スキャナ、ファクシミリ、複写機等においては、CCD(Charge Coupled Device)等の縮小光学系の読取ユニットを読取載置台に内蔵させたフラットベッドスキャナ(以下「FBS」という。)を画像読取手段として用いるものがある。図9は、従来のコピー・ファクシミリ複合機900の上部の外観を示す概略斜視図であるが、図に示すように、コピー・ファクシミリ複合機900は、読み取るべき原稿を載置するプラテンガラス901が配設された読取載置台902と、該原稿をプラテンガラス901上に押圧して固定する原稿押えカバー903と、原稿の読取り開始等を入力するための操作パネル904とを具備してなり、図には示していないが、コピー・ファクシミリ複合機900の本体には、記録用紙に画像を記録する画像記録部や画像を電送するための送信部、読み取った画像を記録するための記録用紙を供給する給紙カセット等が備えられている。
前記読取載置台902には、CCD等の画像読取ユニットが内蔵されている。該画像読取ユニットは、図10に示すように、原稿に光を照射するための光源と原稿からの反射孔をCCDへ導くための反射ミラーが適宜配設されたフルレートキャリッジ905及びハーフレートキャリッジ906が、読取載置台902内に設けられた不図示のガイドレール上を摺動可能に設けられており、該フルレートキャリッジ905及びハーフレートキャリッジ906をプラテンガラス901上の原稿に対して走査して、原稿からの反射光Rをスキャナユニット907により画像信号として読み取るようになっている。
前記スキャナユニット907は、フルレートキャリッジ905及びハーフレートキャリッジ906からの反射光を収束する結像レンズ908と、その収束光を電気信号に変換するためのCCDイメージセンサ909とを具備してなり、読取載置台902のシャーシ等(不図示)に固定されている。該スキャナユニット907には、一般に、CCDイメージセンサ909を制御するための制御基板が設けられているが、読取速度の高速化や高解像度化に伴って制御信号が高い周波数となっており、制御基板から発生する電磁波がノイズとなって、フルレートキャリッジ905等の他の電子部材に影響を及ぼし、画像読取装置の誤作動や画質低下の原因となるという問題がある。また、フルレートキャリッジ905の光源として蛍光灯が用いられることがあり、蛍光灯は輝度が高く短時間に画像読取りが可能となる点で光源として好適であるが、読取画質の安定のためには蛍光灯の輝度を安定させなければならないので、安定器としてインバータ回路(不図示)を使用する。該インバータ回路もスキャナユニット907の近傍に配設されることがあり、該インバータ回路から発生する電磁波も、前述と同様に、画像読取装置の誤作動や画質低下の原因となるという問題がある。
これに対し、スキャナユニット907やインバータ回路等を金属製のカバーで覆いシールドする構成が考案されている。カバーでシールドすることにより、スキャナユニット907やインバータ回路から発生する電磁波が遮断され、カバー外側の電子部品等に影響を与えず誤作動や画質低下を防止できるという利点がある。このようなカバーは、スキャナユニット907等が取り付けられるシャーシにネジ止め固定されており、金属製のネジやネジ止め部分でカバーとシャーシとが接触することにより導通状態でなって接地されている。しかし、カバーに歪みや組付け誤差等が生じた場合に、ネジ止め部分等でカバーがシャーシから浮いた状態となっていることもあり、必ずしも確実に接触しておらず非導通状態となっていることも多い。したがって、カバーとシャーシとの間で導通が十分に取れていないため接地が不十分であり、カバーによるシールド効果が十分に発揮されていないという問題がある。
一方、カバーとシャーシとの間にりん青銅からなる板バネを介在させ、該板バネをカバー及びシャーシに圧接させることにより確実にカバーとシャーシとの間の導通をとる構成が考案されている(例えば、特許文献1参照)。また、カバーの縁部をシャーシ側にヘ字状に曲折し、該縁部とシャーシとをネジ止めすることによりを縁部をシャーシに直接且つ確実に接触させる構成も考案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2002−237924号公報
特開2003−75938号公報
図1は、本発明の実施の形態に係る画像読取装置であるコピー・ファクシミリ複合機100の上部の断面を示す図である。図に示すように、該コピー・ファクシミリ複合機100は、FBSとして機能する読取載置台(装置本体)101に対して、オート・ドキュメント・フィーダ(以下、「ADF」という。)1を備えた原稿押えカバー102が開閉自在に取り付けられており、さらに、図には示していないが、本コピー・ファクシミリ複合機100は、原稿の読取り開始等を入力するための操作パネル、記録用紙に画像を記録する画像記録部、画像を電送するための送信部、及び読み取った画像を記録するための記録用紙を供給する給紙カセット等の周知の構成をも具備しており、また、これら周知の構成は一例且つ任意のものである。
前記読取載置台101は、図1に示すように、略直方体の筐体10の天面にプラテンガラス11が配設され、該筐体10内にCCD読取ユニット12が内蔵されてなるものであり、プラテンガラス11上に載置された原稿を原稿押えカバー102を閉じて固定し、CCD読取ユニット12により画像読取りを行うようになっている。一方、前記原稿押えカバー102には、複数枚の原稿を積重状態で担持する原稿トレイ2と、横向きU字状の搬送路3と、搬送後の原稿を積重状態で担持する排紙トレイ4と、原稿トレイ2上の原稿を搬送路3へ送り込むピックアップローラ5及び給紙ローラ6と、搬送路3において原稿をニップして搬送する搬送ローラ7と、搬送路3の出口付近に設けられた排紙ローラ8と、読取位置P2において原稿の画像読取りを行うCIS読取りユニット9とからなるADF1が装備されている。該ADF1によれば、原稿トレイ2から搬送路3へ繰り込まれた原稿は、横向きU字状の搬送路3に沿って上方から下方へUターンするように反転して読取位置P1に至り、該読取位置P1を通過する際に前記CCD読取ユニット12により原稿の表面の画像が読み取られ、更に搬送路3を搬送されて読取位置P2を通過する際に密着形イメージセンサ(Contact Image Sensor、以下「CIS」という。)を具備してなるCIS読取ユニット9により原稿の裏面の画像が読み取られ、その後、原稿トレイ2の下方の排紙トレイ4へ排出されるようになっている。なお、本コピー・ファクシミリ複合機100においてADF1は任意の構成である。
CCD読取ユニット12は、2つの走査キャリッジが原稿に対して走査されることにより、原稿に光を照射するとともに原稿からの反射光をイメージセンサが設けられた所定位置に導き、該反射光を電気信号に変換するものであり、図1に示すように、プラテンガラス11と平行に走査されるフルレートキャリッジ120及びハーフレートキャリッジ121と、スキャナユニット122とから構成されている。フルレートキャリッジ120は、ガイドレール18(図3参照)上を移動するキャリッジ本体123に、原稿に光を照射するための光源124と、原稿からの反射光Rを走査方向へ反射してハーフレートキャリッジ121へ導くための反射ミラー125とが設けられたものであり、ハーフレートキャリッジ121は、ガイドレール上を移動するキャリッジ本体126に、フルレートキャリッジ120からの反射光をスキャナユニット122へ導く2枚の反射ミラー125が設けられたものである。
また、スキャナユニット122は、図に示すように、前記ハーフレートキャリッジ121からの反射光Rを収束する結像レンズ127と、その収束光による光学画像を電気信号である画像データに変換するためのCCDイメージセンサ(光電素子)128とを具備してなり、前記結像レンズ127の光軸上にCCDイメージセンサ128が位置するように調整されて配設されている。
FBSとして原稿の画像読取を行う際は、前記フルレートキャリッジ120が、光源124から光を発しながらプラテンガラス11上の原稿に対して平行に移動することにより、原稿の読取面に光源124の光が走査方向に順次照射され、その光の反射光Rが反射ミラー125によりハーフレートキャリッジ121へ反射される。該ハーフレートキャリッジ121もフルレートキャリッジ120と同時に移動して、フルレートキャリッジ120からの反射光Rを2枚の反射ミラー125で反射してスキャナユニット122へ導く。そして、結像レンズ127により該反射光RがCCDイメージセンサ128に修飾されて読み取られ、電気信号として出力される。不図示の記録部又は送信部は該電気信号を受けて原稿の画像を記録用紙に記録し、又は画像をファクシミリ送信する。これら記録部及び送信部は公知且つ任意の構成なので詳細な説明は省略する。一方、ADF1を用いて原稿の画像読取を行う際は、前記フルレートキャリッジ120がプラテンガラス12の下方へ移動して、その位置からADF1により順次搬送される原稿に対して光源124の光を照射して、前述と同様に、原稿からの反射光RがCCDイメージセンサ128により読み取られる。
一方、不図示のガイドレール18により夫々摺動可能に担持された前記フルレートキャリッジ120及びハーフレートキャリッジ121は、その両側に配設された一対のベルト駆動機構130により走査されるようになっている。図1には一対のベルト駆動機構130の一方が示されているが、該ベルト駆動機構130は、駆動プーリ131,132と従動プーリ133,134間に夫々巻架されたベルト135,136が駆動軸137の回転により周運動するように構成されたものであり、ベルト135にフルレートキャリッジ120が、ベルト136にハーフレートキャリッジ121が夫々固定されている。駆動プーリ131,132はいずれも駆動軸137に固定されており、フルレートキャリッジ120及びハーフレートキャリッジ121の走査範囲は該駆動プーリ131,132のギア比により設定されており、フルレートキャリッジ120を駆動するための駆動プーリ131に対してハーフレートキャリッジ121を駆動するため駆動プーリ132のギア比が略1/2となっている。これにより、駆動プーリ131,132に夫々巻架されたベルト135,136により走査されるフルレートキャリッジ120及びハーフレートキャリッジ121は、フルレートキャリッジ120の走査速度に対して略1/2の速度でハーフレートキャリッジ121が走査され、フルレートキャリッジ120の走査距離に対してハーフレートキャリッジ121の走査距離が半分となる。このように構成されたフルレートキャリッジ120及びハーフレートキャリッジ121がプラテンガラス11の下方を該プラテンガラス11に載置された原稿と平行に移動して原稿の画像をスキャンし、フルレートキャリッジ120の光源124から原稿に光が照射され、該原稿からの反射光Rが反射ミラー125に順次反射されてスキャナユニット122へ導かれるようになっている。
図2は、前記スキャナユニット122の詳細な構成を示す概略斜視図であるが、図に示すように、スキャナユニット122は、前記ハーフレートキャリッジ121からの反射光Rを収束する結像レンズ127と、その収束光を電気信号に変換するためのCCDイメージセンサ128とを具備してなり、CCDイメージセンサ128が前記結像レンズ127の光軸上に位置するように調整されてフレームに固定されている。このように構成されたスキャナユニット122により、原稿からの反射光Rによる光学画像CCDイメージセンサ128により画像データに変換されて出力されるようになっている。また、CCDイメージセンサ128の裏面側には、CCDイメージセンサ128の制御基板129が半田付け等により固定されている。
図3及び図4は、前記読取載置台101の筐体10を構成するシャーシ13等を示すものであり、該筐体10はシャーシ13に樹脂製のカバー(不図示)が適宜取り付けられてなる。シャーシ13は、図に示すように、4つの側壁部材14a,14b,14c,14dからなるフレーム14と、該フレーム14の下側に配設されてシャーシ13の底部を構成するボトムシャーシ15と、該フレーム14の所定位置に固定されたスキャナフレーム16とから構成されている。該スキャナフレーム16には、前記CCD読取ユニット12を構成するスキャナユニット122及びインバータ回路19が固定され、該スキャナユニット122及びインバータ回路19はカバー17により覆われている。また、図には示していないが、前記フルレートキャリッジ120やハーフレートキャリッジ121等のCCD読取ユニット12の他の構成部材も、フレーム14で囲繞されるシャーシ13内に配設され、該フレーム14の上部にプラテンガラス11が配設される。したがって、シャーシ13は読取載置台102の筐体10の骨組であるとともに、CCD読取ユニット12及びその光路に塵埃が侵入することを防止する役割も果たしている。
このように、シャーシ13は、フレーム14とボトムシャーシ15とスキャナフレーム16とから構成されるが、ボトムシャーシ13は、主にシャーシ13内に塵埃等が侵入することを防止する目的のものであり、フレーム14が、主に読取載置台102の筐体10の骨組としての役割も果たしている。該ボトムシャーシ15は、装置の軽量化やコストを考慮して、比較的厚みの薄い板金をプレス加工等して形成されており、読取載置台102内に各種部材を取り付けるためのネジ孔等が形成されているが、ボトムシャーシ15の加工精度は高くないので、高い位置精度が要求されない部材を主に取り付けている。一方、前記CCD読取ユニット12を構成する各種部材のように高い位置精度が要求されるものは、フレーム14及びスキャナフレーム16に取り付けられている。フレーム14を構成する4つの側壁部材14a,14b,14c,14d、及びスキャナフレーム16は比較的厚みの厚い板金をプレス加工等して形成されており、ボトムシャーシ15より剛性が高い。また、4つの側壁部材14a,14b,14c,14dとスキャナフレーム16の組付けは、不図示の組付け治具を用いて側壁部材14a,14b,14c,14d及びスキャナフレーム16を夫々位置決めし、溶接により各側壁部材14a,14b,14c,14dとスキャナフレーム16とを固定している。これにより、フレーム14に筐体10の骨組として所望の剛性を確保し、スキャナフレーム16とともに各種部材の取付位置の精度を保っている。
また、各側壁部材14a,14b,14c,14dは板金の上端部が断面L字状に内側へ曲折されてなるものであり、該上端部でプラテンガラス11を支持している。また、各側壁部材14a,14b,14c,14dは下端部も断面L字状に内側へ曲折されており該下端部においてボトムシャーシ15とネジ止めにより連結固定されている。また、読取載置台101の後背面側となる側壁部材14a、及び正面側となる側壁部材14bは、所定の高さで、水平方向内側へ略直角に曲折されることにより水平面が形成されており、該水平面が前記CCD読取ユニット12を構成する不図示のフルレートキャリッジ120及びハーフレートキャリッジ121を摺動可能に担持するガイドレール18となる。なお、ガイドレール18には、フルレートキャリッジ120及びハーフレートキャリッジ121が摺動する際の摩擦を軽減することを目的として樹脂製の摺動テープが貼設される。また、図には詳細に示していないが、各側壁部材14a,14b,14c,14dには、ベルト駆動機構130の従動プーリ133,134を支持するための支持ブラケット等の各部材をネジ止め固定するためのネジ孔や、ベルト駆動機構130の駆動軸137が挿通される軸受孔等が設けられている。このように、CCD読取ユニット12を構成するフルレートキャリッジ120、ハーフレートキャリッジ121、及びベルト駆動機構130は、フレーム14により位置決めされるものであり、フレーム14を位置精度を維持できる剛性が必要であり、各側壁部材14a,14b,14c,14dの板金の厚みも該剛性を考慮して設定されている。なお、CCD読取ユニット12の各構成部材等を取り付けるためのネジ孔等は読取載置台101の構成態様に合わせて適宜設計されるものである。
ボトムシャーシ15は、略矩形の板金の周縁部を上方に曲折した形状のものであり、前記フレーム14に固定されてシャーシ13の底を構成する。シャーシ13がCCD読取ユニット12の各構成部材を支持する位置精度を主として前記フレーム14により確保されており、ボトムシャーシ15は主として防塵のために設けられるものであり、前記フレーム14と同様の剛性は必要でなく、加工が容易な厚みの板金を用いることができる。図4に示すように、ボトムシャーシ15の前記スキャナフレーム16に対応する位置には、板金を絞り加工により上方ヘ膨出させた膨出部150が形成されている。該膨出部150の上面は、スキャナフレーム16の底面と接触するために平面となっており、上面の広さはスキャナフレーム16の底面の広さ等を考慮してできるだけ広くなるように設計することが好適である。また、膨出部150の上面にはスキャナフレーム16と緊締するためのネジ孔151が適宜穿設されている。また、ボトムシャーシ15には、配線等を固定するための取付部152が適宜形成されているが、これらは位置精度が要求されない部材を取付けるためのものである。
スキャナフレーム16は、略矩形の板金からなるものであり、剛性を増すために光軸方向の両端部160が上方ヘ夫々曲折されている。該スキャナフレーム16は、前記フレーム14に固定されて前記スキャナユニット122を支持するものであり、図4に示すように、その両端に四隅に嵌合凸部161が形成され、該嵌合凸部161が側壁部材14a,14bに穿設された嵌合孔140に嵌入されて固定される。CCD読取ユニット12を構成するフルレートキャリッジ120やハーフレートキャリッジ121、スキャナユニット122の取付位置は所定の精度が要求されるものであり、これらの位置精度は主にフレーム14及びスキャナフレーム16で保たれるので、スキャナフレーム16も前記フレーム14と同様の剛性を有するように板金の厚みが設定され、該フレーム14及びスキャナフレーム16は組立治具等を用いて所定の位置に位置決めされて組み付けられ、溶接等により固定される。このように構成されたスキャナフレーム16上の所定位置に、図に示すように、スキャナユニット122及びインバータ回路19がネジ止め等により固定される。また、スキャナフレーム16には、前記膨出部150のネジ孔151に対応する位置に、若干径大の貫通孔162が穿設されており、更に、図には詳細に示していないが、スキャナユニット122及びインバータ回路19をネジ止めするためのネジ孔も適宜穿設されている。
カバー17は、前記スキャナフレーム16に固定されたスキャナユニット122を覆うとともにインバータ回路19の上方を遮蔽するものであり、天井部170及び側壁部171で一定空間を囲繞する底側が開放された筐体である。カバー17は導電性部材である板金を曲折加工等で形成されており、矩形の天井部170の四方に側壁部171が連続して形成され、該天井部170及び側壁部171で囲繞された空間内に、前記スキャナフレーム16に固定されたスキャナユニット122が非接触で収容されるようになっている。また、ハーフレートキャリッジ121からの反射光Rが入射する側壁部171には開口172が形成されており、該開口172を通じて反射光Rがスキャナユニット122の結像レンズ127に入射する。また、開口172が形成された側壁部171の両側に位置する側壁部171の下端には固定用鍔部173が外側ヘ突設されている。図には詳細に示していないが、該固定用鍔部173には位置決め用貫通孔及びネジ孔が穿設されており、該位置決め用貫通孔がスキャナフレーム16に形成されたダボと嵌合してカバー17の位置決めがなされ、該ネジ孔とスキャナフレーム16に形成されたネジ孔と連通するネジにより、固定用鍔部173がスキャナフレーム16と緊締されることにより、スキャナフレーム16にカバー17が固定される。これにより、スキャナユニット122がシールドされる。
また、前記カバー17の天井部120には、インバータ回路19の上方を覆うようにして遮蔽板174が突設されている。該遮蔽板174も導電性部材である板金からなり、カバー17と一体として形成されている。遮蔽板174の大きさはインバータ回路19の平面視形状より大きいものであり、これにより、スキャナフレーム16に固定されたインバータ回路19がシールドされる。また、天井部120と遮蔽板174との間には所定の間隙Cが設けられている。カバー17をスキャナフレーム16に固定する際に前記固定用鍔部173のネジ止めをカバー17の上側から行うので、該間隙Cはドライバ等の工具を差し入れるために形成されており、図には詳細に示していないが、固定用鍔部173に穿設されたネジ孔の位置にあわせて適宜変更可能である。このように、カバー17に遮蔽板174を突設することにより、インバータ回路19の上方をシールドすることができ、該遮蔽板174はカバー17と一体に形成されているので、スキャナフレーム16にカバー17と別に取付けのためのネジ孔等を形成する必要がなく、加工及び組立が容易である。
また、遮蔽板174の上面には樹脂製の絶縁シート175が貼設されている。一般に、インバータ回路19は、フルレートキャリッジ120の光源124である蛍光灯の輝度を安定させるためのものであり、該インバータ回路19からも電磁波が発生する。したがって、遮蔽板174は、該インバータ回路19から発生した電磁波が他の電子機器、特にフルレートキャリッジ120に影響を及ぼすことを防止するためのものである。
図5及び図6に示すように、インバータ回路19からフルレートキャリッジ120の光源124への配線は、可撓性のハーネス190で行われている。該ハーネス190は、導電材をフィルム状のポリイミド樹脂等の絶縁性合成樹脂で被覆された帯状のものであり、一方の接続端がフルレートキャリッジ120に固定されて光源124等と電気的に接続されており、他方の接続端はボトムシャーシ15に固定され、図には示していないが、該接続端からインバータ回路19へ更に配線されている。なお、図6においては、説明の便宜上、シャーシ14等を一部省略している。
前記ハーネス190は、フルレートキャリッジ120が走査端まで走査された場合に、ボトムシャーシ15の固定端から該フルレートキャリッジ120までの距離より十分に長くなるように遊びを持たせており、該遊び部分は湾曲された状態となっている。即ち、ハーネス190は、フルレートキャリッジ120から走査方向に延びて下方へ湾曲するように反転し、走査方向の反対側へ延びてボトムシャーシ15に固定されている。これにより、フルレートキャリッジ120の走査位置に拘わらず、インバータ回路19とフルレートキャリッジ120を導通している。
なお、ハーネス190は、遊び部分がフルレートキャリッジ120の走査に従動するような可撓性を有するものであれば、本実施の形態にように帯状且つ一体のものとする必要はないが、遊び部分が下方へ垂れ下がってしまったり、撚れて絡まらない程度の適度の弾力を有するものが好適である。また、ハーネス190には、インバータ回路19と光源124との導通の他、電力供給や、制御信号及び画像信号の送受信を行うケーブル等をも含めることができ、ボトムシャーシ15側の接続端を、電源や各信号の送受信を行うための制御部等にも接続してよいことは勿論である。
ハーネス190のボトムシャーシ15側の接続端とインバータ回路19までの配線も、高電圧であるため短い方が好ましい。したがって、本実施の形態にようにインバータ回路19はスキャナユニット122の近傍に配置される。また、インバータ回路19からも電磁波が発生するので、一般に、インバータ回路19は、前記ハーネス190がフルレートキャリッジ120の走査により通過する位置と別の位置に配置するが、図5に示すように、スキャナユニット122のCCDイメージセンサ128や制御基板129が、カラー画像読取や高画質化に伴って大きくなり、スキャナユニット122とハーネス190の通過位置(図斜線範囲)との間にインバータ回路19を設置するスペースがない。したがって、インバータ回路19とハーネス190の通過位置を別位置とするにはフレーム14を大きくせざるを得ないが、その結果、読取載置台101が大きくなって装置自体が大型化する。これを避けるために、インバータ回路19をハーネス190の通過位置と重なる位置に配置するとともに、前記遮蔽板174によりインバータ回路19から発生する電磁波をシールドし、更に、ハーネス190が導電性部材からなる遮蔽板174に接触して漏電することを防止すべく、遮蔽板174の上面に絶縁シート175を貼設している。これにより、スキャナユニット122が大型化しても画像読取装置を大型化することなくインバータ回路19を配設することができる。
以下、カバー17とスキャナフレーム16との導通、及びスキャナフレーム16とボトムシャーシ15との導通について説明する。
前述したように、カバー17はスキャナユニット122及びインバータ回路19をシールドするものなので接地する必要があり、本コピー・ファクシミリ複合機100では、スキャナフレーム16からフレーム14及びボトムシャーシ15を通じてカバー17を接地している。
図3に示すように、スキャナフレーム16に固定されたカバー17は、開口172が形成された側壁部171及びそれと対面する側壁部171の下端が接触板としてスキャナフレーム16の端部160と接触し、固定用鍔部173が接触板としてスキャナフレーム16の上面と接触する。詳細には、夫々接触板としてスキャナフレーム16と接触する側壁部171の下端及び固定用鍔部173には、短冊状の接片176が列設されている。該接片176は、図4及び図7に夫々示すように、側壁部171の下端から鉛直方向へ、又は固定用鍔部173の側端から水平方向に所定間隔で切欠きが設けられるにより形成されており、夫々鉛直方向又は水平方向に所定幅の接片176が列設している。接片176の幅は、接片176がスキャナフレーム16との接離方向へ弾性可能であって、カバー17をネジ止めした際に接片176による反力が過剰な浮き上がり力とならないように設定されるものであり、接片176の幅を狭くすることにより該反力を小さくすることができる。
また、各接片176には、接触面をスキャナフレーム16側へ膨出した湾曲部177が夫々形成されている。該湾曲部177は、接片176が列設された側壁部171の表面又は固定用鍔部173の底面よりスキャナフレーム16側へ膨出しているので、図7に示すように、カバー17をスキャナフレーム16に取り付けた際に、カバー17の歪みや組付け誤差により該カバー17とスキャナフレーム16との間に若干の隙間dが生じたとしても、該湾曲部177が確実にスキャナフレーム16と接触して導通状態となる。また、カバー17をスキャナフレーム16にネジ止めすることにより、各接片176はスキャナフレーム16から離れる方向へ弾性変形し、該弾性力は各接片176の幅により調整されているので、カバー17に過剰な反力が生じず、且つ、経時的にカバー17に歪みや取付けに緩み等が生じて前記隙間dが変化しても、接片176の弾性力により該変化に接片176が追従して、湾曲部177とスキャナフレーム16との接触が維持される。
なお、接片176を弾性変形させて湾曲部177を常にスキャナフレーム16へ付勢して接触を維持する観点から、カバー17がスキャナフレーム16にネジ止めされることにより緊締される固定用鍔部173に接片176を形成することが好ましいが、加工の容易や更に接触部分を増やす等を目的として側壁部171の下端等に形成することも可能であり、スキャナフレーム16と接触を取れる部分であれば接片176を形成する部位は限定されない。
図8は、スキャナフレーム16とボトムシャーシ15と接触状態を示すものであり、説明の便宜上、スキャナユニット122等は省略している。前述したように、スキャナフレーム16はフレーム14に組み付けられるが、これらは剛性が要求され、また、組付け位置の精度も要求されるので、スキャナフレーム16の四隅をフレーム14に嵌合しており、組付け個所が限定的となっている。その結果、スキャナフレーム16とフレーム14との接触面積が少なく、接地に十分な導通がとれないおそれがある。一方、ボトムシャーシ15はスキャナフレーム16ほど剛性を必要とせず、比較的加工が容易であるので、該ボトムシャーシ15に膨出部150を形成し、該膨出部150の上面をスキャナフレーム16の底面と接触させて十分な導通を確保している。また、スキャナフレーム16には、該膨出部150のネジ孔151に対応する位置に若干径大の貫通孔162が穿設されており、該貫通孔162を通じてネジ孔151にネジが螺合されることによりスキャナフレーム16と膨出部150の上面とが緊締されているので、ボトムシャーシ15に歪みや組付け誤差があっても確実に膨出部150をスキャナフレーム16に接触する。このようにして、カバー17とスキャナフレーム16、及びスキャナフレーム16とボトムシャーシ15の導通を確実且つ十分にとってカバー17を接地し、該カバー17でスキャナユニット122及びインバータ回路19をシールドすることができる。
なお、本実施の形態で示したコピー・ファクシミリ複合機100の構成は、本発明に係る画像読取装置の一態様にすぎず、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で適宜設計変更できることは勿論である。