JP3888230B2 - 無人搬送車システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主経路と、該主経路と分岐・合流する副経路とを備えた搬送経路上を自動走行する無人搬送車の走行制御に関し、詳しくは、主経路と副経路との合流部における無人搬送車の衝突防止制御に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、主経路と、該主経路と分岐・合流する副経路とを備えた搬送経路に沿って、搬送車を自動走行させる無人搬送車システムでは、該主経路と副経路との合流部で搬送車がスムースに走行できるように、以下のような走行制御が知られている。
前記主経路と副経路との合流部に、それぞれ跨るように両端を短絡することでループ状に形成した上下一対の通信線を敷設して、該合流部の上流側の主経路と副経路とにそれぞれマークを配置し、また、搬送車には該マークを検出する検出手段と、該通信線へ信号を出力する送信手段と、該通信線から信号を受信する受信手段とを設けている。
【0003】
この合流部へ主経路と副経路とから搬送車が接近すると、2台の搬送車のうち、先にマークを検出した方の搬送車から信号が出力され、該信号は他方の搬送車によって受信される。これにより、該他方の搬送車が一時停止し、一方の搬送車を先に合流部へ進入させ、該合流部を通過した後に、該他方の搬送車を合流部へ進入させるように制御している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記の合流制御では、合流部へ進入しようとする2台の搬送車が、それぞれの経路上のマークを同時に検出した場合には、双方の搬送車から同時に信号が出力されて、該信号により互いに相手方の搬送車を停止させてしまう。つまり、この場合、両車は、合流部手前でお見合いするように停止してしまい、衝突はしないものの、両車ともに合流部を通過できない問題があった。
また、このとき主経路上の搬送車から出力される信号と、副経路上の搬送車から出力される信号とが同じ周波数であり、この場合、該信号を受信する双方の搬送車は、該信号が自車の出力した信号なのか、他車の出力した信号なのかが区別がつかず、仮に、この信号を両車ともに自車の出力した信号と判断すると、そのまま合流部へ向けて走行してしまい、衝突する恐れがある。
そこで、本発明では、該合流部へ主経路と副経路から同時に搬送車が進入する場合を鑑み、両車とも該合流部を支障なく通過させることを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
まず、請求項1に記載のように、主経路と、該主経路と分岐・合流する副経路とを備えた搬送経路に沿って、搬送車を自動走行させる無人搬送車システムにおいて、
前記主経路と副経路との合流部の上流側の合流開始位置から下流側の合流終了位置にかけて通信線をループ状に敷設し、
また、前記搬送車は、所定の周波数の信号を出力する送信手段と、該送信手段からの信号を受信する受信手段と、自車が出力した信号か少なくとも他の経路を走行している他車が出力した信号かを認識する手段と、該搬送車を制御する制御手段とを備え、
前記送信手段は、複数の周波数が送信可能であり、前記受信手段は、送信手段から送信された全ての周波数を受信可能であり、前記制御手段は、予め走行経路地図を記憶するとともに、走行経路地図に基づき、現在走行中の搬送経路が主経路か副経路かを判断し、分岐部を走行中は、現在走行中の搬送経路が主経路の場合には、主経路用に予め設定された周波数を送信するように送信手段を制御し、副経路の場合には、その副経路用に予め設定された主経路と異なる周波数を送信するように送信手段を制御するものであり、
以下の制御により、合流部へ進入する搬送車を制御する。
(1)主経路を走行する搬送車が合流部上流側の合流部開始位置に到達すると、受信手段が作動し、この瞬間、該受信手段で通信線を介して信号を受信した場合は、該搬送車を停止させ、通信線を介して信号を受信しない場合は、送信手段を作動させながら合流部へ進入させる。
(2)副経路を走行する搬送車が合流部上流側の合流部開始位置に到達すると、受信手段が作動し、この瞬間、該受信手段で通信線を介して信号を受信した場合は、該搬送車を停止させ、通信線を介して信号を受信しない場合は、送信手段を作動させながら合流部へ進入させ、但し、該搬送車が合流部上流側の合流部開始位置に到達時、若しくは到達直後に、受信手段で主経路を走行している他車が出力した信号を、通信線を介して受信すると、該搬送車を停止させる。
(3)前記搬送車が、合流部下流側の合流終了位置を通過し終えると、現在作動中の送信手段による通信線への送信、及び現在作動中の受信手段による通信線からの受信を終える。
【0006】
あるいは、請求項2に記載のように、主経路と、該主経路と分岐・合流する副経路とを備えた搬送経路に沿って、搬送車を自動走行させる無人搬送車システムにおいて、
前記主経路と副経路との合流部の上流側の合流開始位置から下流側の合流終了位置にかけて通信線をループ状に敷設し、
また、前記搬送車は、進行方向前方に設けた衝突防止センサと、所定の周波数の信号を出力する送信手段と、該送信手段からの信号を受信する受信手段と、自車が出力した信号か少なくとも他の経路を走行している他車が出力した信号かを認識する手段と、該搬送車を制御する制御手段とを備え、
前記送信手段は、複数の周波数が送信可能であり、前記受信手段は、送信手段から送信された全ての周波数を受信可能であり、前記制御手段は、予め走行経路地図を記憶するとともに、走行経路地図に基づき、現在走行中の搬送経路が主経路か副経路かを判断し、分岐部を走行中は、現在走行中の搬送経路が主経路の場合には、主経路用に予め設定された周波数を送信するように送信手段を制御し、副経路の場合には、その副経路用に予め設定された主経路と異なる周波数を送信するように送信手段を制御するものであり、
以下の制御により、合流部へ進入する搬送車を制御する。
(1)主経路を走行する搬送車が合流部上流側の合流開始位置に到達すると、受信手段が作動し、この瞬間、該受信手段で副経路を走行する他車が出力した信号を、通信線を介して受信した場合は、該搬送車を停止させ、副経路を走行する他車が出力した信号以外の信号を、通信線を介して受信した場合は、該搬送車を進入させるが、該搬送車が該主経路を先行する他車と所定距離以下に接近した場合は、衝突防止センサが作動して該搬送車を停止させ、他車が出力した信号を、通信線を介して受信しない場合は、送信手段を作動させながら合流部へ進入させる。
(2)副経路を走行する搬送車が合流部上流側の合流開始位置に到達すると、受信手段が作動し、この瞬間、該受信手段で通信線を介して信号を受信した場合は、該搬送車を停止させ、通信線を介して信号を受信しない場合は、送信手段を作動させながら合流部へ進入させ、但し、該搬送車が合流部上流側の合流開始位置に到達時、若しくは到達直後に、受信手段で主経路を走行する他車が出力した信号を受信すると、該搬送車を停止させる。
(3)前記搬送車が、合流部下流側の合流終了位置を通過し終えると、現在作動中の送信手段による通信線への送信、及び現在作動中の受信手段による通信線からの受信を終える。
【0008】
また、請求項に記載のように、前記送信手段から送信される信号は、全て9kHz以下である。
【0009】
【発明の実施の形態】
これより、本発明の実施の一形態を、図面を参照しながら説明する。
図1は無人搬送車システム1の概略構成を示す平面図、図2は第1実施例に係る主経路2と副経路3の合流部付近の平面図、図3は第1の地図情報に基づく主経路2から合流部へ接近する搬送車10Mの制御を示すブロック図、図4は同じく副経路3から合流部へ接近する搬送車10Sの制御の前半部分を示すブロック図、図5は同じく副経路3から合流部へ接近する搬送車10Sの制御の後半部分を示すブロック図、図6は第2の地図情報に基づく主経路2から合流部へ接近する搬送車10Mの制御の主要部分を示すブロック図、図7は同じく主経路2から合流部へ接近する搬送車10Mの制御のサブルーチン部分を示すブロック図、図8は第2実施例に係る主経路2と副経路3の合流部付近の平面図、図9は第2実施例の搬送車10M・10Sに搭載される通信装置20の構成を示す模式図、図10は第2実施例の搬送車10M・10Sにおける信号の送受信の構成を示す図、図11は第3実施例に係る主経路2と副経路3の合流部付近の平面図、図12は第3実施例の搬送車10M・10Sに搭載される通信装置20の構成を示す模式図、図13は第3実施例の搬送車10M・10Sにおける信号の送受信の構成を示す図である。
【0010】
まず、半導体製造工場等のクリーンルームで実用化されている無人搬送車システム1について説明する。
図1に示すように、無人搬送車10の移動経路となる主経路2がループ状に敷設され、該主経路2に沿って複数のステーション6・6・・・が配置され、該主経路2の内側には、該主経路2と分岐・合流する副経路3が敷設されている。
【0011】
この主経路2から副経路3への分岐部には切換手段を設けたり、あるいは、搬送車10よりガイド輪を出没させて主経路2、又は副経路3に沿った溝部に宛がう、搬送車10自体に進路を選択する手段を設けて、搬送車10を主経路2、又は副経路3へと方向付けている。
【0012】
また、経路2・3に沿っては、銅線などの導電線を絶縁材料で被覆した給電線と、フィーダ線を用いた制御線とが架設され、該給電線には、電力供給盤7から高周波の電流が流されている。これにより該給電線周りには磁界が発生して、搬送車10に固定された受電ユニットで、該磁界により発生する誘導起電流を取り出している。そして、取り出した電流を増幅し、所定の電圧に変換した後、整流・平滑して、搬送車10の制御機器や走行用モータ等へ給電が行われている。
【0013】
また、前記制御線は運行制御盤8内のホストコントローラに接続され、搬送車10には送信装置と受信装置とが搭載されて、該制御線と接近対向するように配置されている。該制御線と該送信装置と該受信装置とを介して、搬送車10上の機上コントローラ9と運行制御盤8のホストコントローラとが通信を行い、該ホストコントローラからの搬送指令によって各搬送車10・10・・・を自動走行させている。
【0014】
本発明に係る第1実施例では、主経路2と副経路3とから合流部へ接近する、2台の搬送車10・10の走行制御は、前記運行制御盤8のホストコントローラに依らずに、以下に詳説するように、搬送車10・10上の機上コントローラ9・9間で直接信号を授受して、合流制御を行っている。
【0015】
図2に示すように、搬送車10にはホストコントローラと通信を行う前記送信装置と受信装置とは別に、合流制御用の送信機11A・11Bと受信機12A・12Bとが搭載され、機上コントローラ9に接続されている。
この送信機11A・11Bからは、互いに異なる周波数の信号が出力され、該送信機11Aから出力される主経路用の信号は受信機12Aで受信され、該送信機11Bから出力される副経路用の信号は受信機12Bで受信される。詳しくは、後述するが、この2組の送受信機11A・12A、11B・12Bにより、自車が出力した信号か他車が出力した信号かを認識する手段が構成されている。この送信機11A・11Bから出力される主経路用の信号、及び副経路用の信号は、ともに9kHz以下の所定の周波数に設定されている。これは、9kHzを超える周波数では低周波ノイズとみなされる国があるためで、9kHz以下の周波数の信号では各国の電波法の規制を受けず、本システムを全世界どの国に対して導入することができるからである。なお、前記搬送車10の機上コントローラ9と前記運行制御盤8のホストコントローラとの間で授受される信号は、該主経路用の信号、及び副経路用の信号とは異なる周波数が用いられるが、同じ周波数にしてもよい。
【0016】
そして、主経路2と副経路3との合流部の上流側の合流開始位置と、下流側の合流終了位置にそれぞれマーク17・18・19を配置し、これらのマーク17・18・19に沿って、通信線16を「8」の字状に敷設する。なお、この通信線16は閉ループとなっており、該通信線16と前記搬送車10上の送信機11A・11Bと受信機12A・12Bとは接近対向する配置となる。
【0017】
前記マーク17・18・19は、単に光学センサ13による検出対象であって、その表面にはバーコード等による読取情報は記載されておらず、すべて同じ形状に統一されている。これは、走行中の搬送車10からバーコード等を瞬時に読み取るとなると、読み取り不良が発生して搬送車10を誤動作させてしまう可能性があり、そこで、本発明に係る第1実施例では、単にマーク17・18・19を検出するだけで、所定の制御を開始、又は終了するように構成し、誤動作の発生原因を解消して、信頼性の向上を図っている。また、この形状が統一されたマーク17・18・19では、経路2・3毎にどのマークを貼付するのか一々照らし合わせる必要もなくなり、敷設も容易である。
【0018】
なお、本実施の一形態では、バーコードの読み取りエラーが発生する可能性を考慮して、被検出手段たるマーク17・18・19はバーコードを用いていないが、位置情報や、主経路か副経路かの情報を記録したバーコードでもよい。この場合、搬送車10には、検出手段として、該バーコードを読み取る読取リーダーを搭載し、この検出手段と被検出手段の構成は、特に限定しないものとする。
【0019】
また、検出手段と被検出手段とは設けずに、搬送車10は送信機11A(11B)を常時作動させながら合流部へ進入する構成としてもよい。この場合、送信機11A(11B)からは、常時信号が送信され、受信機12A(12B)では受動的に信号が受信される構成とする。主経路2と副経路3との合流部上流側の通信線16の端部をそれぞれ合流開始位置、合流部下流側の通信線16の端部を合流終了位置として、搬送車10が該合流開始位置に到達すると、送信機11A(11B)から常時送信されている信号が通信線16に乗せられる。これとともに受信機12A(12B)は、通信線16からの信号が受動的に受信され得る態勢となり、通信線16上に信号が乗っていれば、受信することになる。但し、該信号が自車10が発した信号であれば、キャンセルされて、その後の制御には反映されないように構成されている。搬送車10が該合流終了位置を通過し終えると、通信線16上には該送信機11A(11B)からの信号がなくなり、これとともに、該受信機12A(12B)は通信線16から離れる結果、該通信線16から信号が受動的に受信され得る態勢が解除される。
【0020】
搬送車10の機上コントローラ9には、前記マーク17・18・19を検出する検出手段としての光学センサ13や、他の搬送車10との接近を検出する衝突防止センサ14等が接続されており、該光学センサ13は搬送車10の下部に設けられ、該衝突防止センサ14は搬送車10の進行方向前方に設けられている。この衝突防止センサ14は、例えば、進行方向のほぼ直線状態となる主経路2を走行中の先行の搬送車10を、同じく主経路2を走行中の後続の搬送車10が検出するのに用いられるようになっている。
【0021】
また、機上コントローラ9には、走行経路に関する地図情報(データ)が記憶されている。搬送車10はこの地図情報に基づき、現在自車が主経路2を走行中なのか、副経路3を走行中なのかを把握しており、よって、光学センサ13により単にマーク17・18・19を検出するだけで、どの経路2・3のマークを検出したのかが掌握される。
さらに、本実施の一形態の搬送車10は、図示しないエンコーダを搭載して、走行距離が判るようになっているため、前記地図情報と走行距離から現在位置を認識することができ、光学センサ13により検出したマーク17・18・19は、どのマーク17・18・19なのかを認識することができる。マーク17・18は、合流部の開始位置を示すマークであり、マーク19は合流部の終了位置を示すマークである。
以下では、便宜的に主経路2を走行する搬送車を10M、副経路3を走行する搬送車を10Sとして、幾つかの地図情報を詳説する。
【0022】
まず、地図情報の実施の一形態として、第1の地図情報では、▲1▼主経路2から合流部へ進入する搬送車10Mについて、該搬送車10Mが合流部上流側の合流開始位置に配置したマーク17を検出すると、双方の受信機12A・12Bが作動し、この瞬間、該受信機12Aで主経路用の信号を受信した場合、又は該受信機12Bで副経路用の信号を受信した場合には、該搬送車10Mを停止させ、両信号とも受信しない場合は、送信機11Aを作動させて主経路用の信号を出力しながら合流部へ進入させるという制御情報、▲2▼副経路3から合流部へ進入する搬送車10Sについては、該搬送車10Sが合流部上流側の合流開始位置に配置したマーク18を検出すると、双方の受信機12A・12Bが作動し、この瞬間、該受信機12Aで主経路用の信号を受信した場合、又は該受信機12Bで副経路用の信号を受信した場合には、該搬送車10Sを停止させ、両信号とも受信しない場合は、送信機11Bを作動させて副経路用の信号を出力しながら合流部へ進入させ、但し、該搬送車10Sが該マーク18を通過中、若しくは通過直後に、受信機12Aで主経路用の信号を受信すると該搬送車10Sを停止させるという制御情報、そして、▲3▼この搬送車10M、及び搬送車10Sの双方について、合流部下流側の合流終了位置に配置したマーク19を検出すると、前記の制御情報がリセットされて、現在作動中の送信機11A(又は11B)と、受信機12A・12Bとを停止させるという制御情報が記憶されている。
【0023】
この第1の地図情報に基づき、合流部へ進入する搬送車10M・10Sは、以下のように制御される。
まず、主経路2から合流部へ進入する搬送車10Mについて具体的に説明する。
図3及び図4に示すように、該搬送車10Mが合流部上流側のマーク17を検出すると(ステップS1)、その機上コントローラ9からの指令により双方の受信機12A・12Bを作動させ、通信線16に主経路用の信号又は副経路用の信号が乗っていないか確認する(ステップS2)。このとき該受信機12Aで主経路用の信号を受信、又は該受信機12Bで副経路用の信号を受信すれば(ステップS3)、前記機上コントローラ9は、分岐路に先に進入している搬送車10M又は10Sが存在していると判断して、該搬送車10Mを停止させる(ステップS4)。
【0024】
具体的には、この主経路用の信号は、該搬送車10Mがマーク17を検出した時点で、該搬送車10Mの前を先行する、主経路2から合流部へ進入した他の搬送車10Mが、合流部下流側のマーク19を検出する前であって、該主経路用の信号を発信しながら合流部を通過しているときに、その後続の搬送車10Mの受信機12Bで受信される。その後、この先行する搬送車10Mが、合流部下流側のマーク19を通過すると、該主経路用の信号の発信を停止し、その結果、主経路2で停止中の前記後続の搬送車10Mの受信機12Aで該主経路用の信号は受信されなくなる。
【0025】
一方、副経路用の信号は、該搬送車10Mがマーク17を検出した時点で、既に副経路3からの搬送車10Sがマーク18を検出しており、該副経路用の信号を発信しながら合流部へ進入しているときに、該主経路2上の搬送車10Mの受信機12Bで受信される。その後、該副経路3からの搬送車10Sが、合流部下流側のマーク19を通過すると、該副経路用の信号の発信を停止し、その結果、主経路2で停止中の前記搬送車10Mの受信機12Bで該副経路用の信号は受信されなくなる。
【0026】
その後、該搬送車10Mがマーク17を検出した時点で受信されていた、主経路用の信号、又は副経路用の信号が受信されなくなると(ステップS5)、
該搬送車10Mの送信機11Aを作動させて主経路用の信号を出力しながら(ステップS6)、該搬送車10Mの走行を再開させる(ステップS7)。
なお、ステップS7で走行中の該搬送車10Mの機上コントローラ9は、自車の出した信号で停止しないように、受信機12Aで自車と同じ周波数の信号を検知しても無視するようにしている。さらに、本実施の一形態の無人搬送車システム1では、搬送車10Mは、主経路を走行しているので、走行中に受信機12Bで副経路の周波数の信号を受信しても停止しないように制御されている。
【0027】
一方、ステップS3で、主経路用の信号、及び副経路用の信号のどちらもが受信されない場合は、送信機11Aを作動させて主経路用の信号を出力しながら(ステップS6)、そのまま該搬送車10Mを走行させる(ステップS7)。
【0028】
その後、該搬送車10Mが合流部下流側のマーク19を検出すると(ステップS8)、現在作動中の送信機11A、及び受信機12A・12Bを停止させ(ステップS9)、該送信機11Aによる通信線16への送信、及び該受信機12A・12Bによる通信線16からの受信を終えて、合流部を通過し終える。
【0029】
次に、副経路3から合流部へ進入する搬送車10Mについて説明する。
図5に示すように、該搬送車10Sが合流部上流側のマーク18を検出すると(ステップT1)、その機上コントローラ9からの指令により双方の受信機12A・12Bを作動させ、通信線16に主経路用の信号又は副経路用の信号が乗っていないか確認する(ステップT2)。このとき該受信機12Aで主経路用の信号、又は該受信機12Bで副経路用の信号を受信すれば(ステップT3)、該搬送車10Sを停止させる(ステップT4)。
【0030】
この主経路用の信号は、該搬送車10Sがマーク18を検出した時点で、既に主経路2からの搬送車10Mがマーク17を検出しており、該主経路用の信号を発信しながら合流部へ進入しているときに、その後続の搬送車10Sの受信機12Aで受信される。その後、該主経路2からの搬送車10Mが、合流部下流側のマーク19を通過すると、該主経路用の信号の発信を停止し、その結果、副経路3で停止中の前記後続の搬送車10Sの受信機12Aで該主経路用の信号は受信されなくなる。
【0031】
一方、副経路用の信号は、該搬送車10Sがマーク18を検出した時点で、該搬送車10Sの前を先行する、副経路3から合流部へ進入した他の搬送車10Sが、合流部下流側のマーク19を検出する前であって、該副経路用の信号を発信しながら合流部を通過しているときに、該副経路3上の搬送車10Sの受信機12Bで受信される。その後、この先行する搬送車10Sが、合流部下流側のマーク19を通過すると、該副経路用の信号の発信を停止し、その結果、副経路3で停止中の前記搬送車10Sの受信機12Bで該副経路用の信号は受信されなくなる。
【0032】
その後、該搬送車10Sがマーク18を検出した時点で受信されていた、主経路用の信号、又は副経路用の信号が受信されなくなると(ステップT5)、該搬送車10Sの送信機11Bを作動させて副経路用の信号を出力しながら(ステップT6)、該搬送車10Sの走行を再開させる(ステップT7)。
なお、ステップT7で走行中の該搬送車10Sの機上コントローラ9は、自車の出した信号で停止しないように、受信機12Bで自車と同じ周波数の信号を検知しても無視するようにしている。さらに、本実施の一形態の無人搬送車システム1では、搬送車10Sは、副経路を走行しているので、主経路の走行を優先するように一度走行を開始しても、受信機12Aで主経路の周波数の信号を受信すると停止するように制御される。
【0033】
一方、ステップT3で、主経路用の信号、及び副経路用の信号のどちらもが受信されない場合は、送信機11Bを作動させて副経路用の信号を出力しながら(ステップT6)、そのまま該搬送車10Sを走行させる(ステップT7)。
【0034】
但し、該搬送車10Sが送信機11Bを作動させる前であって、マーク18を通過中、若しくは通過直後に、受信機12Aで主経路用の信号を受信すると(ステップT8)、該搬送車10Sを停止させる(ステップT9)。
【0035】
この主経路用の信号は、該搬送車10Sによるマーク18の検出と同時に、主経路2上のマーク17を検出した搬送車10Mの送信機11Aから出力され、このステップT8以下の制御は、主経路2の搬送車10Mによるマーク17の検出と、副経路3の搬送車10Sによるマーク18の検出とが、同時であった場合に行われる。すなわち、このとき両車10M・10Sはともに、まず受信機12A・12Bを作動させて、通信線16に主経路用の信号又は副経路用の信号が乗っていないかを確認するが、どちらの信号も受信されないため、搬送車10Mは主経路用の信号を出力しながら、搬送車10Sは副経路用の信号を出力しながら合流部へ進入しようとする。当然、このままでは、両車10M・10Sは、衝突防止センサ14・14の作動により合流部手前で互いにお見合いして停止してしまうか、若しくは、衝突してしまう。そこで、このとき、ステップT8以下の制御により、主経路用の信号を受信した副経路3上の搬送車10Sを一時停止させて、先に主経路2上の搬送車10Mから合流部を通過させることが行われる。
【0036】
その後、主経路2上の搬送車10Mが、合流部下流側のマーク19を通過すると、該主経路用の信号の発信を停止し、その結果、副経路3で停止中の搬送車10Sの受信機12Aで該主経路用の信号は受信されなくなり(ステップT10)、これにより該搬送車10Sの走行を再開させる(ステップT11)。
【0037】
その後、該搬送車10Sが合流部下流側のマーク19を検出すると(ステップT12)、現在作動中の送信機11B、及び受信機12A・12Bを停止させ(ステップT13)、該送信機11Bによる通信線16への送信、及び該受信機12A・12Bによる通信線16からの受信を終えて、合流部を通過し終える。
【0038】
このように搬送車10M・10Sを制御することで、主経路2から合流部へ向かう搬送車10Mも、副経路3から合流部へ向かう搬送車10Sも、先に合流部へ進入した搬送車10M(又は10S)が存在していれば、必ず停止し、両車10M・10Sが衝突する恐れはない。
また、合流部手前で、主経路2からの搬送車10Mによるマーク17の検出と、副経路3からの搬送車10Sによるマーク18の検出とが同時であった場合も、主経路2上の搬送車10Mはそのまま進行を続けて先に合流部へ進入し、該搬送車10Mからの主経路用の制御信号を受信した副経路3上の搬送車10Sは一時停止した後に、合流部へ進入するので、両車がお見合いなどして停止することはなくなり、信頼性が向上する。
【0039】
さらに、搬送車10M・10Sが主経路2と、副経路3とを走行する場合で、経路2・3毎に異なる周波数の信号を出力するため、例えば、自車10M(10S)が送信した信号と、自車10M(10S)が走行する経路2(3)とは別の経路3(2)を走行する搬送車10S(10M)から送信された信号との区別がつかないという問題はない。その上、合流部へ進入すれば、自車10M(10S)が走行する経路2(3)と同じ経路を走行する搬送車10M(10S)が発信する周波数の信号は無視するため、自車10M(10S)の発した信号により停止する問題もない。
なお、本実施の一形態では、主経路2に対して、1つの副経路3が合流するようになっているが、1つの主経路2に対して複数の副経路が合流するようにしても良い。その場合、発信手段は、それぞれの副経路用に応じた周波数の信号を発信する。また、副経路が複数ある場合、副経路間に予め優先順位をつけ、副経路を走行中の搬送車10同士が同時に合流部に進入した場合、優先順位の高い副経路を走行中の搬送車10が合流部に進入し、優先順位の低い副経路を走行中の搬送車10が停止するようにすれば良い。
【0040】
次に、前記地図情報の実施の別形態(第2の地図情報)について説明する。
第2の地図情報では、前記主経路2を走行中の搬送車10Mが、前記マーク17で主経路2側から合流部に先行して進入・走行している搬送車10Mを検出した場合に、後続の搬送車10Mが停止せずに、走行し続ける点が第1の実施の形態と異なる。該地図情報では、▲1▼主経路2から合流部へ進入する搬送車10Mについて、該搬送車10Mが合流部上流側の合流開始位置に配置したマーク17を検出すると、双方の受信機12A・12Bが作動し、この瞬間、該受信機12Bで副経路用の信号を受信した場合には、該搬送車10Mを停止させ、該信号を受信しない場合は、送信機11Aを作動させて主経路用の信号を出力しながら合流部へ進入させるという制御情報、▲2▼副経路3から合流部へ進入する搬送車10Sについては、該搬送車10Sが合流部上流側の合流開始位置に配置したマーク18を検出すると、双方の受信機12A・12Bが作動し、この瞬間、該受信機12Aで主経路用の信号を受信した場合、又は該受信機12Bで副経路用の信号を受信した場合には、該搬送車10Sを停止させ、両信号とも受信しない場合は、送信機11Bを作動させて副経路用の信号を出力しながら合流部へ進入させ、但し、該搬送車10Sが該マーク18を通過中、若しくは通過直後に、受信機12Aで主経路用の信号を受信すると該搬送車10Sを停止させるという制御情報、そして、▲3▼この搬送車10M、及び搬送車10Sの双方について、合流部下流側の合流終了位置に配置したマーク19を検出すると、前記の制御情報がリセットされて、現在作動中の送信機11A(又は11B)と、受信機12A・12Bとを停止させるという制御情報が記憶されている。
【0041】
この第2の地図情報に基づき、合流部へ進入する搬送車10M・10Sは、以下のように制御される。
まず、主経路2から合流部へ進入する搬送車10Mについて具体的に説明する。
図6及び図7に示すように、該搬送車10Mが合流部上流側のマーク17を検出すると(ステップU1)、その機上コントローラ9からの指令により双方の受信機12A・12Bを作動させ、通信線16に主経路用の信号又は副経路用の信号が乗っていないか確認する(ステップU2)。このとき該受信機12Bで副経路用の信号を受信すれば(ステップU3)、該搬送車10Mを停止させる(ステップU4)。
【0042】
この副経路用の信号は、該搬送車10Mがマーク17を検出した時点で、既に副経路3からの搬送車10Sがマーク18を検出しており、該副経路用の信号を発信しながら合流部へ進入しているときに、該主経路2上の搬送車10Mの受信機12Bで受信される。
その後、該副経路3からの搬送車10Sが、合流部下流側のマーク19を通過すると、該副経路用の信号の発信を停止し、その結果、主経路2で停止中の搬送車10Mの受信機12Bで該副経路用の信号が受信されなくなり(ステップU5)、これにより該搬送車10Mの送信機11Aを作動させて主経路用の信号を出力しながら(ステップU6)、該搬送車10Mの走行を再開させる(ステップU7)。
【0043】
一方、ステップU3で、副経路用の信号が受信されず、さらに、受信機12Aで主経路用の信号が受信されない場合(ステップU8)、送信機11Aを作動させて主経路用の信号を出力しながら(ステップU6)、そのまま該搬送車10Mを走行させる(ステップU7)。
【0044】
なお、ステップU8で、受信機12Aにより主経路用の信号を受信していることもあり、この状態は、該搬送車10Mの前を先行する、主経路2から合流部へ進入した他の搬送車10Mが、合流部下流側のマーク19を検出する前であって、主経路用の信号を発信しながら合流部を通過している状態である。この主経路用の信号を受信している場合も(ステップU8)、送信機11Aを作動させて主経路用の信号を出力しながら(ステップU9)、そのまま搬送車10Mを走行させるが、該搬送車10Mが先行する搬送車10Mに接近し、その車間距離が所定距離以下になると、該搬送車10Mの衝突防止センサ14が働き(ステップU10)、該搬送車10Mを停止させる(ステップU11)。その後、該車間距離が所定距離以上となって、該衝突防止センサ14による先行する搬送車10Mの検出が解除されると(ステップU12)、該搬送車10Mの走行が再開される(ステップU7)。
【0045】
その後、この主経路2から進入した搬送車10Mが合流部下流側のマーク19を検出すると(ステップU13)、現在作動中の送信機11A、及び受信機12A・12Bを停止させ(ステップU14)、合流部の通過を終える。
【0046】
また、副経路3から合流部へ進入する搬送車10Sについては、前記第1の地図情報に基づく動作と同様である。
【0047】
このように搬送車10M・10Sを制御することで、合流部手前で、主経路2からの搬送車10Mによるマーク17の検出と、副経路3からの搬送車10Sによるマーク18の検出とが同時であった場合も、主経路2からの搬送車10Mはそのまま進行を続けて先に合流部へ進入し、該搬送車10Mからの主経路用の信号を受信した副経路3上の搬送車10Sは一時停止した後に、合流部へ進入するので、両車がお見合いなどして停止することはなくなり、信頼性が向上する。
【0048】
また、主経路2から合流部へ向かう搬送車10Mは、前方に副経路3から合流部へ進入した搬送車10Sが存在していれば、必ず停止する。一方、主経路2から合流部へ進入した他の搬送車10Mが合流部付近に存在している場合は、そのまま合流部へ進入するが、該他の搬送車10Mとの車間距離が所定距離以下になると、衝突防止センサ14が作動して停止し、該他の搬送車10Mと追突することはない。
また、副経路3から合流部へ向かう搬送車10Sは、主経路2又は副経路3から先に合流部へ進入した搬送車10M(又は10S)が存在していれば、必ず停止する。
このように、合流部へ向かう搬送車10M・10Sは所定の規則に従って走行し、衝突する恐れはない。
【0049】
さらに、搬送車10M・10Sが主経路2と、副経路3とを走行する場合で、経路2・3毎に異なる周波数の信号を出力するため、例えば、自車10M(10S)が送信した信号と、自車10M(10S)が走行する経路2(3)とは別の経路3(2)を走行する搬送車10S(10M)から送信された信号との区別がつかないという問題はない。その上、合流部へ進入すれば、自車10M(10S)が走行する経路2(3)と同じ経路を走行する搬送車10M(10S)が発信する周波数の信号は無視するため、自車10M(10S)の発した信号により停止する問題もない。
【0050】
なお、第1の地図情報及び第2の地図情報では、搬送車10M・10Sが合流開始位置であるマーク17・18を検出してから合流終了位置であるマーク19を検出するまでの間、受信機12A、12Bを作動させるようにしているが、受信機12A、12Bを随時作動させ、受信機12A、12Bで受信した信号を、マーク17・18を検出してからマーク19を検出するまでの間のみ有効にし、それ以外の区間では無効にするように制御しても良い。
【0051】
次に、主経路2と副経路3とから合流部へ接近する、2台の搬送車10M・10Sの合流制御の、別実施例(第2実施例)について説明する。
この第2実施例では、図8に示すように、主経路2と副経路3とからの合流部に、通信線25が1本配設されており、該通信線25は合流部において、主経路2と副経路3に渡って配設されている。通信線25は、主経路2及び副経路3において、合流地点より上流側に向けて配置され、該通信線25は、この領域にさしかかった複数の搬送車10M・10S同士の双方向通信が可能なようにループ状の導電線で形成されるとともに、平面視で「レ」字状となるように配置されている。
【0052】
また、通信線25は、主経路2側の方が副経路3側よりも長くなるように配置されている。この理由は、主経路2の方が搬送車10Mの進入速度が速いために、停止するまでより多くの走行距離が必要となるからである。
このように通信線25は、主経路2及び副経路3の側部に設けられて、それぞれ合流地点から搬送車10M・10Sの進行方向反対側に延出され、主経路2と副経路3の合流部上流側の合流開始位置から合流地点の合流終了位置へ向けて、搬送車10M・10Sの進行方向に対して、右もしくは左の一方に配設されている。
【0053】
搬送車10M・10Sには、送信コイル26及び受信コイル27が設けられ、該送信コイル26及び該受信コイル27は、搬送車10M・10Sにおいて、通信線25配設側に設置されている。この受信コイル27は、先ず他車の送信信号を受信できるように送信コイル26より前方に配設されている。
【0054】
送信コイル26からは、微弱電波による信号が所定タイミングで常時送信され、搬送車10が合流部を走行する際に、該送信コイル26より発信される信号が、通信線25に伝達される。搬送車10M・10Sの受信コイル27は、該通信線25を介して、送信コイル26から送信される信号を受信可能に構成されている。
【0055】
搬送車10M(10S)が合流部に進入すると、受信コイル27が、先ず通信線25の端部の合流開始位置上を通過する。この際に、他の搬送車10S(10M)が既に進入していると、他の搬送車10S(10M)の送信コイル26から発進される信号(微弱電波)により、通信線25が励磁されて、その信号が通信線25を伝わり、搬送車(自車)10M(10S)の受信コイル27により受信できるようになっている。このことにより、他の搬送車10S(10M)が既に合流部に存在していることを認識できる。さらに、詳しくは後述するが、受信コイル27を含む受信装置に、自車10M(10S)の送信信号か他車10S(10M)の送信信号かを認識する手段を設けることにより、ほぼ、同じタイミングで合流部に進入しても、他の搬送車10S(10M)が既に合流部に存在しているかを認識できる。
そして、合流部に他の搬送車10S(10M)が既に存在していることを認識すると、搬送車10M(10S)を停止させるとともに、搬送車(自車)10M(10S)の送信を停止させるように制御することで、合流部による進入制御を行なうことができる。
【0056】
次に、搬送車10M(10S)が先に合流部に進入した場合について図9を参照しながら説明する。
搬送車10M(10S)の受信コイル27が合流部内に入り、該受信コイル27が通信線25の端部の合流開始位置上に位置しても、受信コイル27が電波を受信することはない。通信線25には、何の信号も伝達されていないためである。このとき、搬送車10M(10S)はそのまま進み、該搬送車10M(10S)がさらに合流部に進入することによって、該搬送車10M(10S)の送信コイル26が通信線25の端部の合流開始位置上に位置するようになる。
【0057】
これにより搬送車10M(10S)の送信コイル26より送信される電波は通信線25を介して、該搬送車10M(10S)の受信コイル27により受信される。
しかし、搬送車10M(10S)には、自己の送信している信号をキャンセルする構成を設けているものである。これは、搬送車10M(10S)内に構成された回路により、自己が信号の送信を行っている場合に、信号を受信しても、受信した信号をキャンセルするためである。
【0058】
そして、他の搬送車10S(10M)が、合流部に進入してきた場合、該搬送車10S(10M)の受信コイル27が、先に合流部に進入している搬送車10M(10S)の送信する信号を検知する。
搬送車10S(10M)はこの場合において、送信コイル26による信号の送信をとめて、走行を停止する。なお、搬送車10S(10M)において、受信コイル27による信号の受信は継続されている。搬送車10S(10M)が停止している間にも、搬送車10M(10S)は走行しており、該搬送車10M(10S)は合流部を通過する。搬送車10M(10S)が合流地点の合流終了位置より脱することにより、該搬送車10M(10S)の送信信号が通信線25に伝達されなくなる。こうして、送信コイル26から通信線25への送信を終えるとともに、受信コイル27も通信線25から信号が伝達され得なくなり、受信態勢を終える。
搬送車10S(10M)において、受信コイル27により信号の受信がなくなった場合には、該搬送車10S(10M)は送信コイル26による送信を再開するとともに、走行も開始する。
【0059】
上記の構成において、搬送車10M(10S)が合流部に進入しているか否かを、他の搬送車10S(10M)が信号線である通信線25を介して、信号識別手段である受信コイル27により認識するので、搬送車10S(10M)の受信装置を連続受信させることができ、合流部における搬送車10M・10S同士の接触を回避できる。これにより、無人搬送車システム1の円滑な運用を行うことができる。さらに、信号線である通信線25を1本とすることにより、無人搬送車システム1における合流部の構成を簡便にすることができる。
搬送車10M・10Sにおいて、受信装置である受信コイル27が送信装置である送信コイル26より前方に配置されているため、搬送車10M(10S)が合流部に進入した際に、まず、他の搬送車10S(10M)が合流部に存在するか否かを認識することができる。これにより、合流部における搬送車10M・10Sの制御を円滑に行うことができる。
【0060】
次に、信号の送受信を行う通信装置の構成について説明する。
図9は、搬送車10M・10Sに搭載される通信装置20の構成を示す模式図である。
通信装置20は搬送車10M・10Sに搭載されるものであり、該通信装置20を用いて合流部における搬送車10M・10Sの進入制御を行う。
通信装置20は、機上コントローラ9、送信装置22、送信コイル26、受信装置23、フィルタ21、及び受信コイル27により構成されている。機上コントローラ9には送信装置22及び受信装置23が接続されており、送信装置22及び受信装置23を制御することにより、信号の送信及び受信を行う。
機上コントローラ9においては、前述の自車の発信した信号と、他車の発信した信号の識別を行うとともに、送信装置22による信号送信の開始及び停止、そして、搬送車10M・10Sの走行開始及び停止制御を行う。
【0061】
送信装置22には送信コイル26が接続されており、該送信コイル26を介して信号を発信するものである。合流部において、送信コイル26は通信線25に向けて信号を発信するものであり、発信された信号が通信線25を介して通信線25の近傍に伝達されるものである。送信装置22は機上コントローラ9により制御されるものであり、該機上コントローラ9により、合流部で停止した際の信号の送信開始及び送信停止を行うことが可能である。
受信装置23には、フィルタ21を介して受信コイル27が接続されている。受信コイル27は、合流部において、通信線25に向けられるものであり、通信線25を介して伝達される信号を受信する。受信コイル27により受信された信号は、フィルタ21を介して受信装置23に伝達される。そして、受信装置23に入力された信号は機上コントローラ9に所定の信号を出力する。
【0062】
無人搬送車システム1において、搬送車10M・10Sは前述のごとく非接触給電により電力を受電する。非接触給電においては、前述の給電線より、特定周波数(例えば10kHz)の高周波電波が発生しているものである。そして、この給電線よりの電波は受信コイル27においても受信されるものである。しかし、受信コイル27には、前述のごとくフィルタ21が接続されているため、給電線より受ける高周波を、受信装置23において除去することができる。給電線より発生するノイズを除去するハイパスノイズフィルタを設けることにより、給電線の影響を低減できる。
これにより、給電線からノイズの発生する非接触給電であっても、送信信号のみを識別することができ誤動作することがない。また、給電線より発生する高周波は略一定であり、容易なフィルタ装置により除去可能である。
なお、本実施例では、送信信号を電波としているため、信号が所定の幅を持っており、ノイズとの区別がさらに付きやすくなっている。
【0063】
次に、搬送車における信号の送信及び受信の制御構成について説明する。
図10は、搬送車10M・10Sにおける信号の送受信の構成を示す図である。図10(a)は搬送車10Mにおける信号の送信及び受信の構成を示す図であり、図10(b)は搬送車10Sにおける信号送信の構成を示す図である。そして、図10(c)は搬送車10Mにおける搬送車10Sの信号の認識構成を示す図である。なお、図7において示す波形は、信号の時間変化を示すものであり、搬送車10Mより発信される信号を基準として示したものである。
波形73aは搬送車10Mより発信される信号の波形を示すものであり、波形74aは搬送車10Mにより受信される信号の波形を示すものである。
搬送車10Mにおいて、送信信号は図10(a)に示すごとく、一定間隔で発信される。すなわち、発信期間71の後に休止期間72が設定されているものである。そして、搬送車10Mにおいて、波形73aの信号が発信され、搬送車10Mが自己の信号を受信した際には、波形74aの信号が認識されるものである。
【0064】
そして、搬送車10Sの発信する波形が、搬送車10Mの発信する波形73aに対して、波形73bとなるような場合であって、搬送車10Mにおいて自己の信号と搬送車10Sの信号を認識した場合には、図10(c)に示すごとく、波形75aの信号が認識される。
しかし、搬送車10Mにおいては、自車の送信した信号と略同じタイミングで受信された信号は、自車の信号とし認識される。すなわち、搬送車10Mにおいて、波形75aの信号が受信された場合、自車が信号を発信したタイミングと一致する部分76は、自車の信号として認識されない。これにより、残る部分において発信されている信号を他車の発信した信号として認識できる。
搬送車10Mにおいては、自車の発信した信号の波形73a及び他車の発信した信号の波形73bが合成された信号の波形75aを受信した場合においても、他車の信号を認識できる。
【0065】
信号の送信を一定間隔で発信することにより、発信している間に受信されても、自車の信号として判断し、発信していない間に受信を検知したときには他車の信号として判断するものである。このように、信号を一定間隔で行い、自車の信号発信の有無を認識することにより、他車の信号を容易に認識できる。
搬送車10M・10Sの走行速度と通信線25の長さを考慮して、搬送車10の信号発信間隔を調節することにより、搬送車10M・10Sの合流部での進入制御を適切に行うことが可能である。
例えば、一般的に用いられる無人搬送車システム1においては、走行速度は毎分50m程度であり、この場合には信号の発信間隔を0.1秒とすることにより、十分に進入制御を行うことが可能である。実際上、信号の発信開始は個々の搬送車10M・10Sにおいて異なるため、信号の発信が全く同一になることはまずない。
【0066】
なお、第2実施例では、送信コイル26から信号が所定タイミングで常時送信されているが、主経路2と副経路3の合流部上流側にそれぞれ合流部の開始位置を示すマークと、主経路2と副経路3との合流地点に合流部の終了位置を示すマークを配置して、搬送車10M(10S)に該マークを検出する検出手段を搭載し、該開始位置のマークを検出してから該終了位置のマークを検出するまでの間、送信コイル26を作動させるように構成してもよい。このマークは、単に光学センサ等の検出手段による検出対象であって、その表面にはバーコード等による読取情報は記載されておらず、すべて同じ形状に統一されている。搬送車10M(10S)に搭載された検出手段は常時作動していて、マークを検出すると、検出信号が機上コントローラ9に送信されるようになっている。また、機上コントローラ9には、走行経路に関する地図情報(データ)が記憶されている。搬送車10M(10S)はこの地図情報に基づき、現在自車が主経路2を走行中なのか、副経路3を走行中なのかを把握しており、よって、検出手段により単にマークを検出するだけで、どの経路2・3のマークを検出したのかが掌握される。さらに、搬送車10M(10S)には、図示しないエンコーダが搭載されて、走行距離が判るようになっているため、前記地図情報と走行距離から現在位置を認識することができ、光学センサにより検出したマークは、どのマークなのかを認識することができる。
また、被検出手段たるマークの表面に、バーコード等により、位置情報や、主経路か副経路かの情報等の読取情報を記載して、搬送車10M(10S)には、検出手段として、該読取情報を読み取る読取リーダーを搭載してもよく、検出手段と被検出手段の構成は、特に限定しない。
【0067】
次に、同じタイミングで搬送車10M・10Sが合流部に進入した場合に、より確実に区別できるようにした、第3実施例を以下に説明する。
基本的には、上記第2実施例と同じではあるが、送信装置22を2種類の間隔で信号を発信できるようにして、主経路2と副経路3とで送信する信号の間隔を変えるようにした点が異なる。
【0068】
図11に示すように、主経路2から進入する搬送車を10M、副経路3から進入する搬送車を10Sとし、主経路2と副経路3の合流部上流側の通信線25の端部付近に、合流部の開始位置を示すマーク31・32をそれぞれ配設しておく。
【0069】
前記マーク31・32は、単に光学センサ29による検出対象であって、その表面にはバーコード等による読取情報は記載されておらず、すべて同じ形状に統一されている。これは、走行中の搬送車10からバーコード等を瞬時に読み取るとなると、読み取り不良が発生して搬送車10M・10Sを誤動作させてしまう可能性があり、そこで、本実施例では、単にマーク31・32を検出するだけで、所定の制御を開始するように構成し、誤動作の発生原因を解消して、信頼性の向上を図っている。また、この形状が統一されたマーク31・32では、経路2・3毎にどのマークを貼付するのか一々照らし合わせる必要もなくなり、敷設も容易である。
【0070】
なお、本実施の一形態では、バーコードの読み取りエラーが発生する可能性を考慮して、被検出手段たるマーク31・32はバーコードを用いていないが、位置情報や、主経路か副経路かの情報を記録したバーコードでもよい。この場合、搬送車10M(10S)には、検出手段として、該バーコードを読み取る読取リーダーを搭載し、この検出手段と被検出手段の構成は、特に限定しないものとする。
【0071】
図12に示すように、搬送車10M・10Sそれぞれに、マーク31・32を検出するための光学センサ29が搭載されており、この光学センサ29は、常時作動して、マーク31・32を検出すると、検出信号が機上コントローラ9に送信されるようになっている。
【0072】
また、機上コントローラ9には、走行経路に関する地図情報(データ)が記憶されている。搬送車10M・10Sはこの地図情報に基づき、現在自車が主経路2を走行中なのか、副経路3を走行中なのかを把握しており、よって、光学センサ29により単にマーク31・32を検出するだけで、どの経路2・3のマークを検出したのかが掌握される。
さらに、本実施の一形態の搬送車10M・10Sは、図示しないエンコーダを搭載して、走行距離が判るようになっているため、前記地図情報と走行距離から現在位置を認識することができ、光学センサ29により検出したマーク31・32は、どのマーク31・32なのかを認識することができる。
【0073】
また、送信装置22には、信号間隔変更手段28が設けられている。この信号間隔変更手段28は、例えば、2種類の時間が設定されたタイマーであって、このタイマーにより、送信信号を発生させるタイミング(休止期間)を切り替え、主経路2と副経路3とで送信する信号の間隔が異なるようにしている。この信号間隔変更手段28は、機上コントローラ9からの信号により、タイミングを切り替えるようになっている。信号間隔変更手段28は、送信信号を発生させるタイミングが変えられればよく、2種類の周波数を持つ水晶発信器を切り替えることにより、切り替えるようにしても良い。
【0074】
以下に搬送車10M・10Sが同時に合流位置に進入した場合について図11乃至図13を基に説明する。
搬送車10M・10Sが合流部の手前の合流開始位置にさしかかると、一方の搬送車10Mは、光学センサ29が主経路2のマーク31を検出し、その信号を機上コントローラ9に送信する。機上コントローラ9は、図示しない分岐装置を作動させるとともに、主経路用のタイミングとなるように送信装置22の信号間隔変更手段28に信号を送信する。それを受信した送信装置22は、主経路2用の休止期間72の波形73cの信号を送信する。
【0075】
他方の搬送車10Sは、光学センサ29が副経路3のマーク32を検出し、その信号を機上コントローラ9に送信する。機上コントローラ9は、図示しない分岐装置を作動させるとともに、副経路用のタイミングとなるように信号間隔変更手段28に信号を送信する。それを受信した送信装置22は、副経路3用の休止期間77の波形73dの信号を送信する。
【0076】
図13に示すように、搬送車10M・10S両方が、同時に進入し、万が一ある一瞬の送信のタイミングが等しい場合でも、搬送車10Mの受信波形は、75cとなり、送信の波形73cと受信の波形74cとのタイミングが全く一致した自車の送信部分76を除くと、他の搬送車10Sの信号を認識することができる。もちろん、休止期間は、極々短時間のため、受信波形75cで違いが認識できるようになる前に搬送車10M・10S同士が衝突することはない。
【0077】
なお、第3実施例では、搬送車10M(10S)に搭載された光学センサ29によって、主経路2又は副経路3の合流部上流側の合流部開始位置を示すマーク31又は32が検出されると、主経路用のタイミングの信号又は副経路用のタイミングの信号が送信コイル26から送信されて、所定時間経過後に該信号の送信が停止されるが、主経路2の合流部下流側に合流部終了位置を示すマークを配置して、該マークを光学センサ29で検出することによって、該信号の送信を停止するように構成してもよく、その構成については特に限定しない。
【0078】
さらに、上記の構成とは別に、搬送車10M・10Sより発信される送信周波数を、一台ごとに変えることも可能である。この場合には、上述のごとく信号を一定間隔で発信するとともに、受信装置23に接続したフィルタ21もしくは機上コントローラ9において自己の信号の周波数を除去し、他車の信号のみを認識することが可能である。
そして、搬送車10M・10Sより発信される送信タイミングを、一台ごとに変えることも可能である。この場合には、連続して信号を複数周期受信した場合に、タイミングの差が必ず生じる。これにより、自車の信号に他車の信号が隠れることがなく、完全に自車と他車の発信する信号を認識することができる。
【0079】
【発明の効果】
以上のように構成した本発明では、次のような効果を奏する。
まず、請求項1に記載のように、搬送車を制御することで、合流部に他の搬送車が先行して進入している場合、後続の搬送車は、信号線を介して信号を受信することで停止し、追突を防止することができる。そして、合流部に主経路と副経路との双方から搬送車が同時に進入したとしても、少なくとも他の経路を走行している他車の信号と自車の信号とを認識することができるので、次の瞬間には、他の経路に他車が走行していることを認識できる。さらに、副経路を走行している搬送車は、主経路を走行している他車の信号を受信すると停止し、主経路を走行している搬送車は、副経路を走行している他車の信号を受信しても走行し続けるため、同時に合流部に進入しても、追突することも、両方の搬送車が停止し続けることもない。
加えて、前記送信手段は、複数の周波数が送信可能であり、前記受信手段は、送信手段から送信された全ての周波数を受信可能であり、前記制御手段は、予め走行経路地図を記憶するとともに、走行経路地図に基づき、現在走行中の搬送経路が主経路か副経路かを判断し、分岐部を走行中は、現在走行中の搬送経路が主経路の場合には、主経路用に予め設定された周波数を送信するように送信手段を制御し、副経路の場合には、その副経路用に予め設定された主経路と異なる周波数を送信するように送信手段を制御するようにしたので、主経路と副経路とを走行する際に、それぞれの経路に応じた周波数が送信手段から送信されるため、他の経路を走行している他車をより確実に区別することができる。また、走行中の経路を主経路か副経路か区別するのに、予め記憶されている走行経路地図を用いるため、例えば、走行経路に沿って経路の情報や送信周波数の情報が記憶されているバーコードなどを敷設し、それを搬送車に設けたバーコードリーダにより読み取って、読取結果に基づき送信周波数を変える場合に比し、読取ミスなどのトラブルが発生するのを抑えることができる。
【0080】
また、請求項2に記載のように、搬送車を制御することで、合流部に副経路からの搬送車が先行して進入すると、主経路、副経路にかかわらず後続の搬送車は停止するが、合流部に主経路からの搬送車が先行して進入すると、主経路からの後続の搬送車は合流部に進入し、副経路からの後続の搬送車は停止することで、主経路を優先して走行させることができる。その際に、主経路からの先行の搬送車と、主経路からの後続の搬送車とは、衝突防止センサにより衝突を避けることができる。このため、合流部に先行して進入した搬送車がある場合に、後続の搬送車が全て停止する場合に比し、搬送効率を向上させることができる。また、合流部に主経路と副経路との双方から搬送車が同時に進入しても、次の瞬間には、他の経路に他車が走行していることを認識でき、副経路を走行している搬送車は、主経路を走行している他車の信号を受信すると停止し、主経路を走行している搬送車は、副経路を走行している他車の信号を受信しても走行し続けるため、追突することも、両方の搬送車が停止し続けることもない。
加えて、前記送信手段は、複数の周波数が送信可能であり、前記受信手段は、送信手段から送信された全ての周波数を受信可能であり、前記制御手段は、予め走行経路地図を記憶するとともに、走行経路地図に基づき、現在走行中の搬送経路が主経路か副経路かを判断し、分岐部を走行中は、現在走行中の搬送経路が主経路の場合には、主経路用に予め設定された周波数を送信するように送信手段を制御し、副経路の場合には、その副経路用に予め設定された主経路と異なる周波数を送信するように送信手段を制御するようにしたので、主経路と副経路とを走行する際に、それぞれの経路に応じた周波数が送信手段から送信されるため、他の経路を走行している他車をより確実に区別することができる。また、走行中の経路を主経路か副経路か区別するのに、予め記憶されている走行経路地図を用いるため、例えば、走行経路に沿って経路の情報や送信周波数の情報が記憶されているバーコードなどを敷設し、それを搬送車に設けたバーコードリーダにより読み取って、読取結果に基づき送信周波数を変える場合に比し、読取ミスなどのトラブルが発生するのを抑えることができる。
【0082】
また、請求項のように、前記送信手段から送信される信号を、全て9kHz以下にすることで、全世界のどの国の電波法にも規制を受けず、本システムを世界の国々に導入することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】無人搬送車システム1の概略構成を示す平面図。
【図2】第1実施例に係る主経路2と副経路3の合流部付近の平面図。
【図3】第1の地図情報に基づく主経路2から合流部へ接近する搬送車10Mの制御を示すブロック図。
【図4】同じく副経路3から合流部へ接近する搬送車10Sの制御の前半部分を示すブロック図。
【図5】同じく副経路3から合流部へ接近する搬送車10Sの制御の後半部分を示すブロック図。
【図6】第2の地図情報に基づく主経路2から合流部へ接近する搬送車10Mの制御の主要部分を示すブロック図。
【図7】同じく主経路2から合流部へ接近する搬送車10Mの制御のサブルーチン部分を示すブロック図。
【図8】第2実施例に係る主経路2と副経路3の合流部付近の平面図。
【図9】第2実施例の搬送車10M・10Sに搭載される通信装置20の構成を示す模式図。
【図10】第2実施例の搬送車10M・10Sにおける信号の送受信の構成を示す図。
【図11】第3実施例に係る主経路2と副経路3の合流部付近の平面図。
【図12】第3実施例の搬送車10M・10Sに搭載される通信装置20の構成を示す模式図。
【図13】第3実施例の搬送車10M・10Sにおける信号の送受信の構成を示す図。
【符号の説明】
1 無人搬送車システム
2 主経路
3 副経路
9 機上コントローラ
10 搬送車
11A 送信機
11B 送信機
12A 受信機
12B 受信機
13 光学センサ
14 衝突防止センサ
16 通信線
17 マーク
18 マーク
19 マーク
22 送信装置
23 受信装置
25 通信線
26 送信コイル
27 受信コイル
28 信号間隔変更手段
29 光学センサ
31 マーク
32 マーク

Claims (3)

  1. 主経路と、該主経路と分岐・合流する副経路とを備えた搬送経路に沿って、搬送車を自動走行させる無人搬送車システムにおいて、
    前記主経路と副経路との合流部の上流側の合流開始位置から下流側の合流終了位置にかけて通信線をループ状に敷設し、
    また、前記搬送車は、所定の周波数の信号を出力する送信手段と、該送信手段からの信号を受信する受信手段と、自車が出力した信号か少なくとも他の経路を走行している他車が出力した信号かを認識する手段と、該搬送車を制御する制御手段とを備え、
    前記送信手段は、複数の周波数が送信可能であり、前記受信手段は、送信手段から送信された全ての周波数を受信可能であり、前記制御手段は、予め走行経路地図を記憶するとともに、走行経路地図に基づき、現在走行中の搬送経路が主経路か副経路かを判断し、分岐部を走行中は、現在走行中の搬送経路が主経路の場合には、主経路用に予め設定された周波数を送信するように送信手段を制御し、副経路の場合には、その副経路用に予め設定された主経路と異なる周波数を送信するように送信手段を制御するものであり、
    以下の制御により、合流部へ進入する搬送車を制御することを特徴とする無人搬送車システム。
    (1)主経路を走行する搬送車が合流部上流側の合流部開始位置に到達すると、受信手段が作動し、この瞬間、該受信手段で通信線を介して信号を受信した場合は、該搬送車を停止させ、通信線を介して信号を受信しない場合は、送信手段を作動させながら合流部へ進入させる。
    (2)副経路を走行する搬送車が合流部上流側の合流部開始位置に到達すると、受信手段が作動し、この瞬間、該受信手段で通信線を介して信号を受信した場合は、該搬送車を停止させ、通信線を介して信号を受信しない場合は、送信手段を作動させながら合流部へ進入させ、但し、該搬送車が合流部上流側の合流部開始位置に到達時、若しくは到達直後に、受信手段で主経路を走行している他車が出力した信号を、通信線を介して受信すると、該搬送車を停止させる。
    (3)前記搬送車が、合流部下流側の合流終了位置を通過し終えると、現在作動中の送信手段による通信線への送信、及び現在作動中の受信手段による通信線からの受信を終える。
  2. 主経路と、該主経路と分岐・合流する副経路とを備えた搬送経路に沿って、搬送車を自動走行させる無人搬送車システムにおいて、
    前記主経路と副経路との合流部の上流側の合流開始位置から下流側の合流終了位置にかけて通信線をループ状に敷設し、
    また、前記搬送車は、進行方向前方に設けた衝突防止センサと、所定の周波数の信号を出力する送信手段と、該送信手段からの信号を受信する受信手段と、自車が出力した信号か少なくとも他の経路を走行している他車が出力した信号かを認識する手段と、該搬送車を制御する制御手段とを備え、
    前記送信手段は、複数の周波数が送信可能であり、前記受信手段は、送信手段から送信された全ての周波数を受信可能であり、前記制御手段は、予め走行経路地図を記憶するとともに、走行経路地図に基づき、現在走行中の搬送経路が主経路か副経路かを判断し、分岐部を走行中は、現在走行中の搬送経路が主経路の場合には、主経路用に予め設定された周波数を送信するように送信手段を制御し、副経路の場合には、その副経路用に予め設定された主経路と異なる周波数を送信するように送信手段を制御するものであり、
    以下の制御により、合流部へ進入する搬送車を制御することを特徴とする無人搬送車システム。
    (1)主経路を走行する搬送車が合流部上流側の合流開始位置に到達すると、受信手段が作動し、この瞬間、該受信手段で副経路を走行する他車が出力した信号を、通信線を介して受信した場合は、該搬送車を停止させ、副経路を走行する他車が出力した信号以外の信号を、通信線を介して受信した場合は、該搬送車を進入させるが、該搬送車が該主経路を先行する他車と所定距離以下に接近した場合は、衝突防止センサが作動して該搬送車を停止させ、他車が出力した信号を、通信線を介して受信しない場合は、送信手段を作動させながら合流部へ進入させる。
    (2)副経路を走行する搬送車が合流部上流側の合流開始位置に到達すると、受信手段が作動し、この瞬間、該受信手段で通信線を介して信号を受信した場合は、該搬送車を停止させ、通信線を介して信号を受信しない場合は、送信手段を作動させながら合流部へ進入させ、但し、該搬送車が合流部上流側の合流開始位置に到達時、若しくは到達直後に、受信手段で主経路を走行する他車が出力した信号を受信すると、該搬送車を停止させる。
    (3)前記搬送車が、合流部下流側の合流終了位置を通過し終えると、現在作動中の送信手段による通信線への送信、及び現在作動中の受信手段による通信線からの受信を終える。
  3. 前記送信手段から送信される信号は、全て9kHz以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の無人搬送車システム。
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