JP3888144B2 - ディジタル・ミキシングシステム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、複数の入力信号系列と、複数の出力信号系列とを有し、前記複数の入力信号系列をミキシング処理して、前記複数の出力信号系列に出力するディジタル・ミキサシングシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、多数のマイクロホンあるいは電気・電子楽器などから出力されるオーディオ信号のレベルや周波数特性を調整し、ミキシングしていくつかのミキシング・グループにまとめてパワーアンプに送り出すミキシング・コンソールが知られている。ミキシング・コンソールを操作するオペレータは、楽器音や歌唱の各オーディオ信号の音量や音色を、ミキシング・コンソールに備えられた各種パネル操作子を操作することにより、演奏を最もふさわしく表現していると思われる状態に調整している。ミキシング・コンソールは、入力信号系列として複数のマイク/ライン入力の入力チャンネルを備え、入力信号系列をプログラムしてミキシングし、出力信号系列である複数の出力チャンネルに出力している。入力信号系列における各入力チャンネルの信号は、一般にヘッドアンプにより増幅されてミキシング処理部に出力される。そして、ミキシング処理部において周波数特性およびレベルが調整されて、プログラムされた組み合わせにおいてミキシングされる。次いで、出力フェーダにより任意の出力レベルになるように設定されて出力チャンネルの1つに出力される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このようなミキシング・コンソールは、劇場、コンサートホールにおいて使用されたり、コンパクト・ディスク(CD)等に記録するための音楽ソースを作成するための録音スタジオ用機器として使用されている。例えば、コンサートホールにおけるミキシング・コンソールにおいては、ステージに多数のマイクが設置され演奏された楽器音や歌われた歌唱音がマイクを通して入力されるようになる。ミキシング・コンソールは、入力された多数のマイク/ライン信号のレベルや周波数特性を調整して所望の組み合わせでミキシングし、ミキシング出力のレベルを調整してスピーカを駆動するパワーアンプに出力するようにしている。
【0004】
このようなミキシング・コンソールには多数のマイク/ライン信号がそれぞれケーブルを介して入力されることから、多数のケーブルがミキシング・コンソールに接続されるようになる。ところで、コンサートホールにおいては、ミキシング・コンソールがステージの近傍に設置されることもあるが、聴衆の聴く音を確認しながらミキシング操作することから、一般にステージから離れた観客席に設置されたり、観客席の後方に設けられたミキサ室に設置されている。このため、ミキシング・コンソールへマイク/ライン信号を入力するケーブルの長さが長くなりその敷設作業が繁雑になると共に、多大の作業時間を要するようになる。さらに、ケーブルの引き回しの距離が長くなるにつれて雑音の影響を受けやすくなる。
【0005】
そこで、これを解決するために、マイク/ライン信号が入力されて、そのミキシング処理を行うエンジン部と、ミキシングの操作を行うコンソール部とを分離するようにし、エンジン部とコンソール部との間を通信路で接続するようにしたミキシングシステムが提案されている。このミキシングシステムでは、ミキシング処理を行うエンジン部をステージの近傍に設置できると共に、コンソール部を観客席に設置して聴衆の聴く音を確認しながらミキシングの操作を行うことができる。しかも、マイク/ライン信号はミキシング処理されるエンジン部に入力されるため、そのケーブルの敷設作業が容易になると共に、ケーブルの長さも短くなるので雑音に強くすることができる。
【0006】
ところで、ミキシング処理を行うエンジン部をステージの近傍に設置すると共に、コンソール部を観客席に設置した場合は、オペレータは聴衆の聴く音を確認しながらミキシングの操作を行うことになる。この場合、ステージ・スピーカから放音された音が観客席側のオペレータに届くには、その距離が長いことから時間遅延が生じるようになる。一方、オペレータはコンソール部に設けられているパネル操作子を操作してミキシング操作を行い、その操作に応じてエンジン部でミキシング処理された信号をモニタ・スピーカあるいはモニタ・ヘッドフォンによりモニタしている。しかしながら、ステージ・スピーカから放音された音は時間遅延されてオペレータに届くため、モニタ・スピーカあるいはモニタ・ヘッドフォンから聞こえる音との間で時間差が生じるようになり、オペレータにとって非常に聴きにくいという問題点があった。
また、コンソール部を操作するオペレータとステージのスタッフ間の連絡を行うためのトークバック機能がミキシングシステムには設けられている。例えば、コンソール部に設けられたトークバックスイッチを押下すると、コンソール部のマイク入力がオンとなって、オペレータが喋った音声がステージのモニタ・スピーカから流れるようになる。そして、ステージのスタッフがコンソールのオペレータに連絡する場合は、エンジン部に入力されているいずれかのアナログ入力を1チャンネル使用して、スタッフの喋った音声を入力し、この音声をコンソール部のモニタ・スピーカから流すようにしている。しかしながら、この場合は、連絡用に割り当てられたチャンネルをコンソール部におけるオペレータがオンしていないと連絡することができないという問題点があった。また、モニタ・スピーカからはステージ・スピーカからの音をモニタするモニタ音も放音されていることから、モニタ音により連絡用の音声がかき消されるおそれがあった。さらにまた、連絡用に入力チャンネルを1チャンネル使用しなければならず、それだけリソースが限られたものになるという問題点もあった。
【0007】
そこで、本発明はエンジン部とコンソール部とが通信路により接続されているシステムにおいて、モニタ音とステージ・スピーカから放音された音との時間遅延を解消するようにしたディジタル・ミキシングシステムを提供することを目的としている。
さらに、本発明はコンソール部のオペレータの操作によらず、ステージのスタッフがオペレータに連絡できると共に、トークバック機能により入力チャンネルのリソースを低減しないようにしたディジタル・ミキシングシステムを提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記第1の目的を達成するために、本発明のディジタル・ミキシングシステムは、複数の入力信号系列と、複数の出力信号系列とを有し、前記複数の入力信号系列をミキシング処理して前記複数の出力信号系列に出力するディジタル・ミキシングシステムであって、ミキシング処理に関するパラメータの入力を行う多数のパネル操作子と、パネル操作子の操作に応じてミキシング制御信号を出力する第1制御手段を備えたコンソール部と、前記コンソール部に接続され、前記複数の入力信号系列からの入力信号をミキシングして前記複数の出力信号系列にミキシング信号として出力する前記ミキシング処理と、該ミキシング処理の処理中の信号のうちの少なくとも1つの信号を選択し、該選択された信号をモニタ信号として出力するモニタ処理とを行う処理手段と、前記コンソール部から供給される前記ミキシング制御信号に基づいて前記ミキシング処理および前記モニタ処理を制御する第2制御手段とを備えたエンジン部とを備えており、前記ミキシング信号の少なくとも一部のミキシング信号は、前記エンジン部の近傍に配置されたステージ・スピーカで再生される信号であると共に、前記モニタ信号は、前記コンソール部の近傍に配置されたモニタ・スピーカで再生される信号であり、前記エンジン部の処理手段におけるモニタ処理は、さらに、前記エンジン部の近傍の音声信号を入力する連絡用信号系列を有しており、前記連絡用信号系列に入力する音声信号のレベルが所定レベル以上であるとき、前記選択された信号のレベルを減少させると共に前記連絡用信号系列の音声信号と混合し、混合された信号をモニタ信号として出力するようにされており、また、前記コンソール部の前記パネル操作子には、前記モニタ処理における前記選択された信号の遅延時間を制御するための専用操作子が含まれている。
【0010】
このような本発明によれば、ステージ・スピーカからの放音が、コンソール部のオペレータに届くに要する時間だけモニタ信号を遅延するようにしたので、ステージ・スピーカから放音された音とモニタ・スピーカから放音された音とが、ほぼ同時にオペレータに届くようになる。これにより、オペレータはステージ・スピーカから放音される音を調整するミキシング操作を、モニタ・スピーカから放音される調整段階のモニタ音と聴き較べながらミキシング操作することができるようになる。
また、コンソール部とステージ間の連絡を行うための専用信号系列を備えるようにしたので、入力チャンネルのリソースが低減されることを極力防止することができる。さらに、この専用信号系列上に出力する音声レベルが一定レベルを超えた際に、専用信号系列に音声を出力すると共に、モニタ・スピーカから放音されるモニタ音のレベルを絞るようにしたので、モニタ音により連絡用の音声がかき消されるおそれを防止することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態のディジタル・ミキシングシステムをコンサートホールに設置した際の概略構成を図1および図2に示す。
図1および図2に示すように本発明の実施の形態にかかるディジタル・ミキシングシステムは、コンソール部1とエンジン部2とに分離されている。コンソール部1のオペレータは、観客が聴取する音を聴きながらコンソールパネル上のフェーダや操作子をミキシング操作できるように、観客席あるいは観客席後方のミキサ室にコンソール部1が設置されており、エンジン部2は、入出力用のケーブルの引き回しが容易になるように、ステージやその近傍に設置されている。このエンジン部2には、アナログオーディオ信号やディジタルオーディオ信号を入出力する複数のユニット31,32,33が接続されている。このユニットには、アナログ入力信号をディジタル信号に変換してエンジン部2に供給するアナログ信号入力用のADユニット31と、ディジタルオーディオ信号を入出力するDIOユニット32と、エンジン部2から出力されたディジタルオーディオ信号をアナログオーディオ信号に変換して出力するアナログ信号出力用のDAユニット33とが用意されている。
【0012】
また、分離して配置されたコンソール部1とエンジン部2とは、2本の通信路L1,L2により接続されている。この通信路L1,L2を介してディジタルオーディオ信号とミキシング制御信号が相互に伝送されている。なお、コンソール部1とエンジン部2との間ではシリアル伝送が行われているが、この規格は例えばRS−422、イーサネット、IEEE1394、USB(Universal Serial
Bus)等のシリアル・インタフェース規格とされる。
【0013】
本発明の実施の形態にかかるコンソール部1とエンジン部2とが分離されているディジタル・ミキシングシステムでは、マイク/ラインから入力されるアナログオーディオ信号がADユニット31においてディジタルオーディオ信号に変換されてエンジン部2に入力される。さらに、DIOユニット32に入力されたディジタルオーディオ信号はそのままエンジン部2に入力される。そして、ディジタル・ミキシングシステムを操作するオペレータはコンソール部1に位置し、ADユニット31やDIOユニット32から入力された楽器音や歌唱音のオーディオ信号の音量や音色を、コンソール部1に備えられた各種パネル操作子を操作することにより、演奏を最もふさわしく表現していると思われる状態になるようにミキシング操作している。このミキシング操作では、ミキシングバスに出力される複数の入力チャンネル毎の周波数特性やミキシングバスへの送り出しレベルの調整、ミキシングバスにおいてミキシングされる入力チャンネルのプログラム、ミキシングバスから出力される出力チャンネルの周波数特性や出力レベルの調整等が行われる。
【0014】
コンソール部1に設けられている多数のパネル操作子を操作すると、そのミキシング操作に応じたミキシング制御信号がコンソール部1から送出され、通信路L1を介してエンジン部2に供給される。エンジン部2では、ミキシング制御信号に基づくミキシング処理が行われ、ミキシング処理されたディジタルオーディオ信号がDAユニット33においてアナログオーディオ信号に変換されて出力される。あるいはディジタルオーディオ信号としてDIOユニット32から出力される。出力されたアナログオーディオ信号は、パワーアンプに送られてステージ・スピーカ102から放音されるようになる。
なお、コンソール部1にはモニタ・スピーカ101が設けられており、オペレータはモニタ・スピーカ101から流されるモニタ音を聴きながらミキシング操作を行うことができるようにされている。この場合、ミキシングバスから出力される音や出力チャンネルの音を選択してミキシング処理過程の音をモニタすることができる。
【0015】
このような、本発明のディジタル・ミキシングシステムにおいて、ADユニット31には4チャンネルのアナログ・ディジタル変換器(AD)が内蔵されているADカードないし2チャンネル分のヘッドアンプ(マイク用アンプ)とアナログ・ディジタル変換器(AD)が内蔵されているMADカードを合計して最大8枚まで装着することができ、ADユニット31は最大32チャンネルのマイク/ライン(アナログ)入力に対応している。なお、ADユニット31には、CPU(Central Processing Unit)が内蔵されている。また、DIOユニット32には8入力/8出力とされたディジタルI/Oカードが最大8枚まで装着することができ、64チャンネルのディジタル入出力に対応している。DIOユニット32にもCPUが内蔵されている。さらに、DAユニット33には4チャンネルのディジタル・アナログ変換器(DA)が内蔵されているDAカードを最大8枚まで装着することができ、DAユニット33は最大32チャンネルのアナログ出力に対応している。DAユニット33にもCPUが内蔵されている。
【0016】
エンジン部2は、例えば最大320チャンネルのディジタル入力が可能とされており、ADユニット31とDIOユニット32とを合わせて最大10ユニット(ただし、1ユニットあたり32チャンネルとされ、1つのDIOユニット32は2本の接続ラインを有し、2ユニットに相当する。)まで接続することができるようにされている。また、エンジン部2は最大192チャンネルのディジタル出力が可能とされており、DAユニット33とDIOユニット32とを合わせて最大6ユニット(ただし、1ユニットあたり32チャンネルとされ、1つのDIOユニット32は2本の接続ラインを有し、2ユニットに相当する。)まで接続することができるようにされている。ただし、本発明のディジタル・ミキシングシステムは上記した数値に限定されるものではなく、種々の入力数および出力数とすることができる。
【0017】
また、観客席に設置されたコンソール部1には、制御信号入力端子に接続されたMIDIシーケンサ(MIDISEQ)41からMIDI信号が供給可能とされており、制御信号入力端子で受信されたMIDIメッセージによりミキシング操作を制御することができるようにされている。例えば、MIDIシーケンサ41からプログラムチェンジメッセージが制御信号入力端子で受信されると、そのプログラムナンバーに対応するシーンがシーンメモリからが読み出され、コンソール部1においてそのシーンに応じたミキシング操作が自動的に行われるようになる。シーンとは、その場面にふさわしいミキシング操作内容であり、シーンメモリにはプリセットシーンおよびユーザが設定したユーザシーンが格納できるようにされている。また、ノートオンメッセージがMIDIシーケンサ41から制御信号入力端子に供給されると、ノートオンメッセージのベロシティに応じて指定されたチャンネルのフェーダが移動され、当該チャンネルにおけるディジタルオーディオ信号のレベルが制御されるようになる。
【0018】
さらに、コンソール部1に設けられたタイムコード端子にはハードディスクレコーダ(HDR)42からのタイムコードが供給されて、HDR42から読み出されるミキシングデータに基づくミキシング操作を、タイムコードに同期して行うことができるようにされている。この場合、ミキシング操作に基づくミキシング制御データは、エンジン部2に送出されてミキシング処理が行われるようになる。これにより、ディジタル・ミキシングシステムはHDR42から読み出されたミキシングデータにより、ミキシング処理を自動動作させることができるようになる。
さらにまた、コンソール部1にはコンピュータ接続インタフェースが用意されており、このコンピュータ接続インタフェースにコンピュータ43を接続することができるようにされている。このコンピュータ43においてミキシング制御プログラムを実行することにより、コンソール部1をリモートコントロールすることができるようになされている。
【0019】
次に、ステージあるいはその近傍に設置されたエンジン部2の制御信号入力端子にはMIDIシーケンサ(MIDISEQ)44が接続され、MIDIシーケンサ44からのMIDI信号は、制御信号として通信路L1を介してコンソール部1に転送されている。これにより、例えば、MIDIシーケンサ44からプログラムチェンジメッセージがエンジン部2の制御信号入力端子に供給されると、コンソール部1においてそのプログラムナンバーに対応するシーンがシーンメモリからが読み出され、コンソール部1においてそのシーンに応じたミキシング操作が行われるようになる。また、ノートオンメッセージがMIDIシーケンサ44からエンジン部2の制御信号入力端子に供給されると、コンソール部1においてノートオンメッセージのベロシティに応じて指定されたチャンネルのフェーダが移動されて、当該チャンネルのディジタルオーディオ信号のレベルが制御されるようになる。
このように、コンソール部1とエンジン部2とに設けられた制御信号入力端子のいずれにMIDI信号が入力されても、MIDI信号に基づくミキシング操作はコンソール部1において行われるようになるため、いずれの制御入力端子を用いても一貫したミキシング制御の動作を保証することができるようになる。
【0020】
さらに、エンジン部2のタイムコード端子にHDR45からのタイムコードが供給されると、このタイムコードはコンソール部1に転送されるようになる。これにより、コンソール部1においてタイムコードに同期して、HDR45から読み出されたミキシングデータ(タイムスタンプの付与されたコンソール部1の操作イベントデータのストリーム)に基づくミキシング操作が行われるようになる。すなわち、ディジタル・ミキシングシステムはHDR45から読み出されたミキシング制御データにより、ミキシング処理を自動動作させることができるようになる。従って、HDR42あるいはHDR45のいずれからタイムコードが供給されても、一貫したミキシング制御の動作を保証することができるようになる。
さらにまた、エンジン部2にもコンピュータ接続インタフェースが用意されており、このコンピュータ接続インタフェースにコンピュータ46を接続することができるようにされている。このコンピュータ46においてミキシング制御プログラムを実行することにより、エンジン部2のミキシング処理を制御することができるようになされている。
【0021】
上記したように、コンソール部1におよびエンジン部2にはコンピュータ接続インタフェースが用意されており、このコンピュータ接続インタフェースにそれぞれコンピュータを接続することができるようにされている。すると、何らかの理由により通信路L1や通信路L2が切断されて、コンソール部1からエンジン部2を正常に制御することができなくなった場合に、エンジン部2に用意されているコンピュータ接続インタフェースにコンピュータ46を接続してミキシング制御プログラムを実行することにより、コンピュータ46がマスターとなってエンジン部2におけるミキシング処理を制御することができるようになる。この場合、コンピュータ46の表示部には多数のパネル操作子が配置されているコンソール卓の画面が表示され、画面上のパネル操作子を選択してマウス等を操作することにより、実際のパネル操作子を操作したのと同様のミキシング操作を行うことができるようにされている。
【0022】
また、コンソール部1に何らかの障害が発生してコンソール部1からエンジン部2を正常に制御することができなくなった場合には、コンソール部1に用意されているコンピュータ接続インタフェースにコンピュータ43を接続してミキシング制御プログラムを実行することにより、コンピュータ43がマスターとなってエンジン部2におけるミキシング処理を制御することができるようになる。この場合も、コンピュータ43の表示部には多数のパネル操作子が配置されているコンソール卓の画面が表示され、画面上のパネル操作子を選択してマウス等を操作することにより、実際のパネル操作子を操作したのと同様のミキシング操作を行うことができるようにされている。なお、コンピュータ43はコンソール部1に配置できるので、コンソール部1に障害が発生しても聴衆の聴く音をコンソール部で聴きながら、オペレータはコンピュータ43を操作してミキシング操作することができるようになる。
【0023】
次に、コンソール部1の構成を示すブロック図を図3に示す。
図3に示すように、コンソール部1は、コンソール部1の全体の動作を制御すると共に、ミキシング操作に応じてミキシング制御信号を生成しているCPU11と、CPU11が実行するミキシング制御プログラム等の動作ソフトウェアが格納されている書き換え可能な不揮発性のフラッシュメモリ12と、CPU11のワークエリアや各種データ等が記憶されるRAM(Random Access Memory)13を備えている。このように、フラッシュメモリ12にコンソール用の動作ソフトウェアを格納するようにしたので、この動作ソフトウェアをバージョンアップする場合は、フラッシュメモリ12内の動作ソフトウェアを書き換えればよいことになる。また、コンピュータ43を接続することのできるコンピュータ接続インタフェース(PC I/O)14dと、制御信号入力端子およびタイムコード端子のインタフェースとされるその他のインタフェース(その他I/O)14eが用意されている。さらに、アナログオーディオ信号の入出力およびディジタルオーディオ信号の入出力を行う波形データインタフェース(波形I/O)14aと、ディジタルオーディオ信号が伝送される通信路L2にディジタルオーディオ信号を入出力するデータインタフェース(データI/O)14bと、CPU11が生成したミキシング制御信号を通信路L1に送出すると共に、エンジン部2側から送られるMIDIシーケンサ44等からの制御信号を通信路L1を介して受ける通信インタフェース(通信I/O)14cが設けられている。
【0024】
波形データインタフェース14aに入力されるアナログオーディオ信号は、ステレオのアナログ信号や、オペレータからステージのスタッフへの連絡用の音声信号であるトークバック信号とされ、波形データインタフェース14aにおいてディジタル信号に変換される。また、波形データインタフェース14aから外部へ出力されるアナログオーディオ信号は、入力や出力のモジュールに設けられたキュースイッチを操作したときにそのモジュールの音が出力されるキュー信号や、モニタ信号とされる。これらのキュー信号やモニタ信号は、ディジタル信号としてデータインタフェース14bから波形データインタフェース14aに供給され、波形データインタフェース14aにおいてアナログ信号に変換されて出力されるようになる。さらに、波形データインタフェース14aに入力されるディジタルオーディオ信号は、CDプレーヤやDAT(Digital Audio Tape)等において再生されたディジタルソースである。さらにまた、波形データインタフェース14aから出力されるディジタルオーディオ信号は、ステレオのディジタル信号とされ、DAT等にディジタル記録することができるようになる。
【0025】
なお、データインタフェース14bは、波形データインタフェース14aから供給されたトークバック信号やディジタルソースのディジタルオーディオ信号を通信路L2に送出し、通信路L2から受け取ったディジタルオーディオ信号を波形データインタフェース14aに供給している。この通信路L2から受け取ったディジタルオーディオ信号はキュー信号やモニタ信号とされており、このモニタ信号にはステージのスタッフからオペレータへの連絡用とされたトークバック信号も含まれている。
【0026】
図3に戻り表示器15は、液晶表示器とされており、この表示器15にはミキシングされる各過程におけるディジタル信号のレベルをバーグラフ状に表示することができると共に、パネル操作子17を操作して変更したパラメータに合わせて画面を自動的に切り換えて表示することができる。さらに、電動フェーダ16はミキシングバスへ送り出される信号のレベルや、ミキシングされた信号の出力レベルを調整するフェーダであり、手動および電動により調整することができる。読み出されたシーンやMIDIメッセージ中のベロシティによりレベルを設定する場合は電動とされ、設定されるレベルに応じて電動フェーダ16が駆動されて自動的に摘みが移動してレベルが設定されるようになる。パネル操作子17は、各信号のイコライジング特性やパン特性等を操作したりシーンの切換を行ったりするための多数の操作子であり、バス18は各ブロック間でデータをやりとりするための共通路である。
【0027】
次に、エンジン部2の構成を示すブロック図を図4に示す。
図4に示すように、エンジン部2は、コンソール部1から供給されたミキシング制御信号に基づいてエンジン部2で実行されるミキシング処理を制御するCPU21と、CPU21が実行するミキシング処理プログラム等の動作ソフトウェアが格納されている書き換え可能な不揮発性のフラッシュメモリ22と、CPU21のワークエリアや各種データ等が記憶されているRAM23を備えている。このように、フラッシュメモリ22にエンジン部用の動作ソフトウェアを格納するようにしたので、この動作ソフトウェアをバージョンアップする場合は、フラッシュメモリ22内の動作ソフトウェアを書き換えればよいことになる。また、信号処理部25は多数のDSPを用いて構成されており、CPU21の制御の元でミキシング処理を行っている。バス26は各ブロック間でデータをやりとりするための共通路である。
【0028】
さらに、コンピュータ46を接続することのできるコンピュータ接続インタフェース(PC I/O)24eと、制御信号入力端子およびタイムコード端子のインタフェースとされるその他のインタフェース(その他I/O)24fが用意されている。さらにまた、コンソール部1から供給されるミキシング制御信号を通信路L1を介して受けると共に、MIDIシーケンサ44等からの制御信号を通信路L1に送出する第1の通信インタフェース(通信I/O)24aと、ディジタルオーディオ信号が伝送される通信路L2にディジタルオーディオ信号を入出力する第1のデータインタフェース(データI/O)24bが設けられている。
なお、コンソール部1から通信路L2に送出されてデータインタフェース24bで受け取られるディジタルオーディオ信号は、コンソール部1に入力されたステレオのディジタル信号や、ディジタルソース信号およびオペレータからステージのスタッフへの連絡用の音声がディジタル化されたトークバック信号とされ、いずれも信号処理部25へ供給される。また、データインタフェース24bから出力されるディジタルオーディオ信号は、入力や出力のモジュールに設けられたキュースイッチを操作したときにそのモジュールの音が出力されるキュー信号や、モニタ信号とされる。
【0029】
さらに、第2のデータインタフェース(データI/O)24cは、ADユニット31およびDIOユニット32からの最大320チャンネルのディジタルオーディオ信号を受け取ると共に、DAユニット33およびDIOユニット32へ最大192チャンネルのディジタルオーディオ信号を送出している。さらにまた、第2の通信インタフェース(通信I/O)24dは、接続された各種ユニットを制御するためのコントロール信号(例えば、ADユニット31に装着されたMADカードのヘッドアンプのゲインを制御する)を送出している。このヘッドアンプのゲインは、ヘッドアンプから出力されるアナログ信号のレベルが規定されるレベルになるように調整される。
【0030】
ところで、通信路L1,L2により制御信号やデータのやりとりを行うコンソール部1とエンジン部2とは、フレキシブルに接続を変更することができるようにされており、様々な構成とすることができる。このようなディジタル・ミキシングシステムにおいて、各ブロックの動作ソフトウェアをバージョンアップする場合は、接続されている全てのブロックの動作ソフトウェアを適切にバージョンアップさせる必要がある。接続されているブロックとは、コンソール部1、エンジン部2およびユニット31,32,33である。そこで、コンソール部1に接続されたコンピュータ43、あるいは、エンジン部2に接続されたコンピュータ46がバージョンアッププログラムを起動して実行することにより、これらのブロックにおけるフラッシュメモリに格納された動作ソフトウェアをバージョンアップすることができるようにされている。
【0031】
バージョンアップの動作を、コンソール部1がマスター(MODE=1)とされてエンジン部2をミキシング制御している通常状態を例にあげて、図14に示す動作フローを参照して説明する。
まず、コンソール部1に接続されたコンピュータ(PC)43がバージョンアッププログラムを起動する(S100)と、PC43はバージョンアップの通知をコンソール部1に通知する。また、エンジン部2に接続されたコンピュータ(PC)46がバージョンアッププログラムを起動した場合は、PC46からバージョンアップの通知をエンジン部2が受けるようになる。この場合は、PC46からバージョンアップの通知を受けたエンジン部2が、その通知をコンソール部1に転送する(S101)。PC46がエンジン部2に接続されている場合にはPC46とコンソール部1の通信がエンジン部2を介して行われるが、その点を除いてPC43がコンソール部1に接続されている場合と同様の処理が行われるので、以後の説明はPC43がコンソール部1に接続されている場合の説明を行うものとする。コンソール部1は、PC43あるいはエンジン部2から転送されたPC46からの通知を受けてバージョンアップ処理を起動する(S102)。コンソール部1では、自己のフラッシュメモリ12に格納されている動作ソフトウェアのバージョンを検出し、バージョンアップ動作ソフトウェアの方が新しいバージョンか否か判定する(S103)。判定の結果、バージョンアップ動作ソフトウェアの方が新しいバージョンとされていた場合は、PC43あるいはPC46からバージョンアップ動作ソフトウェアの供給を受けて(S104)、自己のフラッシュメモリ12の動作ソフトウェアを書き換えてそのバージョンアップを行う(S105)。ただし、バージョンアップ動作ソフトウェアが、既に格納されている動作ソフトウェアと同じあるいは古いバージョンと判定された場合は、動作ソフトウェアのバージョンアップは行わない。
【0032】
次いで、コンソール部1はエンジン部2にバージョンを問い合わせる(S106)。エンジン部2は、これを受けて自己のフラッシュメモリ22に格納されている動作ソフトウェアのバージョンをコンソール部1に通知する(S107)。通知を受けたコンソール部1は、エンジン部2における動作ソフトウェアのバージョンを見て、バージョンアップ動作ソフトウェアの方が新しいバージョンか否かを判定する(S108)。判定の結果、バージョンアップ動作ソフトウェアの方が新しいバージョンとされていた場合は、コンソール部1はエンジン部2にバージョンアップすることを指示する(S109)と共に、PC43あるいはPC46からバージョンアップ動作ソフトウェアを受け取り(S111)、エンジン部2に転送する(S112)。エンジン部2は、コンソール部1から転送されたバージョンアップ動作ソフトウェアにより、自己のフラッシュメモリ22の動作ソフトウェアを書き換えてそのバージョンアップを行う(S110)。ただし、バージョンアップ動作ソフトウェアが、既に格納されている動作ソフトウェアと同じあるいは古いバージョンと判定された場合は、エンジン部2における動作ソフトウェアのバージョンアップは行わない。
【0033】
次いで、コンソール部1は入力ユニットや出力ユニットにバージョンを問い合わせる(S113)が、この問い合わせ信号はエンジン部2が受けてユニットに転送している(S114)。ユニットは、これを受けて自己のフラッシュメモリに格納されている動作ソフトウェアのバージョンをコンソール部1に通知する(S115)。この通知は、エンジン部2が受けてコンソール部1に転送している(S116)。通知を受けたコンソール部1は、ユニットにおける動作ソフトウェアのバージョンを見て、ユニット用のバージョンアップ動作ソフトウェアの方が新しいバージョンか否かを判定する(S108)。判定の結果、バージョンアップ動作ソフトウェアの方が新しいバージョンとされていた場合は、コンソール部1はユニットにバージョンアップすることを指示する(S118)と共に、PC43あるいはPC46からバージョンアップ動作ソフトウェアを受け取り(S121)、そのユニットに転送する(S122)。このバージョンアップ指示信号およびバージョンアップ動作ソフトウェアはエンジン部2が受けてユニットに転送している(S119,S123)。ユニットは、エンジン部2から転送されたバージョンアップ用の動作ソフトウェアにより、自己のフラッシュメモリの動作ソフトウェアを書き換えてそのバージョンアップを行う(S120)。ただし、バージョンアップ用の動作ソフトウェアが、既に格納されている動作ソフトウェアと同じあるいは古いバージョンと判定された場合は、ユニットにおける動作ソフトウェアのバージョンアップは行わない。
【0034】
このようなユニットにおける動作ソフトウェアのバージョンアップは、ADユニット31,DIOユニット32,DAユニット33のユニット毎に行われ、エンジン部2に接続されているユニット数だけ上記したユニットのバージョンアップ動作は繰り返し行われるようになる。コンソール部1は、エンジン部2や各ユニットとの通信によって、接続されているエンジン部2、入力ユニット、出力ユニットの全てを認識しており、ディジタル・ミキシングシステムを構成する全てのブロックのバージョンアップ処理がコンソール部1の制御の基で行われる。バージョンアップ処理が終了した場合は、コンソール部1からPC43あるいはPC46へバージョンアップ処理が終了したことが通知され(S124)、PC43あるいはPC46においてバージョンアッププログラムが終了される(S125)。
【0035】
本発明のディジタル・ミキシングシステムにおいては、多数のDSPを備えるエンジン部2においてミキシング処理が行われる。すなわち、CPU21の制御の基で多数のDSPがマイクロプログラムを実行することにより、ミキシング処理が行われているのであるが、この場合のエンジン部2におけるミキシング処理を行う等価的なハードウェア構成を図5に示す。
図5において、エンジン部2には入力ユニット51およびコンソール部1から多くのディジタルオーディオ信号が入力されている。入力ユニット51は、ADユニット31とDIOユニット32とが混在して構成されており、最大の入力チャンネル数は320チャンネルとされている。このADユニット31は、マイク/ラインレベルに対応するヘッドアンプとAD変換器が内蔵された2チャンネルのアナログ入力カードMADinと、ラインレベルに対応するバッファアンプとAD変換器が内蔵された4チャンネルのアナログ入力カードADinとが複数枚装着されることとして示されている。また、DIOユニット32は、主なディジタルフォーマットに対応する8チャンネルのディジタル入出力カードを複数枚装着することとして示されている。ただし、入力ユニット51とされているので、DIOユニット32におけるディジタル入力部Dinだけ示されている。ディジタルフォーマットには、AES/EBU(Audio Engineering Society/European Broadcasting Union:AES(音響技術学会)とEBU(ヨーロッパ放送協会)が提唱した業務用デジタル・オーディオ信号の規格)がある。
【0036】
また、2系統のヘッドアンプとAD変換器を備えるトークバック入力部68、および、CDプレーヤやDAT等において再生されたディジタルソースや、アナログステレオ信号を入力するパネル入力部69からのディジタルオーディオ信号が、コンソール部1から入力されている。なお、コンソール部1におけるパネル入力部69には、アナログステレオ信号をディジタル化するAD変換器およびバッファアンプが内蔵されている。これらのエンジン部2に入力されるディジタルオーディオ入力信号は、例えば最大365チャンネルのディジタルパッチ入力とされた入力パッチ55に供給される。なお、入力パッチ55における最大365チャンネルの内訳は、入力ユニット51からの最大320チャンネル、エンジン部2に内蔵されている内蔵エフェクタ(8個)52からの16チャンネル(ステレオ×8チャンネル)、内蔵イコライザ(24個)53からの24チャンネル、トークバック入力からの1チャンネル、および、パネル入力からの4チャンネル(ステレオ×2チャンネル)とされている。このように、入力パッチ55にはリバーブ、エコーやコーラスのエフェクトが付加されたり周波数特性が調整されたディジタルオーディオ信号も入力されている。入力パッチ55は、入力された最大365チャンネルを、例えば48チャンネルの入力モジュールを備える入力チャンネル部56と、例えば2系統のステレオ入力モジュールを備えるステレオ入力チャンネル部57と、トークバック用の専用チャンネル54とにパッチ(結線)している。この専用チャンネルには、ステージのスタッフがコンソール部1のオペレータに連絡する音声信号入力がパッチされ、オペレータからステージのスタッフへ連絡するコンソール部1のトークバック入力部68からの音声信号入力は、入力チャンネル部56のいずれかのチャンネルにパッチされる。入力パッチ55におけるパッチ設定は、任意にパッチすることができ、そのパッチ設定はコンソール部1の表示器15に表示された画面を見ながらパッチ設定することができる。
【0037】
入力チャンネル部56の入力モジュールおよびステレオ入力チャンネル部57のステレオ入力モジュールには、イコライザ、ノイズゲート、コンプレッサ、ディレイ、フェーダ等が備えられている。その詳細については後述するが、これらの入力モジュールにおいて、周波数特性およびミキシングバスへの送り出しレベルが制御される。入力チャンネル部56からの48チャンネルのディジタル出力信号は、それぞれ48本のミキシングバス(MIX 1-48)58の1ないし複数に選択的に出力されると共に、それぞれL,Rのバスからなるステレオバス(Stereo_L/R)59と、それぞれL,Rのバスからなるキュー信号バス(CUE_L/R)60とに選択的に出力される。また、ステレオ入力チャンネル部57からの2系統のディジタルステレオ出力信号も、それぞれ48本のミキシングバス(MIX 1-48)58に出力されると共に、それぞれL,Rのバスからなるステレオバス(Stereo_L/R)59と、それぞれL,Rのバスからなるキュー信号バス(CUE_L/R)60とに出力される。
【0038】
ミキシングバス58においては、48本のバスにそれぞれ選択的に入力された48チャンネルのディジタル出力信号と2系統のディジタルステレオ出力信号とをプログラムされたとおりにミキシングして、48チャンネルのミキシング出力をミキシング出力チャンネル部(MIX 出力 ch)62に出力する。これにより、最大48通りにミキシングされたミキシング出力を得ることができる。ミキシング出力チャンネル部62は、イコライザ、コンプレッサ、ディレイ、フェーダ等が備えられている48チャンネルの出力モジュールから構成されている。
ステレオバス59においては、L,Rのバスにそれぞれ入力された48チャンネルのディジタル出力信号と2系統のディジタルステレオ出力信号とをプログラムされたとおりにミキシングして1系統のステレオミキシング出力をステレオ出力チャンネル部(ステレオ出力 ch)61に出力する。ステレオ出力チャンネル部61は、イコライザ、コンプレッサ、ディレイ、フェーダ等が備えられているステレオ2チャンネルの出力モジュールから構成されており、出力モジュール毎に異なる制御がなされることにより、異なるステレオ出力信号が得られるようにされている。
【0039】
ステレオ出力チャンネル部61のステレオミキシング出力と、ミキシング出力チャンネル部62のミキシング出力とは、マトリックス出力チャンネル部(MATRIX 出力 ch)63に選択的に入力されてミキシングされ、24系統のマトリックス出力が生成される。マトリックス出力チャンネル部63は、イコライザ、コンプレッサ、ディレイ、フェーダ等が備えられている24チャンネルの出力モジュールから構成されており、その出力モジュール毎に異なる制御がなされることにより、24系統の異なるマトリックス出力信号を得ることができる。
【0040】
上述したステレオ出力チャンネル部61からの2系統のステレオ出力信号と、ミキシング出力チャンネル部62からの48チャンネルのミキシング出力信号と、マトリックス出力チャンネル部63からの24チャンネルのマトリックス出力信号は出力パッチ64に供給される。出力パッチ64は、例えば最大232チャンネルのディジタル出力パッチに対応している。出力パッチ64における最大232チャンネルの内訳は、出力ユニット65へ192チャンネル、エンジン部2に内蔵されている内蔵エフェクタ(8個)52へ16チャンネル(ステレオ×8チャンネル)、内蔵イコライザ(24個)53へ24チャンネルとされている。このように、出力パッチ64に供給された各出力信号は出力ユニット65、および、8個の内蔵エフェクタ52と24個の内蔵イコライザ53にパッチ(結線)可能とされている。なお、出力ユニット65は、DAユニット33とDIOユニット32が混在して構成されており、最大の出力チャンネル数は192チャンネルとされている。DAユニット33は、DA変換器が内蔵された4チャンネルのアナログ出力カードDAoutを複数枚装着することとして示され、DIOユニット32は主なディジタルフォーマットに対応する8チャンネルのディジタル入出力カードを複数枚装着することとして示されている。ただし、出力ユニット65とされているので、DIOユニット32ではディジタル出力部Doutだけが示されている。
【0041】
また、内蔵エフェクタ52と内蔵イコライザ53では、リバーブ、エコーやコーラスのエフェクトがディジタルオーディオ信号に付加されたり、ディジタルオーディオ信号の周波数特性が調整される。この内蔵エフェクタ52および内蔵イコライザ53は、信号処理部25を構成しているDSPにより実現されている。前述したように、内蔵エフェクタ52および内蔵イコライザ53の出力は、入力パッチ55に入力されている。さらに、出力ユニット65から出力されるアナログオーディオ信号は、パワーアンプで増幅されてステージ・スピーカ102から放音される。また、出力ユニット65から出力されるディジタルオーディオ信号は、DAT等にディジタル録音することができる。
【0042】
ところで、コンソール部1においては、ステレオ出力チャンネル部61からの2系統のステレオ出力信号と、ミキシング出力チャンネル部62からの48チャンネルのミキシング出力信号と、マトリックス出力チャンネル部63からの24チャンネルのマトリックス出力信号のいずれか1つないし複数を、選択的にモニタすることができる。いずれの出力信号をモニタするかのモニタ信号の選択は、モニタ用セレクタ70により行われ、選択されたモニタ信号はモニタ用ミキサ71においてミキシングされる。次いで、ディレイ回路72において所定時間遅延されてバッファアンプ73を介してミキサ74に供給され、ゲート回路66から出力されるオーディオ信号とミキシングされてエンジン部2から出力される。この出力は通信路L2を介して、コンソール部1に入力されて内蔵されたモニタ用DA変換部(モニタ用DAout)75においてアナログ信号に変換されて、モニタ・スピーカ101あるいはモニタ用のヘッドフォンから出力される。なお、モニタ用DA変換部75は、DA変換器とバッファアンプとから構成される。また、モニタ用セレクタ70、モニタ用ミキサ71、ディレイ回路72、バッファアンプ73、ミキサ74、モニタ用DA変換部75は全てステレオ構成とされており、ステレオのアナログ信号がステレオヘッドフォンに供給されるようになる。これにより、コンソール部1のオペレータはステレオ出力チャンネル部61からの2系統のステレオ出力信号と、ミキシング出力チャンネル部62からの48チャンネルのミキシング出力信号と、マトリックス出力チャンネル部63からの24チャンネルのマトリックス出力信号をそれぞれモニタしながら、コンソール部のパネル操作子を操作してミキシング制御することができるようになる。
【0043】
この場合、コンソール部1が観客席やモニタ室に設置されており、ステージと大きく離れている場合は、コンソール部1を操作するオペレータにステージ・スピーカ102から放音された音が届くまでに時間遅延が生じるようになる。しかし、オペレータがモニタしているモニタ信号は通信路L2を介して伝送されるため、時間遅延することなくオペレータに届くようになる。オペレータは、観客席の聴衆が聴くステージ・スピーカ102からの音を確認しながらミキシングを制御するようにコンソール部1を操作するのであるが、ミキシング操作した結果を反映した音は例えばモニタ・スピーカ101から流されるモニタ音として確認することができる。すると、ステージ・スピーカ102からの音と、モニタ・スピーカ101から流されるモニタ音との間に時間遅延が生じていると、オペレータにとって非常に聴きにくいことになる。そこで、ディレイ回路72においてモニタ信号を時間遅延することにより、両者の音の間に時間差が生じないようにすることができる。なお、ディレイ回路72の遅延時間は、コンソール部1におけるパネル操作子により制御することができ、コンソール部1の設置される場所とステージとの距離に応じて、ディレイ回路72の遅延時間をオペレータが制御できるようにされている。なお、コンサート等で使用中に遅延時間が変化する場合がある。例えば、複数のステージ・スピーカがあり使用中にステージ・スピーカを切り換えると、切換前後においてステージ・スピーカとコンソール部1間での距離の違いにより遅延時間が変化するようになる。このような場合に、本発明にかかるディジタル・ミキシングシステムではコンソール部1のパネルに、ディレイ回路72の遅延時間を制御するための専用の摘みが設けられており、オペレータは状況に応じた遅延時間の変化に素早く対応することができるようになされている。
【0044】
また、前述したコンソール部1のトークバック入力部68から入力パッチ55に入力されるオペレータからステージのスタッフへの連絡用のトークバック信号は、入力パッチ55において入力チャンネル部56のいずれかのチャンネルにパッチされる。そして、ミキシングバス58およびミキシング出力チャンネル部62を介して出力パッチ64に供給されて、DAユニットの1チャンネルにパッチされていずれかのステージ・スピーカ102から放音される。これにより、ステージのスタッフへオペレータから連絡することができる。
【0045】
さらに、ステージのスタッフがマイクで喋ったコンソール部1のオペレータへ連絡する音声信号は入力ユニット51から入力パッチ55に入力され、専用チャンネル54にパッチされる。そして、ゲート回路66およびレベル検出器67に供給される。レベル検出器67は、入力された連絡用の音声信号のレベルが基準レベル以上か否かを検出しており、基準レベル以上と検出された際にゲート回路66を開くと共に、バッファアンプ73を制御してそのゲインを低減している。ゲート回路66が開かれることにより、音声信号はゲート回路66を通過してミキサ74に供給されるようになる。また、バッファアンプ73のゲインが低減されることから、バッファアンプ73から出力されるモニタ信号のレベルが絞られるようになり、ミキサ74から出力されるモニタ信号と連絡用の音声信号とをミキシングした音を、コンソール部1においてオペレータが聴いた際に、モニタ信号のレベルが絞られていることからモニタ音によりステージのスタッフからの音声がかき消されないようになる。これにより、確実にステージのスタッフからオペレータへ連絡することができる。なお、ゲート回路66により基準レベルに達しない雑音等の信号は遮断されるため、ノイズや不要な音声の伝達を防止することができる。
【0046】
次に、図5に示すエンジン部2における入力チャンネル部56の入力モジュールおよびステレオ入力チャンネル部57のステレオ入力モジュールの構成例を図6(a)に示す。
図6(a)に示すように、入力モジュールは、デエンファシス80、ハイパスフィルタ(HPF)81、4バンドパラメトリックイコライザ(PEQ)82、ノイズゲート(GATE)83、コンプレッサ(COMP)84、ディレイ(DELAY)85、フェーダ86を縦続接続して構成されている。デエンファシス80は、入力されたディジタルオーディオ信号の高域成分を抑圧し、HPF81は不要な低域成分をカットしている。4バンドPEQ82は、入力されたディジタルオーディオ信号の周波数特性を調整するイコライザとされており、HI,MID HI,LOW MID,LOWの4バンドの各バンド毎の周波数特性を可変できるようにされている。GATE83は、ノイズを遮断するノイズゲートであり、入力されたディジタルオーディオ信号のレベルが基準値以下となった際に、入力されたディジタルオーディオ信号のゲインを急激に低下させてノイズを遮断している。COMP84は、入力されたディジタルオーディオ信号のダイナミックレンジを狭くして、入力されたディジタルオーディオ信号が飽和することを防止している。DELAY85は、音源とマイクとの距離補正等を行うように、入力されたディジタルオーディオ信号の時間遅延を行っている。ここで、デエンファシス80の抑圧特性、4バンドPEQ82のイコライザ特性、GATE83の基準値、COMP84のコンプレス特性、DELAY85の遅延特性等は、コンソール部1の操作子17により変更制御可能とされている。フェーダ86(電動フェーダ16の一部)は、ミキシングバス58への送り出しレベルを制御するレベル可変手段であり、電動型とされている。
【0047】
次に、図5に示すエンジン部2におけるステレオ出力チャンネル部61の出力モジュール、ミキシング出力チャンネル部62の出力モジュールおよびマトリックス出力チャンネル部63の出力モジュールの構成例を図6(b)に示す。
図6(b)に示すように、出力モジュールは、6バンドパラメトリックイコライザ(PEQ)87、コンプレッサ(COMP)88、ディレイ(DELAY)89、フェーダ90を縦続接続して構成されている。6バンドPEQ87は、出力されるディジタルオーディオ信号の周波数特性を調整するイコライザとされており、HI,MID HI,MID,LOW MID,LOW,SUB MIDの6バンドの各バンド毎に電気的特性を可変することができるようにされている。COMP88は、出力されるディジタルオーディオ信号のダイナミックレンジを狭くして、出力されるディジタルオーディオ信号が飽和することを防止している。DELAY89は、スピーカの距離補正や定位の補正等を行うように、出力されるディジタルオーディオ信号の時間遅延を行っている。ここで、6バンドPEQ87のイコライザ特性、COMP88のコンプレス特性、DELAY89の遅延特性等は、コンソール部1における操作子17で変更制御可能とされている。フェーダ90(電動フェーダ16の一部)は、パワーアンプ等への出力レベルを制御するレベル可変手段であり、電動型とされている。
【0048】
次に、MIDIシーケンサ44からMIDI信号がエンジン部2に供給された際に実行されるMIDI信号受信処理(MIDI端子)のフローチャートを図7(a)に、エンジン部2がコンソール部1から制御信号を受信した際に実行される制御信号受信処理(コンソール部)のフローチャートを図7(b)に示す。
これらのフローチャートの説明に先立って、本発明にかかるディジタル・ミキシングシステムのエンジン部2の動作モード(MODE)について説明する。ディジタル・ミキシングシステムが正常に動作している通常状態では、コンソール部1がマスターとなり、コンソール部1によりエンジン部2は制御されるようになる。この場合のエンジン部2の動作モードが“1”(MODE=1)とされる。また、コンソール部1に障害が生じた場合や通信路L1,L2が切断された場合は、コンソール部1に接続されたコンピュータ(PC)43あるいはエンジン部2に接続されたコンピュータ(PC)46がマスターとなって、エンジン部2を制御するようになる。この場合のエンジン部2の動作モードが“2”(MODE=2)とされる。コンソール部1に障害が生じた場合や通信路L1,L2が切断された場合に、コンピュータがコンソール部1やエンジン部2に接続されていない場合は、エンジン部2は独立動作となる。この場合のエンジン部2の動作モードが“0”(MODE=0)とされる。
【0049】
図7(a)(b)に示すフローチャートは、コンソール部1がマスターとされてエンジン部2の動作モードがMODE=1とされている通常状態のフローチャートである。
エンジン部2に備えられた制御信号入力端子であるMIDI端子においてMIDI信号が受信されると、図7(a)に示すMIDI信号受信処理(MIDI端子)が起動され、ステップS1にて受信したMIDI信号がコンソール部1に送出される。そして、このMIDI信号受信処理は終了する。
また、エンジン部2がコンソール部1からミキシング制御信号を受信すると、図7(b)に示す制御信号受信処理(コンソール部)が起動され、ステップS10にて受信したミキシング制御信号が接続されているPC46に送られて、ミキシング状態がPC46に通知される。次いで、ステップS11にて受信したミキシング制御信号に従って信号処理部25にパラメータが設定されてDSP他が制御される。そして、この制御信号受信処理は終了する。これにより、コンソール部1のミキシング操作に従って、エンジン部2においてミキシング処理が行われるようになる。
【0050】
つぎに、エンジン部2の動作モードがMODE=1とされている通常状態において、エンジン部2あるいは制御信号入力端子からMIDI信号を受信した際にコンソール部1で実行されるMIDI信号受信処理(MIDI端子orエンジン部)のフローチャートを図8に示す。
図8において、上述したエンジン部2におけるMIDI信号受信処理により送出されたMIDI信号、あるいはコンソール部1に備えられた制御信号入力端子とされるMIDI端子からMIDI信号を受信すると、MIDI信号受信処理(MIDI端子orエンジン部)が起動され、ステップS20にて受信されたMIDI信号の種類が判定される。ここで、MIDI信号がプログラムチェンジメッセージ(PrgCng)と判定されると、ステップS21に進んでプログラムチェンジメッセージにおけるプログラムナンバーに応じたシーン番号が設定されるシーン番号選択イベント再生処理が行われる。このシーン番号選択イベント再生処理では、コンソール1に設けられているシーン番号を選択するパネル操作子が操作された場合と同様の処理が行われる。次いで、ステップS22にて設定されたシーン番号の設定データがシーンメモリから読み出され、その設定データに応じてコンソール部1のワークエリアが更新され、対応するミキシング制御信号が生成されてエンジン部2に送出されると共に、ワークエリアの内容に応じてコンソール部1のパネル上の電動フェーダ16の位置、操作子17の位置、表示器15の表示状態等が更新されるシーン切換イベント処理が行われる。そして、このMIDI信号受信処理は終了する。なお、エンジン部2が送出されたミキシング制御信号を受信すると、図7(b)に示す制御信号受信処理が実行されて、プログラムナンバーに応じたシーンに切り換えられるミキシング処理が行われるようになる。
【0051】
また、MIDI信号がノートオンメッセージ(NoteOn)と判定されると、ステップS23に進んでノートオンメッセージのノートナンバに対応したチャンネルのモジュールにおける電動フェーダの位置が、そのノートオンメッセージにおけるベロシティの値に応じて移動されるようになる。次いで、ステップS24にて、該ノートオンメッセージにおけるベロシティの値ないし移動された該電動フェーダの位置に対応したミキシング制御信号が生成されてエンジン部2に送出されるフェーダ操作イベント処理が行われる。そして、このMIDI信号受信処理は終了する。
さらに、MIDI信号がその他のメッセージ(Other)と判定されると、ステップS25に進んで受信した該その他のメッセージに対応したその他処理が行われる。そして、このMIDI信号受信処理は終了する。
【0052】
なお、MODE=1の状態において、コンピュータ43あるいはコンピュータ46からコンソール部1あるいはエンジン部2に対して制御信号を出力することが可能である。このとき、コンピュータ43からの制御信号は直接コンソール部1に対して入力され、コンピュータ46からの制御信号はエンジン部2からコンソール部1に対して転送され、コンソール部1におけるCPU11にて解釈される。CPU11は、コンピュータ43あるいはコンピュータ46が出力した制御信号に応じてコンソール部1を制御するとともに、エンジン部2に対して当該制御された状態に対応するミキシング制御信号を送信する。また、その制御信号によるミキシング状態等の制御内容はコンピュータ43あるいはコンピュータ46の表示画面上に表示される。これにより、コンピュータ43あるいはコンピュータ46が制御信号を出力した場合であっても、必ずマスタとされるコンソール部1においてミキシング制御信号が生成されることとなり、ミキシング制御状態の一貫性を保つことができるようになる。
【0053】
次に、コンソール部1に障害が発生してコンソール部1に接続されているコンピュータ43、あるいはエンジン部2に接続されているコンピュータ46がマスターとされている場合(MODE=2)に、エンジン部2がMIDI信号を受信した場合に実行されるMIDI信号受信処理(MIDI端子)のフローチャートを図9(a)に、エンジン部2が制御信号を受信した場合に実行される制御信号受信処理(PC)のフローチャートを図9(b)に示す。
MODE=2とされている場合に、エンジン部2に備えられた制御信号入力端子であるMIDI端子においてMIDI信号が受信されると、図9(a)に示すMIDI信号受信処理(MIDI端子)が起動され、ステップS30にて受信したMIDI信号がマスターとされているコンソール部1に接続されているコンピュータ43あるいはエンジン部2に接続されているコンピュータ46に送出される。そして、このMIDI信号受信処理は終了する。
また、MODE=2とされている場合に、エンジン部2がコンピュータ43あるいはコンピュータ46からミキシング制御信号を受信すると、図9(b)に示す制御信号受信処理(PC)が起動され、ステップS40にて受信したミキシング制御信号に従って信号処理部25にパラメータが設定されて、信号処理部25におけるDSP他が制御される。これにより、マスターとされているコンピュータ43あるいはコンピュータ46におけるミキシング操作に従って、エンジン部2においてミキシング処理が行われるようになる。
【0054】
つぎに、コンピュータ43あるいはコンピュータ46がマスターとされている場合(MODE=2)に、マスターとされているコンピュータ43あるいはコンピュータ46が、エンジン部2あるいは制御信号入力端子からMIDI信号を受信した際に実行されるMIDI信号受信処理(MIDI端子orエンジン部)のフローチャートを図10に示す。
上述したMODE=2とされた場合に、マスターとされているコンピュータ43あるいはコンピュータ46が、エンジン部2におけるMIDI信号受信処理(MIDI端子)により送出されたMIDI信号、あるいはコンソール部1に備えられた制御信号入力端子とされるMIDI端子からMIDI信号を受信すると、図10に示すMIDI信号受信処理(MIDI端子orエンジン部)が起動され、ステップS50にて受信されたMIDI信号の種類が判定される。ここで、MIDI信号がプログラムチェンジメッセージ(PrgCng)と判定されると、ステップS51に進んでプログラムチェンジメッセージにおけるプログラムナンバーに応じたシーン番号が設定されるシーン番号選択イベント再生処理が行われる。このシーン番号選択イベント再生処理では、コンソール1に設けられているシーン番号を選択するパネル操作子が操作された場合と同様の処理が行われる。次いで、ステップS52にて設定されたシーン番号の設定データがシーンメモリから読み出され、その設定データに応じたミキシング制御信号が生成されてエンジン部2に送出されるシーン切換イベント処理が行われる。そして、このMIDI信号受信処理は終了する。なお、エンジン部2が送出されたミキシング制御信号を受信すると、図9(b)に示す制御信号受信処理が実行されて、プログラムナンバーに応じたシーンに切り換えられるミキシング処理が行われるようになる。
【0055】
また、MIDI信号がノートオンメッセージ(NoteOn)と判定されると、ステップS53に進んでノートオンメッセージのノートナンバとベロシティの値に応じてマスターとされているコンピュータ43あるいはコンピュータ46における表示部に表示されている該ノートナンバで指定されたチャンネルのフェーダが、該ベロシティの値に応じて移動表示されるフェーダ操作イベント再生処理が行われるようになる。次いで、ステップS54にて該チャンネルのレベルを該フェーダの位置に応じて制御するミキシング制御信号が生成されてエンジン部2に送出されるフェーダ操作イベント処理が行われる。そして、このMIDI信号受信処理は終了する。
さらに、MIDI信号がその他のメッセージ(Other)と判定されると、ステップS55に進んで受信した該その他のメッセージに対応したその他処理が行われる。そして、このMIDI信号受信処理は終了する。
なお、MODE=2の場合にマスターとなっているコンピュータでは、ミキシング制御プログラムが起動されて実行されている。
【0056】
次に、エンジン部2およびコンソール部1において実行されるタイムコード受信処理のフローチャートを図11(a)(b)に示す。ただし、コンソール部1がマスターとされたMODE=1とされている通常状態のタイムコード受信処理とされている。
エンジン部2におけるタイムコード端子において、HDR45等からタイムコードが受信されると、図11(a)に示すタイムコード受信処理(TC端子)が起動され、ステップS60にて受信したタイムコードがコンソール部1に送出される。そして、このタイムコード受信処理は終了する。
【0057】
また、図11(a)に示すタイムコード受信処理によりエンジン部2から送出されたタイムコードがコンソール部1において受信された場合、あるいは、コンソール部1におけるタイムコード端子において、HDR42等からタイムコードが受信されると、図11(b)に示すタイムコード受信処理(TC端子orエンジン部)が起動され、ステップS70にてHDR42等から読み出されたミキシングデータ(タイムスタンプの付与されたコンソール部1の操作イベントデータのストリーム)に基づいてミキシング処理を自動動作させているか否かが判定される。ここで、自動動作中と判定されると、ステップS71に進んで受信されたタイムコードの示す時刻に対応したタイムスタンプの付与された操作イベントデータがあるか否かが判定される。次いで、ステップS72ではそのタイミングの操作イベントデータがあると判定された場合にステップS73に分岐し、ステップS73では当該操作イベントデータに応じたコンソール部1の操作イベントを再生するイベント再生が行われる。そして、再生された操作イベントに応じてコンソール部1の状態が変更され、対応するミキシング制御信号がエンジン部2へ送出される。これにより、HDR42等から読み出されたミキシングデータに基づいて、そのタイムコードに同期したミキシング処理を自動動作させることができる。また、タイムコードの示す時刻に操作イベントデータがないと判定された場合は、タイムコード受信処理は終了する。さらに、ステップS70にて自動動作中でないと判定された場合は、タイムコードに基づくミキシング処理を行う必要がないことから、タイムコード受信処理は終了するようになる。
【0058】
次に、エンジン部2の動作モードの設定処理について説明するが、本発明のディジタル・ミキシングシステムにおいて電源を投入した初期設定時には、コンソール部1がエンジン部2に接続されているか否かが判定されて、接続されていればエンジン部2の動作モードがMODE=1に設定される。また、コンソール部1がエンジン部2に接続されておらず、コンピュータがコンソール部1あるいはエンジン部2に接続されていると判定された場合は、エンジン部2の動作モードがMODE=2に設定される。さらに、コンソール部1がエンジン部2に接続されておらず、コンピュータがコンソール部1およびエンジン部2に接続されていないと判定された場合は、エンジン部2の動作モードがMODE=0に設定される。エンジン部2の動作モードがMODE=0に設定された場合は、全てのフェーダが限界まで絞られ、さらに全てのエフェクトがオフとされて、不要な音が出力されないようにされる。
【0059】
エンジン部2の動作モードは、そのときのディジタル・ミキシングシステムの状態により決定されるため、エンジン部2およびコンソール部1においてはタイマ割込により動作モードを設定する処理が行われて、適切な動作モードとなるようにされている。この場合、エンジン部2においては通信路L1,L2が接続されているか確認する図12に示すフローチャートの通信路確認処理(タイマ)が行われ、コンソール部1においてはコンソール部1の動作を確認する図13に示すフローチャートの動作確認処理(タイマ)が行われる。以下にその処理の説明を行う。
【0060】
エンジン部2において行われる通信路確認処理(タイマ)は、エンジン部2がコンソール部1により制御されている通常状態(MODE=1)において実行される。ここで、エンジン部2においてタイマ割込が発生すると、図12に示す通信路確認処理(タイマ)が起動され、ステップS80にて所定時間内において通信路L1,L2が接続されているか否か確認される。通信路の接続の有無は、ステップS81で判定され、通信路があり正常に接続されている場合はそのまま通信路確認処理は終了する。そして、通信路が接続されていないとステップS81で判定されると、ステップS82に分岐してコンピュータ46がエンジン部2に接続されているか否かが判定される。ここで、コンピュータ46がエンジン部2に接続されていると判定された場合は、ステップS83にてエンジン部2の動作モードがMODE=2に設定され、コンピュータ46がマスターとなったことがコンピュータ46に通知される。また、ステップS82にてコンピュータ46がエンジン部2に接続されていないと判断された場合は、ステップS84に分岐してエンジン部2の動作モードがMODE=0に設定される。この場合は、全てのフェーダが限界まで絞られ、さらに全てのエフェクトがオフとされて、不要な音が出力されないようにされる。なお、ステップS83あるいはステップS84の処理が終了すると、通信路確認処理は終了する。
【0061】
コンソール部1において行われる動作確認処理(タイマ)は、エンジン部2がコンソール部1により制御されている通常状態(MODE=1)において実行される。コンソール部1は、例えば電動フェーダ16やパネル操作子17をはじめとする種々のハードウェアおよびCPU11において実行されているソフトウェアプログラムの異常出力あるいは予期しない無応答等があった場合など、コンソール部1を構成する各種デバイスおよびプログラムが異常動作しているか否かを常時監視している。ここで、コンソール部1においてタイマ割込が発生すると、図13に示す動作確認処理(タイマ)が起動され、ステップS90にてコンソール部1のCPU11がタイマ割込周期の期間内において検出した異常の有無を確認する。所定時間内において異常が検出されない場合は、ステップS91にてNOと判定されてそのまま動作確認処理は終了する。
【0062】
そして、異常が検出された場合はステップS91においてYESと判定されて、ステップS92に分岐してコンピュータ43がコンソール部1に接続されているか否かが判定される。ここで、コンピュータ43がコンソール部1に接続されていると判定された場合は、ステップS93にてエンジン部2の動作モードがMODE=2に設定され、コンピュータ43がマスターとなったことがコンピュータ43およびエンジン部2に通知される。また、ステップS92にてコンピュータ43がコンソール部1に接続されていないと判断された場合は、ステップS94に分岐してエンジン部2の動作モードがMODE=0に設定される。この場合は、全てのフェーダが限界まで絞られ、さらに全てのエフェクトがオフとされて、不要な音が出力されないようにされる。なお、ステップS93あるいはステップS94の処理が終了すると、動作確認処理は終了する。さらに、コンソール部1はCPU11あるいは通信インタフェース14c自体に異常が発生した場合に備え、ハードウェアとしてフェイルセーフ機能を有する。例えば、通信インタフェース14cとコンピュータ接続インタフェース14dとは、電子スイッチなどで物理的に接続可能となっており、CPU11はこれらインタフェース間の接続がMODE=1の状態となるように上記動作確認処理の終了時に結線の更新を行い、CPU11に異常が発生しMODE=1状態の更新がなされない場合は、MODE=2の状態となるように自動的に結線が切り替えられる。また通信インタフェース14c自体に異常が発生した場合は、コンピュータ接続インタフェース14dが通信路L1に直接接続するよう自動的に結線が切り替えられる。
【0063】
なお、MODE=0とMODE=2の場合も、MODE=1の場合と同様にエンジン部2やコンソール部1の状態が常時チェックされており、その結果に応じて自動的にMODEが変更されるようになされている。具体的に述べると、MODE=0で動作中のエンジン部2が、該エンジン部2に正常に動作しているコンソール部1が接続されたことを検出した場合には、エンジン部2およびコンソール部1をMODE=1に設定する。また、MODE=0で動作中のエンジン部2が、該エンジン部2に正常に動作しているコンピュータ46が接続されたことを検出した場合には、エンジン部2およびコンピュータ46をMODE=2に設定する。さらに、MODE=2で動作中のエンジン部2が、該エンジン部2に正常に動作しているコンソール部1が接続されたことを検出した場合には、エンジン部2、コンソール部1およびコンピュータ46をMODE=1に設定する。
【0064】
以上の説明では、コンソール部1とエンジン部2とを接続している2本の通信路L1,L2に障害が発生した際、あるいは、コンソール部1に障害が発生した際に、エンジン部2に用意されたコンピュータ接続インタフェースにコンピュータ46を接続することにより、エンジン部2におけるミキシング処理を制御できると説明した。しかし、コンピュータ46によるエンジン部2におけるミキシング処理の制御は、エンジン部2のコンピュータ接続インタフェースにコンピュータ46を接続するだけで行うことができることから、コンソール部1や通信路L1,L2を用意することなくエンジン部2とコンピュータ46を用意するだけで簡易なディジタル・ミキシングシステムを構築することができることになる。従って、コンピュータ46によるエンジン部2におけるミキシング処理の制御は、コンソール部1や通信路L1,L2の障害時に限っておこなわれるものではなく、エンジン部2とコンピュータ46だけを用意して簡易に構築したディジタル・ミキシングシステムにおいても行われるものである。
【0065】
【発明の効果】
本発明は以上のように構成されているので、エンジン部に入力された制御信号は、通信路を介してコンソール部に送られるようになる。このため、コンソール部に制御信号が入力されても、エンジン部に制御信号が入力されても、いずれに入力された制御信号でもコンソール部がその制御信号に基づくミキシング制御信号を出力するようになる。これにより、エンジン部とコンソール部とにそれぞれ入力される制御信号に従って、一貫性を保持してエンジン部とコンソール部とがミキシングに関連する動作を行うようになる。
また、コンソール部にコンピュータ接続インタフェースを設けると共に、エンジン部にコンピュータ接続インタフェースを設けるようにすると、コンピュータ接続インタフェースに接続されたコンピュータによりミキシング制御プログラムを実行することにより、表示された多数のパネル操作子を画面上で操作することにより、エンジン部におけるミキシング処理をリモートコントロールすることができるようになる。これにより、通信路が切断された場合は、エンジン部のコンピュータ接続インタフェースに接続されたコンピュータにより、エンジン部のミキシング処理を制御することができるようになる。また、コンソール部に障害が発生した場合は、コンソール部のコンピュータ接続インタフェースに接続されたコンピュータにより、通信路を介してエンジン部のミキシング処理を制御することができるようになる。
【0066】
さらに、コンソール部あるいはエンジン部のコンピュータ接続インタフェースに接続されたコンピュータがバージョンアッププログラムを実行した際に、コンソール部とエンジン部とにおけるそれぞれの不揮発性メモリに格納されている動作ソフトウェアが書き換えられるようになされている。これにより、外部接続されたコンピュータによりバージョンアッププログラムを実行するだけで、コンソール部とエンジン部との動作ソフトウェアを統一的にバージョンアップすることができるようになる。また、入力ユニットや出力ユニットが設けられている場合は、入力ユニットおよび出力ユニットの動作ソフトウェアも同時にバージョンアップされ、ディジタル・ミキシングシステムにおける動作ソフトウェアを統一的にバージョンアップすることができる。
なお、バージョンアップするに際して既存の動作ソフトウェアのバージョンをチェックし、バージョンアップするとバージョンが新しくなる場合にだけバージョンアップするようにしてもよい。
【0067】
さらにまた、ステージ・スピーカからの放音が、コンソール部のオペレータに届くに要する時間だけモニタ信号を遅延するようにしたので、ステージ・スピーカから放音された音とモニタ・スピーカから放音された音とが、ほぼ同時にオペレータに届くようになる。これにより、オペレータはステージ・スピーカから放音される音を調整するミキシング操作を、モニタ・スピーカから放音される調整段階のモニタ音と聴き較べながらミキシング操作することができるようになる。さらにまた、コンソール部とステージ間の連絡を行うための専用信号系列を備えるようにしたので、入力チャンネルのリソースが低減されることを極力防止することができる。さらに、この専用信号系列上に出力する音声レベルが一定レベルを超えた際に、専用信号系列に音声を出力すると共に、モニタ・スピーカから放音されるモニタ音のレベルを絞るようにしたので、モニタ音により連絡用の音声がかき消されるおそれを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態のディジタル・ミキシングシステムをコンサートホールに設置した際の概略構成を示すブロック図である。
【図2】 本発明の実施の形態のディジタル・ミキシングシステムをコンサートホールに設置した状態を示す図である。
【図3】 本発明の実施の形態にかかるディジタル・ミキシングシステムのコンソール部の構成を示すブロック図である。
【図4】 本発明の実施の形態にかかるディジタル・ミキシングシステムのエンジン部の構成を示すブロック図である。
【図5】 本発明の実施の形態にかかるディジタル・ミキシングシステムにおけるエンジン部の等価的なハードウェア構成を示す図である。
【図6】 本発明の実施の形態にかかるディジタル・ミキシングシステムにおけるエンジン部の入力モジュールおよび出力モジュールの構成を示す図である。
【図7】 本発明の実施の形態にかかるディジタル・ミキシングシステムにおいて、MIDI信号がエンジン部に供給された際に実行されるMIDI信号受信処理(MODE=1)と、エンジン部が制御信号を受信した際に実行される制御信号受信処理(MODE=1)のフローチャートである。
【図8】 本発明の実施の形態にかかるディジタル・ミキシングシステムにおいて、コンソール部がMIDI信号を受信した際に実行するMIDI信号受信処理(MODE=1)のフローチャートである。
【図9】 本発明の実施の形態にかかるディジタル・ミキシングシステムにおいて、MIDI信号がエンジン部に供給された際に実行されるMIDI信号受信処理(MODE=2)と、コンピュータが制御信号を受信した際に実行される制御信号受信処理(MODE=2)のフローチャートである。
【図10】 本発明の実施の形態にかかるディジタル・ミキシングシステムにおいて、コンピュータがMIDI信号を受信した際に実行するMIDI信号受信処理(MODE=2)のフローチャートである。
【図11】 本発明の実施の形態にかかるディジタル・ミキシングシステムにおいて、エンジン部およびコンソール部がタイムコードを受信した際に実行するタイムコード受信処理(MODE=1)のフローチャートである。
【図12】 本発明の実施の形態にかかるディジタル・ミキシングシステムにおいて、エンジン部が実行する通信路確認処理のフローチャートである。
【図13】 本発明の実施の形態にかかるディジタル・ミキシングシステムにおいて、コンソール部が実行する動作確認処理のフローチャートである。
【図14】 本発明の実施の形態にかかるディジタル・ミキシングシステムにおいて、バージョンアップする際の動作フローを示す図である。
【符号の説明】
1 コンソール部、2 エンジン部、11 CPU、12 フラッシュメモリ、13 RAM、14a 波形データインタフェース、14b データインタフェース、14c 通信インタフェース、14d コンピュータ接続インタフェース、14e その他のインタフェース、15 表示器、16 電動フェーダ、17パネル操作子、18 バス、21 CPU、22 フラッシュメモリ、23 RAM、24a 通信インタフェース、24b データインタフェース、24c第2のデータインタフェース、24d 第2の通信インタフェース、24e コンピュータ接続インタフェース、24f その他のインタフェース、25 信号処理部、26 バス、31 ADユニット、32 DIOユニット、33 DAユニット、41 MIDIシーケンサ、42 HDR、43 コンピュータ、44 MIDIシーケンサ、45 HDR、46 コンピュータ、51 入力ユニット、52 内蔵エフェクタ、53 内蔵イコライザ、54 専用チャンネル、55 入力パッチ、56 入力チャンネル部、57 ステレオ入力チャンネル部、58 ミキシングバス、59 ステレオバス、60 キュー信号バス、61ステレオ出力チャンネル部、62 ミキシング出力チャンネル部、63 マトリックス出力チャンネル部、64 出力パッチ、65 出力ユニット、66 ゲート回路、67 レベル検出器、68 トークバック入力部、69 パネル入力部、70 モニタ用セレクタ、71 モニタ用ミキサ、72 ディレイ回路、73 バッファアンプ、74 ミキサ、75 モニタ用DA変換部、80 デエンファシス、81 HPF、82 4バンドPEQ、83 GATE、84 COMP、85 DELAY、86 フェーダ、87 6バンドPEQ、88 COMP、89 DELAY、90 フェーダ、101 モニタ・スピーカ、102ステージ・スピーカ、L1,L2 通信路

Claims (1)

  1. 複数の入力信号系列と、複数の出力信号系列とを有し、前記複数の入力信号系列をミキシング処理して前記複数の出力信号系列に出力するディジタル・ミキシングシステムであって、
    ミキシング処理に関するパラメータの入力を行う多数のパネル操作子と、パネル操作子の操作に応じてミキシング制御信号を出力する第1制御手段を備えたコンソール部と、
    前記コンソール部に接続され、前記複数の入力信号系列からの入力信号をミキシングして前記複数の出力信号系列にミキシング信号として出力する前記ミキシング処理と、該ミキシング処理の処理中の信号のうちの少なくとも1つの信号を選択し、該選択された信号をモニタ信号として出力するモニタ処理とを行う処理手段と、前記コンソール部から供給される前記ミキシング制御信号に基づいて前記ミキシング処理および前記モニタ処理を制御する第2制御手段とを備えたエンジン部とを備えており、
    前記ミキシング信号の少なくとも一部のミキシング信号は、前記エンジン部の近傍に配置されたステージ・スピーカで再生される信号であると共に、前記モニタ信号は、前記コンソール部の近傍に配置されたモニタ・スピーカで再生される信号であり、
    前記エンジン部の処理手段におけるモニタ処理は、さらに、前記エンジン部の近傍の音声信号を入力する連絡用信号系列を有しており、前記連絡用信号系列に入力する音声信号のレベルが所定レベル以上であるとき、前記選択された信号のレベルを減少させると共に前記連絡用信号系列の音声信号と混合し、混合された信号をモニタ信号として出力するようにされており、また、前記コンソール部の前記パネル操作子には、前記モニタ処理における前記選択された信号の遅延時間を制御するための専用操作子が含まれていることを特徴とするディジタル・ミキシングシステム。
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