JP2003347962A - 高周波分波回路、高周波スイッチ回路、低域通過フィルタおよびそれらを具備する高周波部品 - Google Patents

高周波分波回路、高周波スイッチ回路、低域通過フィルタおよびそれらを具備する高周波部品

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JP2003347962A
JP2003347962A JP2002156283A JP2002156283A JP2003347962A JP 2003347962 A JP2003347962 A JP 2003347962A JP 2002156283 A JP2002156283 A JP 2002156283A JP 2002156283 A JP2002156283 A JP 2002156283A JP 2003347962 A JP2003347962 A JP 2003347962A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】通過周波数帯域の挿入損失を低下させることな
く、アンテナを通って入射する高電圧の静電気放電、あ
るいはサージのみを選択的にグランドへ導き、機器内部
への入射量を減衰する高周波分波回路を提供する。 【解決手段】通過周波数帯域の異なる複数の送受信回
路、およびアンテナに電気的に接続され、各送受信回路
とアンテナ端子ANTとの間に各送受信回路の通過周波
数帯域の高周波信号を通過させる高周波分波回路DIP
において、低域通過フィルタ機能を有する回路LPF1
における高周波分波回路の高周波信号経路とグランドの
間にバリスタZG1、ZG2を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高周波分波回路に関
し、特にマルチバンド用移動無線端末に好適な高周波分
波回路、高周波スイッチ回路、低域通過フィルタおよび
それらを具備する高周波部品に関するものである。
【0002】
【従来技術】近年、1台の携帯電話機内に2つ以上の送
受信系を搭載するマルチバンド方式を採用した携帯電話
機が提案されている。マルチバンド方式の携帯電話機
は、地域性や使用目的等に合った送受信系を選択して送
受信することができるようにした利便性の高い機器とし
て期待されているものである。
【0003】近年の欧州においては例えば、通信帯域の
異なる複数の送受信系としてGSM方式/DCS方式の
双方を搭載したデュアルバンド方式の携帯電話機が採用
されている。
【0004】この携帯電話機の高周波回路部には、通過
帯域の異なる2つの送受信系を各送受信系GSM/DC
Sに分ける機能を有する高周波分波回路、送信系と受信
系を切替える高周波スイッチ、送信電力増幅器により発
生する高調波信号を減衰する低域通過フィルタを備えて
いる。
【0005】一方、携帯電話機のアンテナは機器の外部
に露出しているため、高電圧の静電気あるいはサージな
どが外部よりアンテナを通って機器の内部に入射し、内
部の電子部品を破壊する恐れがある。
【0006】そのため、回路構成上アンテナに近接する
高周波回路部に対しては、高電圧の静電気あるいはサー
ジを減衰する機能が期待される。
【0007】このような静電気およびサージ対策として
特開2001−44883号公報に提案されている。こ
の公報においては、高周波回路部中の特に送受信切り換
え用高周波スイッチにおいて静電気およびサージ対策を
行っている。この高周波スイッチによれば、図3に示す
ように、アンテナ側の接続端子P1、送信側回路との接
続端子P2、受信側回路との接続端子P3のそれぞれに
接続する端子を有する回路であり、接続端子P1とP2
との間の高周波信号経路にはダイオードD1が直列に、
また分布定数線路SL1がグランドとの間に備えられて
いる。
【0008】接続端子P1とP3の間の高周波信号経路
には分布定数線路SL2が直列に、またダイオードD2
とコンデンサC4の直列回路がグランドとの間に備えら
れている。ダイオードD2とコンデンサC4の接続部に
は抵抗R1を介してダイオードD1およびD2のオン/
オフを制御する直流電圧を供給する端子VCが備えられ
ている。
【0009】そして、接続端子P1、P2、P3の各端
子部には、前記直流電圧を阻止するためのコンデンサC
1、C2、C3を接続する高周波信号経路とグランドと
の間にインダクタL1、L2、L3が備えられており、
これらのインダクタによって、アンテナを通って入射す
る高電圧の静電気あるいはサージをグランドに導き、機
器内部への入射量を減衰するものである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】携帯電話機の更なる安
全性・信頼性の向上、あるいは、利用域の拡大のために
アンテナを通って入射する高電圧の静電気あるいはサー
ジを更に減衰する必要があるが、上記の特開2001−
44883号公報に記載されるようなインダクタを設け
る方法では、前記高周波スイッチ回路の高周波信号経路
とグランドとの間にインダクタの定数を低下させること
でフィルタ機能を高め、アンテナを通って入射する高電
圧の静電気、あるいはサージをグランドへ導く量を増加
することが考えられる。
【0011】しかしながら、この方法では、本来通過さ
せるべき送受信回路の通過周波数帯域の高周波信号をも
減衰させてしまう結果となり、低い挿入損失を得ること
ができないために、高電圧の静電気あるいはサージの減
衰化においても限界があった。
【0012】従って、本発明の目的は、挿入損失の増加
を招くことなく、アンテナを通って入射する高電圧の静
電気あるいはサージの機器内部への入射量を減衰するこ
とのできる高周波分波回路、高周波スイッチ回路、低域
通過フィルタおよびそれらを具備する高周波部品を提供
することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の高周波分波回路
は、通過周波数帯域の異なる複数の送受信回路と、前記
複数の送受信回路のアンテナ側回路との両方に電気的に
接続され、各前記送受信回路とアンテナ側回路との間に
各前記送受信回路の通過周波数帯域の高周波信号を通過
させる高周波分波回路において、前記高周波分波回路の
高周波信号経路とグランドの間にバリスタを設けたこと
を特徴とする。
【0014】バリスタは高電圧に対しては抵抗が低下
し、低電圧に対しては高い抵抗を示す非線型素子であ
る。このため、通過周波数帯域の挿入損失を低下させる
ことなく、アンテナを通って入射する高電圧の静電気あ
るいはサージのみを選択的にグランドへ導き、機器内部
への入射量を減衰することができる。
【0015】また、高周波分波回路が高周波スイッチよ
りもアンテナ側に形成される回路構成の場合、特開20
01−44883号公報に記載されたように高周波スイ
ッチ回路に対してインダクタを設けるなどの対策を行っ
た場合よりも、高周波分波回路に対して対策を行った方
が少ない素子数の増加で大きな効果が得られる。なぜな
らば、アンテナからの信号経路はアンテナから遠ざかる
にしたがって分岐するため、よりアンテナに近接した回
路に対して対策を行った方が1素子当たりの効果が増大
するからである。
【0016】また、本発明の高周波分波回路において
は、前記バリスタが、前記高周波分波回路の部分で、低
域通過フィルタ機能を有する回路部分に設けることが望
ましい。低域通過フィルタは、信号経路に直列に形成さ
れたインダクタと信号経路とグランドの間に接続された
コンデンサ素子で構成されるが、バリスタを特に低域通
過フィルタ機能を有する回路部分に用いることによっ
て、前記コンデンサ素子のすべて、あるいは一部のかわ
りにバリスタの端子間容量を利用することが可能となる
ために、コンデンサ素子が不要となる、あるいはコンデ
ンサ形成のための占有面積を削減することができる。
【0017】かかる観点から、前記バリスタの端子間静
電容量の値としては、特に3pF以下であることが望ま
しい。なぜならば、マイクロ波帯で使用される分波回路
に含まれる低域通過フィルタで用いられる信号経路とグ
ランドとの間に接続されるコンデンサの静電容量として
は3pF以下のものが多く用いられるからである。3p
F以下の端子間容量をもつバリスタを用いることで、分
波回路に含まれる低域通過フィルタで用いられる信号経
路とグランドとの間に接続されるコンデンサの働きを兼
ね備えることが可能となり、高周波分波回路全体として
の小型化、および低コスト化が実現できる。
【0018】また、本発明の高周波分波回路は、前記バ
リスタが、前記送受信回路のうち通過周波数帯域の最も
低い送受信回路とアンテナ端子との間の部分の高周波信
号経路とグランドとの間に設けられていることが望まし
い。アンテナを通って入射する高電圧の静電気、あるい
はサージは、携帯電話機の通過周波数帯域で用いられる
マイクロ波帯域に比べて低い周波数を中心に分布する。
そのため、複数の送受信回路とそのアンテナ側回路との
間に各送受信回路の通過周波数帯域の高周波信号を通過
させる高周波分波回路においては、アンテナを通って入
射する高電圧の静電気あるいはサージは、前記各送受信
回路のうち通過周波数帯域の最も低い送受信回路への入
射量が最も大きい。そこで、バリスタを前記送受信回路
のうち通過周波数帯域の最も低い送受信回路とアンテナ
端子との間の部分の高周波信号経路とグランドとの間に
電気的に接続することにより、前記分波回路をもつ携帯
電話機の高電圧の静電気あるいはサージへの耐性の効果
を最大限に得ることができる。
【0019】また、本発明における高周波分波回路は、
さらに前記高周波分波回路の高周波信号経路とグランド
の間に電気的に接続されるインダクタを備えることが望
ましい。インダクタは低周波信号を通過させ、高周波信
号を減衰させる機能を有する素子である。一方、アンテ
ナより入射する高電圧の静電気やサージはマイクロ波帯
に比べて低い周波数を中心に分布する。したがって、高
周波信号経路とグランドの間に電気的に接続されるイン
ダクタを備えることで、アンテナより入射した高電圧の
静電気やサージの大部分をグランドへと導くことが可能
となる。
【0020】また、本発明によれば、前記インダクタを
高域通過フィルタ機能を有する回路部分に設けることが
望ましい。高域通過フィルタは、信号経路に直列に形成
されたコンデンサ素子と信号経路とグランドの間に接続
されたインダクタで構成される。そこで、前記インダク
タを前記高域通過フィルタの部分に形成することで高電
圧の静電気やサージに対する対策と高域通過フィルタの
機能を1つの素子で兼用することができる。
【0021】また、上述したように、アンテナを通って
入射する高電圧の静電気、あるいはサージは、携帯電話
機の通過周波数帯域で用いられるマイクロ波帯域に比べ
て低い周波数を中心に分布する。そのため、複数の送受
信回路とそのアンテナ側回路との間に各送受信回路の通
過周波数帯域の高周波信号を通過させる高周波分波回路
においては、アンテナを通って入射する高電圧の静電気
あるいはサージは、前記各送受信回路のうち通過周波数
帯域のより低い送受信回路への入射量がより大きい。そ
こで、前記インダクタを複数の送受信回路のうち通過周
波数帯域の最も低い送受信回路とアンテナ端子との間の
部分の高周波信号経路とグランドとの間に電気的に接続
することにより、前記分波回路をもつ携帯電話機の高電
圧の静電気あるいはサージへの耐性の効果を最大限に得
ることができる。
【0022】次に、本発明の高周波スイッチ回路は、前
記高周波スイッチ回路の高周波信号経路とグランドの間
にバリスタを設けたことを特徴とする。上述のように、
バリスタは高電圧に対しては抵抗が低下し、低電圧に対
しては高い抵抗を示す非線型素子であるため、通過周波
数帯域の挿入損失を低下させることなく、アンテナを通
って入射する高電圧の静電気、あるいはサージのみを選
択的にグランドへ導き、機器内部への入射量を減衰する
ことができる。
【0023】また、本発明の高周波スイッチ回路によれ
ば、前記送信回路にアノードが接続され、前記アンテナ
側回路にカソードが接続された第1のダイオードを備
え、また前記受信回路と前記アンテナ側回路と電気的に
接続された分布定数線路を備え、前記分布定数線路の途
中にインピーダンス変換用フィルタを備えており、前記
インピーダンス変換用フィルタの高周波信号経路とグラ
ンドとの間にバリスタを設けたことを特徴とする。
【0024】前記インピーダンス変換用フィルタの高周
波信号経路とグランドとの間にバリスタを接続すること
によって、特に、アンテナから受信回路側への静電気あ
るいはサージを減衰させることが可能となる。さらに、
前記インピーダンス変換用フィルタに、高周波信号経路
とグランドとの間のコンデンサがもともと形成されてい
た場合、バリスタを上記箇所に設けることにより、その
端子間容量が上記インピーダンス変換用フィルタのコン
デンサと並列位置に形成されるために、このコンデンサ
を削減あるいは縮小することが可能となり、基板内に形
成されたインピーダンス変換用フィルタの占有面積を縮
小することが可能となる。
【0025】また、本発明の低域通過フィルタは、前記
低域通過フィルタの高周波信号経路とグランドとの間に
バリスタを設けたことを特徴とする。低域通過フィルタ
の高周波信号経路とグランドとの間にバリスタを設ける
ことにより、特に、アンテナから送信回路側への静電気
あるいはサージを減衰させることが可能となる。さら
に、前記低域通過フィルタの高周波信号経路とグランド
との間にコンデンサがもともと形成されていた場合、バ
リスタを上記位置に備えることにより、その端子間容量
が上記低域通過フィルタのコンデンサに並列に形成され
るため、このコンデンサを削減あるいは縮小することが
可能となり、基板内に形成された低域通過フィルタの占
有面積を縮小することが可能となる。
【0026】本発明によれば、上記の高周波分波回路、
高周波スイッチ回路、低域通過フィルタのうちの少なく
とも1つを具備することによって、高周波部品として挿
入損失の増加を招くことなく、アンテナを通って入射す
る高電圧の静電気あるいはサージの機器内部への入射量
を減衰することができるとともに、コンデンサ素子など
を削減することができるために、部品の小型化ととも
に、安価な高周波部品を作製することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】図1に、この発明の一実施形態に
よる高周波部品の全体回路図を示す。
【0028】この高周波部品は、高周波分波回路DI
P、送受信切替え用高周波スイッチ回路SW1、SW
2、低域通過フィルタLPF2、LPF3、LPF4よ
り構成されている。
【0029】高周波分波回路DIPは、アンテナ端子A
NT、および、送受信回路との接続端子P1、P2に接
続する3端子対回路である。ここで、接続端子P1に接
続する送受信回路の通過周波数帯域は、接続端子P2の
それより低いものとする。
【0030】アンテナ端子ANTと接続端子P1の間の
高周波信号経路には、P2側との位相調整のためのイン
ダクタLG1が電気的に直列に備えられている。また、
前記高周波信号経路とグランドとの間にはインダクタL
G3が備えられている。さらに、前記高周波信号経路に
は、伝送線路SLG1、コンデンサCG1およびバリス
タZG1、ZG2で構成された低域通過フィルタLPF
1が電気的に直列に備えられている。
【0031】一方、アンテナ端子ANTと接続端子P2
の間の高周波信号経路には、コンデンサCD1、インダ
クタLD1、コンデンサCD3で構成された高域通過フ
ィルタHPF1が備えられている。
【0032】ここで、高電圧に対しては抵抗が低下し低
電圧に対しては高い抵抗を示す非線型素子であるバリス
タZG1、ZG2が、アンテナ端子ANTと接続端子P
1の間の高周波信号経路とグランドとの間に電気的に接
続されているため、アンテナより入射した高電圧の静電
気あるいはサージはその大半がグランドへと導かれ、接
続端子P1への入射量は抑制される。したがって、P1
以降に接続された回路の破壊を防止することができる。
【0033】また、バリスタZG1、ZG2の接続位置
については、本実施例のように、アンテナ端子ANT
と、接続端子P1との間、つまり、通過周波数帯域の最
も低い送受信回路とアンテナとの間の高周波信号経路中
にあることが望ましい。なぜならば、アンテナを通って
入射する高電圧の静電気あるいはサージは、携帯電話機
の通過周波数帯域で用いられるマイクロ波帯域に比べて
低周波側を中心に分布することが多い。そのため、複数
の送受信回路とアンテナとの間に各送受信回路の通過周
波数帯域の高周波信号を通過させる高周波分波回路にお
いては、アンテナを通って入射する高電圧の静電気ある
いはサージは、前記各送受信回路のうち通過周波数帯域
の最も低い送受信回路への入射量が最も大きい。そこ
で、バリスタを前記送受信回路のうち通過周波数帯域の
最も低い送受信回路とアンテナ端子ANTとの間の部分
の高周波信号経路とグランドとの間に電気的に接続する
ことにより、前記分波回路をもつ携帯電話機の高電圧の
静電気あるいはサージへの耐性の効果を最大限に得るこ
とができる。
【0034】また、バリスタZG1、ZG2には端子間
電気容量が存在し、電気容量の値としては、現在、約2
pF以上の値のものが好適に用いられる。そこで、バリ
スタZG1、ZG2を形成する位置と共に、この電気容
量の値として最適な値を選択することで、高周波信号経
路の任意の位置とグランドとの間に必要な電気容量を削
減することができる。本実施例の場合は、バリスタZG
1、ZG2がない場合に必要なコンデンサが削減できる
ため、表面実装部品の場合は表層の、内層パターンであ
る場合は基板内部の占有面積を縮小することが可能であ
り、回路の小型化や低コスト化に寄与することができ
る。
【0035】また、本実施の形態における高周波分波回
路には、高周波信号経路とグランドの間に電気的に接続
されるインダクタLD1が備えられているため、アンテ
ナより入射した高電圧の静電気あるいはサージはその大
半がグランドへと導かれ、接続端子P2への入射量は抑
制される。したがって、P2以降に接続された回路の破
壊を防止することができる。
【0036】また、前記インダクタLD1は、高域通過
フィルタHPF1の部分に用いられているため、静電気
あるいはサージへの耐性を高める機能と高域通過フィル
タの機能を兼用することができる。
【0037】また、前記インダクタLD1の値としては
特に82nH以下であることが望ましい。これより大き
いと、信号を遮断する効果が過大となり、静電気あるい
はサージをグランドへ導く効果が低くなりやすいためで
ある。
【0038】また、本実施の形態における高周波スイッ
チ回路SW1、SW2は、送信回路にアノードが接続さ
れ、前記アンテナ側回路にカソードが接続された第1の
ダイオードDD1、DG1を備え、受信回路と前記アン
テナ側回路とに接続された分布定数線路SLD2、SL
G2を備え、この分布定数線路SLD2、SLG2と、
CD6、CG5との間にインピーダンス変換用フィルタ
LPF5、LPF6を備えている。
【0039】そして、本発明によれば、前記インピーダ
ンス変換用フィルタLPF5、LPF6における高周波
信号経路SLD3、SLG3とグランドとの間にバリス
タZD3、ZD4、ZG3、ZG4を備えたことを特徴
とする。
【0040】具体的には、受信経路側に、電気的に直列
に分布定数線路SLD3、SLG3が備えられ、その両
端とグランドとの間に、それぞれバリスタZD3、ZD
4、ZG3、ZG4が備えられている。このバリスタZ
D3、ZD4、ZG3、ZG4の機能により、アンテナ
より入射した高電圧の静電気あるいはサージの受信回路
側への入射量がとくに抑制される。これらのバリスタ
は、付加する数に応じて、静電気あるいはサージに対す
る耐性の効果は増大する傾向に有るため、高周波部品と
して必要とされる耐性の度合いに応じて、付加するバリ
スタの数を調整することが望ましい。
【0041】また、本実施の形態における低域通過フィ
ルタLPF2、LPF3、LPF4の高周波信号経路S
LD1、SLD4、SLG4とグランドの間には、それ
ぞれ、バリスタZD1、ZD2、ZD5、ZD6、ZG
5、ZG6が電気的に接続されているため、アンテナよ
り入射した高電圧の静電気あるいはサージの送信回路側
への入射量がとくに抑制される。
【0042】本実施の形態で述べたバリスタ、インダク
タは、付加する数に応じて、静電気あるいはサージに対
する耐性の効果は増大する傾向に有るため、高周波部品
として必要とされる耐性の度合いに応じて、付加するバ
リスタの数と位置を調整することが望ましい。
【0043】なお、本発明によれば、前記高周波分波回
路を構成するフィルタおよび接続線路、コンデンサ用電
極、分布定数線路、グランド電極のいずれか、またはす
べてを複数の誘電体層を積層してなる積層体の表面およ
び内部に導体回路によって形成し、バリスタを前記積層
体の表面に素子として搭載することによって高周波回路
部品の小型化を図ることができる。また、インダクタ
は、上記積層体の表面に素子として搭載してもよいが、
積層体に介挿された分布定数線路によって形成すること
によって小型化を図ることができる。
【0044】
【実施例】実施例として、図1に示すGSM/DCSデ
ュアルバンド方式の高周波部品においてバリスタZG1
と、インダクタLD1のみを備え、LG1は備えず、バ
リスタZG2、ZG3、ZG4、ZG5、ZG6、ZD
1、ZD2、ZD3、ZD4、ZD5、ZD6をすべて
コンデンサで置き換えた場合を例に説明する。
【0045】アンテナ端子ANTに、0〜300MHz
の周波数を主成分とする±8KV、±16KVの静電気
放電をそれぞれ入力した時の、GSM−RX端子に出力
される電圧のピーク電圧幅(電圧最大値と電圧最小値の
差)を調べた。
【0046】図2に、ZG1がバリスタの場合とその端
子間容量と同等な容量を備えるコンデンサに置き換えた
場合との、それぞれの出力電圧のピーク電圧幅を示す。
ピーク電圧幅の値は、±8KV入力においてZG1をそ
の端子間容量と同等な容量を備えるコンデンサに置き換
えた場合の値を1として規格化している。
【0047】図2から、どちらの入力パルスの場合も、
バリスタを用いた場合にはコンデンサを用いた場合に比
べて出力電圧が約6割に縮小されていることがわかる。
【0048】このことから、バリスタを設けることによ
って、部品点数の増加を招来することなく静電気放電に
対する耐性を強くする効果が得られていることがわか
る。
【0049】以上のことから、本発明に関る高周波部品
においては、アンテナ端子から静電気放電が入力した場
合に、バリスタやインダクタの機能でその一部をグラン
ドに導き、本高周波部品に接続されるSAWフィルタや
パワーアンプ等の破壊を防ぐことが出来る。
【0050】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の高周波分波
回路は、通過周波数帯域の異なる複数の送受信回路、お
よびアンテナの間に電気的に接続され、各前記送受信回
路とアンテナとの間に各前記送受信回路の通過周波数帯
域の高周波信号を通過させる高周波分波回路において、
前記高周波分波回路の高周波信号経路とグランドの間に
電気的に接続されるバリスタを備えることにより、通過
周波数帯域の挿入損失を低下させることなく、アンテナ
を通って入射する高電圧の静電気放電、あるいはサージ
のみを選択的にグランドへ導き、機器内部への入射量を
減衰する効果が得られる。
【0051】また、本発明の高周波分波回路は、前記バ
リスタが、前記高周波分波回路の部分で、特に前記送受
信回路のうち通過周波数帯域の最も低い送受信回路とア
ンテナ端子との間の部分の高周波信号経路とグランドと
の間に電気的に接続されることにより、前記分波回路を
もつ携帯電話機の高電圧の静電気放電、あるいはサージ
への耐性を最大限に得ることができ、また、バリスタの
端子間電気容量が最適なものを選択することで、コンデ
ンサ削減が可能となり、小型化の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる高周波部品の回路図である。
【図2】本実施例に係わる高周波部品と、従来の高周波
部品の、それぞれのアンテナ端子に静電気を入力した場
合におけるGSM−RX端子への出力信号のピーク電圧
幅を示すグラフである。
【図3】従来の高周波部品の回路図である。
【符号の説明】
DIP・・・高周波分波回路 SW1、SW2・・・送受信切替えスイッチ回路 LPF1〜4・・・低域通過フィルタ LPF5、LPF6・・・インピーダンス変換用フィル
タ HPF1・・・高域通過フィルタ LG1〜3、LD1、LD2・・・インダクタ ZG1〜6、ZD1〜6・・・バリスタ CG1〜7、CD1〜8・・・コンデンサ DG1、DG2、DD1、DD2・・・PINダイオー
ド RG1、RD1・・・抵抗 ANT・・・アンテナ端子 P1・・・GSM経路中の分波器と送受信回路の接続端
子 P2・・・DCS経路中の分波器と送受信回路の接続端

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】通過周波数帯域の異なる複数の送受信回路
    と、前記複数の送受信回路のアンテナ側回路との両方に
    電気的に接続され、各前記送受信回路と前記アンテナ側
    回路との間に各前記送受信回路の通過周波数帯域の高周
    波信号を通過させる高周波分波回路において、前記高周
    波分波回路の高周波信号経路とグランドの間にバリスタ
    を設けたことを特徴とする高周波分波回路。
  2. 【請求項2】前記バリスタが、低域通過フィルタ機能を
    有する回路部分に設けられていることを特徴とする請求
    項1に記載の高周波分波回路。
  3. 【請求項3】前記バリスタが、前記送受信回路のうち通
    過周波数帯域の最も低い送受信回路と前記アンテナ側回
    路との間の部分の高周波信号経路とグランドとの間に設
    けられていることを特徴とする請求項1または請求項2
    記載の高周波分波回路。
  4. 【請求項4】前記高周波分波回路の高周波信号経路とグ
    ランドの間にインダクタを設けたことを特徴とする請求
    項1乃至請求項3のいずれか記載の高周波分波回路。
  5. 【請求項5】前記インダクタが、高域通過フィルタ機能
    を有する回路部分に設けられていることを特徴とする請
    求項4に記載の高周波分波回路。
  6. 【請求項6】前記インダクタが、前記複数の送受信回路
    のうち通過周波数帯域が最も低い送受信回路とアンテナ
    端子との間の部分の高周波信号経路とグランドとの間に
    設けられていることを特徴とする請求項4または請求項
    5記載の高周波分波回路。
  7. 【請求項7】前記高周波分波回路を構成するフィルタお
    よび接続線路が、コンデンサ用電極、分布定数線路、グ
    ランド電極のいずれかまたはすべてが介挿された複数の
    誘電体層よりなる積層体によって形成され、前記バリス
    タが前記積層体の表面に搭載され、前記インダクタが前
    記積層体の表面に搭載されるか、または積層体に介挿さ
    れた分布定数線路によって形成されていること特徴とす
    る請求項1乃至請求項6のいずれか記載の高周波分波回
    路。
  8. 【請求項8】送信回路と、受信回路と、前記送信回路と
    前記受信回路のアンテナ側回路とのすべてに電気的に接
    続され、前記送信回路、前記受信回路と前記アンテナ側
    回路との間に、それぞれの通過周波数帯域の高周波信号
    を通過させる高周波スイッチ回路において、前記高周波
    スイッチ回路の高周波信号経路とグランドの間にバリス
    タを設けたことを特徴とする高周波スイッチ回路。
  9. 【請求項9】前記送信回路にアノードが接続され、前記
    アンテナ側回路にカソードが接続された第1のダイオー
    ドを備え、前記受信回路と前記アンテナ側回路とに接続
    された分布定数線路を備え、前記分布定数線路の途中に
    インピーダンス変換用フィルタを備え、前記インピーダ
    ンス変換用フィルタの高周波信号経路とグランドとの間
    にバリスタを設けたことを特徴とする請求項8記載の高
    周波スイッチ回路。
  10. 【請求項10】前記高周波スイッチ回路を構成するフィ
    ルタおよび接続線路が、コンデンサ用電極、分布定数線
    路、グランド電極のいずれかまたはすべてが介挿された
    複数の誘電体層よりなる積層体によって形成され、前記
    バリスタが前記積層体の表面に搭載されてなることを特
    徴とする請求項8または請求項9に記載の高周波スイッ
    チ回路。
  11. 【請求項11】送信電力増幅器において発生する高調波
    信号を減衰する低域通過フィルタにおいて、前記低域通
    過フィルタの高周波信号経路とグランドとの間にバリス
    タを設けたことを特徴とする低域通過フィルタ。
  12. 【請求項12】前記低域通過フィルタが、コンデンサ用
    電極、分布定数線路、グランド電極のいずれかまたはす
    べてが介挿された複数の誘電体層よりなる積層体によっ
    て形成され、前記バリスタが前記積層体の表面に搭載さ
    れてなることを特徴とする請求項11に記載の低域通過
    フィルタ。
  13. 【請求項13】請求項1乃至請求項7のいずれかに記載
    の高周波分波回路、請求項8乃至請求項10のいずれか
    に記載の高周波スイッチ、請求項11または請求項12
    のいずれかに記載の低域通過フィルタのうち少なくとも
    1つを備えたことを特徴とする高周波部品。
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