JP3884944B2 - 多方向入力装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は多方向入力装置に係わり、特にテレビゲーム機等に使用して好適な多方向入力装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、テレビゲーム機等のコントローラに接続されて、キートップを押圧操作することにより、テレビゲームにおけるキャラクタの移動等をコントロール可能な多方向入力装置が用いられている。
このような従来の入力装置は、図4に示すように、上部側に上ケース21が配設され、この上ケース21には開口部21aが形成されると共に、内面から下方に突出する複数のボス部21bが形成されている。
【0003】
また、上ケース21と対向する下方側には下ケース22が配設され、この下ケース22の所定位置から上方に突出して揺動軸受22aが形成されている。また、揺動軸受け22aの端部には凹部22bが形成されている。また、上ケース21の開口部21aには、キートップ23が配設されており、このキートップ23は、外周部寄りに操作部23aを有すると共に、中央部には下方に突出する支点突起23bが形成されている。このようなキートップ23は、支点突起23bの先端部が、下ケース22に形成した揺動軸受22aの凹部22bに支持されて、操作部23aの一部を押圧操作すると、支点突起23bの先端部23cを支点として、揺動可能になっている。
【0004】
また、上ケース21と下ケース22との間には、所定厚さの基板25が配設されており、この基板25は、ボス部21bにネジ24等で取り付けられている。前記基板25上には、複数のドーム状の空洞部26aを有する弾性部材26が配設されており、空洞部26aの天井には可動接点26bが形成されている。また、可動接点26bと対向する位置の基板25上には、可動接点26bが当接すると導通可能な固定接点(図示せず)が形成されて、可動接点26bと固定接点とでスイッチ手段が構成されている。
【0005】
このような構成の従来の多方向入力装置の動作は、操作部23aの例えば図示右側を押圧すると、キートップ23は、支点突起23bの先端部23cを揺動支点として、右方向に揺動する。この時のキートップ23は、操作部23aの外周端部が、寸法Aの揺動半径で揺動し、2点鎖線で示す揺動円弧Bに沿って、斜め下方に揺動するようになっている。また、キートップ23が揺動したときに、操作部23aの外周部が開口部21aの内周部にぶつからないように、操作部23aの外周端部と開口部21aの内周部との間に隙間Cが形成されている。そして、キートップ23の図示右側の操作部23aを押圧することにより、図示右側の弾性部材26が弾性変形して、可動接点26bが基板25側の固定接点(図示せず)に当接して導通し、図示右側のスイッチ手段がONされる。この図示右側のスイッチ手段がONすることにより、テレビゲーム等においてディスプレー上のキャラクター等を右方向に移動できるようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前述したような従来の多方向入力装置は、キートップ21の操作部23aを押圧すると、操作部23aの外周部が斜め下方の外側に大きく振れながら揺動する。そのために、隙間Cを大きくしなければいけなかった。
このような、隙間Cを大きくすると、隙間Cからゴミ等の異物が内部に侵入しやすくなり、キートップ23の操作性が損なわれるおそれがあった。
また、従来の多方向入力装置は、隙間Cを大きくしなければならなかったために、筐体の小型化が難しかった。
本発明は、前述したような問題点に鑑みてなされたもので、キートップの揺動支点を上ケース側に形成することにより、キートップを支持する上ケースの開口部とキートップの外周端部との間の隙間を小さくすることができる多方向入力装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための第1の解決手段として本発明は、押圧操作可能な操作部を有するキートップと、このキートップの前記操作部が挿入されて保持可能な開口部を有する上ケースと、前記キートップの前記操作部を押圧することにより弾性変形可態な弾性部材と、前記操作部を押圧して前記弾性部材を弾性変形させることにより動作可能なスイッチ手段とを備え、前記上ケースは、前記開口部を円周方向に4分割する桟部を有し、前記キートップの前記操作部は、十字状の溝により円周方向に4分割され、この4分割された前記操作部は、前記4分割された前記開口部にそれぞれ挿入されて上下動可能に保持され、前記弾性部材は、前記上ケースの下方に配設された板状の基材上に保持されると共に、前記キートップを前記上ケース側に弾性付勢し、前記キートップは、前記溝の十字状に交差する交差部の下面から前記基材側に突出する棒状の凸部を形成し、前記基材は、前記凸部の先端部が摺動可能な球面状の凹部を形成し、前記スイッチ手段は、それぞれの前記操作部が対向する下方側の前記基材上にそれぞれ配設され、前記桟部の中央部は前記キートップの十字状の前記溝の交差部の位置で支持され、前記キートップの棒状の凸部と前記基材の凹部とでその位置を保持され、前記操作部のいずれか1つを押圧操作すると、前記桟部の中央部を支点として前記キートップが揺動すると共に、前記凸部の先端部が前記球面状の凹部内を摺動し、前記押圧操作した前記操作部と対向する下方側の前記スイッチ手段が動作するような構成とした。
【0008】
また、前記課題を解決するための第2の解決手段として、前記上ケースは、前記4分割された前記開口部に挟まれた前記桟部の中央部から前記基材側に突出する支点部を形成し、前記キートップは、十字状の前記溝の交差部に前記支点部が係合可能な凹状の支持部を形成し、前記弾性部材により弾性付勢される前記キートップの前記支持部を前記支点部に係合させて、前記キートップを揺動可能に支持するような構成とした。
【0009】
また、前記課題を解決するための第3の解決手段として、前記スイッチ手段は、それぞれの前記操作部が対向する下方側の前記弾性部材に可動接点を形成し、この可動接点が対向する側の前記基材に固定接点を形成した構成とした。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に関する多方向入力装置を図1〜図3に基づいて説明する。図1は本発明の多方向入力装置に関する上面図であり、図2は図1の2−2断面図であり、図3は図1の3−3断面図である。
まず、本発明の多方向入力装置1を用いた、例えば、テレビゲーム機等のコントローラ(図示せず)は、筐体を構成する上ケース2の一部に、図1に示すような、上から見た形状が略矩形状の複数の開口部3が形成されている。この開口部3は、上ケース2に形成された、桟部2aによって、上下左右の4方向の円周方向に4分割されている。
また、4つの開口部3に挟まれた桟部2aの中央部の下面側には、図2に示すように、略半球状に突出する支点部2bが形成されている。
【0011】
前記4分割された開口部3は、図1に示すように、右側から時計回り方向に、第1〜第4の開口部3a〜3dが順番に形成されている。
また、それぞれの開口部3には、多方向入力装置1のキートップ4を押圧操作可能な操作部5がそれぞれ挿入されて支持されている。
前記キートップ4の操作部5は、十字状の溝4aにより円周方向に4分割されて、図示右側から時計回り方向に、第1〜第4の操作部5a〜5dが形成されている。
そして、第1〜第4の操作部5a〜5dは、上ケース2の第1〜第4の開口部3a〜3dに挿入されて、キートップ4が揺動可能になっている。
前記それぞれの操作部5a〜5dは、図1に示すように、上から見た形状が略矩形状に形成され、十字状の溝4aの底面4fは、図3に示すように、テーパー状に形成されて、キートップ4が所定以上揺動した時に、底面4fが桟部2aの裏面にぶつかるようになっている。
【0012】
また、キートップ4は、溝4aの底面4fの十字状に交差する交差部に、凹状の支持部4bが形成され、この支持部4bに、桟部2aの支点部2bが係合し、支点部2bを支点として、キートップ4が揺動可能になっている。
また、キートップ4は、それぞれの操作部5a〜5dの外側に円形状の鍔部4cが形成されており、キートップ4が所定以上揺動したときに、鍔部4c、及び溝4aのテーパー状の底面4fが、上ケース2の内面、または桟部2aの裏面に当接して、キートップ4の揺動量が規制可能になっている。
【0013】
また、キートップ4の第1〜第4の操作部5a〜5dの下面には、スイッチ操作部4dが形成されている。また、キートップ4は、溝4aの十字状に交差する交差部の下面から、下方側の後述する基材8側に突出する棒状の凸部4eが形成され、この凸部4eの先端部が球面状に形成されている。
また、キートップ4のそれぞれの操作部5a〜5dと対向する下面側には、後述する弾性部材6を押圧操作可能なスイッチ操作部4dが形成されている。
【0014】
また、図2に示すキートップ4の下方には、ゴム等の絶縁性部材からなり弾性変形可能な弾性部材6が配設されている。前記弾性部材6は、キートップ4のそれぞれの操作部5a〜5dと対向する下部側に、それぞれ押圧部6aが形成され、この押圧部6aをキートップ4のスイッチ操作部4dが押圧可能になっている。
また、弾性部材6は、それぞれの押圧部6aの内部にドーム状の空洞部6bが形成され、空洞部6bの天井部には可動接点(図示せず)が形成されている。
前記弾性部材6は、シート状の連結部6cによって、空洞部6bを有するそれぞれの押圧部6aが連結されて一体化されている。
【0015】
また、弾性部材6の下部には、フィルム状のシート部材7が配設され、このシート部材7には、空洞部6bの天井部に形成した可動接点(図示せず)と対向する部分に、固定接点(図示せず)が形成されている。そして、可動接点と固定接点とにより、スイッチ手段が構成されている。
また、シート部材7の下部には、板状の基材8が配設されており、弾性部材6とシート部材7とは、上ケース2から下方に突出する係止突起2cにより、基材さに押圧されて取り付けられている。
【0016】
また、基材8は、キートップ4の凸部4eの先端部が摺動可能な凹部8aが形成され、この凹部8aは、球面状にへこんで形成されている。
前記キートップ4は、下方側から弾性部材6の付勢力で上方に付勢されているので、溝4aの底面4fに形成した支持部4bが、上ケース2の桟部2aに形成した支点部2bに係合して支持されるようになっている。
この時のキートップ4は、凸部4eの先端部が基材8の凹部8a内面を摺動可能になっており、第1〜第4の操作部5a〜5dの内の、いずれか1つを押圧操作すると、凸部4eが凹部8a内面を摺動して、キートップ4が揺動するようになっている。
【0017】
また、操作部5を押圧操作しない時のキートップ4は、凸部4eの先端が基材8の凹部8a中央に位置した中立状態になっている。このようなキートップ4が中立状態の時は、4つの操作部5a〜5dのいずれか1つを押圧することにより、押圧した側にキートップ4が揺動するようになっている。
また、キートップ4を揺動可能に支持する支点部2bが、開口部3が形成された桟部2aに設けられているので、キートップ4を揺動させても、操作部5の外周部は、外側に振れることがなく、略垂直方向に上下動するだけである。
そのために、それぞれの操作部5の外周部と開口部3の内周部との間の隙間Dを小さくすることができる。
【0018】
このような構成の本発明の多方向入力装置1の動作は、まず、キートップ4の例えば図示右側の第1操作部5aを操作者の指等で押圧すると、キートップ4は、支点部2bを支点として、図2において時計回り方向に揺動し、第1の操作部5aが下方に降下する。
これと同時に、凸部4eの先端部は、支点部2bを支点として、基材8の凹部8aの内面を図示左側に摺動する。
そして、第1の操作部5a下部の弾性部材6が、スイッチ操作部4dに押圧されて弾性変形し、可動接点(図示せず)がシート部材7の固定接点(図示せず)に当接して導通し、図示右側のスイッチ手段がONして動作する。
このスイッチ手段の動を制御部(図示せず)が検出すると、制御部がテレビゲーム等のキャラクタを右方向に移動させるようになっている。
【0019】
このような本発明の多方向入力装置は、キートップ4の、操作部5a〜5dのいずれか1つを押圧操作すると、凸部4eの先端部が基材8の凹部8aの内面に当接しながら摺動するので、キートップ4の支持部4bが桟部2aの支点部2bから離れることがなく、キートップ4をスムーズに揺動させることができ、キートップ4の操作性が良い。また、キートップ4は、互いに対向する位置にある、例えば第1の操作部5aと第3の操作部5cとを、同時に押圧したとしても、凸部4eが基材8の凹部8aにぶつかり、キートップ4が下方に降下しないようになっている。そのために、2つのスイッチ手段が同時に押されるような誤動作を防止することができる。
【0020】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の多方向入力装置は、キートップに形成した操作部のいずれか1つを押圧操作すると、上ケースに形成した桟部の中央部を支点としてキートップが揺動すると共に、キートップに形成した凸部の先端部が基材に形成した球面状の凹部内を摺動し、押圧操作した操作部と対向する下方側のスイッチ手段が動作するようにしたので、キートップの操作部の外周部と、開口部の内周部との間の隙間Dを小さくすることができる。
そのために、内部にゴミ等の異物が侵入しにくい多方向入力装置を提供できる。
【0021】
また、弾性部材により弾性付勢されるキートップの支持部を上ケースの支点部に係合させて、キートップを揺動可能に支持するようにしたので、キートップをスムーズに揺動させることができ、操作性の良い多方向入力装置を提供できる。
【0022】
また、スイッチ手段は、キートップのそれぞれの操作部が対向する下方側の弾性部材に可動接点を形成し、この可動接点が対向する側の前記基材に固定接点を形成したので、弾性部材が弾性変形させることにより、可動接点を固定接点に確実に導通させてスイッチ手段を動作させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多方向入力装置に係わる上面図である。
【図2】図1の2−2断面図である。
【図3】図1の3−3断面図である。
【図4】従来の入力装置の要部断面図である。
【符号の説明】
1 多方向入力装置
2 上ケース
2a 桟部
2b 支点部
3 開口部
3a〜3d 第1〜第4の開口部
4 キートップ
4a 溝
4b 支持部
4c 鍔部
4d スイッチ操作部
4e 凸部
5 操作部
5a〜5d 第1〜第4の操作部6弾性部材
6a 押圧部
6b 空洞部
6c 連結部
7 シート部材
8 基材
8a 凹部

Claims (3)

  1. 押圧操作可能な操作部を有するキートップと、このキートップの前記操作部が挿入されて保持可能な開口部を有する上ケースと、前記キートップの前記操作部を押圧することにより弾性変形可態な弾性部材と、前記操作部を押圧して前記弾性部材を弾性変形させることにより動作可能なスイッチ手段とを備え、前記上ケースは、前記開口部を円周方向に4分割する桟部を有し、前記キートップの前記操作部は、十字状の溝により円周方向に4分割され、この4分割された前記操作部は、前記4分割された前記開口部にそれぞれ挿入されて上下動可能に保持され、前記弾性部材は、前記上ケースの下方に配設された板状の基材上に保持されると共に、前記キートップを前記上ケース側に弾性付勢し、前記キートップは、前記溝の十字状に交差する交差部の下面から前記基材側に突出する棒状の凸部を形成し、前記基材は、前記凸部の先端部が摺動可能な球面状の凹部を形成し、前記スイッチ手段は、それぞれの前記操作部が対向する下方側の前記基材上にそれぞれ配設され、前記桟部の中央部は前記キートップの十字状の前記溝の交差部の位置で支持され、前記キートップの棒状の凸部と前記基材の凹部とでその位置を保持され、前記操作部のいずれか1つを押圧操作すると、前記桟部の中央部を支点として前記キートップが揺動すると共に、前記凸部の先端部が前記球面状の凹部内を摺動し、前記押圧操作した前記操作部と対向する下方側の前記スイッチ手段が動作するようにしたことを特徴とする多方向入力装置。
  2. 前記上ケースは、前記4分割された前記開口部に挟まれた前記桟部の中央部から前記基材側に突出する支点部を形成し、前記キートップは、十字状の前記溝の交差部に前記支点部が係合可能な凹状の支持部を形成し、前記弾性部材により弾性付勢される前記キートップの前記支持部を前記支点部に係合させて、前記キートップを揺動可能に支持するようにしたことを特徴とする請求項1記載の多方向入力装置。
  3. 前記スイッチ手段は、それぞれの前記操作部が対向する下方側の前記弾性部材に可動接点を形成し、この可動接点が対向する側の前記基材に固定接点を形成したことを特徴とする請求項1、または2記載の多方向入力装置。
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