JP3881897B2 - 玩具システム及びそのコントローラ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ユーザの操作に基づいて模型機器の駆動装置を制御する玩具システム、好適には、一対の駆動装置により模型機器の左右に個別に駆動力を発生させる玩具システム、及びその玩具システムに使用されるコントローラに関する。
【0002】
【従来の技術】
左右の駆動輪に対して個別にモータを設け、操舵部の操作量に応じてモータに速度差を生じさせることにより、進行方向を変化させる自動車模型が知られている(例えば特開平5−103877号公報、及び特開平6−47173号公報参照)。こうした模型機器は、機械的な操舵機構を設ける必要がないので部品点数を減らすことができ、小型化とコストダウンとを図る上で有利である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
一般の自動車模型では、走行用の駆動装置と操舵用の駆動装置とが個別に設けられており、走行用の駆動装置は減速機構を介して駆動輪を駆動し、操舵用の駆動装置は機械式の操舵機構を介して操舵輪を操作する。このように、模型の駆動力を発生する部分と、旋回力を発生させる部分とが独立した模型では、減速機構のギアを交換したり、操舵機構を構成する部品を交換する等の手段により、ユーザが、模型の速度又はその速度の変化に関する特性と、旋回に関する特性とを明確に区別して、両者を比較的容易に調整することができる。
【0004】
ところが、一対の駆動装置の速度差を利用して旋回動作を実現する模型機器においては、一対の駆動装置が模型の駆動力と旋回力との双方に直接関与するため機械的な調整や部品交換によっては、速度に関する特性と旋回に関する特性とを区別して調整することが難しい。
【0005】
そこで、本発明は、模型機器の速度に関する特性と、旋回特性とをユーザが比較的簡単に調整でき、さらに好ましくは模型機器の制動又は減速特性をもユーザが簡単に調整でき、しかも、それらの調整のために格別の機械的部品を必要としない玩具システム、及びそのコントローラを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
以下、本発明の玩具システム、及びそのコントローラについて説明する。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【0007】
本発明の玩具システムは、模型機器(2)の左右に個別に駆動力を発生させる一対の駆動装置(8L,8R)をユーザの操作に基づいて制御する玩具システムにおいて、前記模型機器の速度を指定する速度操作手段(15)と、前記模型機器の進行方向を指定する操舵操作手段(16)とを備え、各操作手段の操作状態に対応した情報を出力する操縦操作部(14)と、ユーザの設定操作を受け付け、その操作状態に対応した情報を出力する設定操作部(19)と、前記設定操作部を利用して前記模型機器の最高速度、加速特性及び旋回特性を個別に設定する機会をユーザに提供し、当該機会に前記設定操作部から出力される情報に基づいて、前記最高速度、加速特性及び旋回特性をそれぞれ指定するパラメータを設定する設定制御手段(30c)と、前記速度操作手段の操作状態と前記駆動装置に設定すべき駆動速度との対応関係を、前記最高速度を指定するパラメータ及び前記加速特性を指定するパラメータとそれぞれ関連付けて複数種類規定した速度設定データ(D1)、及び、前記操舵操作手段の操作状態と前記一対の駆動装置の間に設定すべき減速比との対応関係を、前記旋回特性を指定するパラメータと関連付けて複数種類規定した減速比設定データ(D2)をそれぞれ記憶する記憶部(32)と、前記操縦操作部から出力される情報と、前記設定制御手段による各パラメータの設定値と、前記記憶部が記憶する前記速度設定データ及び前記減速比設定データとを参照して、前記一対の駆動装置のそれぞれの駆動速度を決定する速度決定手段(30a)と、決定された速度に対応する速度情報を生成する速度情報生成手段(30b)と、生成された速度情報に対応した駆動指令を各駆動装置に出力する駆動制御手段(40)と、を備えることにより、上述した課題を解決する。
【0008】
本発明の玩具システムによれば、ユーザは模型機器の最高速度、加速特性、及び旋回特性に関する設定操作を個別に行うことができる。これらの設定操作に対応して、最高速度、加速特性及び旋回特性をそれぞれ指定するパラメータが設定される。一方、記憶部に記憶された速度設定データは、速度操作手段の操作状態と前記駆動装置に設定すべき駆動速度との対応関係を、前記最高速度を指定するパラメータ及び前記加速特性を指定するパラメータとそれぞれ関連付けて複数種類規定しているので、各パラメータの設定値に応じて、速度操作手段の操作状態と駆動速度との対応関係を変化させることができる。これにより、ユーザは、最高速度及び加速特性についての設定操作を、速度操作手段が操作されたときに模型機器に発生する速度の変化についての調整に関わるものとして明確に認識することができる。しかも、最高速度と加速性能とを分けて設定させるようにしたので、設定操作における操作の内容と、設定結果に応じて出現する最高速度や加速特性との対応関係が判り易い。
【0009】
また、記憶部に記憶された減速比設定データは、操舵操作手段の操作状態と前記駆動装置間に設定すべき減速比との対応関係を、前記旋回特性を指定するパラメータと関連付けて複数種類規定している。従って、旋回特性のパラメータを介して、操舵操作手段の操作と、旋回特性についての設定操作とが相互に関連付けられる。このため、ユーザは、旋回特性についての設定操作を、操舵操作手段が操作されたときの模型機器の曲がり方の調整に関わるものとして明確に認識することができる。
【0010】
このように、本発明では、最高速度及び加速特性についてのユーザの設定操作が、速度操作手段を操作したときに模型機器に発生する速度の変化に関連付けられ、旋回特性についてのユーザの設定操作が、模型機器の曲がり易さの変化に関連付けられるので、模型機器の動作に関する調整作業とその効果との関係が明確化され、ユーザが所望の調整結果を比較的容易に手に入れることができる。
【0011】
本発明の玩具システムにおいて、前記速度決定手段は、前記操縦操作部から出力される情報に基づいて特定される前記速度操作手段の操作状態と、前記最高速度及び前記加速特性をそれぞれ指定するパラメータの設定値と、前記速度設定データとを参照して前記駆動装置の駆動速度を特定し、その特定した値に基づいていずれか一方の駆動装置の駆動速度を決定するとともに、前記操縦操作部から出力される情報に基づいて特定される前記操舵操作手段の操作状態と、前記旋回特性を指定するパラメータの設定値と、前記減速比データとを参照して、前記駆動装置の間に設定すべき減速比を特定し、その特定した減速比と前記一方の駆動装置の駆動速度とから他方の駆動装置の駆動速度を決定してもよい。
【0012】
さらに、前記減速比設定データは、前記操舵操作手段の操作状態と前記駆動装置間に設定すべき減速比との対応関係を、前記最高速度を指定するパラメータとさらに関連付けて複数種類規定し、前記速度決定手段は、前記操舵操作手段の操作状態と、前記最高速度及び前記旋回特性をそれぞれ指定するパラメータの設定値と、前記減速比データとを参照して、前記駆動装置の間に発生させるべき減速比を特定してもよい。この場合には、最高速度の高低を減速比に反映させることができるので、例えば速度が高いときには駆動装置間の速度差が相対的に小さくなるように最高速度と減速比とを関連付け、それにより、高速度域における急激な旋回力の立ち上がりに伴う模型機器の不安定な挙動(例えばスピンや横転)を抑えることができる。
【0013】
前記速度設定データは、前記速度操作手段が最高速度を指定する位置に操作されたときに前記駆動装置に設定すべき駆動速度が、前記最高速度を指定するパラメータに応じて変化し、かつ、前記速度操作手段が速度0を指定する中立位置から前記最高速度を指定する位置まで操作される間の前記駆動速度の変化が前記加速特性を指定するパラメータに応じて変化するように構成されてもよい。
【0014】
この場合には、速度設定データを参照することにより、最高速度の設定操作に応じて駆動装置の駆動速度の最大値を増減させることができるとともに、その駆動装置の速度が速度操作手段の操作に伴って変化する態様を、加速性能の設定操作によって様々に変化させることができる。
【0015】
前記減速比設定データは、前記操舵操作手段が最小旋回半径を指定する位置に操作されたときに前記一対の駆動装置間に設定する減速比が前記旋回特性を指定するパラメータに応じて変化し、かつ、前記模型機器の直進状態を指定する前記操舵操作手段の中立位置からの当該操舵操作手段の操作量の増加に伴って前記一対の駆動装置間の設定する減速比が漸次拡大するように構成されてもよい。これにより、操舵操作手段の操作量が中立位置から増加する程により小さく曲がろうとする旋回特性を模型機器に持たせることができ、かつ、その旋回特性に関する設定操作により操舵操作手段を一定量操作したときに発生する旋回半径を変化させることができる。
【0016】
さらに、本発明の玩具システムにおいて、前記速度設定データは、前記速度操作手段が最高速度を指定する位置に操作されたときに前記駆動装置に設定すべき駆動速度が前記最高速度を指定するパラメータに応じて変化し、かつ、前記速度操作手段が速度0を指定する中立位置から前記最高速度を指定する位置まで操作される間の前記駆動速度の変化特性が、前記加速特性を指定するパラメータに応じて変化するように構成され、前記減速比設定データは、前記操舵操作手段が最小旋回半径を指定する位置に操作されたときに前記一対の駆動装置間に発生する減速比が前記旋回特性を指定するパラメータに応じて変化し、かつ前記模型機器の直進状態を指定する前記操舵操作手段の中立位置からの当該操舵操作手段の操作量が増加するに従って前記一対の駆動装置間の減速比が漸次拡大するように構成されるとともに、前記最高速度を指定するパラメータが高速側に設定されたときには低速側に設定されたときよりも前記一対の駆動装置間に発生する減速比が相対的に小さくなるように、前記最高速度を指定するパラメータと関連付けて前記操舵操作手段の操作状態と前記駆動装置の間に設定する減速比との対応関係を規定していてもよい。
【0017】
この場合には、最高速度が高く設定されると、駆動装置間の速度差が相対的に小さくなるように最高速度の設定に連動して旋回特性を変化させることができる。これにより、高速度域における急激な旋回力の立ち上がりに伴う模型機器の不安定な挙動(例えばスピンや横転)の発生を抑えることができる。
【0018】
本発明の玩具システムにおいて、前記設定制御手段は、前記設定操作部を利用して前記模型機器の制動特性を設定する機会をユーザに提供し、当該機会に前記設定操作部から出力される情報に基づいて、前記制動特性を指定するパラメータを設定可能であり、前記記憶部は、前記制動特性を指定するパラメータと待機時間との対応関係を規定した制動特性データ(D3)をさらに記憶し、前記速度決定手段は、所定の周期(T)で前記速度操作手段の操作状態を繰り返し取得し、各周期で取得した速度操作手段の操作状態と、前記最高速度及び前記加速特性をそれぞれ指定するパラメータの設定値とに対応した駆動速度を各回の指示速度として前記速度設定データに基づいて特定するとともに、各回で特定された指示速度を、その時点で前記駆動装置に対して出力されている速度情報に対応した駆動速度と比較し、前記指示速度が前記速度情報に対応した駆動速度よりも低い間は、前記制動特性を指定するパラメータの設定値と前記制動特性データとを参照して決定された待機時間が経過する毎に、前記速度情報に対応した駆動速度から所定量だけ低い速度を前記一方の駆動装置の駆動速度として決定してもよい。
【0019】
この場合には、速度操作手段を中立位置側に操作して模型機器の減速を指示したときに、その時点で駆動装置に出力されている駆動速度よりも指示速度が小さくなるために、待機時間を挟んで段階的に減速が実行される。この待機時間の長短により駆動装置の駆動速度の減少度が変化する。従って、格別の制動機構が設けられていない場合でも、ユーザには模型機器の制動特性を調整している感覚を与えることができる。
【0020】
前記記憶部は、前記一対の駆動装置に発生させるべき特定の動作(図11)を規定した動作設定データをさらに記憶し、前記速度決定手段は、所定の条件が満たされている場合、前記動作設定データに規定された特定の動作が前記駆動装置に付加されるように、前記決定した駆動速度を前記動作設定データに基づいて修正して前記速度情報生成手段に提供してもよい。
【0021】
この場合には、ユーザによる速度操作手段又は操舵操作手段の操作に基づかない、特定の動作を模型機器において出現させることができる。これにより、模型機器の制御に関する意外性が高まり、模型機器の興趣が増す。例えば、操縦操作部が操作されていないことを条件として特定の動作を出現させることができる。
【0022】
前記模型機器から独立したコントローラ(1)を具備し、前記コントローラに、前記操縦操作部、前記設定操作部、前記記憶部、前記設定制御手段、前記速度決定手段、及び前記速度情報生成手段が設けられるとともに、当該コントローラには前記速度情報生成手段が生成する速度情報を前記模型機器に対して送信する無線通信装置(35)が設けられ、前記模型機器には、前記駆動制御手段及び前記駆動装置とともに、前記コントローラから送信される前記速度情報を受信する無線通信装置(41)が設けられ、前記駆動制御手段は、前記無線通信装置が受信した前記速度情報に基づく駆動指令を生成して前記駆動装置に出力してもよい。
【0023】
この場合には、コントローラの側でパラメータや各種のデータに応じて駆動速度が決定されるので、模型機器の側では与えられた速度情報に従って駆動装置を駆動するだけでよい。従って、模型機器の構成を簡素化することができ、模型機器の小型化、軽量化に有利である。模型機器がバッテリにて動作する場合には、制御系の構成の簡素化により消費電力を削減してバッテリを長時間使用できるようになる。
【0024】
本発明のコントローラは、模型機器(2)の左右に個別に駆動力を発生させる一対の駆動装置(8L,8R)を遠隔操作するためのコントローラ(1)であって、前記模型機器の速度を指定する速度操作手段(15)と、前記模型機器の進行方向を指定する操舵操作手段(16)とを備え、各操作手段の操作状態に対応した情報を出力する操縦操作部(14)と、ユーザの設定操作を受け付け、その操作状態に対応した情報を出力する設定操作部(19)と、前記設定操作部を利用して前記模型機器の最高速度、加速特性及び旋回特性を個別に設定する機会をユーザに提供し、当該機会に前記設定操作部から出力される情報に基づいて、前記最高速度、加速特性及び旋回特性をそれぞれ指定するパラメータを設定する設定制御手段(30c)と、前記速度操作手段の操作状態と前記駆動装置に設定すべき駆動速度との対応関係を、前記速度特性を指定するパラメータ及び前記加速特性を指定するパラメータとそれぞれ関連付けて複数種類規定した速度設定データ(D1)、及び、前記操舵操作手段の操作状態と前記一対の駆動装置の間に設定すべき減速比との対応関係を、前記旋回特性を指定するパラメータと関連付けて複数種類規定した減速比設定データ(D2)をそれぞれ記憶する記憶部(32)と、前記操縦操作部から出力される情報と、前記設定制御手段による各パラメータの設定値と、前記記憶部が記憶する前記速度設定データ及び前記減速比設定データとを参照して、前記一対の駆動装置のそれぞれの駆動速度を決定する速度決定手段(30a)と、決定された速度に対応する速度情報を生成する速度情報生成手段(30b)と、生成された速度情報を模型機器の無線通信装置(41)に対して送信する無線通信装置(35)と、を備えたことを特徴とするものである。
【0025】
このコントローラによれば、本発明の玩具システムを遠隔操作玩具システムとして構成することができる。
【0026】
本発明のコントローラにおいて、前記速度決定手段は、前記操縦操作部から出力される情報に基づいて特定される前記速度操作手段の操作状態と、前記最高速度及び前記加速特性をそれぞれ指定するパラメータの設定値と、前記速度設定データとを参照して前記駆動装置の駆動速度を特定し、その特定した値に基づいていずれか一方の駆動装置の駆動速度を決定するとともに、前記操縦操作部から出力される情報に基づいて特定される前記操舵操作手段の操作状態と、前記旋回特性を指定するパラメータの設定値と、前記減速比データとを参照して、前記駆動装置の間に設定すべき減速比を特定し、その特定した減速比と前記一方の駆動装置の駆動速度とから他方の駆動装置の駆動速度を決定してもよい。
【0027】
その他にも、上述した本発明の玩具システムにおける各種の特徴を本発明のコントローラが備えるようにしてもよい。
【0028】
さらに、本発明の他の玩具システムは、模型機器(2)の移動用の駆動装置(8L,8R)をユーザの操作に基づいて制御する玩具システムにおいて、前記模型機器の速度を指定する速度操作手段(15)を備え、該速度操作手段の操作状態に対応した情報を出力する操縦操作部(14)と、ユーザの設定操作を受け付け、その操作状態に対応した情報を出力する設定操作部(19)と、前記設定操作部を利用して前記模型機器の制動特性を設定する機会をユーザに提供し、当該機会に前記設定操作部から出力される情報に基づいて、前記制動特性を指定するパラメータを設定する設定制御手段(30c)と、前記速度操作手段の操作状態と前記駆動装置に設定すべき駆動速度との対応関係を規定した速度設定データ(D1)、及び前記制動特性を指定するパラメータと待機時間との対応関係を規定した制動特性データ(D3)をそれぞれ記憶する記憶部(32)と、前記操縦操作部から出力される情報と、前記速度設定データとを参照して、前記駆動装置の駆動速度を決定する速度決定手段(30a)と、決定された速度に対応する速度情報を生成する速度情報生成手段(30b)と、生成された速度情報に対応した駆動指令を前記駆動装置に出力する駆動制御手段(40)と、を備え、前記速度決定手段は、所定の周期で前記速度操作手段の操作状態を繰り返し取得し、各周期で取得した速度操作手段の操作状態に対応する駆動速度を各回の指示速度として前記速度設定データに基づいて特定するとともに、各回で特定された指示速度を、その時点で前記駆動装置に対して出力されている速度情報に対応した駆動速度と比較し、前記指示速度が前記速度情報に対応した駆動速度よりも低い間は、前記制動特性を指定するパラメータの設定値と前記制動特性データとを参照して決定された待機時間が経過する毎に、前記速度情報に対応した駆動速度から所定量だけ低い速度を前記駆動装置の駆動速度として決定する、ことを特徴とするものでもよい。
【0029】
この場合にも、速度操作手段を中立位置側に操作して模型機器の減速を指示したときに、その時点で駆動装置に出力されている駆動速度よりも指示速度が小さくなって、待機時間を挟んで段階的に減速が実行される。この待機時間の長短により駆動装置の駆動速度の減少度が変化する。従って、格別の制動機構が設けられていない場合でも、ユーザには模型機器の制動特性を調整している感覚を与えることができる。
【0030】
そして、当該玩具システムに適した本発明の他のコントローラは、模型機器(2)に駆動力を発生させる駆動装置(8L,8R)を遠隔操作するためのコントローラであって、前記模型機器の速度を指定する速度操作手段(15)を備え、該速度操作手段の操作状態に対応した情報を出力する操縦操作部(14)と、ユーザの設定操作を受け付け、その操作状態に対応した情報を出力する設定操作部(19)と、前記設定操作部を利用して前記模型機器の制動特性を設定する機会をユーザに提供し、当該機会に前記設定操作部から出力される情報に基づいて、前記制動特性を指定するパラメータを設定する設定制御手段(30c)と、前記速度操作手段の操作状態と前記駆動装置に設定すべき駆動速度との対応関係を規定した速度設定データ(D1)、及び前記制動特性を指定するパラメータと待機時間との対応関係を規定した制動特性データ(D3)をそれぞれ記憶する記憶部(32)と、前記操縦操作部から出力される情報と、前記速度設定データとを参照して、前記一対の駆動装置のそれぞれの駆動速度を決定する速度決定手段(30a)と、決定された速度に対応する速度情報を生成する速度情報生成手段(30c)と、生成された速度情報を送信する無線通信装置(35)と、を備え、前記速度決定手段は、所定の周期で前記速度操作手段の操作状態を繰り返し取得し、各周期で取得した速度操作手段の操作状態に対応した駆動速度を各回の指示速度として前記速度設定データに基づいて特定するとともに、各回で特定された指示速度を、その時点で前記駆動装置に対して出力されている速度情報に対応した駆動速度と比較し、前記指示速度が前記速度情報に対応した駆動速度よりも低い間は、前記制動特性を指定するパラメータの設定値と前記制動特性データとを参照して決定された待機時間が経過する毎に、前記速度情報に対応した駆動速度から所定量だけ低い速度を前記駆動装置の駆動速度として決定する、ことを特徴とするものである。
【0031】
このコントローラによれば、速度操作手段を中立位置側に操作して模型機器の減速を指示したときに、その時点で駆動装置に出力されている駆動速度よりも指示速度が小さくなって、待機時間を挟んで段階的に減速が実行される。この待機時間の長短により駆動装置の駆動速度の減少度が変化する。従って、格別の制動機構が設けられていない場合でも、ユーザには模型機器の制動特性を調整している感覚を与えることができる。
【0032】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の一実施形態に係る玩具システムに使用されるコントローラ1を示している。また、図2はそのコントローラ1によって遠隔操作される自動車模型2を示している。本実施形態では、これらのコントローラ1及び自動車模型2によって玩具システムが構成される。
【0033】
図1(a)に示すように、コントローラ1は、本体部11と、グリップ部12と、台座部13とを備えている。本体部11には、自動車模型2の遠隔操作に使用する操縦操作部14が設けられている。操縦操作部14は、スロットル操作部15と、円盤状の操舵操作部16とを備える。スロットル操作部15は、本体部11の内部に設けられた不図示の支点を中心として前後方向(図に矢印Yで示す方向)に所定の角度範囲内で回転操作可能なトリガーレバー15aと、本体部11に内蔵され、トリガーレバー15aの位置を抵抗値に置き換えて出力可能な不図示の可変抵抗器とを備えている。一方、操舵操作部16は中心線の回りに所定の角度範囲で回転操作可能な円盤状のステアリングホイール16aと、本体部11に内蔵され、ステアリングホイール16aの位置を抵抗値に置き換えて出力可能な不図示の可変抵抗器とを備えている。つまり、本実施形態では、各操作部15,16の可変抵抗器の抵抗値が、操縦操作部の操作状態に対応して出力される情報に相当する。
【0034】
トリガーレバー15a及びステアリングホイール16aは、それぞれ不図示のばね手段により所定の中立位置に向けて付勢されている。従って、トリガーレバー15a及びステアリングホイール16aから指を離すと、これらはそれぞれの中立位置へ復帰する。トリガーレバー15a及びステアリングホイール16aの中立位置はそれぞれの操作範囲の中央に設定される。
【0035】
本体部11の前面11aには赤外線を透過するカバー17が設けられる。カバー17の内部には赤外線の発光部及び受光部が取り付けられる。一方、図1(b)に示すように、本体部11の背面11b(図1(a)参照)には、表示装置としての液晶モニタ18と、各種の設定操作を行うために操作される設定操作部19とが設けられている。設定操作部19には、例えば3つの押釦スイッチ20〜22が設けられている。押釦スイッチ20,21,22の近傍には、図1(b)の左からそれぞれ「SELECT」、「UP」及び「DOWN」の文字が表示されている。以下において、押釦スイッチ20〜22をこれらの表示に準じてセレクトキー20、アップキー21及びダウンキー22と呼んで互いに区別することがある。設定操作部19からはキー20〜22の操作状態に対応した情報が出力される。
【0036】
コントローラ1においては、自動車模型2の動作特性に影響を与えるパラメータとして、自動車模型2の最高速度、加速特性、旋回特性及び制動特性の4種類のパラメータが用意されており、ユーザは、これらのパラメータの設定値を設定操作部19を利用して変更可能である。その設定変更時には、図1(b)に示す設定画面25が液晶モニタ18に表示される。なお、以下では、最高速度を指定するパラメータを速度パラメータと、加速特性を指定するパラメータを加速パラメータと、旋回特性を指定するパラメータを旋回パラメータと、制動特性を指定するパラメータを制動パラメータとそれぞれ略称することがある。
【0037】
設定画面25は、設定項目表示部25a、レベルゲージ25b、コード表示部25cを含んでいる。設定項目表示部25aには、上述した最高速度、加速特性、旋回特性及び制動特性の4種類のパラメータに対応して、「SPEED」、「ACCELE」、「S.T.B」、及び「BRAKE」の文字が表示される。最高速度を指定するパラメータは0〜9の範囲から選択でき、その他の特性に関するパラメータは1〜8の範囲から選択することができる。設定項目表示部25aの最下段には、上記の4種類のパラメータの設定値を一括して入力するコード入力モードに対応した「CODE」の識別文字が表示される。
【0038】
設定操作時には、設定項目表示部25aに表示された5つの項目のうち、いずれか1項目が択一的に選択される。選択された項目は例えばカーソル25d等によって区別される。レベルゲージ25bは、8つのセグメント25e…25eに区分され、左端からのセグメント25eの点灯数により設定項目表示部25aにて選択された項目に対応するパラメータの設定値を表示する。コード表示部25cは、左から右へ順に、最高速度、加速特性、旋回特性及び制動特性のパラメータの設定値を数値にて表示する。
【0039】
図2に示すように、自動車模型2は、シャーシ2aと、そのシャーシ2aに取り付けられるボディ2bとを備えている。シャーシ2aには前輪3及び後輪4が左右に一つずつ設けられている(図では片側のみ示す)。また、シャーシ2a上には充電池5、ギアボックス6及び電装基板7がそれぞれ搭載されている。ギアボックス6には、駆動装置として一対のモータ8L,8Rが取り付けられる。これらのモータ8L,8Rは左右の後輪4を互いに個別に駆動する。すなわち、左モータ8Lは左側の後輪4を駆動し、右モータ8Rは左側の後輪4を駆動する。また、電装基板7には、制御装置40と、赤外線受光部41aを備えた赤外線受光モジュール41とが搭載される。
【0040】
次に、図3及び図4を参照して、コントローラ1及び自動車模型2の制御系の構成を説明する。
【0041】
図3はコントローラ1の制御系の構成を示すブロック図である。コントローラ1は、制御装置30と、ID設定スイッチ31と、制御装置30に対する記憶装置として機能するROM32及びユーザメモリ33と、制御装置30からの指示に応じて液晶モニタ18を駆動する液晶駆動回路34と、赤外線発光モジュール35及び赤外線受光モジュール36とを備えている。図1にも示したスロットル操作部15、操舵操作部16、及び設定操作部19は制御装置30に対する入力装置として、液晶モニタ18は制御装置30に対する出力装置としてそれぞれ機能する。なお、図3において、コントローラ1の電源や電源スイッチは図示を省略した。
【0042】
制御装置30は、マイクロプロセッサとその動作に必要なクロック回路、バッファメモリ等の周辺機器とを組み合わせたコンピュータとして構成される。ID設定スイッチ31はID番号を設定するために設けられている。ID番号とは、コントローラ1と自動車模型2との対応関係を識別する情報である。コントローラ1からの赤外線の到達範囲に複数の自動車模型2が存在する場合の混信を防止するため、各コントローラ1と各自動車模型2とはID番号によって相互に対応付けられるとともに、ID番号に応じて時分割されたタイミングで各コントローラ1が送信を行う。
【0043】
ROM32には、制御装置30に所定の処理を実行させるためのプログラム(不図示)が記憶されるとともに、そのプログラムの実行に必要な各種のデータが記録されている。ROM32に記録されたプログラムを制御装置30が実行することにより、制御装置30の内部には、操縦情報制御部30a、設定制御部30c、送信データ生成部30b、受信データ判別部30d、タイミング制御部30e、及び表示制御部30fが構成される。各部30a〜30fは、マイクロプロセッサとソフトウエアとの組み合わせによって実現される論理的装置である。但し、各部30a〜30fの少なくともいずれか一部を論理回路によって構成してもよい。
【0044】
操縦情報制御部30aは、スロットル操作部15及び操舵操作部16から出力される各操作部の操作状況に対応した情報と、ROM32に記録されたデータD1〜D4と、ユーザメモリ33に保存されたユーザ設定データD5とを参照して、自動車模型2の各モータ8L,8Rの駆動速度を決定する。その決定手順の詳細は後述する。送信データ生成部30bは、操縦情報制御部30aにて決定された駆動速度と、ID設定スイッチ31にて設定されたID番号とに基づいて、自動車模型2の動作を制御するためのデータを生成する。そのデータは、例えば図5に示したように、ID設定スイッチ31にて設定されたID番号と、左右のモータ8L,8Rの駆動速度を指定する速度情報とを含む。各モータの速度情報は、モータの回転方向を指定するF/R判別情報と、駆動速度の設定値とを含む。F/R判別情報は、例えば正転が“0”、逆転が“1”となる1ビットのコードである。正転が自動車模型2の前進に対応する。速度設定値は、例えば0〜31までの32段階のいずれかの値を示す5ビットのコードにより表現される。
【0045】
送信データ生成部30bにて生成されたデータは、タイミング制御部30eにて指定されたタイミングで赤外線発光モジュール35に出力される。赤外線発光モジュール35は、与えられたデータを所定の手順で赤外線信号に変換し、その赤外線信号を発光部35aから出力する。一方、赤外線受光モジュール36は、他のコントローラ1から発信された赤外線信号を受光部36aにて受信し、その赤外線信号から搬送波成分を除去して得られた信号を受信データ判別部30dに出力する。受信データ判別部30dは、得られた信号から図5のデータを復元し、そのデータに含まれるID番号をタイミング制御部30eに通知する。タイミング制御部30eは、通知されたID番号と自己のID番号とを比較して、次回の自己の送信タイミングを特定し、その特定されたタイミングを次回の送信タイミングとして送信データ生成部30bに通知する。これにより、ID番号に応じて時分割で送信タイミングが設定される。但し、その時分割の詳細は本発明の要旨ではないので説明を省略する。
【0046】
設定制御部30cは、設定操作部19から出力される操作状況に対応した情報を参照して、上述した4種類のパラメータの設定値を変更し、その設定値をユーザ設定データD5としてユーザメモリ33に保存する。ユーザメモリ33は、フラッシュROMのように記憶保持が可能な半導体記憶素子にて構成される。従って、コントローラ1の電源を遮断してもユーザ設定データD5は保存される。
【0047】
表示制御部30fは、操縦情報制御部30aや設定制御部30cから、液晶モニタ18の表示内容に関する指示を受け取り、その指示に対応した情報が液晶モニタ18に表示されるように液晶駆動回路34に対して駆動指令を出力する。
【0048】
図4は自動車模型2の制御系の構成を示すブロック図である。自動車模型2は、図2にも示したモータ8L,8R、制御装置40及び赤外線受光モジュール41を備えるとともに、ID設定記憶装置42と、制御装置40からの駆動指令に従って左右のモータ8L,8Rを駆動するモータ駆動回路43,43とをさらに備えている。なお、図2に示した充電池5や電源スイッチは図示を省略した。
【0049】
制御装置40は、マイクロプロセッサとその動作に必要なクロック回路、バッファメモリ等の周辺機器とを組み合わせたコンピュータとして構成される。ID記憶装置42は、自動車模型2に対して一意に設定されたID番号を記憶する。制御装置40には不図示のROMが接続され、そのROMには制御装置40に所定の処理を実行させるためのプログラムが記憶される。制御装置40がそのプログラムを実行することにより、制御装置40の内部には、受信データ判別部40a、及び一対のモータ駆動制御部40b,40bが構成される。各部40a,40bは、マイクロプロセッサとソフトウエアとの組み合わせによって実現される論理的装置である。但し、各部40a,40bの少なくともいずれか一部を論理回路によって構成してもよい。
【0050】
赤外線受光モジュール41は、各コントローラ1から発信された赤外線信号を受光部41aにて受信し、その赤外線信号から搬送波成分を除去して得られた信号を受信データ判別部40aに出力する。受信データ判別部40aは、得られた信号から図5のデータを復元し、そのデータに含まれるID番号をID記憶装置42が記憶するID番号と比較する。そして、ID番号が一致しているとき、そのデータに含まれる左モータの速度情報を、左モータ8Lに対応したモータ駆動制御部40bに、右モータの速度情報を、右モータ8Rに対応したモータ駆動制御部40bにそれぞれ提供する。各モータ制御部40bは、与えられた速度情報に対応した速度でモータ8L,又は8Rを駆動するように、モータ駆動回路43に駆動指令を出力する。モータ駆動回路43は、与えられた駆動指令に対応してモータ8L,8Rに供給する電流を制御する。これにより、コントローラ1から送信される速度情報に対応したモータ8L,8Rの駆動制御が実現される。
【0051】
次に、図6〜図8を参照して、コントローラ1の記憶部であるROM32に記録されたデータD1〜D4を説明する。
【0052】
図6(a)は速度設定データD1の内容をグラフにて示している。この図から明らかなように、速度設定データは、スロットル操作部15に設けられたトリガーレバー15aの中立位置からの操作量(以下、スロットル操作量A)と、モータの駆動速度Vとの対応関係を規定している。但し、その対応関係は、最高速度及び加速特性をそれぞれ指定するパラメータに応じて複数用意されている。なお、図6(a)においては、速度パラメータが“8”のときの対応関係を実線で、速度パラメータが“1”のときの対応関係を一点鎖線でそれぞれ例示した。速度パラメータが“2”〜“7”の間の対応関係は図示を省略した。
【0053】
速度パラメータは、図6(a)においてスロットル操作量を最大値(以下、フルスロットル位置と呼ぶことがある。)Amaxに設定したときの最高速度Vmaxに関係し、加速パラメータは最高速度に至るまでのスロットル操作量Aと速度Vとの関係を規定するラインのカーブに影響する。
【0054】
図6(b)に示したように、速度パラメータが“1”〜“8”の範囲では、速度パラメータが大きいほど最高速度Vmaxも高くなる。なお、速度パラメータが“0”又は“9”の場合は特殊走行モードが指定される。この場合には特殊走行データD4に基づいて駆動速度が設定されるので、速度設定データD1では速度パラメータが“0”又は“9”の場合について規定されていない。
【0055】
一方、加速パラメータに関しては、標準値“4”のときにスロットル操作量Aに対して速度Vがほぼリニアに変化し、加速パラメータが“4”よりも小さい場合にはスロットル操作量Aが比較的小さい段階で速度変化が大きくなり、加速パラメータが“4”よりも大きい場合にはスロットル操作量Aが比較的大きい段階で速度変化が大きくなるように、スロットル操作量Aと速度Vとの対応関係が加速パラメータと関連付けられている。
【0056】
速度設定データD1は、図6(a)のグラフによって特定されるスロットル操作量Aと速度Vとの対応関係を適当な形式で表現したデータとして作成される。例えば、加速パラメータ及びスロットル操作量Aと対応付けて速度Vを指定するテーブルを速度パラメータ毎に用意することにより、速度設定データD1を構成することができる。但し、図6によって表現された関係が特定できる限り、速度設定データD1の実際の記述形式は種々変更してよい。
【0057】
図7(a)は減速比設定データD2の内容をグラフにて示している。この図から明らかなように、減速比設定データは、操舵操作部16に設けられたステアリングホイール16aの中立位置からの操作量(以下、操舵量B)と、左右のモータ8L,8Rの間に設定すべき減速比Rとの対応関係を規定している。
【0058】
ここで、本実施形態のシステムでは、ステアリングホイール16aがその中立位置から左右いずれか一方の側に回転操作されたとき、その操作された側のモータの駆動速度を反対側のモータの駆動速度よりも減速することによって旋回力を発生させる。図7(a)においては、高速側のモータの駆動速度をVH、低速側のモータの駆動速度をVLと仮定したとき、駆動速度の差ΔV(=VH−VL)と高速側のモータの駆動速度VHとの比を減速比Rとして定義している。すなわち、減速比は下式により与えられる。
【0059】
【数1】
減速比R=ΔV/VH
このように減速比Rを定義する結果、駆動速度VH又はVLが一定のとき、減速比Rが大きいほど駆動速度Vの差ΔVが拡大して自動車模型2の旋回半径が小さくなる。
【0060】
図7(a)から明らかなように、操舵量Bと減速比Rとの対応関係は、旋回パラメータ(S.T.B)及び速度パラメータ(SPEED)に応じて複数用意されている。なお、図7(a)においては、旋回パラメータが“1”及び“8”のときの対応関係のみ示し、旋回パラメータが“2”〜“7”の間の対応関係は図示を省略した。
【0061】
操舵量Bと減速比Rとの対応関係は、旋回パラメータや速度パラメータの設定に拘わりなく、操舵量Bが増加するに従って減速比Rが漸次増加するように設定される。操舵量を一定値に固定して考えたときに、図7(b)に示すように、旋回パラメータが大きいほど旋回半径が漸次小さくなるように、旋回パラメータが操舵量Bと減速比Rとの対応関係に影響を与える。つまり、旋回パラメータが増加するに従って減速比Rは相対的に大きくなる。また、速度パラメータは、旋回パラメータが同一であっても、速度パラメータが大きいときは小さいときよりも減速比が相対的に小さくなるように、操舵量Bと減速比Rとの対応関係に影響を与える。速度パラメータの調整によって速度が相対的に高められた状態で大きな減速比を発生させると、旋回力が急激に上昇して自動車模型2がスピンする可能性が高くなる。速度パラメータに応じて減速比Rを変化させることにより、このような不都合を効果的に防止することができる。なお、旋回パラメータが“8”のときは速度パラメータに応じた差別化は行われない。
【0062】
減速比設定データD2は、図7(a)のグラフによって特定される操舵量Bと減速比Rとの対応関係を適当な形式で表現したデータとして作成される。例えば、旋回パラメータ及び操舵量Bと対応付けて減速比Rを指定するテーブルを速度パラメータに応じて複数種類用意することにより、減速比設定データD2を構成することができる。但し、図7によって表現された関係が特定できる限り、減速比設定データD2の実際の記述形式は種々変更してよい。なお、操舵量Bと減速比Rとの対応関係は図7(a)に示したリニアな関係に限らず、様々に変化させてよい。
【0063】
図8は、制動特性データD3の内容をグラフにて示している。この図から明らかなように、制動特性データD3は、制動パラメータと待機時間Td(単位msec.)との対応関係を規定したデータである。制動パラメータが増加するほど待機時間Tdは漸次減少し、制動パラメータが最大値“8”のときは待機時間Tdは0である。制動特性データD3は図8に示した関係を適当な形式で表現したデータである。なお、待機時間Tdの意味は後述する。制動パラメータと待機時間Tdの対応関係は、直線的に変化させる例に限らず、様々に変化させてよい。
【0064】
次に、図9〜図12を参照して、コントローラ1の制御装置30が実行する各種の処理を説明する。図9は設定操作部19から出力される情報に基づいて設定制御部30cが実行する設定操作処理の手順を示すフローチャートである。コントローラ1は、設定操作部19の操作により通常走行モード、セッティングモード及び特殊走行モードの3つのモードを適宜に切り換えることができる。電源投入時の初期設定では通常走行モードが選択される。通常走行モードの状態からユーザがセレクトキー20を所定時間以上継続して押し込み操作すると(以下、この操作を長押し操作と呼ぶ。)、セッティングモードが選択されて設定制御部30cが図9の処理を開始する。
【0065】
図9の処理においては、まずユーザメモリ33からユーザ設定データD5が読み込まれ(ステップS1)、そのデータD5に含まれる各パラメータの設定値や現在の設定対象項目の表示等の状態表示が表示制御部30fに指示される(ステップS2)。次に、セレクトキー20が押し込み操作されているか否か判断され(ステップS3)、押し込まれていれば、セレクトキー20の操作が解除(OFF)されるまで判断が繰り返される(ステップS4)。セレクトキー20の操作が解除されると、ステップS4が肯定されるまでの時間に基づいて長押し操作か否かが判断され(ステップS5)、長押し操作でないときは設定操作による設定対象を変更する(ステップS6)。設定対象の変更は、設定項目表示部25a(図1(b)参照)に表示された項目の並び順に従って、セレクトキー20が1回押される毎に「SPEED」→「ACCELE」→「S.T.B.」→「BRAKE」→「CODE4桁目」→「CODE3桁目」→「CODE2桁目」→「CODE1桁目」→「SPEED」の順序で行われる。
【0066】
設定対象の変更後はステップS2へ処理が戻り、そのステップS2によって新たに選択された設定対象がユーザに示される。ステップS3にてセレクトキー20が押されていないときはアップキー21又はダウンキー22が操作されているか否かが判断され(ステップS7)、操作されていればその操作に応じて、設定対象の設定値が変更される(ステップS8)。すなわち、アップキー21の操作に対しては設定値が増加し、ダウンキー22の操作に対しては設定値が減少するように設定値が変更される。ステップS8の処理後はステップS2へ処理が戻る。
【0067】
ステップS5にて長押し操作と判断された場合、その時点で制御装置30がキャッシュメモリやレジスタ等に保持しているユーザ設定データD5がユーザメモリ33に保存され(ステップS9)、続いて特殊走行モードが指示されたか否か、つまり「SPEED」で示す速度パラメータに“0”又は“9”がセットされたか否かが判断される(ステップS10)。特殊走行モードが指示されていなければコントローラ1の動作モードが通常走行モードへ復帰し(ステップS11)、特殊走行モードが指示されたときはコントローラ1の動作モードが特殊走行モードへ移行する(ステップS12)。以上により設定操作処理が完了する。
【0068】
以上の処理によれば、ユーザは速度パラメータ、加速パラメータ、減速比設定パラメータ又は制動パラメータのいずれかを選んでその設定値を変更できるとともに、「CODE」を選ぶことにより4種類のパラメータを効率的に設定することができる。
【0069】
図10は、通常走行モードのときに制御装置30の操縦情報制御部30aがスロットル操作部15及び操舵操作部16の操作状態に基づいて駆動速度を決定するために実行する通常走行モード処理の手順を示すフローチャートである。
【0070】
図10の処理においては、まず、スロットル操作部15からの出力信号に基づいてスロットル操作量Aが特定される(ステップS21)。次に、速度設定データD1及びユーザ設定データD5が参照されて、現在の速度パラメータ及び加速パラメータのそれぞれの設定値と、現在のスロットル操作量Aとに対応する駆動速度Vが特定される(ステップS22)。この段階で特定される駆動速度が今回の処理における指示速度となる。なお、トリガーレバー15aが中立位置よりも図1(a)において右側に操作されているときは、駆動速度Vが負の値となる。
【0071】
次に、ステップS22で特定した指示速度が、自動車模型2のモータ8L,8Rに対して現在出力している駆動速度(但し、減速比Rによって減速する前の速度)よりも低いか否かが判断される(ステップS23)。ここで、現在出力している駆動速度(以下、これを出力速度と呼ぶ。)には、前回の処理又はそれよりもさらに所定回だけ遡った処理において、ステップS22で特定した駆動速度を用いることができる。
【0072】
ステップS23が否定判断された場合、つまり、指示速度が現在の出力速度以上のときには、ステップS22で特定した駆動速度が次回の送信タイミングにて出力されるべき駆動速度(次回の速度)として決定され(ステップS24)、その後にステップS31へ処理が進められる。一方、ステップS23が肯定判断された場合、すなわち、指示速度が出力速度よりも低いと判断された場合には、制動パラメータの設定値に対応した減速度で自動車模型2を減速させるためにステップS25以下の処理が行われる。
【0073】
ステップS25では待機時間の計時中か否かが判断され(ステップS25)、計時中でなければステップS26で計時が開始されてステップS27へ処理が進められる。計時中であればステップS26はスキップされる。ステップS27では、今回、又はそれ以前の処理時にステップS26に基づいて開始された計時(タイマカウント)の経過時間が、制動特性データD3に基づいて特定される、制動パラメータの設定値に対応する待機時間Td以上か否かが判断される。そして、待機時間Tdが経過していなければ、現在の出力速度が次回の速度として決定され(ステップS28)、待機時間Tdが経過していれば現在の出力速度よりも1段だけ低い速度(図5の速度設定値の最小単位)が次回の速度として決定され(ステップS29)、続いて待機時間の計時がストップされ(ステップS30)、その後にステップS31へと処理が進められる。
【0074】
このように、ステップS23〜S30の処理によれば、最新のスロットル操作量Aに基づいて特定される指示速度と、現在の出力速度とが大小比較され、指示速度が出力速度以上のときは指示速度が次回の駆動速度として指定されるので、スロットル操作量Aの増加に追従して自動車模型2を速やかに加速させることができる。その一方、指示速度が出力速度未満のときは、指示速度が出力速度以上になるまで待機時間Tdを周期として駆動速度が一段ずつ徐々に下げられる。従って、スロットル操作量Aを減少させた場合において、自動車模型2は待機時間Tdが長いほど緩やかに減速することになる。これにより、制動パラメータに応じて制動力が変化する感覚を実現できる。
【0075】
続くステップS31〜S33は、モータ8L,8R間に操舵量Bに応じた減速比を設定するための処理である。ステップS31では、操舵操作部16からの出力信号に基づいて操舵量Bが特定される。続くステップS32では、操舵量Bに対応する減速比Rが減速比設定データD2及びユーザ設定データD5に基づいて特定される。ステップS33では、ステップS24,S28又はS29で決定された駆動速度と、ステップS32で特定された減速比Rとを利用して、減速される側のモータ(右旋回のときは右モータ8R、左旋回のときは左モータ8L)の駆動速度が演算される。続くステップS34では、ステアリングホイール16aが操作された側のモータの駆動速度としてステップS33で修正された駆動速度が指示され、反対側のモータの駆動速度として、ステップS33で修正された駆動速度が指示されるように、制御装置30の送信データ生成部30bに速度情報の生成と送信が指示される(ステップS34)。以上により図10の処理が完了する。
【0076】
次に、図11及び図12を参照して、特殊走行モードについて説明する。特殊走行モードは、通常走行モードとは異なる特殊な動作を自動車模型2に与えるモードである。特殊走行モードでは、スロットル操作部15又は操舵操作部16の操作状態とモータ8L,8Rとの対応関係が、図3のROM32に記録された特殊走行データD4と、設定操作部19から入力された4桁の特殊コード(先頭が“0”又は“9”)とに基づいて様々に変更され、通常走行モードでは得られない特殊な動作制御が実現される。例えば、自動車模型2の後退を禁止したり、モータ8L,8Rを互いに逆方向に駆動して超信地旋回を実現したり、スロットル操作部15や操舵操作部16の操作方向とモータ8L,8Rの回転方向との対応関係を変化させるような設定が特殊コードと対応付けて特殊走行データD4に用意されている。
【0077】
図11は、特殊走行モードにて実現される制御特性の一例として、スロットル操作部15や操舵操作部16の操作に拘わりなく、自動車模型2に特定の動作を与えるために操縦情報制御部30aが実行する動作追加処理の手順を示すフローチャートである。この処理を実現するため、例えば図12(a)又は(b)に示したように、モータ8L,8Rの駆動速度に関して発生させるべき動作を予め定めておき、その変化を特定する動作設定データを特殊走行データD4の一種として、特殊コードと対応付けてROM12に記録しておく。
【0078】
図11の処理では、まず通常走行モードと同様の処理により各モータ8L,8Rの駆動速度を決定する(ステップS40)。次に、特定動作を開始させるための所定の条件が成立しているか否かを判断する(ステップS41)。例えば、スロットル操作量A及び操舵量Bがいずれも0であることが条件として設定できる。条件が成立していないときはステップS40へ処理が戻る。
【0079】
次に、条件が成立している場合には、動作設定データを読み取る(ステップS42)。次に、読み取った動作設定データに基づいて速度修正量を特定する。例えば、図12(a)又は(b)に示すような周期的な動作が規定されている場合には、ステップS41が肯定された時点でタイマを起動し、周期Tの位相pを検出し、その検出された位相pに対応するモータ8L,8Rの速度修正量△L,△Rを特定する。次に、ステップS40で決定された各モータの駆動速度に速度修正量△L,△Rを加えて駆動速度を修正する(ステップS44)。このようにして修正された駆動速度を送信データ生成部30bに与えることにより、図12に示したような変動成分がモータ8L,8Rの駆動速度に付加される。例えば、スロットル操作部15が中立位置から操作されているときに図12(a)に示す変動成分を加えたならば、自動車模型2に蛇行運動を発生させることができる。また、スロットル操作部15が中立位置にあるときに図12(b)の変動成分を加えたならば、自動車模型2が時々左右に振れるような動作を出現させることができる。このような特殊動作はその他にも種々考えられる。但し、特殊動作が周期的な動作に限定されないことは勿論である。
【0080】
本発明は上述した実施形態に限定されることなく、種々の形態にて実施することができる。例えば次のような変形例が考えられる。
(1)模型機器は自動車模型に限らず、戦車、船、ロボット等であってもよい。(2)模型機器が無線通信によってコントローラから遠隔操作される玩具システムに限らず、コントローラと模型機器とを有線で接続し、あるいは模型機器にコントローラが搭載される玩具システムにおいても本発明は適用できる。
(3)模型機器をコントローラにて遠隔操作する場合において、コントローラからは操縦操作部の操作状態に則した信号を出力させるものとし、模型機器に設定操作部、記憶部、設定制御手段、速度決定手段、速度情報生成手段、駆動制御手段を設けてもよい。
【0081】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明によれば、最高速度及び加速特性についてのユーザの設定操作が、速度操作手段を操作したときに模型機器に発生する速度の変化に関連付けられ、旋回特性についてのユーザの設定操作が、模型機器の曲がり易さの変化に関連付けられるので、模型機器の動作に関する調整作業とその効果との関係が明確化され、ユーザが所望の調整結果を比較的容易に手に入れることができる。しかも、それらの特性の調整のために格別の機械的部品を玩具に設ける必要がなく、特に模型機器の小型化や軽量化に有利であり、かつ模型機器に搭載されるべきバッテリの消費を抑えてユーザの負担を軽減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の玩具システムに利用されるコントローラを示す図。
【図2】図1のコントローラと組み合わせて使用される自動車模型の断面図。
【図3】図1のコントローラの制御系のブロック図。
【図4】図2の自動車模型の制御系のブロック図。
【図5】図1のコントローラから送信されるデータの構成を示す図。
【図6】図3のROMに記録された速度設定データの内容を示す図。
【図7】図3のROMに記録された減速比設定データの内容を示す図。
【図8】図3のROMに記録された制動特性データの内容を示す図。
【図9】図3の制御装置が実行する設定操作処理の手順を示すフローチャート。
【図10】図3の制御装置が実行する通常走行モード処理の手順を示すフローチャート。
【図11】図3の制御装置が特殊走行モード時に実行可能な周期動作処理の手順を示すフローチャート。
【図12】図11の処理に必要なデータの概念を示す図。
【符号の説明】
1 コントローラ
2 自動車模型
8L,8R (駆動装置)
14 操縦操作部
15 スロットル操作部
16 操舵操作部
18 液晶モニタ
19 設定操作部
25 設定画面
30 制御装置
30a 操縦情報制御部
30b 送信データ生成部
30c 設定制御部
30d 受信データ判別部
30e タイミング制御部
30f 表示制御部
32 ROM(記憶部)
35 赤外線発光モジュール
36 赤外線受光モジュール
40 制御装置
40a 受信データ判別部
40b モータ駆動制御部
41 赤外線受光モジュール
43 モータ駆動回路
D1 速度設定データ
D2 減速比設定データ
D3 制動特性データ
D4 特殊走行データ
D5 ユーザ設定データ

Claims (13)

  1. 模型機器の左右に個別に駆動力を発生させる一対の駆動装置をユーザの操作に基づいて制御する玩具システムにおいて、
    前記模型機器の速度を指定する速度操作手段と、前記模型機器の進行方向を指定する操舵操作手段とを備え、各操作手段の操作状態に対応した情報を出力する操縦操作部と、
    ユーザの設定操作を受け付け、その操作状態に対応した情報を出力する設定操作部と、
    前記設定操作部を利用して前記模型機器の最高速度、加速特性及び旋回特性を個別に設定する機会をユーザに提供し、当該機会に前記設定操作部から出力される情報に基づいて、前記最高速度、加速特性及び旋回特性をそれぞれ指定するパラメータを設定する設定制御手段と、
    前記速度操作手段の操作状態と前記駆動装置に設定すべき駆動速度との対応関係を、前記速度特性を指定するパラメータ及び前記加速特性を指定するパラメータとそれぞれ関連付けて複数種類規定した速度設定データ、及び、前記操舵操作手段の操作状態と前記一対の駆動装置の間に設定すべき減速比との対応関係を、前記旋回特性を指定するパラメータと関連付けて複数種類規定した減速比設定データをそれぞれ記憶する記憶部と、
    前記操縦操作部から出力される情報と、前記設定制御手段による各パラメータの設定値と、前記記憶部が記憶する前記速度設定データ及び前記減速比設定データとを参照して、前記一対の駆動装置のそれぞれの駆動速度を決定する速度決定手段と、
    決定された速度に対応する速度情報を生成する速度情報生成手段と、
    生成された速度情報に対応した駆動指令を各駆動装置に出力する駆動制御手段と、
    を備えたことを特徴とする玩具システム。
  2. 前記速度決定手段は、前記操縦操作部から出力される情報に基づいて特定される前記速度操作手段の操作状態と、前記最高速度及び前記加速特性をそれぞれ指定するパラメータの設定値と、前記速度設定データとを参照して前記駆動装置の駆動速度を特定し、その特定した値に基づいていずれか一方の駆動装置の駆動速度を決定するとともに、前記操縦操作部から出力される情報に基づいて特定される前記操舵操作手段の操作状態と、前記旋回特性を指定するパラメータの設定値と、前記減速比データとを参照して、前記駆動装置の間に設定すべき減速比を特定し、その特定した減速比と前記一方の駆動装置の駆動速度とから他方の駆動装置の駆動速度を決定する、ことを特徴とする請求項1に記載の玩具システム。
  3. 前記減速比設定データは、前記操舵操作手段の操作状態と前記駆動装置間に設定すべき減速比との対応関係を、前記最高速度を指定するパラメータとさらに関連付けて複数種類規定し、前記速度決定手段は、前記操舵操作手段の操作状態と、前記最高速度及び前記旋回特性をそれぞれ指定するパラメータの設定値と、前記減速比データとを参照して、前記駆動装置の間に発生させるべき減速比を特定する、ことを特徴とする請求項2に記載の玩具システム。
  4. 前記速度設定データは、前記速度操作手段が最高速度を指定する位置に操作されたときに前記駆動装置に設定すべき駆動速度が、前記最高速度を指定するパラメータに応じて変化し、かつ、前記速度操作手段が速度0を指定する中立位置から前記最高速度を指定する位置まで操作される間の前記駆動速度の変化特性が、前記加速特性を指定するパラメータに応じて変化するように構成されていることを特徴とする請求項2に記載の玩具システム。
  5. 前記減速比設定データは、前記操舵操作手段が最小旋回半径を指定する位置に操作されたときに前記一対の駆動装置間に設定する減速比が前記旋回特性を指定するパラメータに応じて変化し、かつ、前記模型機器の直進状態を指定する前記操舵操作手段の中立位置からの当該操舵操作手段の操作量の増加に伴って前記一対の駆動装置間の減速比が漸次拡大するように構成されていることを特徴とする請求項2又は4に記載の玩具システム。
  6. 前記速度設定データは、前記速度操作手段が最高速度を指定する位置に操作されたときに前記駆動装置に設定すべき駆動速度が、前記速度特性を指定するパラメータに応じて変化し、かつ、前記速度操作手段が速度0を指定する中立位置から前記最高速度を指定する位置まで操作される間の前記駆動速度の変化特性が、前記加速特性を指定するパラメータに応じて変化するように構成され、
    前記減速比設定データは、前記操舵操作手段が最小旋回半径を指定する位置に操作されたときに前記一対の駆動装置間に発生する減速比が前記旋回特性を指定するパラメータに応じて変化し、かつ前記模型機器の直進状態を指定する前記操舵操作手段の中立位置からの当該操舵操作手段の操作量が増加するに従って前記一対の駆動装置間の減速比が漸次拡大するように構成されるとともに、前記最高速度を指定するパラメータが高速側に設定されたときには低速側に設定されたときよりも前記一対の駆動装置間に発生する減速比が相対的に小さくなるように、前記最高速度を指定するパラメータと関連付けて前記操舵操作手段の操作状態と前記駆動装置の間に設定する減速比との対応関係を規定していることを特徴とする請求項2に記載の玩具システム。
  7. 前記設定制御手段は、前記設定操作部を利用して前記模型機器の制動特性を設定する機会をユーザに提供し、当該機会に前記設定操作部から出力される情報に基づいて、前記制動特性を指定するパラメータを設定可能であり、
    前記記憶部は、前記制動特性を指定するパラメータと待機時間との対応関係を規定した制動特性データをさらに記憶し、
    前記速度決定手段は、所定の周期で前記速度操作手段の操作状態を繰り返し取得し、各周期で取得した速度操作手段の操作状態と、前記最高速度及び前記加速特性をそれぞれ指定するパラメータの設定値とに対応した駆動速度を各回の指示速度として前記速度設定データに基づいて特定するとともに、各回で特定された指示速度を、その時点で前記駆動装置に対して出力されている速度情報に対応した駆動速度と比較し、前記指示速度が前記速度情報に対応した駆動速度よりも低い間は、前記制動特性を指定するパラメータの設定値と前記制動特性データとを参照して決定された待機時間が経過する毎に、前記速度情報に対応した駆動速度から所定量だけ低い速度を前記一方の駆動装置の駆動速度として決定する、
    ことを特徴とする請求項2〜6のいずれか1項に記載の玩具システム。
  8. 前記記憶部は、前記一対の駆動装置に発生させるべき特定の動作を規定した動作設定データをさらに記憶し、
    前記速度決定手段は、所定の条件が満たされている場合、前記動作設定データに規定された特定の動作が前記駆動装置に付加されるように、前記決定した駆動速度を前記動作設定データに基づいて修正して前記速度情報生成手段に提供する、ことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の玩具システム。
  9. 前記模型機器から独立したコントローラを具備し、
    前記コントローラに、前記操縦操作部、前記設定操作部、前記記憶部、前記設定制御手段、前記速度決定手段、及び前記速度情報生成手段が設けられるとともに、当該コントローラには前記速度情報生成手段が生成する速度情報を前記模型機器に対して送信する無線通信装置が設けられ、
    前記模型機器には、前記駆動制御手段及び前記駆動装置とともに、前記コントローラから送信される前記速度情報を受信する無線通信装置が設けられ、前記駆動制御手段は、前記無線通信装置が受信した前記速度情報に基づく駆動指令を生成して前記駆動装置に出力する、ことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の玩具システム。
  10. 模型機器の左右に個別に駆動力を発生させる一対の駆動装置を遠隔操作するためのコントローラであって、
    前記模型機器の速度を指定する速度操作手段と、前記模型機器の進行方向を指定する操舵操作手段とを備え、各操作手段の操作状態に対応した情報を出力する操縦操作部と、
    ユーザの設定操作を受け付け、その操作状態に対応した情報を出力する設定操作部と、
    前記設定操作部を利用して前記模型機器の最高速度、加速特性及び旋回特性を個別に設定する機会をユーザに提供し、当該機会に前記設定操作部から出力される情報に基づいて、前記最高速度、加速特性及び旋回特性をそれぞれ指定するパラメータを設定する設定制御手段と、
    前記速度操作手段の操作状態と前記駆動装置に設定すべき駆動速度との対応関係を、前記速度特性を指定するパラメータ及び前記加速特性を指定するパラメータとそれぞれ関連付けて複数種類規定した速度設定データ、及び、前記操舵操作手段の操作状態と前記一対の駆動装置の間に設定すべき減速比との対応関係を、前記旋回特性を指定するパラメータと関連付けて複数種類規定した減速比設定データをそれぞれ記憶する記憶部と、
    前記操縦操作部から出力される情報と、前記設定制御手段による各パラメータの設定値と、前記記憶部が記憶する前記速度設定データ及び前記減速比設定データとを参照して、前記一対の駆動装置のそれぞれの駆動速度を決定する速度決定手段と、
    決定された速度に対応する速度情報を生成する速度情報生成手段と、
    生成された速度情報を前記模型機器の無線通信装置に対して送信する無線通信装置と、
    を備えたことを特徴とするコントローラ。
  11. 前記速度決定手段は、前記操縦操作部から出力される情報に基づいて特定される前記速度操作手段の操作状態と、前記最高速度及び前記加速特性をそれぞれ指定するパラメータの設定値と、前記速度設定データとを参照して前記駆動装置の駆動速度を特定し、その特定した値に基づいていずれか一方の駆動装置の駆動速度を決定するとともに、前記操縦操作部から出力される情報に基づいて特定される前記操舵操作手段の操作状態と、前記旋回特性を指定するパラメータの設定値と、前記減速比データとを参照して、前記駆動装置の間に設定すべき減速比を特定し、その特定した減速比と前記一方の駆動装置の駆動速度とから他方の駆動装置の駆動速度を決定する、ことを特徴とする請求項10に記載のコントローラ。
  12. 模型機器の移動用の駆動装置をユーザの操作に基づいて制御する玩具システムにおいて、
    前記模型機器の速度を指定する速度操作手段を備え、該速度操作手段の操作状態に対応した情報を出力する操縦操作部と、
    ユーザの設定操作を受け付け、その操作状態に対応した情報を出力する設定操作部と、
    前記設定操作部を利用して前記模型機器の制動特性を設定する機会をユーザに提供し、当該機会に前記設定操作部から出力される情報に基づいて、前記制動特性を指定するパラメータを設定する設定制御手段と、
    前記速度操作手段の操作状態と前記駆動装置に設定すべき駆動速度との対応関係を規定した速度設定データ、及び前記制動特性を指定するパラメータと待機時間との対応関係を規定した制動特性データをそれぞれ記憶する記憶部と、
    前記操縦操作部から出力される情報と、前記速度設定データとを参照して、前記駆動装置の駆動速度を決定する速度決定手段と、
    決定された速度に対応する速度情報を生成する速度情報生成手段と、
    生成された速度情報に対応した駆動指令を前記駆動装置に出力する駆動制御手段と、を備え、
    前記速度決定手段は、所定の周期で前記速度操作手段の操作状態を繰り返し取得し、各周期で取得した速度操作手段の操作状態に対応した駆動速度を各回の指示速度として前記速度設定データに基づいて特定するとともに、各回で特定された指示速度を、その時点で前記駆動装置に対して出力されている速度情報に対応した駆動速度と比較し、前記指示速度が前記速度情報に対応した駆動速度よりも低い間は、前記制動特性を指定するパラメータの設定値と前記制動特性データとを参照して決定された待機時間が経過する毎に、前記速度情報に対応した駆動速度から所定量だけ低い速度を前記駆動装置の駆動速度として決定する、
    ことを特徴とする玩具システム。
  13. 模型機器に駆動力を発生させる駆動装置を遠隔操作するためのコントローラであって、
    前記模型機器の速度を指定する速度操作手段を備え、該速度操作手段の操作状態に対応した情報を出力する操縦操作部と、
    ユーザの設定操作を受け付け、その操作状態に対応した情報を出力する設定操作部と、
    前記設定操作部を利用して前記模型機器の制動特性を設定する機会をユーザに提供し、当該機会に前記設定操作部から出力される情報に基づいて、前記制動特性を指定するパラメータを設定する設定制御手段と、
    前記速度操作手段の操作状態と前記駆動装置に設定すべき駆動速度との対応関係を規定した速度設定データ、及び前記制動特性を指定するパラメータと待機時間との対応関係を規定した制動特性データをそれぞれ記憶する記憶部と、
    前記操縦操作部から出力される情報と、前記速度設定データとを参照して、前記一対の駆動装置のそれぞれの駆動速度を決定する速度決定手段と、
    決定された速度に対応する速度情報を生成する速度情報生成手段と、
    生成された速度情報を送信する無線通信装置と、を備え、
    前記速度決定手段は、所定の周期で前記速度操作手段の操作状態を繰り返し取得し、各周期で取得した速度操作手段の操作状態に対応した駆動速度を各回の指示速度として前記速度設定データに基づいて特定するとともに、各回で特定された指示速度を、その時点で前記駆動装置に対して出力されている速度情報に対応した駆動速度と比較し、前記指示速度が前記速度情報に対応した駆動速度よりも低い間は、前記制動特性を指定するパラメータの設定値と前記制動特性データとを参照して決定された待機時間が経過する毎に、前記速度情報に対応した駆動速度から所定量だけ低い速度を前記駆動装置の駆動速度として決定する、
    ことを特徴とするコントローラ。
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