JP3880452B2 - ストライプめっき用金属条、ストライプめっき条及びストライプめっき方法 - Google Patents
ストライプめっき用金属条、ストライプめっき条及びストライプめっき方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3880452B2 JP3880452B2 JP2002149661A JP2002149661A JP3880452B2 JP 3880452 B2 JP3880452 B2 JP 3880452B2 JP 2002149661 A JP2002149661 A JP 2002149661A JP 2002149661 A JP2002149661 A JP 2002149661A JP 3880452 B2 JP3880452 B2 JP 3880452B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- plating
- metal strip
- gold
- strip
- stripe
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Classifications
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01L—SEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
- H01L2924/00—Indexing scheme for arrangements or methods for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies as covered by H01L24/00
- H01L2924/0001—Technical content checked by a classifier
- H01L2924/0002—Not covered by any one of groups H01L24/00, H01L24/00 and H01L2224/00
Landscapes
- Lead Frames For Integrated Circuits (AREA)
- Electroplating Methods And Accessories (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子部品であるコネクタなどの各種端子、ICリードフレームなどのリード材などに用いられる金属条であって、金、半田などのストライプめっきが施されるストライプめっき用金属条、ストライプめっきが施されたストライプめっき条、及び、ストライプめっき方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子部品であるコネクタなどの各種端子或はICリードフレームなどのリード材などを製造するためには、例えば黄銅、バネ用りん青銅のような銅合金などからなる金属条を用い、この金属条をプレス成形加工し、雄及び雌の連続端子が形成される。
【0003】
つまり、図7に、電子部品であるコネクタなどの各種端子を製造するための、従来使用されている金属条、即ち、ストライプめっき金属条の一例を示す。本例に示すプレス成形加工後の金属条1は、長手方向に連続したキャリヤ部2を有し、このキャリヤ部2には、キャリヤ部2に対して直交するようにして、且つ、所定の間隔(G)にて互に離間して端子3が形成されており、また、本例では、この端子3に直交する形で、半田付けを行う連結部4が形成されている。
【0004】
このようなプレス成形された金属条1は、キャリヤ部2が駆動装置に係合駆動されることにより、連続してめっき設備へと供給される。
【0005】
金属条1にNi或はPd−Niなどにて下地めっき(単に「ニッケルめっき」という。)をした後、この金属条1の長手方向にストライプ状に、即ち、端子先端接点部5には長さLA領域に金或は金−コバルト合金などの接点用めっきが施される。また、例えば、端子3に対して直交する連結部4の一部は半田付け部6として利用されるので、キャリア部2に対向する側において幅WS、長さLSにわたる領域に半田付け用めっき、例えば、金フラッシュめっき、或いは、錫、錫合金めっき等のめっきが施される。
【0006】
コネクタなどの電子部品の小型化に伴い、このようなストライプめっきにおいて、例えば、領域LSの半田付け用の金フラッシュめっきと、領域LAの接点用の金めっきとの間隔LGが狭くなり、実装時、半田付け用金フラッシュめっき(領域LS)の溶融半田が接点用金めっき(領域LA)まで達してしまう、所謂、「半田の吸いあがり現象」が顕在化してきた。これが起こると、領域LAの接点用金めっき上に半田がつき接点電気特性が劣ってしまう。
【0007】
そこで、領域LSの半田付け用金フラッシュめっきと、領域LAの接点用金めっきとの間の領域LGに金めっきがつかずニッケルめっきが露出した、所謂、「ニッケルバリア」の必要性が高まっている。このようなニッケルバリア領域7(領域LG)は金めっきがないため溶融半田がのらず、半田付け用金めっき上の溶融半田が接点まで流れることを防止できる。
【0008】
従来、金めっき位置規格に対しては、めっき製造上のめっき位置のバラツキを考慮して金めっき位置を広げることが行われている。
【0009】
一方、ニッケルバリアとして必要な幅(即ち、領域LGの距離)については必ずしも明確ではないが、最低でも0.1mmは必要と言われている。したがって、金めっき位置のバラツキが大きいほど金めっき位置を広げなければならず、ニッケルバリア領域LGを0.1mm以上形成するとなると両金めっき位置の規格の間隔が広いものでないと適用できないことになる。
【0010】
つまり、両金めっき位置規格の間隔の狭いものでその間隔内にニッケルバリア領域LGを形成するには金めっき位置のバラツキを小さくし規格より広げる余分な金めっき位置を最小化しなければならない。
【0011】
具体的には、両金めっき位置の規格の間隔が1mm以下のものでは、0.1mmのニッケルバリア領域LGを形成するためにはそれぞれの金めっき位置のバラツキの範囲は0.45mm以下に抑えなければならない。
【0012】
従来、図7に示すような金属条1にて、半田付け部6に金フラッシュめっきを施すには、図6に示すような、回転ドラム101とエンドレスマスキングベルト104を使って部分めっきする、所謂「ドラム法」が採用されている。
【0013】
ドラム法は、図7に示すように、金めっき槽100中に回転ドラム101と電極102を配置し、槽中にはめっき液103が収容され、又、回転ドラム101の回りにエンドレスマスキングベルト104を巻回し、回転ドラム101とマスキングベルト104の間に金属条1を供給して部分めっきする。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ドラム法にて半田付け部6、即ち、連結部4に金フラッシュめっきを施すに際して、めっき位置の範囲を0.45mm以下に抑えたとしても、マスキング部から金めっき液が浸入して金めっき部で極薄い「金めっきにじみ」を生じる。また、エンドレスマスキングベルトの走行時の横方向位置のばらつきなどにても、金フラッシュめっき位置が変動する。
【0015】
つまり、本発明者らの知る限りにおいて、現状では、領域LSの半田付け用金フラッシュめっきと、領域LAの接点用金めっき位置間隔LGが狭いものに対し、量産レベルでニッケルバリア形成を保証できる方法はない。
【0016】
従って、本発明の目的は、エンドレスマスキングベルトの走行時の横方向位置のばらつきなどがあっても、金属条に部分金めっきを高精度にて且つ高品質にて行なうことができ、ニッケルバリア領域の確実な形成が可能であり、電子部品の小型化に対応することのできるストライプめっき用金属条、ストライプめっきが施されたストライプめっき条、及び、ストライプめっき方法を提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記目的は本発明に係るストライプめっき用金属条、ストライプめっきが施されたストライプめっき条、及び、ストライプめっき方法にて達成される。要約すれば、第1の本発明は、ストライプめっきがなされるストライプめっき用金属条であって、めっき必要部の金属条端縁角部に面取りを施すことを特徴とするストライプめっき用金属条である。一実施態様によると、前記金属条は、長手方向に連続したキャリヤ部と、前記キャリヤ部に対して直交するようにして、且つ、所定の間隔(G)にて互に離間して接続された端子と、そして半田付けを行う連結部とを有し、前記連結部の端縁角部に、所定の長さ(LS)にわたり面取りを施す。他の実施態様によると、前記金属条の厚さをT(mm)、面取り部における面取り幅をA(mm)、面取り深さをB(mm)とし、前記連結部における必要めっき部の、前記連結部端面からの距離をWS(mm)とすると、
A/WS≧1/5
B/T≧1/10
である。
【0018】
第2の本発明は、上記ストライプめっき用金属条を用いて、全体にニッケルメッキを施し、その後、前記端子の先端の接点部領域(LA)には接点用めっきを施し、前記連結部の前記面取りが施された半田付け部領域には半田付け用めっきを施し、前記接点用めっきと前記半田付け用めっきとの間の領域にニッケルバリア領域を形成したことを特徴とするストライプめっき条である。一実施態様によると、前記接点用めっきは、金めっき、或いは、金−コバルト合金めっきとされ、前記半田付け用めっきは、金フラッシュめっき、又は、錫若しくは錫合金めっきとされる。
【0019】
第3の本発明は、上記金属条の全体にニッケルメッキを施した後に、回転ドラムと、この回転ドラムの回りに巻回されて走行するエンドレスマスキングベルトとの間に前記金属条を供給してめっき必要部に部分めっきするストライプメッキ方法であって、前記面取りが施された金属条端縁角部を前記エンドレスマスキングベルトにて覆い、前記回転ドラムと前記面取り部との間、及び、前記エンドレスマスキングベルトと前記面取り部との間に形成された隙間から金めっき液を前記金属条表面へと浸入させ、金属条のめっき必要部表面に金めっきを施すことを特徴とするストライプめっき方法である。
【0020】
本発明のストライプめっき方法において、一実施態様によると、前記金属条は、長手方向に連続したキャリヤ部と、前記キャリヤ部に対して直交するようにして、且つ、所定の間隔(G)にて互に離間して接続された端子と、そして半田付けを行う連結部とを有し、前記連結部の端縁角部に、所定の長さ(LS)にわたって面取りを施し、前記エンドレスマスキングベルトは、前記連結部及び前記端子部を全て覆い、前記エンドレスマスキングベルトと隣接して配置された他のエンドレスマスキングベルトにより前記キャリヤ部を覆い、前記両エンドレスマスキングベルトは、前記キャリア部と前記連結部との間の領域にて、所定距離(S)の間隔を置いて配置される。他の実施態様によると、前記金属条の厚さをT(mm)、面取り部における面取り幅をA(mm)、面取り深さをB(mm)とし、前記連結部における必要めっき部の、前記連結部端面からの浸入距離をWS(mm)とすると、
A/WS≧1/5
B/T≧1/10
である。他の実施態様によると、前記金メッキは、半田付け用めっきであり、前記半田付け用メッキは、金フラッシュめっき、又は、錫若しくは錫合金めっきとし得る。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るストライプめっき用金属条、ストライプめっきが施されたストライプめっき条、及び、ストライプめっき方法を図面に則して更に詳しく説明する。
【0022】
本発明の特徴は、図6を参照して先に説明した、回転ドラム101とエンドレスマスキングベルト104を用いたドラム法により、金属条の所定領域に、部分めっきを、高精度にて、且つ、高品質にて施すことにある。従って、本発明によれば、金属条の所望領域に確実にニッケルバリア領域を形成することができ、電子部品の小型化を達成し得る。
【0023】
本実施例にてストライプめっき用金属条は、図7に示す金属条1と同様のものとされる。
【0024】
つまり、金属条1は、プレス成形加工後において、長手方向に連続したキャリヤ部2と、このキャリヤ部2に対して直交して形成され、且つ、所定の間隔(G)にて互に離間して形成された端子3とを有する。さらに、金属条1には、連結部4が形成されている。連結部4は、端子3に接続された半田付け部6を有する。
【0025】
ただ、本発明の金属条1は、図2に示すように、連結部4の形状において、図7に示す従来の金属条1とは大きく異なる。
【0026】
つまり、本発明の特徴によれば、図2に示すように、金属条1の連結部4のキャリヤ2側に対向した側の端面4aは、その連結部4の長手方向に沿った、且つ、上下対向した両端縁角部に面取り4bが施される。
【0027】
面取りの方法は限定されるものではないが、一方法として図3(A)に示すように、上プレス型11及び下プレス型12により、金属条1の連結部4のキャリヤ2側に対向した両端縁角部を、必要とされるめっき領域長さLS(図7参照)にわたって押圧プレス加工するのが好適である。面取り部4bは、図示するように直線状である必要はなく、湾曲していても構わない。
【0028】
このプレス加工により、連結部の上下対向した両端縁角部には、図3(B)に示すように、面取り4bが施される。
【0029】
本実施例によれば、上記構成の金属条1は、下地めっきとして厚さ1〜2μmにてニッケルめっきをした後、接点部5には長さLA領域に金或は金−コバルト合金などの接点用めっき、即ち、金めっきが施される。また、連結部4の半田付け部6として利用される領域には、キャリア部2に対向する側において幅WS、長さLSにわたり半田付け用めっき、例えば、金フラッシュめっき、或いは、錫、錫合金めっき等のめっきが施される。
【0030】
次に、金属条1に、金フラッシュめっき、或いは、錫、錫合金めっき等のめっき(以後単に「部分金めっき」という。)を施す工程について説明する。
【0031】
ニッケルめっき及び接点用めっきが施された金属条1は、本発明では、ドラム法により金属条1の半田付け部6に部分金めっきが施される。
【0032】
ドラム法は、当業者には周知であるので、詳しい説明は省略するが、図7に示すように、金めっき槽100中に回転ドラム101と電極102を配置し、槽中にはめっき液103が収容され、又、回転ドラム101の回りにエンドレスマスキングベルト104を巻回し、回転ドラム101とマスキングベルト104の間に金属条1を供給して部分的に金めっきする。
【0033】
本実施例によれば、図1及び図2に示すように、金属条1に部分金めっきを施すに際して、エンドレスマスキングベルト104は、連結部4及び端子部3を全て覆う第1のエンドレスマスキングベルト104aと、キャリヤ部2を覆う第2のエンドレスマスキングベルト104bとにて構成され、両ベルト104a、104bは、キャリア部2と連結部4との間の領域にて、所定距離、通常0.5〜3mmの間隔(S)を置いて配置される。通常、エンドレスマスキングベルト104a、104bの走行時の横方向へのバラツキは、±0.2mmとされるので、両ベルト間にこの距離間隔(S)を設けることにより、両ベルト104a、104bの隣接端縁が衝接したり、互いに重なり合うことはない。
【0034】
本発明者らの研究実験の結果によれば、このように、連結部4の角部に面取り4bを設けた金属条1をエンドレスマスキングベルト104aによりマスキングして金フラッシュめっきなどを施した場合には、図2に示すように、回転ドラム101と面取り部4bとの間、及び、エンドレスマスキングベルト104aと面取り部4bとの間に形成された隙間から金めっき液が連結部4表面へと浸入し、図4に示すように、連結部4の表面にも端面4aから距離WSにわたって金めっきが付くことを見出した。
【0035】
図5は、上記実施例にて説明したストライプめっき法にて金属条1に金フラッシュめっきを施した後の金属条1(即ち、ストライプめっき条1A)を示す。
【0036】
図5からも理解されるように、連結部4にて金めっきを必要としない領域、即ち、長さLSとされるめっき必要部6以外の領域においては面取りが施されていないので、角部のエッジ効果により金めっき液は、回転ドラム101と金属条1との間、及び、エンドレスマスキングベルト104aと金属条1との間には浸入せず、金めっきは付かない。一方、連結部4の角部に面取り4bを施した領域、即ち、めっき必要部6には金めっきが付いている。更には、両エンドレスマスキングベルト104a、104bが隣り合った空隙部(S)に対応して、端子3に金めっき8が施されているが、この部分は、端子3をキャリア部2から分離するに際して切除される部分であり、何ら問題はない。
【0037】
図5から理解されるように、端子3の先端接点部領域5と金フラッシュめっきが付着した半田付け領域6との間には、少なくとも領域LGにおいて、ニッケルバリア領域が形成されている。
【0038】
従って、本発明により形成された端子3によれば、ニッケルバリア領域LGが明確に形成されることから、半田付け作業時に、半田が半田付け領域6から先端接点部5に流れることが有効に防止される。即ち、本発明の端子3には、所謂、半田の吸いあがり現象は見られない。
【0039】
上述にて理解されるように、本実施例のストライプめっき法によれば、金属条1の寸法が変わっても、単に両ベルト104a、104bの間隔(S)を調整するだけで良く、汎用性があり、作業性に優れている。
【0040】
本発明者らの研究実験の結果、金属条連結部4の面取り形状寸法と、金属条1における金めっき付着領域6との関係は、次の通りであることが分かった。図4にストライプめっきが施されたストライプめっき条1Aの連結部4部分を示す。
【0041】
図4を参照して、いま、金属条1の厚さをT(mm)、面取り部4bの面取り量、即ち、連結部端面4aからの面取り長さをA(mm)、連結部表面からの面取り深さをB(mm)、金めっきの付着量、即ち、連結部端面4aからの浸入距離をWS(mm)とすると、
A/WS≧1/5
B/T≧1/10
である。A/WSが1/5より小さい場合、また、B/Tが1/10より小さい場合には、めっきされる部位の面積が狭く、半田付けが狭くなり、十分な半田接合強度が得られない、といった問題がある。
【0042】
つまり、上記式を満足することにより、半田付け用金フラッシュめっき必要領域6に、即ち、浸入距離WSにわたって金めっきが付くことが確認された。
【0043】
なお、本発明の作用効果を実証するために以下の実験を行った。表1に実験結果を示す。
【0044】
実験では、厚さ(T)0.2mm、幅(W)25mmのばね用リン青銅とされるストライプめっき用金属条、即ち、コネクタ用プレス材を用い、プレス加工により作製した、図7に示す形状の金属条を使用した。なお、連結部4の幅(w)は、1.0mm、半田付け部6の幅(WS)は0.8mmであった。
【0045】
次いで、このプレス加工した金属条1に対して、図3(A)に示すように、上プレス型11及び下プレス型12により、金属条1の連結部4のキャリヤ側に対向した上下対向した両端縁角部に、長さLS=1.2mmにわたって押圧し、面取りを行い、図3(B)に示すような面取り部4bを備えた金属条1を作製した。面取り部4bの面取り量A、Bは表1に示す通りであった。
【0046】
その後、プレス加工された金属条1は、ニッケル(Ni)めっき槽(図示せず)にて全体が厚さ1.5μmにてニッケルめっきを施した後、通常のドラム法にて、金めっき領域LAに接点用金めっきを0.4〜0.6μm付けた。
【0047】
続いて、上述した本発明に従った方法にて、半田付け用めっき領域LSに、半田付け用金フラッシュめっきを0.02〜0.05μm施した。
【0048】
このようにして作製した、本発明に従ったストライプめっき条1Aを用いて、半田実装試験の模擬試験を実施した。即ち、60%錫(Sn)残鉛(Pb)半田の235℃溶融半田ないに25%ロジンメタノールフラックスを付けた上記サンプルの連結部4(w×LS)を数秒浸漬し、この浸漬した部位の半田濡れ性を評価した。また、いずれの例も接点部の金めっきへの半田の付着(半田の吸いあがり)現象はなかった。
【0049】
表1の結果から、本発明によれば、金属条1に部分金めっきを高精度且つ高品質にて行い得ることが分かる。
【0050】
【表1】
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のストライプめっき用金属条、ストライプめっき条及びストライプめっき方法は、ストライプめっきがなされるストライプめっき用金属条が、そのめっき必要部の金属条端縁角部に面取りを施す構成とされるので、エンドレスマスキングベルトの走行時の横方向位置のばらつきなどがあっても、金属条に部分めっきを高精度にて且つ高品質にて行なうことができ、ニッケルバリア領域の確実な形成が可能であり、電子部品の小型化に対応することができる。又、本発明のストライプめっき方法は、種々の寸法の金属条に対しても作業性良く対応し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のストライプめっき方法の一実施例を説明する図である。
【図2】図1の線II−IIに取った、ストライプめっき用金属条の面取り部の形状の一実施例を示す断面図である。
【図3】ストライプめっき用金属条の面取り部形成方法を説明する工程図である。
【図4】ストライプめっき用金属条面取り部と、部分金めっきとの関係を説明する断面図である。
【図5】本発明に従ったストライプめっき用金属条の一実施例を示す平面図である。
【図6】本発明のストライプめっき方法を実施するためのめっき設備の一実施例を示す概略構成図である。
【図7】従来のストライプめっき用金属条の一例を示す平面図である。
【符号の説明】
1 ストライプめっき用金属条
1A ストライプめっき条
2 キャリヤ部
3 端子
4 連結部
4b 面取り部
5 接点部
6 半田付け部
7 ニッケルバリア領域
101 回転ドラム
102 電極
103 めっき液
104 マスキングベルト
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子部品であるコネクタなどの各種端子、ICリードフレームなどのリード材などに用いられる金属条であって、金、半田などのストライプめっきが施されるストライプめっき用金属条、ストライプめっきが施されたストライプめっき条、及び、ストライプめっき方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子部品であるコネクタなどの各種端子或はICリードフレームなどのリード材などを製造するためには、例えば黄銅、バネ用りん青銅のような銅合金などからなる金属条を用い、この金属条をプレス成形加工し、雄及び雌の連続端子が形成される。
【0003】
つまり、図7に、電子部品であるコネクタなどの各種端子を製造するための、従来使用されている金属条、即ち、ストライプめっき金属条の一例を示す。本例に示すプレス成形加工後の金属条1は、長手方向に連続したキャリヤ部2を有し、このキャリヤ部2には、キャリヤ部2に対して直交するようにして、且つ、所定の間隔(G)にて互に離間して端子3が形成されており、また、本例では、この端子3に直交する形で、半田付けを行う連結部4が形成されている。
【0004】
このようなプレス成形された金属条1は、キャリヤ部2が駆動装置に係合駆動されることにより、連続してめっき設備へと供給される。
【0005】
金属条1にNi或はPd−Niなどにて下地めっき(単に「ニッケルめっき」という。)をした後、この金属条1の長手方向にストライプ状に、即ち、端子先端接点部5には長さLA領域に金或は金−コバルト合金などの接点用めっきが施される。また、例えば、端子3に対して直交する連結部4の一部は半田付け部6として利用されるので、キャリア部2に対向する側において幅WS、長さLSにわたる領域に半田付け用めっき、例えば、金フラッシュめっき、或いは、錫、錫合金めっき等のめっきが施される。
【0006】
コネクタなどの電子部品の小型化に伴い、このようなストライプめっきにおいて、例えば、領域LSの半田付け用の金フラッシュめっきと、領域LAの接点用の金めっきとの間隔LGが狭くなり、実装時、半田付け用金フラッシュめっき(領域LS)の溶融半田が接点用金めっき(領域LA)まで達してしまう、所謂、「半田の吸いあがり現象」が顕在化してきた。これが起こると、領域LAの接点用金めっき上に半田がつき接点電気特性が劣ってしまう。
【0007】
そこで、領域LSの半田付け用金フラッシュめっきと、領域LAの接点用金めっきとの間の領域LGに金めっきがつかずニッケルめっきが露出した、所謂、「ニッケルバリア」の必要性が高まっている。このようなニッケルバリア領域7(領域LG)は金めっきがないため溶融半田がのらず、半田付け用金めっき上の溶融半田が接点まで流れることを防止できる。
【0008】
従来、金めっき位置規格に対しては、めっき製造上のめっき位置のバラツキを考慮して金めっき位置を広げることが行われている。
【0009】
一方、ニッケルバリアとして必要な幅(即ち、領域LGの距離)については必ずしも明確ではないが、最低でも0.1mmは必要と言われている。したがって、金めっき位置のバラツキが大きいほど金めっき位置を広げなければならず、ニッケルバリア領域LGを0.1mm以上形成するとなると両金めっき位置の規格の間隔が広いものでないと適用できないことになる。
【0010】
つまり、両金めっき位置規格の間隔の狭いものでその間隔内にニッケルバリア領域LGを形成するには金めっき位置のバラツキを小さくし規格より広げる余分な金めっき位置を最小化しなければならない。
【0011】
具体的には、両金めっき位置の規格の間隔が1mm以下のものでは、0.1mmのニッケルバリア領域LGを形成するためにはそれぞれの金めっき位置のバラツキの範囲は0.45mm以下に抑えなければならない。
【0012】
従来、図7に示すような金属条1にて、半田付け部6に金フラッシュめっきを施すには、図6に示すような、回転ドラム101とエンドレスマスキングベルト104を使って部分めっきする、所謂「ドラム法」が採用されている。
【0013】
ドラム法は、図7に示すように、金めっき槽100中に回転ドラム101と電極102を配置し、槽中にはめっき液103が収容され、又、回転ドラム101の回りにエンドレスマスキングベルト104を巻回し、回転ドラム101とマスキングベルト104の間に金属条1を供給して部分めっきする。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ドラム法にて半田付け部6、即ち、連結部4に金フラッシュめっきを施すに際して、めっき位置の範囲を0.45mm以下に抑えたとしても、マスキング部から金めっき液が浸入して金めっき部で極薄い「金めっきにじみ」を生じる。また、エンドレスマスキングベルトの走行時の横方向位置のばらつきなどにても、金フラッシュめっき位置が変動する。
【0015】
つまり、本発明者らの知る限りにおいて、現状では、領域LSの半田付け用金フラッシュめっきと、領域LAの接点用金めっき位置間隔LGが狭いものに対し、量産レベルでニッケルバリア形成を保証できる方法はない。
【0016】
従って、本発明の目的は、エンドレスマスキングベルトの走行時の横方向位置のばらつきなどがあっても、金属条に部分金めっきを高精度にて且つ高品質にて行なうことができ、ニッケルバリア領域の確実な形成が可能であり、電子部品の小型化に対応することのできるストライプめっき用金属条、ストライプめっきが施されたストライプめっき条、及び、ストライプめっき方法を提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記目的は本発明に係るストライプめっき用金属条、ストライプめっきが施されたストライプめっき条、及び、ストライプめっき方法にて達成される。要約すれば、第1の本発明は、ストライプめっきがなされるストライプめっき用金属条であって、めっき必要部の金属条端縁角部に面取りを施すことを特徴とするストライプめっき用金属条である。一実施態様によると、前記金属条は、長手方向に連続したキャリヤ部と、前記キャリヤ部に対して直交するようにして、且つ、所定の間隔(G)にて互に離間して接続された端子と、そして半田付けを行う連結部とを有し、前記連結部の端縁角部に、所定の長さ(LS)にわたり面取りを施す。他の実施態様によると、前記金属条の厚さをT(mm)、面取り部における面取り幅をA(mm)、面取り深さをB(mm)とし、前記連結部における必要めっき部の、前記連結部端面からの距離をWS(mm)とすると、
A/WS≧1/5
B/T≧1/10
である。
【0018】
第2の本発明は、上記ストライプめっき用金属条を用いて、全体にニッケルメッキを施し、その後、前記端子の先端の接点部領域(LA)には接点用めっきを施し、前記連結部の前記面取りが施された半田付け部領域には半田付け用めっきを施し、前記接点用めっきと前記半田付け用めっきとの間の領域にニッケルバリア領域を形成したことを特徴とするストライプめっき条である。一実施態様によると、前記接点用めっきは、金めっき、或いは、金−コバルト合金めっきとされ、前記半田付け用めっきは、金フラッシュめっき、又は、錫若しくは錫合金めっきとされる。
【0019】
第3の本発明は、上記金属条の全体にニッケルメッキを施した後に、回転ドラムと、この回転ドラムの回りに巻回されて走行するエンドレスマスキングベルトとの間に前記金属条を供給してめっき必要部に部分めっきするストライプメッキ方法であって、前記面取りが施された金属条端縁角部を前記エンドレスマスキングベルトにて覆い、前記回転ドラムと前記面取り部との間、及び、前記エンドレスマスキングベルトと前記面取り部との間に形成された隙間から金めっき液を前記金属条表面へと浸入させ、金属条のめっき必要部表面に金めっきを施すことを特徴とするストライプめっき方法である。
【0020】
本発明のストライプめっき方法において、一実施態様によると、前記金属条は、長手方向に連続したキャリヤ部と、前記キャリヤ部に対して直交するようにして、且つ、所定の間隔(G)にて互に離間して接続された端子と、そして半田付けを行う連結部とを有し、前記連結部の端縁角部に、所定の長さ(LS)にわたって面取りを施し、前記エンドレスマスキングベルトは、前記連結部及び前記端子部を全て覆い、前記エンドレスマスキングベルトと隣接して配置された他のエンドレスマスキングベルトにより前記キャリヤ部を覆い、前記両エンドレスマスキングベルトは、前記キャリア部と前記連結部との間の領域にて、所定距離(S)の間隔を置いて配置される。他の実施態様によると、前記金属条の厚さをT(mm)、面取り部における面取り幅をA(mm)、面取り深さをB(mm)とし、前記連結部における必要めっき部の、前記連結部端面からの浸入距離をWS(mm)とすると、
A/WS≧1/5
B/T≧1/10
である。他の実施態様によると、前記金メッキは、半田付け用めっきであり、前記半田付け用メッキは、金フラッシュめっき、又は、錫若しくは錫合金めっきとし得る。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るストライプめっき用金属条、ストライプめっきが施されたストライプめっき条、及び、ストライプめっき方法を図面に則して更に詳しく説明する。
【0022】
本発明の特徴は、図6を参照して先に説明した、回転ドラム101とエンドレスマスキングベルト104を用いたドラム法により、金属条の所定領域に、部分めっきを、高精度にて、且つ、高品質にて施すことにある。従って、本発明によれば、金属条の所望領域に確実にニッケルバリア領域を形成することができ、電子部品の小型化を達成し得る。
【0023】
本実施例にてストライプめっき用金属条は、図7に示す金属条1と同様のものとされる。
【0024】
つまり、金属条1は、プレス成形加工後において、長手方向に連続したキャリヤ部2と、このキャリヤ部2に対して直交して形成され、且つ、所定の間隔(G)にて互に離間して形成された端子3とを有する。さらに、金属条1には、連結部4が形成されている。連結部4は、端子3に接続された半田付け部6を有する。
【0025】
ただ、本発明の金属条1は、図2に示すように、連結部4の形状において、図7に示す従来の金属条1とは大きく異なる。
【0026】
つまり、本発明の特徴によれば、図2に示すように、金属条1の連結部4のキャリヤ2側に対向した側の端面4aは、その連結部4の長手方向に沿った、且つ、上下対向した両端縁角部に面取り4bが施される。
【0027】
面取りの方法は限定されるものではないが、一方法として図3(A)に示すように、上プレス型11及び下プレス型12により、金属条1の連結部4のキャリヤ2側に対向した両端縁角部を、必要とされるめっき領域長さLS(図7参照)にわたって押圧プレス加工するのが好適である。面取り部4bは、図示するように直線状である必要はなく、湾曲していても構わない。
【0028】
このプレス加工により、連結部の上下対向した両端縁角部には、図3(B)に示すように、面取り4bが施される。
【0029】
本実施例によれば、上記構成の金属条1は、下地めっきとして厚さ1〜2μmにてニッケルめっきをした後、接点部5には長さLA領域に金或は金−コバルト合金などの接点用めっき、即ち、金めっきが施される。また、連結部4の半田付け部6として利用される領域には、キャリア部2に対向する側において幅WS、長さLSにわたり半田付け用めっき、例えば、金フラッシュめっき、或いは、錫、錫合金めっき等のめっきが施される。
【0030】
次に、金属条1に、金フラッシュめっき、或いは、錫、錫合金めっき等のめっき(以後単に「部分金めっき」という。)を施す工程について説明する。
【0031】
ニッケルめっき及び接点用めっきが施された金属条1は、本発明では、ドラム法により金属条1の半田付け部6に部分金めっきが施される。
【0032】
ドラム法は、当業者には周知であるので、詳しい説明は省略するが、図7に示すように、金めっき槽100中に回転ドラム101と電極102を配置し、槽中にはめっき液103が収容され、又、回転ドラム101の回りにエンドレスマスキングベルト104を巻回し、回転ドラム101とマスキングベルト104の間に金属条1を供給して部分的に金めっきする。
【0033】
本実施例によれば、図1及び図2に示すように、金属条1に部分金めっきを施すに際して、エンドレスマスキングベルト104は、連結部4及び端子部3を全て覆う第1のエンドレスマスキングベルト104aと、キャリヤ部2を覆う第2のエンドレスマスキングベルト104bとにて構成され、両ベルト104a、104bは、キャリア部2と連結部4との間の領域にて、所定距離、通常0.5〜3mmの間隔(S)を置いて配置される。通常、エンドレスマスキングベルト104a、104bの走行時の横方向へのバラツキは、±0.2mmとされるので、両ベルト間にこの距離間隔(S)を設けることにより、両ベルト104a、104bの隣接端縁が衝接したり、互いに重なり合うことはない。
【0034】
本発明者らの研究実験の結果によれば、このように、連結部4の角部に面取り4bを設けた金属条1をエンドレスマスキングベルト104aによりマスキングして金フラッシュめっきなどを施した場合には、図2に示すように、回転ドラム101と面取り部4bとの間、及び、エンドレスマスキングベルト104aと面取り部4bとの間に形成された隙間から金めっき液が連結部4表面へと浸入し、図4に示すように、連結部4の表面にも端面4aから距離WSにわたって金めっきが付くことを見出した。
【0035】
図5は、上記実施例にて説明したストライプめっき法にて金属条1に金フラッシュめっきを施した後の金属条1(即ち、ストライプめっき条1A)を示す。
【0036】
図5からも理解されるように、連結部4にて金めっきを必要としない領域、即ち、長さLSとされるめっき必要部6以外の領域においては面取りが施されていないので、角部のエッジ効果により金めっき液は、回転ドラム101と金属条1との間、及び、エンドレスマスキングベルト104aと金属条1との間には浸入せず、金めっきは付かない。一方、連結部4の角部に面取り4bを施した領域、即ち、めっき必要部6には金めっきが付いている。更には、両エンドレスマスキングベルト104a、104bが隣り合った空隙部(S)に対応して、端子3に金めっき8が施されているが、この部分は、端子3をキャリア部2から分離するに際して切除される部分であり、何ら問題はない。
【0037】
図5から理解されるように、端子3の先端接点部領域5と金フラッシュめっきが付着した半田付け領域6との間には、少なくとも領域LGにおいて、ニッケルバリア領域が形成されている。
【0038】
従って、本発明により形成された端子3によれば、ニッケルバリア領域LGが明確に形成されることから、半田付け作業時に、半田が半田付け領域6から先端接点部5に流れることが有効に防止される。即ち、本発明の端子3には、所謂、半田の吸いあがり現象は見られない。
【0039】
上述にて理解されるように、本実施例のストライプめっき法によれば、金属条1の寸法が変わっても、単に両ベルト104a、104bの間隔(S)を調整するだけで良く、汎用性があり、作業性に優れている。
【0040】
本発明者らの研究実験の結果、金属条連結部4の面取り形状寸法と、金属条1における金めっき付着領域6との関係は、次の通りであることが分かった。図4にストライプめっきが施されたストライプめっき条1Aの連結部4部分を示す。
【0041】
図4を参照して、いま、金属条1の厚さをT(mm)、面取り部4bの面取り量、即ち、連結部端面4aからの面取り長さをA(mm)、連結部表面からの面取り深さをB(mm)、金めっきの付着量、即ち、連結部端面4aからの浸入距離をWS(mm)とすると、
A/WS≧1/5
B/T≧1/10
である。A/WSが1/5より小さい場合、また、B/Tが1/10より小さい場合には、めっきされる部位の面積が狭く、半田付けが狭くなり、十分な半田接合強度が得られない、といった問題がある。
【0042】
つまり、上記式を満足することにより、半田付け用金フラッシュめっき必要領域6に、即ち、浸入距離WSにわたって金めっきが付くことが確認された。
【0043】
なお、本発明の作用効果を実証するために以下の実験を行った。表1に実験結果を示す。
【0044】
実験では、厚さ(T)0.2mm、幅(W)25mmのばね用リン青銅とされるストライプめっき用金属条、即ち、コネクタ用プレス材を用い、プレス加工により作製した、図7に示す形状の金属条を使用した。なお、連結部4の幅(w)は、1.0mm、半田付け部6の幅(WS)は0.8mmであった。
【0045】
次いで、このプレス加工した金属条1に対して、図3(A)に示すように、上プレス型11及び下プレス型12により、金属条1の連結部4のキャリヤ側に対向した上下対向した両端縁角部に、長さLS=1.2mmにわたって押圧し、面取りを行い、図3(B)に示すような面取り部4bを備えた金属条1を作製した。面取り部4bの面取り量A、Bは表1に示す通りであった。
【0046】
その後、プレス加工された金属条1は、ニッケル(Ni)めっき槽(図示せず)にて全体が厚さ1.5μmにてニッケルめっきを施した後、通常のドラム法にて、金めっき領域LAに接点用金めっきを0.4〜0.6μm付けた。
【0047】
続いて、上述した本発明に従った方法にて、半田付け用めっき領域LSに、半田付け用金フラッシュめっきを0.02〜0.05μm施した。
【0048】
このようにして作製した、本発明に従ったストライプめっき条1Aを用いて、半田実装試験の模擬試験を実施した。即ち、60%錫(Sn)残鉛(Pb)半田の235℃溶融半田ないに25%ロジンメタノールフラックスを付けた上記サンプルの連結部4(w×LS)を数秒浸漬し、この浸漬した部位の半田濡れ性を評価した。また、いずれの例も接点部の金めっきへの半田の付着(半田の吸いあがり)現象はなかった。
【0049】
表1の結果から、本発明によれば、金属条1に部分金めっきを高精度且つ高品質にて行い得ることが分かる。
【0050】
【表1】
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のストライプめっき用金属条、ストライプめっき条及びストライプめっき方法は、ストライプめっきがなされるストライプめっき用金属条が、そのめっき必要部の金属条端縁角部に面取りを施す構成とされるので、エンドレスマスキングベルトの走行時の横方向位置のばらつきなどがあっても、金属条に部分めっきを高精度にて且つ高品質にて行なうことができ、ニッケルバリア領域の確実な形成が可能であり、電子部品の小型化に対応することができる。又、本発明のストライプめっき方法は、種々の寸法の金属条に対しても作業性良く対応し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のストライプめっき方法の一実施例を説明する図である。
【図2】図1の線II−IIに取った、ストライプめっき用金属条の面取り部の形状の一実施例を示す断面図である。
【図3】ストライプめっき用金属条の面取り部形成方法を説明する工程図である。
【図4】ストライプめっき用金属条面取り部と、部分金めっきとの関係を説明する断面図である。
【図5】本発明に従ったストライプめっき用金属条の一実施例を示す平面図である。
【図6】本発明のストライプめっき方法を実施するためのめっき設備の一実施例を示す概略構成図である。
【図7】従来のストライプめっき用金属条の一例を示す平面図である。
【符号の説明】
1 ストライプめっき用金属条
1A ストライプめっき条
2 キャリヤ部
3 端子
4 連結部
4b 面取り部
5 接点部
6 半田付け部
7 ニッケルバリア領域
101 回転ドラム
102 電極
103 めっき液
104 マスキングベルト
Claims (10)
- ストライプめっきがなされるストライプめっき用金属条であって、めっき必要部の金属条端縁角部に面取りを施すことを特徴とするストライプめっき用金属条。
- 前記金属条は、長手方向に連続したキャリヤ部と、前記キャリヤ部に対して直交するようにして、且つ、所定の間隔(G)にて互に離間して接続された端子と、そして半田付けを行う連結部とを有し、前記連結部の端縁角部に、所定の長さ(LS)にわたり面取りを施すことを特徴とする請求項1のストライプめっき用金属条。
- 前記金属条の厚さをT(mm)、面取り部における面取り幅をA(mm)、面取り深さをB(mm)とし、前記連結部における必要めっき部の、前記連結部端面からの距離をWS(mm)とすると、
A/WS≧1/5
B/T≧1/10
であることを特徴とする請求項2のストライプめっき用金属条。 - 請求項2又は3のストライプめっき用金属条を用いて、全体にニッケルメッキを施し、その後、前記端子の先端の接点部領域(LA)には接点用めっきを施し、前記連結部の前記面取りが施された半田付け部領域には半田付け用めっきを施し、前記接点用めっきと前記半田付け用めっきとの間の領域にニッケルバリア領域(LG)を形成したことを特徴とするストライプめっき条。
- 前記接点用めっきは、金めっき、或いは、金−コバルト合金めっきとされ、前記半田付け用めっきは、金フラッシュめっき、又は、錫若しくは錫合金めっきとされる請求項4のストライプめっき条。
- 請求項1の金属条の全体にニッケルメッキを施した後に、回転ドラムと、この回転ドラムの回りに巻回されて走行するエンドレスマスキングベルトとの間に前記金属条を供給してめっき必要部に部分めっきするストライプメッキ方法であって、
前記面取りが施された金属条端縁角部を前記エンドレスマスキングベルトにて覆い、前記回転ドラムと前記面取り部との間、及び、前記エンドレスマスキングベルトと前記面取り部との間に形成された隙間から金めっき液を前記金属条表面へと浸入させ、金属条のめっき必要部表面に金めっきを施すことを特徴とするストライプめっき方法。 - 前記金属条は、長手方向に連続したキャリヤ部と、前記キャリヤ部に対して直交するようにして、且つ、所定の間隔(G)にて互に離間して接続された端子と、そして半田付けを行う連結部とを有し、前記連結部の端縁角部に、所定の長さ(LS)にわたって面取りを施し、前記エンドレスマスキングベルトは、前記連結部及び前記端子部を全て覆い、前記エンドレスマスキングベルトと隣接して配置された他のエンドレスマスキングベルトにより前記キャリヤ部を覆い、前記両エンドレスマスキングベルトは、前記キャリア部と前記連結部との間の領域にて、所定距離(S)の間隔を置いて配置されることを特徴とする請求項6のストライプめっき方法。
- 前記金属条の厚さをT(mm)、面取り部における面取り幅をA(mm)、面取り深さをB(mm)とし、前記連結部における必要めっき部の、前記連結部端面からの距離をWS(mm)とすると、
A/WS≧1/5
B/T≧1/10
であることを特徴とする請求項7のストライプめっき方法。 - 前記金メッキは、半田付け用めっきであることを特徴とする請求項7又は8のストライプめっき方法。
- 前記半田付け用メッキは、金フラッシュめっき、又は、錫若しくは錫合金めっきであることを特徴とする請求項9のストライプめっき方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002149661A JP3880452B2 (ja) | 2002-05-23 | 2002-05-23 | ストライプめっき用金属条、ストライプめっき条及びストライプめっき方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002149661A JP3880452B2 (ja) | 2002-05-23 | 2002-05-23 | ストライプめっき用金属条、ストライプめっき条及びストライプめっき方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003342781A JP2003342781A (ja) | 2003-12-03 |
JP3880452B2 true JP3880452B2 (ja) | 2007-02-14 |
Family
ID=29767751
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002149661A Expired - Fee Related JP3880452B2 (ja) | 2002-05-23 | 2002-05-23 | ストライプめっき用金属条、ストライプめっき条及びストライプめっき方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3880452B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6737867B2 (ja) * | 2018-12-27 | 2020-08-12 | 田中貴金属工業株式会社 | 金属板材、めっき板材、めっき板材の製造方法及びめっき部材の製造方法 |
-
2002
- 2002-05-23 JP JP2002149661A patent/JP3880452B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2003342781A (ja) | 2003-12-03 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US7341462B2 (en) | Connector terminal fabrication process and connector terminal | |
US6379161B1 (en) | Method of making an electrical connector | |
TWI765068B (zh) | 半導體元件搭載用基板以及其製造方法 | |
US7080451B2 (en) | Method for manufacturing an electronic component | |
US10622288B2 (en) | Semiconductor device and method for producing semiconductor device | |
US5957736A (en) | Electronic part | |
JP3878057B2 (ja) | ストライプめっき条及びストライプめっき方法 | |
JP4274528B2 (ja) | タブ端子 | |
JP2022168158A (ja) | 半導体装置 | |
US4503609A (en) | Low-insertion force method of assembling a lead and a substrate | |
TWI787343B (zh) | 半導體元件搭載用基板及其製造方法 | |
JP3880452B2 (ja) | ストライプめっき用金属条、ストライプめっき条及びストライプめっき方法 | |
US4482197A (en) | Low-insertion force solder-bearing lead | |
JP2005158677A (ja) | ケーブルコネクタ | |
JP7173487B2 (ja) | 半導体装置 | |
JP2007220859A (ja) | 抵抗器およびその製造方法 | |
JP4133396B2 (ja) | ストライプめっき用金属条及びストライプめっき条の製造方法 | |
JP2003286594A (ja) | ストライプめっき用金属条、ストライプめっき条及びストライプめっき方法 | |
JP3969991B2 (ja) | 面実装電子部品 | |
TWI474457B (zh) | 在凸起位置藉由自由裁切以改善平整性 | |
JPH06176812A (ja) | 電気端子ピン及びその製造方法 | |
US20210013658A1 (en) | Contact | |
EP1577978A1 (en) | Circuit board connection terminal | |
JP3400671B2 (ja) | 長尺金属条ストライプめっき方法 | |
JP2736589B2 (ja) | コンタクト及びその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050523 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20061027 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20061107 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20061107 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |