JP3885510B2 - クランプバネの製造方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ターミナルソケット等の電気接続部に使用されるクランプバネの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】
従来、電線の接続部に使用されるクランプバネなどのように、バネ片すなわち被加工部材である板状部材を三角形のループ状に曲げ加工する場合、一般に順送プレス金型を用いて曲げ加工が行われる。しかし、板状部材の曲げ形状がループ状である場合、ループを形成する両端部分の間隔寸法が狭くなる。このため、ダイおよびパンチを形成しようとすると、板状部材の曲げ加工に必要な荷重に耐え得るだけの強度が必要であるにもかかわらず、ダイ側に十分な寸法が得られず、ダイを構成できなかった。この結果、特に、ステンレス材のように硬度の高いバネ材などを曲げる場合には、順送プレス金型を用いて曲げ加工を行うことが困難であった。
【0003】
一方、この種の曲げ加工をマルチフォーミングマシンで行うことも考えられるが、曲げ工程数が多くなると、加工金具の本数が多くなる。このため、マルチフォーミングマシンの加工サイクルが長くなり、生産性が低いという問題点があった。
【0004】
さらに、この種の部品としては、例えば、リレー用ターミナルソケットなどに用いられるループ状のクランプバネがある。しかし、このクランプバネは両端が交差しているので、前述したループ状の曲げ加工だけでなく、被加工部材であるバネ片の両端部をそれぞれ交差した状態に形成する必要があり、その加工が更に困難であるという問題点があった。
【0005】
本発明の目的は、前記問題点を解決するため、順送プレス金型を用いてループ状クランプバネの曲げ加工が可能で、特に、生産性が高く、プレス金型の寿命が長いクランプバネの製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかるクランプバネの製造方法は、前記目的を達成すべく、板状部材の一端側に開口部を形成するとともに他端側を前記開口部に挿入してループ形状に形成し、前記開口部の縁部と前記板状部材の他端部との間で保持力を有してなるクランプバネの製造方法であって、パイロット孔を形成した被加工部材を順送プレス金型を用いて順次加工する製造方法であり、前記パイロット孔を形成する送り部と連続する連結部介して短冊状にクランプバネ片を打抜く工程と、前記プレス金型と連動するダイおよびパンチを用いて、前記クランプバネ片に第1の曲げ部を形成する曲げ工程と、前記クランプバネ片に第2の曲げ部を形成する工程と、前記第2の曲げ部をダイの押圧方向とは直交する方向に延出した芯金台を用いて略三角形状に曲げる曲げ工程と、略三角形状に曲げられた一端を水平方向に押圧して、他端を上方に押し上げながら一端の先端部を前記開口部に挿入してなる工程とからなるクランプバネの製造方法である。
【0007】
この製造方法によれば、クランプバネの曲げ部を、ダイの押圧方向に対して直交する方向に延出した芯金台を用いて曲げ加工を行うので、順送プレス金型で連続的に曲げ加工を行うことが可能となり、生産性を高めることができる。
【0008】
さらに、この製造方法によれば、略三角形状に曲げられた一端を水平方向に押圧して、他端を上方に押し上げながら一端の先端部を前記開口部に挿入することができるとともに、硬度の高い材料をも用いることができる。このため、電線保持力の大きいクランプバネを連続的に製作できるという効果がある。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明にかかる実施形態を図1ないし図14の添付図面に従って説明する。
本実施形態において、図1および図2は後述する本発明の製造方法により製造されるクランプバネ1を示す。このクランプバネ1は一端舌片1a、一端片1b、アール状の第1コーナ部1c、連結片1d、アール状の第2コーナ部1e、他端片1fからなる。そして、この他端片1fに形成された開口部2(一端開口部)に前述の一端舌片1aを移動可能に係入することにより、クランプバネ1は、その全体形状を略三角形のループ状に形成したものである。さらに、前述の一端舌片1aには、略「く」の字状の圧接部3が設けられている。
なお、前述の一端片1bには、図1および図2において矢印イで示す方向にバネ力が常時作用しており、一端片1bの先端部に位置する一端舌片1aが開口部2の縁部で受け止められている。
【0010】
次に、前述したクランプバネ1の使用例を説明する。
図3はリレーターミナルの電線接続部を示す断面図で、4は合成樹脂等の電気絶縁部材にて形成したボックス形状のケースである。そして、このケース4を嵌合したベース4a内のクランプバネ配設空間5には、屈曲された複数の端子6が配設されている。さらに、この端子6の一端部には、電線の接続保持用クランプバネ1が取り付けられている。
【0011】
また、クランプバネ配設空間5の上方には、仕切部7を介してクランプバネ用操作孔8と電線が挿入される配線孔9とが、前記配設空間5に連通するように形成されている。
【0012】
次に、図4ないし図14を用いて本発明のクランプバネ1の製造方法について説明する。
本発明のクランプバネ1は順送プレス金型で曲げ加工が順次行われる。すなわち、図4に示すように、フープ材である被加工部材10に抜き加工および一連の曲げ加工が施された後、最後に切断されて図1に示すクランプバネ1を製作する。なお、クランプバネ1の保持力を高めるため、被加工部材10のバネ材としては比較的硬度の高いステンレス材(SUS-301-CSP)を用いている。
【0013】
前記被加工部材10は、その両側縁部近傍にはパイロットピン孔11,12が形成されており、図示しないパイロットピンによって位置決めされながら、順次、矢印ロ方向に送られて一連の加工が施される。
【0014】
まず、連結部13付近に開口部2となる角孔14が形成され、ついで、この角孔14の両側幅方向部分が打抜かれる。続いて、連結部13の反対側に位置する端部が打抜かれることにより、連結部13に片持ち支持された多数本の短冊状クランプバネ片16が形成される。
【0015】
前記クランプバネ片16を図4に示す工程(A)から工程(I)に至るまで、順送プレス金型で順次曲げ加工を行い、最後に連結部13から切断して図1および図2に示されるループ状のクランプバネ1が得られる。なお、図5は、図4に示した工程(A)から工程(I)の各工程に対応する形状のクランプバネ片16を、図4の矢印ハ方向から見た図である。
【0016】
次に、前述の工程(A)から工程(I)の各曲げ工程について説明する。
被加工部材10から打抜かれたクランプバネ片16は、図5に示す工程(A)、工程(B)および工程(C)の順に曲げ加工される。工程(A)は、クランプバネ片16の先端をく字状に曲げて一端舌片1aを形成する工程である。また、工程(B)、(C)はクランプバネの第1コーナ部1cを形成する曲げ工程であり、図示しないダイおよびストリッパ、パンチ等によってそれぞれの形状に曲げられる。
【0017】
さらに、工程(D)は、図6に示すように、アール状の第1コーナ部1cを形成するための曲げ工程を示す図で、前工程における曲げ部1cの角度を更に鋭角に曲げる工程である。図示しない金型の下降と同時に下降するダイ50とストリッパ51とでクランプバネ片16を保持し、その後の金型の下降に合わせて下降するパンチ52とダイ50とで第1コーナ部1cが形成される。
【0018】
そして、前記曲げ加工が終了した時点で、被加工部材10を次の工程に送るために被加工部材10を送り位置までリフトアップする必要がある。しかし、被加工部材10からなるクランプバネ片16の曲げがインロー曲げとなっており、ダイ50に一端片1bが係止するため、被加工部材10のみの上昇が不可能である。しかし、ダイ50を金型の上下の動きに合わせて上下するように構成してある。このため、ダイ50を送り位置まで上昇させて被加工部材10を水平に保つことにより、次の工程に送ることができる。この工程で第1コーナ部1cの曲げ加工が終了する。
【0019】
次に、三角形のループ状に形成するため、第2曲げ部の曲げ加工を行う。
第2曲げ部すなわち第2コーナ部1eを形成する工程を示す図7において、金型の下降とともに下降するダイ53とストリッパ54とでクランプバネ片16を保持する。ついで、その後の金型の下降に合わせて下降するパンチ55とダイ53とで曲げ部1eを形成する。
この工程においても、前記工程(D)と同様、クランプバネ片16の曲げがインロー曲げとなっているため、ダイ53に一端舌片1aが係止し、被加工部材10のみの上昇が不可能である。このため、ダイ53を被加工部材10の送り位置まで上昇させて被加工部材10を水平に保つことにより、被加工部材10を次の工程に送ることができる。
【0020】
図8は、第2曲げ部である第2コーナ部1eをより鋭角に曲げ加工する工程で、金型の下降とともに下降するダイ56とストリッパ61とでクランプバネ片16を保持する。ついで、その後の金型の下降に合わせて下降するパンチ62とダイ56とで第2コーナ部1eを形成する。なお、57は次の曲げ加工工程で用いるダイであり、図14に示すように、前記ダイ56から側方に延出するように形成された芯金台である。
この工程においても、前記工程と同様、クランプバネ片16の曲げ加工がインロー曲げとなるため、ダイ56が送り位置まで上昇して被加工部材10を水平に保つことにより、被加工部材10を次の工程に送ることができる。
【0021】
図9は、第2曲げ部分である第2コーナ部1eをより鋭角に曲げ加工してループ状にする工程である。すなわち、金型の下降とともに下降するダイ63とストリッパ67とでクランプバネ片16を保持し、その後の金型の下降に合わせて、上下の動きを水平に変換した横押しダイ65とダイ63とで第2コーナ部1eを形成する。
【0022】
この曲げ工程においては、第2コ−ナ部1eを曲げて一端片1bが閉ループを形成するため、前記工程の芯金台57が用いられる。すなわち、この芯金台57の一部であるダイ58と左方向から移動する横押しダイ65とで曲げ加工が行われる。この結果、図9に示すように、一端舌片1aが連結部13に圧接するが、ストリッパ67が上昇し、連結部13が変形可能な状態になる。このため、一端舌片1aは連結部13を押し上げるので、第2曲げ部である第2コーナ部1eの曲げ加工が可能になる。
【0023】
第2コーナ部1eの曲げ加工が終了すると、ストリッパ67が再び下降するとともに、横押しダイ65が左方向に移動する。これによって、図10に示すように、連結部13は水平状態に復帰するとともに、一端片1bも図10の破線で示す位置に移動する。
【0024】
なお、図9における横押しダイ66は、横押しダイ65とダイ63とで曲げ加工が開始される前にクランプバネ片16の先端に位置する一端舌片1aが描く曲げ加工軌跡をサポートするものであり、所定の固定位置で待機している。ダイ64も固定式であるが、同様の機能を有している。
【0025】
図11は、一端片1bをクランプバネ片16の角穴14に挿入する工程を示している。すなわち、一端片1bを横押しダイ72が水平方向に押していくと、ストリッパ73がわずかに上昇するので、一端舌片1aが連結部13を押上げる。このため、この連結部13が撓んだ状態となり、一端舌片1aを角穴14まで導く。そして、一端舌片1aが角穴14に挿入されるとともに、ストリッパ73の凹部74に入り込んで、一端片1bと角穴14とが係合した状態となり、ループ状のクランプバネ1が形成される。
【0026】
前述したように、この工程では連結部13を撓ませて一端舌片1aを角穴14まで導いて角穴14に挿入するので、一端舌片1aを角穴14に容易に係合できるという利点がある。
【0027】
なお、連結部13を撓ませることになるが、クランプバネ片16は硬度の高いステンレス材で形成されている。このため、ストリッパ73が下降して再び元の位置に復帰すると、前記連結部13も曲げ歪みを残すことなく、元の状態に復帰する。この結果、被加工部材の送りに何ら支障をきたすことがなく、本実施例に用いる順送プレス金型方式による曲げ加工を可能にしている。
【0028】
図12に示したクランプバネ片16のうち、左側に位置するクランプバネ片16の斜線部分が撓みを生じる連結部13を示し、右側のクランプバネ片16は先端舌片1aが角穴に正常に入り込んだ状態を示している。
【0029】
図13は組込みを完了した金型の状態を示した図である。そして、最後に連結部13を所定の位置で切断して図1および図2で示すクランプバネ1が完成する。
【0030】
本実施形態によれば、フープ材からクランプバネを連続的に形成でき、マルチフォーミング加工よりも高い生産性を有するクランプバネの製造方法が得られる。
また、フープ材に曲げ加工が加わる際には、そのプレス圧を相殺するように芯金台57が常に反対側を支持されている。このため、芯金台57は疲労破壊が生じにくくなり、寿命が伸びる。特に、例えば、ダイ70が芯金台57を支持するので、より一層寿命が伸びるという利点がある。
【0031】
【発明の効果】
本発明によれば、順送プレス金型を用いて、閉形状の曲げ加工が可能となり、ループ状クランプバネの両端の組付けが容易となるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の製造方法により製造したクランプバネの斜視図である。
【図2】 図1で示したクランプバネの断面図である。
【図3】 図1で示したクランプバネを使用した電線接続部の断面図である。
【図4】 被加工部材に施された一連の加工工程ごとのクランプバネ形状を示す平面図である。
【図5】 図4の工程(A)〜(I)に対応したクランプバネの形状を図4の矢印ハ方向から見た側面図である。
【図6】 図4の工程(D)の曲げ加工状態を示す図である。
【図7】 図4の工程(E)の曲げ加工状態を示す図である
【図8】 図4の工程(F)の曲げ加工状態を示す図である
【図9】 図4の工程(G)の曲げ加工状態を示す図である
【図10】 図4の工程(H)の曲げ加工状態を示す図である
【図11】 図4の工程(I)の一端片を角孔に挿入させる工程を示した図である。
【図12】 図11で示した連結片13を上方から見た図である。
【図13】 ループ状のクランプバネが形成された状態を示す図である。
【図14】 ダイに一体に形成された芯金台を示す斜視図である。
【符号の説明】
1…クランプバネ、1a…一端舌片、1b…一端片、1c…第1コーナ部、1d…連結片、1e…第2コーナ部、1f…他端片、2…開口部、13…連結部、14…角孔、16…クランプバネ片、56…ダイ、57…芯金台、58,59,60…ダイ。
【発明の属する技術分野】
本発明は、ターミナルソケット等の電気接続部に使用されるクランプバネの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】
従来、電線の接続部に使用されるクランプバネなどのように、バネ片すなわち被加工部材である板状部材を三角形のループ状に曲げ加工する場合、一般に順送プレス金型を用いて曲げ加工が行われる。しかし、板状部材の曲げ形状がループ状である場合、ループを形成する両端部分の間隔寸法が狭くなる。このため、ダイおよびパンチを形成しようとすると、板状部材の曲げ加工に必要な荷重に耐え得るだけの強度が必要であるにもかかわらず、ダイ側に十分な寸法が得られず、ダイを構成できなかった。この結果、特に、ステンレス材のように硬度の高いバネ材などを曲げる場合には、順送プレス金型を用いて曲げ加工を行うことが困難であった。
【0003】
一方、この種の曲げ加工をマルチフォーミングマシンで行うことも考えられるが、曲げ工程数が多くなると、加工金具の本数が多くなる。このため、マルチフォーミングマシンの加工サイクルが長くなり、生産性が低いという問題点があった。
【0004】
さらに、この種の部品としては、例えば、リレー用ターミナルソケットなどに用いられるループ状のクランプバネがある。しかし、このクランプバネは両端が交差しているので、前述したループ状の曲げ加工だけでなく、被加工部材であるバネ片の両端部をそれぞれ交差した状態に形成する必要があり、その加工が更に困難であるという問題点があった。
【0005】
本発明の目的は、前記問題点を解決するため、順送プレス金型を用いてループ状クランプバネの曲げ加工が可能で、特に、生産性が高く、プレス金型の寿命が長いクランプバネの製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかるクランプバネの製造方法は、前記目的を達成すべく、板状部材の一端側に開口部を形成するとともに他端側を前記開口部に挿入してループ形状に形成し、前記開口部の縁部と前記板状部材の他端部との間で保持力を有してなるクランプバネの製造方法であって、パイロット孔を形成した被加工部材を順送プレス金型を用いて順次加工する製造方法であり、前記パイロット孔を形成する送り部と連続する連結部介して短冊状にクランプバネ片を打抜く工程と、前記プレス金型と連動するダイおよびパンチを用いて、前記クランプバネ片に第1の曲げ部を形成する曲げ工程と、前記クランプバネ片に第2の曲げ部を形成する工程と、前記第2の曲げ部をダイの押圧方向とは直交する方向に延出した芯金台を用いて略三角形状に曲げる曲げ工程と、略三角形状に曲げられた一端を水平方向に押圧して、他端を上方に押し上げながら一端の先端部を前記開口部に挿入してなる工程とからなるクランプバネの製造方法である。
【0007】
この製造方法によれば、クランプバネの曲げ部を、ダイの押圧方向に対して直交する方向に延出した芯金台を用いて曲げ加工を行うので、順送プレス金型で連続的に曲げ加工を行うことが可能となり、生産性を高めることができる。
【0008】
さらに、この製造方法によれば、略三角形状に曲げられた一端を水平方向に押圧して、他端を上方に押し上げながら一端の先端部を前記開口部に挿入することができるとともに、硬度の高い材料をも用いることができる。このため、電線保持力の大きいクランプバネを連続的に製作できるという効果がある。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明にかかる実施形態を図1ないし図14の添付図面に従って説明する。
本実施形態において、図1および図2は後述する本発明の製造方法により製造されるクランプバネ1を示す。このクランプバネ1は一端舌片1a、一端片1b、アール状の第1コーナ部1c、連結片1d、アール状の第2コーナ部1e、他端片1fからなる。そして、この他端片1fに形成された開口部2(一端開口部)に前述の一端舌片1aを移動可能に係入することにより、クランプバネ1は、その全体形状を略三角形のループ状に形成したものである。さらに、前述の一端舌片1aには、略「く」の字状の圧接部3が設けられている。
なお、前述の一端片1bには、図1および図2において矢印イで示す方向にバネ力が常時作用しており、一端片1bの先端部に位置する一端舌片1aが開口部2の縁部で受け止められている。
【0010】
次に、前述したクランプバネ1の使用例を説明する。
図3はリレーターミナルの電線接続部を示す断面図で、4は合成樹脂等の電気絶縁部材にて形成したボックス形状のケースである。そして、このケース4を嵌合したベース4a内のクランプバネ配設空間5には、屈曲された複数の端子6が配設されている。さらに、この端子6の一端部には、電線の接続保持用クランプバネ1が取り付けられている。
【0011】
また、クランプバネ配設空間5の上方には、仕切部7を介してクランプバネ用操作孔8と電線が挿入される配線孔9とが、前記配設空間5に連通するように形成されている。
【0012】
次に、図4ないし図14を用いて本発明のクランプバネ1の製造方法について説明する。
本発明のクランプバネ1は順送プレス金型で曲げ加工が順次行われる。すなわち、図4に示すように、フープ材である被加工部材10に抜き加工および一連の曲げ加工が施された後、最後に切断されて図1に示すクランプバネ1を製作する。なお、クランプバネ1の保持力を高めるため、被加工部材10のバネ材としては比較的硬度の高いステンレス材(SUS-301-CSP)を用いている。
【0013】
前記被加工部材10は、その両側縁部近傍にはパイロットピン孔11,12が形成されており、図示しないパイロットピンによって位置決めされながら、順次、矢印ロ方向に送られて一連の加工が施される。
【0014】
まず、連結部13付近に開口部2となる角孔14が形成され、ついで、この角孔14の両側幅方向部分が打抜かれる。続いて、連結部13の反対側に位置する端部が打抜かれることにより、連結部13に片持ち支持された多数本の短冊状クランプバネ片16が形成される。
【0015】
前記クランプバネ片16を図4に示す工程(A)から工程(I)に至るまで、順送プレス金型で順次曲げ加工を行い、最後に連結部13から切断して図1および図2に示されるループ状のクランプバネ1が得られる。なお、図5は、図4に示した工程(A)から工程(I)の各工程に対応する形状のクランプバネ片16を、図4の矢印ハ方向から見た図である。
【0016】
次に、前述の工程(A)から工程(I)の各曲げ工程について説明する。
被加工部材10から打抜かれたクランプバネ片16は、図5に示す工程(A)、工程(B)および工程(C)の順に曲げ加工される。工程(A)は、クランプバネ片16の先端をく字状に曲げて一端舌片1aを形成する工程である。また、工程(B)、(C)はクランプバネの第1コーナ部1cを形成する曲げ工程であり、図示しないダイおよびストリッパ、パンチ等によってそれぞれの形状に曲げられる。
【0017】
さらに、工程(D)は、図6に示すように、アール状の第1コーナ部1cを形成するための曲げ工程を示す図で、前工程における曲げ部1cの角度を更に鋭角に曲げる工程である。図示しない金型の下降と同時に下降するダイ50とストリッパ51とでクランプバネ片16を保持し、その後の金型の下降に合わせて下降するパンチ52とダイ50とで第1コーナ部1cが形成される。
【0018】
そして、前記曲げ加工が終了した時点で、被加工部材10を次の工程に送るために被加工部材10を送り位置までリフトアップする必要がある。しかし、被加工部材10からなるクランプバネ片16の曲げがインロー曲げとなっており、ダイ50に一端片1bが係止するため、被加工部材10のみの上昇が不可能である。しかし、ダイ50を金型の上下の動きに合わせて上下するように構成してある。このため、ダイ50を送り位置まで上昇させて被加工部材10を水平に保つことにより、次の工程に送ることができる。この工程で第1コーナ部1cの曲げ加工が終了する。
【0019】
次に、三角形のループ状に形成するため、第2曲げ部の曲げ加工を行う。
第2曲げ部すなわち第2コーナ部1eを形成する工程を示す図7において、金型の下降とともに下降するダイ53とストリッパ54とでクランプバネ片16を保持する。ついで、その後の金型の下降に合わせて下降するパンチ55とダイ53とで曲げ部1eを形成する。
この工程においても、前記工程(D)と同様、クランプバネ片16の曲げがインロー曲げとなっているため、ダイ53に一端舌片1aが係止し、被加工部材10のみの上昇が不可能である。このため、ダイ53を被加工部材10の送り位置まで上昇させて被加工部材10を水平に保つことにより、被加工部材10を次の工程に送ることができる。
【0020】
図8は、第2曲げ部である第2コーナ部1eをより鋭角に曲げ加工する工程で、金型の下降とともに下降するダイ56とストリッパ61とでクランプバネ片16を保持する。ついで、その後の金型の下降に合わせて下降するパンチ62とダイ56とで第2コーナ部1eを形成する。なお、57は次の曲げ加工工程で用いるダイであり、図14に示すように、前記ダイ56から側方に延出するように形成された芯金台である。
この工程においても、前記工程と同様、クランプバネ片16の曲げ加工がインロー曲げとなるため、ダイ56が送り位置まで上昇して被加工部材10を水平に保つことにより、被加工部材10を次の工程に送ることができる。
【0021】
図9は、第2曲げ部分である第2コーナ部1eをより鋭角に曲げ加工してループ状にする工程である。すなわち、金型の下降とともに下降するダイ63とストリッパ67とでクランプバネ片16を保持し、その後の金型の下降に合わせて、上下の動きを水平に変換した横押しダイ65とダイ63とで第2コーナ部1eを形成する。
【0022】
この曲げ工程においては、第2コ−ナ部1eを曲げて一端片1bが閉ループを形成するため、前記工程の芯金台57が用いられる。すなわち、この芯金台57の一部であるダイ58と左方向から移動する横押しダイ65とで曲げ加工が行われる。この結果、図9に示すように、一端舌片1aが連結部13に圧接するが、ストリッパ67が上昇し、連結部13が変形可能な状態になる。このため、一端舌片1aは連結部13を押し上げるので、第2曲げ部である第2コーナ部1eの曲げ加工が可能になる。
【0023】
第2コーナ部1eの曲げ加工が終了すると、ストリッパ67が再び下降するとともに、横押しダイ65が左方向に移動する。これによって、図10に示すように、連結部13は水平状態に復帰するとともに、一端片1bも図10の破線で示す位置に移動する。
【0024】
なお、図9における横押しダイ66は、横押しダイ65とダイ63とで曲げ加工が開始される前にクランプバネ片16の先端に位置する一端舌片1aが描く曲げ加工軌跡をサポートするものであり、所定の固定位置で待機している。ダイ64も固定式であるが、同様の機能を有している。
【0025】
図11は、一端片1bをクランプバネ片16の角穴14に挿入する工程を示している。すなわち、一端片1bを横押しダイ72が水平方向に押していくと、ストリッパ73がわずかに上昇するので、一端舌片1aが連結部13を押上げる。このため、この連結部13が撓んだ状態となり、一端舌片1aを角穴14まで導く。そして、一端舌片1aが角穴14に挿入されるとともに、ストリッパ73の凹部74に入り込んで、一端片1bと角穴14とが係合した状態となり、ループ状のクランプバネ1が形成される。
【0026】
前述したように、この工程では連結部13を撓ませて一端舌片1aを角穴14まで導いて角穴14に挿入するので、一端舌片1aを角穴14に容易に係合できるという利点がある。
【0027】
なお、連結部13を撓ませることになるが、クランプバネ片16は硬度の高いステンレス材で形成されている。このため、ストリッパ73が下降して再び元の位置に復帰すると、前記連結部13も曲げ歪みを残すことなく、元の状態に復帰する。この結果、被加工部材の送りに何ら支障をきたすことがなく、本実施例に用いる順送プレス金型方式による曲げ加工を可能にしている。
【0028】
図12に示したクランプバネ片16のうち、左側に位置するクランプバネ片16の斜線部分が撓みを生じる連結部13を示し、右側のクランプバネ片16は先端舌片1aが角穴に正常に入り込んだ状態を示している。
【0029】
図13は組込みを完了した金型の状態を示した図である。そして、最後に連結部13を所定の位置で切断して図1および図2で示すクランプバネ1が完成する。
【0030】
本実施形態によれば、フープ材からクランプバネを連続的に形成でき、マルチフォーミング加工よりも高い生産性を有するクランプバネの製造方法が得られる。
また、フープ材に曲げ加工が加わる際には、そのプレス圧を相殺するように芯金台57が常に反対側を支持されている。このため、芯金台57は疲労破壊が生じにくくなり、寿命が伸びる。特に、例えば、ダイ70が芯金台57を支持するので、より一層寿命が伸びるという利点がある。
【0031】
【発明の効果】
本発明によれば、順送プレス金型を用いて、閉形状の曲げ加工が可能となり、ループ状クランプバネの両端の組付けが容易となるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の製造方法により製造したクランプバネの斜視図である。
【図2】 図1で示したクランプバネの断面図である。
【図3】 図1で示したクランプバネを使用した電線接続部の断面図である。
【図4】 被加工部材に施された一連の加工工程ごとのクランプバネ形状を示す平面図である。
【図5】 図4の工程(A)〜(I)に対応したクランプバネの形状を図4の矢印ハ方向から見た側面図である。
【図6】 図4の工程(D)の曲げ加工状態を示す図である。
【図7】 図4の工程(E)の曲げ加工状態を示す図である
【図8】 図4の工程(F)の曲げ加工状態を示す図である
【図9】 図4の工程(G)の曲げ加工状態を示す図である
【図10】 図4の工程(H)の曲げ加工状態を示す図である
【図11】 図4の工程(I)の一端片を角孔に挿入させる工程を示した図である。
【図12】 図11で示した連結片13を上方から見た図である。
【図13】 ループ状のクランプバネが形成された状態を示す図である。
【図14】 ダイに一体に形成された芯金台を示す斜視図である。
【符号の説明】
1…クランプバネ、1a…一端舌片、1b…一端片、1c…第1コーナ部、1d…連結片、1e…第2コーナ部、1f…他端片、2…開口部、13…連結部、14…角孔、16…クランプバネ片、56…ダイ、57…芯金台、58,59,60…ダイ。
Claims (1)
- 板状部材の一端側に開口部を形成するとともに他端側を前記開口部に挿入してループ形状に形成し、前記開口部の縁部と前記板状部材の他端部との間で保持力を有してなるクランプバネの製造方法であって、
パイロット孔を形成した被加工部材を順送プレス金型を用いて順次加工する製造方法であり、
前記被加工部材に開口部を形成する工程と、
前記パイロット孔を形成する送り部と連続する連結部を介して短冊状にクランプバネ片を打抜く工程と、
前記プレス金型と連動するダイおよびパンチを用いて、前記クランプバネ片に第1の曲げ部を形成する曲げ工程と、
前記クランプバネ片に第2の曲げ部を形成する工程と、
前記第2の曲げ部をダイの押圧方向とは直交する方向に延出した芯金台を用いて略三角形状に曲げる曲げ工程と、
略三角形状に曲げられた一端を水平方向に押圧して、他端を上方に押し上げながら一端の先端部を前記開口部に挿入してなる工程と、
からなることを特徴とするクランプバネの製造方法。
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