JP3887950B2 - 走間ロールクロス角・ロールベンド力変更方法及びその装置 - Google Patents
走間ロールクロス角・ロールベンド力変更方法及びその装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3887950B2 JP3887950B2 JP15637298A JP15637298A JP3887950B2 JP 3887950 B2 JP3887950 B2 JP 3887950B2 JP 15637298 A JP15637298 A JP 15637298A JP 15637298 A JP15637298 A JP 15637298A JP 3887950 B2 JP3887950 B2 JP 3887950B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- roll
- rolling
- cross
- angle
- cross angle
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Control Of Metal Rolling (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、タンデムに並べた複数の圧延スタンドの内の少なくとも1台に、金属帯を圧延する一対の圧延ロールを、金属帯と平行をなす面内で互いに交差するように設けたクロスロール式圧延スタンドを配してなるクロスロール方式タンデム圧延機によって金属帯を連続的に圧延する間に、前記両圧延ロールのクロスロール角及びロールベンド力を変更する方法及びその実施に使用する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
金属帯のクラウン及び平坦度等の形状は製品品質に大きな影響を与えるため、これを高精度に制御することが重要である。金属帯を所要の形状に圧延すべく、タンデムに並べた複数の圧延スタンドの内の少なくとも1台にクロスロール式圧延スタンドを配してなるクロスロール方式タンデム圧延機が用いられている。
【0003】
このクロスロール方式タンデム圧延機による金属帯の圧延を制御すべく、特公昭63−35325 号公報に次のような方法が開示されている。圧延対象の金属帯の材質、長さ,幅,厚さ等の寸法仕様、各圧延スタンドにおける目標クラウン、圧延荷重、及び目標平坦度等に基づいて、最適なロールクロス角及びロールベンド力を演算し、得られた値になるようにロールクロス角及びロールベンド力を調整した後、前記金属帯の圧延を開始する。そして、圧延中、金属帯のクラウン及び平坦度を検出し、得られた実績クラウンと目標クラウンとの偏差及び実績平坦度と目標平坦度との偏差に基づいて、ロールクロス角及び/又はロールベンド力をフィードバック制御する。
【0004】
ところで、タンデム圧延機にあっては、寸法仕様が異なる複数のコイルのテールとトップとを接続してなる金属帯を対象とした連続圧延が実施されている。このような金属帯にあっては、金属帯の異なる寸法仕様の部分に対応して、目標クラウン及び目標平坦度を各別に定めておき、金属帯の各部分を対応する目標クラウン及び目標平坦度になるように圧延しなければならない。
【0005】
しかし、特公昭63−35325 号公報に開示された方法では、実績クラウンと目標クラウンとの偏差及び実績平坦度と目標平坦度との偏差に基づいて、ロールクロス角及び/又はロールベンド力をフィードバック制御するため、寸法仕様が異なる複数の部分を有する金属帯を連続的に圧延する場合、各部分の圧延開始からその部分を所定の形状に制御することができない。
【0006】
そのため、本出願人は特開平 4−351213号公報に、金属帯を構成する各部分の接続部位がクロスロール圧延スタンドを通過するタイミングに合わせて、ロールクロス角及びロールベンド力を変更する方法を提案した。ロールクロス角の変更は、金属帯の圧延対象の部分の形状を所要の形状に制御すべく行うが、機械的な制限により、変更を開始してから終了するまでに所定の時間を要するため、その間、形状制御の精度が低下する。一方、ロールベンド力は短時間で変更することができるため、ロールクロス角を変更すると共にロールベンド力を変更することによって、ロールクロス角を変更している間でも金属帯を所要の形状に圧延し、金属帯の各部分の形状をその圧延開始から高精度に制御することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、クロスロール方式タンデム圧延機では、上下ワークロールと金属帯との摩擦を低減すべく両者の間に潤滑油を介在させるが、金属帯の下面にあっては、重量及び機械的振動によって潤滑油が落下するため、金属帯と上ワークロールとの間の摩擦係数より、金属帯と下ワークロールとの間の摩擦係数の方が大きい。そのため、圧延中に金属帯が蛇行するという問題があった。
【0008】
図10は金属帯が蛇行する原理を説明する説明図であり、図中、1は金属帯である。矢符方向へ移送される金属帯1の移送域に臨ませて、上ワークロール51及び下ワークロール52が設けてある。両ワークロール51,52は、金属帯1の形状を所要の形状にすべく、両中心軸がなす角であるロールクロス角がθになるよう、両ワークロール51,52の中央でに互いに交差させてあり、上下ワークロール51,52は、金属帯1のパスラインに直交する基準軸Kと上ワークロール51の中心軸とがなす角である上クロス角、及び基準軸Kと下ワークロール52の中心軸とがなす角である下クロス角をそれぞれθ/2になしてある。
【0009】
このようなワークロール51,52の間に、基準軸Kに直交する方向から金属帯1を進入させて金属帯1の圧延を行う。金属帯1には、上ワークロール51から、上ワークロール51の中心軸に直交する方向へ上ワークロール51と金属帯1との摩擦係数に応じた推進力を有するベクトルy51が作用すると共に、下ワークロール52から、下ワークロール52の中心軸に直交する方向へ下ワークロール52と金属帯1との摩擦係数に応じた推進力を有するベクトルy52が作用し、金属帯1はベクトルy51及びベクトルy52を合成した合成ベクトルy50の方向へ移送される。
【0010】
前述した如く、金属帯1と上ワークロール51との間の摩擦係数より、金属帯1と下ワークロール52との間の摩擦係数の方が大きいのでベクトルy51<ベクトルy52であり、合成ベクトルy50の方向は、基準軸Kと直交する軸から下ワークロール52の中心軸に直交する軸側へ少し傾いている。そのため、特開平 4−351213号公報に開示した方法では、ロールクロス角を変更している間でも金属帯を所要の形状に圧延し得るものの、前述した合成ベクトルy50の傾きによって金属帯1が蛇行し、絞り込み破断といったトラブルが発生する虞があった。
【0011】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところはロールクロス偏角とロールクロス角との関係に基づいて、変更前後のロールクロス角に対応するロールクロス偏角をそれぞれ算出し、算出して得られた両ロールクロス偏角及び変更前後のロールクロス角を用いて、クロスロール式圧延スタンドに設けた両圧延ロールの回動量及び回動速度をそれぞれ求め、求めた回動速度それぞれにて各回動量になるように対応する圧延ロールをそれぞれ回動させることによって、圧延中にロールクロス角を変更する場合、金属帯の蛇行を防止することができる走間ロールクロス角・ロールベンド力変更方法及び実施に使用する装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
第1発明に係る走間ロールクロス角・ロールベンド力変更方法は、一対の圧延ロールを互いに交差させてなるクロスロール式圧延スタンドを含む複数の圧延スタンドがタンデムに配置してある圧延機で金属帯を連続的に圧延する間、前記両圧延ロールのロールクロス角を変更すると共に、ロールクロス角の変更に応じて両圧延ロールに与えるロールベンド力を変更する方法において、前記圧延ロールのクロスロール偏角とロールクロス角との関係を予め求めておき、該関係に基づいて、変更前後のロールクロス角に対応するロールクロス偏角をそれぞれ算出し、得られた両ロールクロス偏角及び変更前後のロールクロス角を用いて、前記両圧延ロールを金属帯と平行をなす面内で回動させる回動量及び回動速度をそれぞれ求め、求めた回動速度それぞれにて各回動量になるように対応する圧延ロールをそれぞれ回動させることを特徴とする。
【0013】
第2発明に係る走間ロールクロス角・ロールベンド力変更方法は、一対の圧延ロールを互いに交差させてなるクロスロール式圧延スタンドを含む複数の圧延スタンドがタンデムに配置してある圧延機で金属帯を連続的に圧延する間、前記両圧延ロールのロールクロス角を変更すると共に、ロールクロス角の変更に応じて両圧延ロールに与えるロールベンド力を変更する方法において、前記圧延ロールのクロスロール偏角とロールクロス角との関係を予め求めておき、該関係に基づいて、変更前後のロールクロス角に対応するロールクロス偏角をそれぞれ算出し、得られた両ロールクロス偏角及び変更前後のロールクロス角を用いて、前記両圧延ロールを金属帯と平行をなす面内で回動させる回動量をそれぞれ求め、求めた各回動量になるように対応する圧延ロールをそれぞれ回動させる一方、圧延スタンドに設けた一方の圧延ロールを回動させる第1回動速度を予め定め、該第1回動速度及び前記一方の圧延ロールの回動量に基づいて、該一方の圧延ロールを回動させるに要する時間を算出し、得られた時間及び他方の圧延ロールの回動量に基づいて、該他方の圧延ロールを回動させる第2回動速度を算出し、第1回動速度で前記一方の圧延ロールを回動させ、第2回動速度で前記他方の圧延ロールを回動させることを特徴とする。
【0014】
第3発明に係る走間ロールクロス角・ロールベンド力変更方法は、第2発明において、前記第1回動速度及び第2回動速度を用いて、ロールクロス角の変更中に付与すべきロールベンド力を経時的に演算し、得られた各ロールベンド力になるように前記両圧延ロールに与えるロールベンド力を変更することを特徴とする。
【0015】
第4発明に係る走間ロールクロス角・ロールベンド力変更方法は、第1乃至第3発明の何れかにおいて、前記金属帯の長手方向の特定位置を予め定め、該特定位置がクロスロール式圧延スタンドに達する前の適宜のタイミングで、ロールクロス角及びロールベンド力の変更を開始することを特徴とする。
【0016】
第5発明に係る走間ロールクロス角・ロールベンド力変更方法は、第1乃至第3発明の何れかにおいて、先行材と後行材とを連結してなる金属帯を用い、先行材及び後行材の連結部位がクロスロール式圧延スタンドに達する前の適宜のタイミングで、ロールクロス角及びロールベンド力の変更を開始することを特徴とする。
【0017】
第6発明に係る走間ロールクロス角・ロールベンド力変更装置は、一対の圧延ロールを互いに交差させてなるクロスロール式圧延スタンドを含む複数の圧延スタンドがタンデムに配置してある圧延機で金属帯を連続的に圧延する間、前記両圧延ロールのロールクロス角を回動機によって変更すると共に、ロールクロス角の変更に応じて両圧延ロールに与えるロールベンド力をベンダによって変更する装置において、前記圧延ロールのロールクロス偏角とロールクロス角との関係を予め設定しておき、該関係に基づいて、変更前後のロールクロス角に対応するロールクロス偏角をそれぞれ算出する手段と、得られた両ロールクロス偏角及び変更前後のロールクロス角を用いて、前記両圧延ロールを金属帯と平行をなす面内で回動させる回動量及び回動速度をそれぞれ求める手段と、求めた回動速度それぞれにて各回動量になるように対応する圧延ロールをそれぞれ回動させる指令を前記回動機へ出力する指令出力手段とを備えることを特徴とする。
【0018】
第7発明に係る走間ロールクロス角・ロールベンド力変更装置は、一対の圧延ロールを互いに交差させてなるクロスロール式圧延スタンドを含む複数の圧延スタンドがタンデムに配置してある圧延機で金属帯を連続的に圧延する間、前記両圧延ロールのロールクロス角を回動機によって変更すると共に、ロールクロス角の変更に応じて両圧延ロールに与えるロールベンド力をベンダによって変更する装置において、前記圧延ロールのロールクロス偏角とロールクロス角との関係を予め設定しておき、該関係に基づいて、変更前後のロールクロス角に対応するロールクロス偏角をそれぞれ算出する手段と、得られた両ロールクロス偏角及び変更前後のロールクロス角を用いて、前記両圧延ロールを金属帯と平行をなす面内で回動させる回動量をそれぞれ求める手段と、一方の圧延ロールを回動させる第1回動速度を予め定めておき、該第1回動速度及び前記一方の圧延ロールの回動量に基づいて、該一方の圧延ロールを回動させるに要する時間を算出する手段と、得られた時間及び他方の圧延ロールの回動量に基づいて、該他方の圧延ロールを回動させる第2回動速度を算出する手段と、求めた各回動量になるように対応する圧延ロールをそれぞれ回動させる指令及び第1回動速度で前記一方の圧延ロールを回動させ、第2回動速度で前記他方の圧延ロールを回動させる指令を回動機へ出力する指令出力手段とを備えることを特徴とする。
【0019】
第8発明に係る走間ロールクロス角・ロールベンド力変更装置は、第7発明において、前記第1回動速度及び第2回動速度を用いて、ロールクロス角の変更中に付与すべきロールベンド力を経時的に演算する手段と、得られた各ロールベンド力になるように前記両圧延ロールに与えるロールベンド力を変更させる指令を前記ベンダへ出力する手段とを備えることを特徴とする。
【0020】
以下、本発明の原理について説明する。
図6は、本発明の原理を説明する説明図であり、図中、1は金属帯である。矢符方向へ移送される金属帯1の移送域に臨ませて、上ワークロール51及び下ワークロール52が設けてある。両ワークロール51,52は、金属帯1の形状を所要の形状にすべくロールクロス角がθになるよう、両ワークロール51,52の中央でに互いに交差させてある。
【0021】
そして、上ワークロール51は上クロス角を(θ/2+α)になしてあり、下ワークロール52は、下クロス角を(θ/2−α)になしてあり、上下ワークロール51,52は、ロールクロス角を変更することなく、金属帯1と平行をなす面内でロールクロス偏角αだけ回動してある。
【0022】
このようなワークロール51,52の間に、基準軸Kに直交する方向から金属帯1を進入させて金属帯1の圧延を行う。金属帯1には、上ワークロール51から、上ワークロール51の中心軸に直交する方向へ上ワークロール51と金属帯1との摩擦係数に応じた推進力を有するベクトルy51が作用すると共に、下ワークロール52から、下ワークロール52の中心軸に直交する方向へ下ワークロール52と金属帯1との摩擦係数に応じた推進力を有するベクトルy52が作用し、金属帯1はベクトルy51及びベクトルy52を合成した合成ベクトルy50の方向へ移送される。
【0023】
前述した如く、金属帯1と上ワークロール51との間の摩擦係数より、金属帯1と下ワークロール52との間の摩擦係数の方が大きいのでベクトルy51<ベクトルy52であり、ロールクロス偏角αだけ上下ワークロール51,52を回動させない場合、合成ベクトルy50の方向は、基準軸Kと直交する軸から下ワークロール52の中心軸に直交する軸側へ少し傾く。しかし、ロールクロス偏角αだけ上下ワークロール51,52を回動させることによって、前述した傾きが解消され、合成ベクトルy50は、基準軸Kに直交する方向になるため、蛇行が防止される。
【0024】
本発明にあっては、図7に示した如く、ロールクロス角と、蛇行を防止するためのロールクロス偏角との関係を求め、該関係に基づいて、変更前後のロールクロス角θに対応するロールクロス偏角αをα=k・θ(k:ロールクロス角及び圧延荷重等の圧延条件によって金属体を構成するコイル毎に定められたパラメータ)の関係式によってそれぞれ算出する。そして、変更前後のロールクロス角及び対応する両ロールクロス偏角を用いて、クロスロール式圧延スタンドに設けた両圧延ロールの回動量をそれぞれ求める。
【0025】
ところで、前述したロールクロス角は、金属帯を所定の形状に圧延するに要するロールメカニカルクラウン量に等価な角度として計算されるが、ロールベンド力も、ロールメカニカルクラウン量に影響を及ぼすことが知られている。つまり、ロールクロス角及びロールベンド力が、次の(1)式の関係を満足する場合、金属帯を所定の形状に圧延することができる。
a0 +a1 ・FW +a2 ・θ2 =0 …(1)
但し、a0 :金属帯によって定まるパラメータ
a1 :金属帯によって定まるパラメータ
a2 :金属帯によって定まるパラメータ
FW :ロールベンド力
θ :ロールクロス角
【0026】
図8は、先行材と後行材とを連結してなる金属帯を連続圧延する場合のロールクロス角及びロールベンド力の関係を示すグラフであり、図中、縦軸はロールベンド力を、横軸はロールクロス角を示している。図8中、曲線LA は、先行材に係るロールクロス角及びロールベンド力の関係を示すグラフであり、曲線LB は、後行材に係るロールクロス角及びロールベンド力の関係を示すグラフである。図8から明らかな如く、曲線LA 及び曲線LB とも、ロールクロス角が大きくなるに従って、ロールベンド力が小さくなっている。
【0027】
先行材及び後行材を圧延する場合、最適ロールベンド力は、最大ロールベンド力FW,MAX 及び最小ロールベンド力FW,MIN の平均値である。これは、ロールベンド力を調整する幅が大きいからである。この最適ロールベンド力と曲線LA 及び曲線LB とが交わる点PA0,PB0に対応するθA ,θB が先行材及び後行材の最適ロールクロス角である。
【0028】
先行材の圧延から後行材の圧延に移行する場合、ロールクロス角をθA からθB に変更する。このとき、ロールクロス角の変更に伴って、ロールベンド力を、FW,A0(点PA0のロールベンド力)→FW,A1(点PA1のロールベンド力)→FW,B1(点PB1のロールベンド力)→FW,B0(点PB0のロールベンド力)に変更することによって、ロールクロス角の変更中にあっても、金属帯の形状を良好に維持することができる。また、両圧延ロールは、前述した如く求めた回動量になるように回動させる。これによって、ロールクロス角の変更に応じてロールクロス偏角が変更され、ロールクロス角の変更中に蛇行が発生することが防止される。
【0029】
ところで、変更前のロールクロス角及びロールクロス偏角,即ち先行材に係るロールクロス角及びロールクロス偏角をθA ,αA とし、変更後のロールクロス角及びロールクロス偏角,即ち後行材に係るロールクロス角及びロールクロス偏角をθB ,αB とすると、一方の圧延ロールの回動量は次の(2)式で表され、他方の圧延ロールの回動量は(3)式で表され、両回動量の差分は次の(4)式によって表される。
【0030】
通常、(4)式は零にならないため、クロスロール式圧延スタンドの両圧延ロールを同時的に回動開始し、両者を同じ速度で回動した場合、両圧延ロールの内の一方が他方より先に回動操作が終了する。この場合、次のように金属帯が蛇行する。
【0031】
図9は、一方の圧延ロールの回動操作より先に他方の圧延ロールの回動操作が終了した場合に発生する金属帯の蛇行を説明する説明図である。なお、図中、図6に示した部分に対応する部分には同じ番号を付してその説明を省略する。
【0032】
変更後のロールクロス角をθB 、ロールクロス偏角をαB とすべく、上ワークロール51をθB /2+αB の位置へ回動し、下ワークロール52をθB /2−αB の位置へ回動する。このとき、上ワークロール51と金属帯1との摩擦係数の方が、下ワークロール52と金属帯1との摩擦係数より小さいので、上ワークロール51の回動量の方が下ワークロール52の回動量より大きい。そのため、上ワークロール51及び下ワークロール52の回動を同時的に開始し、両者を同じ速度で回動した場合、下ワークロール52の回動が終了した時、上ワークロール51は(θB /2+αB −ε)の位置までしか回動されていない。
【0033】
このとき、図9に示した如く、上ワークロール51が金属帯1に与える推進力のベクトルy511 と、下ワークロール52が金属帯1に与える推進力のベクトルy52とを合成した合成ベクトルy501 は、基準軸Kより下ワークロール52の中心軸に直交する軸側へ偏っており、この偏りによって金属帯1が蛇行する。
【0034】
本発明にあっては、クロスロール式圧延スタンドの両圧延ロールのクロスロール角を変更する場合、一方の圧延ロールの回動速度を設定し、両圧延ロールの回動に要する時間が同じになるように、他方の圧延ロールの回動速度を算出し、その回動速度で他方の圧延ロールを回動させることで、前述した如き金属帯1の蛇行が防止される。
【0035】
本発明にあっては、両圧延ロールの回動速度を用いて、変更中のロールクロス角を経時的に算出することができ、その算出結果及び図8に示したグラフから、ロールクロス角の変更中に付与すべきロールベンド力を経時的に演算する。そして、ロールクロス角の変更中、前述した如く演算して得られたロールベンド力になるように両圧延ロールのロールベンド力を変更する。これによって、ロールクロス角の変更中、金属帯の形状を高精度に制御することができる。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて具体的に説明する。
図1は、本発明に係る装置の構成を示すブロック図であり、5台の圧延スタンドの内の3台をクロスロール式圧延スタンドになしてある。寸法仕様が異なる先行材Aと後行材Bとを連結部位Cで連結してなる金属帯1が矢符方向へ移送されており、金属帯1の移送域には上下一対のワークロール51,52及び両ワークロール51,52を挟持するバックアップロール61,62を備える5つのスタンド♯1〜♯5が適宜の間隔でタンデムに配置してある。
【0037】
第4及び第5スタンド♯4,♯5は、対をなすワークロール51,52及びバックアップロール61,62が金属帯1のパスラインに直交する基準軸に平行に配してあり、図示しない圧下装置によって、第4及び第5スタンド♯4,♯5における圧下位置が調整される。
【0038】
また、クロスロール式圧延スタンドである第1〜第3スタンド♯1〜♯3の上ワークロール51,51,51及び上バックアップロール61,61,61は上ロール回動装置11,12,13によって、また、第1〜第3スタンド♯1〜♯3の下ワークロール52,52,52及び下バックアップロール62,62,62は下ロール回動装置21,22,23によって、それぞれ各別に金属帯1と平行をなす面内で回動されるようになっている。上ロール回動装置11,12,13及び下ロール回動装置21,22,23は、クロス角制御装置3によって、上ワークロール51,51,51と前述した基準軸とがなす上クロス角、及び下ワークロール52,52,52と基準軸とがなす下クロス角が所要の角度になるように駆動制御される。
【0039】
第1〜第3スタンド♯1〜♯3の上下ワークロール51,52・51,52・51,52には、それらにベンド力を与えるベンダ31,32,33が設けてあり、ベンダ31,32,33は、上下ワークロール51,52・51,52・51,52に与えるベンド力を制御するベンド力制御装置4によって駆動制御されるようになっている。これら第1〜第3スタンド♯1〜♯3にも前述した圧下装置がそれぞれ設けてあり、各圧下装置によって各スタンド♯1〜♯3の圧下位置が調整される。
【0040】
また、先行材Aと後行材Bとの連結部位Cの位置は、トラッキング装置5によってトラッキングされており、トラッキング装置5は、連結部位Cが各スタンド♯1〜♯5に到達する直前に、前述したクロス角制御装置3及びベンド力制御装置4に上下クロス角及びロールベンド力の変更を開始させる指令を与える。
【0041】
クロス角制御装置3及びベンド力制御装置4には、金属帯1の先行材A及び後行材Bの寸法仕様,材質,各圧延スタンドにおける目標クラウン、目標平坦度、及び目標厚さ等の圧延情報が登録してある圧延情報データベース2から、当該金属帯1に係る圧延情報が与えられるようになっており、クロス角制御装置3は、与えられた圧延情報に基づいて、金属帯1の先行材A及び後行材Bに係るロールベンド力FW が1/2(FW,MAX +FW,MIN )になるように、ロールクロス角θA ,θB を第1〜第3スタンド♯1〜♯3それぞれに応じて算出する。
【0042】
クロス角制御装置3には、図7に示した如く、ロールクロス角θと最適ロールクロス偏角αとの関係式が予め設定してあり、該関係式を用いて各ロールクロス角θA ,θB に対応する最適ロールクロス偏角αA ,αB をそれぞれ求める。そして、クロス角制御装置3は、次の(5)式及び(6)式にロールクロス角θA ,θB 及び最適ロールクロス偏角αA ,αB を代入して、先行材Aの上クロス角ΘUP,A及び下クロス角ΘDW,Aをそれぞれ算出する。同様に、クロス角制御装置3は、次の(7)式及び(8)式にロールクロス角θA ,θB 及び最適ロールクロス偏角αA ,αB を代入して、後行材Bの上クロス角ΘUP,B及び下クロス角ΘDW,Bをそれぞれ算出する。
ΘUP,A=θA /2+αA …(5)
ΘUP,B=θB /2+αB …(6)
ΘDW,A=θA /2−αA …(7)
ΘDW,B=θB /2−αB …(8)
【0043】
また、クロス角制御装置3は、上ワークロール51を回動させる速度を例えば、その最大回動速度VUP,MAXに定め、次の(9)式に先行材A及び後行材Bの上クロス角ΘUP,A,ΘUP,B並びに最大回動速度VUP,MAXを代入し、ロールクロス角を変更する場合に、上ワークロール51を回動するに要する時間Tを算出する。
T={(θB /2+αB )−(θA /2+αA )}/VUP,MAX …(9)
【0044】
そして、クロス角制御装置3は、得られた時間T並びに先行材A及び後行材Bの下ロール角ΘDW,A,ΘDW,Bを次の(10)式に代入して下ワークロール52の回動速度VDWを算出する。
VDW={(θB /2−αB )−(θA /2−αA )}/T …(10)
【0045】
クロス角制御装置3は、下ワークロール52の回動速度VDWを算出すると、該回動速度VDW及び上ワークロール51の最大回動速度VUP,MAX、並びにロールクロス角θA ,θB を、ベンド力制御装置4に与える。
【0046】
ベンド力制御装置4には、先行材A及び後行材Bのロールベンド力FW,A0,FW,B0{FW,A0=FW,B0=1/2(FW,MAX +FW,MIN )}が設定してあり、ベンド力制御装置4は、両ロールベンド力FW,A0,FW,B0、並びにクロス角制御装置3から与えられた下ワークロール52の回動速度VDW及び上ワークロール51の最大回動速度VUP,MAXを次の(11)式及び(12)に代入して、ロールクロス角の変更を開始してから金属帯1の連結部位Cが圧延スタンドに達するまでのロールベンド力FW,A 、及び連結部位Cが圧延スタンドを通過してからロールクロス角の変更が終了するまでのロールベンド力FW,B を経時的に演算する。
但し、a1,A :先行材に係るパラメータ
a2,A :先行材に係るパラメータ
a1,B :後行材に係るパラメータ
a2,B :後行材に係るパラメータ
【0047】
クロス角制御装置3は、金属帯1の圧延に先立って、第1〜第3スタンド♯1〜♯3に応じて定めた上クロス角(θA /2+αA )及び下クロス角(θA /2−αA )にする回動指令を、第1〜第3スタンド♯1〜♯3の上ロール回動装置11,12,13及び下ロール回動装置21,22,23にそれぞれ与えて、第1〜第3スタンド♯1〜♯3のロールクロス角及びロールクロス偏角を先行材Aに応じた値に調整しておく。
【0048】
また、ベンド力制御装置4は、金属帯1の圧延に先立って、ロールベンド力FW,A0を付与する指令を、第1〜第3スタン1♯1〜♯3のベンダ31,32,33にそれぞれ与えて、第1〜第3スタンド♯1〜♯3のロールベンド力を調整しておく。
【0049】
クロス角制御装置3は、トラッキング装置5から第1〜第3スタンド♯1〜♯3に係る変更開始指令が与えられる都度、第1〜第3スタンド♯1〜♯3の上ロール回動装置11,12,13に、上クロス角変更量{(θB /2+αB )−(θA /2+αA )}及び最大回動速度VUP,MAXをそれぞれ与えると共に、下ロール回動装置21,22,23に、下クロス角変更量{(θB /2−αB )−(θA /2−αA )}及び回動速度VDWを与え、第1〜第3スタンド♯1〜♯3のロールクロス角及びロールクロス偏角を後行材Bに応じた値に変更させる。
【0050】
このようにロールクロス角の変更と共にロールクロス偏角も変更するため、後行材Bが蛇行することが防止される。また、上ワークロール51の回動速度VUP,MAXに応じて下ワークロール52の回動速度VDWが定めてあるため、上ワークロール51及び下ワークロール52の回動開始タイミングと回動終了タイミングとは同じであり、上ワークロール51及び下ワークロール52の回動中、金属帯1に蛇行が発生しない。
【0051】
また、ベンド力制御装置4は、トラッキング装置5から第1〜第3スタンド♯1〜♯3に係る変更開始指令が与えられる都度、上ワークロール51の回動速度VUP,MAX及び下ワークロール52の回動速度VDWに応じて経時的に演算したロールベンド力FW,A (t)及びロールベンド力FW,B (t)を第1〜第3スタンド♯1〜♯3のベンダ31,32,33に与え、各スタンド♯1〜♯3のロールベンド力を調整する。これによって、上ワークロール51及び下ワークロール52の回動中、金属帯1に形状不良が発生することが防止される。
【0052】
図2及び図3は、図1に示したクロス角制御装置3及びベンド力制御装置4による上下クロス角及びロールベンド力の制御手順を示すフローチャートである。クロス角制御装置3及びベンド力制御装置4は、圧延情報データベース2から先行材A及び後行材Bに係る情報及びパラメータ等の所要の情報を読み出し(ステップS1)、それを記憶する(ステップS2)。
【0053】
クロス角制御装置3は、第1〜第3スタンド♯1〜♯3について、記憶した情報に基づいて、先行材A及び後行材Bに係るロールベンド力FW が1/2(FW,MAX +FW,MIN )になるように、ロールクロス角θA ,θB をそれぞれ算出し(ステップS3)、図7に示した関係に基づいて、各ロールクロス角θA ,θB に対応するロールクロス偏角αA ,αB を求める(ステップS4)。
【0054】
クロス角制御装置3は、得られたロールクロス角θA ,θB 及びロールクロス偏角αA ,αB を(5)式〜(8)式に代入して、先行材A及び後行材Bに係る上クロス角ΘUP,A,ΘUP,B及び下クロス角ΘDW,A,ΘDW,Bを算出し、後行材Bの上クロス角ΘUP,Bから先行材Aの上クロス角ΘUP,Aを減算して上クロス角変更量を求め、後行材Bの下クロス角ΘDW,Bから先行材Aの下クロス角ΘDW,Aを減算して下クロス角変更量を求める(ステップS5,S6)。
【0055】
また、クロス角制御装置3は、上ワークロール51を回動させる速度を例えば、その最大回動速度VUP,MAXに定め(ステップS7)、(9)式に先行材A及び後行材Bの上クロス角ΘUP,A,ΘUP,B並びに最大回動速度VMAX を代入して前述した時間Tを算出する(ステップS8)。クロス角制御装置3は、得られた時間T並びに先行材A及び後行材Bの下ロール角ΘDW,A,ΘDW,Bを(10)式に代入して下ワークロール52の回動速度VDWを算出し(ステップS9)、該回動速度VDW及び上ワークロール51の最大回動速度VUP,MAX、並びにロールクロス角θA ,θB を、ベンド力制御装置4に与える。
【0056】
ベンド力制御装置4には、先行材A及び後行材Bのロールベンド力FW,A0,FW,B0{FW,A0=FW,B0=1/2(FW,MAX +FW,MIN )}が設定してあり、ベンド力制御装置4は、両ロールベンド力FW,A0,FW,B0、並びにクロス角制御装置3から与えられた下ワークロール52の回動速度VDW及び上ワークロール51の最大回動速度VUP,MAXを(11)式及び(12)式に代入して、ロールベンド力FW,A 及びロールベンド力FW,B を経時的に演算する(ステップS10)。
【0057】
金属帯1の圧延に先立って、クロス角制御装置3は、第1〜第3スタンド♯1〜♯3に応じて定めた上クロス角(θA /2+αA )及び下クロス角(θA /2−αA )にすべく回動指令をそれぞれ生成し、それらを第1〜第3スタンド♯1〜♯3の上ロール回動装置11,12,13及び下ロール回動装置21,22,23にそれぞれ与えて(ステップS11)、第1〜第3スタンド♯1〜♯3のロールクロス角及びロールクロス偏角を先行材Aに応じた値に調整しておく。また、ベンド力制御装置4は、ロールベンド力FW,A0を付与する指令を生成し、それを第1〜第3スタンド♯1〜♯3のベンダ31,32,33にそれぞれ与えて(ステップS12)、第1〜第3スタンド♯1〜♯3のロールベンド力を調整しておく。
【0058】
クロス角制御装置3及びベンド力制御装置4は、トラッキング装置5から第1〜第3スタンド♯1〜♯3に係る変更開始指令が与えられたか否かを判断し(ステップS13)、クロス角制御装置3は、それが与えられたと判断した場合、対応するスタンドの上ロール回動装置に、上クロス角変更量{(θB /2+αB )−(θA /2+αA )}及び最大回動速度VUP,MAXをそれぞれ与えると共に、下ロール回動装置に、下クロス角変更量{(θB /2−αB )−(θA /2−αA )}及び回動速度VDWを与え(ステップS14)、当該スタンドのロールクロス角及びロールクロス偏角を変更させる。
【0059】
また、ベンド力制御装置4は、トラッキング装置5から第1〜第3スタンド♯1〜♯3に係る変更開始指令が与えられたと判断した場合、経時的に演算したロールベンド力FW,A (t)及びロールベンド力FW,B (t)を対応するスタンドのベンダに与え(ステップS15)、そのスタンドのロールベンド力を調整する。
【0060】
なお、本実施の形態では、2つのコイルを連結してなる金属帯を用いた場合について説明してあるが、本発明はこれに限らず、1コイルの金属帯を用い、その長手方向の適宜部位が圧延スタンドを通過するタイミングに合わせて、上ワークロール及び下ワークロールを回動すると共にロールベンド力を調整するようになしてもよいことはいうまでもない。
【0061】
【実施例】
次に図1に示した装置によって金属帯を圧延した結果について説明する。
図4及び図5は、図1に示した装置で金属帯を圧延した場合の第1スタンドにおける結果を示すグラフであり、図4(a)は上クロス角の変更パターンを、(b)は下クロス角の変更パターンを示している。また、図4(c)はロールクロス角の変更パターンを示しており、(d)はロールベンド力の変更パターンを示している。一方、図5(e)は金属帯の形状を測定した結果を、(f)は金属帯の蛇行量を測定した結果をそれぞれ示している。なお、両図中、矢符は連結部位を示している。
【0062】
上ロール回動装置及び下ロール回動装置の最大回動速度は0.07deg /sec である。また、第1〜第3スタンドにあって、先行材に係る最適ロールクロス角は、それぞれ0.35deg ,0.28deg ,0.22deg であり、後行材に係る最適ロールクロス角は、それぞれ0.78deg ,0.63deg ,0.55deg であった。
【0063】
一方、第1〜第3スタンドにあって、最適ロールクロス偏角を求めるためのパラメータkは、それぞれ0.15,0.13,0.10であった。また、第1〜第3スタンドにあって、先行材に係るロールベンド力の算出に用いるパラメータa2,A /a1,A は、それぞれ286,281,275であり、後行材に係るロールベンド力の算出に用いるパラメータa2,B /a1,B は、それぞれ291,286,281であった。
【0064】
連結部位が第1スタンドを通過する前後で、図4(c)に示したようにロールクロス角を変更する場合、図4(a)及び(b)に示した如く、上クロス角及び下クロス角を変更することによって、ロールクロス角と共にロールクロス偏角を変更した。図示の如く、下クロス角の変更量は上クロス角の変更量より少ないが、上クロス角の変更速度(上ワークロールの回動速度)に応じて、下クロス角の変更速度(下ワークロールの回動速度)を定めて、上下クロス角の変更開始時期及び変更終了時期を一致させた。
【0065】
また、上下クロス角の変更に伴ってロールベンド力を変更する。このとき、図4(d)に示した如く、上下クロス角の変更速度に基づいて、変更開始してから連結部位が第1スタンドに到達するまでの間は、ロールベンド力を略25tfから略10tfまで除々に低減させ、連結部位が第1スタンドに到達するタイミングで、ロールベンド力を略40tfにジャンプさせ、連結部位が第1スタンドを通過してから変更が終了するまで、ロールベンド力を略25tfまで徐々に低減させた。
【0066】
その結果、図5(e)に示した如く、金属帯は、圧延方向の何れの箇所にあっても目標の形状に圧延されており、図5(f)に示した如く、蛇行が防止されていた。
【0067】
【発明の効果】
以上詳述した如く、本発明にあっては、ロールクロス角の変更に応じてロールクロス偏角が変更され、ロールクロス角の変更中に蛇行が発生することが抑制される。
【0068】
また、本発明にあっては、クロスロール式圧延スタンドの両圧延ロールのクロスロール角を変更する場合、一方の圧延ロールの回動速度を設定し、両圧延ロールの回動に要する時間が同じになるように、他方の圧延ロールの回動速度を算出し、その回動速度で他方の圧延ロールを回動させるため、ロールクロス角の変更中の金属帯の蛇行が防止される。
【0069】
更に、本発明にあっては、ロールクロス角の変更中、金属帯の蛇行を防止すると共に、金属帯の形状を高精度に制御することができる等、本発明は優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示したクロス角制御装置及びベンド力制御装置による上下クロス角及びロールベンド力の制御手順を示すフローチャートである。
【図3】図1に示したクロス角制御装置及びベンド力制御装置による上下クロス角及びロールベンド力の制御手順を示すフローチャートである。
【図4】図1に示した装置で金属帯を圧延した場合の第1スタンドにおける結果を示すグラフである。
【図5】図1に示した装置で金属帯を圧延した場合の第1スタンドにおける結果を示すグラフである。
【図6】本発明の原理を説明する説明図である。
【図7】ロールクロス角とロールクロス偏角との関係を示すグラフである。
【図8】先行材と後行材とを連結してなる金属帯を連続圧延する場合のロールクロス角及びロールベンド力の関係を示すグラフである。
【図9】一方の圧延ロールの回動操作より先に他方の圧延ロールの回動操作が終了した場合に発生する金属帯の蛇行を説明する説明図である。
【図10】金属帯が蛇行する原理を説明する説明図である。
【符号の説明】
1 金属帯
3 クロス角制御装置
4 ベンド力制御装置
11 上ロール回動装置
12 上ロール回動装置
13 上ロール回動装置
21 下ロール回動装置
22 下ロール回動装置
23 下ロール回動装置
31 ベンダ
32 ベンダ
33 ベンダ
51 上ワークロール
52 下ワークロール
61 上バックアップロール
62 下バックアップロール
A 先行材
B 後行材
C 連結部位
Claims (8)
- 一対の圧延ロールを互いに交差させてなるクロスロール式圧延スタンドを含む複数の圧延スタンドがタンデムに配置してある圧延機で金属帯を連続的に圧延する間、前記両圧延ロールのロールクロス角を変更すると共に、ロールクロス角の変更に応じて両圧延ロールに与えるロールベンド力を変更する方法において、
前記圧延ロールのクロスロール偏角とロールクロス角との関係を予め求めておき、該関係に基づいて、変更前後のロールクロス角に対応するロールクロス偏角をそれぞれ算出し、得られた両ロールクロス偏角及び変更前後のロールクロス角を用いて、前記両圧延ロールを金属帯と平行をなす面内で回動させる回動量及び回動速度をそれぞれ求め、求めた回動速度それぞれにて各回動量になるように対応する圧延ロールをそれぞれ回動させることを特徴とする走間ロールクロス角・ロールベンド力変更方法。 - 一対の圧延ロールを互いに交差させてなるクロスロール式圧延スタンドを含む複数の圧延スタンドがタンデムに配置してある圧延機で金属帯を連続的に圧延する間、前記両圧延ロールのロールクロス角を変更すると共に、ロールクロス角の変更に応じて両圧延ロールに与えるロールベンド力を変更する方法において、
前記圧延ロールのクロスロール偏角とロールクロス角との関係を予め求めておき、該関係に基づいて、変更前後のロールクロス角に対応するロールクロス偏角をそれぞれ算出し、得られた両ロールクロス偏角及び変更前後のロールクロス角を用いて、前記両圧延ロールを金属帯と平行をなす面内で回動させる回動量をそれぞれ求め、求めた各回動量になるように対応する圧延ロールをそれぞれ回動させる一方、
圧延スタンドに設けた一方の圧延ロールを回動させる第1回動速度を予め定め、該第1回動速度及び前記一方の圧延ロールの回動量に基づいて、該一方の圧延ロールを回動させるに要する時間を算出し、得られた時間及び他方の圧延ロールの回動量に基づいて、該他方の圧延ロールを回動させる第2回動速度を算出し、第1回動速度で前記一方の圧延ロールを回動させ、第2回動速度で前記他方の圧延ロールを回動させることを特徴とする走間ロールクロス角・ロールベンド力変更方法。 - 前記第1回動速度及び第2回動速度を用いて、ロールクロス角の変更中に付与すべきロールベンド力を経時的に演算し、得られた各ロールベンド力になるように前記両圧延ロールに与えるロールベンド力を変更する請求項2記載の走間ロールクロス角・ロールベンド力変更方法。
- 前記金属帯の長手方向の特定位置を予め定め、該特定位置がクロスロール式圧延スタンドに達する前の適宜のタイミングで、ロールクロス角及びロールベンド力の変更を開始する請求項1乃至3の何れかに記載の走間ロールクロス角・ロールベンド力変更方法。
- 先行材と後行材とを連結してなる金属帯を用い、先行材及び後行材の連結部位がクロスロール式圧延スタンドに達する前の適宜のタイミングで、ロールクロス角及びロールベンド力の変更を開始する請求項1乃至3の何れかに記載の走間ロールクロス角・ロールベンド力変更方法。
- 一対の圧延ロールを互いに交差させてなるクロスロール式圧延スタンドを含む複数の圧延スタンドがタンデムに配置してある圧延機で金属帯を連続的に圧延する間、前記両圧延ロールのロールクロス角を回動機によって変更すると共に、ロールクロス角の変更に応じて両圧延ロールに与えるロールベンド力をベンダによって変更する装置において、
前記圧延ロールのロールクロス偏角とロールクロス角との関係を予め設定しておき、該関係に基づいて、変更前後のロールクロス角に対応するロールクロス偏角をそれぞれ算出する手段と、得られた両ロールクロス偏角及び変更前後のロールクロス角を用いて、前記両圧延ロールを金属帯と平行をなす面内で回動させる回動量及び回動速度をそれぞれ求める手段と、求めた回動速度それぞれにて各回動量になるように対応する圧延ロールをそれぞれ回動させる指令を前記回動機へ出力する指令出力手段とを備えることを特徴とする走間ロールクロス角・ロールベンド力変更装置。 - 一対の圧延ロールを互いに交差させてなるクロスロール式圧延スタンドを含む複数の圧延スタンドがタンデムに配置してある圧延機で金属帯を連続的に圧延する間、前記両圧延ロールのロールクロス角を回動機によって変更すると共に、ロールクロス角の変更に応じて両圧延ロールに与えるロールベンド力をベンダによって変更する装置において、
前記圧延ロールのロールクロス偏角とロールクロス角との関係を予め設定しておき、該関係に基づいて、変更前後のロールクロス角に対応するロールクロス偏角をそれぞれ算出する手段と、得られた両ロールクロス偏角及び変更前後のロールクロス角を用いて、前記両圧延ロールを金属帯と平行をなす面内で回動させる回動量をそれぞれ求める手段と、一方の圧延ロールを回動させる第1回動速度を予め定めておき、該第1回動速度及び前記一方の圧延ロールの回動量に基づいて、該一方の圧延ロールを回動させるに要する時間を算出する手段と、得られた時間及び他方の圧延ロールの回動量に基づいて、該他方の圧延ロールを回動させる第2回動速度を算出する手段と、求めた各回動量になるように対応する圧延ロールをそれぞれ回動させる指令及び第1回動速度で前記一方の圧延ロールを回動させ、第2回動速度で前記他方の圧延ロールを回動させる指令を回動機へ出力する指令出力手段とを備えることを特徴とする走間ロールクロス角・ロールベンド力変更装置。 - 前記第1回動速度及び第2回動速度を用いて、ロールクロス角の変更中に付与すべきロールベンド力を経時的に演算する手段と、得られた各ロールベンド力になるように前記両圧延ロールに与えるロールベンド力を変更させる指令を前記ベンダへ出力する手段とを備える請求項7記載の走間ロールクロス角・ロールベンド力変更装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15637298A JP3887950B2 (ja) | 1998-06-04 | 1998-06-04 | 走間ロールクロス角・ロールベンド力変更方法及びその装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15637298A JP3887950B2 (ja) | 1998-06-04 | 1998-06-04 | 走間ロールクロス角・ロールベンド力変更方法及びその装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11347616A JPH11347616A (ja) | 1999-12-21 |
JP3887950B2 true JP3887950B2 (ja) | 2007-02-28 |
Family
ID=15626321
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15637298A Expired - Fee Related JP3887950B2 (ja) | 1998-06-04 | 1998-06-04 | 走間ロールクロス角・ロールベンド力変更方法及びその装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3887950B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4306001B2 (ja) * | 1999-03-26 | 2009-07-29 | Jfeスチール株式会社 | 板圧延における走間形状制御方法 |
US7163047B2 (en) | 2005-03-21 | 2007-01-16 | Nucor Corporation | Pinch roll apparatus and method for operating the same |
US7168478B2 (en) | 2005-06-28 | 2007-01-30 | Nucor Corporation | Method of making thin cast strip using twin-roll caster and apparatus therefor |
KR101149159B1 (ko) | 2009-07-24 | 2012-05-25 | 현대제철 주식회사 | 압연기의 벤더력 제어장치 및 방법 |
-
1998
- 1998-06-04 JP JP15637298A patent/JP3887950B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH11347616A (ja) | 1999-12-21 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6158260A (en) | Universal roll crossing system | |
EP1129796A2 (en) | Rolling method and rolling mill of strip for reducing edge drop | |
KR100241167B1 (ko) | 연속열간압연에 있어서의 강편접합부의 압연방법 | |
JPS59197309A (ja) | 高いプロフィル品質と平担度品質とを備えたストリップを造るための方法およびストリップタンデム圧延ライン | |
JP3887950B2 (ja) | 走間ロールクロス角・ロールベンド力変更方法及びその装置 | |
JP3254067B2 (ja) | エンドレス圧延における板クラウンの制御方法 | |
KR960013872B1 (ko) | 금속판표면의 광택부여방법 및 금속재의 냉간압연방법 | |
EP2366467A1 (en) | Rolling control method, rolling control apparatus and control program for a mandrel mill, and a method of manufacturing a seamless tube or pipe | |
JP2819202B2 (ja) | 走間ロールクロス角・ロールベンド力変更方法 | |
WO2024042936A1 (ja) | 冷間圧延方法及び冷間圧延設備 | |
JP2792743B2 (ja) | 20段圧延機及びその圧延方法 | |
JP2909608B2 (ja) | 走間ロールクロス角変更方法 | |
JP3397183B2 (ja) | 非対称u型鋼矢板の熱間圧延方法 | |
JP2899773B2 (ja) | 走間ロールクロス角変更装置 | |
JP2993414B2 (ja) | 熱間圧延における板プロフィル制御方法 | |
US4255954A (en) | Device for controlling shape of strip or sheet being rolled | |
JP3327212B2 (ja) | エッジドロップを抑制した冷間圧延法 | |
JP2996338B2 (ja) | ゼンジミア圧延機によるステンレス鋼板の圧延方法 | |
JP2695029B2 (ja) | 形鋼エッジャー圧延機 | |
JPS62158512A (ja) | 板圧延における形状制御方法 | |
JPH11342401A (ja) | 形鋼およびその製造方法 | |
JP2661495B2 (ja) | H形鋼のウエブ中心偏り制御圧延方法およびそのためのh形鋼誘導装置 | |
JP3396774B2 (ja) | 形状制御方法 | |
JP3804433B2 (ja) | 金属管圧延方法及び金属管圧延装置 | |
JPH0618651B2 (ja) | 薄鋼板の長手方向にわたる、幅方向板厚差制御方法と制御装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20041216 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20060731 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060808 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20060929 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20061107 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20061120 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101208 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101208 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111208 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111208 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121208 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131208 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131208 Year of fee payment: 7 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131208 Year of fee payment: 7 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |