユニット2で加熱させるように構成している。なお、前述の第1および第2実施形態と同様の構成については同一の符号を付してその説明は省略する。
【0134】
まず、導入口12dは第1貯湯槽1cの底面に設けられ、導入口12aは第2貯湯槽1dの底面に設けられている。両導入口12a、12dには給水配管である導入管12が接続しており、導入管12の減圧弁32が設けられた部位より下流側と第1混合弁16aおよび第2混合弁16bとは配管12b、12cにより繋がれている。
【0135】
一方、第1貯湯槽1cの最上部には導出口213aが設けられ、導出口213aには第1貯湯槽1c内の湯を導出するための給湯経路である導出管213が接続されている。38は、導出管213と導出管13との合流点に配設された三方弁であり、三方弁38の下流側に接続された導出管13に流れ込む湯の経路を、導出口213aから導出管213の上流端である導出口213a側から流れ込む経路もしくは導出管13の上流端である導出口13a側から流れ込む経路に切り換えるようになっている。
【0136】
また、第2貯湯槽1dの最上部には導出口13aが設けられ、導出口13aには第2貯湯槽1d内の湯を導出するための給湯経路である導出管13が接続されている。なお、導出管213、13、14、配管17a、17bからなる構成が、本実施形態における給湯配管である。
【0137】
次に、第1貯湯槽1cの下部には、第1貯湯槽1cの内最下部の水を吸入するための吸入口18aが設けられ、第1貯湯槽1cの上部には、第1貯湯槽1c内の最上部に湯を吐出する吐出口19aが設けられている。また、第2貯湯槽1dの下部には、第2貯湯槽1d内の最下部の水を吸入するための吸入口18が設けられ、第2貯湯槽1dの上部には、第2貯湯槽1d内の最上部に湯を吐出する吐出口19が設けられている。
【0138】
吸入口18a、18と吐出口19a、19とはそれぞれ循環回路20b、20cで接続されている。循環回路20bは、第1貯湯槽1c内最下部の水を第1貯湯槽1c内の最上部に送る循環回路であって、吸入口18aから吐出口19aに至る配管で構成されている。また、循環回路20cは、第2貯湯槽1d内最下部の水を第2貯湯槽1d内の最上部に送る循環回路であって、吸入口18から吐出口19に至る配管で構成されている。
【0139】
そして、吸入口18a、18と吐出口19a、19との間には、三方弁39a、39b、およびヒートポンプユニット2が配設されている。三方弁39a39bとは連動制御され、吸入口18aから水を吸入したときには吐出口19aから湯を吐出するように、吸入口18から水を吸入したときには吐出口19から湯を吐出するように流路を切り換えるようになっている。
【0140】
なお、循環回路20bからなる構成が本実施形態における第1循環回路であり、循環回路20cからなる構成が、本実施形態における第2循環回路である。また、ヒートポンプユニット2は、本実施形態における第1のヒートポンプユニットであるとともに第2のヒートポンプユニットである。
【0141】
次に、第1貯湯槽1cの外壁面には複数(本例では5つの)の水位サーミスタ37a、37b、37c、37d、37eが縦方向(第1貯湯槽1cの高さ方向)にほぼ等間隔に配置され、第2貯湯槽1dの外壁面には複数(本例では8つの)の水位サーミスタ36a、36b、36c、36d、36e、36f、36g、36hが縦方向(第2貯湯槽1dの高さ方向)にほぼ等間隔に配置されている。
【0142】
そして、第1貯湯槽1cおよび1d内に満たされた水の各水位レベルでの温度情報を後述する制御装置200に出力するようになっている。従って、制御装置200は、水位サーミスタ37a〜37e、36a〜36hからの温度情報に基づいて、第1貯湯槽1cおよび1d内において沸き上げられた湯と沸き上げられる前の水との境界位置を検出できるようになっている。
【0143】
なお、水位サーミスタ37aは、第1貯湯槽1cの最上部外壁面に設けられており、導出口213aや吸入口19aに吸入される湯の温度である第1貯湯槽1c内最上部の水温を検出する出湯サーミスタの機能も有している。また、水位サーミスタ36aは、第2貯湯槽1dの最上部外壁面に設けられており、導出口13aや吸入口19、41に吸入される湯の温度である第2貯湯槽1d内最上部の水温を検出する出湯サーミスタの機能も有している。
【0144】
また、第2貯湯槽1dの上部には、第2貯湯槽1d内の最上部の湯を吸入するための吸入口41が設けられ、第2貯湯槽1dの中ほどから下方にかけて、第2貯湯槽1d内に湯を吐出する複数(本例では三つ)の下流側端部である吐出口42a、42b、42cが設けられている。この吸入口41と吐出口42a、42b、42cとは第3循環回路である循環回路43bで接続されている。
【0145】
また、循環回路43bには、第1および第2実施形態と同様にウォータポンプ47と水温サーミスタ48が設けられている。なお、80は第1および第2実施形態と同一構成の床暖房ユニットであり、熱交換器81により循環回路43b内の高温の湯と循環回路82内の熱媒体とを熱交換できるようになっている。
【0146】
また、200は制御手段である制御装置であり、各サーミスタ31、33a、33b、34、36a〜36h、37a〜37e、48、85、86からの温度情報、流量カウンタ35a、35bからの流量情報および図示しない操作盤に設けられた操作スイッチからの信号等に基づいて、後述するようにヒートポンプユニット2、第1、第2混合弁16a、16b、中温水混合弁16c、三方弁15b、15c、38、39a、39b、49a、49b、ウォータポンプ47、84等を制御するように構成されている。
【0147】
次に、上記構成に基づき本実施形態の貯湯式給湯装置の作動を説明する。貯湯式給湯装置の図示しない電源スイッチがオンされている場合には、制御装置200は、第1、第2貯湯槽1c、1dに設けられた各サーミスタからの温度情報等や、図示しない操作盤により設定された時刻情報等に基づいて、適宜ヒートポンプユニット2を作動させ第1、第2貯湯槽1c、1d内の水を加熱して高温の湯(例えば90℃の湯)とする。
【0148】
なお、ヒートポンプユニット2により第1、第2貯湯槽1c、1d内の沸き上げ運転を行なうときには、制御装置200は三方弁39a、39bを制御し循環回路20b、20cの流路を切り換えることで、第1貯湯槽1c内の沸き上げと第2貯湯槽1d内の沸き上げを別個に行なう。
【0149】
そして、図示しない操作盤の床暖房スイッチがオンされた場合(床暖房予約タイマーによりスイッチがオンされた場合を含む)には、制御装置200は、ウォータポンプ47、84を作動し、第2貯湯槽1d内の最上部より吸入口41から循環回路43b内に高温の湯を吸入するとともに、循環回路82内に熱媒体を循環させる。
【0150】
これにより、熱交換器81において循環回路43bを流れる高温の湯と熱交換された循環回路82内の熱媒体により、床暖房熱交換器83を介して床暖房を行なうことができる。なお、このとき、制御装置200は、水位サーミスタ37a、水温サーミスタ48、85、86からの温度情報に基づいて、熱交換器81および床暖房熱交換器83における熱交換が良好に行なわれるようにウォータポンプ47、84を作動制御する。
【0151】
そして、循環回路43bを流れ、熱交換器81で熱交換され温度が低下した中温の湯(例えば50℃の湯)が第1、第2実施形態と同様に第2貯湯槽1d内に吐出する吐出口42a、42b、42cの選択切り換えをする。これにより、第2貯湯槽1b内においては、温度の異なる水の比重差により、上部に高温の湯が、下部に中温の湯が貯えられる。
【0152】
また、流量カウンタ35a、35bが配管17aもしくは配管17a内の水の流れを検出したときには、給湯水栓、シャワー、風呂等のいずれかで湯が使用されようとしているということである。このとき制御装置200は、設定温度に応じ、給水サーミスタ31、水位サーミスタ37a、36aおよび給湯サーミスタ33a、33bおよび34からの温度情報に基づいて第1、第2混合弁16a、16b、中温水混合弁16cおよび三方弁38の制御を行なう。
【0153】
三方弁38は、第2実施形態で述べたように、中温水混合弁16cの一方の入口側に流れ込む湯を切り換えるものであって、中温水混合弁16cの高めの設定温度によって選択切り換えをするようになっている。具体的には、水位サーミスタ36aにより検出された湯温よりも高い湯温を中温水混合弁16cに導出させたいときに切り換わるものである。
【0154】
なお、第1、第2混合弁16a、16bおよび中温水混合弁16cの作動については前述の第1、第2実施形態と同様であるため省略する。また、配管17aもしくは、配管17bを介して給湯が行なわれるときには、導入口12a、12dより第1、第2貯湯槽1c、1b内の最下部に水道水が供給される。従って、以上の構成および作動による貯湯式給湯装置によれば、熱交換器81により熱交換された後の中温の湯は、循環回路43bから第2貯湯槽1d内に戻る。また、給湯に伴い導入管12から供給される水は、第1、第2貯湯槽1c、1b内の最下部に入る。そして第2貯湯槽1dにおいては、床暖房運転が終了し中温の湯が戻った後に、最下部に水が入る。従って、第1、第2実施形態と同様な効果を奏する。
【0155】
なお、本実施形態では、第1貯湯槽1cには床暖房運転を行なっても中温の湯は戻らないので、ヒートポンプユニット2は、第2貯湯槽1dの最下部にある水から優先的に加熱する。このようにして、ヒートポンプユニット2の沸き上げ性能が低下することを防止することが可能となる。
【0156】
また、以上の実施形態では、二つの貯湯槽を並設させたが、複数個の第1貯湯槽1cを設けても良い。
【0157】
(他の実施形態)
以上の第2、3実施形態では、給湯を行なう際に、水位サーミスタ36a、337aの検出温度に応じて第1貯湯槽1a、1cもしくは第2貯湯槽1b、1dから湯を導出するものであったが、図示しない操作盤の床暖房スイッチがオンされておらず、かつ床暖房予約が設定されていないときには、第1貯湯槽1a、1cもしくは第2貯湯槽1b、1dから適宜湯を導出するものであってもよい。
【0158】
また、以上の実施形態では、循環回路43、43a、43bの下流側端部を吐出口42a、42b、42cを3箇所設けたが、これに限定されるものではない。また、導出管14、および配管17a、17bの上流側端部においても同様に3個に限定されるものではない。
【0159】
また、上記各実施形態において、外気温センサ等の外気温検出手段を設け、この外気温検出手段が検出する温度が所定値以上の場合には、前述の操作盤の床暖房スイッチがオンされておらず、かつ床暖房予約が設定されていない場合のように、給湯するものであってもよい。
【0160】
また、上記各実施形態では、熱交換手段である熱交換器81は、循環回路43、43a、43bを流れる高温の湯と床暖房ユニット80の熱媒体とを熱交換するものであったがこれに限定されるものではない。例えば、浴室や洗面室などを暖房する暖房器、および浴室内を乾燥する乾燥器の熱媒体と熱交換させてもよい。なお、乾燥器は暖房器とは異なり外気を導入させることで浴室内の乾燥を促進させることができる。
【0161】
また、以上の実施形態では、ヒートポンプユニット2の電源に深夜電力を用いたが、これに限らず、昼間時間帯の交流電力を用いても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態における貯湯式給湯装置の全体構成を示す模式図である。
【図2】本発明の第2実施形態における貯湯式給湯装置の全体構成を示す模式図である。
【図3】本発明の第3実施形態における貯湯式給湯装置の全体構成を示す模式図である。
【図4】他の実施形態における貯湯式給湯装置の全体構成を示す模式図である。
【符号の説明】
1…貯湯槽
1a、1c…第1貯湯槽
1b、1d…第2貯湯槽
2…ヒートポンプユニット(第1、第2ヒートポンプユニット)
13、14、213…導出管(給湯配管)
14a、14b、14c…導出口(上流側端部)
16a…第1混合弁
16b…第2混合弁
16c…中温水混合弁(第3混合弁)
17a、17b…配管(給湯配管)
20、20a、20b…循環回路(第1循環回路)
20c…循環回路(第1循環回路)
42a、42b、42c…吐出口(下流側端部)
43、43a…循環回路(第2循環回路)
43b…循環回路(第3循環回路)
81…熱交換器(熱交換手段)
Claims (18)
- 給湯用の湯を内部に貯える貯湯槽(1)と、
前記貯湯槽(1)内の最下部の水を、前記貯湯槽(1)内の最上部に送る第1循環回路(20)と、
前記第1循環回路(20)に設けられ、前記第1循環回路(20)を流れる水を加熱して高温の湯とするヒートポンプユニット(2)と、
前記ヒートポンプユニット(2)により加熱され前記貯湯槽(1)内の最上部に貯えられた高温の湯を、循環して前記貯湯槽(1)内に戻す第2循環回路(43)と、
前記第2循環回路(43)に設けられ、前記第2循環回路(43)を流れる高温の湯と被加熱物とを熱交換して、前記第2循環回路(43)を流れる高温の湯を中温の湯とする熱交換手段(81)と、
前記貯湯槽(1)内の湯が前記貯湯槽(1)外で消費されるときには、前記貯湯槽(1)内の湯を前記貯湯槽(1)外に送る給湯配管(13、14、17a、17b)と、
前記貯湯槽(1)内の湯が前記給湯配管(13、14、17a、17b)を通って前記貯湯槽(1)外で消費されるときには、前記貯湯槽(1)内の最下部に水を供給する給水配管(12)とを備える貯湯式給湯装置であって、
前記第2循環回路(43)は、前記第2循環回路(43)を流れ、前記貯湯槽(1)内に戻る前記中温の湯を、前記貯湯槽(1)内の高温の湯と水との間に戻す構成であるとともに、前記給湯配管(13、14、17a、17b)は、前記貯湯槽(1)内の湯が前記給湯配管(13、14、17a、17b)を通って前記貯湯槽(1)外で消費されるときには、前記第2循環回路(43)から前記貯湯槽(1)内に戻された前記高温の湯と水との間よりも上方の部位に設けられた上流側端部(14a、14b、14c)から前記貯湯槽(1)内の湯を出湯させるように構成したことを特徴とする貯湯式給湯装置。 - 前記貯湯槽(1)は、その高さ方向において前記第2循環回路(43)の下流側端部(42a、42b、42c)を複数に分けて接続しており、これら複数の下流側端部(42a、42b、42c)のうち、前記貯湯槽(1)内において前記下流側端部(42a、42b、42c)を接続した部位の湯温が、前記第2循環回路(43)を前記貯湯槽(1)内に戻る前記中温の湯の湯温とほぼ同一である前記下流側端部(42a、42b、42c)より、前記貯湯槽(1)内に前記中温の湯を戻す構成であるとともに、前記貯湯槽(1)の高さ方向において前記給湯配管(13、14、17a、17b)の前記上流側端部(14a、14b、14c)を複数に分けて接続しており、これら複数の上流側端部(14a、14b、14c)のうち、前記貯湯槽(1)内において前記上流側端部(14a、14b、14c)を接続した部位が、前記下流側端部(42a、42b、42c)を接続した部位よりも上方の部位に接続された前記上流側端部(14a、14b、14c)から前記貯湯槽(1)内の湯を出湯させるように構成したことを特徴とする請求項1に記載の貯湯式給湯装置。
- 前記給湯配管(13、14、17a、17b)は、前記貯湯槽(1)内において前記上流側端部(14a、14b、14c)を接続した部位の湯温が、前記貯湯槽(1)外で消費される湯の必要温度以上である前記上流側端部(14a、14b、14c)より、選択的に出湯される構成であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の貯湯式給湯装置。
- 前記給湯配管(13、14、17a、17b)には、前記貯湯槽(1)外で消費される必要温度の湯を調節する第1、第2混合弁(16a、16b)と必要温度以上の湯を調節する第3混合弁(16c)とが設けられ、前記第3混合弁(16c)は、前記上流側端部(14a、14b、14c)から出湯される湯のうち、前記貯湯槽(1)内の最上部に貯えられた高温の湯と、前記第2循環回路(43)から前記貯湯槽(1)内に戻された前記下流側端部(42a、42b、42c)を接続した部位よりも上方の部位に接続された前記上流側端部(14a、14b、14c)から出湯される湯とを混合させて前記貯湯槽(1)外で消費される湯の必要温度以上の湯に調節して前記第1、第2混合弁(16a、16b)に供給することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一つに記載の貯湯式給湯装置。
- 前記被加熱物は、床暖房ユニット(80)、暖房器、または乾燥器の熱媒体であり、前記熱交換手段(81)は、前記第2循環回路(43)を流れる前記高温の湯と前記熱媒体とを熱交換する熱交換器であることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1つに記載の貯湯式給湯装置。
- 前記ヒートポンプユニット(2)は、冷媒が二酸化炭素であることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1つに記載の貯湯式給湯装置。
- 給湯用の湯を内部に貯える第1貯湯槽(1a)と、
最上部を前記第1貯湯槽(1a)の最下部に連通し、給湯用の湯を内部に貯える第2貯湯槽(1b)と、
前記第2貯湯槽(1b)内の最下部の水を、前記第1貯湯槽(1a)内の最上部に送る第1循環回路(20a)と、
前記第1循環回路(20a)に設けられ、前記第1循環回路(20a)を流れる水を加熱して高温の湯とするヒートポンプユニット(2)と、
前記ヒートポンプユニット(2)により加熱され前記第1貯湯槽(1a)内の最上部に貯えられた高温の湯を、循環して前記第2貯湯槽(1b)内の最下部に戻す第2循環回路(43a)と、
前記第2循環回路(43a)に設けられ、前記第2循環回路(43a)を流れる高温の湯と被加熱物とを熱交換して、前記第2循環回路(43a)を流れる高温の湯を中温の湯とする熱交換手段(81)と、
前記第1貯湯槽(1a)内もしくは前記第2貯湯槽(1b)内の湯が両貯湯槽(1a、1b)外で消費されるときには、前記第1貯湯槽(1a)内もしくは前記第2貯湯槽(1b)内の湯を前記両貯湯槽(1a、1b)外に送る給湯配管(13、14、17a、17b、213)と、
前記第1貯湯槽(1a)内もしくは前記第2貯湯槽(1b)内の湯が前記給湯配管(13、14、17a、17b、213)を通って前記両貯湯槽(1a、1b)外で消費されるときには、前記第2貯湯槽(1b)の最下部に水を供給する給水配管(12)とを備える貯湯式給湯装置であって、
前記第2循環回路(43a)は、前記第2循環回路(43a)を流れ、前記第2貯湯槽(1b)内に戻る前記中温の湯を、前記第2貯湯槽(1b)内の高温の湯と水との間に戻す構成であるとともに、前記給湯配管(13、14、17a、17b、213)は、前記第1貯湯槽(1a)内もしくは前記第2貯湯槽(1b)内の湯が前記給湯配管(13、14、17a、17b、213)を通って前記両貯湯槽(1a、1b)外で消費されるときには、前記第2循環回路(43a)から前記第2貯湯槽(1b)内に戻された前記高温の湯と水との間よりも上方の部位に設けられた上流側端部(14a、14b、14c)から前記第2貯湯槽(1b)内の湯を出湯させるように構成したことを特徴とする貯湯式給湯装置。 - 前記第2貯湯槽(1b)は、その高さ方向において前記第2循環回路(43a)の下流側端部(42a、42b、42c)を複数に分けて接続しており、これら複数の下流側端部(42a、42b、42c)のうち、前記第2貯湯槽(1b)内において前記下流側端部(42a、42b、42c)を接続した部位の湯温が、前記第2循環回路(43a)を前記第2貯湯槽(1b)内に戻る前記中温の湯の湯温とほぼ同一である前記下流側端部(42a、42b、42c)より、前記第2貯湯槽(1b)内に前記中温の湯を戻す構成であるとともに、前記第2貯湯槽(1b)の高さ方向において前記給湯配管(13、14、17a、17b、213)の前記上流側端部(14a、14b、14c)を複数に分けて接続しており、これら複数の前記上流側端部(14a、14b、14c)のうち、前記第2貯湯槽(1b)内において前記上流側端部(14a、14b、14c)を接続した部位が、前記下流側端部(42a、42b、42c)を接続した部位よりも上方の部位に接続された前記上流側端部(14a、14b、14c)から前記第2貯湯槽(1b)内の湯を出湯させるように構成したことを特徴とする請求項7に記載の貯湯式給湯装置。
- 前記給湯配管(13、14、17a、17b、213)は、前記上流側端部(14a、14b、14c)を複数に分けて前記第1貯湯槽(1a)の最上部および前記第2貯湯槽(1b)内の高さ方向に接続しており、これら複数の前記上流側端部(14a、14b、14c)のうち、前記両貯湯槽(1a、1b)内において前記上流側端部(14a、14b、14c)を接続した部位の湯温が、前記両貯湯槽(1a、1b)外で消費される湯の必要温度以上である前記上流側端部(14a、14b、14c)より、選択的に出湯される構成であることを特徴とする請求項7または請求項8に記載の貯湯式給湯装置。
- 前記給湯配管(13、14、17a、17b、213)には、前記両貯湯槽(1a、1b)外で消費される湯の必要温度を調節する第1、第2混合弁(16a、16b)と必要温度以上の湯を調節する第3混合弁(16c)とが設けられ、前記第3混合弁(16c)は、前記上流側端部(14a、14b、14c)から出湯される湯のうち、前記第1貯湯槽(1a)内もしくは前記第2貯湯槽(1b)内の最上部に貯えられた高温の湯と、前記第2循環回路(43a)から前記第2貯湯槽(1b)内に戻された前記下流側端部(42a、42b、42c)を接続した部位よりも上方の部位に接続された前記上流側端部(14a、14b、14c)から出湯される湯とを混合させて前記両貯湯槽(1a、1b)外で消費される湯の必要温度以上の湯に温度調節して前記第1、第2混合弁(16a、16b)に供給することを特徴とする請求項7ないし請求項9のいずれか一つに記載の貯湯式給湯装置。
- 前記被加熱物は、床暖房ユニット(80)、暖房器、または乾燥器の熱媒体であり、前記熱交換手段(81)は、前記第2循環回路(43a)を流れる前記高温の湯と前記熱媒体とを熱交換する熱交換器であることを特徴とする請求項8ないし請求項10のいずれか一つに記載の貯湯式給湯装置。
- 前記ヒートポンプユニット(2)は、冷媒が二酸化炭素であることを特徴とする請求項8ないし請求項11のいずれか1つに記載の貯湯式給湯装置。
- 給湯用の湯を内部に貯える第1貯湯槽(1c)と、
前記第1貯湯槽(1c)内の最下部の水を、前記第1貯湯槽(1c)内の最上部に送る第1循環回路(20b)と、
前記第1循環回路(20b)に設けられ、前記第1循環回路(20b)を流れる水を加熱して高温の湯とする第1ヒートポンプユニット(2)と、
給湯用の湯を内部に貯える第2貯湯槽(1d)と、
前記第2貯湯槽(1d)内の最下部の水を、前記第2貯湯槽(1d)内の最上部に送る第2循環回路(20c)と、
前記第2循環回路(20c)に設けられ、前記第2循環回路(20c)を流れる水を加熱して高温の湯とする第2ヒートポンプユニット(2)と、
前記第2ヒートポンプユニット(2)により加熱され前記第2貯湯槽(1d)内の最上部に貯えられた高温の湯を、循環して前記第2貯湯槽(1d)内の最下部に戻す第3循環回路(43b)と、
前記第3循環回路(43b)に設けられ、前記第3循環回路(43b)を流れる高温の湯と被加熱物とを熱交換して、前記第3循環回路(43b)を流れる高温の湯を中温の湯とする熱交換手段(81)と、
前記第1貯湯槽(1c)内もしくは前記第2貯湯槽(1d)内の湯が両貯湯槽(1c、1d)外で消費されるときには、前記第1貯湯槽(1c)内もしくは前記第2貯湯槽(1d)内の湯を前記両貯湯槽(1c、1d)外に送る給湯配管(13、14、17a、17b、213)と、
前記第1貯湯槽(1c)内の湯が前記給湯配管(13、14、17a、17b、213)を通って前記両貯湯槽(1c、1d)外で消費されるときには、前記第1貯湯槽(1c)の最下部に水を供給するとともに、前記第2貯湯槽(1d)内の湯が前記給湯配管(13、14、17a、17b、213)を通って前記両貯湯槽(1c、1d)外で消費されるときには、前記第2貯湯槽(1d)の最下部に水を供給する給水配管(12)とを備える貯湯式給湯装置であって、
前記第3循環回路(43b)は、前記第3循環回路(43b)を流れ、前記第2貯湯槽(1d)内に戻る前記中温の湯を、前記第2貯湯槽(1d)内の高温の湯と水との間に戻す構成であるとともに、前記給湯配管(13、14、17a、17b、213)は、前記第1貯湯槽(1c)内もしくは前記第2貯湯槽(1d)内の湯が前記給湯配管(13、14、17a、17b、213)を通って前記両貯湯槽(1c、1d)外で消費されるときには、前記第3循環回路(43b)から前記第2貯湯槽(1d)内に戻された前記高温の湯と水との間よりも上方の部位に設けられた上流側端部(14a、14b、14c)から前記第2貯湯槽(1d)内の湯を出湯させるように構成したことを特徴とする貯湯式給湯装置。 - 前記第2貯湯槽(1d)は、その高さ方向において前記第3循環回路(43b)の下流側端部(42a、42b、42c)を複数に分けて接続しており、これら複数の下流側端部(42a、42b、42c)のうち、前記第2貯湯槽(1d)内において前記下流側端部(42a、42b、42c)を接続した部位の湯温が、前記第3循環回路(43、44、45、46)を前記第2貯湯槽(1d)内に戻る前記中温の湯の湯温とほぼ同一である前記下流側端部(42a、42b、42c)より、前記第2貯湯槽(1d)内に前記中温の湯を戻す構成であるとともに、前記第2貯湯槽(1d)の高さ方向において前記給湯配管(13、14、17a、17b、213)の前記上流側端部(14a、14b、14c)を複数に分けて接続しており、これら複数の前記上流側端部(14a、14b、14c)のうち、前記第2貯湯槽(1d)内において前記上流側端部(14a、14b、14c)を接続した部位が、前記下流側端部(42a、42b、42c)を接続した部位よりも上方の部位に接続された前記上流側端部(14a、14b、14c)から前記第2貯湯槽(1d)内の湯を出湯させるように構成したことを特徴とする請求項13に記載の貯湯式給湯装置。
- 前記給湯配管(13、14、17a、17b、213)は、前記上流側端部(14a、14b、14c)を複数に分けて前記第1貯湯槽(1c)の最上部および前記第2貯湯槽(1d)内の高さ方向に接続しており、これら複数の前記上流側端部(14a、14b、14c)のうち、前記両貯湯槽(1c、1d)内において前記上流側端部(14a、14b、14c)を接続した部位の湯温が、前記両貯湯槽(1c、1d)外で消費される湯の必要温度以上である前記上流側端部(14a、14b、14c)より、選択的に出湯される構成であることを特徴とする請求項13または請求項14に記載の貯湯式給湯装置。
- 前記給湯配管(13、14、17a、17b、213)には、前記両貯湯槽(1c、1d)外で消費される湯の必要温度を調節する第1、第2混合弁(16a、16b)と必要温度以上の湯を調節する第3混合弁(16c)とが設けられ、前記第3混合弁(16c)は、前記上流側端部(14a、14b、14c)から出湯される湯のうち、前記第1貯湯槽(1c)内もしくは前記第2貯湯槽(1d)内の最上部に貯えられた高温の湯と、前記第3循環回路(43b)から前記第2貯湯槽(1d)内に戻された前記下流側端部(42a、42b、42c)を接続した部位よりも上方の部位に接続された前記上流側端部(14a、14b、14c)から出湯される湯とを混合させて前記両貯湯槽(1c、1d)外で消費される湯の必要温度以上の湯に温度調節して前記第1、第2混合弁(16a、16b)に供給することを特徴とする請求項13ないし請求項15のいずれか一つに記載の貯湯式給湯装置。
- 前記被加熱物は、床暖房ユニット(80)、暖房器、または乾燥器の熱媒体であり、前記熱交換手段(81)は、前記第3循環回路(43b)を流れる前記高温の湯と前記熱媒体とを熱交換する熱交換器であることを特徴とする請求項13ないし請求項16のいずれか一つに記載の貯湯式給湯装置。
- 前記第1、第2ヒートポンプユニット(2)は、冷媒が二酸化炭素であることを特徴とする請求項13ないし請求項17のいずれか1つに記載の貯湯式給湯装置。
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