JP3886296B2 - 車輪軸受装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、自動車の操舵車輪を支持する車輪軸受装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車の操舵車輪、一般的には、自動車の前輪は車輪軸受装置により回転自在に支持される。特にFF車の前輪、4WD車の前輪の車輪軸受装置は等速自在継手との組合わせによって使用される。
【0003】
図2は、等速自在継手と組合わせた従来の車輪軸受装置によって操舵車輪を支持した懸架装置を示す。この懸架装置は、アッパコントロールアーム40およびロワコントロールアーム41にナックル42を取付けて、そのナックル42を車体に対して上下動および旋回動自在に支持し、そのナックル42によって車輪軸受装置50を支持している。
【0004】
車輪軸受装置50は、ナックル42に連結されるフランジ51aを外周に有する外方部材51と内方部材52との間に複列の転動体53を組込んで内方部材52を回転自在に支持している。なお、転動体としてボールを用いたが、重量の嵩む自動車用の車輪軸受装置の場合には、転動体として円すいころを使用する場合がある。
【0005】
内方部材52は、軸部54の端部に小径部54aを設け、この小径部54aに内輪55を嵌合し、前記軸部54に形成されたセレーション孔に等速自在継手56の外輪57に形成されたステム58を挿入して軸部54とステム58とを、そのステム58の先端部にねじ係合したナット59の締付けによって連結している。
【0006】
ここで、ステム58の外周にはセレーション孔の溝と係合するセレーション歯が設けられている。軸部54の外周にはフランジ60が形成され、そのフランジ60に操舵車輪である駆動車輪61が連結されている。
【0007】
等速自在継手56の内輪62には駆動軸63が接続され、その駆動軸63により内輪62を回転し、その内輪62の回転をトルク伝達ボール64を介して外輪57に伝え、その外輪57から軸部54に回転を伝達して操舵車輪61を回転させるようにしている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記懸架装置に使用された従来の車輪軸受装置50は、ナックル42が別部品であるため、車輪への組付けは、ナックル42の組付け後、そのナックル42に車輪軸受装置50の外方部材51に設けられたフランジ51aを衝合してボルト65の締付けによりフランジ51aをナックル42に連結する必要が生じ、車輌への組付け工数が多く、その組付け性を向上させるうえにおいて改善すべき点が残されている。
【0009】
この発明の課題は、車輌に対する組付け時において、その組付け工数を削減することができる車輪軸受装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、この発明においては、車体に取付けられる外方部材の内周に軌道面を設け、操舵車輪が連結される内方部材の外周に上記軌道面と半径方向で対向する軌道面を形成し、半径方向で対向する軌道面間に転動体を組込んで内方部材を回転自在に支持した車輪軸受装置において、車体に対して上下動および旋回動可能に支持されるナックルの円筒部内に前記外方部材を嵌合し、その外方部材の上記円筒部に対する挿入時の挿入方向先端部の外周に形成された段部が円筒部の内周に形成された段部に当接する状態で外方部材と円筒部を溶接により一体化した構成を採用している。
【0011】
上記のように、外方部材とナックルとを一体化することにより、ナックルに外方部材をボルト止めする連結工程を不要とすることができるので、懸架装置への組付け性の向上を図ることができる。
【0012】
ここで、この発明に係る車輪軸受装置の内方部材は、操舵車輪の連結用のフランジを外周に有する軸部の端部に小径部を設け、この小径部に嵌合された内輪の外周と前記軸部の外周とに外方部材の内周に形成された複列の軌道面と対向する軌道面を形成し、前記軸部に形成されたセレーション孔に等速自在継手の外輪に設けられたステムを挿入して、外輪と軸部とを軸方向に連結したものであってもよい。また、前記内輪を省略し、外輪に設けられたステムを軸部に形成されたセレーション孔に挿入して軸方向に連結し、その等速自在継手の外輪の外周と軸部の外周とに外方部材の内周に形成された複列の軌道面と対向する軌道面を形成したものであってもよい。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図1に基づいて説明する。図示のように、軸受鋼や浸炭焼入鋼、高周波焼入鋼等から成る外方部材1の内周には複列の軌道面2が形成されている。
【0014】
外方部材1の内側に挿入された内方部材10は、軸部11と、その軸部11の端部の小径部12に嵌合された内輪13とを有し、軸部11の外周には操舵車輪である駆動車輪が連結されるフランジ14が設けられている。また、軸部11の外周と内輪13の外周には外方部材1に設けられた前記軌道面2と半径方向で対向する軌道面15、16が形成され、その半径方向で対向する軌道面2、15、16間に転動体17が組込まれている。
【0015】
軸部11にはセレーション孔11aが設けられ、そのセレーション孔11aに等速自在継手18の外輪19に設けられたステム20が挿入され、このステム20の外周にセレーション孔11aの溝と係合するセレーション歯21が設けられている。ステム20はねじ軸部22を先端に有し、そのねじ軸部22にねじ係合したナット23の締付けによってステム20は抜け止めされ、軸部11と外輪19とが軸方向に連結されている。
【0016】
前記外方部材1にはナックル24が一体化されている。ナックル24は外方部材1に嵌合される円筒部25の外周上下に図2に示すアッパコントロールアーム40およびロワコントロールアーム41に連結される連結アーム26、27を設けており、前記円筒部25が溶接による手段を介して外方部材1に固着されている。28は溶接部を示す。
【0017】
上記のように、外方部材1とナックル24とを一体化することにより、車輪軸受装置の車体への組付けは、ナックル24の連結アーム26、27を図2に示すアッパコントロールアーム40およびロワコントロールアーム41に連結するだけでよい。
【0018】
このため、図2に示す従来の車輪軸受装置の組付けに必要であったナックル42と外方部材51の連結工程を不要とすることができ、組付け作業性の向上を図ることができる。
【0019】
なお、図1に示す実施の形態では、FF車の前輪、4WD車の前輪のように、等速自在継手が連結される駆動車輪側の車輪軸受装置について説明したが、FR車の前輪を支持する車輪軸受装置のように、等速自在継手の省略された車輪軸受装置であってもよい。
【0020】
【発明の効果】
以上のように、この発明においては、外方部材とナックルとを一体化したことにより、車輌への組付け工数の削減を図り、組付け性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に係る車輪軸受装置の実施の形態を示す縦断正面図
【図2】 従来の車輪軸受装置の使用例を示す縦断正面図
【符号の説明】
1 外方部材
2 軌道面
10 内方部材
15 軌道面
16 軌道面
17 転動体
24 ナックル
25 円筒部
Claims (1)
- 車体に取付けられる外方部材(1)の内周に軌道面(2)を設け、操舵車輪が連結される内方部材(10)の外周に上記軌道面(2)と半径方向で対向する軌道面(15)、(16)を形成し、半径方向で対向する軌道面間(2)、(15)、(16)に転動体(17)を組込んで内方部材(10)を回転自在に支持した車輪軸受装置において、車体に対して上下動および旋回動可能に支持されるナックル(24)の円筒部(25)内に前記外方部材(1)を嵌合し、その外方部材(1)の上記円筒部 ( 25 ) に対する挿入時の挿入方向先端部の外周に形成された段部が円筒部(25)の内周に形成された段部に当接する状態で外方部材(1)と円筒部(25)を溶接により一体化したことを特徴とする車輪軸受装置。
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JP17450399A JP3886296B2 (ja) | 1999-06-21 | 1999-06-21 | 車輪軸受装置 |
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Family Applications (1)
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JP17450399A Expired - Fee Related JP3886296B2 (ja) | 1999-06-21 | 1999-06-21 | 車輪軸受装置 |
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