JP3880467B2 - 画像処理装置およびその方法、並びに、制御方法 - Google Patents

画像処理装置およびその方法、並びに、制御方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光沢度を考慮した画像処理に関する。
【0002】
【従来の技術】
今日、電子写真方式のプリンタやカラー複写機が出力する画像の画質は飛躍的に向上し、オフセット印刷の画質に匹敵するまでに達した。これは帯電、現像、転写、定着およびクリーニングなどの画像形成プロセスの向上、さらに、トナーの彩度方向の色再現範囲を広げた結果によるものである。
【0003】
一方、プリンタやカラー複写機をネットワークに接続して、マルチ機能プリンタ(MFP: Multi Function Printer)として利用する傾向が強まった。このため、ネットワークを介して、様々なデバイスからプリンタやカラー複写機へ画像が入力されるようになり、それら画像の色を合わせることは困難な状態になった。このような不都合を解決するために、様々なカラーマネージメント手法が提案されている。その一つに、デファクトスタンダードになりつつある、ICC (International Color Consortium)プロファイルを使うカラーマネージメントシステム(CMS)がある。
【0004】
さらに、デザイナが色調整した画像を各拠点で出力するためのリモートプルーフやクラスタプリンティングなどを実現するために、ネットワークサーバに複数台の画像形成装置を接続して画像を出力する、新しい画像形成装置の使い方が普及しつつある。
【0005】
さらに、画像形成装置の安定性を考慮して、ICCプロファイルの多次色テーブルは変換せずに、単色のみの階調性を初期状態に合わせるキャリブレーション手法も提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ICCプロファイルには、属性情報として光沢/艶なし(glossy/matte)のおおまかな光沢情報が含まれるが、二つの選択肢では、到底、グロスマッチングなどはできない。同じ色を再現するにしても、光沢が異なれば、当然、出力画像の印象は違ったものになる。そのためには、グロスシミュレーションをコンピュータ機器で行う必要がある。勿論、グロスシミュレーションを行う場合も、そのICCプロファイルが規定する画像形成装置を選択し、画像を出力しなければ意味がない。
【0007】
上記のクラスタプリンティングにおける画像形成装置の選択には色を重視したフローを採用するが、光沢度に関するマッチングをシミュレートし、画像形成装置を選択するものはない。
【0008】
このような状況では、画像形成装置の機種が異なれば所望する光沢感を与える画像を出力することはできず、出力画像の印象が異なるという現象が生じる。
【0009】
本発明は、光沢度を考慮し画像処理を行うことを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記の目的を達成する一手段として、以下の構成を備える。
【0011】
本発明にかかる画像処理装置は、デバイスに固有の色空間とデバイスに依存しない色空間との間の色変換に関する情報を記述したプロファイルを作成する画像処理装置であって、カラーチャートを測定して得た光沢度を示す情報を入力する入力手段と、前記入力手段が入力した光沢度を示す情報に基づき光沢度情報を前記プロファイルに記述する記述手段とを有することを特徴とする。
【0012】
また、複数の画像形成装置が接続され、それら装置のプロファイルを記憶する画像処理装置であって、前記プロファイルに記述された光沢度情報を取得する取得手段と、前記取得手段が取得た光沢度情報と、ターゲットプロファイルの光沢度情報比較する比較手段と、前記比較手段の比較結果に基づき、前記複数の画像形成装置から画像形成に使用する画像形成装置を選択する選択手段と、前記選択手段が選択た画像形成装置へ、形成すべき画像を送信する送信手段とを有することを特徴とする。
【0013】
本発明にかかる画像処理方法は、デバイスに固有の色空間とデバイスに依存しない色空間との間の色変換に関する情報を記述したプロファイルを作成する画像処理方法であって、カラーチャートを測定して得た光沢度を示す情報を入力し、前記入力した光沢度を示す情報に基づき光沢度情報を前記プロファイルに記述することを特徴とする。
【0014】
本発明にかかる制御方法は、複数の画像形成装置を、それら装置のプロファイルに基づき制御する制御方法であって、前記プロファイルに記述された光沢度情報を取得し、前記取得した光沢度情報と、ターゲットプロファイルの光沢度情報比較し、前記比較結果に基づき、前記複数の画像形成装置から画像形成に使用する画像形成装置を選択し、前記選択した画像形成装置へ、形成すべき画像を送信することを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかる一実施形態の画像処理を図面を参照して詳細に説明する。
【0016】
現在、色再現性を考慮した様々な処理が提案されているが、以下の説明では、近年市場で受け入れられているICCプロファイルを用いる処理を説明する。
【0017】
ICCプロファイルは、一つのデバイスの色空間に対応して定義されたカラー画像データを、別のデバイスに固有の色空間またはデバイスに依存しない色空間PCS (Profile Connection Space)に対応して定義されるカラー画像データに変換するために使用される。例えば、ICCプロファイルには、RGB色空間の画像データをPCSの画像データに変換し、さらに、カラープリンタのCMYK色空間の画像データに変換する一連の標準色変換演算が定義されている。
【0018】
ただし、上述したように、ICCプロファイルのパブリックタグに含まれるグロス情報には「光沢/艶なし」しかなく、光沢感をマッチングさせることは困難である。そのため、実施形態では、プライベートタグにグロス情報を付加し、状況に応じてグロスマッチングを行う。
【0019】
[構成]
図1は実施形態の画像処理を実行するシステムの構成例を示すブロック図である。
【0020】
パーソナルコンピュータなどの汎用のコンピュータ1は、ROM 28やハードディスク(HD)7に格納されたプログラムに基づき、RAMなどで構成されるメインメモリ29をワークエリアとして、システムバス21に接続された各構成を制御するとともに、後述する処理を実行する。
【0021】
システムバス21には次のインタフェイスなど接続されている。シリアルインタフェイス(I/F)22にはカラー画像を測色して、その測色結果をコンピュータ1に入力する測色器15が、パラレルI/F 23にはコンピュータ1から出力される画像データに基づきカラー画像を記録媒体に記録するカラー複写機(またはプリンタ)16が、ディスプレイI/F 25にはモニタ2が、デバイスI/F 26にはキャラクタコードおよびコマンドを入力するためのキーボード4や、モニタ2に表示されたオブジェクトを指示かつ操作するためのマウスなどのポインティングデバイス6が、ディスクI/F 27にはHD 7およびCD-ROMなどの記憶メディア用のCD-ROMドライブ14が接続される。また、ネットワークインタフェイスカード(NIC)24は、ネットワークケーブル17を介してLANなどのネットワークに接続するためのものである。
【0022】
なお、シリアルI/F 22やデバイスI/F 26としてRS232CやRS422などのシリアルインタフェイス、あるいは、USB (Universal Serial Bus)やIEEE1394などのシリアルバスを使用する。また、パラレルI/F 23としてIEEE1284、SCSIまたはGPIBなどのインタフェイスを使用する。ディスクI/F 27にはATA(ATAPI)、SCSIなどのパラレルインタフェイス、あるいは、USB、IEEE1394、SerialATAなどのシリアルバスを使用する。なお、測色器15やプリンタ16をデバイスI/F 26に接続することもできる。
【0023】
図2はHD 7に格納されたソフトウェアやデータを説明する図で、オペレーティングシステム(OS)8、CMM (Color Matching Module)を含むカラーマネジメントシステム(CMS)9、ICCプロファイルなどを作成(変更)するアプリケーション10、プライベートタグを記憶させるプロファイルマネジャ11、および、ICCプロファイル12などが格納されている。コンピュータ1は、これらのプログラムやデータを、CD-ROMなどの記憶メディアから読み込み、ハードディスク7へ格納することができる。
【0024】
また、カラー複写機16は、記録媒体の光沢度を読み取る機能を有し、読み取った光沢度を示す情報をコンピュータ1へ入力することができる。
【0025】
なお、図1に示すコンピュータ1は、汎用のコンピュータに限らず、専用のコンピュータやデータ処理装置を利用することもできる。
【0026】
[CMSおよびICCプロファイル]
CMS 9に含まれるCMMは、ICCプロファイル12の記述を参照して色変換を行う役割を担う。例えば、ICCプロファイルに格納されたデータを使用して、RGB色空間の画像データを、CMYKのような別の色空間に変換する。言い換えれば、ICCプロファイルは、あるデバイスが作成した画像データを、別のデバイスに固有の色空間の画像データに変換するためのものである。例えば、ICCプロファイルを使用して、モニタ用のRGB画像データを、プリンタ用のCMYK画像データに変換することができる。
【0027】
ICCプロファイルは、デバイスごとに提供され、そのデバイスに関する色変換情報をCMMに提供する。図3は色変換を説明するための図で、CMM 102は、入力機器101のICCプロファイル104を参照して、入力機器に依存する色空間のRGB画像データを、デバイスに依存しない色空間(PCS)のLab(またはXYZ)データへ変換して、必要に応じて色空間圧縮(gamut mapping)を施し、さらに、出力機器103のICCプロファイル105を参照して、Labデータを出力機器103に依存する色空間のCMYKデータへ変換する。勿論、逆方向の色変換も可能である。このように、CMMは、二つのデバイスに依存する色空間の間で色変換を行うためにICCプロファイルを使用する。
【0028】
なお、図3には、スキャナなどの入力機器101およびプリンタなどの出力機器103に対応するICCプロファイル104および105を示すが、それらICCプロファイルがその機器に組み込まれているわけではない。それらICCプロファイルは、CMMが色変換するべきデータ(TIFFなどの画像データ)に埋め込まれていてもよいし、CMMを実行するコンピュータ1のメモリに記憶されていてもよい。さらに、ICCプロファイルは、スキャナやプリンタのほかにも、ディジタルカメラ、モニタ、カラーファクシミリ装置などの画像入出力デバイスに適用することができる。
【0029】
ところで、PCSは、D50標準光源、均等色空間であるCIE LabまたはXYZ色度座標が定義され、測色条件も0/45または45/0反射率測定が規定されている。
【0030】
図4はICCプロファイルの構造を示す図で、ヘッダ39およびタグテーブル40の二つの基本要素を含む。ヘッダ39は、ICCプロファイルに従い入力画像データを処理するために、ColorSync(Apple社の色変換エンジン)などのCMMによって使用される情報を含む。
【0031】
ICCプロファイルには、CMMがPCSとデバイスに依存する色空間との間でカラー情報を変換するために必要な、一連の情報を不足なく提供するように設計されたリカードパブリックタグ(required public tag)が含まれている。さらに、ICCプロファイルは、付加変換を行うために使用することができるオプショナルパブリックタグ(optional public tag)、および、個々の開発者がそのICCプロファイルに専用の値を追加するためにカスタマイズ可能なプライベートタグを含んでよい。
【0032】
入力データの色変換を行うには、プロファイル記述タグ、デバイスメーカタグ、デバイスモデル名タグ、メディアXYZ白色点タグ(media XYZ white point tag)、UCCMSプライベート情報タグ、著作権タグ、RGBそれぞれの相対XYZ三刺激値を含む色材タグ、R(赤)チャネル、G(緑)チャネルおよびB(青)チャネルのガンマタグなどが必要である。
【0033】
画面表示用に色変換を行うには、プロファイル記述タグ、デバイスメーカタグ、デバイスモデル名タグ、メディアXYZ白色点タグ、著作権タグ、RGBそれぞれの蛍光体などの相対値を含む色材タグ、Rチャネル、GチャネルおよびBチャネルのガンマタグなどが必要である。
【0034】
ハードコピー用に出力色変換を行うには、プロファイル記述タグ、デバイスメーカタグ、デバイスモデル名タグ、AtoB0タグ、BtoA0タグ、ガマットタグ(gamut tag)、AtoB1タグ、BtoA1タグ、AtoB2タグ、BtoA2タグ、UCCMSプライベート情報タグ、XYZメディア白色点タグ、測定タグおよび著作権タグなどが必要である。
【0035】
AtoBxタグは、ICC lut8Type、または、ICC lut16Type構造の何れかを有する。ICC lut8Type、または、ICC lut16Type構造の汎用モデルは次のとおりである。
マトリクス → 一次元LUT → 多次元LUT → 一次元LUT
【0036】
タグがlut8Type構造の場合、入力および出力LUT、並びに、カラーLUTは8ビット符号なし値のアレイである。各入力テーブルは、1バイト整数から構成される。また、入力テーブルのエントリは、それぞれ0から255の範囲に適切に標準化されている。
【0037】
出力デバイス用のICCプロファイルに含まれるAtoBxタグは、CMYK色空間から他の色空間へ変換するための色変換テーブルを含み、所謂ソース(ターゲットともいう)プロファイルとして使用される。
【0038】
一方、出力デバイス用のBtoAxタグは色変換が逆になり、Lab色空間からCMYK色空間に変換するための情報を含み、主に、ディスティネーションプロファイルとして使用される際に参照される。
【0039】
AtoB0およびBtoA0のタグは、知覚的(Perceptual)な色変換を行うためのタグで、主に、階調(グラデーション)再現を重視する写真画像に適した色変換を行う、明度保存を前提にしたカラーマッチング用である。
【0040】
AtoB1およびBtoA1のタグは、色差を最小とする色変換を行うためのタグで、出力デバイスの色再現域がターゲットのそれよりもすべての領域で広い場合、並びに、高彩度領域に画像が存在しないときなどに有効である。また、社章などのロゴマークの色再現には、色の規定が厳しいことから、このカラーマッチングが採用される。
【0041】
AtoB2およびBtoA2のタグは、彩度を保存する色変換を行うためのタグで、階調再現には向かないが、主に、ビジネスグラフィック画像のカラーマッチングに使用される。
【0042】
ガマットタグは、一入力一出力の一次元ルックアップテーブル(LUT)で、入力チャネル(Lab)に対して、その出力デバイスが再現可能か否かが記述される。AtoB0タグと同じフォーマットを有する。
【0043】
図5はICCプロファイルの詳細例を示す図で、ヘッダ39およびタグテーブル40に下記の項目が記述される。
Figure 0003880467
Figure 0003880467
【0044】
このようにヘッダ39は、ヘッダに格納可能なすべての情報を隈なく含むリストではなく、単に、ヘッダに格納可能な情報の一例を示しているのに過ぎない。
【0045】
タグテーブル40は、パブリックタグおよびプライベートタグともに、タグのリストと、それらタグに関する情報とを含む。先述したように、パブリックタグは、すべてのICCプロファイルで使用することができる通常の色変換演算を定義する。タグテーブル40で規定されるパブリックタグの一例は、3×3色変換マトリクス処理、三次元LUT、および、三つの一次元LUTの二組を含むAtoB2である。パブリックタグの他の例は、ICCプロファイルフォーマット文書にさらに詳細に記述されている。
【0046】
【第1実施形態】
詳細は以下で説明するが、第1実施形態は、デバイスに固有の色変換情報であるICCプロファイルを作成するシステムにおいて、「光沢/艶なし」という表現でしか記載されなかったグロス情報を、光沢度を含むグロス情報に拡張して、カラーマッチングのみではなく、グロスマッチングを可能にするものである。光沢度を記述するグロス情報は、ICCプロファイルのプライベートタグに記述され、必要に応じて参照される。言い換えれば、第1実施形態は、光沢度情報をプライベートタグに記述したICCプロファイルを作成するシステムである。
【0047】
[光沢度情報の入力]
プライベートタグに記述する光沢度情報は、コンピュータ1に接続されたカラー複写機16のスキャナによって測定される。図6はスキャナの画像読取部を示す図である。
【0048】
画像読取部は、通常の画像読取時は、光源113から出力され、原稿台ガラス112上に載置された原稿111から反射される乱反射成分を、結像素子アレイ114および赤外線カットフィルタ115を介して、CCD 116によって検出し色信号に変換する。
【0049】
一方、光沢度を取得する場合は、光源118から出力され、原稿台ガラス112上に載置された原稿などで反射される光を、集光レンズ110を介して、光源118に対して正反射の角度に設けた受光器119へ入力し、原稿などの正反射光量を電気信号に変換し、光沢度情報に変換する。
【0050】
勿論、画像読取時および光沢度の取得時は、上記の光学素子が組み込まれたスキャナユニット117を、図に示す矢印Cの方向に移動して、原稿などを走査して、CCD 106によって読み取られた画像情報を基に、原稿範囲、最適照射光量などを演算処理し決定する。また、受光器119によって読み取られた画像情報を基に、反射光量を光沢度(グロス値)に変換する。
【0051】
なお、光沢度は、JIS Z 8741に規定されるように、屈折率1.567のガラス表面の光沢度を100とする値である。
【0052】
[ICCプロファイルの作成]
次に、ICCプロファイルの作成手順を説明する。なお、グロス情報の対象デバイスとして、電子写真方式のプリンタを説明するが、電子写真方式のプリンタに限定されるわけではない。
【0053】
ICCプロファイルは「デバイスに固有の色空間←→デバイスに依存しない色空間」の変換を実現するための入出力関係が記述された、いたってシンプルなものである。そのため、まず、デバイスがどのような色特性をもつのかを把握しなければならない。
【0054】
図7はICCプロファイルの作成手順を説明するフローチャートで、CPU 20がプロファイル作成アプリケーションを実行することで実現される処理である。
【0055】
CPU 20は、複数のカラーパッチで構成されるカラーチャートを形成するためのCMYK画像データを出力する(S1)。通常、ISOが管理するIT8.7/3の928パッチを利用するICCプロファイル作成アプリケーションが多いので、本実施形態も、IT8.7/3の928パッチ用の画像データを利用する。
【0056】
CPU 20が出力するカラーチャート用の画像データに基づき、カラー複写機16は、記録媒体にカラーチャートを形成する。このカラーチャートの各カラーパッチは測色器15によって測色され、その測色結果の測色値(Labデータ)は、コンピュータ1に入力される。
【0057】
コンピュータ1は、測色値が入力されると(S2)、測色値およびカラーチャートの画像データに基づき、Lab→CMYK変換テーブルであるBtoAxテーブルおよびCMYK→Lab変換テーブルであるAtoBxテーブルを作成する(S3)。
【0058】
一般に、出力機器はCMYK四色の色材を使用して画像を形成するから、原理的には、各色成分信号の合計(以下「信号和」と呼ぶ)は0〜400%になるが、トナー(またはインク)の消費量、実際の色再現の必要性、トナーの飛散(インクの未乾燥)などを考慮して、出力機器は信号和を240〜300%程度に制限している。勿論、色再現性を重視するユーザがトナー消費量を多く設定し、トナーのコストを重視するユーザがトナー消費量を少なく設定することができるように、多くのプロファイル作成アプリケーションは、信号和の上限が設定可能になっている。
【0059】
本実施形態のプロファイル作成アプリケーション10も、信号和の設定が可能であり、信号和の制限を240から400%の範囲で設定可能である。信号和の制限が指定された場合、最低明度点を以下のように設定にする。例えば、信号和が280%に指定された場合は最低明度点をKが100%、CMYそれぞれが60%(合計280%)に設定した信号を用いて色変換テーブルを作成する。
【0060】
CPU 20は、モニタ2にダイアログを表示して、光沢度情報を記述するか否かをユーザに尋ね(S4)、埋め込まないと指示された場合、生成した変換テーブルにサイズ(Size)、CMMタイプ(CMM Type)、プロファイルクラス(Profile Class)、白色点XYZ(White XYZ)などを加えてICCプロファイルとしてHD 7の所定領域などに保存する(S5)。つまり、グロス情報なしの通常のICCプロファイルとして保存される。
【0061】
一方、光沢度情報の埋め込みが指示された場合、CPU 20は、光沢度情報を取得するため、「カラーチャートをカラー複写機の原稿台に置いてください」などのメッセージをモニタ2に表示する(S6)。このメッセージに応じて、ユーザは、先のカラーチャートを原稿台に置き、例えばモニタ2に表示された「読取」ボタンをクリックする。
【0062】
CPU 20は、読み取りが指示されると(S7)、カラー複写機16に光沢度情報の取得を指示する(S8)。この指示に応じて、カラー複写機16は、光沢度情報を取得し、その光沢度情報をコンピュータ1に送信する。光沢度情報を入手したコンピュータ1は、ICCプロファイルのプライベートタグに、その光沢度情報を記述し(S9)、その後、処理をステップS5へ進める。
【0063】
光沢度情報は、プロファイル作成アプリケーション10に従い、以下のようなフォーマットにまとめられる。
ave_G tag:平均光沢度
Sig_G table tag:信号和(0〜300%)対光沢度(0〜100)
white_G tag:メディア光沢度(各画像信号が0%のパッチの光沢度)
【0064】
上記のave_Gは、最低明度点のパッチ、イエロー100%およびマゼンタ100%のレッドパッチ、シアン100%およびイエロー100%のグリーンパッチ、シアン100%およびマゼンタ100%のブルーパッチ、並びに、各色0%のホワイトパッチの八つのパッチの平均光沢度のことである。
【0065】
White_Gタグには各色0%における光沢度を記述する。
【0066】
Sig_Gテーブルは、BtoAxタグにも含まれるような一次元のLUTで、信号和0〜300%を8ビットで規格化(300% → 255)した入力値と、光沢度0〜100を8ビットで規格化(100 → 255)との関係が記述される。より詳細には、信号和0〜100%に対応するテーブルは、CMYK各単色階調における光沢度との関係を平均化(CMYK平均)したテーブルである。100%超、200%までに対応するテーブルは、RGB(二次色)の階調における光沢度との関係を平均化(RGB平均)したテーブルである。200%超、300%までに対応するテーブルは、CMY三色を合成したプロセスブラックの階調における光沢度との関係を記述したテーブルである。
【0067】
このような光沢度情報をプライベートタグに記述することで、画像のハーフトーン部における光沢感の不自然さを解消するグロスマッチングが可能になる。なお、光沢感の不自然さには、例えば記録媒体の光沢度が高く、ハーフトーン部でトナー段差による光沢度の低下が発生し、トナーが埋まるにつれてトナーの光沢のために光沢度が高くなる現象などがある。画像を観察する人間が受ける印象としては、人物などの眼がぎらつく、歯茎の影部分が光り過ぎるなど光沢違和感を受ける、などである。
【0068】
なお、図8は、本実施形態によってグロスマッチングを行った場合と、行わない場合の出力画像の光沢度の概要を示す図で、グロスマッチングにより、信号和と光沢度との関係がリニアになり、光沢違和感を軽減することができる。
【0069】
【実施例】
以下では、実施例として、光沢度情報を追加したICCプロファイルの利用方法を説明する。
【0070】
[利用方法1]
プロファイル作成アプリケーション10を実行するCPU 20は、上記の手順によって光沢度情報を記述したICCプロファイルを、他のアプリケーションが使用できるように、HD 7のICCプロファイル格納部に格納する。具体的には、Windows(R)ならば「System\Color」フォルダに、MacOS(R)ならば「システムフォルダ:ColorSyncプロファイル」フォルダに保存する。
【0071】
ICCプロファイルは、通常のデータファイルとして扱うことができるから、コンピュータ1のユーザは、ICCプロファイルを配布する、サーバへ保存して公開する、画像形成装置へダウンロードするなどが可能である。また、コンピュータ1は、ネットワークを介して様々なプリンタや複写機に画像出力を指示することができる。
【0072】
図9は光沢度情報を有するICCプロファイルの利用方法を説明するためのフローチャートで、ユーザが印刷を指示した場合に、CMS 6を実行するCPU 20によって実現される処理である。
【0073】
まず、ユーザが光沢度情報を有するICCプロファイルをソースプロファイルとして選択したか否かを判定し(S11)、光沢度情報を有するICCプロファイルがソースプロファイルとして選択された場合は、コンピュータ1に登録されたプリンタや複写機のICCプロファイル(一台当り複数のICCプロファイルが登録されている場合もある)の平均光沢度タグ(ave_G tag)を参照し(S15)、ソースプロファイルの平均光沢度との差ΔGが所定値以下になるプリンタや複写機をピックアップし(S16)、ピックアップしたプリンタや複写機のリストをモニタ2に表示する(S17)。
【0074】
ユーザは、モニタ2に表示されたリストから使用するプリンタや複写機を選択することができる。これは、CPU 20がピックアップしたプリンタや複写機が、ユーザの近傍にあるとは限らず、例えば異なるフロアにある場合などを考慮したものである。なお、リストには、例えばΔGの順に装置名を並べるとよい。
【0075】
ユーザが、モニタ2に表示されたリストから装置を選択し、例えばモニタ2に表示された「印刷開始」ボタンをクリックすると(S18)、CPU 20は、選択された装置はグロスコントロール可能か否かを判定し(S19)、可能であればその装置をグロスモードに設定し(S20)、選択された装置のICCプロファイルをディスティネーションプロファイルとして、印刷対象の画像データに色空間圧縮を含む色変換を施し(S21)、色変換した画像データを選択された装置にダウンロードして画像を形成させる(S22)。
【0076】
なお、光沢度が変われば、入射光に対する正反射成分が変化するため、色に関する乱反射成分も変化する。従って、グロスコントロールが可能な画像形成装置のICCプロファイルは、グロスモードごとに準備する必要がある。
【0077】
また、光沢度情報を有するICCプロファイルがソースプロファイルとして選択されなかった場合は、グロスマッチングを行うか否かを問うメッセージをモニタ2に表示して(S12)、ユーザからグロスマッチングを行う旨の指示を受けた場合は(S13)、ユーザに目標光沢度を例えばキーボードなどから入力させ(S14)、その後、処理をステップS15へ進める。また、グロスマッチングを行わない場合は、既定のプリンタまたは複写機が選択されたとして処理をステップS21へ進める。
【0078】
[利用方法2]
上述したように、光沢度情報を有するICCプロファイルは、ネットワーク上のサーバなどにアップロードすることが可能である。そこで、以下では、ネットワーク上のプリントサーバに光沢度情報を有するICCプロファイルをアップロードして登録する例を説明する。
【0079】
プリントサーバには、複数種類/複数台の画像形成装置が接続されている。プリントサーバは、それら画像形成装置の現在の状態、例えば「紙なし」「紙詰まり」「トナーなし」などのエラー検知・管理・報知、各画像形成装置のICCプロファイルの登録・管理、ページ記述言語(PDL)で記述された画像データをビットマップイメージに展開するRIP (Raster Image Processing)機能などを有する。
さらに、1ジョブの画像形成を複数台の画像形成装置に行わせる、所謂クラスタプリンティングも可能である。
【0080】
図10はプリントサーバの処理を示すフローチャートで、コンピュータ1などから印刷指示を受信したプリントサーバが実行する処理である。
【0081】
まず、プリントサーバは、ユーザにプリンタの指定を問うデータをコンピュータ1に送信し(S111)、プリンタが指定されると(S112)、指定されたプリンタ用のプロファイルを用いて受信した画像データに色空間圧縮を含む色変換を施し(S113)、指定されたプリンタに印刷を実行させる(S114)。
【0082】
一方、指定プリンタがない場合は、ユーザにクラスタプリンティングを実行するか否かを問うデータをコンピュータ1に送信して、その応答を得ると(S115)、ユーザに色および/または光沢感の重視(下記参照)を選択させるためのデータをコンピュータ1に送信する(S116)。
・色を重視
・光沢感を重視
・光沢感を最重視、色を重視
・色を最重視、光沢感を重視
【0083】
まず、光沢度情報を有するICCプロファイルの利用方法の説明を中心に「クラスタプリンティングしない」および「光沢感を重視」が選択されたとして説明を行う。
【0084】
「光沢感を重視」が選択されると、プリントサーバは、ユーザが指定したターゲットの光沢度情報(ターゲットプロファイルの光沢度情報)、または、記録紙の設定条件(光沢度「低(〜15)」、「中(16〜40)」、「高(41〜)」、および、光沢度の指定状況に基づき、光沢度情報を有するICCプロファイルを参照して最適な画像形成装置を探索する(S117)。
【0085】
TIFFの画像ファイルなどにはターゲットのICCプロファイルを組み込むことができる。従って、光沢度情報を有するターゲットプロファイルを埋め込んだ画像ファイルをプリントサーバにダウンロードすることで、プリントサーバに光沢度にマッチする画像形成装置を検索させることも可能である。
【0086】
● 光沢感を重視
図11は「光沢感を重視」が選択された場合の最適な画像形成装置の探索(S117)の詳細を説明するフローチャートである。
【0087】
まず、ave_G tagを参照して、平均光沢度の差ΔGが最小の装置を探索する(S201)。
ΔG = | Gt - Gd |
ここで、Gtはターゲットの平均光沢度
Gdはディスティネーションの平均光沢度
【0088】
ΔGが等しい装置がある場合(S202)、white_G tagを参照して、ホワイトの光沢度の差ΔWGが小さい装置を選択する(S203)。なお、ターゲットプロファイルに光沢度情報がない場合は、記録紙の設定を参照し、普通紙のホワイトの光沢度は「低(〜15)」、光沢紙は「中(16〜40)」、キャストコート紙は「高(41〜)」とする。
【0089】
ΔGおよびΔWGが等しい装置がある場合(S204)、Sig_G table tagを参照して、MinΔGが最小の装置を選択する(S205)。なお、MinΔGはSig_G table tagから導き出される。
【0090】
ΔG、ΔWGおよびMinΔGが等しい装置がある場合(S206)、Sig_G table tagを参照して、MaxΔGが最小の装置を選択する(S207)。なお、MaxΔGはSig_G table tagから導き出される。
【0091】
次に、プリントサーバは選択した画像形成装置のICCプロファイル、および、ユーザが想定したターゲットのICCプロファイルにより、色空間圧縮を含む色変換を行い(S118)、RIPを行い(S119)、選択した装置へビットマップデータを送信して画像を形成させる(S120)。
【0092】
ターゲットプロファイルは、コンピュータ1などに登録されていることはもちろん、プリントサーバにも登録されていることが望ましい。そのようにすれば、画像ファイルにプロファイルを埋め込まなくても、プリンタドライバの設定によって色変換およびグロスマッチングなどをプリントサーバに行わせることができ、コンピュータ1の負荷を軽減し、処理速度も向上する。また、専門的な知識も必要とせずに、容易にカラーマッチングおよびグロスマッチングすることができる。
【0093】
● 色を重視
一方、「色を重視」が選択されると、プリントサーバは、ディスティネーションプロファイル(画像形成装置のICCプロファイル)のgamut tagおよびAtoB2 tagを参照して、ターゲットプロファイルの色域(color gamut)と比較する。色域の比較方法としては次の方法が考えられる。
(1) 色立体の色域内外判定(Photoshop(R) 6.0の色域警告機能に類する)
(2) 色域体積の比較(色再現範囲(Lab)を体積に換算して比較)
(3) 特定ポイントの比較、特定ポイントとしてはC、M、Y、K、R、G、Bk、Wおよび最低明度点(九点)
【0094】
プリントサーバに登録されたすべてのICCプロファイルの色域を判定し、最適な画像形成装置を選択することを考えると、判定時間および比較精度を考慮して(3)項の方法を採用する。つまり、ディスティネーションプロファイルのAtoB2 tagを参照して、上記の九点のポイントのLab値を得る。なお、最低明度点には信号和400%を採用する。同様に、ターゲットプロファイルから上記九点のLab値を得て、上記九点の平均色差ΔEが最小になる画像形成装置を探索する(S117)。
【0095】
なお、ターゲットよりもディスティネーションの色域が広ければ、当然、ターゲットの色域を満たすことができるが、画像データの限られたビット数(例えば8ビット)では、色域が広ければ広いほど、階調ステップ(8ビットならば1/256レベル)に対応する濃度段差が目立つ。これらを配慮して、色立体の外郭部でのΔEに基づく色域比較法によって画像形成装置を探索する(S117)。
【0096】
●「光沢感を最重視、色を重視」または「色を最重視、光沢感を重視」
他方、「光沢感を最重視、色を重視」または「色を最重視、光沢感を重視」が選択された場合は、ICCプロファイルに埋め込まれた光沢度情報、および、「色を重視」と同様に主要な九点のLab値を参照して、以下の条件を満たす画像形成装置を探索する(S117)。
ΔG < 5 かつ ΔE < 5
【0097】
図12は「光沢感を最重視、色を重視」または「色を最重視、光沢感を重視」が選択された場合の最適な画像形成装置の探索(S117)の詳細を説明するフローチャートである。
【0098】
「光沢感を最重視、色を重視」の場合(S211)、上記の条件を満たす装置が存在するか否かを判定し(S212)、存在すればΔGが最小の装置を選択する(S213)。また、上記の条件が満たされない場合は、ΔEの条件を解除してΔG < 5の装置が存在するか否かを判定し(S214)、存在すればΔG < 5かつΔEが最小の装置を選択する(S215)。
【0099】
一方「色を最重視、光沢感を重視」の場合(S211)、上記の条件を満たす画像形成装置が存在するか否かを判定し(S216)、存在すればΔEが最小の装置を選択する(S217)。また、上記の条件が満たされない場合はΔGの条件を解除してΔE < 5の装置が存在するか否かを判定し(S218)、存在すればΔE < 5かつΔGが最小の装置を選択する(S219)。
【0100】
また、光沢感を最重視する場合にΔG < 5を満たす装置がない場合、および、色を最重視する場合にΔE < 5を満たす装置がない場合は、その旨および他のマッチング方法の選択を依頼する旨のデータコンピュータ1に送信し(S220)、ユーザの応答を待つ(S221)。
【0101】
● クラスタプリンティング
ユーザがスピードを重視してクラスタプリンティングを指示した場合、プリントサーバは、上記と同様の条件(ΔG < 5 かつ ΔE < 5)で画像形成装置を探索する(S117)。
【0102】
図13はクラスタプリンティングが指示された場合の最適な画像形成装置の探索(S117)の詳細を説明するフローチャートである。
【0103】
「光沢感を重視」が選択された場合は、条件ΔG < 5を満たす装置の数を把握し、その数に応じて処理を分岐する(S231)。条件を満たす装置の数が「0」「1」または「4以上」の場合は下記のメッセージをコンピュータ1に送信する(S232-S234)。
0の場合:「クラスタプリンティングできません、他の条件に変更してください」
1の場合:「クラスタプリンティングできません、一台で出力してもよいですか?」
4以上の場合:「何台で出力しますか?」
【0104】
「一台で出力してもよいか?」のメッセージに対するユーザの応答を判定して(S235)、「Yes」の場合は一台を選択し(S237)、「No」の場合は「0」の場合と同様に「クラスタプリンティングできません、他の条件に変更してください」のメッセージをコンピュータ1へ送信する(S232)。
【0105】
「何台で出力しますか?」のメッセージに対してユーザがキーボードなどを使用して台数を指示すると(S236)、その指示に応じた数の装置を選択するが、例えば三台が指定された場合は、ΔGが小さい側から三台の装置を選択する(S237)。
【0106】
また、条件を満たす装置の数が「2」または「3」の場合は、プリントサーバは、ユーザに指示を問うことなくその二台または三台の装置を選択する(S237)。
【0107】
「色を重視」が選択された場合は、条件ΔE < 5を満たす装置の数を把握し、上記と同様に、その数に応じて処理を分岐し(S231)、(ΔEが小さい順に)装置を選択する(S237)。
【0108】
「色を最重視、光沢感を重視」が選択された場合は、条件ΔE < 5かつΔG < 5を満たす装置の数を把握し、上記と同様に、その数に応じて処理を分岐し(S231)、(ΔEが小さい順に)装置を選択する(S237)。
【0109】
「光沢感を最重視、色を重視」が選択された場合は、条件ΔE < 5かつΔG < 5を満たす装置の数を把握し、上記と同様に、その数に応じて処理を分岐し(S231)、(ΔGが小さい順に)装置を選択する(S237)。
【0110】
このように、光沢度情報を有するICCプロファイルを利用して、画像形成装置の光沢度および色再現性を容易に把握して、ユーザの要求に応じた画像形成が可能な装置を容易に選択することができる。
【0111】
【第2実施形態】
以下、第1実施形態と異なる方法で光沢度情報を取得して、ICCプロファイルに光沢度情報を埋め込む例を第2実施形態として説明する。なお、本実施形態において、第1実施形態と略同様の構成については、同一符号を付して、その詳細説明を省略する。
【0112】
第1実施形態においては、光沢度情報を取得する機能部を備える画像形成装置を必要とする。光沢度情報の容易な取得よりも、コストを重視する場合はハンディタイプの光沢度計を採用する方が望ましい。そこで第2実施形態では、コンピュータ1に、光沢度計の出力情報を入力し、入力される情報を解析して、光沢度情報をICCプロファイルのプライベートタグに埋め込む。
【0113】
図14はICCプロファイルの作成手順を説明するフローチャートで、CPU 20がプロファイル作成アプリケーションを実行することで実現される処理である。なお、図7と同様の処理は、同一符号を付して、その詳細説明を省略する。
【0114】
第1実施形態では、色変換テーブルの作成に使用したカラーチャートを光沢度の測定に使用したが、カラーチャートのサイズがA3だとしてもカラーパッチは1cm×1cmのサイズに過ぎず、市販の光沢度計には小さ過ぎる。また、ハンディタイプの光沢度計で928ものパッチの光沢度を測定するには時間と労力がかかり、実用的ではない。そこで、ハンディタイプの光沢度計による測定を考慮した、ICCプロファイルに記述する光沢度の項目を減らし、カラーパッチの数を大幅に削減したカラーチャート用の画像データを出力して、カラー複写機16にカラーチャートを形成させ(S31)、光沢度計から光沢度の測定値が入力されると(S32)、ステップS9を実行する。
【0115】
ハンディタイプの光沢度計を用いてICCプロファイルに光沢度情報を埋め込む際の関連項目は次のとおりである。
ave_G tag
white_G tag
【0116】
つまり、第1実施形態ではICCプロファイルに埋め込んだ、Sig_G table tagを埋め込まない。Sig_G table tagは、上述したように、信号和対光沢度の関係を示し、光沢に違和感が発生するか否かの判定に使用される。勿論、重要な項目ではあるが、トナー光沢(70%以上の信号に対する光沢特性)が一致しない方が人間は敏感である。そのため、第1実施形態で説明した、最適な画像形成装置の探索には使用していない。そこで、第2実施形態ではave_G tagおよびwhite_G tagをICCプロファイルのプライベートタグに記述する。
【0117】
上述したように、ave_G tagはC、M、Y、Bk、R、G、BおよびWの八つのカラーパッチの平均光沢度、また、White_G tagには各画像信号が0%のパッチの光沢度である。
【0118】
なお、ハンディタイプの光沢度計から測定値を入力するために、光沢度計に専用のインタフェイスを設けてもよいが、ネットワーク、シリアル/パラレルインタフェイス、または、シリアルバスを介して入力してもよい。
【0119】
また、C、M、Y、Bk、R、G、BおよびWの八つのカラーパッチおよび各画像信号が0%のパッチと、ハンディタイプの光沢度計で測定するパッチの数が少ないことから、ユーザはキーボード4を操作して測定値を入力してもよい。
【0120】
【他の実施形態】
なお、本発明は、複数の機器(例えばホストコンピュータ、インタフェイス機器、リーダ、プリンタなど)から構成されるシステムに適用しても、一つの機器からなる装置(例えば、複写機、ファクシミリ装置など)に適用してもよい。
【0121】
また、本発明の目的は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体(または記録媒体)を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているオペレーティングシステム(OS)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0122】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張カードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張カードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0123】
本発明を上記記憶媒体に適用する場合、その記憶媒体には、先に説明したフローチャートに対応するプログラムコードが格納されることになる。
【0124】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、光沢度を考慮し画像処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】画像処理を実行するシステムの構成例を示すブロック図、
【図2】 HDに格納されたソフトウェアやデータを説明する図、
【図3】色変換を説明するための図、
【図4】 ICCプロファイルの構造を示す図、
【図5】 ICCプロファイルの詳細例を示す図、
【図6】スキャナの画像読取部を示す図、
【図7】 ICCプロファイルの作成手順を説明するフローチャート、
【図8】グロスマッチングを行った場合と、行わない場合の出力画像の光沢度の概要を示す図、
【図9】光沢度情報を有するICCプロファイルの利用方法を説明するためのフローチャート、
【図10】プリントサーバの処理を示すフローチャート、
【図11】「光沢感を重視」が選択された場合の最適な装置の探索の詳細を説明するフローチャート、
【図12】「光沢感を最重視、色を重視」または「色を最重視、光沢感を重視」が選択された場合の最適な装置の探索の詳細を説明するフローチャート、
【図13】クラスタプリンティングが指示された場合の最適な装置の探索の詳細を説明するフローチャート、
【図14】 ICCプロファイルの作成手順を説明するフローチャートである。

Claims (11)

  1. デバイスに固有の色空間とデバイスに依存しない色空間との間の色変換に関する情報を記述したプロファイルを作成する画像処理装置であって、
    カラーチャートを測定して得た光沢度を示す情報を入力する入力手段と、
    前記入力手段が入力した光沢度を示す情報に基づき光沢度情報を前記プロファイルに記述する記述手段とを有することを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記光沢度情報は、前記カラーチャートの平均光沢度、画像信号と光沢度の関係を記述したテーブル、および、前記カラーチャートのメディアの光沢度を含むことを特徴とする請求項1に記載された画像処理装置。
  3. 複数の画像形成装置が接続され、それら装置のプロファイルを記憶する画像処理装置であって、
    前記プロファイルに記述された光沢度情報を取得する取得手段と、
    前記取得手段が取得た光沢度情報と、ターゲットプロファイルの光沢度情報比較する比較手段と、
    前記比較手段の比較結果に基づき、前記複数の画像形成装置から画像形成に使用する画像形成装置を選択する選択手段と、
    前記選択手段が選択た画像形成装置へ、形成すべき画像を送信する送信手段とを有することを特徴とする画像処理装置。
  4. 前記取得手段は、さらに、前記プロファイルに記述された画像形成装置の情報を取得し、前記比較手段は、さらに、前記取得手段が取得した前記画像形成装置の色情報と、前記ターゲットプロファイルの色域情報を比較し、前記選択手段は、前記光沢度情報および前記域情報の比較結果に基づき、前記画像形成装置を選択することを特徴とする請求項3に記載された画像処理装置。
  5. さらに、前記比較結果に基づき、前記選択手段が選択た画像形成装置の画像形成モードを設定する設定手段を有することを特徴とする請求項3または請求項4に記載された画像処理装置。
  6. 前記選択手段は、前記比較結果に基づき、前記画像形成に使用する複数の画像形成装置を選択することを特徴とする請求項3から請求項5の何れかに記載された画像処理装置。
  7. デバイスに固有の色空間とデバイスに依存しない色空間との間の色変換に関する情報を記述したプロファイルを作成する画像処理方法であって、
    カラーチャートを測定して得た光沢度を示す情報を入力し、
    前記入力した光沢度を示す情報に基づき光沢度情報を前記プロファイルに記述することを特徴とする画像処理方法。
  8. 複数の画像形成装置を、それら装置のプロファイルに基づき制御する制御方法であって、
    前記プロファイルに記述された光沢度情報を取得し、
    前記取得した光沢度情報と、ターゲットプロファイルの光沢度情報比較し、
    前記比較結果に基づき、前記複数の画像形成装置から画像形成に使用する画像形成装置を選択し、
    前記選択した画像形成装置へ、形成すべき画像を送信することを特徴とする制御方法。
  9. コンピュータに請求項7に記載された画像処理方法を実行させるためのコンピュータプログラム。
  10. コンピュータに請求項8に記載された制御方法を実行させるためのコンピュータプログラム。
  11. 請求項9または請求項10に記載されたコンピュータプログラムが記録されたことを特徴とするコンピュータが読み取り可能な記憶媒体。
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