JP3879444B2 - 表示デバイス用水性遮光塗料組成物および絶縁性遮光膜 - Google Patents

表示デバイス用水性遮光塗料組成物および絶縁性遮光膜 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電界駆動型などの表示デバイス用水性遮光塗料組成物、および該表示デバイス用水性遮光塗料組成物を使用して形成した絶縁性遮光膜に関する。
具体的には、液晶ディスプレイに使われるカラーフィルター用ブラックマトリックス部材、空間光変調器や選択反射を利用した反射型表示デバイス用の絶縁性部材などの分野で使用される水性遮光性塗料組成物と絶縁性遮光膜に関する。
【0002】
【従来の技術】
電界駆動型などの表示デバイスでは、ブラックマトリックスに代表されるように、最終的に得られる膜に対して大きな遮光性(黒色度)と高い表面電気抵抗値を同時に付与できるような材料がしばしば要求される。
これまで、前記要求特性を満足する遮光膜用材料として有機溶剤系の印刷インキやペーストなどが用いられてきたが、近年では環境および人体に悪影響を与えるこれら有機溶剤の使用を制限する傾向が一般的となり、当該材料についても水系のものが望まれるようになった。
【0003】
しかし水性遮光性塗料組成物を調製するために、着色剤として水溶性黒色染料を使用した場合には、得られる遮光膜の表面電気抵抗値は高いものの、高い遮光性を付与させることは困難であった。また、単一の染料だけでは光の吸収波長領域が狭く、また吸収ピーク波長の異なる染料を複数混合して吸収波長領域を広げても、染料の水に対する溶解性があまり高くないことから染料濃度を高めることができず、その結果、得られる遮光膜に大きな遮光性能を付与することが困難であるという問題点があった。また染料は一般に耐光性、特に耐紫外線性に劣るため、表示素子用の材料としては不向きであるという欠点も有する。一方、可視光波長領域に大きな吸収を有し、また耐光性にも優れるカーボンブラック顔料を用いた場合には、逆に得られる膜の遮光性は大きくなるものの、主にカーボン粒子が有する導電性に起因して、遮光膜の表面電気抵抗値が低くなってしまうという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、高い遮光性(黒色度)と高い表面電気抵抗値を同時に有する表示デバイス用絶縁性遮光膜、およびこれを形成するための表示デバイス用水性遮光塗料組成物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、酸化カーボンブラック、重合度が1000〜3000の水溶性樹脂、および水を含有し、該酸化カーボンブラックと該水溶性樹脂の含有比率が、質量比で1:2〜1:3の範囲にある表示デバイス用水性遮光塗料組成物を提供し、さらに、酸化カーボンブラックと、重合度が1000〜3000の水溶性樹脂を含有し、該酸化カーボンブラックと該水溶性樹脂の含有比率が、質量比で1:2〜1:3の範囲にある表示デバイス用絶縁性遮光膜を提供することによって上記課題を解決した。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下に本発明をさらに詳細に説明する。
表示デバイス用水性遮光塗料組成物(以下特に断らない限り、「表示デバイス用水性遮光塗料組成物」を、単に「遮光塗料組成物」という)に、遮光性顔料として従来多用されている、導電性を有するカーボンブラックを使用した場合は、表面電気抵抗値の高い表示デバイス用絶縁性遮光膜(以下特に断らない限り、「表示デバイス用絶縁性遮光膜」を、単に「絶縁性遮光膜」という)は得られない。そこで、本発明においては、カーボンブラックの代わりに、電気抵抗値の高い酸化カーボンブラックを使用した遮光塗料組成物を用いて、以下の要求特性を満足する絶縁性遮光膜を提供する。
1.膜厚2μmの絶縁性遮光膜の光透過率が、400nm〜800nmの波長領域において1%以下であること。
2.膜厚2μmの絶縁性遮光膜の表面電気抵抗値が、1013(Ω/□)以上であること。
【0007】
酸化カーボンブラックは、酸化度が高いほど電気伝導度は低くなる。酸化カーボンブラックの酸化度は、不活性ガス融解−赤外線吸収法(JISZ2613−1976)に従って測定することができる。本発明に使用する酸化カーボンブラックは、上記測定によって算出される酸化カーボン中の酸素含有率が3質量%以上のものが好ましく、8質量%以上の酸化カーボンブラックが特に好ましい。
酸素含有率が3〜5質量%程度の酸化カーボンブラックは、電界酸化法や紫外線照射法等によっても得られるが、8質量%という高酸化度の酸化カーボンブラックを得るためには、カーボンブラックを次亜ハロゲン酸またはその塩を使用して酸化するのがよい。次亜ハロゲン酸とその塩を混合してカーボンブラックの酸化に使用することもできる。
【0008】
酸化カーボンブラックの原料であるカーボンブラックは、一般に天然ガスや液状炭化水素(重油やタール等)を熱分解または不完全燃焼させて得られる炭素粉末である。これらは、製造方法によりチャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック等に分類され市販されている。
原料として用いるカーボンブラックの種類は特に限定されるものではなく、酸性カーボンブラック、中性カーボンブラック、アルカリ性カーボンブラックのいずれでも使用できる。
【0009】
次亜ハロゲン酸またはその塩を使用した酸化反応によって得られる、酸素含有率が8質量%以上の酸化カーボンブラックは、少なくとも(a)カーボンブラックを水中に微分散する工程と、(b)次亜ハロゲン酸またはその塩を用いて酸化する工程と、(c)得られた酸化カーボンブラック分散液を精製後、酸化カーボンブラック濃度を10〜30質量%に調整する工程とからなる方法によって製造することができる。
【0010】
次亜ハロゲン酸またはその塩の具体例には、次亜塩素酸ナトリウムや次亜塩素酸カリウムが挙げられ、次亜塩素酸ナトリウムの方が、カーボンブラックとの反応性が高いという点から特に好ましい。
酸化反応は、カーボンブラックと次亜ハロゲン酸塩(例えば次亜塩素酸ナトリウム)とを適量の水中に仕込み、5時間以上、好ましくは約10〜15時間、50℃以上、好ましくは95〜105℃で撹拌することにより行う。その際カーボンブラックは微分散された状態で酸化処理されることが好ましい。
なお微分散とは、カーボンブラックの2次粒子を水中で微砕して、1次粒子もしくはこれに近い程度まで微細化することをいう。微分散されたカーボンブラックの平均粒径は300nm以下が好ましく、さらに好ましくは150nm以下、最も好ましいのは100nm以下である。
【0011】
一般に、微分散はミル媒体および粉砕装置を用いて水性媒体中3〜10時間湿式粉砕することにより行う。ミル媒体としては、ガラスビーズ、ジルコニアビーズ、磁性ビーズ、ステンレス製ビーズ等を用いる。粉砕装置にはボールミル、アトライター、フーロジェットミキサー、インペラーミル、コロイダルミル、サンドミル[例えば、ビーズミル、サンドグライダー、スーパーミル、アジテーターミル、ダイノーミル(商品名)]等が挙げられる。
【0012】
しかしながら、原料として用いるカーボンブラックの種類によっては水溶媒中でホモジナイザー(ホモミキサー)等を用いて高速撹拌するだけで微分散される場合もある。
微分散は必ずしも酸化処理の前に行われる必要はなく、次亜ハロゲン酸塩等の水溶媒中で撹拌もしくは粉砕を行うことにより、酸化処理と同時に微分散処理を行ってもよい。
次亜ハロゲン酸塩の使用量はその種類により異なるが、100%次亜塩素酸ナトリウムに換算した場合、カーボンブラックの質量を基準にして、1.5〜150質量%、好ましくは4〜75質量%である。
【0013】
このようにして得られた酸素含有率が8質量%以上の酸化カーボンブラックは、水中に安定分散した水分散体として入手可能であり、具体的にはオリエント化学工業社製「BONJET BLACK CW−1(平均粒径100nm以下)」や「BONJET BLACK CW−2(平均粒径200nm以下)」等を挙げることができる。
【0014】
また遮光塗料組成物には、これを支持体上に塗布した際、塗膜に皮膜形成能をもたせるために、水溶性樹脂を添加する。水溶性樹脂は、水に可溶で、酸化カーボンブラックの分散性に悪影響を与えず、そして支持体に塗布後乾燥して得られる絶縁性遮光膜に、高い絶縁性と耐薬品性を付与できるものが好ましい。
【0015】
このような水溶性樹脂としては、たとえば、完全ケン化または部分ケン化ポリビニルアルコール、水溶性ポリビニルセタール、水溶性ポリビニルホルマール、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、ポリ(メタ)アクリル酸、水溶性ポリ(メタ)アクリル酸共重合体、ポリアルキレンオキサイド、水溶性ポリエステル、水溶性マレイン酸樹脂などが挙げられるが、この中でもポリビニルアルコールや、水溶性ポリビニルアセタール、水溶性ポリビニルホルマール等のポリビニルアルコール誘導体が、皮膜形成能や耐薬品性に優れ、かつ安価であるという観点から特に好ましい。
【0016】
一方、樹脂の重合度と樹脂の電気抵抗値との間には相関関係があり、重合度が高いほど電気抵抗値が高くなる傾向にある。特に本発明において、表面電気抵抗値の高い絶縁性遮光膜を得るためには、使用する水溶性樹脂の重合度が1000〜3000であることが望ましく、1300〜2000の範囲であればなお好ましい。重合度が1000未満の場合は表面抵抗値が低下し、3000を超えると遮光塗料組成物の粘度が高くなって、支持体に塗布しにくくなる。
【0017】
本発明に使用する水溶性樹脂としては、たとえば、クラレ社製「クラレポバールPVA−HCW」、「クラレポバールPVA−217C」、「エクセバールRS−2617」や「エクセバールRS−2713」等のポリビニルアルコールが挙げられ、またポリビニルアセタールとしては、積水化学工業社製の「エスレックKW−1」などを挙げることができる。本発明においては、これらの水溶性樹脂を単独で、あるいは2種類以上を混合して使用することができる。
【0018】
遮光塗料組成物を使用して形成される絶縁性遮光膜を、液晶表示デバイスのブラックマトリックッスとして使用した場合は、該絶縁性遮光膜は直接液晶材料と接触する。本発明の遮光塗料組成物を使用して液晶表示デバイスなどの電界駆動型表示デバイスに絶縁性遮光膜を形成する場合、該遮光塗料組成物中に不純物を含有すると、表示デバイスの表示特性を損なうことがある。特に、絶縁性遮光膜と表示材料が直接接触する液晶表示デバイスなどの場合には、金属イオンや有機イオン等のイオン性化合物の含有量を極力少なくすることが好ましい。
【0019】
また、表示デバイスの電気特性に影響を及ぼさないよう、絶縁性遮光膜の表面電気抵抗値を高くする必要がある。絶縁性遮光膜の電気抵抗値を下げる要因として、上記イオン性不純物のほかに、カーボンブラックの導電性を挙げることができる。一般に、絶縁性遮光膜に含有させる遮光性顔料として導電性の高いカーボンブラックを使用した場合、所望の表面電気抵抗値を得るためにはカーボンブラックの含有量を少なくしなければならず、高い遮光性能を得ることが困難である。
【0020】
本発明においては、酸化カーボンブラックと水溶性樹脂の含有比率を、質量比で1:2〜1:3とすることにより、得られる絶縁性遮光膜に、二律背反する高い遮光性と高い表面電気抵抗値を同時に付与することが可能となった。酸化カーボンブラックと水溶性樹脂の含有比率が1:2を超える場合、すなわち酸化カーボンブラックの含有率が高くなると、得られる絶縁遮光膜の遮光性は向上するが表面電気抵抗値が低下し、逆に1:3未満の場合、すなわち酸化カーボンブラックの含有率が低くなると、得られる絶縁遮光膜の表面電気抵抗値は向上するが遮光性が低下する。
【0021】
本発明の遮光塗料組成物には、溶媒としておもに水を使用するが、水溶性樹脂を析出させない範囲内で、水と相溶性を有する有機溶剤を添加してもよい。このような有機溶剤としては、メタノール、エタノールなどの低級アルコール、アセトン、ジオキサンなどが挙げられる。遮光塗料組成物の不揮発分濃度は、5〜20質量%とするのが好ましい。
【0022】
本発明の遮光塗料組成物には、これを使用して表示用デバイスに絶縁性遮光膜を形成した際に、その電気的特性や表示特性を損なわない範囲内で、一般の水性塗料に使用される消泡剤、分散剤などの各種添加剤を添加してもよい。特にエタノールを添加した場合には、良好な消泡効果が得られる。
【0023】
遮光塗料組成物は、前記酸化カーボンの水分散体と水溶性樹脂水溶液、および必要に応じて消泡剤等の添加剤を添加して、超音波分散法、ホモジナイザー法、ボールミル法、ミキサー法,サンドミル法,ニーダー法等など、公知慣用の分散混合方法を用いて混合し、調製する。
【0024】
絶縁性遮光膜は、支持体上に遮光塗料組成物を塗布後、乾燥させることによって形成する。塗布方法は、スピン塗布法、引上げ塗布法、エアドクター塗布法、ブレード塗布法、ロッド塗布法、ナイフ塗布法、スクイズ塗布法、含浸塗布法、リバースロール塗布法、トランスファー塗布法、グラビア塗布法、キスロール塗布法、キャスト塗布法、スプレー塗布法、カーテン塗布法、カレンダー塗布法、押し出し塗布法、静電塗布法、バーコート法など、公知慣用の方法から適宜選択することができる。
支持体としては、一般的にはプラスチックフィルムやガラス板などが用いられるが、これらに限られるものではない。
【0025】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。実施例中「部」および「%」は、特に断らない限りそれぞれ「質量部」および「質量%」を表す。
【0026】
(実施例1)
重合度が1300のポリビニルアルコール(クラレ社製「エクセバールRS−2713」)8部を、比抵抗値が17.2MΩ・cmの純水92部に加熱溶解してポリビニルアルコール8%水溶液を得た。
上記ポリビニルアルコール8%水溶液20部、酸化カーボン20%水分散体(オリエント化学工業社製「BONJET BLACK CW−1」)4部、およびエタノール1.2部を、超音波分散機を使用して混合し、遮光塗料組成物を調製した。該遮光塗料組成物を、乾燥後の膜厚が2μmとなるように汎用の透明ポリエステルフィルムにワイアバーを使用して塗布し、乾燥させて絶縁性遮光膜を得た。
【0027】
(実施例2)
重合度が1300のポリビニルアルコール(クラレ社製「エクセバールRS−2713」)の代わりに、重合度が1700のポリビニルアルコール(クラレ社製「エクセバールRS−2617」)を使用した以外は、実施例1と同様にして絶縁性遮光膜を得た。
【0028】
(実施例3)
実施例1で調製したポリビニルアルコール8%水溶液の配合量を30部、エタノールの配合量を1.7部とした以外は、実施例1と同様にして絶縁性遮光膜を得た。
【0029】
(実施例4)
実施例1で調製したポリビニルアルコール8%水溶液20部の代わりに、重合度が1300のポリビニルアルコール(クラレ社製「エクセバールRS−2113UC」)を比抵抗値が17.2MΩ・cmの純水に加熱溶解して得たポリビニルアルコール8%水溶液23部を使用し、またエタノールの配合量を1.4部とした以外は、実施例1と同様にして絶縁性遮光膜を得た。
【0030】
(実施例5)
実施例1で調製したポリビニルアルコール8%水溶液20部の代わりに、重合度が1500のポリビニルアセタール20%水溶液(積水化学工業社製「エスレックKW−1」)を比抵抗値が17.2MΩ・cmの純水で希釈して得たポリビニルアセタール10%水溶液24部を使用し、またエタノールの配合量を1.4部とした以外は、実施例1と同様にして絶縁性遮光膜を得た。
【0031】
(比較例1)
重合度が400のポリビニルアルコール(クラレ社製「エクセバールRS−4104UC」)8部を、比抵抗値が17.2MΩ・cmの純水92部に加熱溶解することにより、ポリビニルアルコール8%水溶液を得た。
上記ポリビニルアルコール8%水溶液23部、酸化カーボン20%水分散体(オリエント化学工業社製「BONJET BLACK CW−1」)4部、およびエタノール1.4部を、超音波分散機を使用して混合し、遮光塗料組成物を調製した。該遮光塗料組成物を、乾燥後の膜厚が2μmとなるように汎用の透明ポリエステルフィルムにワイアバーを使用して塗布し、乾燥して絶縁性遮光膜を得た。
【0032】
(比較例2)
重合度が1300のポリビニルアルコール(クラレ社製「エクセバールRS−2713」)8部を、比抵抗値が17.2MΩ・cmの純水92部に加熱溶解することにより、ポリビニルアルコール8%水溶液を得た。
上記ポリビニルアルコール8%水溶液15部、酸化カーボン20%水分散体(オリエント化学工業社製「BONJET BLACK CW−1」)4部、およびエタノール1部を、比較例1と同様に分散混合して遮光塗料組成物を調製し、比較例と同様にして絶縁性遮光膜を得た。
【0033】
(比較例3)
比較例2で調製したポリビニルアルコール8%水溶液の配合量を35部、エタノールの配合量を2部とした以外は、比較例2と同様にして絶縁性遮光膜を得た。
【0034】
実施例および比較例で作製した絶縁性遮光膜のそれぞれについて、400〜800nmの波長領域における光透過率と表面電気抵抗値を測定した。
光透過率の測定には、日立製作所社製「U−3410形自記分光光度計」を、また表面電気抵抗値の測定には、三菱油化社製「表面高抵抗計Hiresta」を使用した。なお表面電気抵抗値には、2点式プローブを用い500V電圧印加下10秒平均の値を使用した。
【0035】
表1に、実施例および比較例で作製した絶縁性遮光膜の測定結果を示す。なお、光透過率の値は、400〜800nmの波長領域における光透過率の上限値を示した。また、表面電気抵抗値の「1013≦」は、上記測定条件における測定限界を超えていることを意味する。
【0036】
【表1】
Figure 0003879444
【0037】
表1の結果から、本発明の表示デバイス用水性遮光塗料組成物を使用して形成した表示デバイス用絶縁性遮光膜が、高い遮光性と、高い表面電気抵抗値、すなわち高い絶縁性とを同時に有していることがわかる。
【0038】
【発明の効果】
酸化カーボンブラック、重合度が1000〜3000の水溶性樹脂、および水を含有し、該酸化カーボンブラックと該水溶性樹脂の含有比率が、質量比で1:2〜1:3の範囲にある本発明の表示デバイス用水性遮光塗料組成物を使用することにより、従来のカーボンブラックを使用した遮光塗料では実現できなかった、大きな遮光性(黒色度)と高い表面電気抵抗値という二律背反する性能を同時に有する表示デバイス用絶縁性遮光膜を形成できる。

Claims (5)

  1. 酸化カーボンブラック、重合度が1000〜3000の水溶性樹脂、および水を含有し、該酸化カーボンブラックと該水溶性樹脂の含有比率が、質量比で1:2〜1:3の範囲にあることを特徴とする表示デバイス用水性遮光塗料組成物。
  2. 前記酸化カーボンブラックが、不活性ガス融解−赤外線吸収法(JISZ2613−1976)に従って算出される酸素含有率が8質量%以上である、請求項1に記載の表示デバイス用水性遮光塗料組成物。
  3. 前記酸化カーボンブラックが、カーボンブラックを次亜ハロゲン酸またはその塩を用いて酸化したものである請求項1に記載の表示デバイス用水性遮光塗料組成物。
  4. 前記水溶性樹脂が、ポリビニルアルコールまたはその誘導体である請求項1に記載の表示デバイス用水性遮光塗料組成物。
  5. 酸化カーボンブラックと、重合度が1000〜3000の水溶性樹脂を含有し、該酸化カーボンブラックと該水溶性樹脂の含有比率が、質量比で1:2〜1:3の範囲にあることを特徴とする表示デバイス用絶縁性遮光膜。
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