JP3886848B2 - 高周波部品 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特にマルチバンド用移動無線端末に好適な高周波部品に関するものである。
【0002】
【従来技術】
近年、1台の携帯電話機内に2つ以上の送受信系を搭載するマルチバンド方式を採用した携帯電話機が提案されている。マルチバンド方式の携帯電話機は、地域性や使用目的等に合った送受信系を選択して送受信することができるようにした利便性の高い機器として期待されているものである。
【0003】
近年の欧州においては例えば、通信帯域の異なる複数の送受信系としてGSM方式/DCS方式の双方を搭載したデュアルバンド方式の携帯電話機が採用されている。
【0004】
この携帯電話機の高周波回路部には、通過帯域の異なる2つの送受信系を各送受信系GSM/DCSに分ける機能を有する高周波分波回路、送信系と受信系を切替える高周波スイッチ、送信電力増幅器により発生する高調波信号を減衰する低域通過フィルタを備えている。
【0005】
一方、携帯電話機のアンテナは機器の外部に露出しているため、高電圧の静電気あるいはサージなどが外部よりアンテナを通って機器の内部に入射し、内部の電子部品を破壊する恐れがある。
【0006】
そのため、回路構成上アンテナに近接する高周波回路部に対しては、高電圧の静電気あるいはサージを減衰する機能が期待される。
【0007】
このような静電気およびサージ対策として特開2001−44883号公報に提案されている。この公報においては、高周波回路部中の特に送受信切り換え用高周波スイッチにおいて静電気およびサージ対策を行っている。この高周波スイッチによれば、図3に示すように、アンテナ側の接続端子P1、送信側回路との接続端子P2、受信側回路との接続端子P3のそれぞれに接続する端子を有する回路であり、接続端子P1とP2との間の高周波信号経路にはダイオードD1が直列に、また分布定数線路SL1がグランドとの間に備えられている。
【0008】
接続端子P1とP3の間の高周波信号経路には分布定数線路SL2が直列に、またダイオードD2とコンデンサC4の直列回路がグランドとの間に備えられている。ダイオードD2とコンデンサC4の接続部には抵抗R1を介してダイオードD1およびD2のオン/オフを制御する直流電圧を供給する端子VCが備えられている。
【0009】
そして、接続端子P1、P2、P3の各端子部には、前記直流電圧を阻止するためのコンデンサC1、C2、C3を接続する高周波信号経路とグランドとの間にインダクタL1、L2、L3が備えられており、これらのインダクタによって、アンテナを通って入射する高電圧の静電気あるいはサージをグランドに導き、機器内部への入射量を減衰するものである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
携帯電話機の更なる安全性・信頼性の向上、あるいは、利用域の拡大のためにアンテナを通って入射する高電圧の静電気あるいはサージを更に減衰する必要があるが、上記の特開2001−44883号公報に記載されるようなインダクタを設ける方法では、前記高周波スイッチ回路の高周波信号経路とグランドとの間にインダクタの定数を低下させることでフィルタ機能を高め、アンテナを通って入射する高電圧の静電気、あるいはサージをグランドへ導く量を増加することが考えられる。
【0011】
しかしながら、この方法では、本来通過させるべき送受信回路の通過周波数帯域の高周波信号をも減衰させてしまう結果となり、低い挿入損失を得ることができないために、高電圧の静電気あるいはサージの減衰化においても限界があった。
【0012】
従って、本発明の目的は、挿入損失の増加を招くことなく、アンテナを通って入射する高電圧の静電気あるいはサージの機器内部への入射量を減衰することのできる高周波部品を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の高周波部品は、アンテナ側回路に接続された高域通過フィルタ機能を有する回路部分および低域通過フィルタ機能を有する回路部分からなる高周波分波回路と、該高周波分波回路の送受信回路側の接続端子のうち通過周波数帯域が高域側の接続端子に接続された高周波スイッチ回路および通過周波数帯域が低域側の接続端子に接続された高周波スイッチ回路とを含み、前記低域通過フィルタ機能を有する回路部分において高周波信号経路とグランドとの間にバリスタが設けられ、前記高域通過フィルタ機能を有する回路部分と前記高周波スイッチ回路との間において高周波信号経路とグランドの間にバリスタ設けられていることを特徴とするものである
また本発明の高周波部品は、アンテナ側回路に接続された高域通過フィルタ機能を有する回路部分および低域通過フィルタ機能を有する回路部分からなる高周波分波回路と、該高周波分波回路の送受信回路側の接続端子のうち通過周波数帯域が高域側の接続端子に接続された高周波スイッチ回路および通過周波数帯域が低域側の接続端子に接続された高周波スイッチ回路とを含み、前記低域通過フィルタ機能を有する回路部分において高周波信号経路とグランドとの間にバリスタが設けられ、前記高周波スイッチ回路の受信系の経路において高周波信号経路とグランドとの間にバリスタが設けられていることを特徴とするものである。
また本発明の高周波部品は、アンテナ側回路に接続された高域通過フィルタ機能を有する回路部分および低域通過フィルタ機能を有する回路部分からなる高周波分波回路と、該高周波分波回路の送受信回路側の接続端子のうち通過周波数帯域が高域側の接続端子に接続された高周波スイッチ回路および通過周波数帯域が低域側の接続端子に接続された高周波スイッチ回路とを含み、前記低域通過フィルタ機能を有する回路部分において高周波信号経路とグランドとの間にバリスタが設けられ、前記高域通過フィルタ機能を有する回路部分と前記高周波スイッチ回路との間において高周波信号経路とグランドとの間にバリスタが設けられ、前記高周波スイッチ回路の受信系の経路において高周波信号経路とグランドとの間にバリスタが設けられていることを特徴とするものである。
【0014】
バリスタは高電圧に対しては抵抗が低下し、低電圧に対しては高い抵抗を示す非線型素子である。このため、通過周波数帯域の挿入損失を低下させることなく、アンテナを通って入射する高電圧の静電気あるいはサージのみを選択的にグランドへ導き、機器内部への入射量を減衰することができる。
【0015】
また、高周波分波回路が高周波スイッチよりもアンテナ側に形成される回路構成の場合、特開2001−44883号公報に記載されたように高周波スイッチ回路に対してインダクタを設けるなどの対策を行った場合よりも、高周波分波回路に対して対策を行った方が少ない素子数の増加で大きな効果が得られる。なぜならば、アンテナからの信号経路はアンテナから遠ざかるにしたがって分岐するため、よりアンテナに近接した回路に対して対策を行った方が1素子当たりの効果が増大するからである。
【0016】
また低域通過フィルタは、高周波信号経路に直列に形成されたインダクタと高周波信号経路とグランドの間に接続されたコンデンサ素子で構成されるが、バリスタを特に低域通過フィルタ機能を有する回路部分に用いることによって、前記コンデンサ素子のすべて、あるいは一部のかわりにバリスタの端子間容量を利用することが可能となるために、コンデンサ素子が不要となる、あるいはコンデンサ形成のための占有面積を削減することができる。
【0017】
かかる観点から、前記バリスタの端子間静電容量の値としては、特に3pF以下であることが望ましい。なぜならば、マイクロ波帯で使用される分波回路に含まれる低域通過フィルタで用いられる信号経路とグランドとの間に接続されるコンデンサの静電容量としては3pF以下のものが多く用いられるからである。3pF以下の端子間容量をもつバリスタを用いることで、分波回路に含まれる低域通過フィルタで用いられる信号経路とグランドとの間に接続されるコンデンサの働きを兼ね備えることが可能となり、高周波分波回路全体としての小型化、および低コスト化が実現できる。
【0018】
ンテナを通って入射する高電圧の静電気、あるいはサージは、携帯電話機の通過周波数帯域で用いられるマイクロ波帯域に比べて低い周波数を中心に分布する。そのため、複数の送受信回路とそのアンテナ側回路との間に各送受信回路の通過周波数帯域の高周波信号を通過させる高周波分波回路においては、アンテナを通って入射する高電圧の静電気あるいはサージは、前記各送受信回路のうち通過周波数帯域の低い送受信回路への入射量が最も大きい。そこで、バリスタを前記送受信回路のうち通過周波数帯域の低い送受信回路とアンテナ端子との間の部分の高周波信号経路とグランドとの間に電気的に接続することにより、前記分波回路をもつ携帯電話機の高電圧の静電気あるいはサージへの耐性の効果を最大限に得ることができる。
【0019】
また、本発明の高周波部品における高周波分波回路は、アンテナ側回路と低域通過フィルタ機能を有する回路部分との間において高周波信号経路とグランドの間に電気的に接続されるインダクタが設けられていることが望ましい。インダクタは低周波信号を通過させ、高周波信号を減衰させる機能を有する素子である。一方、アンテナより入射する高電圧の静電気やサージはマイクロ波帯に比べて低い周波数を中心に分布する。したがって、高周波信号経路とグランドの間に電気的に接続されるインダクタを備えることで、アンテナより入射した高電圧の静電気やサージの大部分をグランドへと導くことが可能となる。
【0020】
また、本発明によれば、前記インダクタを高域通過フィルタ機能を有する回路部分に設けることが望ましい。高域通過フィルタは、信号経路に直列に形成されたコンデンサ素子と信号経路とグランドの間に接続されたインダクタで構成される。そこで、前記インダクタを前記高域通過フィルタの部分に形成することで高電圧の静電気やサージに対する対策と高域通過フィルタの機能を1つの素子で兼用することができる。
【0021】
また、上述したように、アンテナを通って入射する高電圧の静電気、あるいはサージは、携帯電話機の通過周波数帯域で用いられるマイクロ波帯域に比べて低い周波数を中心に分布する。そのため、複数の送受信回路とそのアンテナ側回路との間に各送受信回路の通過周波数帯域の高周波信号を通過させる高周波分波回路においては、アンテナを通って入射する高電圧の静電気あるいはサージは、前記各送受信回路のうち通過周波数帯域のより低い送受信回路への入射量がより大きい。そこで、前記インダクタを複数の送受信回路のうち通過周波数帯域の最も低い送受信回路とアンテナ端子との間の部分の高周波信号経路とグランドとの間に電気的に接続することにより、前記分波回路をもつ携帯電話機の高電圧の静電気あるいはサージへの耐性の効果を最大限に得ることができる。
【0022】
次に、本発明の高周波部品における高周波スイッチ回路は、受信系の経路において高周波信号経路とグランドの間にバリスタ設けられていることを特徴とするものである。上述のように、バリスタは高電圧に対しては抵抗が低下し、低電圧に対しては高い抵抗を示す非線型素子であるため、通過周波数帯域の挿入損失を低下させることなく、アンテナを通って入射する高電圧の静電気、あるいはサージのみを選択的にグランドへ導き、機器内部への入射量を減衰することができる。
【0023】
また、本発明の高周波部品における高周波スイッチ回路によれば、前記送信回路にアノードが接続され、前記アンテナ側回路にカソードが接続されたダイオードを備え、また前記受信回路と前記アンテナ側回路と電気的に接続された分布定数線路を備え、前記分布定数線路の途中にインピーダンス変換用フィルタを備えており、前記インピーダンス変換用フィルタの高周波信号経路とグランドとの間にバリスタを設けたことを特徴とする。
【0024】
前記インピーダンス変換用フィルタの高周波信号経路とグランドとの間にバリスタを接続することによって、特に、アンテナから受信回路側への静電気あるいはサージを減衰させることが可能となる。さらに、前記インピーダンス変換用フィルタに、高周波信号経路とグランドとの間のコンデンサがもともと形成されていた場合、バリスタを上記箇所に設けることにより、その端子間容量が上記インピーダンス変換用フィルタのコンデンサと並列位置に形成されるために、このコンデンサを削減あるいは縮小することが可能となり、基板内に形成されたインピーダンス変換用フィルタの占有面積を縮小することが可能となる。
【0025】
また、本発明の高周波部品は、高周波スイッチ回路の送信系の経路と送信回路との間において高周波信号経路とグランドとの間にバリスタが設けられていることを特徴とする。これにより、特に、アンテナから送信回路側への静電気あるいはサージを減衰させることが可能となる。さらに、高周波信号経路とグランドとの間にコンデンサがもともと形成されていた場合、バリスタを上記位置に備えることにより、その端子間容量が上記低域通過フィルタのコンデンサに並列に形成されるため、このコンデンサを削減あるいは縮小することが可能となり、基板内に形成された低域通過フィルタの占有面積を縮小することが可能となる。
【0027】
【発明の実施の形態】
図1に、この発明の一実施形態による高周波部品の全体回路図を示す。
【0028】
この高周波部品は、高周波分波回路DIP、送受信切替え用高周波スイッチ回路SW1、SW2、低域通過フィルタLPF2、LPF3、LPF4より構成されている。
【0029】
高周波分波回路DIPは、アンテナ端子ANT、および、送受信回路との接続端子P1、P2に接続する3端子対回路である。ここで、接続端子P1に接続する送受信回路の通過周波数帯域は、接続端子P2のそれより低いものとする。
【0030】
アンテナ端子ANTと接続端子P1の間の高周波信号経路には、P2側との位相調整のためのインダクタLG1が電気的に直列に備えられている。また、前記高周波信号経路とグランドとの間にはインダクタLG3が備えられている。さらに、前記高周波信号経路には、伝送線路SLG1、コンデンサCG1およびバリスタZG1、ZG2で構成された低域通過フィルタLPF1が電気的に直列に備えられている。
【0031】
一方、アンテナ端子ANTと接続端子P2の間の高周波信号経路には、コンデンサCD1、インダクタLD1、コンデンサCD3で構成された高域通過フィルタHPF1が備えられている。
【0032】
ここで、高電圧に対しては抵抗が低下し低電圧に対しては高い抵抗を示す非線型素子であるバリスタZG1、ZG2が、アンテナ端子ANTと接続端子P1の間の高周波信号経路とグランドとの間に電気的に接続されているため、アンテナより入射した高電圧の静電気あるいはサージはその大半がグランドへと導かれ、接続端子P1への入射量は抑制される。したがって、P1以降に接続された回路の破壊を防止することができる。
【0033】
また、バリスタZG1、ZG2の接続位置については、本実施例のように、アンテナ端子ANTと、接続端子P1との間、つまり、通過周波数帯域の最も低い送受信回路とアンテナとの間の高周波信号経路中にあることが望ましい。なぜならば、アンテナを通って入射する高電圧の静電気あるいはサージは、携帯電話機の通過周波数帯域で用いられるマイクロ波帯域に比べて低周波側を中心に分布することが多い。そのため、複数の送受信回路とアンテナとの間に各送受信回路の通過周波数帯域の高周波信号を通過させる高周波分波回路においては、アンテナを通って入射する高電圧の静電気あるいはサージは、前記各送受信回路のうち通過周波数帯域の最も低い送受信回路への入射量が最も大きい。そこで、バリスタを前記送受信回路のうち通過周波数帯域の最も低い送受信回路とアンテナ端子ANTとの間の部分の高周波信号経路とグランドとの間に電気的に接続することにより、前記分波回路をもつ携帯電話機の高電圧の静電気あるいはサージへの耐性の効果を最大限に得ることができる。
【0034】
また、バリスタZG1、ZG2には端子間電気容量が存在し、電気容量の値としては、現在、約2pF以上の値のものが好適に用いられる。そこで、バリスタZG1、ZG2を形成する位置と共に、この電気容量の値として最適な値を選択することで、高周波信号経路の任意の位置とグランドとの間に必要な電気容量を削減することができる。本実施例の場合は、バリスタZG1、ZG2がない場合に必要なコンデンサが削減できるため、表面実装部品の場合は表層の、内層パターンである場合は基板内部の占有面積を縮小することが可能であり、回路の小型化や低コスト化に寄与することができる。
【0035】
また、本実施の形態における高周波分波回路には、高周波信号経路とグランドの間に電気的に接続されるインダクタLD1が備えられているため、アンテナより入射した高電圧の静電気あるいはサージはその大半がグランドへと導かれ、接続端子P2への入射量は抑制される。したがって、P2以降に接続された回路の破壊を防止することができる。
【0036】
また、前記インダクタLD1は、高域通過フィルタHPF1の部分に用いられているため、静電気あるいはサージへの耐性を高める機能と高域通過フィルタの機能を兼用することができる。
【0037】
また、前記インダクタLD1の値としては特に82nH以下であることが望ましい。これより大きいと、信号を遮断する効果が過大となり、静電気あるいはサージをグランドへ導く効果が低くなりやすいためである。
【0038】
また、本実施の形態における高周波スイッチ回路SW1、SW2は、送信回路にアノードが接続され、前記アンテナ側回路にカソードが接続された第1のダイオードDD1、DG1を備え、受信回路と前記アンテナ側回路とに接続された分布定数線路SLD2、SLG2を備え、この分布定数線路SLD2、SLG2と、CD6、CG5との間にインピーダンス変換用フィルタLPF5、LPF6を備えている。
【0039】
そして、本発明によれば、前記インピーダンス変換用フィルタLPF5、LPF6における高周波信号経路SLD3、SLG3とグランドとの間にバリスタZD3、ZD4、ZG3、ZG4を備えたことを特徴とする。
【0040】
具体的には、受信経路側に、電気的に直列に分布定数線路SLD3、SLG3が備えられ、その両端とグランドとの間に、それぞれバリスタZD3、ZD4、ZG3、ZG4が備えられている。このバリスタZD3、ZD4、ZG3、ZG4の機能により、アンテナより入射した高電圧の静電気あるいはサージの受信回路側への入射量がとくに抑制される。これらのバリスタは、付加する数に応じて、静電気あるいはサージに対する耐性の効果は増大する傾向に有るため、高周波部品として必要とされる耐性の度合いに応じて、付加するバリスタの数を調整することが望ましい。
【0041】
また、本実施の形態における低域通過フィルタLPF2、LPF3、LPF4の高周波信号経路SLD1、SLD4、SLG4とグランドの間には、それぞれ、バリスタZD1、ZD2、ZD5、ZD6、ZG5、ZG6が電気的に接続されているため、アンテナより入射した高電圧の静電気あるいはサージの送信回路側への入射量がとくに抑制される。
【0042】
本実施の形態で述べたバリスタ、インダクタは、付加する数に応じて、静電気あるいはサージに対する耐性の効果は増大する傾向に有るため、高周波部品として必要とされる耐性の度合いに応じて、付加するバリスタの数と位置を調整することが望ましい。
【0043】
なお、本発明によれば、前記高周波分波回路を構成するフィルタおよび接続線路、コンデンサ用電極、分布定数線路、グランド電極のいずれか、またはすべてを複数の誘電体層を積層してなる積層体の表面および内部に導体回路によって形成し、バリスタを前記積層体の表面に素子として搭載することによって高周波回路部品の小型化を図ることができる。また、インダクタは、上記積層体の表面に素子として搭載してもよいが、積層体に介挿された分布定数線路によって形成することによって小型化を図ることができる。
【0044】
【実施例】
実施例として、図1に示すGSM/DCSデュアルバンド方式の高周波部品においてバリスタZG1と、インダクタLD1のみを備え、LG1は備えず、バリスタZG2、ZG3、ZG4、ZG5、ZG6、ZD1、ZD2、ZD3、ZD4、ZD5、ZD6をすべてコンデンサで置き換えた場合を例に説明する。
【0045】
アンテナ端子ANTに、0〜300MHzの周波数を主成分とする±8KV、±16KVの静電気放電をそれぞれ入力した時の、GSM−RX端子に出力される電圧のピーク電圧幅(電圧最大値と電圧最小値の差)を調べた。
【0046】
図2に、ZG1がバリスタの場合とその端子間容量と同等な容量を備えるコンデンサに置き換えた場合との、それぞれの出力電圧のピーク電圧幅を示す。ピーク電圧幅の値は、±8KV入力においてZG1をその端子間容量と同等な容量を備えるコンデンサに置き換えた場合の値を1として規格化している。
【0047】
図2から、どちらの入力パルスの場合も、バリスタを用いた場合にはコンデンサを用いた場合に比べて出力電圧が約6割に縮小されていることがわかる。
【0048】
このことから、バリスタを設けることによって、部品点数の増加を招来することなく静電気放電に対する耐性を強くする効果が得られていることがわかる。
【0049】
以上のことから、本発明に関る高周波部品においては、アンテナ端子から静電気放電が入力した場合に、バリスタやインダクタの機能でその一部をグランドに導き、本高周波部品に接続されるSAWフィルタやパワーアンプ等の破壊を防ぐことが出来る。
【0050】
【発明の効果】
以上詳述した通り、本発明の高周波部品は、通過周波数帯域の異なる複数の送受信回路、およびアンテナの間に電気的に接続され、各前記送受信回路とアンテナとの間に各前記送受信回路の通過周波数帯域の高周波信号を通過させる高周波分波回路において、前記高周波分波回路の高周波信号経路とグランドの間に電気的に接続されるバリスタを備えることにより、通過周波数帯域の挿入損失を低下させることなく、アンテナを通って入射する高電圧の静電気放電、あるいはサージのみを選択的にグランドへ導き、機器内部への入射量を減衰する効果が得られる。
【0051】
また、本発明の高周波部品は、前記バリスタが、前記高周波分波回路の部分で、特に前記送受信回路のうち通過周波数帯域の低い送受信回路とアンテナ端子との間の部分の高周波信号経路とグランドとの間に電気的に接続されることにより、前記分波回路をもつ携帯電話機の高電圧の静電気放電、あるいはサージへの耐性を最大限に得ることができ、また、バリスタの端子間電気容量が最適なものを選択することで、コンデンサ削減が可能となり、小型化の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる高周波部品の回路図である。
【図2】本実施例に係わる高周波部品と、従来の高周波部品の、それぞれのアンテナ端子に静電気を入力した場合におけるGSM−RX端子への出力信号のピーク電圧幅を示すグラフである。
【図3】従来の高周波部品の回路図である。
【符号の説明】
DIP・・・高周波分波回路
SW1、SW2・・・送受信切替えスイッチ回路
LPF1〜4・・・低域通過フィルタ
LPF5、LPF6・・・インピーダンス変換用フィルタ
HPF1・・・高域通過フィルタ
LG1〜3、LD1、LD2・・・インダクタ
ZG1〜6、ZD1〜6・・・バリスタ
CG1〜7、CD1〜8・・・コンデンサ
DG1、DG2、DD1、DD2・・・PINダイオード
RG1、RD1・・・抵抗
ANT・・・アンテナ端子
P1・・・GSM経路中の分波器と送受信回路の接続端子
P2・・・DCS経路中の分波器と送受信回路の接続端子

Claims (7)

  1. アンテナ側回路に接続された高域通過フィルタ機能を有する回路部分および低域通過フィルタ機能を有する回路部分からなる高周波分波回路と、該高周波分波回路の送受信回路側の接続端子のうち通過周波数帯域が高域側の接続端子に接続された高周波スイッチ回路および通過周波数帯域が低域側の接続端子に接続された高周波スイッチ回路とを含み、
    前記低域通過フィルタ機能を有する回路部分において高周波信号経路とグランドとの間にバリスタが設けられ、前記高域通過フィルタ機能を有する回路部分と前記高周波スイッチ回路との間において高周波信号経路とグランドとの間にバリスタ設けられていることを特徴とする高周波部品
  2. アンテナ側回路に接続された高域通過フィルタ機能を有する回路部分および低域通過フィルタ機能を有する回路部分からなる高周波分波回路と、該高周波分波回路の送受信回路側の接続端子のうち通過周波数帯域が高域側の接続端子に接続された高周波スイッチ回路および通過周波数帯域が低域側の接続端子に接続された高周波スイッチ回路とを含み、
    前記低域通過フィルタ機能を有する回路部分において高周波信号経路とグランドとの間にバリスタが設けられ、前記高周波スイッチ回路の受信系の経路において高周波信号経路とグランドとの間にバリスタが設けられていることを特徴とする高周波部品。
  3. アンテナ側回路に接続された高域通過フィルタ機能を有する回路部分および低域通過フィルタ機能を有する回路部分からなる高周波分波回路と、該高周波分波回路の送受信回路側の接続端子のうち通過周波数帯域が高域側の接続端子に接続された高周波スイッチ回路および通過周波数帯域が低域側の接続端子に接続された高周波スイッチ回路とを含み、
    前記低域通過フィルタ機能を有する回路部分において高周波信号経路とグランドとの間にバリスタが設けられ、前記高域通過フィルタ機能を有する回路部分と前記高周波スイッチ回路との間において高周波信号経路とグランドとの間にバリスタが設けられ、前記高周波スイッチ回路の受信系の経路において高周波信号経路とグランドとの間にバリスタが設けられていることを特徴とする高周波部品。
  4. 前記アンテナ側回路と前記低域通過フィルタ機能を有する回路部分との間において前記高周波信号経路とグランドの間にインダクタが設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか記載の高周波部品。
  5. 前記高周波スイッチ回路の前記送信系の経路にダイオードがアノードを送信回路側に向けて設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の高周波部品。
  6. 前記高周波スイッチ回路の送信系の経路と送信回路との間において前記高周波信号経路とグランドとの間にバリスタが設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の高周波部品
  7. 前記バリスタが前記高周波信号経路に直列に接続された分布定数線路の前段および後段のそれぞれに設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか記載の高周波部品
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