JP3877532B2 - セラミックヒータ及びそれを備えるグロープラグ - Google Patents

セラミックヒータ及びそれを備えるグロープラグ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、セラミックヒータ及びそれを備えるグロープラグに関する。更に詳しくは、本発明は、発熱抵抗体に嵌合されたリード線の周縁における特定の元素の偏在が抑えられた、好ましくは偏在のないセラミックヒータ及びそれを備えるグロープラグに関する。本発明のセラミックヒータは、嵌合部においても十分な抗折強度を有し、ディーゼルエンジンのグロープラグの加熱源の他、各種の用途において使用することができる。
【0002】
【従来の技術】
グロープラグ等に使用されるセラミックヒータとして、窒化珪素質焼結体等の絶縁性セラミックからなる基体に、WC等の導電成分を含む発熱抵抗体を埋設したものが知られている。そして、発熱抵抗体に通電するための電極と、発熱抵抗体の端縁とはW等からなるリード線により電気的に接続されており、リード線の先端部分は発熱抵抗体の端縁に嵌合されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
発熱抵抗体は、窒化珪素原料及び焼結助剤に、WC等の導電材料を配合し、所定の形状に成形した後、焼成することにより形成される。しかし、窒化珪素原料及びWC等の導電材料はともに難焼結性であり、焼結助剤が通常の使用量である場合は、十分に緻密化された発熱抵抗体とすることができず、その強度等が低下することがある。特開平8−64346号公報には、焼結性を向上させるため、焼結助剤総量を増量し、焼成過程において十分な液相を生成させる手法が提案されているが、この方法では、余剰の焼結助剤が均一に分散されず、偏在することがある。この偏在は、特に、発熱抵抗体に嵌合されたリード線の周縁において生じ易く、嵌合部の近傍における強度の低下が問題となる。
【0004】
本発明は、上記の従来技術の問題点を解決するものであり、発熱抵抗体の端縁に嵌合され、接続されたW等からなるリード線の周縁における特定の元素の偏在が抑えられた、好ましくは偏在のないセラミックヒータ及びそれを備えるグロープラグを提供することを目的とする。本発明のセラミックヒータは、嵌合部においても十分な抗折強度を有し、且つそのばらつきが小さい。
【0005】
【課題を解決するための手段】
第1発明のセラミックヒータは、マトリックスセラミック相に導電性セラミック粒子が分散してなる発熱抵抗体と、該発熱抵抗体の端縁に嵌合されるリード線と、該発熱抵抗体及び該リード線が埋設される軸方向に延びる基体と、を備える棒状のセラミックヒータにおいて、上記発熱抵抗体は、該発熱抵抗体を100体積部とした場合に、導電性セラミック粒子を15〜40体積部含んで構成され、上記基体は、絶縁性セラミックを主成分として構成され、上記発熱抵抗体とリード線との嵌合部における軸方向中央での横断面で、上記マトリックスセラミック相に含まれる特定の元素の濃度が、上記リード線から40μm以上離れた部位での所定厚さにおける平均値の2倍以上となっている部位を偏在層と定義し、その偏在層の厚さが5μm以下であることを特徴とする。
【0006】
上記「偏在層」は発熱抵抗体に嵌合されたリード線の周縁に形成される。偏在する上記「特定の元素」は、通常、焼成により発熱抵抗体を形成することとなる原料に配合される焼結助剤に含まれる元素である。焼結助剤は焼成時に融点の高い液相となり、移動し難いため偏在し易い。そして、発熱抵抗体のマトリックスセラミック成分として使用される窒化珪素質焼結体の焼成には、希土類酸化物等が多用されるため、偏在し易い元素は、第2発明のように、希土類元素であることが多い。
【0007】
第1発明では、特定の元素を相対的に多量に含む偏在層の厚さを5μm以下とすることにより、抗折強度の低下が抑えられる。一方、リード線の周縁に希土類元素等が偏在し、形成される偏在層の厚さが5μmを越える場合は、窒化珪素質焼結体等のマトリックスセラミックによるリード線の保持、固定が不十分となり、抗折強度が低下する。
偏在層の厚さはEPMAによる線分析によって測定することができる。
【0008】
希土類酸化物等の希土類元素を含む焼結助剤は、基体として一般に用いられる窒化珪素質焼結体の原料にも配合され、偏在の有無、或いは偏在の程度は、発熱抵抗体及び基体の各々に含まれる希土類元素の量比により変化する。第3発明のように、発熱抵抗体に含まれる希土類元素の質量%(Rh)と、基体に含まれる希土類元素の質量%(Ri)との比(Rh/Ri)が0.5未満であれば、希土類元素の偏在は十分に抑えられる。また、偏在層が形成されたとしても、その厚さは5μm以下となり、抗折強度の低下は十分に抑えられる。
【0009】
このRh/Riが0.48以下、特に0.45以下であれば、偏在層は実質的に形成されず、抗折強度の低下も確実に防止される。このことは、嵌合部におけるリード線の周縁を電子顕微鏡により観察した場合に、偏在層が認められないことにより確認することができる。一方、Rh/Riが0.48以上、特に0.5以上である場合は、後記の実施例における図3によっても明らかなとおり、偏在層は急激に厚くなり、同時に抗折強度は大きく低下する。
【0010】
更に、Rh/Riが0.48以下、特に0.45以下であれば、実質的に偏在層の存在しないセラミックヒータとすることができ、同時に抗折強度の最小値を700MPa以上、特に750MPa以上とすることができる。また、抗折強度の平均値は750MPa以上、特に800MPa以上とすることができ、且つ抗折強度の平均値と最小値との差を100MPa以下、特に85MPa以下、更には60MPa以下とすることができ、抗折強度のばらつきの小さいセラミックヒータとすることができる。
尚、Rh及びRiはEPMAにより定性及び定量分析を行った結果から算出することができる。
【0011】
上記「発熱抵抗体」は、「マトリックスセラミック相」と、この相に分散し、含有される導電性セラミック粒子と、により構成される。
マトリックスセラミック相は、通常、窒化珪素質焼結体からなる。また、導電性セラミック粒子は、W、Ta、Nb、Ti、Mo、Zr、Hf、V、及びCr等から選ばれる1種以上の金属元素の珪化物、炭化物又は窒化物等のうちの少なくとも1種が焼成され、形成される。
【0012】
導電性セラミック粒子は、特に、その熱膨張率が基体を構成する窒化珪素質焼結体、若しくはマトリックスセラミック相を構成する窒化珪素質焼結体と大きな差がないものが好ましい。熱膨張率の差が小さければヒータ使用時の基体及び発熱抵抗体における亀裂の発生が抑えられる。そのような導電性セラミック粒子としては、WC、MoSi2、TiN又はWSi2等からなる粒子が挙げられる。更に、この導電性セラミック粒子としては、その融点がセラミックヒータの使用温度を越え、耐熱性の高いものが好ましい。導電性セラミック粒子の融点が高ければ使用温度域におけるヒータの耐熱性も向上する。
【0013】
マトリックスセラミック相と導電性セラミック粒子との量比は特に限定されないが、発熱抵抗体を100体積部とした場合に、導電性セラミック粒子を15〜40体積部とすることができ、特に20〜30体積部とすることが好ましい。
【0014】
上記「リード線」は、W、Re、Ta、Mo及びNb等から選ばれる金属、或いはこれらの金属を主成分とする合金などにより形成することができ、特に、Wが多用される。
【0015】
上記「基体」は、通常、窒化珪素質焼結体からなる。この焼結体は、窒化珪素のみからなるものであってもよいし、窒化珪素を主成分とし、これに少量の窒化アルミニウム、アルミナ等が含有されるものであってもよい。また、サイアロンであってもよい。尚、導電性セラミック粒子との熱膨張率の差を小さくするため、この粒子を構成するセラミック成分を少量含有させることもできる。
【0016】
第1乃至第3発明のセラミックヒータは、以下のようにして製造することができる。
導電性セラミック粒子用原料粉末として、W、Ti及びMo等の金属元素の珪化物、炭化物又は窒化物等からなる粉末を使用する。また、マトリックスセラミック用原料粉末として、窒化珪素原料粉末等のセラミック原料粉末及び焼結助剤粉末を用いる。この焼結助剤粉末としては、希土類酸化物粉末が多用されるが、MgO及びAl23−Y23等、一般に窒化珪素質焼結体の焼成において用いられる酸化物等の粉末を使用することもできる。これらの焼結助剤粉末は1種のみを使用してもよいが、2種以上を併用することが多い。尚、Er23等、焼結した場合の粒界が結晶相となる焼結助剤粉末を用いると耐熱性がより高くなるため好ましい。
【0017】
これら各々の原料粉末、及び焼結助剤粉末を所定の量比で混合し、混合粉末を調製する。この混合は、湿式等、通常の方法によって行うことができる。
マトリックスセラミック用及び導電性セラミック粒子用の各原料粉末、並びに焼結助剤粉末は、これらの合計量を100体積部とした場合に、導電性セラミック粒子用原料粉末を15〜40体積部、特に20〜30体積部、残部をマトリックスセラミック用原料粉末と焼結助剤粉末とで85〜60体積部、特に80〜70体積部とすることができる。
【0018】
このようにして調製した混合粉末に、適量のバインダー等を配合して混練した後、造粒し、これを用いて、W等の金属からなるリード線が成形体の所定の位置に配設されるように予め配置された射出成形用の金型内に射出成形する等の方法により、焼成後、発熱抵抗体となる成形体とすることができる。なお、射出成形時にリード線が成形体に取り付けられる。
【0019】
その後、この成形体を、基体用原料粉末に埋入する。その方法としては、基体用原料粉末を圧粉した半割型を2個用意し、これらの半割型の間の所定位置に成形体を載置した後、プレス成形する方法等が挙げられる。次いで、これらを一体に5〜12MPa程度に加圧することにより、基体の形状を有する粉末成形体に発熱抵抗体となる成形体が埋設されたセラミックヒータ成形体が得られる。このセラミックヒータ成形体を、黒鉛製等の加圧用ダイスに収納し、これを焼成炉に収容し、所定の温度で所要時間、ホットプレス焼成することにより、セラミックヒータを製造することができる。焼成温度及び焼成時間は特に限定されないが、焼成温度は1700〜1850℃、特に1800〜1850℃、焼成時間は30〜180分、特に60〜120分とすることができる。
【0020】
第4発明のグロープラグは、第1乃至第3発明のセラミックヒータを備えることを特徴とする。
このグロープラグでは、組み込まれたセラミックヒータが、特に、発熱抵抗体とリード線との嵌合部においても十分な抗折強度を有し、且つそのばらつきが小さいため、長期に渡って安定して使用することができる。
【0021】
【作用】
特定の元素がリード線の周縁に偏在する理由は以下のように推定される。
リード線は一般にW等の融点の高い金属により形成されるが、それでも、焼成時のリード線の表面と、焼成後、発熱抵抗体となる成形体に含まれる成分との反応は避けられない。そして、微量といえどもリード線と上記成分との化合物が生成し、同時に若干の体積変化を生じ、このような部位は窒化珪素質焼結体等にとって組織上の欠陥となる。そのため、この欠陥部位に希土類酸化物等の比較的移動し易い焼結助剤成分が移動し、偏在することになる。
【0022】
また、Rh/Riが大きくなると希土類元素の偏在が生じ易くなる原因は以下のように推定される。
iが小さいか、Rhが大きい場合に、Rh/Riが大きくなるが、Riが小さいと基体の焼結性が低下し、セラミックヒータ全体としての緻密化が遅くなる。このような焼成過程では含有される各種成分の移動を生じ易くなり、特に、他と比較して移動し易い希土類酸化物等が前記の組織上の欠陥となる部位に偏在し易くなる。また、この現象はRiが小さくなるほど顕著になり、リード線の周縁に希土類元素の量比が高い偏在層が形成される。
【0023】
一方、Rhが大きい場合は、焼成後、発熱抵抗体となる成形体の焼結性は改善され、セラミックヒータ全体としての緻密化も速くなり、希土類元素の偏在が生じ難くはなる。しかし、緻密化の終了後も焼結体は高温に保持されているため、比較的移動し易い希土類酸化物等はセラミックヒータ内を移動することができ、ヒータ全体に均一に分散し得る。しかし、上述した組織上の欠陥となる部位に存在していた希土類酸化物等は十分に移動せずに残留し、偏在することになる。
【0024】
そして、Rh/Riが0.5以上となるほどにRhが大きい場合は、緻密化終了の後も発熱抵抗体の組織上の欠陥となる部位に偏在している希土類酸化物等を除き、多くの希土類成分が基体にまで移動し、発熱抵抗体に含まれる希土類元素が減少する。しかし、組織上の欠陥となる部位には多くの希土類酸化物等が残存し、それによってリード線の周縁における希土類元素の量比は相対的に更に高くなり、より偏在の程度が強くなる。このように、Rhが大きくなれば焼結性は改善されるものの、より偏在を生じ易くなるため、Rh/Riは0.5未満とすることが望ましい。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のセラミックヒータ及びそれを備えるグロープラグを実施例により更に詳しく説明する。
(1)セラミックヒータの作製
窒化珪素原料粉末に、焼結助剤として、表1に記載の量比のYb23粉末及びSiO2粉末を配合してマトリックスセラミック用原料とした。この原料40質量%と導電性セラミック粒子用原料であるWC粉末60質量%とを、72時間湿式混合した後、乾燥し、混合粉末を得た。その後、この混合粉末とバインダーとを混練機に投入し、4時間混練した。そして、U字形状のキャビティを有する金型内に、W製のリード線を、その一方の端部約3mmがキャビティ内に入り込むように配置した。その状態で、ペレット状に裁断した混練物をキャビティ内に射出することにより、リード線が両端縁に嵌合され、接続されたU字形状の発熱抵抗体となる成形体を得た。
【0026】
一方、86質量部の窒化珪素原料粉末に、焼結助剤として11質量部(4体積部)のYb23粉末及び3質量部のSiO2粉末、並びに5質量部のMoSi2粉末を配合し、40時間湿式混合したものをスプレードライヤー法によって造粒し、この造粒物を圧粉した2個の半割型を用意した。その後、発熱抵抗体となる成形体を2個の半割型の間の所定位置に載置し、プレス成形して埋入した後、これらを70気圧の圧力で一体に加圧し、未焼成のセラミックヒータを得た。次いで、この未焼成のセラミックヒータを600℃で仮焼してバインダーを除去し、仮焼体を得た。その後、この仮焼体を黒鉛製の加圧用ダイスにセットし、窒素雰囲気下、1800℃で1.5時間、ホットプレス焼成し、セラミックヒータを作製した。
【0027】
(2)セラミックヒータ及びこのヒータを組み込んだグロープラグの構成
図4は、セラミックヒータの縦断面図である。
セラミックヒータ1は、基体11、発熱抵抗体12及びリード線13a、13bにより構成されている。基体11は窒化珪素焼結体からなり、埋設される発熱抵抗体12、及びリード線13a、13bは、この基体11によって保護されている。発熱抵抗体12はU字形状の棒状体からなり、基体11に埋設される形態で配設されている。この発熱抵抗体12には、マトリックスセラミック及び導電性セラミック粒子が含有されている。また、Wからなるリード線13a、13bは、外部からセラミックヒータ1に供給される電力を基体11に埋設される発熱抵抗体12へ給電できるように、それぞれその一端は基体11の表面に位置し、他端は発熱抵抗体12の両端縁に嵌合されている。
【0028】
図5は、このセラミックヒータを組み込んだグロープラグの縦断面図である。
グロープラグ2は、発熱する部位である先端側にセラミックヒータ1を備える。セラミックヒータ1は、金属製の固定筒21に貫装され、この固定筒21は外筒22の先端部に保持される。
【0029】
(3)嵌合部のリード線の周縁の走査型電子顕微鏡による観察及びEPMA元素マッピングによる偏在層の確認
(1)において作製したセラミックヒータを、長さが約3mmの発熱抵抗体とリード線との嵌合部の軸方向の中央において、図4のX−Xで示すように径方向に切断し、切断面を走査型電子顕微鏡により観察し、写真撮影をした。更に、EPMA元素マッピングによる分析によって、偏在層の有無及び偏在層が多くの希土類元素を含んでいることを確認した。図1は、実験例4のセラミックヒータの倍率500倍の写真であり、図2は、実験例9のセラミックヒータの倍率500倍の写真である。
【0030】
図1によれば、偏在層はまったく存在せず、第3発明に含まれるセラミックヒータであれば、希土類元素が偏在しないことが分かる。一方、図2によれば、リード線から40〜50μm離れた部位における厚さ10μmの範囲のYbの濃度の平均値は約11レベルであるのに対して、リード線の周縁の厚さ約28μmの範囲におけるYbの濃度の平均値はおよそ2.7倍の約30レベルであり、Rh/Riが第3発明の上限値以上である場合は、第1発明の上限値を越える厚さの偏在層が形成されていることが分かる。
【0031】
(4)抗折強度の評価
抗折強度はJIS R 1601に準じて3点曲げ強度を測定した。スパンは12mmとし、クロスヘッド速度は0.5mm/分とした。
以上、偏在層の厚さ及び抗折強度の測定結果を表1に併記する。また。図3に、発熱抵抗体と基体の各々に含まれるYb元素の質量比と、偏在層の厚さ及び嵌合部における抗折強度の最小値との相関を示す。
【0032】
【表1】
Figure 0003877532
【0033】
表1及び図3によれば、Rh/Riが0.45以下である実験例1〜4では、偏在層はまったく存在せず、嵌合部における抗折強度の最小値は715MPa以上であり、平均値との差は84MPa以下であって、十分な強度を有し、且つそのばらつきも小さいことが分かる。また、Rh/Riが0.49である実験例5では、3μmと薄い偏在層が形成されているが、抗折強度の最小値は665MPaであり、平均値との差は76MPaであって、十分な強度を有し、ばらつきも小さい。一方、Rh/Riが0.55以上である実験例6〜9では、10〜28μmの厚さの偏在層が形成されており、抗折強度の最小値は512MPa以下であり、平均値との差は122MPa以上であって、強度が低下し、そのばらつきも大きいことが分かる。
【0034】
尚、本発明においては、上記の実施例に限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更した実施例とすることができる。即ち、本発明のセラミックヒータはグロープラグばかりでなく、暖房用等の各種ヒータにも使用することができる。
【0035】
【発明の効果】
第1発明によれば、十分な抗折強度を有し、且つそのばらつきが小さく、信頼性の高いセラミックヒータとすることができる。特に、第3発明によれば、より確実に優れた強度等を有するセラミッヒータとすることができる。
また、第4発明によれば、第1乃至第3発明のセラミックヒータを備え、長期に渡って安定して使用し得るグロープラグとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実験例4のセラミックヒータのリード線及びその周縁の発熱抵抗体の横断面の一部を示す走査型電子顕微鏡写真である。
【図2】実験例9のセラミックヒータのリード線及びその周縁の発熱抵抗体の横断面の一部を示す走査型電子顕微鏡写真である。
【図3】基体と発熱抵抗体の各々に含まれるYb元素の質量比と、偏在層の厚さ及び嵌合部における抗折強度の最小値との相関を示すグラフである。
【図4】セラミックヒータを説明するための縦断面図である。
【図5】セラミックヒータを組み込んだグロープラグの縦断面図である。
【符号の説明】
1;セラミックヒータ、11、基体、12;発熱抵抗体、13a、13b;リード線、2;グロープラグ、21;固定筒、22;外筒。

Claims (4)

  1. マトリックスセラミック相に導電性セラミック粒子が分散してなる発熱抵抗体と、該発熱抵抗体の端縁に嵌合されるリード線と、該発熱抵抗体及び該リード線が埋設される軸方向に延びる基体と、を備える棒状のセラミックヒータにおいて、
    上記発熱抵抗体は、該発熱抵抗体を100体積部とした場合に、導電性セラミック粒子を15〜40体積部含んで構成され、
    上記基体は、絶縁性セラミックを主成分として構成され、
    上記発熱抵抗体とリード線との嵌合部における軸方向中央での横断面で、上記マトリックスセラミック相に含まれる特定の元素の濃度が、上記リード線から40μm以上離れた部位での所定厚さにおける平均値の2倍以上となっている部位を偏在層と定義し、その偏在層の厚さが5μm以下であることを特徴とするセラミックヒータ。
  2. 上記特定の元素は、希土類元素である請求項1記載のセラミックヒータ。
  3. 上記発熱抵抗体に含まれる希土類元素の質量%(R)と、上記基体に含まれる希土類元素の質量%(R)との比(R/R)が0.5未満である請求項1又は2記載のセラミックヒータ。
  4. 請求項1乃至3のうちのいずれか1項に記載のセラミックヒータを備えることを特徴とするグロープラグ。
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