JP3883971B2 - オーディオ再生装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、オーディオファイルとして記録された楽曲を再生するオーディオ再生装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、パーソナルコンピュータにおいて、個人的利用目的において、CD-DA(Compact Disc Digital Audio)に記録された楽曲をHDD(ハードディスクドライブ)にオーディオファイルとして記録し、その後は、オリジナルのCD-DAを必要とすることなく、HDDに記録した楽曲をパーソナルコンピュータ上で再生可能とするCDリッピングと呼ばれる技術が知られている。
【0003】
また、このようなHDD上への楽曲の記録フォーマットとしては、MP3(MPEG 1 AUDIO LAYER 3)などの、記録音声品質が可変かつ楽曲に関する各種情報を示すタグ情報を楽曲に付加可能な記録フォーマットが広く普及している(たとえば、特開2002-245762号公報)。
【0004】
一方、CDリッピングなどによって、HDDに記録されたオーディオファイルを再生する技術としては、HDDに記録されたオーディオファイルの内から、ユーザが選択した複数のオーディオファイルを登録したプレイリストを作成してHDD上に保存しておき、適宜、ユーザのプレリストの指定と再生の指示に応じて、指定されたプレイリストに登録されたオーディオファイルを順次連続的に自動再生する技術が知られている。そして、このようなプレイリストの作成の技術としては、ユーザから受け付けた検索条件にマッチするオーディオファイルのみをHDD上から検索し、検索した各オーディオファイルを登録したプレイリストを自動的に生成する技術が知られている。すなわち、たとえば、ユーザが指定した特定のアーティスト名に基づき、そのアーティストの楽曲のオーディオファイルのみを検索して登録したプレイリストを作成する技術などが知られている。また、このようなプレイリストに基づいた再生におけるオーディオファイルの再生順序の制御の技術としては、プレイリストに登録されたオーディオファイルをプレイリストの登録順に再生する技術や、プレイリストに登録されたオーディオファイルをランダムな順序で再生する技術などが知られている。
【0005】
【特許文献1】
特開2002-245762号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
さて、曲によっては、その曲が異なる複数のアルバムに収録される場合がある。たとえば、あるアーティストの代表曲が、そのアーティストの発表した通常のアルバム、ライブ盤のアルバム、ベスト盤のアルバム、シングル盤のそれぞれに収録されることは良く見られるところである。そして、ユーザが、このような各盤のCD-DAに収録された各楽曲を前述したCDリッピングによってHDDにオーディオファイルとして記録した場合、HDD上には同じ曲についての複数のオーディオファイルが存在することになる。したがって、前述のように、ユーザが指定した特定のアーティスト名のアーティストの楽曲を登録したプレイリストを再生すると、同じ曲が複数回再生されることになる。そして、このような同曲の複数回の再生は、ユーザに対して不快感を与えてしまうことがある。特にプレイリストに登録されたオーディオファイルをランダムに再生した場合には、同じ曲が連続して再生されることがあり、このようなユーザの意図によらない同曲の連続再生は、ユーザに特段の不快感を与えてしまうものである
そこで、本発明は、複数の楽曲を順次連続的に自動再生する場合において、同じ曲が複数回再生されてしまうことを抑止することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題達成のために、本発明は、たとえば、記録装置に記録されたオーディオファイルが表す楽曲を再生するオーディオ再生装置を、再生候補となる複数のオーディオファイルが各々表す楽曲のうちの当該楽曲を表す前記再生候補のオーディオファイルが複数ある楽曲の各々について、当該楽曲を表す複数のオーディオファイルのうちから一つのオーディオファイルを選択し、同じ楽曲を表す他のオーディオファイルが前記再生候補となる複数のオーディオファイルのうちに存在しない各オーディオファイルと、前記選択したオーディオファイルとを再生オーディオファイルとして選定する再生オーディオファイル選定手段と、前記再生オーディオファイルが選定した各再生オーディオファイルを、順次再生する再生手段とを備えて構成したものである。
【0008】
このようなオーディオ再生装置によれば、複数のオーディオファイルを順次連続的に再生する場合に、同じ楽曲は一度しか再生しない。したがって、同じ曲を複数回再生し、ユーザに不快感を与えることを抑止することができる。
なお、このようなオーディオ再生装置においては、各オーディオファイルが同じ楽曲を表しているか否かの識別は、たとえば、アーティストとタイトルが一致する楽曲を表す複数のオーディオファイルを、同じ楽曲を表す複数のオーディオファイルとすることなどより実現できる。
【0009】
さて、より具体的には、本発明は、記録装置に記録されたオーディオファイルが表す楽曲を再生するオーディオ再生装置であって、ユーザから、同じアーティストの楽曲を表す複数の前記オーディオファイルの再生を指示された場合に、再生を指示された複数のオーディオファイルが各々表す楽曲のうちの当該楽曲を表す前記再生を指示されたオーディオファイルが複数ある楽曲の各々について、当該楽曲を表す複数のオーディオファイルのうちから一つのオーディオファイルを選択し、同じ楽曲を表す他のオーディオファイルが前記再生を指示された複数のオーディオファイルのうちに存在しない各オーディオファイルと、前記選択したオーディオファイルとを再生オーディオファイルとして選定する再生オーディオファイル選定手段と、前記再生オーディオファイルが選定した各再生オーディオファイルを、順次再生する再生手段とを有することをオーディオ再生装置を提供する。ここで、前記再生オーディオ選定手段は、たとえば、再生を指示されたオーディオファイルのうち、タイトルが一致する楽曲を表す複数のオーディオファイルを、前記同じ楽曲を表す複数のオーディオファイルとして扱うものとしても良い。
【0010】
このようなオーディオ再生装置によれば、同じアーティストの楽曲を表す複数のオーディオファイルを順次連続的に再生する場合には、同じ楽曲は一度しか再生しない。したがって、同じアーティストの楽曲を表すオーディオファイルをオーディオ再生装置に自動再生させたり、同じアーティストの楽曲を表すオーディオファイルをオーディオ再生装置に自動登録させたプレイリストを再生するような場合に、同じ楽曲を複数回再生してしまい、ユーザに不快感を与えてしまうことを抑止することができる。
【0011】
また、本発明は、記録装置に記録されたオーディオファイルが表す楽曲を再生するオーディオ再生装置であって、ユーザから、同じアーティストの楽曲を表す複数の前記オーディオファイルが登録されたプレイリストのランダム再生を指示された場合に、再生を指示されたプレイリストに登録された複数のオーディオファイルが各々表す楽曲のうちの当該楽曲を表す前記ランダム再生を指示されたプレイリストに登録されたオーディオファイルが複数ある楽曲の各々について、当該楽曲を表す複数のオーディオファイルのうちから一つのオーディオファイルを選択し、同じ楽曲を表す他のオーディオファイルが前記ランダム再生を指示されたプレイリストに登録されていない各オーディオファイルと、前記選択したオーディオファイルとを再生オーディオファイルとして選定する再生オーディオファイル選定手段と、ユーザから、同じアーティストの楽曲を表す複数の前記オーディオファイルが登録されたプレイリストの順次再生を指示された場合に、当該再生を指示されたプレイリストに登録された各オーディオファイルを前記再生を指示されたプレイリストの登録されている順序で順次再生し、同じアーティストの楽曲を表す複数の前記オーディオファイルが登録されたプレイリストのランダム再生を指示された場合に、前記再生オーディオファイルが選定した各再生オーディオファイルを、順次ランダムな順序で再生する再生手段とを有するオーディオ再生装置を提供する。ここで、前記再生オーディオ選定手段を、たとえば、再生を指示されたプレイリストに含まれるタイトルが一致する楽曲を表す複数のオーディオファイルを、前記同じ楽曲を表す複数のオーディオファイルとして扱うものとしても良い。
【0012】
このようなオーディオ再生装置によれば、同じアーティストの楽曲を表すオーディオファイルを登録したプレイリストをランダム再生する場合に、同じ楽曲を繰り返し連続して複数回再生しまい、ユーザに特段の不快感を与えてしまうことを抑止することができる。一方、プレイリストの順次再生を行う場合には、同じ楽曲のオーディオファイルであっても、それぞれに再生する。したがって、たとえば、同じアーティストの複数のアルバムを登録したプレイリストについては、プレイリストを順次再生することにより、ユーザは、アーティストがアルバムとして表現したそのままの内容を、オリジナルのまま楽しむことができるようになる。
【0013】
なお、以上の各オーディオ再生装置においては、前記選択において、最も高品質に楽曲を表す一つのオーディオファイルを選択することが、できるだけ、ユーザに対して高品質の楽曲再生を行う上で好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1に、本実施形態に係るオーディオシステムの構成を示す。
図示するように、本実施形態に係るオーディオシステムは、オーディオ処理装置1、表示装置2、入力装置3、スピーカやオーディオアンプ装置などのオーディオ出力装置4、HDD5、CD-DA61用のドライブ装置であるCDドライブ6とを有している。
【0015】
そして、オーディオ処理装置1は、CPU11、メモリ12、表示装置2に接続する表示インタフェース13、オーディオ出力装置4に接続するオーディオ出力インタフェース14、HDD5に接続するHDDインタフェース15、CDドライブ6に接続するCDドライブインタフェース16、入力装置3に接続する入力インタフェース17と、以上の各部を接続するバス21とを備えている。ここで、表示インタフェース13、オーディオ出力インタフェース14、HDDインタフェース15、CDドライブインタフェース16、入力インタフェース17は、各々接続する装置と、オーディオ処理装置1との間との入出力を処理するものである。
【0016】
次に、このようなオーディオ処理装置1の機能構成を図2に示す。
図示するように、オーディオ処理装置1は、機能的には、オペレーティングシステム201と、オペレーティングシステム201上のアプリケーションプロセスである記録再生処理部202とを有し、記録再生処理部202は、記録再生制御部2021、再生処理部2022、記録処理部2023を有する。
このような構成において、HDD5には、ディレクトリであるフォルダ210が設けられており、その内の特定のフォルダ210には、各CD-DA61の種類(アルバム)毎にアルバム名やアーティスト名や各楽曲のタイトルなどの情報をCD-DA61のTOC情報に対応づけて登録したCDDB211が格納されている。また、他のフォルダ210には、プレイリスト212や、オーディオファイル213が格納される。なお、通常、フォルダ210は階層的に配置される。
【0017】
ここで、CD-DA61には、TOC(Table Of Contents)情報と、各々が一つの楽曲の楽曲データであるオーディオトラックが記録されている。TOC情報は、CD-DA61に記録されているオーディオトラックの数や各オーディオトラックの長さ等を示しており、したがって、実質上、CD-DA61の種類(アルバム)毎に異なる値を持つ。そして、このため、このTOC情報は、CD-DA61の種類(アルバム)を識別するための識別情報として利用することができる。
【0018】
一方、HDD5上のCDDB211は、図3aに示すように、CD-DA61の種類(アルバム)毎のレコードを有し、各レコードには対応する種類のCD-DA61に記録されているべきTOC情報と、CD-DA61に収録されたアルバムや楽曲についての情報であるCD情報が登録されている。そして、CD情報には、対応する種類のCD-DA61にCDDB211の制作者が与えた識別番号と、対応する種類のCD-DA61に記録されている楽曲のアルバムのアルバム名や、対応する種類のCD-DA61に記録されている楽曲のアーティスト名や、対応する種類のCD-DA61に記録されている楽曲のアルバムの音楽としてのジャンルや、対応する種類のCD-DA61に記録されている各楽曲のトラック番号やタイトルなどの、その種類のCD-DA61に記録されている楽曲に関する情報が記述されている。
【0019】
次に、HDD5上の、オーディオファイル213は、楽曲のオーディオデータを格納したファイルであり、オーディオファイル213中にはファイル名等が記述されたファイル情報とオーディオデータと共に、楽曲のアーティスト名や楽曲名や楽曲のジャンルや楽曲の属するアルバム名などのデータを示す文字情報であるタグ情報が格納されている。なお、このようなタグ情報としては、MP3(MPEG 1 AUDIO LAYER-3)フォーマットのオーディオファイル213で利用されている、ID3タグ情報などが知られている。
【0020】
図3b1は、このようなID3タグ情報の、バージョン1.1のフォーマットを示すものであり、このバージョンでは、MP3に従って圧縮符号化されたオーディオデータの後に、文字列「TAG」:(3バイト)、曲名(タイトル):(30バイト)、アーティスト名:(30バイト)、アルバム名:(30バイト)、製作年度:(4バイト)、コメント:(28バイト)、曲・トラック番号:(2バイト)、ジャンル:(1バイト)よりなるタグ情報が設けられている。
【0021】
また、図3b2は、ID3タグ情報の、バージョン2.4のフォーマットを示すものであり、このバージョンでは、MP3に従って圧縮符号化されたオーディオデータの前にタグ情報が配置される。そして、タグ情報には、ヘッダ、拡張ヘッダ、フレーム群、パディング、フッタが含まれる。そして、ヘッダには、文字列「ID3」の他、タグ情報のバージョンやタグ情報の構造を示すフラグやタグ情報の長さの情報が格納される。また、拡張ヘッダにはより詳細にタグ情報の構造を示す情報が格納され、フッタには文字列「3DI」の他、ヘッダと同様にタグ情報のバージョンやタグ情報の構造を示すフラグやタグ情報の長さの情報が格納される。
【0022】
そして、フレーム群は、1以上のフレームの集合であり、各フレームは、フレームヘッダと1以上のフィールドよりなり、このフィールドにアルバム名や楽曲としてのジャンルやアーティスト名や各楽曲のタイトルなどの各種情報が格納される。そして、フィールドに格納した情報の種別は、フレームヘッダに格納されるフレームIDによって示され、フレームの長さはフレームヘッダに格納されるサイズで示され、フレームの構造等はフレームヘッダに格納されるフラグによって示される。
【0023】
なお、以上の拡張ヘッダ、パディング、フッタは省略可能である。
最後に、図3cに示すように、HDD5に記憶されるプレイリスト212は、楽曲のリストであり、プレイリストの名称であるプレイリスト名称、プレイリスト作成時のモードを示すプレイリストモードが記述される。また、プレイリスト212には、当該プレイリスト212に登録された各楽曲毎に、楽曲に対応するオーディオファイル213のHDD上のロケーションを示すオーディオファイルパス、楽曲に対応するオーディオファイル213に格納されたオーディオデータのビットレート、楽曲に対応するオーディオファイル213のタグ情報から抽出した楽曲のトラック番号やタイトルやアルバム名やアーティスト名やジャンルなどの楽曲情報が、標準の再生順に記録されている。
【0024】
さて、このような構成において、オペレーティングシステム201は、記録再生処理部202の、HDD5に格納されたプレイリスト212やオーディオファイル213やCDDB211や、CD-DA61に記録されたTOC情報やオーディオトラックに対するアクセスや、表示装置2や入力装置3やオーディオ出力装置4との間の入出力を制御する。
【0025】
以下、記録再生処理部202の動作について説明する。
記録再生処理部202の記録再生制御部2021は、起動されると、まず表示装置2に、図4aに示すコントロールウインドウを表示する。
図示するようにコントロールウインドウは、再生ボタン411と、2つの再生速度制御ボタン412と、再生オプションとして、「ランダム」を受け付けるラジオボタン413と、プレイリスト操作エリア420、プレイリスト作成エリア430、「CD取り込み」ボタン440、「検索再生」ボタン450とを有する。なお、再生ボタン411は、オーディオファイル213の再生中は、再生停止ボタンに置き換えられる。
【0026】
そして、プレイリスト操作エリア420は、HDD5に記録されているプレイリスト212の一覧を示すプレイリストエリア421と、プレイリストエリアで選択されたプレイリスト212に登録されているオーディオファイル213の情報を表示する楽曲エリア422とを有する。なお、本実施形態では、HDD5に記録された全オーディオファイル213が登録されるライブラリリストを必ず生成するようにしている。
【0027】
さて、本コントロールウインドウ上で「CD取り込み」ボタン440がユーザによって操作されると、記録再生制御部は、記録処理部2023にCD記録処理を実行させる。
記録処理部2023は、この記録処理において、CD-DA61よりTOC情報を読み込み、読み込んだTOC情報と同じTOC情報を持つレコードをCDDB211から読み込むと共に、新規フォルダ210をHDD5上に作成する。そして、順次、CD-DA61に記録されているオーディオトラックの楽曲を読み出して、MP3圧縮符号化アルゴリズムに従った所定ビットレートのオーディオデータへの圧縮符号化を施し、圧縮符号化したオーディオデータに、先に読み込んだCDDB211のレコードのCD情報に基づくアルバム名やジャンルや当該楽曲のタイトルなどのタグ情報を付加し、オーディオファイル213として、先に作成したフォルダに記録し、記録したオーディオファイル213をライブラリ用のプレイリスト212に登録する。なお、ライブラリ用のプレイリスト212へのオーディオファイル213の登録は、実際には、オーディオファイル213のロケーションや、オーディオデータのビットレートや、オーディオファイル213のタグ情報、または、CDDB211から読み込んだレコードから抽出して作成した楽曲の情報を、ライブラリ用のプレイリスト212に登録することにより行う。
【0028】
さて、図4aに戻り、コントロールウインドウのプレイリスト作成エリア430には、HDD5に記録されたオーディオファイル213の検索に用いる検索項目を指定する入力ボックス431と、検索値を指定する入力ボックス432と、検索数を指定する入力ボックス433が設けられている。検索項目としては、タグ情報の項目のうちのアルバム名、アーティスト名、ジャンルのいずれかを受付、検査値としてはの検査項目として設定されたタグ情報の項目が含んでいなければならない文字列を受け付ける。また、検索数は、その数のオーディオファイル213を検索において発見したならば、HDD5上の全てのオーディオファイル213についての調査を終了していなくとも検索を終了する数の入力を受け付ける。ただし、この数として「全曲」を指定された場合には、HDD5上の全てのオーディオファイル213についての調査を終了した場合に、検索を終了する。
【0029】
そして、このプレイリスト作成エリア430の「作成」ボタン435が操作されたならば、記録再生制御部2021は、プレイリスト作成処理を実行する。
このプレイリスト作成処理では、HDD5に記録されている各オーディオファイル213のタグ情報を順次調査し、検索項目に設定されたタグ情報の項目が検索値に設定された文字列を含むオーディオファイル213を、検索数分のオーディオファイル213を抽出できるか全てのオーディファイルについて調査が終了するまで抽出していく。そして、オーディオファイル213の抽出が終了したならば、検索値として入力された値をプレイリスト名称とし、検索項目として選択された項目をプレイリストモードとする新規プレイリスト212を生成し、生成したプレイリスト212に抽出した各オーディオファイル213を登録する。そして、コントロールウインドウのプレイリストエリア421に作成したプレイリスト212の表示を追加し、プレイリスト自動生成処理を終了する。なお、この新規に作成したプレイリスト212へのオーディオファイル213の登録は、実際には、オーディオファイル213のロケーションや、オーディオデータのビットレートや、オーディオファイル213のタグ情報の一部を抽出して作成した楽曲の情報を、ライブラリ用のプレイリスト212に登録することにより行う。
【0030】
さて、図4aのコントロールウインドウにおいて、プレイリストエリア421でいずれかのプレイリスト212がユーザによって選択された情報で「再生」ボタン411が操作されるか、または、「検索再生」ボタン450が操作された場合、記録再生制御部2021は、再生処理部2022に以下に示す再生処理を実行させる。また、記録再生制御部2021は、再生停止ボタンが操作された場合には、この再生処理を終了する処理を行う。
【0031】
図5に、この再生処理の手順を示す。
図示するように、再生処理において、再生処理部2022は、まず、ユーザの「再生」ボタン411の操作によって再生処理が起動されたのか、「検索再生」ボタン450の操作によって再生処理が起動されたのかを調べ、「再生」ボタン411の操作によって再生処理が起動されたのであれば、ステップ504に進む。
【0032】
一方、「検索再生」ボタン450の操作によって再生処理が起動されたのであれば、まず、再生曲検索ウインドウを表示し、再生曲ウインドウで受け付けた検索条件によるオーディオファイルの検索を実行する(ステップ526)。
ここで、図4bに示すように、再生曲検索ウインドウには、HDD5に記録されたオーディオファイル213の検索に用いる検索項目を指定する入力ボックス461と、検索値を指定する入力ボックス462とが設けられている。そして、再生処理部2022は、検索項目として、タグ情報の項目のうちのアルバム名、アーティスト名、ジャンルのいずれかを受付、検査値としては検査項目として設定されたタグ情報の項目が含んでいなければならない文字列を受け付ける。また、この再生曲検索ウインドウには再生オプションとして「ランダム」を受け付けるためのチェックボックス463と、「再生」ボタン464が設けられており、この「再生」ボタン464が操作された場合に、再生処理部は、HDD5に記録されている各オーディオファイル213のタグ情報を順次調査し、検索項目に設定されたタグ情報の項目が検索値に設定された文字列を含むオーディオファイル213を検索し抽出する。
【0033】
さて、図5に戻り、ステップ526の検索において、一つもオーディオファイルを抽出できなかったならば、その旨を表示装置に表示し(ステップ534)、再生処理を終了する。一方、少なくとも一つのオーディオファイル213を抽出できた場合には、検索項目として選択された項目をプレイリストモードとするテンポラリプレイリスト212を生成し、生成したテンポラリプレイリスト212に抽出した各オーディオファイル213を登録する(ステップ530)。そして、テンポラリプレイリストを再生対象リストに設定し(ステップ532)、ステップ506に進む。
【0034】
さて、ステップ502に戻り、ステップ502において、「再生」ボタン411の操作によって再生処理が起動されたと判定された場合には、コントロールウインドウのプレイリストエリア421で選択されているプレイリスト212を再生対象リストに設定し(ステップ504)、ステップ506に進む。
【0035】
さて、このステップ506では、以上のようにして設定された再生対象リストのプレイリストモードがアーティスト名であるかどうかを調べ、アーティスト名でなければ、ステップ536に進んで、ユーザによって「ランダム」が再生オプションとして設定されているかどうかを調べる。そして、「ランダム」が再生オプションとして設定されている場合には再生対象リストに登録されたオーディオファイルをランダムな順序で登録した再生実行リストを生成して(ステップ538)ステップ512以降の処理に進み、「ランダム」が再生オプションとして設定されていない場合には、ステップ510に進んで再生対象リストを再生実行リストに設定した上でステップ512以降の処理に進む。
【0036】
一方、ステップ506で再生対象リストのプレイリストモードがアーティスト名であると判定された場合には、ステップ508に進んで、ユーザによって「ランダム」が再生オプションとして設定されているかどうかを調べる。そして、「ランダム」が再生オプションとして設定されている場合には、ステップ518に処理を進め、他の場合はステップ510に進み、再生対象リストを再生実行リストに設定し、ステップ512以降の処理に進む。
【0037】
一方、ステップ518では、再生対象リストに登録されている各オーディオファイルの楽曲のタイトルを参照し、再生対象リストに登録されている複数のオーディオファイルを、タイトル毎のグループに分類する。すなわち、同じタイトルを持つ楽曲のオーディオファイルは同一のグループに属し、異なるタイトルを持つ楽曲のオーディオファイルは異なるグループに属するように、最小数のグループを設定する。そして、各グループから、一つづつ再生対象オーディオファイルを選択する(ステップ520)。この選択は、オーディオファイル213を一つしか含まないグループについては、そのオーディオファイルを再生対象オーディオファイルとして選択し、複数のオーディオファイル213を含むグループについては、再生対象プレイリストに設定されているビットレートが最も大きいものを再生対象オーディオファイルとすることにより行う。また、ビットレートが最も大きいオーディオファイルが複数ある場合には、その内の一つのオーディオファイルを再生対象オーディオファイルとする。
【0038】
そして、各グループから選択したオーディオファイルをランダムな順序で登録した再生実行リストを生成し(ステップ522)、ステップ512以降の処理に進む。
ステップ512以降の処理では、以上のようにして生成または設定された再生実行リストに登録された各オーディオファイルを(ステップ512,516,524)、再生実行リストに登録されいる順に(ステップ524)、オーディオファイル213をHDD5から読み出してオーディオファイル213中のオーディオデータに必要なデコード処理を施して、オーディオ出力装置4出力することにより再生する処理を行い(ステップ514)、全てのオーディオファイルについて再生を終了したならば(ステップ516)、再生処理を終了する。
【0039】
以上、再生処理について説明した。
以上の再生処理によれば、再生対象リストとしたプレイリスト(ユーザが過去にプレイリスト作成ボタンの操作によってアーティスト名を検索項目として作成したプレイリスト、または、検索再生においてアーティスト名を指定した検索再生によってステップ530で作成されたテンポラリプレイリスト)のプレイリストモードがアーティスト名である場合、すなわち、同じアーティストの楽曲のオーディオファイルのみが再生対象リストに含まれている場合であって、「ランダム」が再生オプションとして設定されている場合には、ステップ518?522の処理を行い、同じタイトルの楽曲のオーディオファイルが再生実行リストに一つだけ含まれるように操作することにより、再生処理において、同じ楽曲を一度だけ再生するようにしている。したがって、同曲を複数回再生し、ユーザに対して不快感を与えてしまうことがない。
【0040】
ところで、以上の再生処理では、同じアーティストの楽曲のオーディオファイルのみが再生対象リストに含まれている場合であってランダム再生を行う場合にのみ、再生対象リストにに含まれる同じ楽曲の複数のオーディオファイル213に対して、再生処理において一度だけその楽曲を再生するようにしたが、再生対象リストに異なるアーティストの楽曲が含まれている場合や、ランダム再生を行わない場合についても、再生対象リストにに含まれる同じ楽曲の複数のオーディオファイルに対して、再生処理において一度だけその楽曲を再生するようにしても良い。なお、再生対象リストに異なるアーティストの楽曲が含まれている場合には、オーディオファイルの楽曲の異同は、アーティスト名とタイトルとの異同に応じて判定するようにする。
【0041】
また、以上の再生処理では、再生対象リストに同じ楽曲の複数のオーディオファイルが含まれる場合に、最もビットレートの大きいオーディオファイルを再生するオーディオファイル213として選択するようにしたが、オーディオ処理装置1を、各オーディオファイルに格納された楽曲の時間長や制作年月日なども再生処理において取得可能に構成すると共に、ビットレートに代えて、または、ビットレートと共に、これら各オーディオファイルの再生時間や制作年月日を考慮して、再生するオーディオファイルを選択するようにしても良い。
【0042】
また、以上の実施形態ではアーティストとタイトルの異同により、各オーディオファイル213に格納された楽曲の異同を判定するようにしたが、アーティストとタイトル以外の情報を用いて各オーディオファイルに格納された楽曲の異同を判定するようにしても良い。すなわち、たとえば、CDDB212に各楽曲の作品番号なども登録しておき、この作品番号を、CD-DA61から読み出した楽曲をオーディオファイルのタグ情報に含めるようにし、このタグ情報中の作品番号に応じて各オーディオファイルに格納された楽曲の異同を判定するなどしてもま良い。
【0043】
また、各オーディオファイルに格納された楽曲の異同の判定は、アーティストとタイトルが完全に一致するオーディオファイルを同じ楽曲を格納したオーディオファイル213とするようにしても良いが、アーティストと、タイトルの所定の部分が一致するオーディオファイルを同じ楽曲を格納したオーディオファイル213とするようにしても良い。すなわち、たとえば、タイトルから所定の文字列たとえば「カラオケ」や「リミックス」などの楽曲のバリエーション(バージョン)を表す文字列や「(」や「)」などの記号を除いた部分同士が一致するタイトルを持つ同じアーティストの楽曲のオーディオファイルは、同じ楽曲を格納したオーディオファイルと判定するようにしても良い。
【0044】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、複数の楽曲を順次連続的に自動再生する場合において、同じ曲が複数回再生されてしまうことを抑止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るオーディオシステムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態に係るオーディオ処理装置の機能構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施形態において用いるCDDBとID3タグ情報のフォーマットを示す図である。
【図4】本発明の実施形態で用いるウインドウを示す図である。
【図5】本発明の実施形態に係る再生処理の手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1…オーディオ処理装置、2…表示装置、3…入力装置、4…オーディオ出力装置、5…HDD、6…CDドライブ、11…CPU、12…メモリ、13…表示インタフェース、14…オーディオ出力インタフェース、15…HDDインタフェース、16…CDドライブインタフェース、17…入力インタフェース、61…CD-DA、201…オペレーティングシステム、202…記録再生処理部、210…フォルダ、211…CDDB、212…プレイリスト、213…オーディオファイル、2021…記録再生制御部、2022…再生処理部、2023…記録処理部。

Claims (8)

  1. 記録装置に記録されたオーディオファイルが表す楽曲を再生するオーディオ再生装置であって、
    再生候補となる複数のオーディオファイルが各々表す楽曲のうちの当該楽曲を表す前記再生候補のオーディオファイルが複数ある楽曲の各々について、当該楽曲を表す複数のオーディオファイルのうちから一つのオーディオファイルを選択し、同じ楽曲を表す他のオーディオファイルが前記再生候補となる複数のオーディオファイルのうちに存在しない各オーディオファイルと、前記選択したオーディオファイルとを再生オーディオファイルとして選定する再生オーディオファイル選定手段と、
    前記再生オーディオファイル選定手段が選定した各再生オーディオファイルを、順次再生する再生手段とを有し、
    前記再生オーディオファイル選定手段は、前記選択において、同じ楽曲を表す複数のオーディオファイルのうち、最も高品質に楽曲を表す一つのオーディオファイルを選択することを特徴とするオーディオ再生装置。
  2. 請求項1記載のオーディオ再生装置であって、
    前記再生オーディオファイル選定手段は、アーティストとタイトルが一致する楽曲を表す複数のオーディオファイルを、同じ楽曲を表す複数のオーディオファイルとすることを特徴とするオーディオ再生装置。
  3. 記録装置に記録されたオーディオファイルが表す楽曲を再生するオーディオ再生装置であって、
    ユーザから、同じアーティストの楽曲を表す複数の前記オーディオファイルの再生を指示された場合に、再生を指示された複数のオーディオファイルが各々表す楽曲のうちの当該楽曲を表す前記再生を指示されたオーディオファイルが複数ある楽曲の各々について、当該楽曲を表す複数のオーディオファイルのうちから一つのオーディオファイルを選択し、同じ楽曲を表す他のオーディオファイルが前記再生を指示された複数のオーディオファイルのうちに存在しない各オーディオファイルと、前記選択したオーディオファイルとを再生オーディオファイルとして選定する再生オーディオファイル選定手段と、
    前記再生オーディオファイル選定手段が選定した各再生オーディオファイルを、順次再生する再生手段とを有することを特徴とするオーディオ再生装置。
  4. 記録装置に記録されたオーディオファイルが表す楽曲を再生するオーディオ再生装置であって、
    ユーザから、同じアーティストの楽曲を表す複数の前記オーディオファイルが登録されたプレイリストのランダム再生を指示された場合に、再生を指示されたプレイリストに登録された複数のオーディオファイルが各々表す楽曲のうちの当該楽曲を表す前記ランダム再生を指示されたプレイリストに登録されたオーディオファイルが複数ある楽曲の各々について、当該楽曲を表す複数のオーディオファイルのうちから一つのオーディオファイルを選択し、同じ楽曲を表す他のオーディオファイルが前記ランダム再生を指示されたプレイリストに登録されていない各オーディオファイルと、前記選択したオーディオファイルとを再生オーディオファイルとして選定する再生オーディオファイル選定手段と、
    ユーザから、同じアーティストの楽曲を表す複数の前記オーディオファイルが登録されたプレイリストの順次再生を指示された場合に、当該再生を指示されたプレイリストに登録された各オーディオファイルを前記再生を指示されたプレイリストの登録されている順序で順次再生し、同じアーティストの楽曲を表す複数の前記オーディオファイルが登録されたプレイリストのランダム再生を指示された場合に、前記再生オーディオファイル選定手段が選定した各再生オーディオファイルを、順次ランダムな順序で再生する再生手段とを有することを特徴とするオーディオ再生装置。
  5. 請求項3または4記載のオーディオ再生装置であって、
    前記再生オーディオファイル選定手段は、タイトルが一致する楽曲を表す複数のオーディオファイルを、同じ楽曲を表す複数のオーディオファイルとすることを特徴とするオーディオ再生装置。
  6. 請求項3、4または5記載のオーディオ再生装置であって、
    前記再生オーディオファイル選定手段は、前記選択において、同じ楽曲を表す複数のオーディオファイルのうち、最も高品質に楽曲を表す一つのオーディオファイルを選択することを特徴とするオーディオ再生装置。
  7. 記録装置に記録されたオーディオファイルが表す楽曲を再生するオーディオ再生装置において、オーディオファイルの再生を制御する再生制御方法であって、
    ユーザから、同じアーティストの楽曲を表す複数の前記オーディオファイルの再生を指示された場合に、再生を指示された複数のオーディオファイルが各々表す楽曲のうちの当該楽曲を表す前記再生を指示されたオーディオファイルが複数ある楽曲の各々について、当該楽曲を表す複数のオーディオファイルのうちから一つのオーディオファイルを選択し、同じ楽曲を表す他のオーディオファイルが前記再生を指示された複数のオーディオファイルのうちに存在しない各オーディオファイルと、前記選択したオーディオファイルとを再生オーディオファイルとして選定するステップと、
    選定した各再生オーディオファイルを、順次再生するステップとを有することを特徴とする再生制御方法。
  8. コンピュータによって読みとられ実行されるコンピュータプログラムであって、
    前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータに、
    ユーザから、同じアーティストの楽曲を表す複数の前記オーディオファイルの再生を指示された場合に、再生を指示された複数のオーディオファイルが各々表す楽曲のうちの当該楽曲を表す前記再生を指示されたオーディオファイルが複数ある楽曲の各々について、当該楽曲を表す複数のオーディオファイルのうちから一つのオーディオファイルを選択し、同じ楽曲を表す他のオーディオファイルが前記再生を指示された複数のオーディオファイルのうちに存在しない各オーディオファイルと、前記選択したオーディオファイルとを再生オーディオファイルとして選定するステップと、
    選定した各再生オーディオファイルを、順次再生するステップとを実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
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