JP3877576B2 - 並列送信装置及び並列伝送システム - Google Patents

並列送信装置及び並列伝送システム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、並列送信装置及び並列伝送システムに関するものである。例えば、送受信装置間に設定された複数の回線(伝送経路)を用いて、送信データを分割した送信フレームを並列的に伝送する並列伝送システムに適用することができる。
【0002】
【従来の技術】
従来、送受信装置間の伝送システムにおいて、送信装置から受信装置へのデータ伝送の信頼性を高める観点から、送信データを複数に複製して、複数の設定経路に対して同一送信データを並列に伝送する並列伝送システムがある。
【0003】
この並列伝送システムは、並列送信装置と並列受信装置との間で、データ伝送可能状況を確認した上で行なわれるデータ伝送システムである。
【0004】
この並列伝送システムにおいて、並列送信装置は、同一送信データを複数に複製して、複数の伝送経路に並列に送出し、並列受信装置は、複数の伝送経路から伝送されてきた同一受信データを受信し、その複数の受信データの中から所定手順により受信データを選択して、その他の重複受信データを廃棄する(順序制御及び廃棄処理)。このようにして、信頼性のあるデータを取得する。
【0005】
このような並列伝送システムとして、「特開平6−303257号公報」がある。
【0006】
「特開平6−303257号公報」は、情報フレーム(Iフレーム)によるデータ転送方法に関するものであり、伝送可能状況の確認の際に、並列受信装置が、複数の経路から伝送されてきた受信フレーム(情報フレーム)のうち、最初に正常に受信した受信フレーム(情報フレーム)について受信処理をして、後着した重複受信フレーム(情報フレーム)については廃棄するデータ転送方法について記載されている。
【0007】
つまり、複数の伝送経路から伝送されたすべてのデータについての経路の成功を確認することなく、最初の正常なデータについて受信処理をすることを可能とすることによりデータ伝達率を向上させる方法が記載されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の並列伝送システムによれば、データの伝達率は向上することはできるが、回線の使用効率は低く、実質的な伝送速度の向上が図れないという問題がある。
【0009】
上述した従来の並列伝送システムは、伝送速度が異なる回線を使用する場合でも、複数の伝送経路の数に対応した数だけ、同じ伝送速度の同一送信データ(情報フレーム)を複製して送出するものである。つまり、その使用回線の伝送速度を考慮したデータ伝送が行なわれていなかった。
【0010】
従って、伝送速度の速い回線を使用した場合でも、同じ伝送速度の送信データが伝送されるので、実質的な伝送速度は同じであった。
【0011】
また、使用経路数を増やした場合でも、送信データの複製数が増えるだけで、実質的な伝送速度は同じであった。これは特に、物理的に複数の異なる回線を使用するような場合でも速度の向上が望めなかった。
【0012】
さらに、送信データの複製について、送信データの複製数と伝送経路数とが一致あるいは整数倍の関係でないと実現できなかった。
【0013】
そのために、送受信装置間に設定された複数経路を介する並列伝送システムにおいて、伝送速度が異なる経路を介する場合であっても、データ送達性を向上させて、回線の使用効率の良い伝送を実現できる並列送信装置及び並列伝送システムが求められている。
【0014】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するために、第1の本発明に係る並列送信装置は、複数の伝送経路を介して、複製した複数の同一送信フレームを並列送信する並列送信装置において、(1)送信データを分割して、順序番号を有する送信フレームを生成するフレーム生成手段と、(2)送信データ量と全伝送経路の総帯域とに基づいて、送信フレームの複製数を決定して、その決定した複製数分だけ送信フレームを複製する複製手段と、(3)各伝送経路の帯域に応じて、複製手段により複製された各送信フレームについて、各方路を決定する方路決定手段とを備えることを特徴とする。
【0019】
さらに、第の本発明に係る並列伝送システムは、複数の伝送経路を介して、並列送信装置から複製された同一送信フレームを並列送信し、並列受信装置が複数の伝送経路がそれぞれもつ帯域に応じて伝送されてきた、順序番号を有する複数の同一受信フレームに基づいて送信データを再生する並列伝送システムにおいて、並列送信装置は、第1の本発明の並列送信装置であり、並列受信装置は、複数の伝送経路から伝送されてきた同一受信フレームを受信する複数の受信手段と、複数の受信手段が受信した同一受信フレームの順序番号に基づいて、複数の同一受信フレームの中から1つの受信フレームを選択する選択手段と、選択手段が受信した受信フレームから送信データを復元する復元手段とを備えることを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】
(A)第1の実施形態
以下、本発明に係る並列送信装置及び並列伝送システムの第1の実施形態について図1を参照して説明する。
【0021】
第1の実施形態は、以下に示すような、並列送信装置と並列受信装置との間で設定される伝送経路の環境を考慮したものである。
【0022】
伝送経路の環境とは、(1)1つの物理回線上に複数の経路が存在する場合、(2)1つの物理回線上に1つの経路で複数の物理回線を使用する場合、(3)1つの物理回線上に複数の経路が存在し、更に複数の物理回線を使用する場合の3つある。
【0023】
各物理的回線はそれぞれ伝送速度を有しており、各経路はその回線の伝送速度に従う。
【0024】
なお、後で説明する第2〜第5の実施形態においても、上記のような伝送経路の環境を考慮したものである。
【0025】
(A−1)第1の実施形態の構成
図1は、第1の実施形態の並列伝送システムを示した全体構成の概念図及び送受信装置の内部構成を示したブロック図である。並列送信装置と並列受信装置との間には、データ伝送が行なわれる際の複数の伝送経路が設定されている。
【0026】
図1において、並列送信装置1は、フレーム生成部4と、複製部5と、方路決定部6と、送信部7−0〜7−Nと、を備えている。
【0027】
また、並列受信装置2は、受信部8−0〜8−Nと、選択部9と、フレーム処理部10と、を備えている。
【0028】
以下では、並列送信装置1と並列受信装置2とを構成する各構成要件について説明する。まず、並列送信装置1の内部構成について説明する。
【0029】
フレーム生成部4は、符号化処理された送信データを受け取り、その送信データを所定の長さに分割して、この所定長に分割した送信データ(以下、この所定長のデータ単位を1フレームとする。)に対して順序番号を付与して、複製部5に与えるものである。
【0030】
ここで、所定の長さとは、送信部7−0〜7−Nで受付可能なデータ長である。また、フレームごとに付与する順序番号は、分割するフレームに対して連続する番号であればよく、昇順であっても、降順であってもよい。
【0031】
複製部5は、フレーム生成部4から分割された各フレームの送信データ(以下、送信フレーム)を受け取り、設定された全伝送経路の総帯域に基づいて、各送信フレームごとの複製量を決定して、各送信フレームごとに複製するものである。また、複製部5は、その複製した各送信フレームを方路決定部6へ与えるものである。
【0032】
すなわち、複製部5は、各送信フレームの複製量は、設定経路の数に基づくものではなく、設定経路の総帯域に基づくものである。例えば、送信データが10Mb/sであって、設定された経路数が3本あり、それら経路の各帯域が5Mb/s、10Mb/s、25Mb/sである場合、全設定経路の総帯域は40(=5+10+25)Mb/sとなる。このような場合に、全設定経路の総帯域40Mb/sに基づいて、トータルとして40Mb/sとなるように、すなわち、複製回数を3回行ない、トータルとして10Mb/sの送信データが4個となるように複製される。従って、送信フレームについても3回複製される。
【0033】
方路決定部6は、複製部5から複製された送信フレームが与えられ、設定された経路ごとの送信バッファ(図示しない)の残量が多い経路を選択して、その残量の多い経路に対応する送信部7−0〜7−Nに、複製された送信フレームを与えるものである。方路決定部6は、例えば、受け取った送信フレームを順番に一時的に保管し、送信バッファの残量が多い経路を有する送信部に対して、同一送信フレームを複数個与えるようにしてもよい。すなわち、各方路に対して同一の送信フレームを必ず与える必要はない。また、送信バッファの残量が同じである経路が複数存在する場合の経路の決定は、例えば、それら経路のうち1経路のランダムな決定、各設定経路に予め設定した順番による決定、又は、帯域の大きい順からの決定など、何らかの重み付けによって決定することができる。
【0034】
送信部7−0〜7−Nは、設定経路に従うものであり、方路決定部6から与えられた送信フレームを、その設定経路を介して、対応する受信部8−0〜8−Nに与えるものである。
【0035】
次に並列受信装置2の内部構成について説明する。
【0036】
受信部8−0〜8−Nは、送信部7−0〜7−Nからフレームごとに送信データを受信し、その受信したフレームごとの受信データ(以下、受信フレームという)を選択部9に与えるものである。
【0037】
選択部9は、複数の受信部8−0〜8−Nから受信フレームを与えられ、その受信フレームに付与された順序番号を判断し、その順序番号の順に受信フレームをフレーム処理部10に与えるものである。選択部が判断する受信フレームの順序番号が、同じ順序番号であって到着が異なる場合には、先着の受信フレームをフレーム処理部10に与え、後着の受信フレームは廃棄される。また、同じ順序番号であって同着の場合は、いずれか一方の受信フレームを廃棄する。
【0038】
フレーム処理部10は、選択部9から受信フレームを与えられ、その受信フレームに基づいて、受信データを復元するものである。
【0039】
また、上述した送信部7−0〜7−N及び受信部8−0〜8−Nの両者が、又は、いずれかが、フレーム単位での障害検出機能を有しても良い。
【0040】
障害検出機能を有する場合、受信部8−0〜8−Nが障害を検出したとき、受信部8−0〜8−Nがその受信フレームを破棄する。このとき、障害の検出された受信フレームの再送は行なわない。また、受信部8−0〜8−Nが障害を検出したとき、その受信フレームを選択部9に与える。
【0041】
障害検出機能がない場合、選択部9が、受信フレームに付与された障害検出符号(例えばCRC(巡回冗長符号:Cyclic Redundancy Check)等)に基づいて、障害を検出できるようにする。選択部9が障害を検出したとき、選択部9がその受信フレームを破棄する。このときも、障害の検出された受信フレームの再送は行なわれない。また選択部9が障害を検出しないとき、選択部9がその受信フレームの順序番号を判断する。
【0042】
ここで、障害が検出されたとき、その受信フレームの再送が行なわれないのは、並列受信装置2が複製された複数の同一受信フレーム(同じ順序番号の受信フレーム)を受信するからである。すなわち、並列受信装置2は、複数の同一受信フレームを受信しているので、すべての経路(回線)で障害が生じない限り、その順序番号の受信フレームを受信することができる。また、すべての経路(回線)で障害が生じたときには、その順序番号の受信フレームを再送できるようにしても良い。
【0043】
(A−2)第1の実施形態の動作
まず、並列送信装置1から並列受信装置2へ送信される送信データの経路が複数設定される。
【0044】
設定される各経路は、(1)1つの物理回線上に複数の経路が存在する場合、(2)1つの物理回線上に1つの経路で複数の物理回線を使用する場合、(3)1つの物理回線上に複数の経路が存在し、更に複数の物理回線を使用する場合の3つある。
【0045】
並列受信装置2に与えられる送信データは、フレーム生成部4において、所定の長さのフレームごとに分割されて、各フレームごとに順序番号を付与されて、複製部5に与えられる。
【0046】
それぞれに順序番号を付与された各送信フレームは、複製部5において、設定された複数の経路の総帯域に応じて決定された複製量に基づいて、複製される。複数経路の総帯域に基づいて複製された、同一順序番号の各送信フレームは、方路決定部6に与えられる。
【0047】
それら同一順序番号の各送信フレームは、方路決定部6において、各方路の送信バッファの残量に基づいて決定された経路に対応する送信部7−0〜7−Nに与えられ、その対応する送信部7−0〜7−Nから、方路決定された経路を介して、並列受信装置2の受信部8−0〜8−Nに送信される。
【0048】
次に、並列送信装置1から送信された各送信フレームは、方路決定された経路に対応する受信部8−0〜8−Nにより受信されて、選択部9へ与えられる。
【0049】
それぞれに順序番号を付与された各受信フレームは、選択部9において、各受信フレームの順序番号が判断されて、その順序番号の順にフレーム処理部10に与えられる。このとき、同一順序番号が付与された受信フレームが複数存在するときには、先着受信フレームがフレーム処理部10に与えられ、後着受信フレームは廃棄される。また、同一順序番号が付与された複数の受信フレームが同着するときには、いずれか1個の受信フレームが選択され、その他の受信フレームは廃棄される。
【0050】
(A−3)第1の実施形態の効果
以上、第1の実施形態によれば、設定経路の総帯域に基づいて複製量を決定する複製部5を備えることにより、その複製量に基づいて各送信フレームを複製することができる。従って、設定経路の数に基づいて送信フレームを複製することなく、送信フレームの複製量と設定経路数との関係が自由になった。
【0051】
すなわち、要求するデータ伝達率に基づいて送信フレームの複製量を決定することができるので、設定経路の数は、そのデータ伝達率に係る帯域を満たすものであれば良く、何本の経路で実現しても良いことになる。
【0052】
これらの結果として、転送方式が必要とする条件が少なくなり実現を容易にし、かつ、データ伝送率を向上させ回線使用効率を良くすることができる。
【0053】
(B)第2の実施形態
以下、本発明の並列送信装置及び並列伝送システムの第2の実施形態について、図2を参照して説明する。
【0054】
(B−1)第2の実施形態の構成
図2は、第2の実施形態の並列伝送方式を示した全体の概念図及び並列送受信装置の内部構成を示したブロック図である。第2の実施形態に係る並列伝送システムの全体構成は第1の実施形態と同じであるが、並列送信装置1及び並列受信装置2の内部構成が第1の実施形態と異なる。
【0055】
図2において、第1の実施形態と同一構成要件については同一符号を付し、それらの構成要件の機能説明は省略する。
【0056】
図2に示す、並列送信装置1は、分割符号生成部12と、フレーム生成部13と、送信部7−0〜7−Nと、を備えている。
【0057】
また、並列受信装置2は、受信部8−0〜8−Nと、フレーム処理部10と、復元障害訂正部14と、を備えている。
【0058】
まず、並列送信装置1の内部構成について説明する。
【0059】
分割符号生成部12は、受け取った送信データ3を、所定のビット単位で分割し、また、その分割した所定ビットの送信データに対応するものであって、所定ビットで形成された障害検出・訂正符号を生成するものである。また、分割符号生成部12は、所定ビット分割された送信データと、その送信データに対応する所定ビットの障害検出・訂正符号と、を1つの単位として、フレーム生成部13に与えるものである。ここで、障害検出・訂正符号として、例えばハミング符号などがある。
【0060】
例えば、分割符号生成部12が、送信データ3を10ビット毎に分割し、4ビットの障害検出・訂正符号を生成する場合、分割符号生成部12は、分割した10ビットの送信データに対して4ビットの障害検出・訂正符号を生成する。
【0061】
また、分割符号生成部は、これら10ビットの送信データと、4ビットの障害検出・訂正符号と、を併せた14ビットのデータを1つの単位として、フレーム生成部13に与える。
【0062】
フレーム生成部13は、分割符号生成部12から所定ビット分割された送信データと、その送信データに対応する障害検出・訂正符号と、を1単位として受け取り、その1単位について、設定経路の数に基づいてグルーピングするものである。このとき、所定ビット分割された送信データと、所定ビットの障害検出・訂正符号と、は必ず異なるグループに属するようにグルーピングされる。これは、送信データと障害検出・訂正符号とが回線の1重障害で同時に失われないようにするためである。また、フレーム生成部13は、複数の設定経路のうち1つの経路を各グループに割り振り、各グループごとに所定長フレームを各送信部7ー0〜7−Nに与えるものである。
【0063】
例えば、上記例のように、フレーム生成部13が、分割符号生成部12から14ビットのデータを受け取った場合であって、設定経路が4つである場合には、その受け取った14ビットのデータは、4つにグルーピングされる。しかし、上述した理由から、10ビットの送信データと4ビットの障害検出・訂正符号とが異なるグループになるように振り分ける必要がある。従って、この4ビットの障害検出・訂正符号を1つのグループとして、10ビットの送信データを3つのグループに振り分ける。
【0064】
具体的には、その10ビットの送信データの先頭から、4ビット、4ビット及び2ビットに振り分ける。最後に振り分けた2ビットに対して、2ビットのダミービットを付与して、4ビットになるように調整しても良い。なお、各グループに振り分けるビット数は、均等に揃える必要はなく、例えば、各経路の帯域が異なるような場合には、それら各帯域と比例関係になるように振り分けても良い。各経路の速度(帯域)の総和は、符号によって増えた分とグルーピング時に発生するダミービットによって増えた分を元の送信データに加えたものとなる。
【0065】
フレーム生成部13は、このようにして振り分けた4グループのデータを、それぞれのグループごとに保管し、各グループの所定長の送信フレームを、決定した経路に対応する送信部7−0〜7−Nに与える。ここで、各グループの送信フレームの長さは、最低1ビットから送信部7−0〜7−Nで受付可能なデータ長までである。また、各グループごとに割り振られる経路の決定は、第1の実施形態と同様とするので、ここではその説明を省略する。
【0066】
なお、並列受信装置2が受信する複数の受信フレームから元の10ビットデータと4ビット符号とに復元するために、必要な付加情報をデータに付与して送信フレームを作成する。この付加情報は、グルーピングやデータ蓄積の履歴のようなもので、例えばビット数情報(例えば所定ビット分割単位、付与したダミービット有無、付与したダミービット数)、位置情報(10ビットデータ、4ビット符号の順の場合、MSB側からは1,LSBに向かって昇順)、フレームの順序番号情報などである。
【0067】
また、上述したように、各グループの送信フレームの長さは所定範囲内で設定できる。従って、フレーム生成部13は、例えば分割符号生成部12から、次の1単位のデータを受け取り、その1単位のデータについても同様にグループごとに振り分け保管し、各グループごとに送信フレームを生成しても良い。
【0068】
次に、並列受信装置2の内部構成を説明する。
【0069】
フレーム処理部10は、受信部8−0〜8−Nが受信した複数の受信フレームを受け取り、それら複数の受信フレームに付与されている付加情報に基づいて、元の所定ビット分割データと所定ビットの障害検出・訂正符号とを復元し、その復元した所定ビット分割データと所定ビットの障害検出・訂正符号とを復元障害訂正部14に与えるものである。
【0070】
復元障害訂正部14は、フレーム処理部10から復元された元の所定ビット分割データと所定ビット障害検出・訂正符号とを受け取り、その所定ビット分割データと障害検出・訂正符号に基づいて、障害の有無を確認及び受信データの復元するものである。復元障害訂正部14は、所定ビット分割データと障害検出・訂正符号とに基づいて演算して、障害の有無を確認して、障害を検出した場合には、障害検出・訂正符号に基づいて訂正を行うものである。
【0071】
(B−2)第2の実施形態の動作
まず、並列送信装置1から並列受信装置2へ送信される送信データの経路が複数設定される。
【0072】
並列受信装置2に与えられる送信データは、分割符号生成部12において、所定ビットごとに分割される。また、その所定ビット分割送信データに対応する所定ビットの障害検出・訂正符号が生成される。これら所定ビット分割データ及び所定ビットの障害検出・訂正符号は、フレーム生成部13に与えられる。
【0073】
所定ビット分割データ及び所定ビットの障害検出・訂正符号は、設定経路の数に応じたグループに振り分けられる。
【0074】
このとき、各グループに振り分けるビット数は、均等に揃える必要はなく、例えば、各経路の帯域が異なるような場合には、それら各帯域と比例関係になるように振り分けても良い。各経路の速度(帯域)の総和は、符号によって増えた分とグルーピング時に発生するダミービットによって増えた分を元の送信データに加えたものとなる。
【0075】
フレーム生成部13において、各グループに振り分けられたデータは、各グループごとに保管され、各グループのデータは、決定された経路に割り振られる。
【0076】
このとき、各グループのデータは、所定長の送信フレームが生成される。この送信フレームは、グルーピングやデータ蓄積の履歴などを示す付加情報が付与されたものであり、そのフレーム長は、最低1ビットから送信部7−0〜7−Nが受付可能なデータ長である。
【0077】
経路を割り振られた各グループの送信フレームは、経路に対応する送信部7−0〜7−Nに与えられ、各送信部7−0〜7−Nから、その送信フレームが受信装置2に送信される。
【0078】
受信部8−0〜8−Nは、伝送されてきた受信フレームを受信する。
【0079】
受信フレームは、フレーム処理部10において、元の所定ビット分割データ及び所定ビット障害検出・訂正符号に復元される。
【0080】
復元された所定ビット分割データ及び所定ビット障害検出・訂正符号は、復元障害訂正部14において、障害の有無が確認されて、障害が生じているときには、障害検出・訂正符号に基づいて訂正される。
【0081】
(B−3)第2の実施形態の効果
以上、第2の実施形態によれば、分割符号生成部を備えることにより、所定ビット分割データに対応する障害検出・訂正符号を生成でき、送信データの代わりに障害検出・訂正符号を用いることができるので、冗長データの量を減らすことができる。従って、回線の帯域中の有効データ占有率を高めることができる。
【0082】
また、第2の実施形態によれば、複製を必要としないために、異なる受信フレームを複数の経路を使用することによって同時に伝送できるので、従来の複製を必要とする並列伝送方式より高速な伝送が可能となる。
【0083】
さらに、高速伝送を行なう場合、長距離になる程、通信効率は低くなる(通信効率は遅延×帯域(速度)の影響を受け、この積の値が大きな状態では低い)。第2の実施形態によれば、障害検出・訂正符号によってデータの送達性を向上させるので、再送などの手続きによる大幅な通信効率の低下を避けられ通信効率の向上ができる。
【0084】
(C)第3の実施形態
以下、本発明の並列送信装置及び並列伝送システムの第3の実施形態について説明する。
【0085】
第3の実施形態に係る並列伝送システムの全体構成は、第2の実施形態に係る全体構成と同じであり、図2を参照して説明する。
【0086】
(C−1)第3の実施形態の構成及び動作
第3の実施形態に係る並列伝送システムは、分割符号生成部及びフレーム生成部と、復元障害訂正部と、が第2の実施形態と異なる。
【0087】
従って、以下では、第3の実施形態に係る送信装置の分割符号生成部及びフレーム生成部と、受信装置の復元障害訂正部と、について説明する。
【0088】
分割符号生成部12は、送信データ3を受け取り、その受け取った送信データ3をビット単位で、(経路数−1)に分割し、また、その分割したものに対応するパリティー符号を生成して、そのビット単位で分割したデータとパリティー符号とをフレーム生成部13に与えるものである。
【0089】
フレーム生成部13は、分割符号生成部12からビット単位で分割したデータと、パリティ符号とを受け取り、経路数のグループに振り分けて送信部7−0〜7−Nに与えるものである。ここで、分割符号生成部12がパリティ符号を発生させているので、すでに経路数のグループができている。第2の実施形態と同様に、送信データのフレームの長さは、最低1ビットから送信部7−0〜7−Nの受付可能な最大値である。
【0090】
復元障害訂正部14は、並列受信装置2が受信した受信データを、フレーム処理部10のおいて、フレーム処理した受信データを受け取り、パリティー符号に基づいて、誤りを監視し、受信データを復元するものである。
【0091】
(C−2)第3の実施形態の効果
以上、第3の実施形態によれば、分割符号生成部12が、送信データに対してビット単位で経路数に分割することにより、経路数を出来るだけ多く、送信データの分割数を出来るだけ少なくする事ができるので、回線帯域中の有効データの占有率を良くすることができる。また、ビット単位で分割することから、全体として経路数に分割できるので、さらに回線帯域中の有効データの占有率を良くすることができる。
【0092】
(D)第4の実施形態
次に、本発明の並列送信装置及び並列伝送システムの第4の実施形態について、図3を参照して説明する。
【0093】
(D−1)第4の実施形態の構成及び動作
図3は、第4の実施形態に係る並列伝送システムの全体構成を示した概念図である。第4の実施形態全体構成は、第2及び第3の実施形態の全体構成と同じであり、異なる点は、並列送信装置1の分割符号生成部がバイト単位で送信データを分割する点である。従って、以下では、分割符号生成部について説明する。
【0094】
分割符号生成部18は、受け取った送信データ3を、バイト単位で分割し、また、その分割したバイト単位のデータに対応する障害検出・訂正符号を発生して、フレーム生成部19に与えるものである。
【0095】
フレーム生成部19は、分割符号生成部18からバイト単位に分割されたデータを蓄積して、また、その分割されたバイト単位のデータに対応する障害検出・訂正符号も蓄積して、その蓄積したバイト単位のデータ及び障害検出・訂正符号に基づいて送信フレームを生成するものである。また、フレーム生成部19は、蓄積されたデータを分割して所定の送信フレームを作成し、同時に、そのデータの所定の送信フレームに対応する障害検出・訂正符号フレームを生成するものである。フレーム生成部19は、生成したデータの送信フレームと、障害検出・訂正フレームと、を生成したものから順次、送信部7−0〜7−Nに与えて伝送路に送出するものである。
【0096】
このとき、蓄積された障害検出・訂正符号フレームは蓄積されたデータの送信フレームとは異なる経路に振り分けられて、データの送信フレームと同時に送出される。したがって、蓄積されたデータを(経路数−1)に分割しても同時に発生するフレームは、データの送信フレームと障害検出・訂正符号フレームとの2つだけとなる。
【0097】
このように、データの送信フレームと、それに対応する障害検出・訂正符号フレームとの2つの各フレームは、それぞれ対応する伝送経路を介して、並列受信装置2に伝送される。
【0098】
フレーム処理部10は、受信フレームが伝送されてきた伝送経路に基づいて、その受信フレームが、データの送信フレームであるか又は障害検出・訂正符号フレームであるかを判断してフレーム処理をするものである。
【0099】
(D−2)第4の実施形態の効果
以上、第4の実施形態によれば、分割符号生成部18がバイト単位で分割した送信データを分割し、フレーム生成部19が、その分割されたバイト単位データに基づいて送信フレームを作成して、生成した送信フレームから順次送出することができるので、フレーム生成後から送信されるまでに必要な時間を短縮できるので、遅延を低減できる。
【0100】
また、第4の実施形態によれば、生成した送信フレームと、対応する障害検出・訂正符号フレームとを、順次送信するので、全ての送信部7−0〜7−Nを使用しないので他のデータ伝送に空いた送信部が使用できる。そのため、マルチコネクション動作で有利となる。
【0101】
(E)第5の実施形態
次に、本発明の並列送信装置及び並列伝送システムの第5の実施形態について図4を参照して説明する。
【0102】
(E−1)第5の実施形態の構成及び動作
図4は、第5の実施形態に係る並列伝送システムの全体構成を示した概念図である。
【0103】
第5の実施形態は、フレーム作成部21で作成した各フレーム(データの送信フレーム及び障害検出・訂正符号フレーム)を、固有の伝送経路に拘わらず、順次送信可能な伝送経路から送信する場合に適用できる。
【0104】
図4に示すように、第5の実施形態の並列伝送システムは、第4の実施形態の並列伝送システムと同様に、分割符号生成部18が送信データ3をバイト単位分割して各フレームを作成し、データの送信フレームと障害検出・訂正符号フレームとが同時に発生する。
【0105】
しかし、第5の実施形態は第4の実施形態と異なり、各送信フレームを送信可能な状態の経路(空いている)を使用して送信します。すなわち、データの送信フレーム及び障害検出・訂正符号フレームとを順次、送信可能な経路から送信する。
【0106】
従って、第5の実施形態は、フレーム生成部21の機能が第4の実施形態と異なる。
【0107】
フレーム生成部21は、分割符号生成部18から分割されたバイト単位の送信データを蓄積して、所定の送信フレームを作成するものである。また、対応する障害検出・訂正符号フレームも作成するものである。また、フレーム生成部21は、それら送信される各フレーム毎に、そのフレームがデータの送信フレームであるか又は障害検出・訂正符号フレームであるかの識別子を付与する機能を備えているものである。
【0108】
並列受信装置2のフレーム処理部10も、受信フレームがどちらのフレームであるかを判断するフレーム判断部(図示しない)を備えているものである。
【0109】
従って、第2〜第4の実施形態で説明した並列受信装置2は、各受信フレームの伝送経路に基づいて、その受信フレームが、データの送信フレームか又は障害検出・訂正符号フレームかを判断したが、第5の実施形態では、送信される各フレーム毎に、でデータ、符号の識別が出来るようにフラグなどの手段が必要となる。
【0110】
(E)第5の実施形態の効果
以上、第5の実施形態によれば、生成した送信フレームを順次送信可能な伝送経路を介して送信するので、伝送経路数を出来るだけ多く、データの分割数を出来るだけ少なくする事で効率が向上する。また、障害検出・訂正符号フレームを送信可能な伝送経路で伝送できるので、回線帯域中の有効データ占有率が高くなる。
【0111】
【発明の効果】
以上、本発明によれば、複数の伝送経路の総帯域に基づいて、送信フレームの複製数を決定し、全伝送経路の総帯域と送信データ量とに応じて、送信フレームを送信するので、送信フレームの複製数と伝送経路数との関係が自由になった。
【0112】
すなわち、伝送速度の異なる伝送経路を複数介して伝送する場合でも、それら伝送経路の帯域に応じて伝送できるので、伝送経路の数は、そのデータ伝達率に係る帯域を満たすものであれば良く、何本の経路で実現しても良いことになる。
【0113】
また、送信データの分割データに分割する事で、複製を必要とせず、異なる送信フレームについて、複数の経路を使用して並列に伝送できるので、従来の複製を必要とする並列伝送方式より高速な伝送が可能となる。
【0114】
これらの結果として、転送方式が必要とする条件が少なくなり実現を容易にし、かつ、データ伝送率を向上させ回線使用効率を良くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係る並列伝送システムの全体構成の概念図及び並列送受信装置の内部構成を示したブロック図である。
【図2】第2及び第3の実施形態に係る並列伝送システムの全体構成の概念図及び並列送受信装置の内部構成を示したブロック図である。
【図3】第4の実施形態に係る並列伝送システムの全体構成の概念図及び並列送受信装置の内部構成を示したブロック図である。
【図4】第5の実施形態に係る並列伝送システムの全体構成の概念図及び並列送受信装置の内部構成を示したブロック図である。
【符号の説明】
1…並列送信装置、2…並列受信装置、
4、13、19、21…フレーム生成部、5…複製部、6…方路決定部、
7−0〜7−N…送信部、8−0〜8−N…受信部、9…選択部、
10…フレーム処理部、12、18…分割符号生成部、
14、20…復元障害訂正部。

Claims (2)

  1. 複数の伝送経路を介して、複製した複数の同一送信フレームを並列送信する並列送信装置において、
    送信データを分割して、順序番号を有する送信フレームを生成するフレーム生成手段と、
    上記送信データ量と上記全伝送経路の総帯域とに基づいて、上記送信フレームの複製数を決定して、その決定した複製数分だけ送信フレームを複製する複製手段と、
    上記各伝送経路の帯域に応じて、上記複製手段により複製された各送信フレームについて、各方路を決定する方路決定手段と
    を備えることを特徴とする並列送信装置。
  2. 複数の伝送経路を介して、並列送信装置から複製された同一送信フレームを並列送信し、並列受信装置が複数の伝送経路がそれぞれもつ帯域に応じて伝送されてきた、順序番号を有する複数の同一受信フレームに基づいて送信データを再生する並列伝送システムにおいて、
    上記並列送信装置、請求項1に記載の並列送信装置であり
    上記並列受信装置
    上記複数の伝送経路から伝送されてきた同一受信フレームを受信する複数の受信手段と、
    上記複数の受信手段が受信した同一受信フレームの順序番号に基づいて、複数の同一受信フレームの中から1つの受信フレームを選択する選択手段と、
    上記選択手段が受信した受信フレームから送信データを復元する復元手段と
    を備える
    ことを特徴とする並列伝送システム。
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