JP3882644B2 - 段積みトレイの分離・積上げ機構、トレイ収納装置およびicテストハンドラ - Google Patents

段積みトレイの分離・積上げ機構、トレイ収納装置およびicテストハンドラ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、段積みトレイの分離・積上げ機構、トレイ収納装置およびICテストハンドラに係り、特に、ICが載置されたトレイを段積み(積層)して収納するトレイ収納枠において、下方に位置する所定の枚数のトレイと、これより上方にあるトレイとを分離することができ、さらに、最下段に位置するトレイの下に、所定の枚数のトレイを挿入することができる段積みトレイの分離・積上げ機構、該機構を具備するトレイ収納装置、およびICテストハンドラに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図13は、特公昭62−191321号公報に開示された従来のICハンドラのトレイ分離機構の構成を示す一部透視の概略斜視図である。図13において、ICを収納したトレイ810がガイドコラム820内に段積み(Z方向)され、トレイの長手方向(Y方向)に進退自在な爪部材830がガイドコラム820に設置されている。また、ガイドコラム820の下方には、トレイ810を昇降自在に支持する昇降受台840と、最下段トレイ811をトレイの側面方向(X方向)に送り出すシフター850が配置されている。
【0003】
したがって、昇降受台840を下降して、下段から2段目のトレイ812が爪部材830の位置に一致したところで、爪部材830を前進して、下段から2段目のトレイ812を下降不能とする。さらに、昇降受台840を下降して、最下段トレイ811をシフター850に載置する。
そして、シフター850をトレイの側面方向(X方向)に移動して、最下段トレイを送り出し、昇降受台840を再度上昇して、下段から2段目のトレイ812を支持し、爪部材830を後退して、前記作業を繰り返すものである。
これにより、ガイドコラム820内に段積み(Z方向)された、多数のトレイに衝撃を与えることなく、最下段のトレイを上方にあるトレイから分離することができるという効果を奏するものである(以上、従来技術1と称す)。
【0004】
図14は、特開昭60−144239号公報に開示された従来の縦積み部品の分離機構の要部斜視図である。図14において、トレイ906が支持枠905内に段積み(Z方向)され、載置台904に載置されている。昇降台907には、分離爪910が回転自在に設置され、昇降台907が所定距離上昇したところで、分離爪910がトレイ906に向けて(略Y方向)回転し、分離爪910の先端910aがトレイ906の側部に設けた顎部906aに侵入する。
【0005】
したがって、該侵入部より上方にあるトレイと下方にあるトレイが分離され、該分離状態で、昇降台907を上昇すると、該上方にあるトレイが持ち上がり、さらに、載置台904に載置されている下方にあるトレイを、図示しない水平搬送手段によりX方向に搬送することができる。そして、再度、昇降台907を下降すると、上方のトレイを載置台904に載置することができる。
【0006】
分離爪910には回転軸909が固定され、回転軸909にはアーム911およびガイド部材913が固定されている。回転軸909は昇降台907に設置したブラケット908に回転自在に支持されている。そして、ガイド部材913の先端にはカムフォロアー914(後記溝カム916の溝に侵入自在な突起)が装着されている。
【0007】
一方、載置台904には案内板915が設置され、案内板915には溝カム916が設けられている。溝カム916は往路916aと復路916bが異なるヒステリシス経路と、経路を選択するシャッター917を有している。シャッター917は、回転中心918に軸止され図示する姿勢になるよう弾性的に拘束されている。
【0008】
したがって、シャッター917が図示する姿勢において、昇降台907が上昇すると、カムフォロアー914は、略垂直に上昇し、やがて往路916aの傾斜にしたがってわずかに傾斜した水平方向(略Y方向)に移動する。このとき、回転軸909は図中時計回りに回転するから、分離爪910の先端910aはトレイに向かって略水平方向(略Y方向)に移動して(以下、前進と称す)、トレイ906の側部に設けた顎部906aに侵入する。
【0009】
さらに、カムフォロアー914は復路916bの上部垂直範囲を上昇する。このとき、回転軸909は回転することなく上昇するから、分離爪910の先端910aはトレイ906の顎部906aを支持したまま上昇する。
【0010】
なお、回転軸909(以下、第一の回転軸909と称す)と平行に、トレイの前後方向(図中Y方向)で所定の間隔を介して図示しない第二の回転軸が配置されている。第二の回転軸には第一の回転軸909に固定されたアーム911と同様に、第二のアームが固定され、アーム911と第二のアームは連結棒912により連結されている。連結棒912の両端は、それぞれアーム911と第二のアームに回転自在に軸止されているため、第二の回転軸は第一の回転軸909と同じ回転をすることになる。
【0011】
さらに、第一の回転軸909および第二の回転軸には、それぞれ所定の間隔(図中、X方向)を介して一対の分離爪910が設置されている。よって、略矩形状に配置された合計4の分離爪910により、トレイ906は分離されることになる。
したがって、分離爪910の先端910aより上方にあるトレイ906は、略矩形状に配置された合計4の分離爪910により持ち上げられ、該持ち上げられた状態で、載置台904に載置された下方にあるトレイ906を移送し、該持ち上げられたトレイ910を載置台904に載置することができる。すなわち、トレイは分離されることになる(以上、従来技術2と称す)。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来技術1においては、爪部材830の進退動作と昇降受台840の昇降動作を同調(シーケンス動作)させる必要があるため、以下のような問題点があった。
(a)それぞれの動作の完了を確認するためのセンサ、および、該センサの信号に基づいて、それぞれの動作を制御するシーケンス制御機構が必要である。
(b)また、かかる制御により、分離作業が遅延する。
(c)特に、かかるトレイ分離機構をICテストハンドラの恒温チャンバ内に設置する場合、恒温チャンバ内の温度が種々に変更されるため、これに耐えるセンサおよび爪部材830の進退手段の種類が制約され、且つ故障等のトラブル発生のおそれが増大する。
【0013】
(d)さらに、恒温チャンバの外に爪部材830の進退手段を設置する場合には、伝熱の遮断や温度変化に伴う伸縮の吸収が必要になり構造が複雑になる。
(e)また、トレイを前後左右の4カ所で支持する場合に、該4カ所における爪部材830の進退動作を同期させるための工夫が必要になる。
(f)さらに、爪部材830の位置を変更することが困難なため、下段にある所定の枚数のトレイ(たとえば、2枚等)を分離するという要請に対応できない。
【0014】
一方、従来技術2においては、昇降台907の昇降動作のみにより、分離爪910が前後進するため、従来技術1のようなシーケンス制御機構を必要としないものの、カム機構を具備するため以下の問題点がある。
(g)第一の回転軸909および第二の回転軸に設置する合計4の分離爪を位相(たとえば、トレイ分離時の高さ)を合わせて設置することが困難である。
(h)特に、かかる分離機構をICテストハンドラの恒温チャンバ内に設置する場合、恒温チャンバ内の温度が種々に設定されるため、連結棒912が伸縮し、第一の回転軸909に設置された分離爪910と、第二の回転軸に設置された分離爪の間で、位相(たとえば、トレイ分離時の高さ)が変化する。
【0015】
(i)また、カム溝が水平部を具備することができないため(昇降台907の昇降動作のみにより、カムフォロアー914を移動させるため)、分離爪910の先端910aは、上昇しながら前進することになるから、トレイ906を持ち上げながら顎部906aに侵入する。
【0016】
(j)このため、昇降台907を上昇するための負荷が増大し、先端910aおよび顎部906aの摩耗が助長され、さらに、第一の回転軸909および第二の回転軸に捩り変形が生じ、図中X方向で分離爪の先端の位置がずれるおよれが増大する。
(k)さらに、分離するトレイの枚数を変更したい場合(たとえば、1枚から2枚等に変更する)、該要請に対応した溝カムを具備する案内板を、新たに設置する必要があるため、かかる要請に容易に対応できない。
【0017】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、簡単な機構であって、それぞれの分離爪の高さが容易に同一に設定され、且つ該高さが変化することなく確実にトレイを分離し、また、分離するトレイの枚数を容易に変更することができる、段積みトレイの分離・積上げ機構、並びに該機構を具備するトレイ収納装置およびICテストハンドラを得ることを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る段積みトレイの分離・積上げ機構は、以下のとおりである。
(1)複数のトレイを段積みして収納するトレイ収納枠と、該トレイ収納枠に沿って昇降する昇降部と、該昇降部に傾動自在に立設された分離爪レバーと、該分離爪レバーを前記トレイから退避させるレバー退避手段と、前記退避した分離爪レバーの傾動を拘束するレバー拘束手段と、該拘束を解放するレバー拘束解放手段とを有し、
前記分離爪レバーが前記トレイを支持した状態で、前記昇降部が上昇または下降し、
前記レバー拘束手段が前記分離爪レバーの傾動を拘束した状態で、前記昇降部が上昇し、
前記分離爪レバーが前記レバー拘束手段から解放された状態で、前記昇降部が下降すると共に、
前記レバー退避手段が、前記トレイ収納枠に設けられた下方になる程前記トレイ収納枠から遠ざかる収納枠側斜面と、前記分離爪レバーに設けられたレバー側案内部とにより構成され、
前記昇降部が下降した際、前記レバー側案内部が前記収納枠側斜面に当接することを特徴とするものである。
これにより、支持しているトレイを所定の載置部に載置し、さらに、分離爪レバーが載置されたトレイから退避した状態で、上昇することができるから、所定の枚数のトレイ分の高さまで上昇したところで、分離爪レバーが傾動して再度上方にあるトレイを支持することが可能になる。すなわち、トレイの分離が行われる。
さらに、支持しているトレイを所定の高さに支持した状態で、該トレイの下方に設けた載置部に新たなトレイを移送し、そして、その新規トレイの上に前記既に支持しているトレイを載置することができる。そして、昇降部をさらに下降すると、分離爪レバーは新規トレイの側縁に沿って退避し、やがて新規トレイの底面(顎部)に侵入するから、再度、昇降部を上昇すると、新規トレイと一緒に全てのトレイ(前記既に支持しているトレイを含む)を所定の高さに持ち上げることが可能になる。よって、トレイの積上げが行われる。
【0019】
そして、分離爪レバーは、トレイ側に傾動(前進)してトレイを支持し、支持しているトレイを所定の載置部に載置した後は、トレイから退避して拘束されるから、該拘束状態のまま、載置されたトレイから退避して上昇することができる。そして、所定の枚数のトレイ分の高さまで上昇したところで、レバー拘束解放手段により該拘束が解放され、分離爪レバーが再度前進する。よって、該前進した分離爪(分離爪レバーのトレイ側に設置)より上方にあるトレイを支持することが可能になる。すなわち、トレイの分離が確実に行われる。
さらに、分離爪レバーは確実にトレイ収納枠(収納されたトレイに同じ)から退避してレバー拘束手段により拘束されるから、退避状態で昇降部を上昇してもトレイと干渉することがない。なお、収納枠側斜面はトレイ収納枠の外側面に設置された略三角形または台形の板材、レバー側案内部は分離爪レバーに設置した突起(ピン)等である。
【0020】
(2)において、複数のトレイを段積みして収納するトレイ収納枠と、該トレイ収納枠に沿って昇降する昇降部と、該昇降部に傾動自在に立設された分離爪レバーと、該分離爪レバーを前記トレイの方向に傾動させるレバー加勢手段と、を有し、
前記分離爪レバーが前記トレイを支持した状態で、前記昇降部が上昇または下降すると共に、
前記レバー退避手段が、前記トレイ収納枠に設けられた下方になる程前記トレイ収納枠から遠ざかる収納枠側斜面と、前記分離爪レバーに設けられたレバー側案内部とにより構成され、
前記昇降部が下降した際、前記レバー側案内部が前記収納枠側斜面に当接することを特徴とするものである。
これにより、支持しているトレイを所定の載置部に載置し、さらに、分離爪レバーが載置されたトレイから退避した状態で、上昇することができるから、所定の枚数のトレイ分の高さまで上昇したところで、分離爪レバーが傾動して再度上方にあるトレイを支持することが可能になる。すなわち、トレイの分離が行われる。
さらに、支持しているトレイを所定の高さに支持した状態で、該トレイの下方に設けた載置部に新たなトレイを移送し、そして、その新規トレイの上に前記既に支持しているトレイを載置することができる。そして、昇降部をさらに下降すると、分離爪レバーは新規トレイの側縁に沿って退避し、やがて新規トレイの底面(顎部)に侵入するから、再度、昇降部を上昇すると、新規トレイと一緒に全てのトレイ(前記既に支持しているトレイを含む)を所定の高さに持ち上げることが可能になる。よって、トレイの積上げが行われる。
そして、分離爪レバーは、レバー拘束手段から解放された際、確実にトレイ側に傾動(前進)するから、トレイを確実に支持することができる。なお、前記レバー加勢手段は、分離爪レバーと昇降部の間に介設した圧縮バネまたは引っ張りバネ、あるいは、分離爪レバー自体のトレイ側(傾動中心に対してトレイ側)に設置して偏荷重(回転モーメント)を付与する錘等である。
さらに、分離爪レバーは確実にトレイ収納枠(収納されたトレイに同じ)から退避してレバー拘束手段により拘束されるから、退避状態で昇降部を上昇してもトレイと干渉することがない。なお、収納枠側斜面はトレイ収納枠の外側面に設置された略三角形または台形の板材、レバー側案内部は分離爪レバーに設置した突起(ピン)等である。
【0023】
(3)前記(1)または(2)において、前記レバー拘束手段が、前記昇降部に回転自在に設置されたラッチと、前記分離爪レバーに設置されたラッチ係止部とにより構成され、
前記分離爪レバーが前記トレイから退避した際、前記ラッチが前記ラッチ係止部に係止することを特徴とするものである。
これにより、分離爪レバーが退避状態で拘束されるから、昇降部が上昇する際に分離爪レバーがトレイ収納枠側に傾動(前進)することが確実に防止できる。
【0024】
(4)前記(3)において、前記ラッチ係止部が前記レバー拘束解放手段に当接し、該当接により前記分離爪レバーの前記トレイ収納枠側への傾動が規制されることを特徴とするものである。
これにより、別途ストッパを設置することなく、分離爪レバーの前記トレイ収納枠側への傾動範囲、すなわち前進限が決まることになる。
【0025】
(5)前記(3)または(4)において、前記昇降部が、前記トレイ収納枠を横断する水平部と、該水平部の両側部にそれぞれ対峙して立設された一対の垂直部とを有し、
該垂直部より前記トレイ収納枠に近い位置で、前記水平部に前記分離爪レバーが設置され、また前記垂直部に前記ラッチが設置され、
前記ラッチが、一端部に設けた回転中心と、他端部の近傍に設けた略上方に開いた懐部とを具備し、前記分離爪レバーが前記トレイ収納枠から退避した際、前記ラッチ係止部が前記懐部に係止し、前記昇降部が上昇した際、前記他端部が前記レバー拘束解放手段に当接して下降することを特徴とするものである。
これにより、一対の分離爪レバーと一対の垂直部が、トレイ収納枠に対して垂直な直線上に配置されるから、分離爪レバーの端面(トレイ収納枠に対して垂直な面)にラッチ係止部(ピン)を設置し、垂直部の端面(トレイ収納枠に対して垂直な面)にラッチを設置することができる。よって、簡単な構成によりレバー拘束手段を形成することが可能になる。また、ラッチおよびレバー拘束解放手段の形状が簡単になり、さらに、分離爪レバーの拘束および拘束の解放が容易且つ確実になる。
【0026】
(6)前記(1)または(2)において、前記レバー拘束手段が、前記分離爪レバーに回転自在に設置されたラッチと、前記昇降部に設置されたラッチ係止部とにより構成され、
前記分離爪レバーが前記トレイから退避した際、前記ラッチが前記ラッチ係止部に係止することを特徴とするものである。
これにより、分離爪レバーが退避状態で拘束されるから、昇降部が上昇する際に分離爪レバーがトレイ収納枠側に傾動(前進)することがない。
【0027】
(7)前記(6)において、前記昇降部が、前記トレイ収納枠を横断する水平部と、該水平部の両側部にそれぞれ対峙して立設された一対の垂直部とを有し、該垂直部より前記トレイ収納枠に近い位置で、前記水平部に前記分離爪レバーが設置され、また前記垂直部に前記ラッチ係止部が設置され、
前記ラッチが、一端部から所定の距離だけ離れた位置に設けた回転中心と、他端部の近傍に設けた略下方に開いた懐部とを具備し、前記分離爪レバーが前記トレイ収納枠から退避した際、前記ラッチ係止部が前記懐部に係止し、前記昇降部が上昇した際、前記一端部が前記レバー拘束解放手段に当接して前記他端部が上昇することを特徴とするものである。
これにより、一対の分離爪レバーと一対の垂直部が、トレイ収納枠に対して垂直な直線上に配置されるから、分離爪レバーの端面(トレイ収納枠に対して垂直な面)にラッチを設置し、垂直部の端面(トレイ収納枠に対して垂直な面)にラッチ係止部(ピン)を設置することができる。よって、簡単な構成によりレバー拘束手段を形成することが可能になる。また、ラッチおよびレバー拘束解放手段の形状が簡単になり、さらに、分離爪レバーの拘束および拘束の解放が容易且つ確実になる。
【0028】
(8)前記(1)または(2)において、前記レバー側案内部が前記トレイ収納枠に当接し、該当接により前記分離爪レバーの前記トレイ収納枠側への傾動が規制されることを特徴とするものである。
これにより、別途ストッパを設置することなく、分離爪レバーの前記トレイ収納枠側への傾動範囲、すなわち前進限が決まることになる。
【0029】
(9)前記(1)乃至(9)の何れかにおいて、前記レバー拘束解放手段が、前記トレイ収納枠に設置したラッチ解放板であって、
前記昇降部が所定位置に上昇した際、前記ラッチが前記ラッチ解放板に当接して回転することを特徴とするものである。
これにより、ラッチの回転により、ラッチがラッチ係止部から解放されるから、分離爪レバーは退避状態から解放され、トレイ収納枠側に傾動(前進)することができる。
なお、昇降部に設置されたラッチは、ラッチの上面にラッチ係止部を受ける懐部を具備するから、該ラッチの懐部に近い端部が前記ラッチ解放板に当接して、懐部が下降するような回転をする。
一方、分離爪レバーに設置されたラッチは、ラッチの下面にラッチ係止部を受ける懐部を具備するから、該ラッチの懐部とは反対の端部がラッチ解放板に当接して、懐部が上昇するような回転をする。
【0030】
(10)前記(1)乃至(9)の何れかにおいて、前記分離爪レバーの上部に前記トレイ収納枠側に突出する分離爪が設置され、前記トレイ収納枠に収納されたトレイを支持する際、該分離爪の上面が水平になることを特徴とするものである。
これにより、分離爪の先端がトレイの下面(顎部)に確実に侵入して、トレイの下面(顎部)に平行に当接するから、トレイの支持が確実になる。
【0031】
(11)前記(1)乃至(10)の何れかにおいて、前記分離爪レバーの傾動中心が、前記トレイ収納枠に収納されたトレイの側縁よりも、前記トレイ収納枠の中心に近い位置にあることを特徴とするものである。
これにより、分離爪の先端がトレイの下面(顎部)に侵入する際、略水平方向または、該下面(顎部)を持ち上げる方向に移動するから、昇降部の上昇速度を大きくしても、トレイを確実に支持することができる。
【0032】
(12)前記(7)乃至(11)の何れかにおいて、前記レバー加勢手段が、前記分離爪レバーと前記垂直部の間に介設した圧縮バネであることを特徴とするものである。
これにより、分離爪レバーの外側面(トレイ収納枠から遠い方の面)と垂直部の内側面(トレイ収納枠に近い方の面)が対峙するから、圧縮バネの配置が容易になる。なお、分離爪レバーの外側面または垂直部の内側面の一方または両方に、圧縮バネの端部が侵入する凹部を設けておけば、圧縮バネの設置が一層容易になる。
【0033】
(13)前記(1)乃至(12)の何れかに記載の段積みトレイの分離・積上げ機構において、前記レバー退避手段が着脱自在またはその設置位置が変更自在であることを特徴とする請求項2乃至15の何れかに記載の段積みトレイの分離・積上げ機構であって、
前記分離爪レバーが前記レバー拘束手段から解放された状態で、前記昇降部が上昇および下降するものである。
これにより、レバー退避手段を撤去または、またはレバー退避手段の設置位置を下方に移動しておけば、分離爪レバーは退避しないから、その傾動が拘束されることがない。つまり、分離爪レバーは常にレバー拘束手段から解放された状態になる。
よって、昇降部が下降した場合、分離爪レバーはトレイの側縁に沿って外側に押し出され、やがて、トレイの下面(顎部)に侵入する。そして、昇降部が再度上昇すれば、当該トレイを持ち上げることができる。
したがって、既に持ち上げているトレイの下方に、新規のトレイが載置された場合には、該新規トレイの上に既に持ち上げているトレイを載置することができ、さらに、新規のトレイを含む全てのトレイを持ち上げることが可能になる。すなわち、トレイを積上げることができる。
なお、レバー退避手段を撤去したりレバー退避手段の設置位置を下方に移動したりする代わりに、分離爪レバーの下降する最下点(下降限)を調整して、分離爪レバーがレバー退避手段に当接しないようにしても同様の作用効果が得られる(前記(1)参照)。
【0034】
(14)前記(1)乃至(12)の何れかに記載の段積みトレイの分離・積上げ機構において、前記レバー拘束手段が着脱自在であることを特徴とし、
前記レバー拘束手段が撤去された状態で、前記分離爪レバーが前記トレイを支持して前記昇降部が上昇し、さらに、前記昇降部が下降する際、前記分離爪レバーが前記トレイの側縁に当接して前記トレイ収納枠の外側に向けて傾動されるものである。
これにより、かかる段積みトレイの分離・積上げ機構を設置しておけば、トレイの分離機構として使用すること、あるいはトレイの積上げ機構として使用することが可能になる。さらに、該使用の変更が容易にでき、一旦変更した後、再度元に戻すことが容易にできる。
【0035】
さらに、本発明に係るトレイ収納装置は、以下のとおりである。
(15)前記(1)乃至(12)の何れかに記載の段積みトレイの分離・積上げ機構において、前記トレイ収納枠の上部に設置したトレイ供給手段と、
前記トレイ収納枠の下部に設置したトレイ排出手段とを有することを特徴とするものである。
したがって、トレイ収納枠内に積上げられたトレイを下から順番に排出することができ、また、上部から新たなトレイを受け入れて、さらに積上げることが可能になる。
【0036】
(16)前記(1)乃至(14)の何れかに記載の段積みトレイの分離・積上げ機構において、前記トレイ収納枠の下部に設置したトレイ供給手段と、
前記トレイ収納枠の上部に設置したトレイ排出手段とを有することを特徴とするものである。
したがって、下部から新たなトレイを受け入れて、さらに積上げることができ、さらに、トレイ収納枠内に積上げられたトレイを上から順番に排出することが可能になる。
【0037】
(17)前記(15)に記載の第一の段積みトレイの分離・積上げ機構と、
前記(16)に記載の第二の段積みトレイの分離・積上げ機構と、
第一の段積みトレイの分離・積上げ機構のトレイ収納枠の下部に収納されたトレイを、第二の段積みトレイの分離・積上げ機構のトレイ収納枠の下部に移送する下部トラバーサと、
第二の段積みトレイの分離・積上げ機構のトレイ収納枠の上部に収納されたトレイを、第一の段積みトレイの分離・積上げ機構のトレイ収納枠の上部に移送する上部トラバーサとを有することを特徴とするものである。
これにより、第一の段積みトレイの分離・積上げ機構のトレイ収納枠と第二の段積みトレイの分離・積上げ機構のトレイ収納枠の間で、トレイを循環することが可能になる。
なお、(i)昇降部の下降の最下点(下降限)を上方に設定したり、(ii)レバー退避用ドグの設置位置を下方に移動したり、あるいは(iii)レバー退避用ドグを撤去したりして分離爪レバーが退避しないようにする。また、(iv)ラッチ解放板の設置範囲を下方まで延長したり、(v)レバー拘束手段の押上用圧縮バネを撤去したりしてレバー拘束手段自体が上昇しない(機能しない)ようにする。さらに、(vi)レバー拘束手段自体を撤去したりする。等によりトレイの分離機構をトレイの積上げ機構に容易に切り替えることができ、また、逆に容易に元に戻すことができる。
【0038】
(18)前記(17)において、前記下部トラバーサまたは前記上部トラバーサが、水平方向に移動自在なラックと、該ラックに噛み合って回転するピニオンと、該ピニオンを回転するピニオン回転手段と、前記ラックに設置されて前記トレイ収納枠内に収納されたトレイに係止する係止用突起とを具備することを特徴とするものである。
これにより、簡単な構造により、トレイの移送を確実に行うことができる。
【0039】
さらに、本発明に係るICテストハンドラは、以下のとおりである。
(19)検査前ICが載置される検査前ICステージと、
所定の検査を終えた検査済ICが載置される検査済ICステージと、
検査前ICを所定の温度に維持する恒温チャンバと、
該恒温チャンバに収容されまたは該恒温チャンバに隣接して、検査前ICに所定の検査を実施する検査ステージと、
検査前ICを、前記検査前ICステージから前記恒温チャンバに搬送する検査前IC搬送手段と、
前記恒温チャンバにおいて、検査前ICまたは検査済ICを搬送する恒温チャンバ内IC搬送手段と、
検査済ICを、前記恒温チャンバから前記検査済ICステージに搬送する検査済IC搬送手段とを有し、
前記恒温チャンバ内に、前記(15)乃至(18)の何れかに記載のトレイ収納装置が設置されていることを特徴とするものである。
これにより、検査前ICをチャンバ内トレイに載置して恒温チャンバ内を搬送することができるから、所定の数量の検査前ICを恒温チャンバ内に所定時間滞留することが可能になる。このとき、チャンバ内トレイの分離およびとチャンバ内トレイの積上げが、スムースに且つ確実に行われるから、ICやチャンバ内トレイの損傷、あるいは、チャンバ内トレイの搬送トラブルが防止されてIC検査の精度・信頼性が維持される。
【0040】
【発明の実施の形態】
[実施の形態1]
(段積みトレイの分離・積上げ機構)
図1は本発明の実施の形態1に係る段積みトレイの分離・積上げ機構の構成を示す斜視図である。図1において、1は段積みトレイの分離・積上げ機構、10は複数のトレイ(図示しない)を段積みして収納するトレイ収納枠、20はトレイ収納枠10に沿って(図中、Z方向)昇降する昇降部、30は昇降部20に傾動自在(図中、Y−Z面内を傾動)に立設された分離爪レバー、40は分離爪レバー30をトレイ収納枠10に向けて傾動させる(図中、プラスY方向(以下、内側と称す)、図示しない収納されたトレイの方向に進めるに同じ、以下、前進と称す)前進用圧縮バネである。
【0041】
さらに、50はトレイ収納枠10に設置されて分離爪レバー30をトレイ収納枠10の中央から遠ざける(図中、マイナスY方向(以下、外側と称す)で、図示しない収納されたトレイから退避させるに同じ、以下、退避と称す)レバー退避用ドグ、60は昇降部20(垂直部21に同じ)に設置されて退避した分離爪レバー30の傾動を拘束するレバー拘束ラッチ、70はトレイ収納枠10に設置されて該拘束を解放するラッチ解放板、80はレバー拘束ラッチを上方向に押し上げる押上用圧縮バネ、および90はトレイの同一側縁部に配置された分離爪レバー同士を連結する連結棒である。
【0042】
(トレイ)
図2は本発明の実施の形態1に係る段積みトレイの分離・積上げ機構におけるトレイを示す斜視図である。図2において、トレイ100は、平板部101と、平板部101の下面の4角に設置された角部脚102と、平板部101の下面の長手方向(図中、X方向)の両端部で幅方向(図中、Y方向)の中央に設置された中央部脚103とを有している。
そして、平板部101の幅方向の両縁の上角には面取り104が設けられ、面取り104の裏面(平板部101の裏面)が後記分離爪32が当接する顎部105を形成している。また、角部脚102にも、面取り104と同様の面取り106が設けられている。
【0043】
さらに、平板部101の上面には、ICを収納するIC収納ポケット107と、通気用貫通穴108が設けられている。IC収納ポケット107の数量および形状は、トレイの目的に応じて変更される。また、通気用貫通穴108もトレイの目的および要求性能、たとえば、熱容量の保証、軽量化と剛性確保等に応じて変更されるものである。
【0044】
以下、図1および図2に基づいて各部位の説明をする。
(トレイ収納枠)
トレイ収納枠10は、複数のトレイ(図2に示すトレイ100)を段積み(積層)して収納するものであって、平面視で矩形状のトレイ100の4角または4辺のそれぞれを案内する鉛直案内部11を具備している。そして、鉛直案内部11の下部には収納したトレイ100が載置されるトレイ載置部12が設けられ、載置された下方のトレイ100(最下段の1枚、または所定の複数枚)を長手方向(図中、X方向)に移送する下部トラバーサが配置されている(図示しない)。
一方、鉛直案内部11の上部には新規トレイ100を移送して、最上段のトレイの上に載置する上部トラバーサが配置されている(図示しない)。
【0045】
(昇降部)
昇降部20は、平面視略矩形状の板材または棒材を井桁状に形成したものであって、トレイ収納枠10の下部を幅方向(図中、Y方向)に貫通する水平部21と、水平部21の上面でトレイ収納枠10の外側に位置する両側部に立設された垂直部22を有している。垂直部22は矩形状に4カ所配置されている。
水平部21の垂直部22が立設する位置の内側に、分離爪レバー30の下端部を傾動自在に軸支するための分離爪レバー用溝23が設けられ、分離爪レバー用溝23に分離爪レバー支持軸24が長手方向(図中、X方向)に設置されている。また、昇降部20の下面には昇降軸25が設置され、昇降軸25は図示しない昇降手段に連結されている。
【0046】
(分離爪レバー)
分離爪レバー30の下端部には支持穴(図示しない)が設けられ、支持穴31に分離爪レバー支持軸24が挿入されている。そして、分離爪レバー30は、幅方向(図中、Y−Z面内)で内側(プラスY方向)に向けて圧縮バネ40により加勢されながら、傾動自在に軸支されている。
分離爪レバー30の上端部は、内側に突出した分離爪32が形成され、また、分離爪レバー30の内側の面33の上部、すなわち分離爪32の下方には、下方になる程トレイ収納枠10から遠ざかるように傾斜したテーパ状内側面34が形成されている。
【0047】
なお、分離爪レバー30が内側に傾動すると、分離爪32がトレイ収納枠10内に侵入(以下、前進と称す)して、分離爪32の上面が図示しないトレイに当接する。このとき、分離爪32の上面は略水平になって、トレイの顎部(図2に示すトレイ100の顎部105)に当接し、テーパ状内側面34はトレイの面取り(図2に示すトレイ100の面取り104)と略平行になる(以下、前進限の状態と称す)。なお、分離爪レバー30が前進限を超えて傾動(前進)しないように、ストッパを設けてもよい。
【0048】
さらに、分離爪レバー30の端面35(図中、マイナスX方向の面)には、レバー拘束ラッチ60に係止するラッチ係止ピン36が設置されている。
ラッチ係止ピン36の高さ(図中、マイナスX方向の高さ)は、分離爪レバー30の端面35とトレイ収納枠10に設置したラッチ解放板70の分離爪レバー側の端面71(図中、プラスX方向の面)との間の距離より小さいため、ラッチ係止ピン36がラッチ解放板70に衝突することがない。つまり、ラッチ係止ピン36も分離爪32と同様にトレイ収納枠10の内部に侵入することができる。なお、分離爪レバー30の端面35とラッチ解放板70の端面71を近づけたり、ラッチ係止ピン36の高さを高くして、ラッチ係止ピン36がラッチ解放板70あるいはトレイ収納枠10に衝突するようにし、分離爪レバー30が前進限を超えて傾動(前進)しないようにしてもよい。このとき、ラッチ係止ピン36より内側に突出した範囲(分離爪32を含む範囲)のみがトレイ収納枠10内に侵入することになる。
【0049】
(前進用圧縮バネ)
前進用圧縮バネ40の両端部は、それぞれ分離爪レバー30の外側の面37に設けた凹部38と、昇降部20の垂直部21の内側の面26に設けた凹部(図示しない)に挿入されている。
なお、前進用圧縮バネ40に替えて、分離爪レバー30と昇降部20の水平部21との間に引っ張りバネを配置してもよい。さらに、分離爪32の自重(偏荷重)により分離爪レバー30が内側に傾動するようにしてもよい。
【0050】
(レバー退避用ドグ)
レバー退避用ドグ50は、トレイ収納枠10の外側に設置されたレバー退避用ドグ受け51に固定されている。したがって、昇降部20が下降した際、分離爪レバー30のテーパ状内側面34がレバー退避用ドグ50に当接し、昇降部20がさらに下降すると、分離爪レバー30はレバー退避用ドグ50により外側に押され傾動(退避)することになる。
【0051】
(レバー拘束ラッチ)
レバー拘束ラッチ60は一端に回転穴61と、他端に上方に向けて折れ曲がった先端部62と、該折れ曲がりの開始部に懐部63を有している。
そして、回転穴61には昇降部20の垂直部22に設置された回転軸28が挿入され、レバー拘束ラッチ60は回転自在に軸支される。また、レバー拘束ラッチ60は圧縮バネ80により上方に加勢されている。
【0052】
したがって、ラッチ係止ピン36はレバー拘束ラッチ60の先端部62の上面に当接した際、相互に押し付けられている。さらに、昇降部20が下降して分離爪レバー30が退避用ドグ50に押されて退避すると、ラッチ係止ピン36はレバー拘束ラッチ60の先端部62の上面から外れ、懐部63に抱え込まれることになる。なお、レバー拘束ラッチ60の形状は、上方に向けて折れ曲がった先端部62を具備する断面略し字状に限定するものではなく、断面矩形状板に懐部を形成したものであってもよい。
【0053】
(ラッチ解放板)
ラッチ解放板70は、トレイ収納枠10の外側に設置され、鉛直方向の摺動面72と、摺動面72の下端部に傾斜したテーパ状当たり面73とを有する板材である。したがって、昇降部20が上昇した際、レバー拘束ラッチ60の先端部62はなめらかに当接して衝撃が緩和され、さらに摺動面72を摺動しながら上昇する。このとき、レバー拘束ラッチ60の先端62は下方に押し下げられるから、ラッチ係止ピン36はレバー拘束ラッチ60の懐部63から解放され、分離爪レバー30は圧縮バネ40の反発力により、内側に傾動(前進)することになる。
【0054】
(押上用圧縮バネ)
押上用圧縮バネ80は、レバー拘束ラッチ60に上向きの力を付与するためのコイルバネであって、その両端が昇降部20の垂直部22に設置された圧縮バネ受け81に設けた凹部82と、レバー拘束ラッチ60の下面に設けた凹部(図示しない)にそれぞれ挿入されている。
【0055】
(連結棒)
連結棒90は、昇降部20の同一側縁部に配置された一対の分離爪レバー同士を連結し、当該分離爪レバーの傾動を同期させることを目的とするものであるが、設置を省略してもよい。なお、連結棒90を端面35から突出させて、該突出部がレバー拘束ラッチ60に拘束されるようにすれば、該突出部がラッチ係止ピン36を兼ねることができる。
【0056】
(分離動作)
図3は本発明の実施の形態1に係る段積みトレイの分離・積上げ機構における分離動作を時系列的に説明する要部の正面図であって、左右対称であるものの右半分を記載する。なお、図1または図2と同じ部分にはこれと同じ符号を付し、一部の説明を省略する。
【0057】
図3の(a)において、トレイ110、120はそれぞれ図2に示すものであって、図示しないトレイ収納枠(図1に示すトレイ収納枠10参照)内に積み上けられている(積層されている)。分離爪32が最下段のトレイ110の顎部115に係止し、分離爪レバー30がトレイ110、120を支持している。すなわち、分離爪レバー30は前進限の状態にある。
【0058】
このとき、レバー拘束ラッチ60の先端部62はラッチ解放板70の摺動面72に摺動し、先端部62は下方に押し下げられているから、分離爪レバー30はレバー拘束ラッチ60から解放されている。
なお、理解を容易にするためトレイは2枚とし、下方のトレイ110を最下段トレイ110と、上方のトレイ120を二段目トレイ120と、これらの両方を指す場合はトレイ110、120と称す。また、トレイ収納枠10に設置された部位(昇降しない部位)に斜線を付す。
【0059】
図3の(b)において、図示しない昇降部(図1に示す昇降部20参照、以下、昇降部と称す)が下降すると、レバー拘束ラッチ60の先端部62は、ラッチ解放板70の摺動面72に摺動しながら下降し、テーパ状当たり面73に摺動した後、ラッチ解放板70から離れる。このとき、レバー拘束ラッチ60は、押上用圧縮バネ(図示しない)により押し上げられ、先端部62がラッチ係止ピン36に当接する。なお、分離爪レバー30はトレイ110、120を支持したままである。
【0060】
図3の(c)において、昇降部がさらに下降すると、最下段トレイ110の角部脚112の下面が、トレイ収納枠のトレイ載置部12に当接し、トレイ110、120はトレイ載置部12に載置される。このとき、レバー拘束ラッチ60の先端部62はラッチ係止ピン36に当接したまである。また、分離爪レバー30は前進限の状態のままであるが、最早トレイ110、120の荷重を支持していない。
【0061】
図3の(d)において、昇降部がさらに下降すると、分離爪レバー30のテーパ状内側面34は、レバー退避用ドグ50に当接し、分離爪レバー30は外側に傾動(退避)される。このとき、レバー拘束ラッチ60の先端部62はラッチ係止ピン36から外れ、懐部63にラッチ係止ピン36が抱え込まれる。すなわち、分離爪レバー30は、退避した状態でレバー拘束ラッチ60により拘束されることになる。
【0062】
図3の(e)において、次に、昇降部が上昇した場合でも、レバー拘束ラッチ60の先端部62がラッチ解放板70に当接するまでは、分離爪レバー30は退避状態でレバー拘束ラッチ60により拘束されたままであるから、分離爪32は最下段トレイ110に触れることなく、上昇することができる。
【0063】
図3の(f)において、昇降部がさらに上昇すると、レバー拘束ラッチ60の先端部62がラッチ解放板70のテーパ状当たり面73に当接する。このとき、レバー拘束ラッチ60は下方に押し下げられるから、ラッチ係止ピン36はレバー拘束ラッチ60の懐部63から解放され、分離爪レバー30は前進用圧縮バネ(図示しない)の反発力により内側に傾動(前進)する。
そして、分離爪32は二段目トレイ120の顎部125の下方に侵入し、分離爪レバー30のテーパ状内側面34は最下段トレイ110の面取り114に当接する。すなわち、前進限の状態になる。
【0064】
図3の(g)において、昇降部がさらに上昇すると、分離爪レバー30は前進限の状態のまま、分離爪32は二段目トレイ120の顎部125に当接し、これを持ち上げる。すなわち、最下段トレイ110と二段目トレイ120が分離されたことになる。
【0065】
図3の(h)において、昇降部がさらに上昇して停止した状態で、最下段トレイ110は図示しない搬送手段により次工程に搬送され、さらに、二段目トレイ120の上に第三のトレイ130が載置される。そして、図3の(a)に戻ることになる。
なお、二段目トレイ120が複数枚になった場合も同様の動作により、最下段トレイがそれ以外のトレイと分離される。
【0066】
[実施の形態2]
(分離動作)
図4は本発明の実施の形態2に係る段積みトレイの分離・積上げ機構における分離動作を時系列的に説明する要部の正面図であって、左右対称であるものの右半分を記載する。実施の形態1が最下段トレイのみ(1枚)を他のトレイから分離するのに対し、実施の形態2は、下段にある複数枚のトレイを他のトレイから分離するものである。なお、図1または図2と同じ部分にはこれと同じ符号を付し、一部の説明を省略する。
【0067】
図4の(c)において、トレイ110、120、130、140はそれぞれ同一形状であって、図示しないトレイ収納枠(図1に示すトレイ収納枠10参照)内に積み上けられている(積層されている)。分離爪32が最下段のトレイ110の顎部115に係止し、分離爪レバー30がトレイ110、120、130、140を支持している。すなわち、分離爪レバー30は前進限の状態にある。このとき、レバー拘束ラッチ60の先端部62は、ラッチ解放板70の摺動面72から離れ、ラッチ係止ピン36に当接している。
【0068】
そして、図示しない昇降部(図1に示す昇降部20参照、以下、昇降部と称す)がさらに下降すると、最下段トレイ110の角部脚112の下面が、トレイ収納枠のトレイ載置部12に当接して、トレイ110、120、130、140はトレイ載置部12に載置され、分離爪レバー30は最早トレイ110、120、130、140の荷重を支持しなくなる。このとき、レバー拘束ラッチ60の先端部62はラッチ係止ピン36に当接し、分離爪レバー30は前進限の状態のままである。
【0069】
図4の(d)において、昇降部がさらに下降すると、分離爪レバー30のテーパ状内側面34は、レバー退避用ドグ50に当接し、分離爪レバー30は外側に傾動(退避)される。このとき、レバー拘束ラッチ60の先端部62はラッチ係止ピン36から外れ、懐部63にラッチ係止ピン36が抱え込まれる。すなわち、分離爪レバー30は、退避した状態でレバー拘束ラッチ60により拘束されることになる。
【0070】
図4の(e−1)および(e−2)において、次に、図示しない昇降部20が上昇した場合でも、レバー拘束ラッチ60の先端部62がラッチ解放板70に当接するまでは、分離爪レバー30は退避状態にありレバー拘束ラッチ60により拘束されたままであるから、分離爪32は下方にあるトレイ110、120、130に触れることなく、上昇することができる。
【0071】
図4の(f)において、昇降部がさらに上昇すると、レバー拘束ラッチ60の先端部62がラッチ解放板70のテーパ状当たり面73に当接する。
そして、先端部62が下方に押し下げられるから、ラッチ係止ピン36はレバー拘束ラッチ60の懐部63から解放され、分離爪レバー30は前進用圧縮バネ(図示しない)の反発力により内側に傾動(前進)する。
そして、分離爪32は四段目トレイ140の顎部145の下方に侵入し、分離爪レバー30のテーパ状内側面34は、三段目トレイ130の面取り134に当接する。すなわち、前進限の状態になる。
【0072】
図4の(g)において、昇降部がさらに上昇すると、前進限の状態のまま、分離爪32は四段目トレイ140の顎部145に当接し、これを持ち上げる。すなわち、四段目トレイ140とそれより下方のトレイ110、120、130が分離されたことになる。
【0073】
なお、四段目トレイ140が複数枚になった場合も同様の動作により、同様の分離が可能である。
さらに、実施の形態2は、下方のトレイ3枚を分離するものであるが、ラッチ解放板70の設置位置を変更することにより、分離するトレイの枚数を容易に変更することができる。
【0074】
[実施の形態3]
(積上げ動作)
図5および図6は本発明の実施の形態3に係る段積みトレイの分離・積上げ機構における積上げ動作を時系列的に説明する要部の正面図であって、左右対称であるものの右半分を記載する。
実施の形態1または2が、最下段トレイのみまたは下段にある複数枚のトレイを他のトレイから分離するものであるのに対し、実施の形態3は。積層されているトレイの下方に新たに所定の枚数の新規トレイを挿入し、該新規トレイを含む新たな積層されたトレイを形成するものである。
なお、段積みトレイの分離・積上げ機構については、実施の形態1における段積みトレイの分離・積上げ機構1(図1参照)を用い、トレイについては図2に示すトレイ100に準じるため、同じ部分にはこれと同じ符号を付し、一部の説明を省略する。また、説明を容易にするため、ラッチ解放板(図1参照)の記載を省略している。
【0075】
図5の(a)において、分離爪レバー30の分離爪32が最上段のトレイ180の顎部185に係止し、分離爪レバー30が最上段のトレイ180を持ち上げている。このとき、分離爪レバー30は前進限の状態にあり、ラッチ係止ピン36はレバー拘束ラッチ60の先端部62の上面に当接したままである。また、分離爪レバー30は図示しないストッパ手段により、前進限より内側に傾動しない。
なお、ラッチ係止ピン36がレバー拘束ラッチ60の先端部62の上面に当接する代りに、レバー拘束ラッチ60の先端部62を図示しないラッチ解放板に摺動させて先端部62を下降することにより、分離爪レバー30を傾動自在(解放状態)にしてもよい。
そして、図示しない搬送手段(図1に示す昇降部20参照、以下、昇降部と称す)により、3段積みの新規トレイ150、160、170が、トレイ収納枠のトレイ載置部12に載置される。
【0076】
図5の(b)において、図示しない昇降部(図1参照、以下、昇降部と称す)が下降すると、最上段トレイ180は三段目トレイ170の上に載置され、分離爪レバー30は、最早最上段トレイ180の荷重を支持しなくなる。
【0077】
図5の(c)において、昇降部がさらに下降すると、分離爪レバー30のテーパ状内側面34は、三段目トレイ170の面取り174および側縁に摺動しながら外側に押し出される。このとき、ラッチ係止ピン36はレバー拘束ラッチ60の先端部62の上面に当接したままであって、懐部63に抱え込まれることはない。
なお、ラッチ係止ピン36がレバー拘束ラッチ60の先端部62の上面に当接する代りに、レバー拘束ラッチ60の先端部62を図示しないラッチ解放板に摺動させて先端部62を下降することにより、分離爪レバー30を傾動自在(解放状態)にしてもよい。
【0078】
図5の(d)において、そして、昇降部がさらに下降すると、テーパ状内側面34が、三段目トレイ170の顎部175に侵入し、二段目トレイ160の面取り164および側縁に摺動し、二段目トレイ160の顎部165に侵入し、一段目トレイ150の面取り154および側縁に摺動し、やがて、一段目トレイ150の顎部155に侵入する。すなわち、分離爪レバー30は前進限の状態になる。そして、分離爪レバー30のテーパ状内側面34がレバー退避用ドグ50に当接する前に、昇降部は下降を停止する。このため、分離爪レバー30は退避しないから、ラッチ係止ピン36がレバー拘束ラッチ60の懐部63に抱え込まれることはない。すなわち、分離爪レバー30は解放状態で前進限にある。
なお、ラッチ係止ピン36がレバー拘束ラッチ60の先端部62の上面に当接する代りに、レバー拘束ラッチ60の先端部62を図示しないラッチ解放板に摺動させて先端部62を下降することにより、分離爪レバー30を傾動自在(解放状態)にしてもよい。
【0079】
図6の(e)において、分離爪レバー30は解放状態で前進限にあるまま、昇降部を上昇すると、分離爪30が一段目トレイ150の顎部155に当接し、分離爪レバー30がトレイ150、160、170、180を持ち上げる。
【0080】
図6の(f)において、昇降部が所定の高さまで上昇したところで、停止し、図示しない搬送手段により、新たなトレイ120、130、140を載置台12上に載置する。そして、図5の(a)および(b)の動作を繰り返すと、積上げトレイ120、130、140、150、160、170、180が形成される。なお、最上段トレイ180は複数枚の積上げトレイであってもよい。
【0081】
したがって、実施の形態1における段積みトレイの分離・積上げ機構1と同じ機構を用いながら、下記により、これを積上げ機構にすることが可能になる。
(イ)昇降部の下降の最下点(下降限)を調整して、または、
(ロ)レバー退避用ドグの設置位置を下方に移動して、または、
(ハ)レバー退避用ドグを撤去して、
分離爪レバーがレバー退避用ドグに当接しないようにする。あるいは、
(ニ)ラッチ解放板を下方に延長して、レバー拘束ラッチの先端部をラッチ解放板に摺動させて該先端部を下降状態にし、分離爪レバーが退避した場合でも分離爪レバーのラッチ係止ピンがレバー拘束ラッチの懐部に抱え込まれないようにする。
なお、持ち上げられた積上げトレイの下方に載置される新規トレイの枚数は1以上の何れの枚数であってもよい。そして、昇降部の昇降する距離は、該新規トレイの枚数に応じて変更する。
【0082】
(段積みトレイの分離・積上げ機構)
図7は本発明の実施の形態3に係る段積みトレイの分離・積上げ機構の構成を示す斜視図である。図7において、3は段積みトレイの分離・積上げ機構、10は複数のトレイ(図示しない)を段積みして収納するトレイ収納枠、20はトレイ収納枠10に沿って(図中、Z方向)昇降する昇降部、30は昇降部20に傾動自在(図中、Y−Z面内を傾動)に立設された分離爪レバー、40は分離爪レバー30をトレイ収納枠10に向けて傾動させる(図中、プラスY方向(内側)、図示しない収納されたトレイの方向に前進するに同じ、以下、前進と称す)前進用圧縮バネである。
【0083】
すなわち、実施の形態1における段積みトレイの分離・積上げ機構1から、昇降部20(垂直部21に同じ)に設置されたレバー拘束ラッチ60および押上用圧縮バネ80、分離爪レバー30に設置されたラッチ係止ピン36、さらに、トレイ収納枠10に設置されたレバー退避用ドグ50およびラッチ解放板70を撤去したものである。
【0084】
そして、ラッチ係止ピン36に代えて連結棒90を設置している。連結棒90は一対の分離爪レバー(プラスX方向に設置された他方は図示しない)を連結し、連結棒90の両端部は、それぞれトレイ収納枠10に設置したストッパ面13(プラスX方向に設置された他方は図示しない)に当接自在である。なお、実施の形態1と同じ部分にはこれと同じ符号を付し、一部の説明を省略する。
したがって、分離爪レバー30は傾動が拘束されないから、段積みトレイの分離・積上げ機構3は図5および図6に示す積上げ機能を発揮する。
なお、前記撤去に代えて、レバー拘束ラッチ60またはラッチ係止ピン36の一方のみ撤去してもよい。また、押上用圧縮バネ80のみ撤去して、レバー拘束ラッチ60の先端部62が略延長下方に垂れ下がってもよい。さらに、ラッチ解放板70を下方にまで延長して、レバー拘束ラッチ60の先端部62が常時摺動するようにしてもよい。
【0085】
[実施の形態4]
(段積みトレイの分離・積上げ機構)
図8は本発明の実施の形態4に係る段積みトレイの分離・積上げ機構の構成を示す斜視図である。図8において、4は段積みトレイの分離・積上げ機構、10は複数のトレイ(図示しない)を段積みして収納するトレイ収納枠、420はトレイ収納枠10に沿って(図中、Z方向)昇降する昇降部、430は昇降部420に傾動自在(図中、Y−Z面内を傾動)に立設された分離爪レバー、440は分離爪レバー430をトレイ収納枠10に向けて傾動させる(図中、プラスY方向(内側)、図示しない収納されたトレイの方向に前進するに同じ、以下、前進と称す)前進用圧縮バネである。
【0086】
さらに、450はトレイ収納枠10に設置されて分離爪レバー430をトレイ収納枠10の中央から遠ざける(図中、マイナスY方向(外側)、図示しない収納されたトレイから退避させるに同じ、以下、退避と称す)レバー退避用ドグ、460は昇降部420(垂直部21に同じ)に設置されて前記遠ざけられた(退避した)分離爪レバー430の傾動を拘束するレバー拘束ラッチである。
なお、トレイ収納枠10内に段積みされるトレイは図2に示すものに同じである。また、実施の形態1と同じ部分にはこれと同じ符号を付し、一部の説明を省略する。
【0087】
(トレイ収納枠)
トレイ収納枠10は実施の形態1におけるものに同じである。
【0088】
(昇降部)
昇降部420は、平面視略矩形状の板材または棒材を井桁状に形成したものであって、トレイ収納枠10の下部を幅方向(図中、Y方向)に貫通する水平部421と、水平部421の上面でトレイ収納枠10の外側に位置する両側部に立設された垂直部422を有している。垂直部422は矩形状に4カ所配置されている。
垂直部422の端面(図中、マイナスX方向の面)にレバー拘束ラッチ460の懐部463が係止するラッチ係止ピン429が設置されている。
【0089】
また、水平部421において垂直部422の内側に、分離爪レバー430の下端部を傾動自在に軸支するための分離爪レバー用溝423が設けられ、分離爪レバー用溝423に分離爪レバー支持軸424が長手方向(図中、X方向)に設置されている。
また、昇降部420の下面には昇降軸425が設置され、昇降軸425は図示しない昇降手段に連結されている。
【0090】
(分離爪レバー)
分離爪レバー430の下端部には支持穴431が設けられ、支持穴431に分離爪レバー支持軸424が挿入されている。そして、分離爪レバー430は、幅方向(図中、Y−Z面内)で内側に向けて圧縮バネ440により加勢されながら、傾動自在に軸支されている。
分離爪レバー430の上端部は、内側に突出した分離爪432が形成されている。また、分離爪レバー430の端面435(図中、マイナスX方向の面)には、レバー拘束ラッチ460を回転自在に支持するための回転軸436、および、レバー退避用ドグ450に当接するための退避用ピン439が設置されている。
【0091】
なお、分離爪レバー430が内側に傾動すると、分離爪432がトレイ収納枠10内に侵入(以下、前進と称す)して、分離爪432の上面が図示しないトレイに当接する。このとき、分離爪432の上面は略水平になって、図示しないトレイの顎部(図2に示すトレイ100の顎部105)に当接し、テーパ状内側面434はトレイの面取り(図2に示すトレイ100の面取り104)と略平行になる(以下、前進限の状態と称す)。
【0092】
また、分離爪レバー430が前進限を超えて傾動(前進)しないように、図示しないストッパを設けている。なお、分離爪レバー430の端面435とラッチ解放板70の端面71を近づけたり、退避用ピン439の高さを高くしたりして、退避用ピン439がトレイ収納枠10(またはトレイ収納枠10に設置したストッパ面(図示しない))に摺動するようにして、分離爪レバー430が前進限を超えて傾動(前進)しないようにしてもよい。このとき、分離爪レバー430の退避用ピン439より内側にある範囲(分離爪432を含む範囲)がトレイ収納枠10内に侵入する。
【0093】
(前進用圧縮バネ)
前進用圧縮バネ440の両端部は、それぞれ分離爪レバー430の外側の面437に設けた凹部438と、昇降部420の垂直部421の内側の面426に設けた凹部(図示しない)に挿入されている。
なお、前進用圧縮バネ440に替えて、分離爪レバー430と水平部421との間に引っ張りバネを配置してもよい。さらに、分離爪432の自重(偏荷重)により分離爪レバー430が内側に傾動するようにしてもよい。
【0094】
(レバー退避用ドグ)
レバー退避用ドグ450は、トレイ収納枠10の外側に設置された台形状の板材であって、下方になる程外側に広がるテーパ面451とテーパ面451の下端に繋がる鉛直方向の摺動面452とを有している。
したがって、昇降部420が下降した際、分離爪レバー430の退避用ピン439がテーパ面451に当接し、昇降部420がさらに下降すると、分離爪レバー430はテーパ面451により外側に押されて傾動することになる(以下、退避と称す)。
【0095】
(レバー拘束ラッチ)
レバー拘束ラッチ460は、分離爪レバー430に設置された回転軸436に回転自在に設置されている。
レバー拘束ラッチ460は、回転軸436が挿入される回転穴461と、回転穴461から外側(図中、マイナスY方向)に所定の距離だけ離れた位置に下方に向けて折れ曲がった先端部462と、該折れ曲がりの開始部に懐部463と、回転穴461から内側(図中、プラスY方向)に所定の距離だけ離れた位置に後端部464とを有している。
【0096】
したがって、昇降部420が上昇して、レバー拘束ラッチ460の後端部464がラッチ解放板70に当接した際、後端部464は押し下げられ、一方、先端部462は持ち上げられることになる。このとき、レバー拘束ラッチ460の懐部463に抱えられていたラッチ係止ピン429は、懐部463から解放されることになる。
【0097】
また、昇降部420が下降して、分離爪レバー430の退避用ピン439がレバー退避用ドグ450のテーパ面451に摺動して、分離爪レバー430が外側に押し出されると、ラッチ係止ピン429はレバー拘束ラッチ460の先端部462の下面から外れ、懐部463に抱え込まれることになる。
なお、レバー拘束ラッチ460は、先端部462側の方が長くて重いため、自由な状態の場合、先端部462は下降してその下面がラッチ係止ピン429に当接している。
【0098】
(ラッチ解放板)
ラッチ解放板70は、トレイ収納枠10の外側に設置され、鉛直方向の摺動面72と、摺動面72の下端部に傾斜したテーパ状当たり面73とを有する板材である。したがって、昇降部420が上昇した際、レバー拘束ラッチ460の後端部464がなめらかに当接して衝撃が緩和され、さらに摺動面72を摺動して上昇する。
このとき、レバー拘束ラッチ460の後端部464は押し下げられ、一方、先端部462は上方に押し上げられるから、ラッチ係止ピン429はレバー拘束ラッチ460の懐部463から解放され、分離爪レバー430は圧縮バネ440の反発力により、内側に傾動(前進)することになる。
【0099】
(分離動作)
図9は本発明の実施の形態4に係る段積みトレイの分離・積上げ機構における分離動作を時系列的に説明する要部の正面図であって、左右対称であるものの右半分を記載する。実施の形態1と同様、最下段トレイのみを他のトレイから分離する場合について記載する。なお、図8と同じ部分にはこれと同じ符号を付し、一部の説明を省略する。
【0100】
図9の(a)において、トレイ110、120はそれぞれ図2に示すものであって、図示しないトレイ収納枠(図8に示すトレイ収納枠10参照)内に積み上けられている(積層されている)。分離爪432が最下段のトレイ110の顎部115に係止し、分離爪レバー430がトレイ110、120を支持している。すなわち、分離爪レバー430は前進限の状態にある。
【0101】
このとき、レバー拘束ラッチ460の後端部464はラッチ解放板70の摺動面72に摺動し、レバー拘束ラッチ460の後端部464は下方に押し下げられているから、レバー拘束ラッチ460の先端部462は持ち上げられ、懐部463はラッチ係止ピン429から離れている。すなわち、分離爪レバー430はラッチ係止ピン429から解放されている。
なお、理解を容易にするためトレイは2枚とし、下方のトレイ110を最下段トレイ110と、上方のトレイ120を二段目トレイ120と、これらの両方を指す場合はトレイ110、120と称す。また、トレイ収納枠に設置された部位(昇降しない部位)に斜線を付す。
【0102】
図9の(b)において、図示しない昇降部(図8に示す昇降部420参照、以下、昇降部と称す)が下降すると、レバー拘束ラッチ460の後端部464は、ラッチ解放板70の摺動面72に摺動しながら下降し、テーパ状当たり面73に摺動した後、ラッチ解放板70から離れる。このとき、レバー拘束ラッチ460は、自重により回転して先端部462がラッチ係止ピン429に当接する。なお、分離爪レバー430はトレイ110、120を支持したままである。
【0103】
図9の(c)において、昇降部がさらに下降すると、最下段トレイ110の角部脚112の下面が、トレイ収納枠のトレイ載置部12に当接し、トレイ110、120はトレイ載置部12に載置される。このとき、レバー拘束ラッチ460の先端部462はラッチ係止ピン429に当接したまである。また、分離爪レバー430は前進限の状態のままであるが、最早トレイ110、120の荷重を支持していない。
そして、昇降部420がさらに下降すると、分離爪レバー430の端面435に設置した退避用ピン439が、レバー退避用ドグ450のテーパ面451に当接することになる。
【0104】
図9の(d)において、昇降部がさらに下降すると、退避用ピン439がレバー退避用ドグ450のテーパ面451を摺動して下降する。このとき、分離爪レバー430は外側に押し出されるから、レバー拘束ラッチ460の先端部462はラッチ係止ピン429よりも外側に移動して、懐部463にラッチ係止ピン429を抱え込むことになる。すなわち、分離爪レバー430は、退避した状態でレバー拘束ラッチ460により拘束されることになる。そして、昇降部420がさらに下降すると、退避用ピン439はレバー退避用ドグ450の摺動面452を摺動して下降する。
【0105】
図9の(e)において、次に、昇降部が上昇した場合でも、レバー拘束ラッチ460の後端部464がラッチ解放板70に当接するまでは、分離爪レバー430は退避状態でレバー拘束ラッチ460により拘束されたままであるから、分離爪432は最下段トレイ110に触れることなく、上昇することができる。
【0106】
図9の(f)において、昇降部がさらに上昇すると、レバー拘束ラッチ460の後端部464がラッチ解放板70のテーパ状当たり面73に当接する。このとき、レバー拘束ラッチ460の後端部464は下方に押し下げられるから、先端部462は持ち上げられてラッチ係止ピン429はレバー拘束ラッチ460の懐部463から解放され、分離爪レバー430は前進用圧縮バネ(図示しない)の反発力により内側に傾動(前進)する。
そして、分離爪432は二段目トレイ120の顎部125の下方に侵入し、分離爪レバー430の内側面433は、最下段トレイ110の面取り114に当接する。すなわち、分離爪レバー430は前進限の状態になる。
【0107】
図9の(g)において、昇降部がさらに上昇すると、分離爪レバー430は前進限の状態のまま、分離爪432は二段目トレイ120の顎部125に当接し、これを持ち上げる。すなわち、最下段トレイ110と二段目トレイ120が分離されたことになる。
【0108】
図9の(h)において、昇降部がさらに上昇して停止した状態で、最下段トレイ110は図示しない搬送手段により次工程に搬送され、さらに、二段目トレイ120の上に第三のトレイ130が載置される。そして、図9の(a)に戻ることになる。
なお、二段目トレイ120が複数枚になった場合も同様の動作により、最下段トレイがその他のトレイと分離される。
【0109】
さらに、ラッチ解放板70を高い位置に設置することにより、載置されたトレイの下方にある複数枚のトレイと、それ以外のトレイとを分離することができる(図4に準じる)。つまり、昇降部20の上昇する距離は、分離するトレイの枚数に応じて変更する。
さらに、昇降部20の下降の最下点(下降限)を調整するだけで、これを積上げ機構にすることが可能になる(実施の形態3に準じる)。また、レバー退避用ドグ50の設置位置を下方に移動またはレバー退避用ドグ50を撤去するだけで、これを積上げ機構にすることが可能になる(実施の形態3に準じる)。
【0110】
[実施の形態5]
(トレイ収納装置)
図10は、本発明の実施の形態5に係るトレイ収納装置の構成を模式的に示す斜視図である。図10において、トレイ収納装置5は、平行して設置されたトレイ下降部1620とトレイ上昇部1640とを有している。
トレイ下降部1620およびトレイ上昇部1640には、たとえば図2に示すトレイが段積み(積層)されて収納される。
トレイ下降部1620およびトレイ上昇部1640は、それぞれトレイ収納枠1621、1641によって囲まれ、トレイ収納枠1621、1641の下方には昇降部1622、1642が昇降自在に配置されている。
【0111】
そして、トレイ下降部1620の昇降部1622およびトレイ上昇部1640の昇降部1642には、それぞれ実施の形態1乃至4の何れかに示す段積みトレイの分離・積上げ機構が矩形状に配置されている(図中、斜線部1623、1643にて示す)なお、各機構の詳細は図示しない。
【0112】
さらに、トレイ収納枠1621、1641の下端の内側には、トレイを載置するトレイ載置部1624、1644が設置されている。
そして、トレイ下降部1620のトレイ載置部1624に載置された最下段のトレイを、トレイ上昇部1640のトレイ載置部1644に搬送する下部トラバーサ1630が、一対のトレイ載置部1624の間に設置されている。
また、トレイ下降部1620(トレイ上昇部1640に同じ)の所定の高さに上部トラバーサ1650が配置され、トレイ上昇部1640に収納された当該位置にあるトレイを、トレイ下降部1620側に搬送することが可能になっている。
【0113】
下部トラバーサ1630および上部トラバーサ1650は、それぞれトレイ収納枠1621およびトレイ収納枠1641を跨いで直線運動(図中、X方向)をするラック1631、1651と、ラック1631、1651に噛み合って回転するピニオン1632、1652を有している。ラック1631、1651にはそれぞれ図示しないトレイ係止部が設けられ、該係止部がトレイに係止してトレイを移動させるものである。
【0114】
なお、下部トラバーサ1630および上部トラバーサ1650は、ラック/ピニオン構造に限定するものではなく、チェーン/スプロケット構造、回転リンク構造、あるいは流体シリンダ構造であってもよい。
【0115】
以上より、トレイ下降部1620およびトレイ上昇部1640が、実施の形態1乃至4の何れかに示す段積みトレイの分離・積上げ機構を具備するから、トレイの分離が円滑且つ確実に実施される。
また、段積みトレイの分離・積上げ機構は、前記実施の形態3に記載した要領により、トレイ積上げ用またはトレイ分離用の何れにも使用できるから、段積みトレイの分離用およびトレイの積上げ用としてそれぞれ別個の装置を配置する必要がない。
【0116】
また、下部トラバーサ1630および上部トラバーサ1650を具備するから、当該トレイ収納装置内で、トレイを循環することができる。
さらに、段積みトレイの分離・積上げ機構は、前記実施の形態3に記載した要領により、それぞれトレイ積上げ用またはトレイ分離用に容易に変更することができるから、トレイの循環方向を容易に変更することができる。
【0117】
[実施の形態6]
(ICテストハンドラ)
図11および図12は、本発明の実施の形態6に係るICテストハンドラの構成を示す概略斜視図および概略透視斜視図である。ICテストハンドラ6は、本体1200と、検査前ICを供給する供給部1300と、IC検査ステージ3000に接する恒温チャンバ1600と、ホットプレート2000と、検査済ICを収納する排出部1900を有し、恒温チャンバ1600の中には、実施の形態5に示すトレイ収納装置5が配置されている。
【0118】
(供給部)
供給部1300は、検査前ICが載置された供給トレイを複数収納する供給トレイエレベータ1310と、空トレイを収容する空トレイエレベータ1320を有している。
【0119】
(恒温チャンバ)
恒温チャンバ1600は、ICを所定の検査温度に加熱または冷却するものであって、内部には、実施の形態5に示すトレイ収納装置5が配置され、検査前ICを恒温チャンバ1600内に供給する供給シャトル1500と、検査済ICを恒温チャンバ1600外に排出する排出シャトル1700と、検査ステージ3000が併設されている。
そして、供給シャトル1500上のICをハンドリングする持ち上げ用IC吸着ハンド1610および検査中のICを検査ステージに押圧する検査用IC吸着ハンド1660が設置されている。
【0120】
(ホットプレート)
ホットプレート2000は、恒温チャンバ1600において低温試験(たとえば摂氏10度以下)を行った場合に、低温状態の検査済ICを排出部1900に搬送する前に、結露防止のために一時的に温めて常温に戻すためのものである。
【0121】
(排出部)
排出部1900は、排出エレベータ1910、1920、1930、および排出トレイ置き場1940、1950、1960を有し、検査済ICは当該IC検査の結果に応じて、所定の排出エレベータまたは排出トレイ置き場に収納された排出トレイに、分類して載置される。
【0122】
(検査済IC排出機構)
検査済IC排出機構は、検査済ICを吸着して、排出部に搬送するものであり、排出走行部、排出横行部、排出昇降部、排出昇降部および排出用IC吸着パットとを有している。
【0123】
(検査前IC供給機構)
検査前IC供給機構は、検査前ICを供給部1300から供給シャトル1500まで搬送するものであって、検査済IC排出機構に準じる。
【0124】
(持ち上げ用IC吸着ハンド)
持ち上げ用IC吸着ハンド1610は、ICを吸着して、昇降および水平面内を移動自在である。したがって、供給シャトル1500に載置された検査前ICを吸着して、チャンバ内トレイに載置することができる。
【0125】
(検査用IC吸着ハンド)
検査用IC吸着ハンド1660は、ICを吸着して、昇降および旋回自在である。したがって、水平姿勢の検査前ICを吸着して、鉛直部に配置された検査ステージ3000(位置T)に移送して水平方向に押圧することが可能になる。
【0126】
(IC搬送要領)
次に、図11および図12に基づいて、ICの各ステージ間の搬送要領を簡単に説明する。なお、位置P1、P2等は、各ステージの略中心位置等を示し、ICが実際に載置される位置と相違する場合がある。
【0127】
▲1▼検査前ICは、供給部1300から、供給シャトル1500上に載置される(P1→P2)。次に、供給シャトル1500が、恒温チャンバ1600内に移動する(P2→P3)。
▲2▼そして、検査前ICは、チャンバ内トレイに載置され(P3→P4)、トレイ収納装置内を略U字状に移動し、所定の温度に維持される(P4→P5→P6→P7)。
【0128】
▲3▼そして、所定の検査が実施された後(P7→T→P8)、検査済みICは排出シャトル1700により、恒温チャンバ1600外に搬送される(P8→P9)。
▲4▼さらに、検査済ICは、検査結果に応じて、所定の排出部1900に収納される(P9→P10)。
▲5▼なお、低温状態で検査を行った場合には、一旦ホットプレート2000上に搬送して常温に戻し、その後、排出部1900へ搬送する(P9→P11→P10)。
【0129】
以上より、恒温チャンバ1600の中には、実施の形態5に示すトレイ収納装置5が配置され、トレイ収納装置5が、実施の形態1乃至4の何れかに示す段積みトレイの分離・積上げ機構1乃至4の何れかを具備するから、トレイの分離および積上げが円滑に実施される。
また、かかる段積みトレイの分離・積上げ機構は簡素な構造であるため、温度変化に対して損傷・劣化するおそれが少ない。
【0130】
【発明の効果】
以上より、本発明は以下の効果を奏する。
(1)段積みトレイの分離・積上げ機構は簡単な機構であるため、安価に製作することができ、保守が容易である。
(2)それぞれの分離爪の高さが同一に保持されるため、トレイをスムース且つ確実に分離または段積みすることができる。
【0131】
(3)分離爪レバーの拘束解放手段の設置位置を移動するだけで、分離するトレイの枚数を容易に変更することができる。
(4)昇降部の下降の最下点(下降限)の調整、レバー退避用ドグの設置位置の移動、レバー退避用ドグの撤去、ラッチ解放板の設置範囲の延長、またはレバー拘束手段の着脱等により、トレイの分離機構またはトレイの積上げ機構の何れにでも容易に切り替えることができる。
【0132】
(5)トレイ収納装置は簡単な機構であるため、安価に製作することができ、保守が容易であるとともに、トレイをスムース且つ確実に収納することができる。(6)また、段積みトレイを分離するトレイ収納装置を、段積みトレイを積上げるトレイ収納装置に容易に容易に変更することができる。一方、段積みトレイを積上げるトレイ収納装置を段積みトレイを分離するトレイ収納装置に容易に変更することができる。
(7)また、トレイ収納装置内に収納したトレイを循環することができ、さらに、該循環方向を容易に変更することができる。
【0133】
(8)さらに、ICテストハンドラの恒温チャンバにおいて、チャンバ内トレイをスムース且つ確実に搬送することができる。
(9)したがって、載置されたICまたはチャンバ内トレイの損傷、あるいはチャンバ内トレイの搬送トラブルがなくなり、ICテストハンドラにおけるIC検査の精度・信頼性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1に係る段積みトレイの分離・積上げ機構の構成を示す斜視図である。
【図2】 本発明の実施の形態1に係る段積みトレイの分離・積上げ機構におけるトレイを示す斜視図である。
【図3】 本発明の実施の形態1に係る段積みトレイの分離・積上げ機構における分離動作を時系列的に説明する要部の正面図であって、左右対称であるものの右半分を記載する。
【図4】 本発明の実施の形態2に係る段積みトレイの分離・積上げ機構における分離動作を時系列的に説明する要部の正面図であって、左右対称であるものの右半分を記載する。
【図5】 本発明の実施の形態3に係る段積みトレイの分離・積上げ機構における積上げ動作を時系列的に説明する要部の正面図であって、左右対称であるものの右半分を記載する。
【図6】 本発明の実施の形態3に係る段積みトレイの分離・積上げ機構における積上げ動作を時系列的に説明する要部の正面図であって、左右対称であるものの右半分を記載する。
【図7】 本発明の実施の形態3に係る段積みトレイの分離・積上げ機構の構成を示す斜視図である。
【図8】 本発明の実施の形態4に係る段積みトレイの分離・積上げ機構の構成を示す斜視図である。
【図9】 本発明の実施の形態4に係る段積みトレイの分離・積上げ機構における分離動作を時系列的に説明する要部の正面図であって、左右対称であるものの右半分を記載する。
【図10】 本発明の実施の形態5に係るトレイ収納装置の構成を模式的に示す斜視図である。
【図11】 本発明の実施の形態6に係るICテストハンドラの構成を示す概略斜視図である。
【図12】 本発明の実施の形態6に係るICテストハンドラの構成を示す概略透視斜視図である。
【図13】 従来のICハンドラのトレイ分離機構の構成を示す一部透視の概略斜視図である。
【図14】 従来の縦積み部品の分離機構の要部斜視図である。
【符号の説明】
1 段積みトレイの分離・積上げ機構 5 トレイ収納装置
6 ICテストハンドラ 10 トレイ収納枠
20 昇降部 30 分離爪レバー
40 前進用圧縮バネ 50 レバー退避用ドグ
60 レバー拘束ラッチ 70 ラッチ解放板
80 押上用圧縮バネ 90 連結棒

Claims (19)

  1. 複数のトレイを段積みして収納するトレイ収納枠と、該トレイ収納枠に沿って昇降する昇降部と、該昇降部に傾動自在に立設された分離爪レバーと、該分離爪レバーを前記トレイから退避させるレバー退避手段と、前記退避した分離爪レバーの傾動を拘束するレバー拘束手段と、該拘束を解放するレバー拘束解放手段とを有し、
    前記分離爪レバーが前記トレイを支持した状態で、前記昇降部が上昇または下降し、
    前記レバー拘束手段が前記分離爪レバーの傾動を拘束した状態で、前記昇降部が上昇し、
    前記分離爪レバーが前記レバー拘束手段から解放された状態で、前記昇降部が下降すると共に、
    前記レバー退避手段が、前記トレイ収納枠に設けられた下方になる程前記トレイ収納枠から遠ざかる収納枠側斜面と、前記分離爪レバーに設けられたレバー側案内部とにより構成され、
    前記昇降部が下降した際、前記レバー側案内部が前記収納枠側斜面に当接することを特徴とする段積みトレイの分離・積上げ機構。
  2. 複数のトレイを段積みして収納するトレイ収納枠と、該トレイ収納枠に沿って昇降する昇降部と、該昇降部に傾動自在に立設された分離爪レバーと、該分離爪レバーを前記トレイの方向に傾動させるレバー加勢手段と、を有し、
    前記分離爪レバーが前記トレイを支持した状態で、前記昇降部が上昇または下降すると共に、
    前記レバー退避手段が、前記トレイ収納枠に設けられた下方になる程前記トレイ収納枠から遠ざかる収納枠側斜面と、前記分離爪レバーに設けられたレバー側案内部とにより構成され、
    前記昇降部が下降した際、前記レバー側案内部が前記収納枠側斜面に当接することを特徴とする段積みトレイの分離・積上げ機構。
  3. 前記レバー拘束手段が、前記昇降部に回転自在に設置されたラッチと、前記分離爪レバーに設置されたラッチ係止部とにより構成され、
    前記分離爪レバーが前記トレイから退避した際、前記ラッチが前記ラッチ係止部に係止することを特徴とする請求項1または2記載の段積みトレイの分離・積上げ機構。
  4. 前記ラッチ係止部が前記レバー拘束解放手段に当接し、該当接により前記分離爪レバーの前記トレイ収納枠側への傾動が規制されることを特徴とする請求項3記載の段積みトレイの分離・積上げ機構。
  5. 前記昇降部が、前記トレイ収納枠を横断する水平部と、該水平部の両側部にそれぞれ対峙して立設された一対の垂直部とを有し、
    該垂直部より前記トレイ収納枠に近い位置で、前記水平部に前記分離爪レバーが設置され、また前記垂直部に前記ラッチが設置され、
    前記ラッチが、一端部に設けた回転中心と、他端部の近傍に設けた略上方に開いた懐部とを具備し、前記分離爪レバーが前記トレイ収納枠から退避した際、前記ラッチ係止部が前記懐部に係止し、前記昇降部が上昇した際、前記他端部が前記レバー拘束解放手段に当接して下降することを特徴とする請求項3または4記載の段積みトレイの分離・積上げ機構。
  6. 前記レバー拘束手段が、前記分離爪レバーに回転自在に設置されたラッチと、前記昇降部に設置されたラッチ係止部とにより構成され、
    前記分離爪レバーが前記トレイから退避した際、前記ラッチが前記ラッチ係止部に係止することを特徴とする請求項1または2記載の段積みトレイの分離・積上げ機構。
  7. 前記昇降部が、前記トレイ収納枠を横断する水平部と、該水平部の両側部にそれぞれ対峙して立設された一対の垂直部とを有し、該垂直部より前記トレイ収納枠に近い位置で、前記水平部に前記分離爪レバーが設置され、また前記垂直部に前記ラッチ係止部が設置され、
    前記ラッチが、一端部から所定の距離だけ離れた位置に設けた回転中心と、他端部の近傍に設けた略下方に開いた懐部とを具備し、前記分離爪レバーが前記トレイ収納枠から退避した際、前記ラッチ係止部が前記懐部に係止し、前記昇降部が上昇した際、前記一端部が前記レバー拘束解放手段に当接して前記他端部が上昇することを特徴とする請求項6記載の段積みトレイの分離・積上げ機構。
  8. 前記レバー側案内部が前記トレイ収納枠に当接し、該当接により前記分離爪レバーの前記トレイ収納枠側への傾動が規制されることを特徴とする請求項1または2記載の段積みトレイの分離・積上げ機構。
  9. 前記レバー拘束解放手段が、前記トレイ収納枠に設置したラッチ解放板であって、
    前記昇降部が所定位置に上昇した際、前記ラッチが前記ラッチ解放板に当接して回転することを特徴とする請求項1乃至8の何れかに記載の段積みトレイの分離・積上げ機構。
  10. 前記分離爪レバーの上部に前記トレイ収納枠側に突出する分離爪が設置され、前記トレイ収納枠に収納されたトレイを支持する際、該分離爪の上面が水平になることを特徴とする請求項1乃至9の何れかに記載の段積みトレイの分離・積上げ機構。
  11. 前記分離爪レバーの傾動中心が、前記トレイ収納枠に収納されたトレイの側縁よりも、前記トレイ収納枠の中心に近い位置にあることを特徴とする請求項1乃至10の何れかに記載の段積みトレイの分離・積上げ機構。
  12. 前記レバー加勢手段が、前記分離爪レバーと前記垂直部の間に介設した圧縮バネであることを特徴とする請求項7乃至11の何れかに記載の段積みトレイの分離・積上げ機構。
  13. 前記レバー退避手段が着脱自在またはその設置位置が変更自在であることを特徴とする請求項1乃至12の何れかに記載の段積みトレイの分離・積上げ機構であって、
    前記分離爪レバーが前記レバー拘束手段から解放された状態で、前記昇降部が上昇および下降する段積みトレイの分離・積上げ機構。
  14. 前記レバー拘束手段が着脱自在であることを特徴とする請求項1乃至12の何れかに記載の段積みトレイの分離・積上げ機構であって、
    前記レバー拘束手段が撤去された状態で、前記分離爪レバーが前記トレイを支持して前記昇降部が上昇し、さらに、前記昇降部が下降する際、前記分離爪レバーが前記トレイの側縁に当接して前記トレイ収納枠の外側に向けて傾動される段積みトレイの分離・積上げ機構。
  15. 前記トレイ収納枠の上部に設置したトレイ供給手段と、
    前記トレイ収納枠の下部に設置したトレイ排出手段と、
    請求項1乃至12の何れかに記載の段積みトレイの分離・積上げ機構とを有することを特徴とするトレイ収納装置。
  16. 前記トレイ収納枠の下部に設置したトレイ供給手段と、
    前記トレイ収納枠の上部に設置したトレイ排出手段と、
    請求項1乃至14の何れかに記載の段積みトレイの分離・積上げ機構とを有することを特徴とするトレイ収納装置。
  17. 請求項15記載の第一の段積みトレイの分離・積上げ機構と、
    請求項16記載の第二の段積みトレイの分離・積上げ機構と、
    第一の段積みトレイの分離・積上げ機構のトレイ収納枠の下部に収納されたトレイを、第二の段積みトレイの分離・積上げ機構のトレイ収納枠の下部に移送する下部トラバーサと、
    第二の段積みトレイの分離・積上げ機構のトレイ収納枠の上部に収納されたトレイを、第一の段積みトレイの分離・積上げ機構のトレイ収納枠の上部に移送する上部トラバーサとを有することを特徴とするトレイ収納装置。
  18. 前記下部トラバーサまたは前記上部トラバーサが、水平方向に移動自在なラックと、該ラックに噛み合って回転するピニオンと、該ピニオンを回転するピニオン回転手段と、前記ラックに設置されて前記トレイ収納枠内に収納されたトレイに係止する係止用突起とを具備することを特徴とする請求項17記載のトレイ収納装置。
  19. 検査前ICが載置される検査前ICステージと、
    所定の検査を終えた検査済ICが載置される検査済ICステージと、
    検査前ICを所定の温度に維持する恒温チャンバと、
    該恒温チャンバに収容されまたは該恒温チャンバに隣接して、検査前ICに所定の検査を実施する検査ステージと、
    検査前ICを、前記検査前ICステージから前記恒温チャンバに搬送する検査前IC搬送手段と、
    前記恒温チャンバにおいて、検査前ICまたは検査済ICを搬送する恒温チャンバ内IC搬送手段と、
    検査済ICを、前記恒温チャンバから前記検査済ICステージに搬送する検査済IC搬送手段とを有し、
    前記恒温チャンバ内に、請求項15乃至18の何れかに記載のトレイ収納装置が設置されていることを特徴とするICテストハンドラ。
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