JP3881395B2 - 焦点検出用センサ制御装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、センサの制御装置に係り、より具体には例えば被写体光を受光するラインセンサの複数の画素信号を逐次転送するカメラの焦点検出センサのクロック速度を制御できる制御装置に関する。
【0002】
【従来技術およびその問題点】
従来、一眼レフカメラなどに利用されている焦点検出用の位相差方式のCCDイメージセンサは、少なくとも一対の受光領域を備え、各受光領域は、一列に配設された多数の画素(受光素子)を備えている。これらの画素によって蓄積された信号電荷は、1本の転送部に転送され、この転送部を段階的にシリアル転送されて、画素単位で逐一読み出される。この転送は、供給クロックに同期した読出しクロック(パルス信号)によって行なわれるが、一つの制御中は、供給クロックに対して一通りかつ一定の読出しクロックであった。例えば、転送部から不要電荷として掃き出す場合は高速読出しクロックで駆動し、信号電荷として読出す場合は低速読出しクロックで駆動しており、高速、低速読出しクロックはそれぞれ一通りかつ一定であった。したがって、シリアルに読み出される信号電荷の途中に不要電荷群があったとしても、それらも低速読出しクロックで掃き出されていた。
しかし、供給クロックの変更による読出しクロックの変更は、センサ制御中は制御タイミングと読出しクロックとの同期がとれていないため困難であった。
【0003】
【発明の目的】
本発明は、前記従来のAFセンサ制御装置の問題に鑑みてなされたもので、動作中のクロック速度を、制御タイミングと同期して可変に、または切り換えできる焦点検出用センサ制御装置を提供すること、を目的とする。
【0004】
【発明の概要】
本発明は、ラインセンサを備えたAFセンサ処理において、信号電荷読出し中に不要電荷を高速クロックで掃き出せれば、読出し時間の短縮を図ることができる点に着目してなされたものである。この着眼点に基づいてなされた本発明は、被写体光を受光し、被写体光を受光し、光電変換して電荷を蓄積する複数の受光手段を有する受光部、および前記各受光手段が蓄積した電荷を、転送/読出しクロックによって段階的に転送し、出力する転送部を備えたラインセンサと、一定の基本クロックを出力するクロック手段と、前記基本クロックに同期して、前記ラインセンサを駆動する、高速の第1速度の転送/読出しクロックと、該第1速度の転送/読出しクロックよりも低速の第2速度の転送/読出しクロックを択一的に生成し、さらに前記転送部から出力された電荷を処理する、高速および低速の処理クロックを生成するタイミング信号生成手段と、該タイミング信号生成手段が生成する転送/読出しクロックおよび制御クロックを切り換えるクロック切り換え手段と、を備え、該クロック切り換え手段は、該クロック切り換え手段が切り換えた前記タイミング信号生成手段が生成する前記第1速度または第2速度の転送/読出しクロックを入力して該入力した第1速度または第2速度の転送/読出しクロックにより前記タイミング信号生成手段が生成するクロックを、前記転送部から不要電荷を出力する期間は第1速度の転送/読出しクロックに切り換えるとともに前記処理クロックを高速のクロックに切り換え、有用電荷を出力する期間は前記第2速度の転送/読出しクロックに切り換えるとともに前記処理クロックを低速のクロックに切り換えることに特徴を有する。
【0005】
【実施の形態】
以下図面に基づいて本発明を説明する。図1は本発明を適用した一眼レフカメラの主要回路の一実施の形態を示すブロック回路図である。
この一眼レフカメラは、カメラ全般の機能を統括的に制御するCPU11を備えている。このCPU11には、バッテリ13からレギュレータ15およびスーパーキャパシタ17を介して定電圧VDD1 が供給されている。また、CPU11は、DC/DC コンバータ19を介して所定の定電圧VAA、VDDを撮影レンズ(図示せず)のレンズROM51などに供給している。CPU11とレンズROM51とは、マウントに設けられたピンを介して接続され、データの読み込みを行なっている。
【0006】
自動焦点調整装置を構成するAFモータ23は、図示しないが、ジョイント機構を介して撮影レンズのフォーカシングレンズを移動させて焦点調整を行なう。AFモータ23は、AFモータ制御回路21を介してCPU11により駆動制御されるが、AFモータ23の回転数は、AFモータ連動パルサー25によって検出される。
【0007】
CPU11の入力にはスイッチ類として、測光スイッチSWS、レリーズスイッチSWR、ロックスイッチSWLOCKおよび、その他カメラのモード、シャッタ速度、絞り値などを変更、選択するための各種情報スイッチ27が接続されている。測光スイッチSWSは、露出演算や、自動焦点調整装置を動作させるためのスイッチであり、図示しないレリーズ釦が半押しされたときにオンする。
【0008】
この一眼レフカメラは、合焦状態をデフォーカス量として検出するCCDイメージ(ライン)センサユニット(AFセンサユニット)30を備えている。このAFセンサユニット30は、CCDドライブ回路32によって駆動される。また、AFセンサユニット30には、図示しないが周知の通り、撮影レンズを介して入射し、メインミラー中央部のハーフミラー部を透過し、さらにサブミラーで反射された被写体光が入射する。入射した被写体光は、異なる3個の被写界領域に含まれる光束がそれぞれ異なるセンサ部(図2参照)上に結像される。なお、各3個の被写界領域に含まれる光束はそれぞれ、図示しない分割光学系によって二分割され、各センサ部に結像される。
【0009】
AFセンサユニット30の構成を、図2を参照してより詳細に説明する。イメージセンサ301は、1本のCCD転送部303と、CCD転送部303に隣接して設けられ、かつお互いに離反した3個の第1、第2、第3センサ304A、304B、304Cを備えている。各第1センサ304A、第2センサ304B、および第3センサ304Cはそれぞれ一対の受光部A1とA2、B1とB2、およびC1とC2を備えている。
【0010】
各センサ304A、304B、304Cは、詳細は図示しないが公知のように、互いに独立して一列に配置された多数の受光素子(フォトダイオード)アレイ、各受光素子が発生した電荷を蓄えるストレージ部、および積分が終了したらストレージ部が蓄積した電荷を一時的にメモリするメモリー部を備えている。被写体光を受光して受光素子が光電変換してストレージ部が蓄積し、メモリー部がメモリした電荷は、一斉にCCD転送部303に転送される。そうして、CCD転送部303を一定方向に、二相の転送クロックφ1、φ2によって、各画素単位で段階的に転送され、CCD転送部303の読出し部303aから画素単位で出力される。
【0011】
各センサ304A、304B、304Cから信号電荷が一斉にCCD転送部303に転送された直後のCCD転送部303の電荷配列を、図2に示してある。CCD転送部303には、図示しない多数の電極が一定の間隔で形成されている。つまりこれらの電極によってCCD転送部303には、各センサ304A、304B、304Cに対応した第1、第2、第3センサ画素群404A、404B、404Cと、第1センサ画素群404Aよりも読出側に第1ダミー画素群404Adと、第1、第2センサ画素群404A、404Bの間に第2ダミー画素群404Bdと、第2、第3センサ画素群404B、404Cの間に第3ダミー画素群404Cdとが形成されている。したがって、読み出しの際には、第1ダミー画素群404Ad、第1センサ画素群404A、第2ダミー画素群404Bd、第2センサ画素群404B、第3ダミー画素群404Cd、第3センサ画素群404Cが一斉に画素単位でCCD転送部303に転送され、この順に画素単位で読出し部303aから出力される。
【0012】
そして、出力された信号電荷は、増幅器325により増幅され、クランプ回路327により基準レベルからの出力信号としたビデオ信号VIDEO として出力される。出力されたビデオ信号VIDEO はCPU11に取り込まれ、A/D 変換されてRAM にメモリされ、デフォーカス演算に利用される。また、ダミー画素群404Ad、404Bd、404Cdの画素信号は、CPU11には取り込まれない。
【0013】
CPU11の内部ROMには、各画素群404Ad、404A、404Bd、404B、404Cd、404Cの画素数がメモリされていて、CPU11は、これらの画素数データに基づいて、転送した各画素信号の読み出しの有効/無効を選択している。本実施の形態では、読み出し(転送)開始から、第1センサ画素群404Aの読み出し開始ポイントまでの画素数をAstart 、第2センサ画素群404Bの読み出し開始ポイントまでの画素数をBstart 、第3センサ画素群404Cの読み出し開始ポイントのまでの画素数をCstart としてCPU11の内部ROMに書込んである。
【0014】
また、各センサ304A、304B、304Cに隣接してモニタセンサM1、M2、M3、モニタセンサM4、M5、M6、モニタセンサM7、M8、M9が設けられ、第2センサ304Bの第1受光部B1に隣接して、遮光されたモニタダークセンサMDが設けられている。モニタセンサM1〜M9は、被写体の明るさに応じて積分時間(積分終了)をコントロールするために被写体の明るさを検出するセンサである。一方モニタダークセンサMDは、モニタセンサM1〜M9の暗電流成分を除去するための信号を得るセンサであって、遮光されている。
【0015】
以上の第1、第2、第3センサ304A、304B、304Cの積分動作(電荷蓄積)、第1、第2、第3センサ304A、304B、304CからCCD転送部303への電荷(積分値)の転送、CCD転送部303における電荷の転送、クランプ回路327によるクランプ処理などは、CPU11、タイミング発生・ドライバー回路33が出力するクロック(パルス信号)によって駆動される。また、モニタセンサM1〜M3はモニタ制御回路311、モニタセンサM4〜M6はモニタ制御回路313、モニタセンサM7〜9はモニタ制御回路315、ダークセンサMDはAGC制御回路323の制御にそれぞれ用いられる。
【0016】
この一眼レフカメラの自動焦点調整処理は、測光スイッチSWSのオンを条件に開始される。測光スイッチSWSがオンすると、CPU11によって積分開始信号φINT が立ち上げられ、積分が始まる。そして、所定のモニタセンサM1〜M9の積分値が、予め設定されている積分終了レベルVRMを越えて積分終了信号φADが出力されるか、所定の積分時間経過時に強制的に積分終了させたときに積分を終了する。
【0017】
積分を終了すると、転送パルスφTGを出力して各受光部が積分した信号電荷をCCD転送部303に転送する。CCD転送部303に転送された各信号電荷は、基準クロックφMに同期して生成される転送/読出しクロックφ1 、φ2 によって画素単位でCCD転送部303を転送される。そして、読出し端部303aから画素単位で逐一出力(読出)され、増幅器325で増幅され、クランプ回路327でクランプされて、画素単位のVIDEO 信号として出力される。クランプ回路327は、リセットフィールドスルークランプパルスφCLに同期してリセットフィールドスルーレベルをクランプし、サンプルホールドパルスφSHに同期して出力をサンプルホールドし、オプティカルブラック(OB)クランプ信号φOBの出力期間だけOBクランプを行ない、Video 信号として出力する。なお、リセットフィールドスルークランプパルスφCL、サンプルホールドパルスφSH、およびOBクランプ信号φOBは、基準クロックφM、φM′に基づいて生成される。
【0018】
以上は通常のAFセンサユニット制御動作であるが、本実施の形態の特徴であるセンサ制御動作について、さらに図3〜図7を参照して説明する。先ず、図6および図7に示したタイミングチャートを参照して説明する。図6は通常のAF動作に係るタイミングチャートであり、図7はクロックを変更する実施の形態のタイミングチャートである。また、図示実施の形態における各符号は下記のクロックまたは信号を示している。
CPU11が生成する信号
φM :基本クロック
φINT :積分スタート信号
SPEED1、SPEED2:クロック選択信号
S/HCTL:サンプルホールド信号
タイミング発生・ドライバー回路33が生成する信号
φM ′:基本クロックφM に同期した基本クロック
φ1 、φ2 :内部基本クロック(転送、読出しパルス)
φSH:サンプルホールドパルス
φAD:積分終了信号/転送読出しカウントパルス
φOB:オプティカルブラック信号(暗電流)
φCL:リセットフィールドスルークランプパルス
φTG:トランスファーゲート(転送)信号
その他の部材が生成する信号
VAGC :積分ストップ用基準電圧
VOUT :積分出力電圧(VIDEO 信号)
VRM:積分終了レベル
M1 、M2 :モニタセンサ信号
MD :モニタダークセンサ信号
【0019】
図3は、本実施の形態の特徴であるタイミング信号生成手段を示している。このタイミング信号生成手段は、本実施の形態ではタイミング発生・ドライバー回路33を構成する回路の一つである。
【0020】
タイミング信号生成手段であるタイミング発生・ドライバー回路33は、基本クロックφMを、スルー出力および2種類に分周して計3種類のクロックを出力する分周回路35と、分周回路35から出力されたクロックを択一的に選択して出力する選択回路36と、選択回路36で選択されたクロックから基本クロックφM′および転送クロックφ1 、φ2 を生成するフリップフロップ回路37とを備えている。この実施形態では、選択回路36がクロック切り換え手段を構成し、フリップフロップ回路37がクロック生成手段を構成している。
【0021】
分周回路35に入力された基本クロックφMは三つに分岐されて、一つはそのまま選択回路36に出力され、他の二つはDフリップフロップ回路351、352のC入力に入力され、Dフリップフロップ回路351、352のQバー出力が選択回路36に出力されている。
【0022】
選択回路36のDフリップフロップ回路361、362のD入力には、クロック切換え信号としてクロック選択信号SPEED1、SPEED2が入力されている。Dフリップフロップ回路361、362のQ出力およびQバー出力は363のNANDマトリックスに入力されている。第1のDフリップフロップ回路361のQ出力およびQバー出力はNAND回路の一方の入力に、第2のDフリップフロップ回路362のQ出力およびQバー出力はNAND回路の他方の入力に入力されている。図3において、○記号はNAND回路の一つの入力を示していて、列方向の二つの○記号が一つのNAND回路の一対の入力を示している。つまり本実施の形態の選択回路36は、4個のNAND回路を備えている。各NAND回路の出力はそれぞれインバータ364を介して、ナンバー0〜3のインバータ366、367、368、369の出力を制御するコントロール信号として利用される。そして各インバータ366、367、368、369の出力(φM0 〜φM3 )のうちの一つが選択されて、フリップフロップ回路37へ出力される。
【0023】
クロック選択信号SPEED1、SPEED1の論理値と基本クロックφM、φM0 〜φM3 の関係および各基本クロックφM、φM0 〜φM3 の波形をそれぞれ図4および図5に示してある。これらの図から分かるように、基本クロックφM、第1基本クロックφM0 が最も高速であり、第2基本クロックφM1 、第3基本クロックφM2 、第4基本クロックφM3 の順番で低速になる。
【0024】
フリップフロップ回路37は3段のDフリップフロップ371、372、373を備えていて、選択回路36により択一的に出力された基本クロックφM0 〜φM3 が、各段のDフリップフロップ371〜373のC入力に入力されている。最終段のDフリップフロップ373のQ出力は、インバータを介して転送/読出しクロックφ1 となり、Qバー出力は、インバータを介して転送/読出しクロックφ1 と半位相ずれた転送/読出しクロックφ2 となる。これらの転送/読出しクロックφ1 、φ2 によって、電荷がCCD転送部303を転送され、読出し部303aから出力される。
【0025】
また、最終段Dフリップフロップ373のQバー出力は、選択回路36のDフリップフロップ361、362のC入力に入力されている。つまり、選択回路36の切換え動作制御のタイミングは、転送/読出しクロックφ2 の立ち下がり(Qバー出力の立ち上がり)に同期している。
【0026】
CPU11が実行するクロック切り換え処理について、さらに、図8〜図10を参照して説明する。なお、図3に示した回路構成では選択回路36は、4種類の第1〜第4クロックφM0 〜φM3 を選択可能である。本実施の形態では、これらのクロックφM0 〜φM3 の中から2つの第1、第2基本クロックφM0 、φM1 を選択し、それぞれを高速クロックおよび低速(標準)クロックとし、両第1、第2基本クロックφM0 、φM1 を切り替えて動作させるものとして以下説明する。
【0027】
図8には、このAFセンサユニット処理のメインフローチャートを示してある。この処理では、ダミー画素群404Ad、404Bd、404Cdの積分値を読み出す際には第1基本クロックφM0 を選択して高速の転送/読出しクロックφ1 、φ2 (第1速度の転送/読出しクロック)で読出し処理をおこない、センサ画素群404A、404B、404Cの積分値を読み出すときには第2基本クロックφM1 を選択して標準速の転送/読出しクロックφ1 、φ2 (第2速度の転送/読出しクロック)で読出し処理を行なうことに特徴がある。
この処理に入ると先ず、基本クロックφM を出力し、A、B、Cstart 画素数をRAMにセットする(S201、S203)。AFセンサユニット30をリセットおよびイニシャライズして積分準備を行なう(S205)。
【0028】
そして、クロック選択信号SPPED1を“1”(論理値1、ハイレベル)にセットし、クロック選択信号SPPED2を“0”(論理値0、ローレベル)にリセットする(S207)。これにより、基本クロックφMが第2基本クロックφM1 に切り換わり、読出しクロックも第2基本クロックφM1 に対応した標準速の転送/読出しクロックφ1 、φ2 に切り換わり、これらのクロックに基づいてAFセンサユニット30の駆動が可能になる。
【0029】
次に、積分をスタートさせるために積分信号φINT をハイレベルに立ち上げる(S209)。これにより各センサ304A、304B、304Cは積分を開始する。CPU11は、積分終了信号φADがローレベルに落ちるのを、つまり積分が終了するのを待つ(S211)。積分が終了すると、この時以降、積分終了信号φADは、転送/読出しクロックφ1 、φ2 に同期したカウントパルスとなり、このカウントパルスφADをカウントすることにより転送画素数を計数できる。
【0030】
積分が終了したら、積分終了フラグFENDintに“1”をセットし、カウントパルスφADの立ち下がりをカウントアップするφADカウンタをスタートさせる(S213、S215)。クロック選択信号SPPED1、2 のぞれぞれに“0”をセットする(S217)。このセットにより、第2基本クロックφM1 から第1基本クロックφM0 に切換わり、転送/読出しクロックφ1 、φ2 も高速に切り換わるので、高速転送が始まる。そして、φADカウンタのカウント値がAスタートポイント数Astart 以上になるのを待つ(S219)。ここで読み出しているのは第1センサダミー画素であるから、そのまま廃棄している。
【0031】
φADカウンタのカウント値がAスタートポイント数Astart 以上になったら、取り込み回数にAsenser_bitをセットし、CCD INサブルーチンをコールして第1基本クロックφM0 から第2基本クロックφM1 に切り換えて、標準速の転送/読出しクロックφ1 、φ2 によって第1センサ受光部A1、A2が積分した各画素信号を取り込む(S221、S223)。
【0032】
CCD INサブルーチンに入ると、クロック選択信号SPPED1に“1”を、クロック選択信号SPPED2に“0”をセットして第2基本クロックφM1 を選択する。この選択によって転送/読出しクロックφ1、φ2も標準速のクロックになり、標準速で転送および読出しが実行される(S301)。
【0033】
そして、カウントパルスφADが“L”レベルに落ちるのを待って、つまりカウントパルスφADに同期して画素信号取り込み処理を行なう(S303)。画素信号取り込み処理では、増幅器325で増幅し、クランプ回路327でクランプされた画素信号を入力し、A/D 変換してRAMの所定のアドレスにメモリする(S305)。そして、取り込み回数を1デクリメントし、デクリメント後の取り込み回数が0になったかどうかをチェックし、0でなければステップS303に戻って、S303、S305の画素信号取り込み処理、S307の取り込み回数デクリメント処理およびS309の取り込み回数チェック処理を実行する。そうして、取り込み回数が0になったら、つまり第1センサ受光部A1、A2の画素信号を取り込んだらSTARTフローのステップS225にリターンする(S309)。
【0034】
ステップS225では、ステップS217と同様に、クロック選択信号SPPED1、2 のぞれぞれに“0”をセットする。このセットにより、第2基本クロックφM1 から第1基本クロックφM0 に切換わり、転送/読出しクロックφ1 、φ2 も高速に切り換わるので、高速転送が始まる。そして、φADカウンタのカウント値がBスタートポイント数Bstart 以上になるのを待つ(S227)。ここで読み出しているのは第2センサダミー画素であるから、そのまま廃棄している。
【0035】
φADカウンタのカウント値がBスタートポイント数Bstart 以上になったら、取り込み回数にBsenser_bitをセットし、CCD INサブルーチンをコールし、第1基本クロックφM0 から第2基本クロックφM1 に切り換えて、標準速の転送/読出しクロックφ1 、φ2 によって第2センサ受光部B1、B2が積分した各画素信号を取り込む(S229、S231)。
【0036】
第2センサ受光部B1、B2の画素信号を取り込んだらSTARTフローのステップS233にリターンして、ステップS217、S225と同様に、クロック選択信号SPPED1、2 のぞれぞれに“0”をセットする。このセットにより、第2基本クロックφM1 から第1基本クロックφM0 に切換わり、転送/読出しクロックφ1 、φ2 も高速に切り換わるので、高速転送が始まる。そして、φADカウンタのカウント値がCスタートポイント数Cstart 以上になるのを待つ(S235)。ここで読み出しているのは第3センサダミー画素であるから、そのまま廃棄している。
【0037】
φADカウンタのカウント値がCスタートポイント数Cstart 以上になったら、取り込み回数にCsenser_bitをセットし、CCD INサブルーチンをコールし、第1基本クロックφM0 から第2基本クロックφM1 に切り換えて、標準速の転送/読出しクロックφ1 、φ2 によって第3センサ受光部C1、C2が積分した各画素信号を取り込む(S237、S239)。
【0038】
第3センサ受光部C1、C2の画素信号を取り込んだらSTARTフローのS241にリターンして、φADカウンタをストップしてS205に戻り、上記S205〜S241の処理を繰り返す。
【0039】
なお、CPU11は、上記S223、S231、S239で取り込んだ各センサ304A、304B、304Cの画素信号に基づいて、所定のデフォーカス量演算処理を行なって、所定のAF処理を実行する。
【0040】
以上の通り本実施の形態では、AFセンサユニット30の転送部303から信号電荷をシリアルに読出す際に、信号電荷が転送部303から読出されている期間は、第2基本クロックφM1 に切り換えて転送/読出しクロックφ1 、φ2 を標準速に切り換えるが、不要電荷であるダミーセンサ画素群の電荷が転送部303から出力されている期間は第1基本クロックφM0 に切り換えて転送/読出しクロックφ1 、φ2 を高速に切り換えるので、読出し時間が短縮される。
【0041】
以上はすべてのセンサ部から信号電荷を取り込む場合の実施の形態であったが、マルチAF処理では、複数のセンサ部の内、撮影者が選択した一部のセンサ部の画素信号(信号電荷)しか使用しないときがある。例えば、本実施の形態において、第3センサ受光部C1、C2の画素信号しか使用しないときがある。かかる場合に、第3センサ受光部C1、C2の画素信号よりも前に出力される第1センサ受光部A1、A2、第2センサ受光部B1、B2の画素信号を取り込んでも無駄である。
【0042】
そこで第2の実施の形態では、取り込まない第1センサ受光部A1、A2、および第2センサ受光部B1、B2の画素信号は、ダミー画素と同様に高速パルスで掃き出すこととした。その処理の一例を、図10に示し、図8に示したステップと同様の処理を実行するステップには同一のステップ番号を付した。なお、第3センサ304Cの選択は、図示しないが、撮影者等によって行なわれ、第3センサ304Cが選択されたときに図10に示したフローチャートに入る。
【0043】
第2の実施の形態は、図8に示したステップのうち、S219〜S233の処理を省略したものと同様であるから、個別のステップの説明は省略し、特徴のみを説明する。
【0044】
積分が終了したら、積分終了フラグFENDintに“1”をセットし、カウントパルスφADの立ち下がりをカウントアップするφADカウンタをスタートさせる(S213、S215)。クロック選択信号SPPED1、2 のぞれぞれに“0”をセットする(S217)。このセットにより、第2基本クロックφM1 から第1基本クロックφM0 に切換わり、転送/読出しクロックφ1 、φ2 も高速に切り換わるので、高速転送が始まる。そして、φADカウンタのカウント値がCスタートポイント数Cstart 以上になるのを待つ(S235)。ここで読み出しているのは第1センサダミー画素信号、第1センサ画素信号、第2センサダミー画素信号、第2センサ画素信号および第3センサダミー画素信号であるから、そのまま廃棄している。
【0045】
φADカウンタのカウント値がCスタートポイント数Cstart 以上になったら、取り込み回数にCsenser_bitをセットし、CCD INサブルーチンをコールして、第1基本クロックφM0 から第2基本クロックφM1 に切り換えて、標準速の転送/読出しクロックφ1 、φ2 によって第3センサ受光部C1、C2が積分した各画素信号を取り込む(S237、S239)。
【0046】
第3センサ受光部C1、C2の画素信号の取り込み処理が終了したら、φADカウンタをストップしてS205に戻り、上記S205〜S217、S235〜S241の処理を繰り返す。
【0047】
以上の通り本第2の実施の形態によれば、第3センサ304Cしか使用しないときには、第1センサAおよび第2センサBの画素信号の読出しは高速クロックで行なうので、第3センサ304Cの画素信号の読出し開始までの時間が短縮される。
【0048】
なお、第2センサ304Bおよび第3センサ304Cが選択されたときには、図8に示したステップの内、ステップS219〜S225をスキップする構成にすれば、第1センサ304Aの画素信号の読出しが高速で行なわれるので、第2センサ304Bおよび第3センサ304Cの読出し終了時間が短縮される。
【0049】
以上の通り第1、第2の実施の形態によれば、一連の電荷読出し処理中に、使用しない電荷を読出しているときには転送/読出しクロックを高速クロックに切り換え、使用する電荷を読出すときは標準速クロックに切り換えるので、読出し時間が短縮され、AFセンサユニット処理時間が短縮される。しかも本実施の形態では、基本クロックφMを分周してクロック速度を変換するが、その場合、転送読出パルスφ1、φ2に同期して切り替えているので、AFセンサユニット処理全体を通しての同期が維持される。
【0050】
【発明の効果】
以上の説明から明らかな通り本発明は、受光部で被写体光を受光し、光電変換して蓄積した複数の画素信号を転送部を段階的に転送して読み出す際に、読み出した画素信号を取込むときには、基本クロックから生成した低速(標準速)の第2速度の転送/読出しクロックで駆動し、それ以外の電荷を読出すときには基本クロックから生成した、第2速度よりも高速である第1速度の転送/読出しクロックにより駆動するので、画素信号の取り込み時間が短縮される。しかも、記転送部から出力された電荷を処理する処理クロックも、転送/読み出しクロックに応じて高速、低速に切り換えるので、画素信号の取り込み時間の短縮を阻害することが無い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した一眼レフカメラの回路構成の要部を示すブロック回路図である。
【図2】同一眼レフカメラのCCDイメージセンサユニットの構成を示す図である。
【図3】同一眼レフカメラのCCD処理回路のタイミング信号生成手段の一実施の形態を示すブロック回路図である。
【図4】同タイミング信号生成手段におけるクロック切り換え信号と基本クロックとの関係を示す図である。
【図5】同タイミング信号生成手段における基本クロックの波形を示す図である。
【図6】同CCD処理回路のタイミングチャートを示す図である。
【図7】本発明のクロック切り換え動作に関するCCD処理回路のタイミングチャートを示す図である。
【図8】本発明の、クロック切り換え動作に関する第1の実施の形態のフローチャートを示す図である。
【図9】CCDイメージセンサユニットから出力された画素信号の取り込み処理に関するフローチャートを示す図である。
【図10】本発明の、クロック切り換え動作に関する第2の実施の形態のフローチャートを示す図である。
【符号の説明】
11 CPU(制御手段)
30 CCDラインセンサユニット
301 ラインセンサ
303 CCD転送部
304A 第1センサ
304B 第2センサ
304C 第3センサ
33 タイミング発生・ドライブ回路(クロック手段、タイミング信号生成手段)
35 分周回路
36 選択回路
37 フリップフロップ回路
Claims (3)
- 被写体光を受光し、光電変換して電荷を蓄積する複数の受光手段を有する受光部、および前記各受光手段が蓄積した電荷を、転送/読出しクロックによって段階的に転送し、出力する転送部を備えたラインセンサと、
一定の基本クロックを出力するクロック手段と、
前記基本クロックに同期して、前記ラインセンサを駆動する、高速の第1速度の転送/読出しクロックと、該第1速度の転送/読出しクロックよりも低速の第2速度の転送/読出しクロックを択一的に生成し、さらに前記転送部から出力された電荷を処理する、高速および低速の処理クロックを生成するタイミング信号生成手段と、
該タイミング信号生成手段が生成する転送/読出しクロックおよび制御クロックを切り換えるクロック切り換え手段と、を備え、
該クロック切り換え手段は、該クロック切り換え手段が切り換えた前記タイミング信号生成手段が生成する前記第1速度または第2速度の転送/読出しクロックを入力して該入力した第1速度または第2速度の転送/読出しクロックにより前記タイミング信号生成手段が生成するクロックを、前記転送部から不要電荷を出力する期間は第1速度の転送/読出しクロックに切り換えるとともに前記処理クロックを高速のクロックに切り換え、有用電荷を出力する期間は前記第2速度の転送/読出しクロックに切り換えるとともに前記処理クロックを低速のクロックに切り換えることを特徴とする焦点検出用センサ制御装置。 - 請求項1記載の焦点検出用センサ制御装置において、前記転送部は連続的な一本のCCD転送部からなり、前記受光部は、互いに離反した複数の受光部からなること、を特徴とする焦点検出用センサ制御装置。
- 請求項2記載の焦点検出用センサ制御装置において、前記クロック切り換え手段は、前記転送部から焦点検出に使用する前記有用電荷を読出す期間は前記第2速度の転送/読出しクロックに切り換えるとともに前記処理クロックを低速のクロックに切り換え、それ以外の期間は前記第1速度の転送/読出しクロックに切り換えるとともに前記処理クロックを低速のクロックに切り換えること、を特徴とする焦点検出用センサ制御装置。
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