JP3883841B2 - 帯電防止剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、非晶性ポリエステル樹脂用帯電防止剤、並びに帯電防止性及び透明性に優れた非晶性ポリエステル樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
明確な融点を持たない非晶性ポリエステル樹脂が、各種フィルム、シートの材料として用いられている。この非晶性ポリエステル樹脂は、通常のポリエステル樹脂に比べ加工性が良好で、カレンダー加工が可能である。
【0003】
一方、脂肪酸モノグリセライドは、耐熱性が高く、優れた帯電防止効果を発揮することから、各種樹脂用の練り込み型帯電防止剤として多岐に渡り用いられている。しかしながら脂肪酸モノグリセライドは、表面固有抵抗値にバラツキがあり、安定な帯電防止性を得ることができないという欠点を有している。
【0004】
また、特開2001−146547には、構成脂肪酸の炭素数が12〜22のモノグリセライドと、ジグリセリン脂肪酸エステルとの混合物からなる非晶性ポリエステル樹脂の帯電防止剤が開示されている。しかしながら、この帯電防止剤は、良好な透明性と帯電防止効果の両立において満足のいくものではなかった。
【0005】
本発明の課題は、非晶性ポリエステル樹脂の透明性を阻害させずに、安定した帯電防止性を付与することができる非晶性ポリエステル樹脂用帯電防止剤、並びに帯電防止性及び透明性に優れた非晶性ポリエステル樹脂組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、下記(a)成分及び(b)成分からなる非晶性ポリエステル樹脂用帯電防止剤、及びこの帯電防止剤と、非晶性ポリエステル樹脂とを含有する非晶性ポリエステル樹脂組成物を提供する。
(a)脂肪酸モノグリセライド
(b)グリセリン平均縮合度が1.5〜6で、ジグリセリン含量が5〜50重量%のポリグリセリンの脂肪酸エステル
【0007】
【発明の実施の形態】
[帯電防止剤]
本発明の帯電防止剤の(a)成分である脂肪酸モノグリセライドを構成する脂肪酸の炭素数は、樹脂との相溶性の観点から、12〜22が好ましく、12〜18が更に好ましく、16〜18が特に好ましい。また、(b)成分であるポリグリセリン脂肪酸エステルを構成する脂肪酸の炭素数は、樹脂との相溶性の観点から、12〜22が好ましく、12〜18が更に好ましく、16〜18が特に好ましい。
【0008】
また(b)成分であるポリグリセリン脂肪酸エステルを構成するポリグリセリンの平均縮合度は、帯電防止性及び透明性の観点から、1.5〜6で、1.8〜6が好ましく、3〜5が更に好ましい。また、ポリグリセリンの縮合度に分布があることによって樹脂表面に良好な帯電防止剤の連続膜が得られる観点から、ポリグリセリン中のジグリセリン含量は5〜50重量%であり、5〜40重量%が更に好ましく、5〜35重量%が特に好ましい。更に、ポリグリセリン中の縮合度が3以上のポリグリセリンの含量は20〜95重量%が好ましく、40〜95重量%が更に好ましく、60〜95重量%が特に好ましい。エステル化度は1〜2が好ましく、1〜1.5が更に好ましい。(b)成分のポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、例えば、花王(株)製のサンスルーザー3125、阪本薬品工業(株)製のMS−310,MS−500,MS−750等を用いることができる。
【0009】
本発明の帯電防止剤中の(a)成分と(b)成分との割合は、帯電防止性及び透明性の観点から、(a)/(b)(重量比)=95/5〜70/30が好ましく、90/10〜75/25が更に好ましい。
【0010】
[非晶性ポリエステル樹脂]
本発明に係わる非晶性ポリエステル樹脂とは、明確な融点を持たないポリエステル樹脂であり、通常のポリエステル樹脂の加工温度が270〜280℃であるのに比べて加工温度が低く、200℃以下、好ましくは160〜190℃の条件でも加工できるため、加工性が良好で、カレンダー加工が可能である。
【0011】
非晶性ポリエステル樹脂の具体例としては、(A)テレフタル酸又はその低級アルキルエステル(アルキル基の炭素数1〜3で、例えばテレフタル酸ジメチル等)(以下(A)成分という)、(B)エチレングリコール(以下(B)成分という)、及び(C)テレフタル酸又はその低級アルキルエステル以外のジカルボン酸又はその低級アルキルエステル(アルキル基の炭素数1〜3)(以下(C)成分という)を共重合してなるポリエステル樹脂;(A)成分、(B)成分、及び(D)エチレングリコール以外のグリコール成分(以下(D)成分という)を共重合してなるポリエステル樹脂;(A)成分、(B)成分、(C)成分、及び(D)成分を共重合してなるポリエステル樹脂等が挙げられる。
【0012】
上記(C)成分としては、芳香族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸及びこれらの低級アルキルエステル等から選ばれる1種以上が挙げられ、芳香族ジカルボン酸としては、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、ビス(4,4’−カルボキシフェニル)メタン、アントラセンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸等が挙げられる。脂環族ジカルボン酸としては、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、4,4’−ジシクロヘキシルジカルボン酸等が挙げられる。脂肪族ジカルボン酸としては、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ダイマー酸等が挙げられる。これらの(C)成分の中では、イソフタル酸及びその低級アルキルエステルが好ましい。
【0013】
上記(D)成分としては、1,4−シクロヘキサンジメタノール、プロピレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、デカメチレングリコール、4,4’−ジシクロヘキシルヒドロキシメタン、4,4’−ジシクロヘキシルヒドロキシプロパン、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加ジオール、ポリエチレンオキサイドグリコール、ポリプロピレンオキサイドグリコール等から選ばれる1種以上が挙げられる。
【0014】
本発明に係わる非晶性ポリエステル樹脂におけるジカルボン酸成分は、好ましくは芳香族ジカルボン酸成分が60モル%以上であり、更に好ましくは上記(A)成分が60モル%以上である。また、グリコール成分は、好ましくは上記(B)成分が60モル%以上である。
【0015】
本発明に係わる非晶性ポリエステル樹脂のガラス転移温度は50〜85℃が好ましく、60〜85℃が更に好ましい。
【0016】
本発明に係わる非晶性ポリエステル樹脂として、イーストマンケミカル社製のTSUNAMI GS1,GS2,GS3,GS4等を用いることができる。
【0017】
[非晶性ポリエステル樹脂組成物]
本発明の非晶性ポリエステル樹脂組成物は、上記のような本発明の帯電防止剤と非晶性ポリエステル樹脂とを含有する。本発明の非晶性ポリエステル樹脂組成物中の非晶性ポリエステル樹脂の含有量は、60〜99重量%が好ましく、70〜99重量%が更に好ましい。本発明の帯電防止剤の含有量は、非晶性ポリエステル樹脂100重量部に対し、帯電防止性、透明性及び経済性の観点から、好ましくは0.05〜3重量部、更に好ましくは0.1〜2重量部である。
【0018】
本発明の組成物は、上記帯電防止剤以外に、滑剤、可塑剤、防曇剤、光安定剤、紫外線吸収剤、顔料、無機充填剤、防カビ剤、抗菌剤、発泡剤、難燃剤等を、本発明の目的達成を妨げない範囲で含有することができる。
【0019】
本発明の組成物は、加工性が良好で、例えば160〜190℃等の低温で加工することができるため、カレンダー加工も可能である。本発明の組成物は、フィルムやシートに成形して、各種用途に用いることができる。
【0020】
【実施例】
実施例1〜6及び比較例1〜4
帯電防止剤として、表1に示す組成の各種(ポリ)グリセリン脂肪酸エステルを用い、非晶性ポリエステル樹脂(TSUNAMI GS2:イーストマンケミカル社製、ガラス転移温度81℃)100重量部に、これら帯電防止剤、及びその他の成分を配合し、表2に示す組成の非晶性ポリエステル樹脂組成物を調製した。これらの組成物を160℃の6インチロールにて10分間混練し、160℃のプレス成形機にて厚さ1mmの平滑シートを得た。得られたシートについて下記方法で帯電防止性及び透明性を評価した。結果を表2に示す。
【0021】
<帯電防止性の評価法>
シート表面に銀塗料(デュポン社製4817A)により電極を作成した。その電極間の表面固有抵抗値を横河ヒューレットパッカード社製高絶縁抵抗計4329Aにより測定した。
【0022】
<透明性の評価法>
JIS K7105の方法に基づき、ヘイズメーターにてシートのヘイズ値を測定した。数字の小さい方が透明性が良好であることを示す。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】
*1 MPGTM:メチルポリグリコールトリメリテート
*2 滑剤:カオーワックス#220(花王(株)製)
【0026】
【発明の効果】
本発明の帯電防止剤は、非晶性ポリエステル樹脂の透明性を低下させることなく、安定した表面固有抵抗値を得ることができる。
Claims (5)
- 下記(a)成分及び(b)成分からなり、(a)成分と(b)成分の重量比が、(a)/(b)=95/5〜70/30である非晶性ポリエステル樹脂用帯電防止剤。
(a)脂肪酸モノグリセライド
(b)グリセリン平均縮合度が1.5〜6で、ジグリセリン含量が5〜50重量%のポリグリセリンの脂肪酸エステル - (a)成分を構成する脂肪酸の炭素数が12〜22である請求項1記載の帯電防止剤。
- (b)成分を構成する脂肪酸の炭素数が12〜22で、縮合度が3以上のポリグリセリンの含量がポリグリセリン中20〜95重量%であり、エステル化度が1〜2である請求項1又は2記載の帯電防止剤。
- 非晶性ポリエステル樹脂と、請求項1〜3のいずれかの項記載の帯電防止剤とを含有する非晶性ポリエステル樹脂組成物。
- 帯電防止剤の含有量が、非晶性ポリエステル樹脂100重量部に対し0.05〜3重量部である、請求項4記載の非晶性ポリエステル樹脂組成物。
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