JP3880889B2 - ネット状形状保持体、その製法及びその用途 - Google Patents

ネット状形状保持体、その製法及びその用途 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、可撓性、柔軟性に優れたネット状形状保持体、その製法及びその用途に関する。さらに詳しくは生理用品、衛生用品、ワイパー、手術用ガーゼなどの繊維製品の賦形材として有用なネット状形状保持体、その製法及びこれら繊維製品の賦形材としての用途に関する
【0002】
【従来の技術】
一般に、サニタリーナプキン、紙おむつ等の繊維製品は、血液、尿等の体液を吸収する吸収体と、該吸収体の表面を覆うとともに、直接、肌に接触するトップシートと、上記吸収体の裏面を覆い、液漏れを防ぐバックシートとから構成されている。この繊維製品のトップシートは、血液、尿等の体液を速やかに吸収体に移行させて該吸収体に吸収させるために、液透過性を有することが要望されるのは勿論のこと、一度吸収体に吸収された液を肌側に戻さない液戻り防止性、本質的に皮膚に液を残さないドライ性等を有することが要望されている。
【0003】
従来このようなトップシートとして、フラットなスパンボンドポリプロピレン不織布やポイントボンド乾式不織布などが多用されてきた。しかるにこれらの不織布は嵩高性がないため、人体より排出された体液は、繊維製品のトップシートから吸収体に移動した後その一部が再びトップシートに移動する、いわゆるウェットバックにより濡れた感触が残り、使用感が悪く、場合によりかぶれや湿疹の原因となることがあった。
【0004】
ワイパーやクロスなどの繊維製品においては、芯地(基材)にポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン等の合成糸を植え込んだものや合成不織布を2層又は3層に積層したものなどが知られているが、一般には形状保持性が良好ではないため、拭き取り効率が優れているとは言い難い。
【0005】
また手術用ガーゼなどの繊維製品においては、近年手術時においての体内の置忘れが問題になっている。このため硫酸バリウムを配合した合成樹脂製モノフィラメントをガーゼ製造時に混合させて編織したものが知られており、硫酸バリウムをX線により検知することにより、体内への置忘れをチェックすることが試みられている。しかしながら剛性の乏しいガーゼは、体内で丸まったりすることにより実際には発見するのが非常に難しいという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明者らは、繊維製品における上記諸問題を改善し、あるいは諸要請に応えるために賦形材の使用を思い立ち、検討の結果、それに適した特定のネット状形状保持体を開発するに至ったものである。したがって本発明の目的は、サニタリーナプキンや紙おむつのような吸収体を包含する繊維製品において、トップシートのセカンドシート層や吸収体に賦形材として装着することにより、体液の排出があった場合においても人肌との接触面積を低減させることによりドライ感、サラット感を発現させ、かぶれや湿疹の発生を押さえることが可能な新規なネット状形状保持体を提供することにある。本発明の他の目的は、ワイパーやクロスにおいては、芯地として使用し、これに賦形加工やプリーツ加工を施しておくことにより、保形性を高めて拭き取り性能を高めるとともに、ふき取り面との滑り性を高め、軽やかな作業を可能とするネット状形状保持体を提供することにある。本発明のさらに他の目的は、手術用ガーゼにおいて保形性を高めて、体内に残留した場合の発見を容易にするようなネット状形状保持体を提供することにある。
【0007】
本発明の別の目的は、このようなネット状形状保持体を効率よく製造する方法を提供することにある。
【0008】
本発明のさらに別の目的は、上記したような繊維製品の賦形材を提供することにある。
【0009】
【発明を解決するための手段】
本発明に係るネット状形状保持体は、無機充填剤粉末を0.1〜60質量%の割合で含有する高密度ポリエチレン組成物からなり、かつ交絡部が熱融着されたネット状物を延伸してなる、目付けが5〜200g/m、糸間ピッチが1〜25mm、90度折り曲げ時における4時間後の最小戻り角度が30度以下のものである。
【0010】
上記高密度ポリエチレンとしては、密度が945〜965kg/m、好ましくは950〜960kg/m、190℃、2160g荷重におけるメルトフローレートが0.1〜1.0g/10分、好ましくは0.1〜0.7g/10分のポリエチレンが好ましく、また無機充填剤としては硫酸バリウム、炭酸カルシウム及びタルクから選ばれるものが好ましい。
【0011】
また上記ネット状形状保持体のネット形状としては、方形又は菱形のものが好ましい。
【0012】
本発明に係るネット状形状保持体は、無機充填剤を0.1〜60質量%、好ましくは15〜55質量%の割合で含有する高密度ポリエチレン組成物からなる、交絡部が熱融着された目付けが10〜500g/m、糸間ピッチが0.5〜5.0mmのネット状物を延伸することによって得ることができる。上記延伸は、好ましくは縦又は横に1.5〜10倍の割合で1軸延伸するか、あるいは縦及び横にそれぞれ1.5〜10倍の割合で延伸することによって得られる。
【0013】
上記ネット状形状保持体は、好ましくは繊維製品の賦形材として使用される。繊維製品の好ましい例は、生理用品又は衛生用品であり、好ましくはセカンドシート又は吸収体に装着する形で使用される。繊維製品の他の好ましい例は、ワイパー、クロス、マスク、ガーゼ、とくに手術用ガーゼであり、とくにこれらの芯地(基材)として用いるのが好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明に係るネット状形状保持体は、無機充填剤粉末を0.1〜60質量%、を含有する高密度ポリエチレン組成物からなるものである。
【0015】
本発明で用いられる高密度ポリエチレンとしては、エチレンを単独で、又は他のα−オレフィンとともにチーグラー触媒、あるいはメタロセン系触媒で代表されるシングルサイト系触媒で重合又は共重合して得られるものである。重合方法としては特に限定されず、スラリー重合、溶液重合、気相重合等の公知の方法を採用することできる。高密度ポリエチレンは、密度が940〜970kg/m、好ましくは945〜965kg/m、一層好ましくは950〜960kg/mのものである。
【0016】
この高密度ポリエチレンとしてはまた、ASTM D1238に準拠して荷重2160g、温度190℃で測定されるメルトフローレートが、0.1〜1.0g/10分、とくに0.1〜0.7g/10分のものを使用するのが好ましい。高密度ポリエチレンの種類によっても若干異なるが、このようなメルトフローレートを有するものは、多くの場合、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定される重量平均分子量として、10万〜30万程度、とくに10万〜20万程度のものである。
【0017】
このような物性範囲を有する高密度ポリエチレンは、無機充填剤を添加した場合の成形性に優れ、また強度及び賦形加工性に優れたネットを容易に得ることができる。
【0018】
本発明で用いられる無機充填剤粉末としては、硫酸バリウム、タルク、マイカ、炭酸カルシウム、シリカ、アルミナ、シリカアルミナ、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、珪酸カルシウム、塩基性炭酸マグネシウム、ガラス粉、カーボンブラック、塩基性硫酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、ホウ酸アルミニウムなどを挙げることができる。これらの中では硫酸バリウム、炭酸カルシウム、タルクから選ばれる少なくとも1種を使用するのが好ましく、特に衛生用品、生理用品、医用用品等の用途においては、安全性の点で硫酸バリウムを使用するが好ましい。また、産業資材、日用品向けには、コストの点で炭酸カルシウム、タルクを使用するのが好ましい。
【0019】
無機充填剤粉末としては、種々の粒径のものを使用することができるが、一般には平均粒径が0.1〜30μm程度、とくに0.5〜10μm程度のものを使用するのが好ましい。
【0020】
本発明のネット状形状保持体においては、組成物中、無機充填剤粉末が0.1〜60質量%、好ましくは15〜55質量%、一層好ましくは20〜50質量%の割合で配合されたポリエチレン組成物からなっている。このような範囲で無機充填剤が配合されていることにより、成形性が良好で、可撓性及び賦形性に優れるネットを品質安定性よく得ることができる。
【0021】
高密度ポリエチレンへの無機充填剤の配合方法は、各種ブレンダーを用いるドライブレンドであっても、押出機中での溶融ブレンドであってもよい。また、高密度ポリエチレン中に予め無機フィラーを高濃度に溶融ブレンドしたマスターバッチペレットを用いる方法も採用できる。
【0022】
本発明のネット状形状保持体は、上記高密度ポリエチレン組成物からなる目付けが5〜200g/m、好ましくは20〜160g/m、糸間ピッチが1〜25mm、好ましくは1.5〜20mm、一層好ましくは2〜10mm、90度折り曲げ時における最小戻り角度が30度以下、好ましくは25度以下、一層好ましくは20度以下、より好ましくは15度以下のものであり、また交絡部が熱融着されたものである。すなわちこのような性状を有することにより、可撓性に優れると共に繊維製品の賦形材として使用したときに優れた賦形性、形状保持性を発揮するものである。
【0023】
ネット状形状保持体は、好ましくは方形又は菱形の網目を有するものであり、2対の相対する糸間のピッチがそれぞれ上記範囲に入っていることが必要である。また90度折り曲げ時の戻り角度とは、図1(A)に示すような横5cm、たて20cmの長方形のネット試験片1を、図1(B)に示すように金属プレート3によって折り曲げ台2に押し付けながら90度折り曲げた後、図1(C)に示すように静置し、一定時間後の変位角Θをいう。本発明においては4時間放置後の戻り角度が30度以下のものであって、折り曲げ方向によってその値が異なる場合があるので、その最小値を最小戻り角度とする。例えば方形網目の場合、網目に直角となるように曲げるには縦方向又は横方向に曲げることが可能であり、一般にはこのいずれかの場合に最小戻り角度を示す。
【0024】
網目を構成する糸径としては、0.1〜1.0mm、とくに0.15〜0.5mmの範囲にあることが好ましい。網目径は全体的に均一のものでもよく、例えば方形網目の場合、縦糸径と横糸径が異なるものであってもよい。
【0025】
このようなネット状形状保持体は、無機充填剤粉末を0.1〜60質量%の割合で含有する高密度ポリエチレン組成物からなる、交絡部が熱融着された目付けが10〜500g/m、糸間ピッチが0.5〜5.0mmのネット状物を所定の性状となるように延伸することによって製造することができる。すなわち無機充填剤粉末を0.1〜60質量%の割合で含有する高密度ポリエチレン組成物から、従来公知の方法によって交絡部が熱融着されたネット状物を成形しても、弾性回復性の高いネット状物しか得られず、したがって任意形状に賦形使用としてもその状態を維持することは難しい。前記のような高密度ポリエチレン組成物のネット状物を延伸した場合、網目を構成する糸の太さ方向に延伸倍率の差が生じ、断面方向に重なる階層的な剪断面が軸方向に生じること及び又は無機充填剤の非相溶性により微小なボイドを生じることにより、賦形性、形状保持性が付与されるものと考えられ、これらは無機充填剤の配合量に応じてそれぞれの寄与度が異なるものと考えられるが、本発明はこのような理論に拘束されるものではない。
【0026】
無機充填剤粉末を0.1〜60質量%の割合で含有する高密度ポリエチレン組成物からなる、交絡部が熱融着された目付けが10〜500g/m、糸間ピッチが0.5〜5.0mmのネット状物を製造するには、従来公知の方法を適用することができる。例えば、菱形網目のネット状物に関しては特公昭34−4185号公報に、方形網目のネット状物に関しては特公昭38−21224号公報に、それぞれ開示されている方法に準じて製造することができる。またこれらの連続的な製造方法に関しても、特公昭44−3877号公報、特公昭52−107374号公報、特公昭63−2767号公報、特公平3−71256号公報等に開示されており、上記高密度ポリエチレン組成物のネット状物の製造に利用することができる。
【0027】
これらネット状物の製造は、これら方法に限定されることなく各種の方法を採用し得る。例えば、条溝を一定間隔で多数外周面に形成したインナーダイと、内周面に形成したアウターダイとより構成されたダイを用い、インナーダイとアウターダイとを互いに逆向きに回転させる押出し成形により筒状のネットが製造できる。上記した延伸原反として、このような筒状ネットを切り開いて使用することができる。ネットの網目の形状は、方形又は菱形のいずれかであることが好ましい。とりわけ縦又は横方向への1軸延伸又は縦横方向の2軸延伸が容易である点で、方形網目のネットが好ましい。尚、方形又は菱形のいずれの場合においても完全な形状である必要はなく、若干歪んだ形状のものであってもよい。
【0028】
ネット状延伸原反製造に用いられる高密度ポリエチレン組成物は、すでに述べたように組成物中、無機充填剤粉末が0.1〜60質量%、好ましくは15〜55質量%、一層好ましくは20〜50質量%の割合で配合されたものである。またネット状延伸原反の目付けは、10〜500g/m、好ましくは25〜400g/m、一層好ましくは50〜350g/mの範囲であり、また糸間ピッチは0.5〜5.0mm、好ましくは1.0〜4.0mmの範囲である。またネット状延伸原反の網目を構成する糸径は、延伸によって上記したような好適な糸径を有するネット状形状保持体になるようなものであって、例えば0.1〜1.0mm、とくに0.15〜0.8mm程度のものが好ましい。糸径は全体的に均一なものであってもよく、例えば方形網目においては、縦糸と横糸の径が異なるものであってもよい。
【0029】
ネット状延伸原反の延伸は、目付けが5〜200g/m、糸間ピッチが1〜25mm、90度折り曲げ時における最小戻り角度が30度以下のネット状物が得られるように行われる。延伸の程度は、延伸原反の組成や目付けなどによっても異なるが、縦又は横方向への1軸延伸の場合は、1.5〜10倍、好ましくは2〜9倍、とくに好ましくは2〜8倍の範囲であり、ネットが破断されない範囲で行われる。とくに低目付け品を延伸する場合には、延伸倍率を5倍程度以下に抑えるのが好ましい。また2軸延伸の場合は、縦、横それぞれ1.1〜10倍、好ましくは1.5〜8倍、とくに好ましくは2〜6倍の範囲であり、ネットが破断されない範囲で行われる。とくに低目付け品を延伸する場合には、縦延伸倍率及び横延伸倍率がそれぞれ5倍以下に抑えるのが好ましい。
【0030】
ネット状延伸原反の延伸は、1軸延伸の場合はロール延伸、熱板延伸などによって行うことができ、また2軸延伸の場合はテンター方式延伸などによって行うことができる。延伸は60℃以上で高密度ポリエチレンの融点以下の温度、とくに60〜120℃の温度で好適に行われる。
【0031】
以上により得られる本発明のネット状形状保持体は、可撓性、賦形性、形状保持性に優れているので、これら特性を生かして種々の繊維製品の賦形材として使用することができる。
【0032】
例えば紙おむつやサニタリーナプキンなどの衛生用品や生理用品のセカンドシートあるいは吸収体に賦形材として装着しておき、プリーツ加工しておくとそのままの形状が保持されるので、体液が排出された場合に肌との接触面積が少なくドライ感、サラット感を発現することができる。またかぶれや湿疹の発生を抑えることができる。また小水などの体液が溜まる部分に該当するところを深い賦形加工もしくは雄雌型を使用した圧空成形しておくことによりポケット部分を作っておけば、同様に体液が排出された場合に体液が肌に接触することを低減させることができる。このようなポケット部分は、商品形態においては折り畳んでパッケージに収納しておけばよく、使用に際し、これを展開すればよい。この種用途においては、安全上、無機充填剤として硫酸バリウムを使用することが好ましい。
【0033】
本発明のネット状形状保持体はまた、ワイパーやクロスの芯地(基材)としても有用である。ワイパー、クロスは、ネット状形状保持体に合成繊維を植毛加工したり、合成樹脂からなる不織布をネット状形状保持体に積層して造られる。その際、本発明のネット状形状保持体からなる芯地を装着したワイパーやクロスに対しプリーツ加工などの賦形加工を施しておけば、その形状が保持されるので、ワイパー、クロスのふき取り性能を高め、また拭き取り面との滑性にも優れるので作業性も良くなる。
【0034】
さらに本発明のネット状形状保持体は、手術用ガーゼの芯地(基材)として有用である。この種用途においては、安全上、無機充填剤として硫酸バリウムを使用するのが好ましい。例えば本発明のネット状形状保持体にレーヨン糸を植毛加工して造られる手術用ガーゼは、たとえ手術中に体内に置き忘れられることがあったとしても、形状保持性が優れているため体内で丸く小さくなることがなく広がりを保つことができるので、X線検査で鮮明に写し出され発見が容易となる。
【0035】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。尚、実施例において使用した原料及び物性評価方法は以下の通りである。
[原料]
(1)高密度ポリエチレン
(イ)HDPE−1:商品名ハイゼックス6800S(密度955kg/m、メルトフローレート0.35g/10分、重量平均分子量約15万、三井化学(株)製)
(ロ)HDPE−2:商品名ハイゼックス5000SR(密度958kg/m、メルトフローレート0.35g/10分、重量平均分子量約13万、三井化学(株)製)
【0036】
(2)無機充填剤
(イ)炭酸カルシウム(平均粒径2.5μm)
(ロ)硫酸バリウム(平均粒径5.0μm)
【0037】
[物性評価方法]
(1)成形性:成形原料から方形又は菱形のネット状物を成形し、次いで2軸延伸してネット状形状保持体を製造した際の成形性を、次の基準により評価した。
○:均一に延伸されており、均一な糸間ピッチを保っている。
△:延伸性、糸間ピッチがやや不均一。
×:延伸切れが発生し、ネット状にならない。
【0038】
(2)安定延伸倍率:成形原料から方形又は菱形のネット状物を成形し、次いで2軸延伸してネット状形状保持体を製造した際の限界延伸倍率を下回るものの、10回以上同等条件で再現することが確認できた延伸倍率。
【0039】
(3)賦形性:得られたネット状形状保持体を、手動プレス(50t)により常温にて直径100mmφ半球で賦形加工し、次の基準により評価した。
○:半球形状と同等の高さ50mm、直径100mmφに賦形、
△:半球形状よりやや小さく、高さ45mm、直径95mmφに賦形
×:延伸せず、賦形しないあるいは延伸切れを起こす
(3)最小戻り角度:得られたネット状形状保持体から横方向又は縦方向(2軸延伸のそれぞれの延伸方向に直角の方向)に図1に示すような長方形の試験片を切り取り、それぞれ90度に折り曲げた後、5分後、30分後、60分後、2時間後、4時間後及び1日後の戻り角度を測定し、戻り角度の小さい方を求めた。
【0040】
[実施例1〜14]
条溝を一定間隔で多数外周面に形成したインナーダイと、内周面に形成したアウターダイより構成された環状ダイを備えた65mmφ押出機を用い、インナーダイとアウターダイを逆向きに回転させながら、表1に示す組成のHDPE−1と無機充填剤からなる組成物から方形又は菱形の網目形状を有する環状ネット状原反を製造した。この原反を切り開いた後テンター式2軸延伸装置を用い、安定延伸倍率において縦、横に2軸延伸し、ネット状形状保持体を得た。
【0041】
原料組成及び成形性を表1に、ネット状原反の性状及び安定延伸倍率を表2に、ネット状形状保持体の性状及びその評価結果を表3にそれぞれ示す。
【0042】
【表1】
Figure 0003880889
【0043】
【表2】
Figure 0003880889
【0044】
【表3】
Figure 0003880889
【0045】
[実施例15〜28]
実施例1〜14のHDPE−1の代りにHDPE−2を使用した以外は同様に行い、ネット状形状保持体を得た。
【0046】
原料組成及び成形性を表4に、ネット状原反の性状及び安定延伸倍率を表5に、ネット状形状保持体の性状及びその評価結果を表6にそれぞれ示す。
【0047】
【表4】
Figure 0003880889
【0048】
【表5】
Figure 0003880889
【0049】
【表6】
Figure 0003880889
【0050】
【発明の効果】
本発明によれば、可撓性、賦形性、形状保持性に優れたネット状形状保持体が提供できる。このようなネット状形状保持体は、種々の繊維製品の賦形材として有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 90度折り曲げ後の戻り角度を測定する方法を示す図面である。

Claims (13)

  1. 無機充填剤粉末を0.1〜60質量%の割合で含有する高密度ポリエチレン組成物からなり、かつ交絡部が熱融着されたネット状物を延伸してなる、目付けが5〜200g/m、糸間ピッチが1〜25mm、90度折り曲げ時における4時間後の最小戻り角度が30度以下であるネット状形状保持体。
  2. 縦及び/又は横に1.5〜10倍の割合で延伸してなることを特徴とする請求項1記載のネット状形状保持体。
  3. 高密度ポリエチレン組成物の無機充填剤粉末含有率が15〜55質量%であり、90度折り曲げ時における4時間後の最小戻り角度が25度以下である請求項1または2記載のネット状形状保持体。
  4. 高密度ポリエチレンが、密度945〜965kg/m、190℃、2160g荷重におけるメルトフローレートが0.1〜1.0g/10分の高密度ポリエチレンである請求項1〜3のいずれかに記載のネット状形状保持体。
  5. 無機充填剤が、硫酸バリウム、炭酸カルシウム及びタルクから選ばれるものである請求項1〜4のいずれかに記載のネット状形状保持体。
  6. ネット形状が、方形又は菱形である請求項1〜5のいずれかに記載のネット状形状保持体。
  7. 無機充填剤粉末を0.1〜60質量%の割合で含有する高密度ポリエチレン組成物からなる、交絡部が熱融着された目付けが10〜500g/m、糸間ピッチが0.5〜5.0mmのネット状物を延伸することを特徴とする目付けが5〜200g/m、糸間ピッチが1〜25mm、90度折り曲げ時における4時間後の最小戻り角度が30度以下であるネット状形状保持体の製造方法。
  8. 及び/又は横に1.5〜10倍の割合で延伸することを特徴とする請求項記載のネット状形状保持体の製造方法。
  9. 請求項1〜6のいずれかに記載のネット状形状保持体からなる繊維製品の賦形材。
  10. 繊維製品が生理用品、又は衛生用品である請求項9記載の賦形材。
  11. 生理用品又は衛生用品のセカンドシート又は吸収体に装着されてなる請求項10記載の賦形材。
  12. 繊維製品が、ワイパー、クロス、マスク又はガーゼである請求項9記載の賦形材。
  13. ワイパー、クロス、マスク又はガーゼの芯地材料である請求項12記載の賦形材。
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