JP3882474B2 - 金属板の熱間プレス成形方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属板をプレス成形する方法に関し、特に被加工材である金属板を直接通電加熱により昇温し、600 ℃以上の熱間で成形を行い、その後型内または型の外部において、急速冷却による焼き入れを行い、高強度でかつ形状性の良好な成形品を得る熱間プレス成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、熱間において成形を行い、次いで金型内もしくは金型外で焼き入れを行うことにより、高強度成形品を得る熱間成形、つまりダイクエンチが行われてきた。そのときの予加熱方法は、ハースローラ雰囲気加熱炉または高周波誘導加熱炉等の昇温炉を使用して行われてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、昇温炉により被加工材を加熱する方法では、加熱装置および搬送装置が必要なために装置が大型化して、装置の設置面積が拡大するだけでなく、設備コストも高額となる。
【0004】
熱間加工に際して例えばハースローラ雰囲気加熱炉を使用する場合には、加熱後に炉から金型内部への搬送距離が設備上の制約から長くなるために、加熱した金属板の温度が低下する問題があった。これを改善するために、炉内温度を高くする方法が採られているが、被加工材の温度を高めると材料の降伏点が低下してしまうために、ハンドリングに難を来したり、炉を高温に保つために必要以上の熱量が必要となり、コスト高となるという問題があった。
【0005】
一方、誘導加熱を行うに際して、長方形状のブランクを加熱する場合には、ブランクの端部が優先的に加熱されるために、温度ムラが生じやすく、ブランクの形状に応じた適切な加熱コイルの形状を検討し、製作しなければならない。さらに本質的に、被加工材が鋼板である場合には、温度が鋼板のキュリー点以上となると、加熱効率の低下が生じるために、鋼板の焼き入れに必要となる900 ℃以上の加熱には適していない。さらに装置全体が大きくなることも問題である。
【0006】
ところで、600 ℃以下の温間成形においては、金型を各種ヒータで加熱し、成形時に被加工材を金型で拘束することにより加熱する方法が一般的に用いられている。しかし、本発明で扱う温度域は900 ℃以上にも達する超高温域であるために、ヒータ容量、金型寿命等の観点からそのような加熱手段を用いることはできない。
【0007】
ここに、本発明の目的は、超高強度のプレス成形品を得る場合に、熱間成形により成形性の向上ならびに成形後の寸法精度の向上を実現可能とする被加工材の熱間プレス成形方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために、本発明では被加工材である金属板の加熱方法として、金型内または金型近傍において、加熱する金属板の端部を1以上の電極により挟み込み、これらの電極間に直流もしくは交流の電流を通電することにより、ジュール熱で金属板をこの金属板の焼入れ可能温度まで加熱してから所定の加工温度で成形する加熱プレス成形方法を提案する。
【0009】
すなわち、本発明は次の通りである。
(1)金属板のプレス成形方法であって、金型内で、金属板の両端部に各々一箇所以上の電極を取り付け、該電極の間に電流を印加してジュール熱により金属板を該金属板の焼入れ可能温度まで加熱した後、所定の加工温度でプレス成形を行うこと、および、前記電極が半径20mm以下の先端を有する球状電極であり、少なくとも一組の球状電極を前記金属板の両端部に各々一箇所以上配置することによって、該金属板を加熱することを特徴とする熱間プレス成形方法。
【0010】
(2)金属板のプレス成形方法であって、金型外の型近傍において、金属板の両端部に各々一箇所以上の電極を取り付け、該電極の間に電流を印加してジュール熱により金属板を該金属板の焼入れ可能温度まで加熱し、次いで、該金属板を金型内へ搬送して所定の加工温度でプレス成形を行うこと、および、前記電極が半径20mm以下の先端を有する球状電極であり、少なくとも一組の球状電極を前記金属板の両端部に各々一箇所以上配置することによって、該金属板を加熱することを特徴とする熱間プレス成形方法。
【0011】
(3) 前記電極がクランプ機構を有し、該電極により前記金属板を拘束し、かつ、該金属板の加工温度域での降伏応力の90%以下の張力を該金属板に付与しながら加熱することを特徴とする上記(1) または(2) に記載の熱間プレス成形方法。
【0013】
)前記金属板への電流印加による加熱速度を50℃/sec以上とすることを特徴とする上記(1)ないし()のいずれかに記載の熱間プレス成形方法。
)電流印加による加熱終了後、プレス成形を開始するまでの時間を3秒以下とすることを特徴とする上記(1)ないし()のいずれかに記載の熱間プレス成形方法。
【0014】
)成形品における材料流入が最も大きい位置の流入量をL[mm]とした場合に、成形速度V[mm/sec]>0.08×Lとなるような成形速度でプレス成形することを特徴とする上記(1)ないし()のいずれかに記載の熱間プレス成形方法。
【0015】
)前記金属板の所定の加工温度が600℃以上、かつ同一鋼板の温度偏差が30℃以下であることを特徴とする上記(1)ないし()いずれかに記載の熱間プレス成形方法。
【0016】
本発明によれば、このように、金型内または金型近傍において予熱が可能であり、成形品形状が変化した場合にも電極形状、およびその配置を変更するだけでよく、大がかりな設備更新が必要でないために、本発明にかかる方法は、設備的柔軟性に富む成形方法と言える。金型外で通電加熱を行う場合には、所定の加工温度にまで加熱してから電流印加を停止して型内に搬送してもよく、あるいは電流印加を続けながら型内にまで搬送して型内に至るときに所定の加工温度になるようにしてもよい。ただし、後者の場合には型との接触により電流がショートするおそれがあるので注意を要する。
【0017】
本発明を実施する装置についても、他の加熱方法におけるそれと比較して、設備的にコンパクトであり既存設備への取り付け等も容易である。さらには、搬送距離が短くて済むため金属板の搬送に伴う温度の低下を防ぐことが可能となり、安定した焼き入れ強度を得ることが可能となる。
【0018】
さらには、本発明における加熱方法では、被加工材の加熱時のみ、つまり間欠的に通電すれば良いために、他の加熱方法と比較して電力コストが安価に済む。被加工材の両端部を拘束して加熱する場合には、熱膨張により中央部が垂れ下がり、金型に接触してスパークを生じるといった問題があるが、本発明の好適態様においては加熱用電極にクランプ機構をもたせ、例えば上下方向よりあるいは左右方向より被加工材を拘束した後、加熱温度での被加工材の降伏応力の90%以下の張力を付与しながら加熱することにより、中央部のたわみを防止することが可能である。
【0019】
熱間プレス成形では、必ずしもブランク材の全面を加熱する必要がないが、コスト合理化のためにブランクの歩留まりを向上させる場合やフランジ部で大きく材料流入するような成形品形状の場合には、ブランク全面を加熱しなければ、金属板内に発生した強度差によりプレス成形時に破断が生じたり、温度の低い部分は金属板が軟化していないために金型を損傷させたり、所定温度に到達しなかった部分には焼入れ硬度ムラが発生する可能性がある。この場合には、圧延などで用いられるようなロール等の電極を用いると、ロールとの接触線長が長くなるために電極への抜熱が大きく、またロールとロールとの間の領域以外の領域が加熱されにくい特性があるため、不都合な場合がある。
【0020】
しかし、本発明の好適態様では電極形状を工夫することによって、抜熱による温度低下と加熱ムラの低減を図ることができる。
被加工材が金属板、特に鋼板の加熱成形では、長時間高温状態で大気に晒されると、表面にスケール皮膜が生成する。このスケール皮膜は、外観上問題となるだけでなく、後工程での化成処理においても問題が生じる。従って、大気に晒される時間は短い方が良いが、本発明の方法の場合には高速加熱が可能であるために、スケール生成が制御可能である。
【0021】
熱間成形の場合には、昇温速度は50℃/sec以上が好ましい。昇温速度が50℃/sec未満の場合には、被加工材表面に生成するスケールが厚く、量産時のタクトタイムから考える実用上のショットブラスト処理時間では、その後の化成処理において良好な化成皮膜が生成しない。
【0022】
また、被加工材の加熱時のみ間欠的に通電すれば良いために、他の加熱方法と比較して電気コストが安価に済む。
熱間成形は、成形時に高温に加熱された被加工材と冷間の金型が金属接触することにより、被加工材の温度が急速に低下し、焼き入れによる成形品の高強度化が図れる方法であるが、このとき被加工材の焼き入れ可能冷却速度に対して、成形速度が遅い場合には被加工材が型内でダイフェース上を通過中に焼き入れが終了し、その部分がダイス肩を通過することによって成形後の形状性の不良が生じたり、破断 (われ) が発生したりする。このとき成形速度は、成形品の最大流入長さや被加工材の焼き入れ可能冷却速度などを考慮したある速度以上を保つ必要があることを実験的に確認した。
【0023】
かくして本発明によればプレス成形を行うだけで、その材料の最大の焼入れ硬度を実現でき、成形後の複雑な形状の製品の熱処理を不用とできるなどその実用上の意義は大きい。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の態様を図示例とともに説明する。
図1は、本発明の熱間成形の加熱、成形装置の概略説明図であり、図1(a) は成形前の加熱のときの、図1(b) は加熱後の成形のときの様子をそれぞれ示す。
【0025】
本発明にかかる加熱・成形装置は、図1に例示する通り、パンチ1、ダイス2、板押さえ3、加熱電極4、4'、クッションピン6、カウンタパンチ7、および温度センサ8により構成される。
【0026】
図示例は、単動プレス機によるプレス成形の模式図であるが、複動プレスであっても同様に本機構は実現可能である。
図2 (a)、(b) にそれぞれ示すように、本発明により成形される製品は、角筒絞りのような閉じた形状の製品10であってもよいし、またハット絞り成形のような両端部が開口した形状の製品12であってもよい。図2(b) に示すハット型成形の場合には、金型との接触距離が大きくなる絞り成形が、冷却速度確保の観点から望ましい。
【0027】
図3は、成形素材である被加工材5の加熱方法を示す略式説明図であり、被加工材5の両端部16を適宜通電用電極4 、4'で挟持し、図中、白抜き矢印の方向に張力Fを与えながら、通電加熱するのである。
【0028】
ここで、図1を参照して本発明による成形方法を説明すると、まず、図1(a) に示すように、金型外で被加工材5を加熱電極4 、4'により構成されるクランプで被加工材5の端部16を拘束した状態で型内に搬送する。
【0029】
次いで、図1(b) に示すように、型内部で電極4 、4'間に通電することによって加熱する。所定の温度まで到達すれば、クランプを外し電極4、4' を型外へと逃がし、被加工材5を型上へと落下させる。その後、通常のプレス成形を行う。
【0030】
実際には、成形速度をV[mm/sec]、成形品における材料流入が最も大きい位置の流入量をL[mm] とすると、V>0.08×L を満足する値とする。これ以下の場合には、材料がフランジ内を摺動しているときに焼き入れが終了することがあるために、その後のダイス肩通過に伴い、破断もしくは形状性不良が生じることがある。
【0031】
このようにしてプレス加工を行い、プレス成形後、適当時間下死点において型内保持することによって焼き入れを行う。この際、プレス型は通常の高強度鋼板の成形用のもので良い。
【0032】
このときの加熱用電極の材質は、被加工材が加熱されることから耐熱特性が求められる。加熱効率を高め、かつ電極が発熱して被加工材へ溶着することによる電極損傷を防止するためには電気抵抗が小さい方が良い。総合的に判断すると、銅合金またはFC材が好ましい。
【0033】
また、被加工材を均一に加熱するために、電極形状は、先端部を半径20mm以下の球状をなす球状電極とし、上下一対の球状電極を加熱する金属板の両端に各々一箇所以上配置することが望ましい。このような電極配置とすることによって、電極周りの通電において抵抗が大きくなるために局部的に加熱され、電極間の外側も加熱が生じ、被加工材全面の温度ムラが抑制される。このとき、電極の先端径が20mmより大きいと局部加熱の効果が現出しない上に、電極への抜熱により、温度偏差がむしろ大きくなるために良くない。
【0034】
このとき被加工材の温度偏差は、30℃以下、好ましくは20℃以下とするのが良い。これより大きい場合には、焼き入れ硬度が不足したり、成形後の形状性が不良となる。
【0035】
また、被加工材の中央部の垂れ下がりを防止するために、電極間には適切な張力を付与することが望ましい。このときの張力は、被加工材が張力により塑性変形を生じないように、所定の成形開始温度における被加工材の降伏応力の90%程度としておくことが好ましい。
【0036】
熱間成形の場合、スケール生成を抑制する観点より、加熱速度は50℃/secとすることが望ましい。これよりも遅い場合には、スケール厚が大きくなるために、ショットブラストや酸洗などでの除去工程において、問題を生じる。ただし、一般的には、酸洗による除去は水素脆化などの問題を引き起こすために使用しないほうが望ましい。
【0037】
次に、実施例によって、本発明の作用効果をさらに具体的に説明する。
【0038】
【実施例】
実施例1
本例では、図1に示すプレス装置を使ってハット絞り成形を行った。ハット絞りのパンチ肩半径、ダイス肩半径はそれぞれ10mmとした。また成形深さは50mmとした。この時、最大流入量はおよそ50mmとなる。なお、潤滑には、グラファイト系潤滑剤を使用した。被加工材には、300mm ×80mm×1.2tの440 MPa 級の冷延鋼板を用いた。
【0039】
試験は、次の手順により行った。
まず金型内で鋼板をクランプする。このとき、先端が電極により構成されるクランプ機構は、ロボットアームにより金型外から支持されている。この後、電極間に通電を開始し、所定の加工温度に到達すると、クランプを外し鋼板を金型上に落としこみ、クランプは型外へと逃がす。この直後にプレス成形を行い、鋼板を焼き入れ性に応じた時間、下死点保持を行う。
【0040】
本試験においては保持時間を30秒とした。このとき、加熱中の材料の垂れ下がりを防止するために、クランプによる張力は40MPa とした。この値は、所定の加工温度、つまり加熱目標温度950 ℃での被加工材の降伏応力の約80%に相当する。
【0041】
図4(a) は、本例において用いた電極形状、配置の説明図であり、電極40の先端部はR20(mm)以下の球状をなしており、被加工材5の両端に対称に対になって配置され、かつ被加工材5を挟んで上下にも設けられている。図4(b) はこのときの被加工材の幅方向における加熱温度を示すグラフである。この場合は、950 ℃を加熱目標温度とした。
【0042】
図示のように、本発明では被加工材全面に均一な温度が得られており、温度偏差は30℃以下に抑制されている。
また、比較例として均熱炉による予加熱方法も検討した。昇温炉から金型までの距離は2mであり、本実験においては、炉の取り出しから型内までの搬送を人の手により行った。
【0043】
このとき、本発明によれば、所定の位置にて加熱し、型内へと落下させるときに、ブランク材の位置決めが容易である。昇温炉による予加熱の場合には、材料が大きく軟化した状態で搬送しなければならず、金型上の位置決めにも労を要する。
【0044】
ここで、加熱終了から、プレス開始までの時間をハンドリング時間とした。本発明例においては、加熱を終了した後クランプを外し、型に被加工材を落下させ、クランプが退避するまでのハンドリング時間は、最短で1.5secであった。この時、ハンドリング時間の影響を見るために加熱終了後クランプを外す時間を変更して5秒までハンドリング時間を調整して試験を行った。それに対し、昇温炉から型内へと搬送する場合には、炉出しからプレス開始までに5sec を要した。
【0045】
このとき、評価として、形状性はハット部材の側壁裾部の幅を測定し、正規形状と比較して誤差が0.5mm 以下である場合に良とした。硬度は、下死点保持における金型焼き入れ時に金型との接触量 (面圧) が小さい側壁部の断面硬度を測定し、被加工材の焼き入れ最高到達硬度の90%以上であれば良とした。
【0046】
スケールに関しては、ショットブラストにより行い、研磨材にはアルミナの#100番を使用し、ブラスト圧力は4kg/cm2 とした。このとき、一定時間ブラスト処理を行い、その後、化成処理を行って、良好な化成結晶が得られた場合を良とした。
【0047】
結果を表1に示す。
従来例として昇温炉にて加熱する場合と比較すると、本発明例ではハンドリング時間1.5secにて成形が開始できるのに対し、従来例では5sec と長くなっており、その際に付着したスケール厚さが大きいためにその後の化成処理に問題を来した。また今回の場合では搬送中にAr3 点を下回った後、金型冷却により焼き入れを開始するために、十分な焼き入れ組織が得られず、所定の硬度が得られなかった。また、本発明例においてハンドリング時間の影響を見ると、3秒以下の場合には良好な成形品が得られているが、3秒より大きくなると硬度およびスケール生成に問題を生じた。
【0048】
次に、図5に成形速度の影響を見ると、本試験条件である成形高さ50mmの場合に、成形速度を1〜10mm/sec まで変更すると、成形速度が4mm/sec以上においては形状性が良好であったが、それよりも遅くなると形状性が劣化した。この形状の劣化は材料がダイフェースを通過中に硬度が上昇することに起因する。そこでダイフェース通過時間を決める材料流入量と成形速度により、形状が良好となる条件が求まると考え、成形高さを変更した通過試験を実施した。その結果、図5に示されるように成形速度Vは、(0.08 ×成形高さLmm) より大きいことが必要であることを実験的に知見した。
【0049】
図6は、本例における加熱目標温度を950 ℃としたときの、スケール厚さと昇温速度との相関を示すグラフである。図示結果からも分かるように、昇温速度50℃/sec以上とすることでスケール厚さを薄くすることができる。
【0050】
【表1】
Figure 0003882474
本例は型内での加熱の例を実施例として示したが、型外の加熱によっても、型内への搬送を必要とするだけで、上述と同様にして行うことができる。この場合には周辺機器、型との接触による電流のショートの問題がなければ、型内への搬送時にも通電加熱を行うことができる。
【0051】
【発明の効果】
以上のように、本発明では熱間成形の被加工材の加熱方法として、金型内もしくは金型外で直接通電熱間を行うことにより、高速昇温の特徴を生かして、加工時間の短縮、電力コストの低減、表面スケールの抑制が実現できる。
【0052】
これらの総合的作用効果として、高強度金属板の成形性の向上、かつプレス成形後の寸法精度の向上が可能となるために、例えば、自動車部品への高強度鋼板の適用が可能となり、ひいては自動車の安全性向上、車体軽量化効果による燃費低減に貢献できる。
【0053】
なお、本装置は昇温装置自体がコンパクトに済むために、装置自体が比較的安価であること、設置面積が小さくて済むことも特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる熱間プレス成形を行う装置の縦断面図であり、図1(a) は成形前、図1(b) は成形時の様子をそれぞれ示す。
【図2】図2(a) 、(b) は、それぞれ成形品形状の模式図である。
【図3】本発明における通電加熱方法の説明図である。
【図4】図4(a) は実施例における電極形状を、図4(b) は温度の均一性をそれぞれ示す図である。
【図5】実施例における成形性と成形速度との関連を示すグラフである。
【図6】実施例における加熱速度とスケール厚の相関を示すグラフである。
【符号の説明】
1:パンチ 2:ダイス
3:板押さえ 4、4':加熱電極
5:被加工材 6:クッションピン
7:カウンタパンチ 8:温度センサ

Claims (7)

  1. 金属板のプレス成形方法であって、金型内で、金属板の両端部に各々一箇所以上の電極を取り付け、該電極の間に電流を印加してジュール熱により金属板を該金属板の焼入れ可能温度まで加熱した後、所定の加工温度でプレス成形を行うこと、および、前記電極が半径20mm以下の先端を有する球状電極であり、少なくとも一組の球状電極を前記金属板の両端部に各々一箇所以上配置することによって、該金属板を加熱することを特徴とする熱間プレス成形方法。
  2. 金属板のプレス成形方法であって、金型外の型近傍において、金属板の両端部に各々一箇所以上の電極を取り付け、該電極の間に電流を印加してジュール熱により金属板を該金属板の焼入れ可能温度まで加熱し、次いで、該金属板を金型内へ搬送して所定の加工温度でプレス成形を行うこと、および、前記電極が半径20mm以下の先端を有する球状電極であり、少なくとも一組の球状電極を前記金属板の両端部に各々一箇所以上配置することによって、該金属板を加熱することを特徴とする熱間プレス成形方法。
  3. 前記電極がクランプ機構を有し、該電極により前記金属板を拘束し、かつ、該金属板の加工温度域での降伏応力の90%以下の張力を該金属板に付与しながら加熱することを特徴とする請求項1または2に記載の熱間プレス成形方法。
  4. 前記金属板への電流印加による加熱速度を50℃/sec以上とすることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の熱間プレス成形方法。
  5. 電流印加による加熱終了後、プレス成形を開始するまでの時間を3秒以下とすることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の熱間プレス成形方法。
  6. 成形品における材料流入が最も大きい位置の流入量をL[mm]とした場合に、成形速度V[mm/sec]>0.08×Lとなるような成形速度でプレス成形することを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の熱間プレス成形方法。
  7. 前記金属板の所定の加工温度が600℃以上、かつ同一鋼板の温度偏差が30℃以下であることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の熱間プレス成形方法。
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