JP3887446B2 - 流量計を有する流量調整弁 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、流量計を有する流量調整弁に関する。
【０００２】
【従来の技術】
導管部分を有するハウジングと、導管部分に対向して配置された筒状体と、ハウジングの内部に支承され、筒状体と同軸に配置された回転スピンドルとを具備し、回転スピンドルは、外部に対して密閉されている孔を有し、ばね支持部を有する位置表示ロッドがその孔の中へ突出し、このばね支持部と回転スピンドルのばね支持部との間に表示位置を固定するコイルばねが張り渡されており、回転スピンドルの作用によって終端位置に係止可能である弁閉鎖部材が設けられ、筒状体の中に配置された浮遊部材はコイルばねによってスタート位置に付勢されており、導管内の流れにより軸方向に摺動自在であるが、その位置を回転スピンドルの透明部分を通して外部から、目盛及び表示マークを含む表示手段で読取ることができ、筒状体は導管部分の中へ現れており、回転スピンドルは、スピンドルの回転によって筒状体の流出開口を直接に開閉する弁閉鎖部材を担持しており、浮遊部材と位置表示ロッドが共に弁閉鎖部材の中で軸方向に摺動自在に案内される流量計を有する流量調整弁が、ドイツ特許第３５０９７１８号で知られている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、流量計を有する上記した弁を、制約される全長を短縮できると同時に、表示手段の分解能を増大できるように、すなわち、より長い目盛を設けることができるように改良することを目的としている。流量計を有する弁の全長、すなわち、位置表示ロッドの方向への延び出し長さを短縮すると共に、表示手段の分解能を増大すると、１つには、その結果として、スペース条件が制約されている状況の下でも流量計を有するこの弁を使用でき、他方、測定される流量をより正確且つ容易に読取ることもできるため、上記のような改良は実際に非常に望まれている。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
本発明による流量計を有する弁は、回転スピンドルは、弁閉鎖部材が筒状体に位置して且つ回転自在である制御縁部を有する回転スライダとして構成されており、筒状体は、壁に、縁部が弁座を形成する貫通孔を有し、位置表示ロッドは回転スピンドルに対して回転不可能なように支承され且つ回転スリーブと、位置表示ロッドの軸方向運動が回転スリーブの回転運動に変換されるように連動結合し、回転スリーブは表示手段の一部を担持することを特徴としている。
図面に本発明の一実施形態を示す。
【０００５】
【発明の実施の形態】
以下、弁の構造を説明する。ハウジングは、ねじ３によって互いに螺合されている２つのハウジング部分１及び２を含む。ハウジング部分１は取入れ管４と、排出管５とを有する。ハウジングを通過する流れは矢印６の方向に起こる。従って、管４、５はハウジングの導管の一部を形成している。それに対して半径方向に、ハウジングの一部である筒状体７がある。ハウジング１から５の取入れ側に、筒状体７は貫通孔８を有する。筒状体７の排出側にも貫通孔１０があり、貫通孔１０の縁部９が弁座を形成する。ハウジング部分２はねじ３と共に、平坦な面に記号ダイヤル１１を有するキャップナットとして構成されている。
【０００６】
以下、本発明による流量計を説明する。筒状体７の中には、回転スピンドル１２が密封状態で回転自在に支承されている。この回転スピンドル１２も二分割構造であり、図１には交差斜線を付して示されている下部１３と、透明材料からなり、透明回転スライダとなる上部１４とから構成されている。２つの部分１３及び１４は、たとえば、刻み目を形成して、それらをかみ合わせるなどの係止手段によって、互いに回転しないように結合されている。２つの部分１３及び１４を互いに密封する働きをするのはＯリング１６であり、回転スピンドル１２を筒状体７の内部で密封する働きをするのは２つのＯリング１７及び１８である。回転スピンドル１２は外部に向かって密閉された孔１９を有する。
【０００７】
回転スピンドル１２の軸には、軸方向に摺動自在である位置表示ロッド２０が位置している。このロッドには板状の浮遊部材２１が固定されている。浮遊部材２１は回転スピンドル１２の内面から半径方向に離れている。また、一方の端部で浮遊部材２１のばね支持部２３により支持される引張りコイルばね２２が設けられている。ばね２２は他方の端部では回転スピンドルのばね支持部２４に当接している。位置表示ロッド２０は回転スピンドル１２の中で摺動自在ではあるが、スピンドルに対して回転しないように案内される。この目的のために、回転スピンドル１２の内周面に２つの真向かいに位置する長手方向リブ（カム）２５が設けられており、それらのリブは２つの、同様に真向かいに位置する浮遊部材２１の凹部（溝）（図示せず）の中へ突出し、それにより、浮遊部材はそれらのリブ２５を介して回転はしないが、軸方向に摺動自在であるように案内される。図１に交差する斜線を付して示されている回転スピンドル１２の部分１３は、たとえば、テフロン（ＰＴＦＥ）から製造されている。
【０００８】
設定されている課題を解決できるようにするために、回転スピンドル１２は回転スライダとして構成されており、このスライダの弁閉鎖部材は、排出管５の弁座９と協働することによって排出面積を制御する制御縁部２６（図２）を有する。位置表示ロッド２０は、その上端部に、２本の真向かいに位置するリンクピン２７を有する。位置表示ロッド２０は、その軸方向運動が回転スリーブ２８の回転運動に変換されるように、回転スリーブ２８と連動結合されている。この目的のために、回転ブシュは２つの螺旋状のリンク２９を有し、各々のリンクに１本のリンクピン２７が摺動自在に係合している。回転スリーブ２８の上方には、軸受ピン３１を有する板３０が設けられており、板３０と、軸受ピン３１もテフロンから製造できる。板３０は、指針として機能する表示マーク３２を有する（図３）。透明回転スライダ部分１４の平坦な面には、図３に示す目盛が付いており、指針３２によって約３．８ｌ／分の流量が表示される。すなわち、このスライダ部分１４は指針３２とともに表示手段を構成している。回転スライダ部分１４の周囲面には、軸方向に走る刻み目として形成された第２の表示マーク３３がさらに設けられており、図３ではダイヤル１１の記号「２」が表示されている。回転スリーブ２８の表示マーク３２がある平坦な面と、回転スライダの透明部分１４の最上部に位置する平坦な面と、記号目盛１１の平坦な面とは互いに平行である。
【０００９】
従って、図３には２つの表示マーカ３２及び３３と、２つの目盛とが明示されており、その一方の目盛は回転スライダ部分１４にあり、他方の目盛は記号ダイヤル１１にある。表示手段１４，３２にはｌ／分単位で弁を通る流量を表示する。もう一方の目盛を備えた記号ダイヤル１１と第２表示マーク３３とで構成される表示手段１１，３３は、弁がどの程度まで開いたかを表示する。前記ダイヤル１１の目盛は記号「１」で１／４の開きを表示し、記号「２」で１／２の開き、記号「３」で３／４の開き、記号「４」で４／４の開きを表示する。さらに、記号「０」は回転スライダの漏れの全くない位置を示す零の開きを表示する。記号ダイヤル１１には、点３４として示され、弁の開放の始まりの点を表示する付加的な記号もある。
【００１０】
図１の上方には、閉鎖キャップ３５が２つの異なる位置で示されている。右側の位置では、閉鎖キャップは機能する状態にある。すなわち、カム３６がハウジングの係止溝に入った状態にあるので、回転スピンドル１２（回転スライダ）を回転させることはできない。かみ合い部３７はキャップ３５と、回転スピンドル１２とを差し込み結合させる働きをする。図１の左側には裏返した位置のキャップ３５′が示されており、この状態にあるとき、キャップは回転スピンドル１２を回転させるためのハンドルとして機能する。
【００１１】
図３に示す表示手段１１，３３は弁９，２６（図２）の所望の開放の程度を設定する働き、すなわち、流通横断面１０を調整する働きをする。流量を変化させたいときには、弁の流通横断面を変化させるべきか又はポンプ圧力を変化させるべきかを判断することができる。
【００１２】
回転スピンドルは回転スライダとして構成されているので、スピンドルが回転しても、その結果として弁の高さが変化することはない。また、位置表示ロッドの軸方向運動は回転スリーブによって回転運動に変換されるので、この流量計が軸方向に延びることはない。さらに、全ての表示手段は平坦な面に位置しているので、流量計の高さ方向に対して横方向に見て、表示手段が流量計の全体の高さを増すことはなく、また、目盛をその円軌道に沿って十分に広げて、明確な表示を与えることができる。
【００１３】
本発明による流量計は様々な適用領域、たとえば、温水暖房装置、食品業界、化学工業及び農業などの分野で、液体の流量を調整するために使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 流量計を有する弁を示す縦断面図。
【図２】 弁のハウジングの排出管を図１の矢印Ａの方向に見た側面図。
【図３】 流量計を有する弁を示す平面図。
【符号の説明】
１，２…ハウジング部分、３…ねじ、４…取入れ管、５…排出管、７…筒状体、９…弁座、１０…貫通孔、１１…記号目盛、１２…回転スピンドル、１４…透明回転スライダ部分、１９…孔、２０…位置表示ロッド、２１…浮遊部材、２２…引張りコイルばね、２３，２４…ばね支持部、２５…リブ、２６…制御縁部、２７…リンクピン、２８…回転スリーブ、２９…リンク、３２…表示マーク（指針）、３３…表示マーク。

Claims (8)

1. 導管部分（４，５）を有するハウジング（１，２）と、導管部分（４，５）に対向して配置された筒状体（７）と、ハウジング（１，２）の内部に支承され、筒状体と同軸に配置された回転スピンドル（１２）とを具備し、回転スピンドル（１２）は、外部に対して密閉されている孔（１９）を有し、ばね支持部（２３）を有する位置表示ロッド（２０）がその孔（１９）の中へ突出し、このばね支持部（２３）と回転スピンドルのばね支持部（２４）との間に表示位置を固定するコイルばね（２２）が張り渡されており、回転スピンドル（１２）の作用によって終端位置に係止可能である弁閉鎖部材（１２，２６）が設けられ、筒状体（７）の中に配置された浮遊部材（２１）はコイルばね（２２）によってスタート位置に付勢されており、導管内の流れにより軸方向に摺動自在であるが、その位置を回転スピンドル（１２）の透明部分（１４）を通して外部から、目盛及び表示マーク（３２）を含む表示手段で読取ることができ、筒状体（７）は導管部分（３，４）の中へ突出し、回転スピンドル（１２）は、スピンドルの回転によって筒状体（７）の流出開口（１０）を直接に開閉する弁閉鎖部材（１２，２６）を担持しており、浮遊部材（２１）と位置表示ロッド（２０）が共に弁閉鎖部材（１２，２６）の中で軸方向に摺動自在に案内される流量計を有する流量調整弁において、回転スピンドル（１２）は、弁閉鎖部材が筒状体（７）にあって回転自在である制御縁部（２６）を有するような回転スライダとして構成され、筒状体（７）は、その壁に、縁部（９）が弁座を形成する貫通孔（１０）を有し、位置表示ロッド（２０）は回転スピンドル（１２）に対して回転不可能であるように支承され、且つ位置表示ロッド（２０）の軸方向運動が回転スリーブ（２８）の回転運動に変換されるように回転スリーブ（２８）と連動結合されており、回転スリーブ（２８）は表示手段の一部（３２）を支持していることを特徴とする流量計を有する流量調整弁。
2. 位置表示ロッド（２０）と回転スリーブ（２８）との間に、リンク（２９）と、そのリンクに沿って摺動自在に案内されるリンクピン（２７）とから構成される運動変換手段が設けられており、リンク（２９）は螺旋状であることを特徴とする請求項１記載の流量計を有する流量調整弁。
3. ２つの互いに真向かいに位置するリンク（２９）と、２本のリンクピン（２７）とが設けられていることを特徴とする請求項２記載の流量計を有する流量調整弁。
4. 回転スリーブ（２８）は平坦な面に表示マーク（３２）を有し且つ回転スライダ（１２，１４）は平坦な面で表示手段の目盛を支えていることを特徴とする請求項１から３のいずれか１項に記載の流量計を有する流量調整弁。
5. ハウジング（１，２）は平坦な面に記号目盛（１１）を有し、回転スライダ（１２）は記号目盛（１１）と協働する第２の表示マーク（３３）を有し、回転スリーブ（２８）と、回転スライダ（１２，１４）と、ハウジング（１，２）の３つの平坦な面は互いに平行に位置していることを特徴とする請求項４記載の流量計を有する流量調整弁。
6. 位置表示ロッド（２０）を回転スピンドル（１２）の中に回転不可能なように支承するために軸方向カム・溝案内部が設けられていることを特徴とする請求項１記載の流量計を有する流量調整弁。
7. 記号目盛（１１）は弁の１／４の開き、１／２の開き、３／４の開き、４／４の開き及び０の開きを表わす記号を含み、０の開きは回転スライダの漏れのない密封位置を表示することを特徴とする請求項５記載の流量計を有する流量調整弁。
8. 記号目盛（１１）は、弁の開き始め位置を表示する追加記号（３４）を有することを特徴とする請求項７記載の流量計を有する流量調整弁。

Images