JP3880918B2 - ドアラッチ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両ドアのラッチ機構の解除動作を行うため、インサイドハンドルあるいはアウトサイドハンドルの開操作をケーブルの引張作動によってラッチ機構に伝達するドアラッチ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、リアサイドドアに設けられているドアラッチ装置は、車体に固定したストライカと係合してリアサイドドアを閉塞状態とするラッチ機構を備えている。このドアラッチ装置は、ラッチ機構を解除するため、リアサイドドアのインサイドパネルに設けたインサイドハンドルの開操作、あるいはリアサイドドアのアウトサイドパネルに設けたアウトサイドハンドルの開操作を撓曲可能なケーブルの引張作動で伝達する。
【0003】
上記ケーブルは、ラッチ機構側と各ハンドル側との間を連結するインナーケーブルと、インナーケーブルを外装するとともに両端部を固定したアウターチューブとからなる。アウターチューブは、湾曲部を形成してリアサイドドア内の領域を迂回して配置してある。湾曲部は、衝突などでリアサイドドアが変形してアウターチューブの配置が変わっても、インナーケーブルを介してインサイドハンドルおよびアウトサイドハンドルの開操作がラッチ機構に伝達できるように作用する(例えば、特許文献1〜4参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−242508号公報
【特許文献2】
特開平11−125046号公報
【特許文献3】
実用新案登録第2566840号公報
【特許文献4】
実開平4−43670号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述したドアラッチ装置では、解除手段がラッチ機構のラチェットを揺動操作することで、ラッチ機構のラッチからストライカが離脱可能となって解除動作がなされる。解除手段には、ラチェットを揺動操作するためにインサイドハンドルやアウトサイドハンドルからの開操作をケーブルを介して伝達される揺動可能なオープンレバーが設けてある。また、ラッチおよびラチェットは互いに平行な関係にある軸によってそれぞれ揺動可能としてあり、オープンレバーはラチェットを揺動操作するためラッチおよびラチェットの各軸と平行な軸によって揺動可能としてある。そして、オープンレバーは、一定方向の揺動によってラチェットを一定方向に揺動させて解除操作を行う。さらに、オープンレバーは、インサイドハンドルおよびアウトサイドハンドルからぞれぞれ別に開操作を伝達される。よって、オープンレバーを一定方向に揺動させるため、インサイドハンドルまたはアウトサイドハンドルのいずれか一方からの開操作がオープンレバーをリアサイドドアの上方に向けて揺動させる操作となり、いずれか他方からの開操作がオープンレバーをリアサイドドアの下方に向けて揺動させる操作となる。すなわち、インサイドハンドルおよびアウトサイドハンドルの各可動部と、ドアラッチ装置側との間で連結するケーブルは、上記いずれか一方がドアラッチ装置の上方から連結し、いずれか他方がドアラッチ装置の下方から連結する。また、上述した従来のドアラッチ装置では、リアサイドドアへの取り付け位置に制限がある。これは、リアサイドドアの形状が後輪を覆うホイールマウント部に沿って形成してあるためである。
【0006】
したがって、上述した従来のドアラッチ装置において、ドアラッチ装置の下方から連結するケーブルは、必然的にリアサイドドアの下方であってマウント部に沿うように設けられることになる。このため、例えば、衝突などによってマウント部が変形すると、これに沿うリアサイドドアの下方の部分が変形してドアラッチ装置側に支持してあるケーブルの位置が変わり、ハンドルの開操作がないにもかかわらずリアサイドドアが開動作するおそれがあった。
【0007】
また、リアサイドドアに係らず全てのドアにおいて、ドアラッチ装置の下方から連結するケーブルは、インサイドハンドルあるいはアウトサイドハンドルに至る間で車両の上下方向に大きな曲率半径で迂回することとなる。このため、車両の上下方向に大きなケーブル配索領域が必要となる。ケーブル検索領域が大きいと、衝突の影響によってケーブルの位置が変わりハンドルの開操作がないにもかかわらずドアが開動作するおそれがある。
【0008】
本発明は、上記実情に鑑みて、ハンドルの開操作を伝達するケーブルの配置をドアの下方から離れた位置に配置して、ドアの変形によるケーブルへの影響を防ぐことができるドアラッチ装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の請求項1に係るドアラッチ装置は、ラッチボディの前面に配置するラッチフレームの基板部の前面であってラッチボディの水平切欠溝より上方にオープンレバーを備え、複数の操作ハンドルの開操作による各々ケーブルの引張作動によって前記オープンレバーを揺動させ、前記オープンレバーに軸支されたオープン作動レバーを介して、ラチェットと同軸かつ一体に動作するラチェットレバーを揺動させることによりラッチに係合したラチェットを解除動作するようにしたドアラッチ装置において、前記ラッチボディの水平切欠溝より上方で前記ラッチフレームの基板部から前側に突出するように折り曲げた各支持プレートにそれぞれ支持軸を介して揺動可能に支承され、前記各ケーブルの引張作動を前記オープンレバーに伝達する各方向変換部材を備えたことを特徴とする。
【0010】
本発明の請求項2に係るドアラッチ装置は、ラッチボディの前面に配置するラッチフレームの基板部の前面であってラッチボディの水平切欠溝より上方にオープンレバーを備え、インサイドハンドルの開操作による第1ケーブルの引張作動、あるいはアウトサイドハンドルの開操作による第2ケーブルの引張作動によって前記オープンレバーを一定方向に揺動させ、前記オープンレバーに軸支されたオープン作動レバーを介して、ラチェットと同軸かつ一体に動作するラチェットレバーを揺動させることによりラッチに係合したラチェットを解除動作するようにしたドアラッチ装置において、前記ラッチボディの水平切欠溝より上方で前記ラッチフレームの基板部から前側に突出するように折り曲げられた側板部に第1支持軸を介して揺動可能に支承され、前記第1ケーブルの引張作動を前記オープンレバーに伝達するインサイドハンドルレバーと、前記ラッチボディの水平切欠溝より上方で前記ラッチフレームの基板部から前側に突出するように折り曲げられた上板部に第2支持軸を介して揺動可能に支承され、前記第2ケーブルの引張作動を前記オープンレバーに伝達するアウトサイドハンドルレバーとを備えたことを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面を参照して、本発明に係るドアラッチ装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。図1は本発明の実施の形態であるドアラッチ装置を示す前面図、図2はドアラッチ装置を示す右側面図、図3はドアラッチ装置を示す平面図、図4(a)〜(c)はラッチ機構の動作を示す概念図である。
【0012】
本実施の形態にて例示するドアラッチ装置は、四輪自動車の後部座席に配置された前方ヒンジのリアサイドドアD(図10参照)に設けられるものである。このドアラッチ装置は、ラッチ機構1を備えるラッチフレーム2に設けてある。ラッチフレーム2は、例えば板金を折り曲げや穿孔して形成したものであり、前側(車両本体の前側)に対面する基板部2Aと、この基板部2Aの側部から前側に突出するように折り曲げた支持プレートとしての側板部2Bとからなり、上方から見た場合に略L字状をなしている。
【0013】
ラッチ機構1は、主に合成樹脂によって成形したラッチボディ3に収容してある。ラッチボディ3の前面には、ラッチフレーム2の基板部2Aが一体的に取り付けてある。すなわち、基板部2Aは、ラッチボディ3の前側に突出している。ラッチボディ3は、その高さ方向の略中央となる位置に、自動車の室内側から室外側に向けて略水平方向に延在する水平切欠溝3aを有している。
【0014】
ラッチ機構1は、従前のものと同様に、四輪自動車の車両本体側に設けたストライカS(図4(a)〜(c)参照)を噛合保持するためのもので、ラッチ4とラチェット5とを備えて構成してある。
【0015】
図4(a)に示すように、ラッチ4は、ラッチボディ3の水平切欠溝3aよりも上方となる位置に、車両本体の前後方向に沿って略水平に延在するラッチ軸6を介して揺動可能に設けたもので、噛合溝4a、フック部4bおよび係止部4cを有している。
【0016】
噛合溝4aは、ラッチ4の外周面からラッチ軸6に向けて形成したもので、ストライカSを収容することのできる幅に形成してある。
【0017】
フック部4bは、ラッチ軸6を中心にしてラッチ4を揺動させ、噛合溝4aを下方に向けて開口させた場合に、当該噛合溝4aよりも室内側に位置する部分である。このフック部4bは、図4(c)に示すように、ラッチ4を反時計回りに揺動させた場合にラッチボディ3の水平切欠溝3aを横切る位置(ラッチ位置)で停止する。一方、フック部4bは、図4(a)に示すように、ラッチ4を時計回りに揺動させた場合に水平切欠溝3aを開放する位置(開放位置)で停止する。
【0018】
係止部4cは、ラッチ軸6を中心にしてラッチ4を揺動させ、噛合溝4aを下方に向けて開口させた場合に当該噛合溝4aよりも室外側に位置する部分である。この係止部4cは、図4(a)に示すように、ラッチ4を時計回りに揺動させた場合に水平切欠溝3aを横切り、且つ、当該水平切欠溝3aの奥方(室外側)に向けて漸次上方に傾斜する状態で停止するように構成してある。なお、図には明示していないが、ラッチ4とラッチボディ3との間には、図4においてラッチ4を常時時計回りに向けて付勢するラッチバネが設けてある。
【0019】
ラチェット5は、ラッチボディ3の水平切欠溝3aよりも下方で、且つ、ラッチ軸6よりも室内側となる位置に、車両本体の前後方向に沿って略水平に延在するラチェット軸7を介して揺動可能に設けたもので、係合部5aおよび作用部5bを有している。
【0020】
係合部5aは、ラチェット軸7から室外側に向けて径外方向に延在する部分である。この係合部5aは、ラチェット5が図4において反時計回りに揺動した場合にその端面を介して上述したラッチ4のフック部4bおよび係止部4cに係合することが可能である。
【0021】
作用部5bは、ラチェット軸7から室内側に向けて径外方向に延在する部分である。この作用部5bは、連結ピン8を介してラチェットレバー9と連結してある。ラチェットレバー9は、ラッチフレーム2の基板部2Aの前側(車両本体の前側)に設けてありラチェット軸7の軸心回りに揺動するものである。すなわち、ラチェット5およびラチェットレバー9は、互いに一体的となってラチェット軸7の軸心回りに揺動する。また、図には明示していないが、ラチェット5とラッチボディ3との間には、図4においてラチェット5(およびラチェットレバー9)を常時反時計回りに向けて付勢するラチェットバネが設けてある。
【0022】
上記のように構成したラッチ機構1では、リアサイドドアDが車両本体に対して開成状態にある場合、図4(a)に示すように、ラッチ4が開放位置に配置されることになる。この状態からリアサイドドアDを閉動作させると、車両本体側に設けたストライカSがラッチ4の係止部4cに当接することになる。この結果、ラッチ4がラッチバネ(図示せず)の弾性力に抗して図4において反時計回りに揺動する。この間、ラチェット5は、ラチェットバネ(図示せず)の弾性力によって係合部5aの端面がラッチ4の外周面に摺接することになり、当該ラッチ4の外周面形状に応じて適宜ラチェット軸7の軸心回りに揺動する。
【0023】
そして、上述した状態からさらにリアサイドドアDを閉動作すると、水平切欠溝3aに対するストライカSの進入量が漸次増大するため、ストライカSに押されたラッチ4が反時計回りにさらに揺動する。やがて、図4(b)に示すように、ラッチ4の噛合溝4aがラチェット5の係合部5aに至る。この状態においては、ラッチ4の係止部4cがラチェット5の係合部5aの端面に当接することになるため、ラッチバネ(図示せず)の弾性復元力に抗して当該ラッチ4の時計回りの揺動が阻止されることになる。しかも、ラッチ4のフック部4bが水平切欠溝3aを横切るように配置されるため、当該フック部4bによってストライカSが水平切欠溝3aから離脱する方向に移動する事態、つまりリアサイドドアDの車両本体に対する開動作が阻止されるようになる(ハーフラッチ状態)。
【0024】
続いて、ハーフラッチ状態からリアサイドドアDをさらに閉動作させると、水平切欠溝3aを進入するストライカSにより、係止部4cを介してラッチ4が反時計回りにさらに揺動する。やがて、図4(c)に示すように、ストライカSが水平切欠溝3aに至る。この間、ラチェット5は、係合部5aの上面にラッチ4のフック部4bが当接することによりラチェットバネ(図示せず)の弾性力に抗して図4において時計回りに揺動し、ラッチ4のフック部4bが通過した時点でラチェットバネ(図示せず)の弾性復元力により直ちに反時計回りに揺動するようになる。この結果、図4(c)に示すように、ラッチ4のフック部4bがラチェット5の係合部5aの端面に当接することになるため、ラッチバネ(図示せず)の弾性復元力に抗して当該ラッチ4の時計回りの揺動が阻止されることになる。この状態においても、ラッチ4のフック部4bが水平切欠溝3aを横切るように配置されるため、当該フック部4bによってストライカSが水平切欠溝3aの奥方(室外側)から離脱する方向に移動する事態が阻止されるようになり、結局、リアサイドドアDが車両本体に対して閉じた状態に維持される(フルラッチ状態)。
【0025】
さらに、上述したフルラッチ状態からラチェットバネ(図示せず)の弾性力に抗してラチェット5の作用部5bもしくはラチェットレバー9をラチェット軸7を軸心に時計回りに揺動させる。これにより、ラッチ4のフック部4bとラチェット5の係合部5aとの当接係合状態が解除され、ラッチ4がラッチバネ(図示せず)の弾性復元力により図4において時計回りに揺動する。この結果、図4(a)に示すように、水平切欠溝3aが開放され、ストライカSが水平切欠溝3aから離脱する方向に移動可能となり、リアサイドドアDを車両本体に対して開動作させることができるようになる。
【0026】
図1〜図3に示すように、ラッチフレーム2の基板部2Aの前側(車両本体の前側)には、解除手段11およびロック機構21が設けてある。
【0027】
解除手段11は、上述したラチェットレバー9を時計回りに揺動させてラッチ機構1のフルラッチ状態あるいはハーフラッチ状態を解除し、リアサイドドアDを車両本体に対して開動作できるようにするものであり、オープンレバー12およびオープン作動レバー13を有している。なお、ラチェットレバー9は、ラチェット軸7を介してラッチフレーム2の基板部2Aの前側にてラチェット軸7を軸心に揺動可能に設けてあり、解除手段11にかかわる作用端部9aと、ラチェット5の作用部5bに連結ピン8で連結した連結端部9bとを有している。
【0028】
オープンレバー12は、図1に示すように、ラッチフレーム2の基板部2Aの前側において上方に設けてある。オープンレバー12は、基板部2Aに対してオープンレバー軸14を介して揺動可能に設けてある。オープンレバー軸14には、オープンレバーバネ15が巻装してある。オープンレバーバネ15は、一端15aがラッチフレーム2側に係合してあり、他端15bがオープンレバー12側に係合している。これにより、オープンレバーバネ15は、オープンレバー12を図1において常時反時計回りに向けて付勢する。
【0029】
オープンレバー12は、一方のオープン作用端部12a、他方のオープン作用端部12bおよびオープン連結端部12cを有している。一方のオープン作用端部12aは、図1において上方に向けて延在してある。この一方のオープン作用端部12aは、アウトサイドハンドル55(図10参照)の開操作にかかわる。また、他方のオープン作用端部12bは、図1において左側方であってラッチフレーム2の側板部2Bに向けて延在してある。この他方のオープン作用端部12bは、操作ハンドルとしてのインサイドハンドル53(図10参照)の開操作にかかわる。また、オープン連結端部12cは、図1において右側方に向けて延在してある。このオープン連結端部12cは、オープン作動レバー13に連結している。
【0030】
オープン作動レバー13は、図1においてラッチフレーム2の基板部2Aの右側に設けてあり、上方から下方に向けて長手状に延在してある。オープン作動レバー13の上端13aは、オープンレバー12のオープン連結端部12cに対して枢軸16を介して軸支した状態で連結してある。また、オープン作動レバー13の左側部には、作動部13bが下方に向けて延在してある。この作動部13bは、ラチェットレバー9の作用端部9aにかかわる。また、オープン作動レバー13の下端13cには、弧状の長穴13dが設けてある。この長穴13dは、ロック機構21側に係合している。
【0031】
上記のように構成した解除手段11は、図5に示すように、オープンレバー12をオープンレバーバネ15の弾性力に抗して時計回りに揺動させると、オープン連結端部12cの揺動軌跡に従ってオープン作動レバー13が下方に移動する。オープン作動レバー13は、上端13aがオープン連結端部12cに軸支され、且つ、下端13cの長穴13dによって案内された状態で下方に向けて平行移動する。この移動に伴い、オープン作動レバー13の作動部13bがラチェットレバー9の作用端部9aに当接しつつ当該ラチェットレバー9をラチェット軸7の軸心として時計回りに揺動させる。これにより、ラチェットレバー9とラチェット5が一体的に揺動し、フルラッチ状態あるいはハーフラッチ状態にあるラッチ機構1において、図4(a)のごとくラッチ4のフック部4bとラチェット5の係合部5aとの当接係合状態を解除し、リアサイドドアDを車両本体に対して開動作させることができるようになる。
【0032】
次に、ロック機構21は、上述した解除手段11の作用をラチェットレバー9に伝達不能としてラッチ機構1のフルラッチ状態をロック(維持)できるようにするものであり、ロック操作レバー22、ロックレバー23およびロック作動レバー24を有している。
【0033】
ロック操作レバー22は、図2に示すように、ラッチフレーム2の側板部2Bの下方に設けてある。ロック操作レバー22は、側板部2Bの面に対して揺動可能に軸支してある。ロック操作レバー22は、ドアロックハンドル51(図10参照)にかかわる上端22aと、ロックレバー23に係合した下端22bとを延在してある。なお、ラッチフレーム2の側板部2Bにおいて、ロック操作レバー22の上端22aの前側(車両本体の前側)には、ケーブル固定部2Baが設けてある。
【0034】
ロックレバー23は、図2に示すように、ラッチフレーム2の側板部2Bの下方に取り付けた電動ユニット25に設けてある。ロックレバー23は、略L字状をなしており、その一端23aが上方に延在し、他端23bがラッチフレーム2の基板部2A方向に延在してある。ロックレバー23の一端23aは、ロック操作レバー22の下端22bに係合している。ロック操作レバー22の下端22bには略U字状の係合溝22cが設けてあり、ロックレバー23の一端23aには係合ピン23cが設けてある。そして、係合溝22cへの係合ピン23cの挿入によって、ロック操作レバー22の下端22bと、ロックレバー23の一端23aとの係合がなされている。また、ロックレバー23の他端23bは、ロック作動レバー24に係合している。
【0035】
ロック作動レバー24は、図1に示すように、ラッチフレーム2の基板部2Aの下方に設けてある。ロック作動レバー24は、基板部2Aに対してロック作動レバー軸26を介して揺動可能に設けてある。ロック作動レバー24は、略L字状をなしており、その一端24aが図1において左側方に延在し、他端24bが略上方に延在してある。ロック作動レバー24の一端24aは、ロックレバー23の他端23bに係合している。ロックレバー23の他端23bは棒状に形成してあり、ロック作動レバー24の一端24aには係合穴24cが設けてある。そして、係合穴24cへのロックレバー23の他端23bの挿入によって、ロックレバー23の他端23bとロック作動レバー24の一端24aとの係合がなされている。また、ロック作動レバー24の他端24bには、係合片24dが設けてある。この係合片24dは、解除手段11のオープン作動レバー13に設けた長穴13dに挿通係合している。
【0036】
なお、ロック作動レバー24には、ラッチフレーム2の基板部2Aに穿設してある規制穴2Aaに挿通した規制突起24eが設けてある。規制突起24eは、ロック作動レバー24の揺動に際して規制穴2Aaの範囲内で移動し、ロック作動レバー24の揺動角度を所定の角度に規制する。また、図には明示していないが、ロック作動レバー24の一端24a側と、ラッチフレーム2の基板部2Aとの間には、ロック作動レバー24の揺動に際し、上記規制穴2Aaおよび規制突起24eによって規制されたロック作動レバー24の双方の揺動方向に対して当該ロック作動レバー24を付勢する切り替えバネが設けてある。
【0037】
上記のように構成したロック機構21は、図6に示すように、ロック操作レバー22を反時計回りに揺動させると、ロックレバー23が追従して反時計回りに揺動する。このロックレバー23の揺動に伴い、図7に示すように、ロック作動レバー24が反時計回りに揺動する。このとき、ロック作動レバー24は、規制穴2Aaおよび規制突起24eによって反時計回りの揺動角度が規制されて停止する。そして、ロック作動レバー24が反時計回りに揺動すると、オープン作動レバー13が枢軸16を軸心として時計回りに揺動する。オープン作動レバー13が時計回りに揺動すると、オープン作動レバー13の作動部13bが図7のごとく左側に移動する。この状態において、上述のごとく解除手段11を動作させると、オープン作動レバー13が図7において二点鎖線で示すように平行移動するが、作動部13bはラチェットレバー9の作用端部9aに当接することがなく、ラッチ4のフック部4bとラチェット5の係合部5aとの当接係合状態も解除されない。この結果、リアサイドドアDが車両本体に対して閉じた状態に保持されることになり、車両を施錠することが可能になる(ロック状態)。
【0038】
また、上述したロック状態からロック操作レバー22を時計回りに揺動させると、ロックレバー23が追従して時計回りに揺動する。このロックレバー23の揺動に伴い、図1に示すように、ロック作動レバー24が時計回りに揺動する。このとき、ロック作動レバー24は、規制穴2Aaおよび規制突起24eによって時計回りの揺動角度が規制されて停止する。そして、ロック作動レバー24が時計回りに揺動すると、オープン作動レバー13が枢軸16を軸心として反時計回りに揺動する。オープン作動レバー13が反時計回りに揺動すると、オープン作動レバー13の作動部13bが図1のごとく右側に移動する。この状態において、上述のごとく解除手段11を動作させると、図5に示すように、平行移動したオープン作動レバー13の作動部13bがラチェットレバー9の作用端部9aに当接してラッチ4のフック部4bとラチェット5の係合部5aとの当接係合状態を解除し、リアサイドドアDを車両本体に対して開動作させることが可能になる(アンロック状態)。
【0039】
なお、図には明示しないが、電動ユニット25には、モータおよび該モータによって駆動するギアなどが内装してある。そしてモータの駆動によってロックレバー23を上述したロック状態あるいはアンロック状態の位置に揺動させることが可能となっている。すなわち、電動ユニット25によりロック状態あるいはアンロック状態とすることが可能である。また、ロック操作レバー22からの操作によるロック状態を電動ユニット25によってアンロック状態としたり、ロック操作レバー22からの操作によるアンロック状態を電動ユニット25によってロック状態とすることが可能であり、且つ、これらの逆の動作も可能である。
【0040】
図1〜図3に示すように、ラッチフレーム2の側板部2Bの上方には、インサイドハンドル連係手段31が設けてある。インサイドハンドル連係手段31は、インサイドハンドル53(図10参照)の開操作を解除手段11のオープンレバー12に伝達するためのものであり、インサイドハンドルレバー32(方向変換部材)、インサイドハンドル作用レバー33およびインサイドハンドルロックレバー34を有している。
【0041】
インサイドハンドルレバー32は、図2に示すように、側板部2Bの面に対して第1支持軸(支持軸)としてのインサイドハンドルレバー軸35を軸心にして揺動可能に支承してある。インサイドハンドルレバー32は、インサイドハンドルレバー軸35の径外方向であり図2において略上方に延在した連結部32aを形成してある。この連結部32aは、インサイドハンドル53にかかわる。また、インサイドハンドルレバー32は、インサイドハンドルレバー軸35の径外方向であり図2において略前側に延在しつつその下端に平端縁を形成した略くちばし形状の当接部32bを形成してある。この当接部32bは、インサイドハンドル作用レバー33にかかわる。なお、ラッチフレーム2の側板部2Bにおいて、インサイドハンドルレバー32の連結部32aの前側(車両本体の前側)には、ケーブル固定部2Bbが設けてある。
【0042】
インサイドハンドル作用レバー33は、図2に示すように、上記インサイドハンドルレバー32に重合し、側板部2Bの面に対してインサイドハンドルレバー軸35を軸心にして揺動可能に設けてある。インサイドハンドル作用レバー33は、インサイドハンドルレバー軸35の径外方向であり図2において略前側に延在した部分に、図1において右側に突設した当接ピン33aを形成してある。この当接ピン33aには、その上側からインサイドハンドルレバー32の当接部32bが当接可能となっている。また、インサイドハンドル作用レバー33は、インサイドハンドルレバー軸35の径外方向であり図2において略後側に延在した部分に、図1において右側に突設した作動片33bを形成してある。この作動片33bは、上述した解除手段11におけるオープンレバー12の他方のオープン作用端部12bにかかわる。また、インサイドハンドル作用レバー33は、インサイドハンドルレバー軸35を受ける軸穴33cを、図2において略後側に延びる長穴として形成してある。
【0043】
インサイドハンドルロックレバー34は、図2および図3に示すように、側板部2Bの上方であって、側板部2Bを介在してインサイドハンドル作用レバー33と対向するように設けてある。インサイドハンドルロックレバー34は、インサイドハンドルレバー軸35の下方位置にて側板部2Bの面に対して揺動可能に軸支してある。インサイドハンドルロックレバー34は、弧状をなす長穴34aをインサイドハンドル作用レバー33に設けた係合ピン33dに係合している。また、インサイドハンドルロックレバー34は、図1および図3に示すように、左側に延在する操作ピン34bを形成してある。
【0044】
上記のように構成したインサイドハンドル連係手段31は、図8に示すように、インサイドハンドルレバー32をインサイドハンドルレバー軸35を軸心として反時計回りに揺動させると、インサイドハンドルレバー32の当接部32bがインサイドハンドル作用レバー33の当接ピン33aに当接する。そして、さらにインサイドハンドルレバー32を反時計回りに揺動させると、インサイドハンドル作用レバー33が共に反時計回りに揺動する。このとき、インサイドハンドル作用レバー33の作動片33bがオープンレバー12の他方のオープン作用端部12bを上方に押し上げ、図5のごとくオープンレバー12を時計回りに揺動させる。この結果、上述のごとく解除手段11が作動してラッチ機構1のラッチ4のフック部4bとラチェット5の係合部5aとの当接係合状態を解除し、リアサイドドアDを車両本体に対して開動作させることが可能になる。
【0045】
また、図6に示すように、インサイドハンドルロックレバー34を反時計回りに揺動させると、長穴34aに係合する係合ピン33dが図6における前側に引かれてインサイドハンドル作用レバー33が軸穴33cの範囲内で図6における前側に移動する。この状態において、上述のごとくインサイドハンドルレバー32を反時計回りに揺動させても、当接部32bがインサイドハンドル作用レバー33の当接ピン33aに当接しない。すなわち、インサイドハンドル作用レバー33が揺動することなく、ラッチ4のフック部4bとラチェット5の係合部5aとの当接係合状態も解除されない。この結果、インサイドハンドルレバー32の揺動操作に関してリアサイドドアDが車両本体に対して閉じた状態に保持されることになる。
【0046】
このように、インサイドハンドル連係手段31は、基板部2A(ラッチボディ3)から車両本体の前側に突出する側板部2Bに設けたインサイドハンドルレバー32の揺動によってオープンレバー12を揺動操作する。なお、側板部2Bは、オープンレバー12を設けた基板部2Aから前側に突出している。このため、基板部2Aにあるオープンレバー軸14に対して、側板部2Bにあるインサイドハンドルレバー軸35の向き(位相)が異なる。これにより、インサイドハンドルレバー32の連結部23aを前側に揺動することで、ラッチ機構1を解除するオープンレバー12が一定方向に揺動する。
【0047】
図1〜図3に示すように、ラッチフレーム2の基板部2Aの上方には、アウトサイドハンドル連係手段41が設けてある。アウトサイドハンドル連係手段41は、操作ハンドルとしてのアウトサイドハンドル55(図10参照)の開操作を解除手段11のオープンレバー12に伝達するためのものであり、アウトサイドハンドルレバー42(方向変換部材)を有している。
【0048】
アウトサイドハンドルレバー42は、基板部2Aに対し補助フレーム43を介して設けてある。この補助フレーム43は、基板部2Aに対面する固定部43Aと、この固定部43Aの上端から前側(車両本体の前側)に突出するように折り曲げた支持プレートとしての上板部43Bとにより、図2に示すように略L字状に形成してある。すなわち、上板部43Bは、ラッチボディ3の前側に突出している。アウトサイドハンドルレバー42は、上板部43Bの下面に取り付けてある。なお、支持プレートとしての上板部43Bは、ラッチフレーム2の基板部2Aの上端から連なり、前側(車両本体の前側)に折り曲げてなるものであってもよい。
【0049】
アウトサイドハンドルレバー42は、上板部43Bの面に対して、第2支持軸(支持軸)としてのアウトサイドハンドルレバー軸44を軸心にして揺動可能に支承してある。アウトサイドハンドルレバー42は、アウトサイドハンドルレバー軸44の径外方向であり図3において略右側方に延在した連結部42aを形成してある。連結部42aには、長穴をなす連結穴42cが形成してある。この連結部42aは、アウトサイドハンドルにかかわる。また、アウトサイドハンドルレバー42は、アウトサイドハンドルレバー軸44の径外方向であり図3において略後側(基板部2A側)に延在しつつその先端左側にて下方に折り曲げた作動片42bを形成してある。この作動片42bは、上述した解除手段11におけるオープンレバー12の一方のオープン作用端部12aにかかわる。なお、上板部43Bにおいて、アウトサイドハンドルレバー42の連結部42aの前側(車両本体の前側)には、ケーブル固定部43Baが設けてある。
【0050】
上記のように構成したアウトサイドハンドル連係手段41は、図9に示すように、アウトサイドハンドルレバー42をアウトサイドハンドルレバー軸44を軸心として時計回りに揺動させると、作動片42bがオープンレバー12の一方のオープン作用端部12aに当接する。そして、さらにアウトサイドハンドルレバー42を時計回りに揺動させると、図5のごとくオープンレバー12を時計回りに揺動させる。この結果、上述のごとく解除手段11が作動してラッチ機構1のラッチ4のフック部4bとラチェット5の係合部5aとの当接係合状態を解除し、リアサイドドアDを車両本体に対して開動作させることが可能になる。
【0051】
このように、アウトサイドハンドル連係手段41は、基板部2A(ラッチボディ3)から車両本体の前側に突出する上板部43Bに設けたアウトサイドハンドルレバー42の揺動によってオープンレバー12を揺動操作する。なお、上板部43Bは、オープンレバー12を設けた基板部2Aから前側に突出している。このため、基板部2Aにあるオープンレバー軸14に対して、上板部43Bにあるアウトサイドハンドルレバー軸44の向き(位相)が異なる。これにより、アウトサイドハンドルレバー42の連結部42aを前側に揺動することで、ラッチ機構1を解除するオープンレバー12が一定方向に揺動する。
【0052】
図10は上述したドアラッチ装置をリアサイドドアに取り付けた状態の室外側から見た側面図である。図10に示すように、ドアラッチ装置は、ラッチ機構1をリアサイドドアDの開閉端(車両本体の後側の端部)の位置にしてリアサイドドアDに取り付けてある。
【0053】
一方、ロック機構21におけるロック操作レバー22の上端22aと、リアサイドドアDにおけるインサイドに設けてあるドアロックハンドル51との間は、撓曲可能なケーブル52で連結してある。ケーブル52は、インナーケーブル52aをアウターチューブ52bで内装してある。そして、インナーケーブル52aの一端をロック操作レバー22の上端22aに固定し、他端をドアロックハンドル51側の可動部(図示せず)に固定してある。アウターチューブ52bは、一端をケーブル固定部2Baに固定し、他端をドアロックハンドル51の近傍のリアサイドドアD側に固定してある。また、アウターチューブ52bは、湾曲部Wを形成してリアサイドドアD内の領域にインナーケーブル52aを案内している。すなわち、ドアロックハンドル51を操作することにより、ケーブル52(インナーケーブル52a)を介してロック操作レバー22が揺動操作されてロック機構21が動作することになる。
【0054】
また、インサイドハンドル連係手段31におけるインサイドハンドルレバー32の連結部32aと、リアサイドドアDにおけるインサイドに設けてあるインサイドハンドル53との間は、撓曲可能な第1ケーブルとしてのケーブル54で連結してある。ケーブル54は、ケーブル52と同様にインナーケーブル54aをアウターチューブ54bで内装してある。そして、インナーケーブル54aの一端をインサイドハンドルレバー32の連結部32aに固定し、他端をインサイドハンドル53側の可動部(図示せず)に固定してある。アウターチューブ54bは、一端をケーブル固定部2Bbに固定し、他端をインサイドハンドル53の近傍のリアサイドドアD側に固定してある。また、アウターチューブ54bは、湾曲部Wを形成してリアサイドドアD内の領域にインナーケーブル54aを案内している。すなわち、インサイドハンドル53を開操作したケーブル54(インナーケーブル54a)の引張作動によりインサイドハンドルレバー32が揺動操作されてラッチ機構1を解除することになる。
【0055】
インサイドハンドル連係手段31は、ラッチ機構1に一体的となるラッチフレーム2の上方位置、すなわちラッチボディ3の上方に配置されている。よって、インサイドハンドル連係手段31は、リアサイドドアDに対するドアラッチ装置の取り付け位置に係る上方であって、後輪のホイールマウント部Hから遠ざかる位置にある。さらに、インサイドハンドルレバー32は、ケーブル54が連結する連結部32aを前側に揺動するように設けてあるので、ケーブル54が車両本体の前側に向かって引き出される態様でリアサイドドアD内の領域に案内されることになる。
【0056】
したがって、例えば、衝突などによってホイールマウント部Hが変形しても、ケーブル54が連結するインサイドハンドル連係手段31側にその影響がないので、インサイドハンドル53の開操作がないにもかかわらずリアサイドドアDが開動作する事態を防ぐことが可能である。また、上記衝突などでホイールマウント部Hが変形してもインサイドハンドル53の開操作の伝達を円滑に行うことが可能である。
【0057】
また、上記のごとくケーブル54が車両本体の前側に向かって引き出される態様でリアサイドドアD内の領域に案内されるので、図10に示すように、ドアラッチ装置の前方から連結するケーブル54は、インサイドハンドル53に至る間で車両の上下方向に大きな曲率半径となる。このため、車両の上下方向に大きなケーブル配索領域が不要となる。したがって、例えば、衝突(側突)などによってリアサイドドアDが変形してもケーブル54の位置が変わるなどの影響がないので、インサイドハンドル53の開操作がないにもかかわらずリアサイドドアDが開動作する事態を防ぐことが可能である。なお、車両の上下方向に大きなケーブル配索領域を不要とする上記構成は、本実施の形態で説明したリアサイドドアDに係らず全てのドアにおいて有効的である。
【0058】
また、アウトサイドハンドル連係手段41におけるアウトサイドハンドルレバー42の連結部42aと、リアサイドドアDにおけるアウトサイドに設けてあるアウトサイドハンドル55との間は、撓曲可能な第2ケーブルとしてのケーブル56で連結してある。ケーブル56は、ケーブル52,54と同様にインナーケーブル56aをアウターチューブ56bで内装してある。そして、インナーケーブル56aの一端をアウトサイドハンドルレバー42の連結部42aに固定し、他端をアウトサイドハンドル55側の可動部55aに固定してある。アウターチューブ56bは、一端をケーブル固定部43Baに固定し、他端をアウトサイドハンドル55の近傍のリアサイドドアD側に固定してある。また、アウターチューブ56bは、湾曲部Wを形成してリアサイドドアD内の領域を迂回しつつインナーケーブル56aを案内している。すなわち、アウトサイドハンドル55を開操作したケーブル56(インナーケーブル56a)の引張作動によりアウトサイドハンドルレバー42が揺動操作されてラッチ機構1を解除することになる。
【0059】
アウトサイドハンドル連係手段41は、ラッチ機構1に一体的となるラッチフレーム2の上方位置、すなわちラッチボディ3の上方に配置されている。よって、アウトサイドハンドル連係手段41は、リアサイドドアDに対するドアラッチ装置の取り付け位置に係る上方であって、後輪のホイールマウント部Hから遠ざかる位置にある。さらに、アウトサイドハンドルレバー42は、ケーブル56が連結する連結部42aを前側に揺動するように設けてあるので、ケーブル56が車両本体の前側に向かって引き出される態様でリアサイドドアD内の領域を迂回することになる。
【0060】
したがって、例えば、衝突などによってホイールマウント部Hが変形しても、ケーブル56が連結するアウトサイドハンドル連係手段41側にその影響がないので、アウトサイドハンドル55の開操作がないにもかかわらずリアサイドドアDが開動作する事態を防ぐことが可能である。また、上記衝突などでホイールマウント部Hが変形してもアウトサイドハンドル55の開操作の伝達を円滑に行うことが可能である。
【0061】
また、上記のごとくケーブル56が車両本体の前側に向かって引き出される態様でリアサイドドアD内の領域を迂回するので、図10に示すように、ドアラッチ装置の前方から連結するケーブル56は、アウトサイドハンドル55に至る間で車両の上下方向に小さな曲率半径で迂回する。このため、車両の上下方向に大きなケーブル配索領域が不要となる。したがって、例えば、衝突(側突)などによってリアサイドドアDが変形してもケーブル56の位置が変わるなどの影響がないので、アウトサイドハンドル55の開操作がないにもかかわらずリアサイドドアDが開動作する事態を防ぐことが可能である。なお、車両の上下方向に大きなケーブル配索領域を不要とする上記構成は、本実施の形態で説明したリアサイドドアDに係らず全てのドアにおいて有効的である。
【0062】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の請求項1に係るドアラッチ装置によれば、ラッチボディの前面に配置するラッチフレームの基板部の前面であってラッチボディの水平切欠溝より上方にオープンレバーを備え、複数の操作ハンドルの開操作による各々ケーブルの引張作動によって前記オープンレバーを揺動させ、前記オープンレバーに軸支されたオープン作動レバーを介して、ラチェットと同軸かつ一体に動作するラチェットレバーを揺動させることによりラッチに係合したラチェットを解除動作するようにしたドアラッチ装置において、ラッチボディの水平切欠溝より上方でラッチフレームの基板部から前側に突出するように折り曲げた各支持プレートにそれぞれ支持軸を介して揺動可能に支承され、各ケーブルの引張作動をオープンレバーに伝達する各方向変換部材を備えている。これにより、各ケーブルが車両本体の前側に向かって引き出される態様でドア内の領域を迂回し、車両の上下方向に大きなケーブル配索領域が不要となる。したがって、例えば、衝突(側突)などによってドアが変形してもケーブルの位置が変わるなどの影響がないので、操作ハンドルの開操作がないにもかかわらずドアが開動作する事態を防ぎ、且つ、操作ハンドルの開操作の伝達を円滑に行うことが可能である。
【0063】
本発明の請求項2に係るドアラッチ装置によれば、ラッチボディの前面に配置するラッチフレームの基板部の前面であってラッチボディの水平切欠溝より上方にオープンレバーを備え、インサイドハンドルの開操作による第1ケーブルの引張作動、あるいはアウトサイドハンドルの開操作による第2ケーブルの引張作動によって前記オープンレバーを一定方向に揺動させ、前記オープンレバーに軸支されたオープン作動レバーを介して、ラチェットと同軸かつ一体に動作するラチェットレバーを揺動させることによりラッチに係合したラチェットを解除動作するようにしたドアラッチ装置において、ラッチボディの水平切欠溝より上方でラッチフレームの基板部から前側に突出するように折り曲げられた側板部に第1支持軸を介して揺動可能に支承され、第1ケーブルの引張作動を前記オープンレバーに伝達するインサイドハンドルレバーを備えている。これにより、第1ケーブルが、後輪のホイールマウント部から遠ざかる位置にあって車両本体の前側に向かって引き出される態様でドア内の領域に案内されることになる。したがって、例えば、衝突(側突)などによってホイールマウント部が変形しても、第1ケーブルにその影響がないので、インサイドハンドルの開操作がないにもかかわらずドアが開動作する事態を防ぎ、且つ、インサイドハンドルの開操作の伝達を円滑に行うことが可能である。
【0064】
さらに、本発明の請求項2に係るドアラッチ装置によれば、上記構成に加え、ラッチボディの水平切欠溝より上方で前記ラッチフレームの基板部から前側に突出するように折り曲げられた上板部に第2支持軸を介して揺動可能に支承され、第2ケーブルの引張作動を前記オープンレバーに伝達するアウトサイドハンドルレバーを備えている。これにより、第2ケーブルが、後輪のホイールマウント部から遠ざかる位置にあって車両本体の前側に向かって引き出される態様でドア内の領域を迂回することになる。したがって、例えば、衝突(側突)などによってホイールマウント部が変形しても、第2ケーブルにその影響がないので、アウトサイドハンドルの開操作がないにもかかわらずドアが開動作する事態を防ぎ、且つ、アウトサイドハンドルの開操作の伝達を円滑に行うことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態であるドアラッチ装置を示す前面図である。
【図2】ドアラッチ装置を示す右側面図である。
【図3】ドアラッチ装置を示す平面図である。
【図4】(a)〜(c)はラッチ機構の動作を示す概念図である。
【図5】解除手段の動作を示すドアラッチ装置の前面図である。
【図6】ロック機構およびインサイドハンドル連係手段の動作を示すドアラッチ装置の右側面図である。
【図7】ロック機構の動作を示すドアラッチ装置の前面図である。
【図8】インサイドハンドル連係手段の動作を示すドアラッチ装置の右側面図である。
【図9】アウトサイドハンドル連係手段の動作を示すドアラッチ装置の平面図である。
【図10】ドアラッチ装置をドアに取り付けた状態の室外側から見た側面図である。
【符号の説明】
1 ラッチ機構
2 ラッチフレーム
2A 基板部
2Aa 規制穴
2B 側板部(支持プレート)
2Ba ケーブル固定部
2Bb ケーブル固定部
3 ラッチボディ
3a 水平切欠溝
4 ラッチ
4a 噛合溝
4b フック部
4c 係止部
5 ラチェット
5a 係合部
5b 作用部
6 ラッチ軸
6a 係合部
6b 作用部
7 ラチェット軸
8 連結ピン
9 ラチェットレバー
9a 作用端部
9b 連結端部
11 解除手段
12 オープンレバー
12a 一方のオープン作用端部
12b 他方のオープン作用端部
12c オープン連結端部
13 オープン作動レバー
13a 上端
13b 作動部
13c 下端
13d 長穴
14 オープンレバー軸
15 オープンレバーバネ
15a 一端
15b 他端
16 枢軸
21 ロック機構
22 ロック操作レバー
22a 上端
22b 下端
22c 係合溝
23 ロックレバー
23a 一端
23b 他端
23c 係合ピン
24 ロック作動レバー
24a 一端
24b 他端
24c 係合穴
24d 係合片
24e 規制突起
25 電動ユニット
26 ロック作動レバー軸
31 インサイドハンドル連係手段
32 インサイドハンドルレバー(方向変換部材)
32a 連結部
32b 当接部
33 インサイドハンドル作用レバー
33a 当接ピン
33b 作動片
33c 軸穴
33d 係合ピン
34 インサイドハンドルロックレバー
34a 長穴
34b 操作ピン
35 インサイドハンドルレバー軸(第1支持軸)
41 アウトサイドハンドル連係手段
42 アウトサイドハンドルレバー(方向変換部材)
42a 連結部
42b 作動片
42c 連結穴
43 補助フレーム
43A 固定部
43B 上板部(支持プレート)
43Ba ケーブル固定部
44 アウトサイドハンドルレバー軸(第2支持軸)
51 ドアロックハンドル
52 ケーブル
52a インナーケーブル
52b アウターチューブ
53 インサイドハンドル(操作ハンドル)
54 ケーブル(第1ケーブル)
54a インナーケーブル
54b アウターチューブ
55 アウトサイドハンドル(操作ハンドル)
55a 可動部
56 ケーブル(第2ケーブル)
56a インナーケーブル
56b アウターチューブ
D リアサイドドア(ドア)
H ホイールマウント部
S ストライカ
W 湾曲部

Claims (2)

  1. ラッチボディの前面に配置するラッチフレームの基板部の前面であってラッチボディの水平切欠溝より上方にオープンレバーを備え、複数の操作ハンドルの開操作による各々ケーブルの引張作動によって前記オープンレバーを揺動させ、前記オープンレバーに軸支されたオープン作動レバーを介して、ラチェットと同軸かつ一体に動作するラチェットレバーを揺動させることによりラッチに係合したラチェットを解除動作するようにしたドアラッチ装置において、
    前記ラッチボディの水平切欠溝より上方で前記ラッチフレームの基板部から前側に突出するように折り曲げた各支持プレートにそれぞれ支持軸を介して揺動可能に支承され、前記各ケーブルの引張作動を前記オープンレバーに伝達する各方向変換部材を備えたことを特徴とするドアラッチ装置。
  2. ラッチボディの前面に配置するラッチフレームの基板部の前面であってラッチボディの水平切欠溝より上方にオープンレバーを備え、インサイドハンドルの開操作による第1ケーブルの引張作動、あるいはアウトサイドハンドルの開操作による第2ケーブルの引張作動によって前記オープンレバーを一定方向に揺動させ、前記オープンレバーに軸支されたオープン作動レバーを介して、ラチェットと同軸かつ一体に動作するラチェットレバーを揺動させることによりラッチに係合したラチェットを解除動作するようにしたドアラッチ装置において、
    前記ラッチボディの水平切欠溝より上方で前記ラッチフレームの基板部から前側に突出するように折り曲げられた側板部に第1支持軸を介して揺動可能に支承され、前記第1ケーブルの引張作動を前記オープンレバーに伝達するインサイドハンドルレバーと、
    前記ラッチボディの水平切欠溝より上方で前記ラッチフレームの基板部から前側に突出するように折り曲げられた上板部に第2支持軸を介して揺動可能に支承され、前記第2ケーブルの引張作動を前記オープンレバーに伝達するアウトサイドハンドルレバーと、
    を備えたことを特徴とするドアラッチ装置。
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